JP5140936B2 - 不揮発性メモリ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、不揮発性メモリ及びその製造方法に関する。
自発分極をもつ強誘電体をキャパシタ部分に用いた不揮発性メモリ(FeRAM)は、次世代のメモリとして、非接触のICカード等への応用が期待されている。現在使われている強誘電体キャパシタ材料は、ペロブスカイト酸化物Pb(Zr,Ti)O系である。ペロブスカイト酸化物Pb(Zr,Ti)O系の自発分極量Prは約50μC/cmである。この自発分極量が2倍以上になるとさらに高密度な不揮発性メモリを作製することが可能となる。
近年、磁性元素を含むペロブスカイト酸化物において巨大な自発分極量を示す結果が報告されている。例えば非特許文献1には、酸化ビスマス鉄(BiFeO)薄膜の自発分極量Prは100〜150μC/cmの値を示すことが報告されている。また、強誘電性の理論計算の進展もあり、電子構造から強誘電性が計算されている。例えば非特許文献2には、BiCoOの自発分極量Prは179μC/cmになることが予言されている。磁性元素を含む材料は強誘電性によい影響を及ぼさないと考えられてきたが、重要な働きをする可能性のあることが分かってきた。
K.Y.YUNet.al.,Jpn.J.Appl.Phys.,Vol.43,No.5A(2004) Y.Uratani,et.al.,Japanese Journal of Applied Physics,Vol.44,No.9B,2005,pp.7130−7133
しかし、磁性元素を含む強誘電体はリーク電流が大きいため、実際にデバイスへと組み込むことが困難であった。
本発明の目的は、強誘電体のリーク電流を抑制し、安定して使用することができる不揮発性メモリ及びその製造方法を提供することにある。
上記目的は、半導体基板上に形成された第1の電極と、前記第1の電極上に形成されて磁性元素を含む強誘電体膜と、前記強誘電体膜上に形成された第2の電極とを備えた強誘電体キャパシタと、前記強誘電体膜に磁場を印加する磁場印加部とを有することを特徴とする不揮発性メモリによって達成される。
また、上記目的は、半導体基板上に形成され、磁性元素を含む強誘電体膜と、前記強誘電体膜上に形成されたゲート電極と、前記強誘電体膜下方の前記半導体基板界面のチャネル領域を挟んだ両側に形成されたソース/ドレイン領域と、前記強誘電体膜に磁場を印加する磁場印加部とを有することを特徴とする不揮発性メモリによって達成される。
また、上記目的は、基板上に第1の電極を形成し、前記第1の電極上に磁性元素を含む強誘電体膜を形成し、前記強誘電体膜上に第2の電極を形成して強誘電体キャパシタを形成し、前記強誘電体膜に磁場又は磁場及び電場を印加すると共に加熱し、前記強誘電体膜を冷却することを特徴とする不揮発性メモリの製造方法によって達成される。
また、上記目的は、磁性元素を含む強誘電体膜を半導体基板上に形成し、前記強誘電体膜上にゲート電極を形成し、前記強誘電体膜下方の前記半導体基板界面のチャネル領域を挟んだ両側にソース/ドレイン領域を形成し、前記強誘電体膜に磁場又は磁場及び電場を印加すると共に加熱し、前記強誘電体膜を冷却することを特徴とする不揮発性メモリの製造方法によって達成される。
本発明によれば、強誘電体のリーク電流を抑制し、安定して使用することができる不揮発性メモリが実現できる。
以下で説明する第1乃至第4の実施の形態は本発明の例示であり、本発明の範囲を制限しない。本発明の趣旨に合致する限り他の実施の形態も本発明の範疇に属し得ることはいうまでもない。
〔第1の実施の形態〕
本発明の第1の実施の形態による不揮発性メモリ及びその製造方法について図1乃至図6を用いて説明する。まず、磁性元素を含む強誘電体材料について図1を用いて説明する。図1は、磁性元素を含む強誘電体材料としてのBiFeOの結晶構造を示している。図1に示すように、BiFeOはABOで表される単純ペロブスカイト構造を有している。BiがAサイト、FeがBサイトに該当する。Bi3+及びFe3+の組み合わせが標準である。Bi3+及びFe3+の少なくとも一方がプラス三価以外の価数を取ると、結晶中に格子欠陥が増え、リーク電流が増加し易い。特にBサイトの価数は変動し易い。さらに酸化ビスマスは融点が817℃と低く、加熱により蒸発し易い。このため、Biは結晶化プロセス中にペロブスカイト構造のサイトから欠損しやすい。Biの欠損量が多くなると強誘電性を有しない異相が生成されてリーク電流が増大する。上記BiFeOの形成方法は特に制限はないが、MOCVD法、パルスレーザ蒸着法(PLD法)又は化学溶液堆積法(CSD法)等が好ましい。
以上のようなBiFeOを誘電体に用いた容量素子は例えばFeRAMの一部として使用できる。当該FeRAMはトランジスタ等の能動素子と、抵抗及びコンデンサ等の受動素子と、多層配線等とを組み合わせた集積回路に好適に使用することができる。FeRAMはパーソナルコンピュータ、スマートカード、セキュリティカード、RFICタグ、携帯電話及びPDA等の電子装置に好適に使用することができる。
次に、本実施の形態による不揮発性メモリ1の概略の構成について図2を用いて説明する。図2は、本実施の形態の不揮発性メモリ1のアレイ状に形成されたメモリセルアレイのうちの1個のメモリセルの基板面に垂直な断面構造を示している。図2に示すように、不揮発性メモリ1のメモリセルは、例えばn型シリコン半導体基板3に形成された素子分離絶縁膜7で画定された素子領域内に形成されている。不揮発性メモリ1のメモリセルは、セル選択トランジスタ5と、セル選択トランジスタ5に電気的に接続された強誘電体キャパシタ2とを有している。不揮発性メモリ1のメモリセルは1トランジスタ1キャパシタ(1T1C)型の構造を有している。
セル選択トランジスタ5は、半導体基板3上に形成されたゲート絶縁膜4と、ゲート絶縁膜4上に形成された例えばポリシリコン膜のゲート電極Gとを有している。ゲート電極Gには、メモリセルの選択に用いられるセル選択信号が入力されるワード線(不図示)が接続されている。セル選択トランジスタ5は、ゲート絶縁膜4下層の半導体基板3に形成されるチャネル領域を挟んだ両側に形成されたp型不純物拡散層のソース領域S及びドレイン領域Dを有している。半導体基板3の全面には、例えば二酸化シリコン(SiO)の層間絶縁膜9が形成されている。層間絶縁膜9表面は平坦化されている。セル選択トランジスタ5のソース領域Sの上層部の層間絶縁膜9は開口されてコンタクトホールが形成されている。コンタクトホールには例えばタングステンが埋め込まれてタングステン・プラグ11が形成されている。ドレイン領域Dは、メモリセルに書込まれるデータに対応した電圧が印加されるビット線(不図示)に接続されている。
素子分離絶縁膜7側の層間絶縁膜9上に形成されたシリコン酸化膜13上には、強誘電体キャパシタ2が形成されている。強誘電体キャパシタ2は、プレート線(不図示)に接続された下部電極(第1の電極)15と、下部電極15上に形成されて磁性元素を含む強誘電体膜17と、強誘電体膜17上に形成された上部電極(第2の電極)19とを有している。強誘電体膜17は、例えばBiFeO材料で形成されている。
強誘電体膜17の形成材料はBiFeOに限られず、磁性元素を含む強誘電体材料であればよい。強誘電体膜17の形成材料は、例えば組成式がABOの結晶格子を有するペロブスカイト材料であり、結晶格子のAサイトがPbイオン又はBiイオン及び少なくとも1種の希土類陽イオンを含み、結晶格子のBサイトが陽イオンであって磁性イオンを含んでいればよい。さらに、当該磁性イオンは、Vイオン、Crイオン、Mnイオン、Feイオン、Coイオン、Niイオン又はCuイオンであることが望ましい。
