JP5140808B2 - 消化管間質腫瘍(gist)を患う患者の予後を予測するために使用する腫瘍マーカー及びキット並びにフェチンの使用方法 - Google Patents

消化管間質腫瘍(gist)を患う患者の予後を予測するために使用する腫瘍マーカー及びキット並びにフェチンの使用方法 Download PDF

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本発明は、消化管間質腫瘍(GIST:gastrointestinal stromal tumor)を患う患者の予後を予測するために使用する腫瘍マーカー、消化管間質腫瘍を患う患者の予後を予測するためのキット及びフェチンを腫瘍マーカーとして使用する方法に関する。
消化管間質腫瘍は、化学療法や放射線治療に抵抗性を示し、手術が唯一の完全寛解療法とされてきた。しかしながら、近年、チロシンリン酸化酵素阻害剤(メシル酸イマチニブ、商品名:グリベック)が治療に用いられるようになった(特許文献1:特表2004-512328)。メシル酸イマチニブは多くのGIST症例で奏効性を示す一方で重篤な副作用も引き起こすことが報告されている。このため、現在のところ、メシル酸イマチニブは術後再発症例や進行症例に主に処方されている。
予後不良症例を事前にみきわめることができればあらかじめメシル酸イマチニブによる治療を開始することが可能である。このような予後予測マーカーとして、臨床病理像と予後の関係や(非特許文献1:Hasegawa T et al.(2002 Jun))、Kitのエクソン11における変異と予後の関係(非特許文献2:Andersson J et al.(2006))が報告されている。しかしながら、これらは実用化のレベルでは十分なものではない。このように、治療方針を決定するほどの確度で信頼され、臨床の場で実用化できるレベルで予後を予測できる腫瘍マーカーや臨床病理学的因子は、GISTにおいては確立されていない。また、mRNAやタンパク質発現解析による予後不良因子の同定は試みられた例がない。
特表2004-512328 / WO02/34727 特開平6-87834 / 特許第2706682 / EP-A-0 564 409 / U.S.P. 5,521,184 特表2001-510192 / 特許第3276359 / WO99/03854 Hasegawa T, Matsuno Y, Shimoda T, Hirohashi S., "Gastrointestinal stromal tumor: consistent CD117 immunostaining for diagnosis, and prognostic classification based on tumor size and MIB-1 grade.", Human Pathology, 2002 Jun;33(6):pp669-676 Andersson J, Bumming P, Meis-Kindblom JM, Sihto H, Nupponen N, Joensuu H, Oden A, Gustavsson B, Kindblom LG, Nilsson B., "Gastrointestinal stromal tumors with KIT exon 11 deletions are associated with poor prognosis.", Gastroenterology, 2006 May;130(6):pp1573-1581 Resendes, BL et al, "Isolation from cochlea of a novel human intronless gene with predominant fetal expression", J. Assoc. Res. Otolaryngol., 2004 June;5(2):pp185-202 Hasegawa T, Yokoyama R, Lee YH, et al., "Prognostic relevance of a histological grading system using MIB-1 for adult soft-tissue sarcoma.", Oncology, 2000;58:pp66-74 Hasegawa T, Yamamoto S, Nojima T, et al., "Validity and reproducibility of histologic diagnosis and grading for adult soft tissue sarcomas.", Human Pathology, 2002 Jan;33(1):pp111-115
