JP5139134B2 - Al−Ni−La−Cu系Al基合金スパッタリングターゲットおよびその製造方法 - Google Patents

Al−Ni−La−Cu系Al基合金スパッタリングターゲットおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、Ni、La、およびCuを含有するAl−Ni−La−Cu系Al基合金スパッタリングターゲットおよびその製造方法に関し、詳細には、スパッタリングターゲットを用いて薄膜を成膜する際、スパッタリングの初期段階で発生する初期スプラッシュを低減することが可能なAl−Ni−La−Cu系Al基合金スパッタリングターゲットおよびその製造方法に関するものである。
Al基合金は、電気抵抗率が低く、加工が容易であるなどの理由により、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、プラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD:Electro Luminescence Display)、フィールドエミッションディスプレイ(FED:Field Emission Display)、メムス(MEMS:Micro Electro Mechanical Systems)ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイ(FPD:Flat Panel Display)、タッチパネル、電子ペーパーなどの分野で汎用されており、配線膜、電極膜、反射電極膜などの材料に利用されている。
例えば、アクティブマトリクス型の液晶ディスプレイは、スイッチング素子である薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)、導電性酸化膜から構成される画素電極、および走査線や信号線を含む配線を有するTFT基板を備えている。走査線や信号線を構成する配線材料には、一般に、純AlやAl−Nd合金の薄膜が用いられるが、これらの薄膜によって形成される各種電極部分を画素電極と直接接触させると、絶縁性の酸化アルミニウムなどが界面に形成されて接触電気抵抗が増加するため、これまでは、上記Alの配線材料と画素電極の間に、Mo,Cr,Ti,W等の高融点金属からなるバリアメタル層を設けて接触電気抵抗の低減化を図ってきた。
しかしながら、上記のようにバリアメタル層を介在させる方法は、製造工程が煩雑になって生産コストの上昇を招くなどの問題がある。
そこで、本願出願人は、バリアメタル層を介さずに、画素電極を構成する導電性酸化膜を配線材料と直接接触させることが可能な技術(ダイレクトコンタクト技術)を提供するため、配線材料として、Al−Ni合金や、NdやYなどの希土類元素を更に含有するAl−Ni合金の薄膜を用いる方法を提案している(特許文献1)。Al−Ni合金を用いれば、界面に導電性のNi含有析出物などが形成され、絶縁性酸化アルミニウム等の生成が抑制されるため、接触電気抵抗を低く抑えることができる。また、Al−Ni−希土類元素合金を用いれば、耐熱性が更に高められる。
ところで、Al基合金膜の形成には、一般にスパッタリングターゲットを用いたスパッタリング法が採用されている。スパッタリング法とは、基板と、薄膜材料と同一の材料から構成されるスパッタリングターゲットとの間でプラズマ放電を形成し、プラズマ放電によってイオン化させた気体をスパッタリングターゲットに衝突させることによってスパッタリングターゲットの原子をたたき出し、基板上に堆積させて薄膜を作製する方法である。スパッタリング法は、真空蒸着法とは異なり、スパッタリングターゲットと同じ組成の薄膜を形成できるというメリットを有している。特に、スパッタリング法で成膜されたAl基合金膜は、平衡状態では固溶しないNdなどの合金元素を固溶させることができ、薄膜として優れた性能を発揮することから、工業的に有効な薄膜作製方法であり、その原料となるスパッタリングターゲットの開発が進められている。
近年、FPDの生産性拡大などに対応するため、スパッタリング工程時の成膜速度は、従来より高速化する傾向にある。成膜速度を速くするためには、スパッタリングパワーを大きくすることが最も簡便であるが、スパッタリングパワーを増加させると、スプラッシュ(微細な溶融粒子)などのスパッタリング不良が発生し、配線膜などに欠陥が生じるため、FPDの歩留りや動作性能が低下するなどの弊害をもたらす。
そこで、スプラッシュの発生を防止する目的で、例えば、特許文献2〜5に記載の方法が提案されている。このうち、特許文献2〜4は、いずれも、スプラッシュの発生原因がスパッタリングターゲットの組織中にある微細な空隙に起因するという観点に基づいてなされたものであり、Al母相中のAlと希土類元素との化合物粒子の分散状態を制御したり(特許文献2)、Al母相中のAlと遷移元素との化合物の分散状態を制御したり(特許文献3)、スパッタリングターゲット中の添加元素とAlとの金属間化合物の分散状態を制御したり(特許文献4)することによって、スプラッシュの発生を防止している。また、特許文献5には、スプラッシュの原因であるアーキング(異常放電)を低減するため、スパッタ面の硬度を調整した後、仕上機械加工を行うことにより、機械加工に伴う表面欠陥の発生を抑制する方法が開示されている。
