JP5141316B2 - 固体型電池 - Google Patents

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Description

本発明は、流動性封止剤が発電要素内に浸入することによる内部抵抗の上昇を防止することが可能な固体型電池に関する。
電池を全固体化した全固体型リチウム電池は、電池内に可燃性の有機溶媒を用いないので、安全装置の簡素化が図れ、製造コストや生産性に優れると考えられている。しかしながら、固体電解質層として、硫化物系固体電解質層を用いた場合には、硫化物系固体電解質層と空気中の水分とが接触すると、硫化水素が発生し、硫化物系固体電解質層の性能が著しく劣化するという問題があった。
このような問題に対して、正極、硫化物系固体電解質層および負極からなる発電要素を、固体封止剤により封止した固体型電池が知られている。例えば、特許文献1においては、発電要素を、高温硬化型樹脂を用いて封止した全固体型リチウム電池が開示されている。この全固体型リチウム電池は、固体封止剤を用いて発電要素を保護するため、空気中の水分の浸入により硫化物系固体電解質層が劣化することを防止できるという利点を有する。しかしながら、充放電等の際にLiイオンが正極−負極間を移動することにより生じる発電要素の体積変化(膨張収縮)が起こると、高温硬化型樹脂により形成された封止部分にクラックが発生する場合があり、その間隙から空気中の水分が浸入し、硫化物系固体電解質層の劣化が生じるという問題があった。
このような問題に対して、流動性を有する封止剤を用いた固体型電池が提案されている。例えば、発電要素を流動性封止剤により封止した固体型電池が考えられている。流動性封止剤に発電要素を浸漬させて封止を行うと、水分の浸入による硫化物系固体電解質層の劣化を抑制することができ、また、充放電等に伴う発電要素の体積変化が生じた場合であっても、その体積変化に柔軟に対応することができるという利点を有する。
一方で、流動性封止剤を用いた固体型電池は、流動性封止剤が発電要素と直接接触する部分において、流動性封止剤が発電要素内へ浸入し、内部抵抗が上昇することが懸念される。
特開平6−275247号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、流動性封止剤が発電要素内に浸入することによる内部抵抗の上昇を防止することが可能な固体型電池を提供することを主目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、正極層、固体電解質層および負極層がこの順に積層された全固体型の発電要素と、上記正極層、上記固体電解質層および上記負極層のうち、少なくとも1つの層の端部を覆うバリア層と、上記発電要素を収納する電池ケースと、上記電池ケース内で上記発電要素を浸漬させ、かつ、上記固体電解質層と反応しない性質を有する流動性封止剤と、を有することを特徴とする固体型電池を提供する。
本発明によれば、上記固体型電池が、上記正極層、上記固体電解質層および上記負極層のうち、少なくとも1つの層の端部を覆うバリア層を有するため、バリア層を有する上記正極層、上記固体電解質層および上記負極層の少なくとも1つの層の端部から流動性封止剤が浸入することを防ぎ、内部抵抗の上昇を抑制することができる。
上記発明においては、上記バリア層が、上記正極層、上記固体電解質層および上記負極層の全ての端部を覆っていることが好ましい。上記正極層、上記固体電解質層および上記負極層の全ての端部を覆うことにより、流動性封止剤と直接接する端部を全てなくし、流動性封止剤浸入による内部抵抗の上昇をより効果的に防ぐことができるからである。
上記発明においては、上記固体電解質層が、硫化物系固体電解質層であることが好ましい。硫化物系固体電解質層は、高いイオン伝導性を示し、固体型電池の出力電流を大きくすることができるからである。
上記発明においては、上記バリア層が、中低温で硬化する熱硬化型樹脂である中低温硬化樹脂を硬化してなるものであることが好ましい。中低温硬化樹脂を用いることにより、硬化に際して熱による電池の劣化を防止することができるからである。
上記発明においては、上記発電要素が、中間集電体を介して複数積層されているものであってもよい。より実用的な固体型電池とすることができるからである。
本発明においては、流動性封止剤が発電要素内に浸入することによる内部抵抗の上昇を防止できるという効果を奏する。