酸化シリコンで形成された絶縁膜21は強誘電体キャパシタ2を覆って形成されている。絶縁膜21には、上部電極19表面の一部を露出するコンタクトホールCHが形成されている。絶縁膜21上には、コンタクトホールCHに埋め込まれてセル選択トランジスタ5側まで延びる配線23が形成されている。配線23はコンタクトホールCHに露出した上部電極19と層間絶縁膜9表面に露出したタングステン・プラグ11とを電気的に接続している。
後程説明するように、不揮発性メモリ1は、強誘電体膜17の面垂直方向(膜厚方向)に10kOeの磁場を印加すると共に400℃に加熱して形成されている。これにより、強誘電体膜17のリーク電流が抑制されるので、不揮発性メモリ1のリテンション特性及びインプリント特性等の記憶保持特性が向上し、不揮発性メモリ1を安定して使用することが可能になる。
次に、本実施の形態による不揮発性メモリ1のデータの書込み/読出し動作について図2を用いて簡単に説明する。まず、本実施の形態による不揮発性メモリ1のデータ書込み動作について説明する。ワード線を介してセル選択トランジスタ5のゲート電極Gに例えば−Vg(V)の電圧を印加してデータを書込むメモリセルを選択する。次いで、「1」のデータ書込み時には、例えばビット線の電圧Vbがプレート線の電圧Vpより電圧値が高くなるように各配線に電圧を印加する。これにより、強誘電体膜17には、上部電極19側が下部電極15側より高電位の電圧が印加される。従って、強誘電体膜17は上部電極19から下部電極15に向かう方向に分極が生じる。当該分極方向を「1」に対応付ける。
一方、「0」のデータ書込み時には、例えばビット線の電圧Vbがプレート線の電圧Vpより電圧値が低くなるように各配線に電圧を印加する。これにより、強誘電体膜17には、上部電極19側が下部電極15側より低電位の電圧が印加される。従って、強誘電体膜17は下部電極15から上部電極19に向かう方向に分極が生じる。当該分極方向を「0」に対応付ける。このように、不揮発性メモリ1は、書込まれるデータと強誘電体膜17の分極方向とを対応付けることにより、「1」又は「0」のデータを書込むことができる。
次に、本実施の形態による不揮発性メモリ1のデータ読出し動作について説明する。まず、ワード線を介してセル選択トランジスタ5のゲート電極Gに例えば−Vg(V)の電圧を印加してデータを読出すメモリセルを選択する。次いで、例えばビット線の電圧Vbがプレート線の電圧Vpより電圧値が高くなるように各配線に電圧を印加する。これにより、上部電極19が下部電極15より高電位の電圧が印加される。メモリセルに「1」が記憶されている場合には、強誘電体膜17の分極が反転しないので、強誘電体キャパシタ2の電荷分布に大きな変化が生じず、例えばビット線にはほとんど電流が流れない。これに対し、メモリセルに「0」が記憶されている場合には、強誘電体膜17の分極が反転するので、強誘電体キャパシタ2の電荷分布に大きな変化が生じ、例えばビット線に相対的に大きな電流が流れる。このように、不揮発性メモリ1はメモリセルに記憶されたデータによってビット線を流れる電流の大きさが異なるので、この電流値の大小によって読出されたデータの値を判別することができる。
磁性元素を含み自発分極の大きい強誘電体を用いた従来の不揮発性メモリは、強誘電体膜に流れるリーク電流が比較的大きいので時間の経過と共に自発分極が失われ易く、記憶データが消失されてしまうという問題を有している。これに対し、本実施の形態による不揮発性メモリ1は、強誘電体膜17の膜厚方向に10kOeの磁場を印加すると共に400℃に加熱して形成することにより強誘電体膜17のリーク電流が抑制されている。これにより、不揮発性メモリ1は、磁性元素を含み自発分極の大きい強誘電体を用いても時間の経過と共に自発分極が失われ難く記憶データの消失を防止できる。従って、不揮発性メモリ1を安定して使用することが可能になる。
次に、本実施の形態による不揮発性メモリ1の製造方法について図3乃至図6を用いて説明する。図3乃至図6は、本実施の形態による不揮発性メモリ1の製造方法を示す工程断面図である。まず、図3(a)に示すように、素子分離絶縁膜7で画定された素子領域内に例えばp型のセル選択トランジスタ5が形成されたn型シリコン半導体基板3の全面に例えばSiOの層間絶縁膜9を形成する。層間絶縁膜9はTEOSガスを用いるプラズマCVD法を用いて形成される。続いて、層間絶縁膜9を化学的機械研磨(CMP;Chemical Mechanical Polishing)法により研磨してその表面を平坦化する。次に、ソース領域S表面の一部を開口するコンタクトホールを層間絶縁膜9に形成する。次いで、コンタクトホールを埋め込んでタングステン・プラグ11を形成する。
次に、図3(b)に示すように、層間絶縁膜9の全面にシリコン酸化膜63を形成する。次いで、シリコン酸化膜63の全面に密着層として酸化チタン層(不図示)を形成し、次いで、例えばスパッタリング法を用いて酸化チタン層の全面に下部電極となる白金(Pt)層65を形成する。次に、例えばMOCVD法を用いてPt層65の全面にBiFeO層67を形成し、次いで、例えば真空蒸着法を用いてBiFeO層67の全面に上部電極となるPt層69を形成する。
次に、図4(a)に示すように、レジストを塗布してパターニングし、素子分離絶縁膜7側にレジスト層60を形成する。次に、塩素系のエッチングガスを用いてレジスト層60をエッチングマスクとして半導体基板3上をエッチングし、図4(a)に示すように露出部のPt層69及びBiFeO層67を順次除去して、Pt層65が露出するまでエッチング処理を行う。最後にエッチングマスクとして用いていたレジスト層60を除去する。
次に、図4(b)に示すように、レジストを塗布してパターニングし、素子分離絶縁膜7側のPt層69及びBiFeO層67を覆うようにレジスト層62を形成する。次に、塩素系のエッチングガスを用いてレジスト層62をエッチングマスクとして半導体基板3上をエッチングし、図4(b)に示すように露出部のPt層65を除去して、シリコン酸化膜63が露出するまでエッチング処理を行う。最後にエッチングマスクとして用いていたレジスト層62を除去する。
次に、図5(a)に示すように、レジストを塗布してパターニングし、セル選択トランジスタ5のソース領域S上を開口するレジスト層64を形成する。次に、塩素系のエッチングガスを用いてレジスト層64をエッチングマスクとして半導体基板3上をエッチングし、露出部のシリコン酸化膜63を除去して、タングステン・プラグ11が露出するまでエッチング処理を行う。最後にエッチングマスクとして用いていたレジスト層64を除去する。
こうして、図5(b)に示すように、シリコン酸化膜13上に形成されたPtの下部電極15と、下部電極15上に形成されたBiFeOの強誘電体膜17と、強誘電体膜17上に形成されたPtの上部電極19とを有する強誘電体キャパシタ2が完成する。次に、図5(b)に示すように、全面にシリコン酸化膜71を形成する。次いで、レジストを塗布してパターニングし、強誘電体キャパシタ2を覆うレジスト層(不図示)を形成する。当該レジスト層には、将来的にコンタクトホールCHが形成される領域が開口されている。
次に、図6(a)に示すように、塩素系のエッチングガスを用いてレジスト層をエッチングマスクとして半導体基板3上をエッチングし、露出部のシリコン酸化膜71を除去して、上部電極19及びタングステン・プラグ11が露出するまでエッチング処理を行う。最後にエッチングマスクとして用いていたレジスト層を除去する。これにより、コンタクトホールCHを有する絶縁膜21が形成される。次に、全面にアルミニウム(Al)又は銅(Cu)を用いて金属層(不図示)を形成して所定形状にパターニングし、図6(b)に示すように、コンタクトホールCHに埋め込まれてセル選択トランジスタ5側まで延びる配線23を形成する。これにより、配線23及びタングステン・プラグ11を介して上部電極19とソース領域Sとが電気的に接続される。