一方、本願出願人は、主に、大型スパッタリングターゲット製造時の加熱により生じるスパッタリングターゲットの反りを防止する技術を開示している(特許文献6)。特許文献6では、Al−Ni−希土類元素合金スパッタリングターゲットを対象にしており、スパッタリングターゲット平面に垂直な断面に、アスペクト比が2.5以上で円相当径直径が0.2μm以上の化合物を所定個数以上存在させることにより、スパッタリングターゲットの変形を抑制できる方法を提案している。
特開2004−214606号公報 特開平10−147860号公報 特開平10−199830号公報 特開平11−293454号公報 特開2001−279433号公報 特開2006−225687号公報
前述したように、これまでにも、スプラッシュの発生を低減してスパッタリング不良を改善するための種々の技術は提案されているが、一層の改善が求められている。特に、スパッタリングの初期段階で発生する初期スプラッシュは、FPDの歩留まりを低下させるため、深刻な問題をもたらしているが、前述した特許文献2〜5のスプラッシュ発生防止技術は、初期スプラッシュの発生を充分有効に防止できるものではない。また、Al基合金のなかでも、画素電極を構成する導電性酸化膜と直接接触し得る配線材料として有用であり、更には、薄膜トランジスタの半導体層と直接接触し得る配線材料としても適用可能なAl−Ni−La−Cu系Al基合金膜の形成に用いられるAl基合金スパッタリングターゲットにおいて、上記課題を解決することが可能な技術は、未だ提案されていない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、Ni、La、およびCuを含むAl−Ni−La−Cu系Al基合金スパッタリングターゲットを用いて成膜するときに発生するスプラッシュ、特に、初期スプラッシュを低減し得る技術を提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明に係るNi、LaおよびCuを含有するAl−Ni−La−Cu系Al基合金スパッタリングターゲットは、スパッタリングターゲットの平面に対して垂直な断面における1/4t(tは厚み)〜3/4tの部位を走査型電子顕微鏡を用いて倍率2000倍で観察したとき、(1)AlおよびNiを主体とするAl−Ni系金属間化合物について、前記Al−Ni系金属間化合物の全面積に対する、平均粒径が0.3μm以上3μm以下の範囲内にあるAl−Ni系金属間化合物の合計面積は、面積率で70%以上であり、且つ、(2)Al、LaおよびCuを主体とするAl−La−Cu系金属間化合物について、前記Al−La−Cu系金属間化合物の全面積に対する、平均粒径が0.2μm以上2μm以下のAl−La−Cu系金属間化合物の合計面積は、面積率で70%以上であるところに要旨が存在する。
好ましい実施形態において、上記のAl−Ni−La−Cu系Al基合金スパッタリングターゲットは、Ni:0.05原子%以上5原子%以下、La:0.10原子%以上1原子%以下、Cu:0.10原子%以上2原子%以下を含有する。
また、上記課題を解決することができた上記Al−Ni−La−Cu系Al基合金スパッタリングターゲットの製造方法は、Ni量が0.05原子%以上5原子%以下、La量が0.10原子%以上1原子%以下、Cu量が0.10原子%以上2原子%以下のAl−Ni−La−Cu系Al基合金の850〜1000℃の溶湯を得る第1の工程と、前記Al基合金の溶湯をガス/メタル比が6Nm3/kg以上でガスアトマイズし、Al基合金を微細化する第2の工程と、前記微細化したAl基合金をスプレイ距離が900〜1200mmの条件でコレクターに堆積し、Al基合金のプリフォームを得る第3の工程と、前記Al基合金のプリフォームを緻密化手段によって緻密化し、Al基合金の緻密体を得る第4の工程と、前記Al基合金の緻密体に塑性加工を行い、Al基合金の塑性加工体を得る第5の工程と、前記Al基合金の塑性加工体に焼鈍を行う第6の工程と、を包含するところに要旨が存在する。
本発明のAl−Ni−La−Cu系Al基合金スパッタリングターゲットは、上記のように、当該スパッタリングターゲット中に存在する金属間化合物(AlおよびNiを主体とするAl−Ni系金属間化合物、並びにAl、LaおよびCuを主体とするAl−La−Cu系金属間化合物)の粒度分布が適切に制御されているため、スプラッシュの発生、特に初期スプラッシュの発生が抑えられ、スパッタリング不良が効果的に抑制される。
本発明者は、スパッタリング成膜時に発生するスプラッシュ、特に、スパッタリング成膜時の初期段階に発生する初期スプラッシュを低減することが可能なAl基合金スパッタリングターゲットを提供するため、鋭意検討してきた。