本発明は、消化管間葉系腫瘍症例において、予後不良症例と予後良好症例を高判別率で識別する腫瘍マーカー、消化管間質腫瘍を患う患者の予後を予測するためのキット及びフェチンを腫瘍マーカーとして使用する方法を提供することを目的とする。
本発明の一の側面によると、消化管間質腫瘍を患う患者の予後を予測するために使用する腫瘍マーカーであって、フェチンからなり、前記患者の腫瘍組織において、前記フェチンの発現が陰性の場合に前記患者の予後が不良であり、前記フェチンの発現が陽性の場合に前記患者の予後が良好である、と予測する腫瘍マーカーが提供される。
本発明の他の側面によると、消化管間質腫瘍を患う患者の予後を予測するためのキットであって、前記患者の腫瘍組織中のフェチンを検出又は定量するための抗フェチン抗体を含み、前記フェチンの発現が陰性の場合に前記患者の予後が不良であり、前記フェチンの発現が陽性の場合に前記患者の予後が良好である、と予測することを特徴とする消化管間質腫瘍患者の予後予測に用いるキットが提供される。
本発明の他の側面によると、フェチンを、消化管間質腫瘍を患う患者の予後を予測する腫瘍マーカーとして使用する方法であって、前記患者の腫瘍組織において、前記フェチンの発現が陰性の場合に前記患者の予後が不良であり、前記フェチンの発現が陽性の場合に前記患者の予後が良好である、と予測する方法が提供される。
以下に詳細に説明するように、本発明によると、消化管間葉系腫瘍症例において、予後不良症例と予後良好症例を高判別率で識別する腫瘍マーカー、消化管間質腫瘍を患う患者の予後を予測するためのキット及びフェチンを腫瘍マーカーとして使用する方法が提供される。
以下に、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら説明する。もっとも、本発明は、以下に説明する実施の形態によって、限定されるものではない。
本発明者等は、驚くべきことに、フェチンというタンパク質の発現が消化管悪性腫瘍(GIST)患者の予後不良と逆相関することを発見した。本発明者等は、プロテオーム解析によってGIST患者の予後を予測するための腫瘍マーカーの開発を行った。以下に詳細に説明するように、転移が2年以上なく病理学的悪性度も低かった症例群と、早期(1年以内)に転移を来し病理学的悪性度も高かった症例群とを比較した。手術検体に対して蛍光二次元電気泳動法によるタンパク質の網羅的発現解析を行い、約1600個のタンパク質スポットの中から両群を区別しうる特定のタンパク質としてフェチンを見いだした。追加症例を用いた実験でもフェチンの予後予測マーカーとしての有用性が確認された。
このように、本発明の一の側面によると、消化管間質腫瘍を患う患者の予後を予測するためのキットおよび方法が提供される。すなわち、本発明によると、フェチンを腫瘍マーカーとすることで、GIST症例のうち予後不良群を予め見出すことができる。さらに、このような症例には早期から消化管悪性腫瘍治療剤の投与を開始することでGISTの治療成績を向上させることが見込まれる。なお、本発明による消化管間質腫瘍の予後の予測は、消化管間質腫瘍の術後または術前のいずれの時点でも行うことができる。例えば、本発明による消化管間質腫瘍の予後の予測は、術前および/または術後におけるメシル酸イマチニブの投与等の化学療法の要否を検討する際に利用することができる。なお、本明細書において、予後不良は、術後にGISTが再発することや、GISTの病勢が悪化することをいう。
なお、フェチンは蝸牛に発現する遺伝子として同定されたものである(非特許文献3:Resendes BL et al.(2004))。フェチンは、遺伝子配列に基づく構造予測から、イオンチャンネルではないかと推定されており、また、胎児の脳における発現が高いことが報告されている。しかしながら、フェチンに関する報告は上記文献以外に見当たらず、GISTを含む悪性腫瘍とフェチンとの関係は何ら示唆されていない。
フェチンの発現を検出または定量するための試料は、消化管間質腫瘍を患う患者の罹患組織、血液に由来することが好ましい。試験に供する試料は、患者から採取された検体自体であってもよく、また試験に応じて検体を処理して得られた試料であってもよい。例えば試料を免疫染色法に供する場合、試験に供する試料として、患者から得られた検体から調製したパラフィン切片を用いることができる。また、例えば試料をウェスタン・ブロッティング法またはRT−PCRに供する場合、試験に供する試料として、患者から得られた検体から調製したタンパク質抽出液またはmRNA抽出液を用いることができる。
試料におけるフェチンの発現は、以下に例示する通り、任意の方法で検出または定量することができる。なお、フェチン発現の検出または定量は、単にフェチン発現の有無を検出するものであってもよく、また、フェチンの発現量を相対的または絶対的に決定するものでもよい。また、フェチン発現は、タンパク質レベルで検出または定量してもよく、またmRNAレベルで検出または定量してもよい。