次に、10kOeの磁場Hを強誘電体膜17の膜厚方向に印加すると共に例えば400℃まで1℃/秒で加熱する。次に、400℃で30分保持した後、1℃/秒で冷却する。次いで、磁場Hの印加を終了する。こうして、1T1C型の不揮発性メモリ1が完成する。
以上説明したように、本実施の形態による不揮発性メモリの製造方法は、強誘電体膜17への磁場印加工程及び加熱工程を有する点を除いて、従来の不揮発性メモリと同様の製造方法を用いることができる。本実施の形態による不揮発性メモリの製造方法によれば、強誘電体膜17のリーク電流が抑制されて記憶保持特性に優れる1T1C型の不揮発性メモリ1を製造できる。さらに、強誘電体キャパシタ2に磁性元素を含む強誘電体材料を用いることができ、強誘電体キャパシタ2の自発分極量が向上するので、不揮発性メモリ1の高密度化及び大容量化を図ることができる。
〔第2の実施の形態〕
本発明の第2の実施の形態による不揮発性メモリ及びその製造方法について図7乃至図10を用いて説明する。まず、本実施の形態の不揮発性メモリにおける強誘電体膜のリーク電流の抑制原理について図7を用いて説明する。図7は、温度及び磁場に対するBiFeOエピタキシャル膜のリーク電流を示す図である。図中の上段、中段及び下段のそれぞれ横軸は、時間Time(sec)を表し、上段の縦軸は、温度Temp(℃)を表し、中段の縦軸は、磁場H(kOe)を表し、下段の縦軸は、リーク電流I(A)を表している。
図7の0(sec)から300(sec)までの範囲に示すように、BiFeO膜に磁場Hを印加せずに60℃まで加熱して、60℃で約30秒間維持して、その後室温まで冷却すると、BiFeO膜のリーク電流Iは温度上昇とともに増加して室温に戻ると元の値に戻る。次に、図7の300(sec)から1000(sec)までの範囲に示すように、BiFeO膜を60℃まで加熱して、60℃で約30秒間維持して、その後10(kOe)の磁場Hを印加する。この場合、BiFeO膜のリーク電流Iは磁場Hの印加と共に減少する。BiFeO膜のリーク電流Iは磁場Hが印加されていると室温に戻っても加熱及び磁場印加前より電流値が低下している。磁場Hの印加を終了すると、BiFeO膜のリーク電流Iは加熱及び磁場印加前の電流値に戻る。
上記第1の実施の形態による不揮発性メモリ1は、製造時に400℃という高温状態で磁場が印加される。このため、上記第1の実施の形態による不揮発性メモリ1は、周囲温度が室温程度の環境下で磁場が印加されていなくても、強誘電体膜17のリーク電流を抑制することができる。しかし、不揮発性メモリに磁場を印加しながら400℃まで加熱できる製造装置は高価であるため、不揮発性メモリの製造コストの高コスト化に繋がる可能性がある。
そこで、本実施の形態による不揮発性メモリは、リーク電流を抑制するために常に磁場を印加できるように磁場印加部を備えた点に特徴を有している。さらに、本実施の形態による不揮発性メモリの製造方法は、60℃程度の低温状態で磁場を印加することにより製造コストの低コスト化を図ることができる点に特徴を有している。以下、本実施の形態による不揮発性メモリ及びその製造方法を実施例を用いてより具体的に説明する。本実施の形態の不揮発性メモリ1の構成要素のうち第1の実施の形態の不揮発性メモリ1と同様の機能/作用を有する構成要素には同一の符号を付してその説明は省略する。また、以下の実施例による不揮発性メモリ1のデータ書込み/読出し方法は、第1の実施の形態の不揮発性メモリ1と同様であるため、説明は省略する。
(実施例2−1)
本実施の形態の実施例2−1による不揮発性メモリ1について図8を用いて説明する。図8(a)は、本実施例による不揮発性メモリ1の1個のメモリセルの基板面に垂直な断面構造を示している。図8(b)は、本実施例の変形例による不揮発性メモリ1の1個のメモリセルの基板面に垂直な断面構造を示している。図8(a)に示すように、不揮発性メモリ1は、上部電極19上に形成された磁場印加部としての強磁性層25を有している。強磁性層25はCoCrPt系合金で形成されている。強磁性層25はCoCrPt系合金に限られず、他のCo系合金、例えばCoCr系合金、CoPt系合金又はCoCrTa系合金のいずれで形成されていてもよい。さらに、強磁性層25はCo系合金の他、Ni系合金又はFe系合金で形成されていてももちろんよい。さらに、強磁性層25は、La1−xSrMnO(x=0.0〜1.0)酸化物で形成されていてもよい。
強磁性層25は強誘電体膜17の膜厚方向に磁場を印加できるようになっている。本実施例では、強磁性層25は上部電極19の強誘電体膜17との対向面の裏面側に形成されている。しかし、強磁性層25は強誘電体膜17の膜厚方向に磁場を印加できれば、下部電極15の強誘電体膜17との対向面の裏面側(下部電極15の下層)に形成されていてももちろんよい。
図8(a)に示すように、絶縁膜21には、強磁性層25のほぼ中央部を露出させるコンタクトホールCHが形成されている。コンタクトホールCHには、配線23が埋め込まれて形成されている。これにより、上部電極19は、強磁性層25、配線23及びタングステン・プラグ11を介してセル選択トランジスタ5のソース領域Sに電気的に接続される。
後程説明するように、本実施例による不揮発性メモリ1は、製造時に強磁性層25による15kOeの磁場が強誘電体膜17の膜厚方向に印加されると共に60℃に加熱して形成される。本実施例による不揮発性メモリ1は上記第1の実施の形態による不揮発性メモリ1より製造段階の加熱温度が低い。しかし、本実施例による不揮発性メモリ1は、記憶装置として実際に使用される際に、強磁性層25による磁場を強誘電体膜17に常時印加することができる。これにより、室温又は高温の環境下で不揮発性メモリ1が使用されても、強誘電体膜17のリーク電流を抑制することができる。これにより、本実施例による不揮発性メモリ1は上記第1の実施の形態による不揮発性メモリ1と同様の効果が得られる。
次に、本実施例による不揮発性メモリ1の製造方法について簡単に説明する。本実施例の製造方法は、第1の実施の形態とほぼ同様であるので差異のある工程についてのみ簡述する。図3(b)に示すPt層69の形成後に、スパッタリング法を用いてCoCrPt系合金の磁性層を形成し、次いで、図4(a)に示すレジスト層60を形成する。次に、塩素系のエッチングガスを用いてレジスト層60をエッチングマスクとして半導体基板3上をエッチングし、露出部のCoCrPt系合金の磁性層、Pt層69及びBiFeO層67を順次除去して、Pt層65が露出するまでエッチング処理を行う。これにより、上部電極19となるPt層69上にCoCrPt系合金の磁性層が形成される。
その後、絶縁膜21となるシリコン酸化膜71にコンタクトホールCHを形成して磁性層をコンタクトホールCH内に露出させる。これにより、強磁性層25が完成する。その後、図8(a)に示す不揮発性メモリ1を形成して60℃まで加熱し、60℃で約30秒間維持した後、1℃/秒で冷却する。加熱の前後において、強誘電体膜17には、強磁性層25により約15kOeの磁場Hが印加されている。こうして、本実施例の不揮発性メモリ1が完成する。
以上説明したように、本実施例による不揮発性メモリ1の製造方法は、第1の実施の形態の製造方法に対して強磁性層25の形成工程が増えるものの加熱温度を下げることができ、さらに加熱時間の短縮化も図れる。これにより、本実施例による不揮発性メモリ1は比較的安価な製造装置により製造できるので、製造コストの低コスト化を図ることができる。
次に、本実施例の変形例による不揮発性メモリ1について図8(b)を用いて説明する。図8(b)に示すように、本変形例の不揮発性メモリ1は、強磁性層25の端部側を露出させるようにコンタクトホールCHが形成されている点に特徴を有している。本変形例の不揮発性メモリ1は、コンタクトホールCHの形成位置が異なる点を除いて、図8(a)に示す不揮発性メモリ1と同様の構造を有し、また同様の製造方法によって製造される。これにより、本変形例の不揮発性メモリ1は、図8(a)に示す不揮発性メモリ1と同様の効果が得られる。