本発明の固体型電池について、以下詳細に説明する。
本発明の固体型電池は、正極層、固体電解質層および負極層がこの順に積層された全固体型の発電要素と、上記正極層、上記固体電解質層および上記負極層のうち、少なくとも1つの層の端部を覆うバリア層と、上記発電要素を収納する電池ケースと、上記電池ケース内で上記発電要素を浸漬させ、かつ、上記固体電解質層と反応しない性質を有する流動性封止剤と、を有することを特徴とするものである。
本発明の固体型電池について図面を用いて説明する。図1(a)は、本発明の固体型電池の一例を示す概略断面図である。図1(a)に示される固体型電池は、LiCoO等の正極活物質を含有する正極層1と、LiS−Pガラスセラミックス等からなる固体電解質層2と、In箔等からなる負極層3と、SUS等からなる集電体4(正極集電体4aおよび負極集電体4b)とを有する全固体型の発電要素5を備えるものである。この発電要素5は、固体電解質層2の端部を覆うバリア層6を有し、さらに、通気孔を有する開放型の電池ケース7に収納され、流動パラフィンからなる流動性封止剤8で封止されている。また、電気の取り出しは、正極集電体4aおよび負極集電体4bに接続された取り出し電極9(正極側取り出し電極9aおよび負極側取り出し電極9b)により行う。
図2は、本発明の固体型電池の他の例を示す概略断面図である。図2に示すように、本発明における電池ケース7は、密閉型であっても良い。なお、密閉型の電池ケース7として、例えばアルミニウム製のラミネートパック用電池ケースを用いることができる。
本発明によれば、上記固体型電池が、上記正極層、上記固体電解質層および上記負極層のうち、少なくとも1つの層の端部を覆うバリア層を有するため、流動性封止剤がバリア層を有する正極層、固体電解質層および負極層の少なくとも1つの層の端部に浸入することを防ぎ、上述したバリア層を有する正極層、固体電解質層および負極層のうち、少なくとも1つの層の内部抵抗の上昇を抑制し、固体型電池全体の内部抵抗の上昇も抑制することができる。
以下、本発明の固体型電池について、固体型電池の部材と、固体型電池の構成とに分けて説明する。
1.固体型電池の部材について
本発明の固体型電池は、少なくとも、発電要素、バリア層、電池ケースおよび流動性封止剤を有し、さらに通常は、電気を取り出すための取り出し電極を有する。以下、上記各部位について説明する。
(1)バリア層
まず、本発明に用いられるバリア層について説明する。本発明に用いられるバリア層の形成位置は、上記正極層、上記固体電解質層および上記負極層がこの順に積層された全固体型の発電要素において、上記正極層、上記固体電解質層および上記負極層のうち、少なくとも1つの層の端部を覆うものであれば特に限定されない。具体的には、上述した図1(a)で示されるような固体電解質層の端部を覆ったものや、他に、正極層の端部のみを覆ったもの、負極層の端部のみを覆ったものまたは固体電解質層および正極層の端部を覆ったもの等が挙げられる。
このように上記正極層、上記固体電解質層および上記負極層のうち、少なくとも1つの層の端部を覆うことの利点としては、以下の点を挙げることができる。すなわち、正極層、固体電解質層および負極層の各層が粉体を圧縮する方法等で形成されている場合、流動性封止剤と、正極層、固体電解質層および負極層とが接触する箇所において、流動性封止剤が正極層、固体電解質層および負極層の各層を構成する粒子の隙間に入り込んでくる恐れがある。本発明においては上述したように、上記正極層、上記固体電解質層および上記負極層のうち、少なくとも1つの層の端部を覆うことにより、流動性封止剤が正極層、固体電解質層および負極層の各層を構成する粒子の隙間に入り込むことを防止することが可能となり、各層において内部抵抗の上昇を抑制することができる。したがって、固体型電池全体の内部抵抗の上昇を抑制することが可能となる。また、正極層、固体電解質層および負極層に硫化物系の材料が使用されている場合、流動性封止剤中に溶け込んでいる大気中の水分と硫化物との反応を妨げることも可能である。
本発明において、上述したバリア層の形成位置としては、バリア層が、図1(b)に示されるような上記正極層、上記固体電解質層および上記負極層の全ての端部を覆うように形成されていることが好ましい。これにより、流動性封止剤と正極層、固体電解質層および負極層が接触している箇所、すなわち、流動性封止剤が浸透する恐れがある箇所を全て覆うことが可能となり、流動性封止剤が正極層、固体電解質層および負極層に浸透することを防止することができる。また、正極層、固体電解質層および負極層を一体化する際に、プレス成形等で形成される場合、各層間に流動性封止剤が入り込んでくる恐れがあり、これも防止することができる。