タンパク質レベルでの検出または定量は、例えば、免疫染色法(蛍光抗体法、酵素抗体法、重金属標識抗体法、放射性同位元素標識抗体法を含む)、電気泳動法による分離と蛍光、酵素、放射性同位元素等による検出または定量との組み合わせ(ウェスタン・ブロッティング法、蛍光二次元電気泳動法を含む)、酵素免疫測定吸着法(ELISA)、ドット・ブロッティング法等により行うことができる。また、mRNAレベルでの検出または定量は、例えば、RT−PCR(好ましくはリアルタイムRT−PCR)、ノーザン・ブロッティング法、Branched DNAアッセイ等により行うことができる。
組織免疫染色法の具体例を以下に示す。GISTの手術検体を常法によりホルマリン固定をした後、パラフィンに包埋をしてミクロトームにて厚さ4μmの組織片に薄切し、スライドガラスに貼り付け、検体として使用する。検体はキシレン処理で完全にパラフィンを除き、100%から徐々に濃度を下げたアルコール溶液にくぐらせ親水化し水洗する。その後、抗体の浸透性を高めるために耐熱ガラス容器に入れたpH6.0のクエン酸緩衝液中に検体を漬け、オートクレーブにて121℃で20分間熱処理し抗原を賦活化する。室温まで放置し冷却し流水で緩衝液を水洗後、0.3%過酸化水素加メチルアルコールに20分間浸漬して内因性ペルオキシダーゼ活性をブロッキングする。PBSで洗浄後、余分な試薬を取り除いた検体に、一次抗体溶液として抗フェチン抗体を滴下し常温で30分間反応させる。PBSにて洗浄後、余分な試薬を取り除き二次抗体としてポリマー試薬(Envision+,DAKO社)を滴下し反応させる。PBSで洗浄後、DAB溶液を滴下し発色を行う。流水にて洗浄後、ヘマトキシリン液にて検体の細胞核を染色する。流水にて水洗後、アルコール溶液、次いでキシレン溶液をくぐらせ脱水し、検体上に封入剤を滴下しカバーグラスを被せて顕微鏡にて観察する。顕微鏡下では腫瘍細胞のフェチンタンパク質は茶褐色の発色として観察される。以下に説明するように、その発色により陽性陰性の判定を行うことができる。組織免疫染色法としてABC法を利用することも可能である。
フェチン発現の検出または定量の結果は、2種類の段階(陽性および陰性)または3種類以上の段階に分類することができる。フェチン発現の分類は、検出または定量方法に応じて、十分な経験を有する病理医、臨床医、検査技師または検査施設が行うことが好ましい。例えば、フェチン発現の分類は、免疫染色法を用いる場合は病理医が行うことができ、RT−PCRを用いる場合は検査技師が行うことができる。
なお、フェチン発現の分類は、患者からの試料におけるフェチンの発現量を、コントロールにおけるフェチンの発現量と比較することにより行うことが好ましい。フェチン発現の結果を分類する段階の数に応じて、複数のコントロールを用いることが好ましい。例えば、フェチン発現の結果を2種類の段階(陽性および陰性)に分類する場合は、それぞれの段階に対応した2種類のコントロール(フェチン陽性コントロールおよびフェチン陰性コントロール)を用いることが好ましい。また、フェチン発現の結果を3種類の段階に分類する場合は、それぞれの段階に対応した3種類のコントロールを用いることが好ましい。また、コントロールの1つとして、健常者または予後良好な消化管間質腫瘍患者に由来するコントロールを用いることが好ましい。なお、コントロールは、予め作成されたものでもよく、また、患者からの試料と同時に試験されたものでもよい。
例えば、免疫染色法により、フェチン発現の結果を陽性および陰性の2種類の段階に分類する場合、免疫染色の結果を以下のように判定することができる。GIST腫瘍細胞の細胞質および細胞膜の免疫染色強度を、陽性染色なし、軽い、中程度、強いの4段階に分類し、染色強度と染色細胞の割合に基づきフェチン陽性と陰性の判定をする。腫瘍細胞全体が中程度から強い染色性を示す場合、陽性と判定する。それ以外の場合、すなわち、(1)腫瘍細胞全体体が染色性なしから軽い染色性を示す場合、および(2)大部分の腫瘍細胞が中程度から強い染色性を示すが、一部の腫瘍細胞が染色性なしから軽い染色性を示す場合、陰性と判定する。これに基づき免疫染色の結果を判定した例を図3に示す(上段:フェチン陽性、下段:フェチン陰性)。