(実施例2−2)
本実施の形態の実施例2−2による不揮発性メモリ1について図9を用いて説明する。図9は、本実施例による不揮発性メモリ1の1個のメモリセルの基板面に垂直な断面構造を示している。図9に示すように、本実施例による不揮発性メモリ1は上記実施例2−1の強磁性層25に代えて、磁場印加部としての一対の永久磁石27a、27bを備えた点に特徴を有している。一対の永久磁石27a、27bは強誘電体膜17の膜厚方向に磁場を印加できるようにメモリセルを挟んで対向配置されている。本実施例による不揮発性メモリ1は第1の実施の形態の不揮発性メモリ1と同じメモリセルの構成を有している。
永久磁石27aは、上部電極19の強誘電体膜17との対向面の裏面側であって、強誘電体キャパシタ2を覆う絶縁膜29上に形成されている。永久磁石27bは、下部電極15の強誘電体膜17との対向面の裏面側であって、半導体基板3の膜形成面の裏面側に形成されている。一対の永久磁石27a、27bは強誘電体膜17の膜厚方向に磁場を印加できるように、強誘電体膜17の膜面側の永久磁石27a、27b表面は異なる磁極にそれぞれ着磁されている。例えば、強誘電体膜17膜面側の永久磁石27a表面はN極に着磁され、強誘電体膜17膜面側の永久磁石27b表面はS極に着磁されている。これにより、強誘電体膜17には、上部電極19側から下部電極15側に向かう磁場が印加される。磁場印加部としての永久磁石は必ずしも一対である必要はなく、強誘電体膜17に所定の強さの磁場が印加できれば、不揮発性メモリ1は永久磁石27a、27bのいずれか一方のみを有していればよい。
後程説明するように、本実施例による不揮発性メモリ1は、製造時に永久磁石27a、27bによる15kOeの磁場が強誘電体膜17の膜厚方向に印加されると共に60℃に加熱して形成される。これにより、本実施例による不揮発性メモリ1は実施例2−1による不揮発性メモリ1と同様の効果が得られる。
次に、本実施例による不揮発性メモリ1の製造方法について簡単に説明する。本実施例の製造方法は、第1の実施の形態とほぼ同様であるので差異のある工程についてのみ簡述する。第1の実施の形態と同様の製造方法により半導体基板3上に配線23までを形成する。次に、図9に示すように、必要に応じて半導体基板3の全面に絶縁膜29を形成する。その後、絶縁膜29をCMP法により研磨してその表面を平坦化する。次いで、例えばN極側を絶縁膜29表面に対向させて永久磁石27aを貼付し、S極側を半導体基板3裏面に対向させて永久磁石27bを貼付する。
次に、実施例2−1と同様の温度プロファイルで半導体基板3を加熱及び冷却する。加熱の前後において、強誘電体膜17には、永久磁石27a、27bにより約15kOeの磁場Hが印加されている。こうして、本実施例の不揮発性メモリ1が完成する。
以上説明したように、本実施例による不揮発性メモリ1の製造方法は、第1の実施の形態の製造方法に対して永久磁石27a、27bの貼付工程が増えるものの加熱温度を下げることができ、さらに加熱時間の短縮化も図れる。これにより、本実施例による不揮発性メモリ1は、実施例2−1と同様の効果が得られる。
(実施例2−3)
本実施の形態の実施例2−3による不揮発性メモリ1について図10を用いて説明する。図10は、本実施例による不揮発性メモリ1のメモリセルアレイの基板面に垂直な断面構造を示している。図10に示すように、本実施例による不揮発性メモリ1は上記実施例2−2と同様に磁場印加部としての一対の永久磁石27a、27bを備えた点に特徴を有している。一対の永久磁石27a、27bは強誘電体膜17の膜面方向に磁場を印加できるようにメモリセルアレイを挟んで対向配置されている。本実施例による不揮発性メモリ1は第1の実施の形態の不揮発性メモリ1と同じメモリセルの構成を有している。
一対の永久磁石27a、27bは、例えばメモリセルアレイの外周部にメモリアレイを挟んで対向配置されている。一対の永久磁石27a、27bは強誘電体膜17の膜面にほぼ直交させて配置されている。一対の永久磁石27a、27bは強誘電体膜17の膜面方向に磁場を印加できるように、メモリセルアレイ側の表面が異なる磁極に着磁されている。例えば、永久磁石27a表面はN極に着磁され、永久磁石27b表面はS極に着磁されている。これにより、メモリセルにそれぞれ備えられた強誘電体膜17には、永久磁石27aから永久磁石27bに向かう磁場が印加される。磁場印加部としての永久磁石は必ずしも一対である必要はなく、強誘電体膜17に所定の強さの磁場が印加できれば、不揮発性メモリ1は永久磁石27a、27bのいずれか一方のみを有していればよい。
本実施例による不揮発性メモリ1は、製造時に永久磁石27a、27bによる15kOeの磁場が強誘電体膜17の膜面方向に印加されると共に60℃に加熱して形成される。これにより、本実施例による不揮発性メモリ1は実施例2−2による不揮発性メモリ1と同様の効果が得られる。
ところで、BiFeOのバルクは周期が約60nmのスパイラルスピン構造を有していることがI.Sosnowskaらにより報告されている(I.Sosnowska,et.al.Solid State Phys(1982))。このため、BiFeO材料を(100)のエピタキシャル膜に形成すると、面内で磁化がばらついていることになる。一方、BiFeO材料の電気磁気効果の存在がKadomtsevaらにより報告されている(A.M. Kadomtseva,et.al.,Physica B(1995))。この結果から磁化及び分極が相互作用していることがわかる。薄膜の場合、面垂直方向に電圧を印加して使用するため、面内で磁化がばらつく働きはリーク電流に繋がると考えられる。従って、面内の磁化のばらつきを抑える必要がある。以上のことからBiFeO膜の場合には、薄膜の面垂直方向に印加した磁場により、BiFeO膜のリーク電流が低下したと考えられる。
本実施例及び実施例2−2のいずれも強誘電体膜17のリーク電流の抑制効果が得られる。しかし、上記の理由により実施例2−2のように永久磁石27a、27bを配置した方が強誘電体膜17のリーク電流を効果的に抑制できる。
本実施例による不揮発性メモリ1の製造方法は、永久磁石27a、27bの貼付位置が異なる点を除いて、実施例2−2による不揮発性メモリ1の製造方法と同様であるため説明は省略する。
〔第3の実施の形態〕
本発明の第3の実施の形態による不揮発性メモリ及びその製造方法について図11乃至図13を用いて説明する。まず、本実施の形態による不揮発性メモリ10の概略の構成について図11を用いて説明する。図11は、本実施の形態の不揮発性メモリ10のアレイ状に形成されたメモリセルアレイのうちの1個のメモリセルの基板面に垂直な断面構造を模式的に示している。図11に示すように、不揮発性メモリ10のメモリセルは、例えばn型シリコン半導体基板3に形成された素子分離絶縁膜(不図示)で画定された素子領域内に形成されている。不揮発性メモリ10のゲート部39は、半導体基板3上に形成された例えば膜厚5nmのYSZ(Yttrium Stabilzed Zirconia)膜31及び膜厚10nmのチタン酸ストロンチウム膜(STO膜)33で構成されるゲート絶縁膜30と、ゲート絶縁膜30上に形成されて例えば膜厚200nmのBiFeOの強誘電体膜35と、強誘電体膜35上に形成された例えば膜厚200nmのPtのゲート電極Gとを有している。
強誘電体膜35の形成材料はBiFeOに限られず、第1の実施の形態における強誘電体膜17と同様の形成材料を用いることができる。また、ゲート絶縁膜30は、YSZ膜31及びSTO膜33に代わる他の絶縁性材料を用いて形成されてもよい。なお、キャリアトラップ準位等の少ない良好な界面が得られる場合には、ゲート絶縁膜30を形成せずに、半導体基板3上に強誘電体膜35を直接形成してもよい。