本発明において、上述したバリア層の形成位置としては、図1(c)で示されるような上記正極層、上記固体電解質層、上記負極層および上記集電体を覆う形成位置も挙げられる。
また、本発明に用いられるバリア層の材料としては、絶縁性と適度な弾性を有するものであれば特に限定されるものではないが、樹脂が好ましい。具体的には、硬化型樹脂が挙げられ、中でも熱硬化型樹脂、特に中低温で硬化する熱硬化型樹脂である中低温硬化樹脂が好ましい。
ここで、「中低温」とは、具体的には90℃以下、中でも60℃以下、特に10℃〜30℃であることが好ましい。中低温硬化樹脂を用いることにより、硬化に際して、固体型電池の材料自体が変質せず、固体型電池の材料同士が反応することもないためである。さらに、設備を簡略化し、効率化を図ることができるからである。このような熱硬化型樹脂としては、具体的には、フェノール樹脂系、エポキシ樹脂系、ポリウレタン系等を挙げることができる。また、上記硬化型樹脂としては、光硬化型樹脂を用いてもよい。光硬化型樹脂を用いた場合に、硬化に際して単にUV光等を照射することのみでよいことから、発電要素自体にダメージを与えることなく硬化することができるからである。このような光硬化型樹脂としては、具体的には、紫外線硬化型シリコーン樹脂、エステルアクリレート系樹脂、ウレタンアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、メラミンアクリレート系樹脂、アクリル樹脂アクリレート、不飽和ポリエステル系樹脂等を挙げることができる。また、上述した硬化型樹脂だけでなく、熱可塑性樹脂等を用いることもできる。熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではないが、90℃以下で加工・形成可能なもので、常温で固化するものが好適に用いられる。90℃以下で加工・形成可能なものであれば、発電要素自体にダメージを与えることなくバリア層を形成することができるからである。このような熱可塑性樹脂としては、具体的には、アクリル樹脂系、酢酸ビニル樹脂系、塩化ビニル樹脂系、セルロース系、オレフィン系等を挙げることができる。
本発明に用いられるバリア層の形成方法としては、特に限定されるものではなく、一般的に上述した樹脂に適用される方法が用いられる。例えば、熱硬化性樹脂の場合は、上述したバリア層の材料を上述したバリア層の形成位置に塗布し、その後加熱等により硬化させる方法等が挙げられる。
また、本発明に用いられるバリア層の材料としては、上述したように、適度な弾性を有するものが好ましい。このような弾性を有する材料としては、エラストマー等を挙げることもできる。具体的には、クロロプレンゴム系、ニトリルゴム系、スチレンブタジエンゴム系、ポリサルファイド系、シリコーンゴム系、ブチルゴム系、アクリルゴム系、ウレタンゴム系等を挙げることができる。
(2)流動性封止剤
次に、本発明に用いられる流動性封止剤について説明する。本発明に用いられる流動性封止剤は、上記電池ケース内で上記発電要素を封止し、上記固体電解質層と反応しない性質を有するものである。本発明において「固体電解質層と反応しない」とは、固体電解質層の機能を実質的に劣化させないことをいう。また、本発明に用いられる流動性封止剤は流動性を有するものである。「流動性を有する」とは、固体または気体ではないことをいい、充放電等に伴う発電要素の体積変化に柔軟に追従できることをいう。従って、本発明における流動性封止剤には、通常の液体(有機溶媒)の他に、ゾル、ゲル、エマルジョン等の分散系も含まれる。また、本発明における流動性封止剤には、通常、絶縁性に優れた材料が用いられる。以下、本発明に用いられる流動性封止剤について、電池ケースが開放型である場合と、電池ケースが密閉型である場合とに分けて説明する。
(i)電池ケースが開放型である場合
電池ケースが開放型である場合、上述した図1(a)〜(c)に示すように、流動性封止剤は大気(空気)と接することになる。そのため、流動性封止剤の疎水性は高いことが好ましい。より具体的には、流動性封止剤が疎水性液体であることが好ましい。例えば、正極層、固体電解質層および負極層に硫化物系の材料が使用されている場合、空気中の水分が、硫化物系の材料からなる正極層、固体電解質層および負極層と接触することを抑制することができるからである。