本発明によると、消化管間質腫瘍を患う患者の予後を予測するためのキットが提供される。当該キットは、患者から得られた試料におけるフェチンの発現を検出または定量する手段を含む。すなわち、タンパク質レベルでの検出または定量を行う場合においては、発現を検出または定量する手段は、上記した免疫染色法等を行うための手段を含むことが好ましく、例えば、抗フェチン抗体(モノクローナルおよびポリクローナル抗体、標識化抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体ならびにこれらの結合活性断片を含む)を含むことが好ましい。また、mRNAレベルでの検出または定量を行う場合においては、発現を検出または定量する手段は、上記したRT−PCR等を行うための手段を含むことが好ましく、例えば、フェチンのmRNAに対するプローブを含むことが好ましい。さらに、当業者に明らかなように、発現を検出または定量する手段は、バッファー、発色基質、二次抗体、ブロッキング剤等の試薬、試験に必要な器具、コントロール、ならびに取扱説明書および評価指導書(同等の内容の電子データを含むCD-ROM等の記録媒体も含む)等を含むことができる。
予後の予測は、フェチン発現に加えて、病理学的悪性度を考慮して判断することが好ましい。病理学的悪性度は、非特許文献1(Hasegawa H et al.(2002 Jun))に記載の方法に準じて判断することができる。具体的には、GISTの病理学的悪性度は以下のように決定することができる。
第一に、成人軟部組織肉腫に対するMIB−1分類システムにより腫瘍を分類する。これは3つの指標(腫瘍分化度、MIB−1スコア、および壊死)に基づき、3つのグレードに分類するシステムである(非特許文献4参照:Hasegawa T et al.(2000))。各パラメータについてスコアを割り当て、その合計によりグレードを決定する。腫瘍分化度、腫瘍壊死およびMIB−1について病理医がスコアを決定することが好ましい。腫瘍分化度については、十分に分化した肉腫をスコア1、腫瘍型を確信できる肉腫をスコア2、滑膜肉腫、横紋筋肉腫、ユーイングまたは未分化神経外胚葉性腫瘍、および腫瘍型が不確かな肉腫をスコア3とする。平滑筋肉腫の際のように、GISTには腫瘍分化度のスコア2が充てられる(非特許文献5参照:Hasegawa T et al.(2002 Jan))。MIB−1については、MIB−1に対して免疫反応性を示す細胞が0〜9%である病巣をスコア1、10〜29%である病巣をスコア2、30%以上である病巣をスコア3とする。腫瘍壊死については、いずれのスライドにも壊死が認められない場合はスコア0、腫瘍壊死が50%未満の場合はスコア1、腫瘍壊死が50%以上の場合はスコア2とする。合計のスコアが2または3である病巣はグレード1に、スコアが4または5のものはグレード2に、スコアが6〜8のものはグレード3に分類する。
第二に、症例を、腫瘍の大きさにより3段階(<5cm,5〜10cm,>10cm)に分類する。さらに、グレードと腫瘍径に基づき、表1に従ってリスク分類を決定する。
実施例において詳細に説明するように、本発明者等は、フェチンの発現が患者の予後不良と逆相関することを見出した。すなわち、フェチンの発現がより低いほど予後不良となる可能性が高いと予測できる。同様に、病理学的悪性度が患者の予後不良と相関することが知られている。すなわち、病理学的悪性度が高いほど予後不良となる可能性が高い。これらを統合することで、さらに高い判別率で患者の予後を予測することができる。
具体的には、フェチンの発現および病理学的悪性度に基づき、例えば、フェチン陰性である場合およびフェチン陽性かつ病理学的悪性度が高度である場合、予後不良となる可能性が高いと判断することができ、または、フェチン陰性かつ病理学的悪性度が高度または中等度である場合、予後不良となる可能性が高いと判断することができ、または、フェチン陰性かつ病理学的悪性度が高度である場合、予後不良となる可能性が高いと判断することができる。一方で、フェチン陽性かつ病理学的悪性度が低度または中等度である場合、予後不良となる可能性が低いと判断することができる。また、フェチン陽性かつ病理学的悪性度が高度である場合およびフェチン陰性で病理学的悪性度が低度または中等度である場合、予後不良となる可能性が中等度であると判断することもできる。
なお、これらの判断基準は、治療の段階や治療手段(メシル酸イマチニブの投与等)に応じて個々に設定することができる。例えば、術前のメシル酸イマチニブの投与の要否を検討するための判断基準と、術後のメシル酸イマチニブの投与の要否を検討するための判断基準とは異ならせることができる。なお、メシル酸イマチニブは副作用の大きさや医療費の高さが問題となっているが、上記判断基準は、GISTの外科手術による摘出前および/または摘出後のメシル酸イマチニブの投与の要否を検討する際に用いることが好ましい。