ゲート絶縁膜30下方の半導体基板3の表層部はチャネル領域37となっている。チャネル領域37を挟んだ両側には、p型不純物活性化領域であるソース領域Sとドレイン領域Dとが形成されている。ソース領域S及びドレイン領域Dの端部はゲート絶縁膜30の下方にまで延びて形成されている。
このように、不揮発性メモリ10は、ゲート絶縁膜30と、強誘電体膜35と、ゲート電極Gとがこの順に積層されたゲート部39と、ゲート部39下層のチャネル領域37と、チャネル領域37の両側に形成されたソース/ドレイン領域S、Dとを備えたpチャネルMFIS(金属(METAL)−強誘電体(FERROMAGNETIC)−絶縁層(INSULATOR)−半導体(SEMICONDUCTOR))型FETの構造を有している。本実施の形態では、ゲート電極Gの形成材料Ptが「M」であり、強誘電体膜35の形成材料であるBiFeOが「F」であり、ゲート絶縁膜30を構成するSTO膜33/YSZ膜31が「I」である。
半導体基板3全面には酸窒化シリコン(SiON)のカバー膜及びその上に二酸化シリコン(SiO)の層間絶縁膜(共に不図示)が形成されて、ゲート部39を覆っている。ソース/ドレイン領域S、D及びゲート電極G上には、層間絶縁膜を開口したコンタクトホールにタングステン(W)を埋め込んだタングステン・プラグ41、43、45がそれぞれ形成されている。ソース領域Sはタングステン・プラグ41を介してプレート線PLに接続され、ドレイン領域Dはタングステン・プラグ43を介してビット線BLに接続され、ゲート電極Gはタングステン・プラグ45を介してワード線WLに接続されている。
本実施の形態の不揮発性メモリ10は強誘電体膜35の自発分極の向きによりデータを記憶する。後程説明するように、不揮発性メモリ10は、強誘電体膜35の面垂直方向(膜厚方向)に10kOeの磁場を印加すると共に400℃に加熱して形成されている。これにより、不揮発性メモリ10は強誘電体膜35のリーク電流が抑制されるので、時間経過と共に自発分極が失われ難い。従って、不揮発性メモリ10はリテンション特性及びインプリント特性等の記憶保持特性が向上し、安定して使用することが可能になる。
次に、本実施の形態による不揮発性メモリ10のデータの書込み/読出し動作について図11を用いて簡単に説明する。まず、本実施の形態による不揮発性メモリ10のデータ書込み動作について説明する。ワード線WLを介してゲート電極Gに例えば−Vg(V)の電圧を印加してデータを書込むメモリセルを選択する。次いで、「1」のデータ書込み時には、例えばビット線BLに0(V)の電圧を印加する。これにより、強誘電体膜35には、ゲート電極G側が半導体基板3側より低電位の電圧が印加される。従って、強誘電体膜35は半導体基板3からゲート電極Gに向かう方向に分極が生じる。この分極の向きを「1」のデータに対応付ける。
一方、「0」のデータ書込み時には、例えばビット線BLに−2Vg(V)の電圧を印加する。これにより、強誘電体膜35には、ゲート電極G側が半導体基板3側より高電位の電圧が印加される。従って、強誘電体膜35にはゲート電極Gから半導体基板3に向かう方向に分極が生じる。この分極の向きを「0」のデータに対応付ける。
次に、本実施の形態による不揮発性メモリ10のデータ読出し動作について説明する。「1」及び「0」のデータ読出しのいずれの場合にも、データ読出し対象のメモリセルのゲート電極Gにワード線WLを介して例えば0(V)の電圧を印加し、ビット線BLに例えば読出し電圧+Vr(V)を印加し、プレート線PLを例えばGNDに接続する。メモリセルに「1」のデータが記憶されている場合には、強誘電体膜35に生じている半導体基板3からゲート電極Gに向かう方向の分極により、チャネル領域37には正孔が集まる。これにより、チャネル領域37に反転層が形成されるので、例えばビット線BLに電流が流れる。これに対し、「0」のデータが記憶されている場合には、強誘電体膜35に生じているゲート電極Gから半導体基板3に向かう方向の分極により、チャネル領域37には電子が集まる。これにより、チャネル領域37に反転層が形成されないので、例えばビット線BLには0と看做せる極めて小さな電流しか流れない。このように、不揮発性メモリ10はメモリセルに記憶されたデータによってビット線BLを流れる電流の大きさが異なるので、この電流値の大小によって読出されたデータの値を判別することができる。
本実施の形態の不揮発性メモリ10は、上記第1の実施の形態の不揮発性メモリ1と同様に、強誘電体膜35の膜厚方向に10kOeの磁場を印加すると共に400℃に加熱して形成されているので、強誘電体膜35のリーク電流が抑制されている。これにより、不揮発性メモリ10は、時間の経過と共に自発分極が失われ難く記憶データが消滅してしまうことがほとんどないので、安定して使用することが可能になる。
次に、本実施の形態による不揮発性メモリ10の製造方法について図11乃至図13を用いて説明する。図12及び図13は、本実施の形態による不揮発性メモリ10の製造方法を示す工程断面図である。まず、(001)方位を持つ2インチのn型シリコン単結晶の半導体基板3を洗浄後、9重量%の希ふっ酸に浸して基板表面のSiOx層を除去する。次に、図12(a)に示すように、半導体基板3を成膜チャンバ内にセットして実基板温度550℃に保持し、成膜チャンバ内の圧力を7×10−2(Pa)にする。その後、成膜チャンバ内に12sccm(20℃、1気圧における1分間あたりの気体の流量(mL/分))の酸素を流しながら、YSZターゲットにKrFエキシマレーザを照射して、パルスレーザ蒸着法により半導体基板3の全面に膜厚5nmのYSZ層81をエピタキシャル成長する。
YSZ層81上に強誘電体層の結晶構造を直接形成することもできるが、配向が(101)になり分極量が低下するので他の配向を用いるのが好ましい。そこで、成膜チャンバ内のYSZターゲットを炭酸ストロンチウムターゲットに変更する。その後、成膜チャンバ内の圧力を1.3Paとして、成膜チャンバ内に6sccmの流量で酸素を流しながら、実基板温度650℃に保持し、KrFエキシマレーザを炭酸ストロンチウムターゲットに照射して、YSZ層81の全面に膜厚2nmのSrO層(不図示)をエピタキシャル成長する。
次に、成膜チャンバ内の炭酸ストロンチウムターゲットをチタン酸ストロンチウムターゲットに変更する。次いで、成膜チャンバ内の圧力を27Paとし、成膜チャンバ内に6sccmの流量で酸素を流しながら、KrFエキシマレーザを照射してSTO層83をSrO/YSZ層81の全面に10nmの厚さで(001)方向にエピタキシャル成長する。SrO層は薄いので、チタン酸ストロンチウム膜の成膜中に、STO層83内に取り込まれる。こうして、半導体基板3上にYSZ層81とSTO層83とが積層される。これらの膜は、絶縁層としての役割と、この後成膜される強誘電体層の結晶エピタキシャル成長を可能とする役割と、半導体基板3と強誘電体層との間を遮断して、強誘電体層とSiとの化学反応を防止する役割とを有する。
次に、成膜チャンバ内のチタン酸ストロンチウムターゲットを、BiFeOターゲットに変更する。次いで、図12(b)に示すように、成膜チャンバ内の圧力を0.1Paとし、成膜チャンバ内に1sccmの流量で酸素を流しながら、KrFエキシマレーザをBiFeOターゲットに照射してSTO層83/YSZ層81の全面にBiFeOからなる強誘電体層85を200nmの厚さで(001)方向にエピタキシャル成長する。次に、電子線蒸着法を用いて強誘電体層85の全面にPt層87を形成する。