本発明においては、流動性封止剤に含まれる水分量は少ないことが好ましい。具体的には100ppm以下、中でも50ppm以下、特に30ppm以下であることが好ましい。流動性封止剤に含まれる水分量が多すぎると、例えば、正極層、固体電解質層および負極層に硫化物系の材料が使用されている場合、硫化物系の材料からなる正極層等の劣化が進みやすいからである。
流動性封止剤の水(水蒸気)に対する溶解度としては、例えば、25℃、1atmの条件下で、例えば1%(w/w)以下、中でも0.5%(w/w)以下、特に0.1%(w/w)以下であることが好ましい。また、一般的に、対象物の疎水性を表す指標として、n−オクタノールおよび水の混合溶媒に対する、流動性封止剤の分配係数を用いて評価する方法がある。本発明においては、流動性封止剤のLogPowが、例えば0以上、中でも1以上、特に2以上であることが好ましい。
上記疎水性液体としては、例えば鎖式飽和炭化水素、環式飽和炭化水素、無極性液体等を挙げることができる。
上記鎖式飽和炭化水素は、流動性を有するものであれば、直鎖構造を有するものであっても良く、分岐構造を有するものであっても良い。さらに、流動性封止剤は、流動性を有するものであれば、鎖式飽和炭化水素の単体であっても良く、複数の鎖式飽和炭化水素の混合物であっても良い。
鎖式飽和炭化水素の単体としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカンおよびドデカン等を挙げることができる。一方、複数の鎖式飽和炭化水素の混合物としては、例えば流動パラフィン等を挙げることができる。なお、流動パラフィンとは、一般的に、炭素数20以上の鎖式飽和炭化水素の混合物であり、かつ、常温で液体であるものの総称をいう。本発明においては、疎水性液体が流動パラフィンであることが好ましい。
また、上記環式飽和炭化水素としては、具体的にはシクロアルカンを挙げることができる。シクロアルカンとしては、例えばシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、およびシクロオクタン等を挙げることができる。また、上記無極性液体としては、例えばベンゼン、トルエン、ジエチルエーテル、クロロホルム、酢酸エチル、テトラヒドロフランおよび塩化メチル等を挙げることができる。なお、本発明においては、ゾル、ゲル、エマルジョン等の分散系の流動性封止剤を使用することもできる。
(ii)電池ケースが密閉型である場合
電池ケースが密閉型である場合、上述した図2に示すように、流動性封止剤は基本的には大気(空気)と接しない。そのため、流動性封止剤の種類は、固体電解質層と反応しない性質を有するものであれば特に限定されるものではない。中でも、本発明においては、流動性封止剤の疎水性が高いことが好ましく、より具体的には、流動性封止剤が疎水性液体であることが好ましい。電池ケース内への水分の浸入を完全に防止することは困難であり、空気が残存している場合であっても、容易に除去することができ、例えば、正極層、固体電解質層および負極層に硫化物系の材料が使用されている場合、水分が正極層等と接触することを抑制することができるからである。なお、疎水性液体の種類等については、上述した内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
(3)発電要素
次に、本発明に用いられる発電要素について説明する。本発明に用いられる発電要素は、上記正極層、上記固体電解質層および上記負極層がこの順に積層された全固体型の発電要素である。さらに通常は、正極層および負極層の集電を行う正極集電体および負極集電体が配置される。また、上記発電要素の形成方法としては、正極層/固体電解質層/負極層の3層構成のペレットを粉末成型法により形成する方法、電極、電解質用各材料粉末、焼結助剤を含む原料粉末、有機バインダー、可塑剤、溶剤等を混合しスラリーを作製し、ドクターブレード法等でフィルム上に塗布乾燥させたシートを作製し、正極、負極、電解質の各シートを重ねあわせ一体化させたものを焼結する方法、および正極、負極、固体電解質の全部または一部を、蒸着装置、スパッタ装置にて作製し、積層することで形成する方法等を挙げることができる。