このように本発明によると、GISTの予後をより高い判別率で予測することができ、ひいては、これに基づきより適切な治療計画を立てることが可能となり、より適切な治療を行うことが可能となる。例えば、GISTの外科手術による摘出前および/または摘出後のメシル酸イマチニブの投与の要否を検討するために患者の予後を予測する場合、上記したように予後不良となる可能性が高いと判断された際には、メシル酸イマチニブによる化学療法を受ける必要があると判断できる。また、予後不良となる可能性が低いと判断された際には、メシル酸イマチニブによる化学療法の必要はないと判断できる。また、予後不良となる可能性が中等度であると判断された際には、術後の経過を観察し、再発を早期に発見できるよう定期的画像検査(CT,MRI,単純X線写真)を行う必要があると判断できる。
実施例において詳細に説明するように、本発明によると、非常に高い感度および特異度で患者の予後を予測することができる。さらに、メシル酸イマチニブは副作用の大きさや医療費の高さが問題となっているが、本発明によると、メシル酸イマチニブによる治療を必要としない患者に対して当該治療薬の投与を回避することで上記問題点を回避でき、さらに、メシル酸イマチニブによる治療を必要とする患者に対してはより迅速に当該治療薬による治療を開始できる。このように、本発明によると診断的価値が非常に高い予後予測方法およびキットが提供される。一方で、本発明による予測は、特殊な装置等を必要とせずに、例えば免疫染色法などの一般的に用いられている簡便な手法で通常の技術レベルの病理医等により廉価に行うことができる。
また、本発明の他の側面によると、消化管間質腫瘍を患う患者のうち、フェチンの発現に基づき定義された患者の消化管間質腫瘍を処置するための医薬組成物が提供される。本発明にかかる医薬組成物は、上記式(I)で示される4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]−ベンズアミドまたは薬学的に許容されるその塩を活性成分として含む。
4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]−ベンズアミドまたは薬学的に許容されるその塩の製造方法、および抗腫瘍剤としてのその使用は、特許文献2(欧州特許出願EP-A-0 564 409の実施例21、ならびに他の対応出願および対応特許、例えば日本国特許第2706682号、米国特許第5,521,184号)に記載されている。
また、4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]−ベンズアミドまたは薬学的に許容されるその塩は、好ましくは薬学的に許容される酸付加塩であり、例えば塩酸、硫酸またはリン酸のような無機酸との塩であるか、あるいは適当な有機カルボン酸またはスルホン酸、例えばトリフルオロ酢酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、ヒドロキシマレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸もしくはシュウ酸のようなモノ−もしくはジ−カルボン酸、またはアルギニンまたはリジンのようなアミノ酸、安息香酸、2−フェノキシ−安息香酸、2−アセトキシ−安息香酸、サリチル酸、4−アミノサリチル酸のような芳香族カルボン酸、マンデル酸またはケイ皮酸のような芳香族−脂肪族カルボン酸、ニコチン酸またはイソニコチン酸のような複素環式芳香族カルボン酸、メタン−、エタン−もしくは2−ヒドロキシエタン−スルホン酸のような脂肪族スルホン酸、またはベンゼン−、p−トルエン−もしくはナフタレン−2−スルホン酸のような芳香族スルホン酸との塩である。
また、4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]−ベンズアミドのモノメタンスルホン酸付加塩およびその好ましい結晶形は、特許文献3(国際特許出願WO99/03854、ならびに他の対応出願および対応特許、例えば日本国特許第3276359号)に記載されている。
本発明にかかる医薬組成物の有効投与量は、患者の年齢、体重、病状、投与様式および臨床像等に依存して、体重約70kgの患者に対してイマチニブとして例えば1日約100〜1000mg、好ましくは200〜600mg、さらに好ましくは400mgである。
本発明にかかる医薬組成物は、薬学的に許容される担体をさらに含むことができる。薬学的に許容される担体として、任意の標準的な担体、緩衝剤および賦形剤(例えばリン酸緩衝食塩水、5%デキストロース水溶液)を用いることができる。好ましい担体は、投与様式に依存する。典型的な投与様式には、経腸(例えば経口)投与または非経口投与(例えば皮下、筋肉内、静脈内もしくは腹腔内注射、または局所、経皮、または経粘膜投与)が含まれ、経口投与が好ましい。例えば、経口投与のためには、カプセル、錠剤および粉末などの固形剤形、またはエリキシル、シロップおよび懸濁液などの液体剤形で投与することができる。