次に、図12(b)に示すように、10kOeの磁場Hを強誘電体層85の面垂直方向に印加すると共に半導体基板3を400℃まで1℃/秒で加熱する。半導体基板3を400℃で30分間保持した後、1℃/秒で冷却する。その後、磁場Hの印加を終了する。
次に、図13(a)に示すように、レジストを塗布してパターニングし、将来的にゲート部39が形成される領域上にレジスト層80を形成する。次に、フォトリソグラフィ技術を用いてPt層87からYSZ層81までの4層を所定形状にパターニングする。エッチングガスとしてアルゴンと塩素との混合ガスを用いてレジスト層80をエッチングマスクとして半導体基板3上をエッチングし、露出部のPt層87、強誘電体層85、STO層83及びYSZ層81を順次除去して、半導体基板3が露出するまでエッチング処理を行う。その後、レジスト層80を除去する。このように、Pt層87からYSZ層81までの4層を一括してエッチングすることができる。こうして、図13(b)に示すゲート部39が完成する。
次に、図13(b)に示すように、ゲート電極Gをマスクとして例えばイオン注入法を用いてB(ボロン)等のp型不純物を半導体基板3内の領域に導入して、将来的にソース領域S及びドレイン領域Dが形成される位置にp型不純物領域91、93を形成する。例えばBの注入条件は加速エネルギー20keV〜60keV、ドーズ量2×1015cm−2〜2×1016cm−2であり、好適には加速エネルギー40keV、ドーズ量8×1015cm−2で、イオン注入される。
次に、急速ランプ加熱装置等を用いてアニール処理を施し、注入した不純物を活性化する。このアニール処理は、例えば加熱温度(到達温度)700℃以上1000℃以下、加熱時間20s以上120s以下で行われる。これにより、p型不純物領域91、93が活性化されて、図11に示すように、ゲート部39の両側にソース領域S及びドレイン領域Dが形成される。
その後、TEOSガスを用いるプラズマCVD法により、二酸化シリコン(SiO)の層間絶縁膜(不図示)をカバー膜上に約1.0μmの厚さに成長する。続いて、層間絶縁膜をCMP法により研磨してその表面を平坦化する。次に、ソース領域S、ドレイン領域D及びゲート電極Gの表面の一部をそれぞれ露出するコンタクトホールを層間絶縁膜に形成する。次いで、各コンタクトホールを埋め込んでタングステン・プラグ41、43、45をそれぞれ形成する。次いで、タングステン・プラグ41、43、45に電気的にそれぞれ接続された配線(不図示)を形成し、当該配線を埋め込むほどに層間絶縁膜(不図示)を形成する。回路構成に応じてこの配線工程が複数回繰り返される。その後、タングステン・プラグ41、43、45に電気的にそれぞれ接続されたプレート線PL、ビット線BL及びワード線WLを形成する。以上の工程を経て、図11に示すような構造の本実施形態による不揮発性メモリ10が完成する。
以上説明したように、本実施の形態による不揮発性メモリの製造方法は、強誘電体膜35への磁場印加工程及び加熱工程を有する点を除いて、従来のMFIS型FET構造の不揮発性メモリと同様の製造方法を用いることができる。本実施の形態による不揮発性メモリの製造方法によれば、強誘電体膜35のリーク電流が抑制されるので、不揮発性メモリ10は、上記第1の実施の形態の不揮発性メモリ1と同様の効果が得られる。
〔第4の実施の形態〕
本発明の第4の実施の形態による不揮発性メモリ及びその製造方法について図14乃至図16を用いて説明する。本実施の形態の不揮発性メモリはMFIS型FET構造のメモリセルを有し、上記第2の実施の形態と同様の原理に基づいて強誘電体膜のリーク電流を抑制する点に特徴を有している。以下、本実施の形態による不揮発性メモリ及びその製造方法を実施例を用いてより具体的に説明する。本実施の形態の不揮発性メモリ10の構成要素のうち第3の実施の形態の不揮発性メモリ10と同様の機能/作用を有する構成要素には同一の符号を付してその説明は省略する。また、以下の実施例による不揮発性メモリ10のデータ書込み/読出し方法は、第3の実施の形態の不揮発性メモリ10と同様であるため、説明は省略する。
(実施例4−1)
本実施の形態の実施例4−1による不揮発性メモリ10について図14を用いて説明する。図14は、本実施例による不揮発性メモリ10の1個のメモリセルの基板面に垂直な断面構造を模式的に示している。図14に示すように、不揮発性メモリ10は、ゲート電極G上に形成された磁場印加部としての強磁性層47を有している。強磁性層47はCoCrPt系合金で形成されている。強磁性層47はCoCrPt系合金に限られず、実施例2−1において示した強磁性層25と同様の形成材料を用いることができる。
強磁性層47は強誘電体膜35の膜厚方向に磁場を印加できるようになっている。本実施例では、強磁性層47はゲート電極Gの強誘電体膜35との対向面の裏面側に形成されている。しかし、強磁性層47は強誘電体膜35の膜厚方向に磁場を印加できれば、ゲート電極Gの強誘電体膜35との対向面側(ゲート電極Gの下層)に形成されていてももちろんよい。
強磁性層47は、ゲート電極Gに電気的に接続されるタングステン・プラグ45を埋め込むためのコンタクトホール(不図示)を有している。これにより、ゲート電極Gはタングステン・プラグ45を介してワード線WLと電気的に接続される。
後程説明するように、本実施例による不揮発性メモリ10は、製造時に強磁性層47による15kOeの磁場が強誘電体膜35の膜厚方向に印加されると共に60℃に加熱して形成される。また、本実施例による不揮発性メモリ10は、記憶装置として実際に使用される際に、強磁性層47による磁場を強誘電体膜35に常時印加することができる。従って、本実施例による不揮発性メモリ10は、実施例2−1による不揮発性メモリ1と同様の効果が得られる。
次に、本実施例による不揮発性メモリ10の製造方法について簡単に説明する。本実施例の製造方法は、第3の実施の形態とほぼ同様であるので差異のある工程についてのみ簡述する。図12(b)に示すPt層87の形成後に、スパッタリング法を用いてCoCrPt系合金の磁性層を形成する。その後、半導体基板3を60℃まで加熱し、60℃で約30秒間維持した後、1℃/秒で冷却する。加熱の前後において、強誘電体層85には、強磁性層により約15kOeの磁場が印加される。その後、層間絶縁膜や配線等を形成する配線工程において、強磁性層47にコンタクトホールを形成して当該コンタクトホールにタングステン・プラグ45を埋め込み形成する。
以上説明したように、本実施例による不揮発性メモリ10の製造方法は、第3の実施の形態の製造方法に対して強磁性層47の形成工程が増えるものの加熱温度を下げることができ、さらに加熱時間の短縮化を図れる。これにより、本実施例による不揮発性メモリ10は比較的安価な製造装置により製造できるので、製造コストの低コスト化を図ることができる。
(実施例4−2)
本実施の形態の実施例4−2による不揮発性メモリ10について図15を用いて説明する。図15は、本実施例による不揮発性メモリ10の1個のメモリセルの基板面に垂直な断面構造を模式的に示している。図15に示すように、本実施例による不揮発性メモリ10は上記実施例4−1の強磁性層47に代えて、磁場印加部としての一対の永久磁石49a、49bを備えた点に特徴を有している。一対の永久磁石49a、49bは強誘電体膜35の膜厚方向に磁場を印加できるようにメモリセルを挟んで対向配置されている。本実施例による不揮発性メモリ10は第3の実施の形態の不揮発性メモリ10と同じメモリセルの構成を有している。