なお、本発明の固体型電池は、上述したように流動性封止剤を用いているものである。そのため、本発明の固体型電池におけるイオン伝導体の種類は、特に限定されるものではないが、中でもLiイオンであることが好ましい。すなわち、本発明の固体型電池は、全固体型リチウム電池であることが好ましい。エネルギー密度が高い電池とすることができるからである。また、本発明の固体型電池は、一次電池であっても良く、二次電池であっても良いが、中でも二次電池であることが好ましい。例えば車載用電池として有用だからである。以下、発電要素の材料等について、リチウム電池の場合を中心にして説明する。
本発明に用いられる固体電解質層としては、固体電解質層としての機能を有するものであれば特に限定されるものではない。上記固体電解質層に用いられる固体電解質材料としては、一般的な全固体型リチウム二次電池に用いられるものと同様のものを用いることができる。例えば、硫化物系結晶化ガラス、チオリシコン、酸化物系固体電解質等を挙げることができ、中でも硫化物系結晶化ガラス、チオリシコン、特に硫化物系結晶化ガラスを用いることが本発明においては好適であるといえる。イオン伝導度が高い固体電解質層を得ることができるからである。また、硫化物系の固体電解質材料は水に弱く、水分と反応して、劣化するおそれがある。本発明は、このような固体電解質材料を用いた場合に特にその効果を発揮することができるからである。すなわち、本発明は、流動性封止剤を用いて発電要素を封止するため、硫化物系の固体電解質材料と大気中の水分とを遮断することができるからである。さらに、上述したバリア層を用いることにより流動性封止剤に溶け込んだ水分が、硫化物系の固体電解質材料と反応することを防止することもできるからである。
上記固体電解質層の膜厚としては、特に限定されるものではないが、例えば0.1μm〜1000μmの範囲内であり、中でも0.1μm〜300μmの範囲内であることが好ましい。
上記固体電解質材料の製造方法としては、所望の固体電解質材料を得ることができる方法であれば特に限定されるものではないが、具体的には、Liを含んだ原料等を遊星ボールミルにてガラス化させ、その後熱処理することで得る方法等を挙げることができる。また、上記固体電解質層の形成方法としては、例えば、上記固体電解質材料等を圧縮成形する方法、スラリ−を作製し塗布することでシートを作製する方法、スパッタや蒸着により成膜する方法等を挙げることができる。
本発明に用いられる正極層は、一般的な固体型電池に用いられる正極層と同様のものを用いることができる。上記正極層は、少なくとも正極活物質を有する。上記正極活物質としては、例えば、LiCoO、LiMnO、LiNiMn、LiVO、LiCrO、LiFePO、LiCoPO、LiNiO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3等を挙げることができ、中でもLiCoOが好ましい。また、上記正極層は、導電性を向上させるために、導電化材を含有していても良い。上記導電化材としては、例えばアセチレンブラック、カーボンファイバー等を挙げることができる。
上記正極層の膜厚としては、特に限定されるものではないが、通常1μm〜100μmの範囲内である。また、上記正極層の形成方法としては、例えば、上記正極活物質等の粉体を圧縮成形する方法等を挙げることができる。また、上記正極層は、通常、正極層の集電を行う正極集電体を有する。上記正極集電体の材料としては、例えばSUS等を挙げることができ、上記正極集電体の形状としては、例えば箔状およびメッシュ状等を挙げることができる。
本発明に用いられる負極層は、一般的な固体型電池に用いられる負極層と同様のものを用いることができる。上記負極層は、少なくとも負極活物質を有する。上記負極活物質としては、例えば金属系活物質およびカーボン系活物質を挙げることができる。上記金属系活物質としては、例えばIn、Al、Si、Sn等を挙げることができ、中でもInが好ましい。また、上記金属系活物質は、LiTi12等の無機酸化物系活物質であっても良い。一方、上記カーボン系活物質としては、例えばメソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、高配向性グラファイト(HOPG)、ハードカーボン、ソフトカーボン等を挙げることができる。