上記したように、本発明にかかる医薬組成物は、フェチンの発現に基づき定義された患者を対象とする。さらに、本発明にかかる医薬組成物は、病理学的悪性度にさらに基づき定義された患者を対象とすることが好ましい。具体的には、本発明にかかる医薬組成物は、上記したように、フェチンの発現および病理学的悪性度に基づき予後不良と予測された患者を対象とすることが好ましい。以上のように、本発明によると、消化管間質腫瘍を患う患者のうち、フェチンの発現(および好ましくはさらに病理学的悪性度)に基づき定義された患者の消化管間質腫瘍を処置するための医薬組成物が提供される。
なお、GIST治療薬であるメシル酸イマチニブが、ノバルティスファーマ株式会社よりグリベック(登録商標)として販売されている。その添付書類には、免疫組織学的検査によりKIT(CD117)陽性消化管間質腫瘍と診断された患者を当該治療薬の対象とする旨が明記されている。このように、本発明にかかる医薬組成物の対象患者群と、グリベック(登録商標)の対象患者群とは、当業者が明確に区別することが可能であり、本発明にかかる医薬組成物は、その対象患者、すなわち医薬用途において、グリベック(登録商標)とは一線を画する。
なお、本発明にかかる医薬組成物も、グリベック(登録商標)と同様に、さらに免疫組織学的検査によりKIT(CD117)陽性消化管間質腫瘍と診断された患者を対象とすることが好ましい。広く当業者に行われているように、KIT(CD117)陽性の確認は、例えば、抗ヒトc−Kit(CD117)ウサギポリクローナル抗体(コード番号:A4502、ダコ・ジャパン株式会社製)を用いた免疫染色法により行うことができる。免疫染色法は、製造業者の取扱説明書に記載の方法に準じて行うことができる。KIT(CD117)陽性の確認は、上記抗ヒトc−Kit(CD117)ウサギポリクローナル抗体の添付書類に記載のように、当該抗体を用いた免疫染色法により行うことができる。
以下に、本発明の実施例を、添付図面を参照しながら説明する。もっとも、本発明は、以下に説明する実施例によって限定されるものではない。
[材料および方法]
〔1.サンプル〕
(1−1.手術検体)
手術検体を研究に使用することについて文章による同意を得たGIST患者から得られた手術検体を使用した。GIST症例の手術検体の使用について、本研究は国立がんセンターの遺伝子倫理委員会の審査および承認を受けた。
(1−2.タンパク質の回収)
症例の手術検体から腫瘍組織を回収し、液体窒素で凍らせた。凍らせた腫瘍組織をマルチビーズショッカー(安井機器、大阪)にて破砕して粉末状にした。粉末状にした組織にタンパク質抽出バッファー(6M ウレア、2M チオウレア、3% CHAPS、1% TritonX-100)を加えてタンパク質を抽出した。
〔2.蛍光二次元電気泳動〕
(2−1.サンプル調整)
抽出したタンパク質を15000回転で遠心し、上精を回収した。上精に含まれるタンパク質をタンパク質定量キット(DCプロテインアッセイキット、Bio-Rad社、米国)にて定量した。抽出したタンパク質5μgを蛍光色素(サチュレーションダイCy5、GE Healthcare Biosciences社)で標識した。標識は以下のように行った。(1)終濃度30mMとなるようにpH8.0のトリスバッファーを加え、次に(2)1nmolのTECP(トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィンヒドロクロライド,Sigma社)を加え、(3)37度で60分間処理した。次に、(4)Cy5蛍光色素を4nmol加えて、37度で60分間処理した。今回の実験に用いたタンパク質サンプルから等量ずつタンパク質サンプルを集めて混合し、内部標準サンプルとした。内部標準サンプルの5μgを蛍光色素(サチュレーションダイCy3、GE Healthcare Biosciences社)で上記と同様に標識した。Cy5で標識した個別のサンプルとCy3で標識した内部標準サンプルを混合し、ウレア可溶化液で最終容量420μlとした。その際、終濃度が65mMとなるようにDTTを、2%となるようにとアンフォライン(GE Healthcare Biosciences社)を加えた。Cy5で標識した個別サンプルとCy3で標識した内部標準サンプルを混合したサンプルを一枚の二次元電気泳動ゲルで泳動した。
(2−2.電気泳動)