永久磁石29aは、ゲート電極Gの強誘電体膜35との対向面の裏面側であって、ゲート部39を覆う絶縁膜51上に形成されている。永久磁石49bは、ゲート電極Gの強誘電体膜35との対向面側であって、半導体基板3の膜形成面の裏面側に形成されている。一対の永久磁石49a、49bは強誘電体膜35の膜厚方向に磁場を印加できるように、強誘電体膜35の膜面側の永久磁石49a、49b表面は異なる磁極にそれぞれ着磁されている。例えば、強誘電体膜35膜面側の永久磁石49a表面はN極に着磁され、強誘電体膜35膜面側の永久磁石49b表面はS極に着磁されている。これにより、強誘電体膜35には、ゲート電極G側から半導体基板3側に向かう磁場が印加される。磁場印加部としての永久磁石は必ずしも一対である必要はなく、強誘電体膜35に所定の強さの磁場を印加できれば、不揮発性メモリ10は永久磁石49a、49bのいずれか一方のみを有していればよい。
後程説明するように、本実施例による不揮発性メモリ10は、製造時に永久磁石49a、49bによる15kOeの磁場が強誘電体膜35の膜厚方向に印加されると共に60℃に加熱して形成される。これにより、本実施例による不揮発性メモリ10は実施例4−1による不揮発性メモリ10と同様の効果が得られる。
次に、本実施例による不揮発性メモリ10の製造方法について簡単に説明する。本実施例の製造方法は、第3の実施の形態とほぼ同様であるので差異のある工程についてのみ簡述する。第3の実施の形態と同様の製造方法により半導体基板3上にワード線WL、ビット線BL及びプレート線PL並びに絶縁膜51まで形成する。その後、絶縁膜51をCMP法により研磨してその表面を平坦化する。次いで、例えばN極側を絶縁膜51表面に対向させて永久磁石49aを貼付し、S極側を半導体基板3裏面に対向させて永久磁石49bを貼付する。
次に、実施例4−1と同様の温度プロファイルで半導体基板3を加熱及び冷却する。加熱の前後において、強誘電体膜35には、永久磁石49a、49bにより約15kOeの磁場が印加されている。こうして、本実施例の不揮発性メモリ10が完成する。
以上説明したように、本実施例による不揮発性メモリ10の製造方法は、第3の実施の形態の製造方法に対して永久磁石49a、49bの貼付工程が増えるものの加熱温度を下げることができ、さらに加熱時間の短縮化を図れる。これにより、本実施例による不揮発性メモリ10は、実施例4−1と同様の効果が得られる。
(実施例4−3)
本実施の形態の実施例4−3による不揮発性メモリ10について図16を用いて説明する。図16は、本実施例による不揮発性メモリ10のメモリセルアレイの基板面に垂直な断面構造を模式的に示している。図16に示すように、本実施例による不揮発性メモリ10は上記実施例4−2と同様に磁場印加部としての一対の永久磁石49a、49bを備えた点に特徴を有している。一対の永久磁石49a、49bは強誘電体膜35の膜面方向に磁場を印加できるようにメモリセルアレイを挟んで対向配置されている。本実施例による不揮発性メモリ10は第3の実施の形態の不揮発性メモリ10と同じメモリセルの構成を有している。
一対の永久磁石49a、49bは、例えばメモリセルアレイの外周部にメモリアレイを挟んで対向配置されている。一対の永久磁石49a、49bは強誘電体膜35の膜面にほぼ直交させて配置されている。一対の永久磁石49a、49bは強誘電体膜35の膜面方向に磁場を印加できるように、メモリセルアレイ側の表面が異なる磁極に着磁されている。例えば、永久磁石49a表面はN極に着磁され、永久磁石49b表面はS極に着磁されている。これにより、メモリセルにそれぞれ備えられた強誘電体膜35には、永久磁石49aから永久磁石49bに向かう磁場が印加される。磁場印加部としての永久磁石は必ずしも一対である必要はなく、強誘電体膜35に所定の強さの磁場が印加できれば、不揮発性メモリ10は永久磁石49a、49bのいずれか一方のみを有していればよい。
本実施例による不揮発性メモリ1は、製造時に永久磁石49a、49bによる15kOeの磁場が強誘電体膜35の膜面方向に印加されると共に60℃に加熱して形成される。これにより、本実施例による不揮発性メモリ10は実施例4−2による不揮発性メモリ10と同様の効果が得られる。
本実施の形態における強誘電体膜35のリーク電流をより効果的に抑制するためには、第2の実施の形態と同様の理由により、永久磁石49a、49bは実施例4−2のように配置することが望ましい。
本実施例による不揮発性メモリ10の製造方法は、永久磁石49a、49bの貼付位置が異なる点を除いて、実施例4−2による不揮発性メモリ10の製造方法と同様であるため説明は省略する。
本発明は、上記実施の形態に限らず種々の変形が可能である。
上記第1乃至第4の実施の形態では、製造工程において強誘電体膜17、35には磁場のみが印加されているが、本発明はこれに限られない。例えば、強誘電体膜17、35に磁場及び電場を印加すると共に所定の温度に加熱しても、上記実施の形態と同様の効果が得られる。
上記第2及び第4の実施の形態では、不揮発性メモリ1、10は、磁場印加部として強磁性層25、47及び永久磁石27a、27b、49a、49bのいずれか一方のみを有しているが、本発明はこれに限られない。例えば、不揮発性メモリ1、10は、磁場印加部として強磁性層及び永久磁石の双方を有していても、上記第2及び第4の実施の形態と同様の効果が得られる。
上記第2及び第4の実施の形態では、製造工程において強磁性層25、47又は永久磁石27a、27b、49a、49bを用いて強誘電体膜17、35に磁場を印加しているが、本発明はこれに限られない。例えば、強磁性層25、47又は永久磁石27a、27b、49a、49bに加えて製造装置の磁場印加部からも強誘電体膜17、35に磁場を印加しても、上記第2及び第4の実施の形態と同様の効果が得られる。
以上説明した本実施の形態による不揮発性メモリ及びその製造方法は、以下のようにまとめられる。
(付記1)
半導体基板上に形成された第1の電極と、前記第1の電極上に形成されて磁性元素を含む強誘電体膜と、前記強誘電体膜上に形成された第2の電極とを備えた強誘電体キャパシタと、
前記強誘電体膜に磁場を印加する磁場印加部と
を有することを特徴とする不揮発性メモリ。
(付記2)
付記1記載の不揮発性メモリにおいて、
前記磁場印加部は、前記第1の電極の前記強誘電体膜との対向面の裏面側及び前記第2の電極の前記強誘電体膜との対向面の裏面側の少なくとも一方に形成された強磁性層であること
を特徴とする不揮発性メモリ。
(付記3)
付記1記載の不揮発性メモリにおいて、
前記磁場印加部は、前記第1の電極の前記強誘電体膜との対向面の裏面側及び前記第2の電極の前記強誘電体膜との対向面の裏面側の少なくとも一方に配置された永久磁石であること
を特徴とする不揮発性メモリ。
(付記4)
付記1記載の不揮発性メモリにおいて、
前記磁場印加部は、前記強誘電体膜の膜面にほぼ直交させて配置された永久磁石であること
を特徴とする不揮発性メモリ。
(付記5)
半導体基板上に形成され、磁性元素を含む強誘電体膜と、
前記強誘電体膜上に形成されたゲート電極と、
前記強誘電体膜下方の前記半導体基板界面のチャネル領域を挟んだ両側に形成されたソース/ドレイン領域と、
前記強誘電体膜に磁場を印加する磁場印加部と
を有することを特徴とする不揮発性メモリ。
(付記6)
付記5記載の不揮発性メモリにおいて、
前記チャネル領域と前記強誘電体膜との間にゲート絶縁膜が形成されていること
を特徴とする不揮発性メモリ。
(付記7)
付記5又は6に記載の不揮発性メモリにおいて、
前記磁場印加部は、前記ゲート電極の前記強誘電体膜との対向面側及び前記ゲート電極の前記強誘電体膜との対向面の裏面側の少なくとも一方に形成された強磁性層であること
を特徴とする不揮発性メモリ。
(付記8)
付記5又は6に記載の不揮発性メモリにおいて、
前記磁場印加部は、前記ゲート電極の前記強誘電体膜との対向面側及び前記ゲート電極の前記強誘電体膜との対向面の裏面側の少なくとも一方に配置された永久磁石であること
を特徴とする不揮発性メモリ。
(付記9)
付記5又は6に記載の不揮発性メモリにおいて、
前記磁場印加部は、前記強誘電体膜の膜面にほぼ直交させて配置された永久磁石であること
を特徴とする不揮発性メモリ。