また、本発明に用いられる負極層は、金属系活物質の金属膜であっても良く、金属系活物質またはカーボン系活物質の粉体を圧縮成形等したものであっても良い。金属系活物質の金属膜としては、具体的には、上記金属系活物質の金属箔、めっき箔、蒸着箔等を挙げることができ、中でも金属系活物質の金属箔が好ましい。また、例えば、金属系活物質の粉体を圧縮成形して負極層を形成する場合は、導電性を向上させるために、導電化材を添加しても良い。上記導電化材としては、例えばアセチレンブラック、カーボンファイバー等を挙げることができる。
上記負極層の膜厚としては、特に限定されるものではないが、通常1μm〜100μmの範囲内である。また、上記負極層は、通常、負極層の集電を行う負極集電体を有する。上記負極集電体の材料としては、例えばSUS等を挙げることができ、上記負極集電体の形状としては、例えば箔状およびメッシュ状等を挙げることができる。
(4)電池ケース
次に、本発明に用いられる電池ケースについて説明する。本発明に用いられる電池ケースは、発電要素、バリア層および流動性封止剤を収納するものである。本発明に用いられる電池ケースは、大気と流動性封止剤とが接触可能な開放型電池ケースであっても良く、接触不可能な密閉型電池ケースであっても良い。
上記電池ケースとしては、発電要素、バリア層および流動性封止剤を収納することができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ラミネートパック用の電池ケース、コインセル用の電池ケース、通気孔を有する空気電池用の電池ケース等を挙げることができる。電池ケースの材料等については、一般的な電池ケースに用いられる材料と同様である。
(5)その他の部材
本発明の固体型電池は、上述した部材の他に、通常、集電体に接続された取り出し電極を有する。取り出し電極の形状は、例えばリード状および箔状等を挙げることができる。また、後述するように、本発明の固体型電池は、中間集電体を有していても良い。
2.固体型電池の構成について
次に、本発明の固体型電池の構成について説明する。本発明においては、電池ケースの内部に上記正極層、上記固体電解質層および上記負極層のうち、少なくとも1つの層の端部を覆うバリア層を有する発電要素を配置し、発電要素が浸漬するように、流動性封止剤で封止を行う。これにより、流動性封止剤が発電要素内に浸入することによる内部抵抗の上昇を防止することができる。
本発明においては、上記発電要素が、中間集電体を介して複数積層されてもよい。より実用的な固体型電池とすることができるからである。具体的には、図3に示すように、正極層1、固体電解質層2および負極層3がこの順に積層された発電要素が、中間集電体4cを介して複数積層されており、固体電解質層2の端部を覆うバリア層6からなるバイポーラ構造の固体型電池を挙げることができる。この場合、積層される発電要素の数は、例えば1個以上が好ましく、中でも2個以上がより好ましく、10個以上がさらに好ましく、50個以上が特に好ましい。一方、積層される発電要素の数は、通常100個以下である。なお、本発明においても、バリア層の形成位置は、上述したとおり、上記正極層、上記固体電解質層および上記負極層のうち、少なくとも1つの層の端部を覆うものであれば特に限定されるものではなく、好ましくは、バリア層が、上記正極層、上記固体電解質層および上記負極層の全ての端部を覆っている形成位置である。また、正極層、固体電解質層、負極層および集電体を覆う形成位置も挙げられる。
本発明においては、電池ケースが、開放型電池ケースであることが好ましい。充放電等に伴う発電要素の体積変化が生じた場合であっても、内部圧力の急激な変化を緩和することができるからである。具体的には、上述した図1(a)〜(c)に示すように、通気孔を有する電池ケース7を備えた固体型電池を挙げることができる。また、開放型電池ケースを用いた固体型電池においては、通気孔の径は小さいことが好ましい。流動性封止剤の揮発を抑制することができるからである。通気孔の径としては、内部圧力の急激な変化を緩和できれば特に限定されるものではない。
一方、本発明においては、電池ケースが、密閉型電池ケースであってもよい。空気中の水分が、電池内部に浸入することを防止できるからである。さらに、流動性封止剤の揮発も防止することができる。具体的には、上述した図2に示すように、密閉型の電池ケース7を備えた固体型電池を挙げることができる。また、密閉型電池ケースを用いた固体型電池は、内部圧力調整手段をさらに有していることが好ましい。充放電等に伴う発電要素の体積変化が生じた場合であっても、内部圧力の急激な変化を緩和することができるからである。