まず、一次元目の泳動はイモビラインゲル(24cm、pI4−7、GE Healthcare Biosciences社)と、Multiphor II(GE Healthcare Biosciences社)を使用した。泳動するタンパク質サンプルでイモビラインゲルを室温にて一晩膨潤させた。泳動は40000Vh行った。二次元目の泳動は9−15%のポリアクリルアミドのグラジエントゲルと、EttanDalt II(GE Healthcare Biosciences社)を使用した。泳動は泳動装置一台につき18Wで17時間、20度で行った。
(2−3.タンパク質検出)
泳動終了後は、タンパク質を検出する目的で、ガラス板に挟んだままの状態のゲルをレーザースキャナー(Typhoon Trio、GE Healthcare Biosciences社)に載せスキャンした。
(2−4.発現解析)
読み込んだ画像は画像解析ソフトDeCyder(GE Healthcare Bio-sciences社)で解析した。
〔3.タンパク質同定〕
(3−1.ゲル内消化法)
全自動スポット回収装置ProHunter(AsOne社)を用いて、ゲルから96穴プレートにスポットを回収した。ゲルをメタノールで十分洗浄し、タンパク質分解酵素(トリプシン)で37度にて一晩処理した。この処理によってタンパク質はペプチド化される。得られたペプチドは、60%アセトニトリルにてゲルを洗浄することで回収した。
(3−2.質量分析)
ペプチドの質量を測定するためにLTQ(サーモ社)を使用した。タンパク質同定のためのデータベース検索にはMasCotを使用した。
〔4.ウェスタン・ブロッティング〕
前述の方法により手術検体より抽出したタンパク質10μgをSDS−PAGEにて分離し、ニトロセルロース膜に転写した。抗フェチン抗体として、非特許文献3(Resendes BL et al.(2004))に記載された抗体を用いた。抗体の希釈濃度は1000倍とし、検出にはECLキット(GE Healthcare Biosciences社)を使用した。
〔5.免疫染色〕
国立がんセンター中央病院に保存されていたパラフィンブロックを使用した。厚さ6μmの切片を作成し、抗フェチン抗体にて免疫染色を行った。抗フェチン抗体として、非特許文献3(Resendes BL et al.(2004))に記載された抗体を用いた。一次抗体の希釈は500倍とし、検出にはABCキット(DAKO社)を用いた。フェチンの陽性、陰性の判定は、2名の熟練した病理医と1名の臨床医が行った。
〔6.病理判断〕
(6−1.転移の有無)
外来経過観察中の診察所見および定期的画像検査(CT,MRI,単純X線写真)により、肺、リンパ節、腹腔など全身のいずれの場所にも明らかな病変の出現がない場合に転移なしと判断した。
(6−2.病理学的悪性度(リスク分類))
非特許文献1(Hasegawa H et al.(2002 Jun))に記載の方法に準じて、表1およびこれに関連した上記記載の通りに病理学的悪性度を判断した。腫瘍分化度、腫瘍壊死およびMIB−1のそれぞれについて病理医がスコアを決定した。
[実施例1]
消化管間葉系腫瘍の手術検体からタンパク質を抽出し、蛍光二次元電気泳動法と質量分析装置にて転移、予後に関係するタンパク質を解析した。1)術後1年以内に転移を来しかつ病理学的悪性度(リスク分類)が高度であった8症例、2)術後2年間、転移がなくかつ病理学的悪性度が中等度あるいは低度であった9症例の手術検体を用いた。約1600個のタンパク質スポットから、両群の間で濃度が異なるタンパク質スポット43個を選別した(Wilcoxon検定のP値が0.01以下)。
質量分析装置を用いたタンパク質同定の結果、フェチンというタンパク質に由来するタンパク質スポット(フェチン・スポット)が、43個のスポット中8個含まれていた。フェチン・スポットの濃度によって、前述の予後不良であった8症例と、予後良好であった9症例を感度(真陽性率、予後不良の患者が検査陽性となる確率)、特異度(真陰性率、予後良好の患者が検査陰性となる確率)ともに100%で識別することが可能であった(図1参照)。フェチンに対する特異抗体を用いたウェスタン・ブロッティング法を同じ手術検体に対して行った場合においても、感度、特異度ともに100%の正確さで、予後不良の8症例を予後良好の9症例から識別できた(図2(a)参照)。
[実施例2]
結果を検証する目的で、追加症例として3)術後1年以内に転移を来しかつ病理学的悪性度(リスク分類)が高度であった2症例、4)術後2年間、転移がなくかつ病理学的悪性度が中等度あるいは低度であった2症例を、同様に蛍光二次元電気泳動法とウェスタン・ブロッティングを用いて調べた。この結果、上記と同様にフェチンの発現量に基づいて両群を感度、特異度ともに100%で識別することができた(図2(b)参照)。
[実施例3]