(付記10)
付記1乃至9のいずれか1項に記載の不揮発性メモリにおいて、
前記磁場印加部は、前記強誘電体膜の膜厚方向又は膜面方向に磁場を印加できるように配置されていること
を特徴とする不揮発性メモリ。
(付記11)
付記1乃至10のいずれか1項に記載の不揮発性メモリにおいて、
前記強誘電体膜は、磁場又は磁場及び電場を印加すると共に加熱して形成されていること
を特徴とする不揮発性メモリ。
(付記12)
付記1乃至11のいずれか1項に記載の不揮発性メモリにおいて、
前記強誘電体材料は、組成式がABOの結晶格子を有するペロブスカイト材料であり、
前記結晶格子のAサイトは、Pbイオン又はBiイオン及び少なくとも1種の希土類陽イオンを含み、前記結晶格子のBサイトは、陽イオンであって磁性イオンを含み、
前記磁性イオンは、Vイオン、Crイオン、Mnイオン、Feイオン、Coイオン、Niイオン又はCuイオンであること
を特徴とする不揮発性メモリ。
(付記13)
付記2又は7に記載の不揮発性メモリにおいて、
前記強磁性層は、Ni系合金、Fe系合金又はCo系合金のいずれか1種類の材料で形成されており、
前記Co系合金は、CoCr系合金、CoPt系合金、CoCrTa系合金又はCoCrPt系合金であること
を特徴とする不揮発性メモリ。
(付記14)
付記2又は7に記載の不揮発性メモリにおいて、
前記強磁性層は、La1−xSrMnO(x=0.0〜1.0)酸化物で形成されていること
を特徴とする不揮発性メモリ。
(付記15)
基板上に第1の電極を形成し、前記第1の電極上に磁性元素を含む強誘電体膜を形成し、前記強誘電体膜上に第2の電極を形成して強誘電体キャパシタを形成し、
前記強誘電体膜に磁場又は磁場及び電場を印加すると共に加熱し、
前記強誘電体膜を冷却すること
を特徴とする不揮発性メモリの製造方法。
(付記16)
付記15記載の不揮発性メモリの製造法において、
前記第1の電極の前記強誘電体膜との対向面の裏面側及び前記第2の電極の前記強誘電体膜との対向面の裏面側の少なくとも一方に強磁性層を形成し、
前記強磁性層を用いて前記磁場を前記強誘電体膜に印加すること
を特徴とする不揮発性メモリの製造方法。
(付記17)
付記15記載の不揮発性メモリの製造法において、
前記第1の電極の前記強誘電体膜との対向面の裏面側及び前記第2の電極の前記強誘電体膜との対向面の裏面側の少なくとも一方又は前記強誘電体膜の膜面にほぼ直交させて永久磁石を配置し、
前記永久磁石を用いて前記磁場を前記強誘電体膜に印加すること
を特徴とする不揮発性メモリの製造方法。
(付記18)
磁性元素を含む強誘電体膜を半導体基板上に形成し、
前記強誘電体膜上にゲート電極を形成し、
前記強誘電体膜下方の前記半導体基板界面のチャネル領域を挟んだ両側にソース/ドレイン領域を形成し、
前記強誘電体膜に磁場又は磁場及び電場を印加すると共に加熱し、
前記強誘電体膜を冷却すること
を特徴とする不揮発性メモリの製造方法。
(付記19)
付記18記載の不揮発性メモリの製造法において、
前記ゲート電極の前記強誘電体膜との対向面側及び前記ゲート電極の前記強誘電体膜との対向面の裏面側の少なくとも一方に強磁性層を形成し、
前記強磁性層を用いて前記磁場を前記強誘電体膜に印加すること
を特徴とする不揮発性メモリの製造方法。
(付記20)
付記18記載の不揮発性メモリの製造法において、
前記ゲート電極の前記強誘電体膜との対向面側及び前記ゲート電極の前記強誘電体膜との対向面の裏面側の少なくとも一方又は前記強誘電体膜の膜面にほぼ直交させて永久磁石を配置し、
前記永久磁石を用いて前記磁場を前記強誘電体膜に印加すること
を特徴とする不揮発性メモリの製造方法。
本発明の第1の実施の形態による不揮発性メモリ1の強誘電体膜17の形成材料に用いられるBiFeOの結晶構造を示す図である。 本発明の第1の実施の形態による不揮発性メモリ1のメモリセルの基板面に垂直な断面構造を示す図である。 本発明の第1の実施の形態による不揮発性メモリ1の製造方法を示す工程断面図(その1)である。 本発明の第1の実施の形態による不揮発性メモリ1の製造方法を示す工程断面図(その2)である。 本発明の第1の実施の形態による不揮発性メモリ1の製造方法を示す工程断面図(その3)である。 本発明の第1の実施の形態による不揮発性メモリ1の製造方法を示す工程断面図(その4)である。 本発明の第2の実施の形態による不揮発性メモリ1における強誘電体膜17のリーク電流の抑制原理を説明するための図であって、温度及び磁場に対するBiFeOエピタキシャル膜のリーク電流を示す図である。 本発明の第2の実施の形態の実施例2−1による不揮発性メモリ1のメモリセルの基板面に垂直な断面構造を示す図である。 本発明の第2の実施の形態の実施例2−2による不揮発性メモリ1のメモリセルの基板面に垂直な断面構造を示す図である。 本発明の第2の実施の形態の実施例2−3による不揮発性メモリ1のメモリセルアレイの基板面に垂直な断面構造を示す図である。 本発明の第3の実施の形態による不揮発性メモリ10のメモリセルの基板面に垂直な断面構造を示す図である。 本発明の第3の実施の形態による不揮発性メモリ10の製造方法を示す工程断面図(その1)である。 本発明の第3の実施の形態による不揮発性メモリ10の製造方法を示す工程断面図(その2)である。 本発明の第4の実施の形態の実施例4−1による不揮発性メモリ10のメモリセルの基板面に垂直な断面構造を示す図である。 本発明の第4の実施の形態の実施例4−2による不揮発性メモリ10のメモリセルの基板面に垂直な断面構造を示す図である。 本発明の第4の実施の形態の実施例4−3による不揮発性メモリ10のメモリセルアレイの基板面に垂直な断面構造を示す図である。
符号の説明
1、10 不揮発性メモリ
2 強誘電体キャパシタ
3 n型シリコン半導体基板
4、30 ゲート絶縁膜
5 セル選択トラジスタ
7 素子分離絶縁膜
9 層間絶縁膜
11、41、43、45 タングステン・プラグ
13、71、63 シリコン酸化膜
15 下部電極
17、35 強誘電体膜
19 上部電極
21 絶縁膜
23 配線
25、47 強磁性層
27a、27b、49a、49b 永久磁石
31 YSZ膜
33 STO膜
37 チャネル領域
39 ゲート部
60、62、64、80 レジスト層
65、69、87 白金層
67 BiFeO
81 YSZ層
83 STO層
85 強誘電体層
91、93 p型不純物領域
CH コンタクトホール
D ドレイン領域
G ゲート電極
S ソース領域
H 磁場
BL ビット線
PL プレート線
WL ワード線

Claims (2)

  1. 半導体基板上に形成された第1の電極と、前記第1の電極上に形成されて磁性元素を含む強誘電体膜と、前記強誘電体膜上に形成された第2の電極とを備えた強誘電体キャパシタと、
    前記強誘電体膜に磁を印加する磁場印加部と
    を有する不揮発性メモリであって、
    前記磁場印加部は、前記強誘電体膜の膜厚方向に所定の強さの磁場を常時印加できるように、前記不揮発性メモリセルを挟んで対向配置される一対の永久磁石からなること
    を特徴とする不揮発性メモリ。
  2. 半導体基板上に形成され、磁性元素を含む強誘電体膜と、
    前記強誘電体膜上に形成されたゲート電極と、
    前記強誘電体膜下方のチャネル領域を挟んだ両側に形成されたソース/ドレイン領域と、
    前記強誘電体膜に磁を印加する磁場印加部と
    を有する不揮発性メモリであって、
    前記磁場印加部は、前記強誘電体膜の膜厚方向に所定の強さの磁場を常時印加できるように、前記不揮発性メモリセルを挟んで対向配置される一対の永久磁石からなること
    を特徴とする不揮発性メモリ。
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