本発明においては、電池ケースが、一部に取り出し電極を組み込んだものであっても良い。流動性封止剤の漏洩を防止できるからである。具体的には、図4に示すように、電池ケース7が、一部に取り出し電極9a、9bを組み込んだもの等を挙げることができる。上述した図2に示すような固体型電池では、取り出し電極9a、9bが電池ケース7を貫通するように配置されるため、貫通部を樹脂等で封止したとしても、樹脂等の劣化により、貫通部から流動性封止剤が漏洩する可能性がある。これに対して、図4に示すような固体型電池では、貫通部の封止が不要になるため、流動性封止剤の漏洩を確実に防止することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例]
不活性ガス雰囲気中で、発電要素を作製した。まず、正極活物質としてLiCoO、負極活物質としてIn箔(厚さ100μm)を用意した。次に、LiS(日本化学工業製)およびP(アルドリッチ製)を遊星型ボールミルで粉砕混合することにより、硫化物系固体電解質としてのLiS−Pを形成した。次に、プレス機を用意し、負極活物質(In箔)を置き0.6t/cmでプレスし、その上に硫化物系固体電解質(LiS−P)を配置し1.2t/cmでプレスし、その上に正極活物質(LiCoO)を配置し5t/cmでプレスし、負極層/硫化物系固体電解質層/正極層の積層体を得た。さらに、この積層体の両面を、集電体(SUS、厚さ10mm)で挟持し、発電要素を得た。
次に、上記発電要素全面にアラルダイト スタンダード(ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製)を塗布し、20℃〜25℃の温度で12時間放置し、硬化させた。
次に、不活性ガス雰囲気中で、2Lのデシケーターに600mLの流動パラフィンを入れ、上記の樹脂を塗布した発電要素を完全に浸漬させた後、デシケーターのコックを開き、デシケーター内を大気雰囲気に置換し、コックを閉じた。このようにして、固体型電池を得た。
[比較例]
アラルダイト スタンダードを用いなかった以外は、実施例と同様にして固体型電池を得た。
[評価]
実施例と比較例の電池について、充電―放電を5回繰り返した。5回目の放電容量と1回目の放電容量の比を容量維持率とした。その結果を表1に示す。
Figure 0005141316
表1から明らかなように、実施例の固体型電池のほうが比較例の固体型電池の場合よりも容量維持率が低下しなかった。このことから、充放電等に伴う発電要素の体積変化が生じた場合であっても、流動性封止剤が発電要素に浸入にすることによる、内部抵抗の上昇を防止できる固体型電池であることが確認された。
本発明の固体型電池の一例を示す概略断面図である。 本発明の固体型電池の他の例を示す概略断面図である。 本発明の固体型電池の他の例を示す概略断面図である。 本発明に用いられる電池ケースを説明する説明図である。
符号の説明
1 … 正極層
2 … 固体電解質層
3 … 負極層
4 … 集電体
5 … 発電要素
6 … バリア層
7 … 電池ケース
8 … 流動性封止剤
9 … 取り出し電極

Claims (5)

  1. 正極層、固体電解質層および負極層がこの順に積層された全固体型の発電要素と、前記正極層、前記固体電解質層および前記負極層のうち、少なくとも1つの層の端部を覆うバリア層と、前記発電要素を収納する電池ケースと、前記電池ケース内で前記発電要素を浸漬させ、かつ、前記固体電解質層と反応しない性質を有する流動性封止剤と、を有することを特徴とする固体型電池。
  2. 前記バリア層が、前記正極層、前記固体電解質層および前記負極層の全ての端部を覆っていることを特徴とする請求項1に記載の固体型電池。
  3. 前記固体電解質層が、硫化物系固体電解質層であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の固体型電池。
  4. 前記バリア層が、中低温で硬化する熱硬化型樹脂である中低温硬化樹脂を硬化してなるものであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の固体型電池。
  5. 前記発電要素が、中間集電体を介して複数積層されていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の固体型電池。
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