フェチンによる予後予測の可能性をさらに検証する目的で、フェチンに対する特異抗体を用いた免疫染色を216症例に対して実施した。免疫染色のインターナル陽性コントロールとして血管内皮細胞を用いた。フェチン陽性または陰性の判定は複数の病理医および研究者により独立して行われた。図3に、陽性と陰性のそれぞれについて、免疫染色の結果の例を示す。216症例中、フェチン陽性症例は159症例、フェチン陰性症例は57症例だった。これらの症例について、術後5年間の転移とフェチンの発現の相関を調べた。術後5年間の転移について臨床情報が得られたのは216症例中152症例であった。152症例中、フェチン陽性症例は106例、陰性症例は46症例だった。術後5年間の転移はフェチン陽性症例においてはほとんど認められなかったのに対し(106症例中6症例、5.66%)、陰性症例では高頻度に認められた(46症例中29症例、63.09%)(表2参照)。
一方、リスク分類の結果も術後5年間の転移の有無と相関していた(表3参照)。
さらに、フェチンの発現とリスク分類の組み合わせと術後5年間の転移の有無との関係を検討した(表4参照)。フェチンの発現が陽性かつ病理学的悪性度が低度か中等度であった症例は合計91症例であった。このうち術後5年間の転移症例数は2症例(2/91、2.20%)であり、転移割合は低かった。一方で、フェチンの発現が陰性かつ病理学的悪性度が高度であった症例は31症例であった。このうち術後5年間の転移症例数は25症例(25/31、80.65%)であり、転移割合は高かった。どちらの群にも属さない症例(フェチン陽性かつ病理学的悪性度が高度、フェチン陰性かつ病理学的悪性度が低度か中等度)は合計30症例あった。これらの症例群の術後5年間の転移症例数はさまざまであった。具体的には、フェチン陽性かつ病理学的悪性度が高度の症例における術後5年間の転移割合は26.6%(15症例中4症例)であり、転移割合は比較的低かった。また、フェチン陰性かつ病理学的悪性度が低度の症例における術後5年間の転移割合は16.7%(12症例中2症例)であり、転移割合は比較的低かった。一方、フェチン陰性かつ病理学的悪性度が中等度の症例における術後5年間の転移割合は66.7%(3症例中2症例)であり、転移割合は比較的高かった。しかしながら、この症例群は症例数が3症例と少ないため、転移の割合が有意に高いかどうかは不明確である。
[Logrank検定]
フェチン陽性および陰性の集団について、Logrank検定により再発(転移)率の検定を行った。これは、二つの集団の間での再発(転移)率の時間経過に統計学的有意差があるか否かを追跡調査したものである。図4に、個々の症例につき再発(転移)の時期を調べ、ある特定の時期における非再発症例の割合を累積で示す。還元すると、これは、再発(転移)が起こるまでの時間と割合を現している。この結果からも、フェチンが陽性である症例は再発率が極端に低く、予後が良好であることから、手術後の化学療法は必要がないと見込まれること、陰性である症例については、再発が高率に発生すると予測されるため手術後の化学療法を積極的に行うことを検討した方がよいことが分かる。
予後不良8症例および予後良好9症例において蛍光二次元電気泳動法により得られたフェチン・スポットの濃度を示すグラフである。 (a)予後不良8症例および予後良好9症例ならびに(b)追加の予後不良2症例および予後良好2症例におけるウェスタン・ブロッティング法の結果を示す写真である。 免疫染色の結果の例(上段:予後良好3症例、下段:予後不良3症例)を示す写真である。 フェチン陽性および陰性の集団について、Logrank検定により特定の時期における非再発症例の割合を累積で示すグラフである。

Claims (3)

  1. 消化管間質腫瘍を患う患者の予後を予測するために使用する腫瘍マーカーであって、
    フェチンからなり、前記患者の腫瘍組織において、前記フェチンの発現が陰性の場合に前記患者の予後が不良であり、前記フェチンの発現が陽性の場合に前記患者の予後が良好である、と予測する腫瘍マーカー。
  2. 消化管間質腫瘍を患う患者の予後を予測するためのキットであって、
    前記患者の腫瘍組織中のフェチンを検出又は定量するための抗フェチン抗体を含み、前記フェチンの発現が陰性の場合に前記患者の予後が不良であり、前記フェチンの発現が陽性の場合に前記患者の予後が良好である、と予測することを特徴とする消化管間質腫瘍患者の予後予測に用いるキット。
  3. フェチンを、消化管間質腫瘍を患う患者の予後を予測する腫瘍マーカーとして使用する方法であって、
    前記患者の腫瘍組織において、前記フェチンの発現が陰性の場合に前記患者の予後が不良であり、前記フェチンの発現が陽性の場合に前記患者の予後が良好である、と予測する方法。
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