その結果、Al−Ni−La系Al基合金スパッタリングターゲット中に含まれる金属間化合物(AlおよびNiを主体とするAl−Ni系金属間化合物と、AlおよびLaを主体とするAl−La系金属間化合物)の粒度分布は、いずれも、初期スプラッシュの発生と有意な相関関係を有していること、よって、上記金属間化合物の粒度分布を適切に制御すれば所期の目的が達成されることを見出し、先に出願を行なった(特願2006−313506)。以下、上記の発明を「先願のAl−Ni−La系Al基合金スパッタリングターゲット」、または単に「先願発明」と呼ぶ場合がある。
上記先願発明の出願後も、本願発明者は、Al−Ni−La系Al基合金スパッタリングターゲットの検討を更に重ねてきた。具体的には、上記のAl−Ni−La系Al基合金スパッタリングターゲットに更にCuを添加したAl−Ni−La−Cu系Al基合金スパッタリングターゲットについて、上記と同様、当該スパッタリングターゲット中に含まれる金属間化合物を詳細に検討したところ、上記のスパッタリングターゲット中に含まれる金属間化合物(AlおよびNiを主体とするAl−Ni系二元系金属間化合物)と、Al、LaおよびCuを主体とするAl−La−Cu系三元系金属間化合物の粒度分布は、いずれも、初期スプラッシュの発生と有意な相関関係を有していること、よって、上記金属間化合物の粒度分布を適切に制御すれば所期の目的が達成されることを見出し、本発明を完成した。
本明細書において、「AlおよびNiを主体とするAl−Ni系金属間化合物」とは、後に詳述する方法で、スパッタリングターゲットをEDX(Energy Dispersive X-ray Fluoressence Spectrometer、エネルギー分散型X線分析装置)を備えたSEM(Scanning Electron Microscope、走査型電子顕微鏡)で分析したとき、後記する図2(c)に示すように、AlおよびNiのピークが強く検出され、これら以外の元素のピークは実質的に検出されないものを意味する。代表的なAl−Ni系金属間化合物としては、Al3Niなどの二元系金属間化合物が挙げられる。
また、「Al、LaおよびCuを主体とするAl−La−Cu系金属間化合物」とは、上記と同様の方法でスパッタリングターゲットを分析したとき、後記する図2(d)に示すように、Al、LaおよびCuのピークが強く検出され、これら以外の元素のピークが実質的に検出されないものを意味する。代表的なAl−La−Cu系金属間化合物としては、Al7La2Cuなどの三元系金属間化合物が挙げられる。
また、本明細書において、「初期スプラッシュの発生を防止(低減)できる」とは、後記する実施例に示す条件(スパッタリング時間81秒)でスパッタリングを行なったときに発生するスプラッシュの平均値が8個/cm2未満のものを意味する。このように、本発明では、スパッタリング時間を81秒としており、スパッタリング成膜の初期段階におけるスプラッシュを評価している点で、初期段階におけるスプラッシュの発生を評価していない前述した特許文献2〜5の技術とは、評価基準が相違している。
まず、本発明で対象とするAl−Ni−La−Cu系Al基合金について説明する。
本発明のAl基合金スパッタリングターゲットは、母相であるAl中にNi、LaおよびCuを含有している。これらの合金元素を選択した理由は次の通りである。このAl−Ni−La−Cu系Al基合金スパッタリングターゲットを用いて形成されるAl基合金膜において、Niを含有させることによって、Al基合金膜に直接接触される画素電極との接触電気抵抗を低減する効果が得られる。またLaを含有させることによって、Al基合金膜の耐熱性を向上させる効果が得られる。またCuを含有させることによって、Al基合金膜の耐食性を向上させる効果が得られる。
なお、Al−Ni−希土類元素合金スパッタリングターゲットに関して言えば、前述した特許文献6も、上記組成のスパッタリングターゲットを対象にした技術を開示しているが、本発明のように、希土類元素としてLaを含むAl−Ni−La−Cu系Al基合金スパッタリングターゲットを対象とするものではない。勿論、特許文献6には、本発明で対象とするAl−Ni−La−Cu系Al基合金スパッタリングターゲットにおいて、初期スプラッシュの発生を防止するために、所定の金属間化合物の粒度分布を制御するという本発明の技術的思想は存在しない。また、特許文献6で規定する化合物(金属間化合物)は、アスペクト比が2.5以上でかつ円相当直径が0.2μm以上の円板状化合物であり、球状の化合物を有する本発明とは、金属間化合物の形状が相違している。更に、両者は、製造方法も相違している。後に詳しく説明するように、本発明は、特許文献6と同様、好ましくは、スプレイフォーミング法によってAl基合金プリフォームを製造しているが、特許文献6では、特に、ノズル径φを2.5〜10mm、ガス圧を0.3〜1.5MPaに制御して所定の円板状化合物を確保しているのに対し、本発明では、特に、ガス/メタル比を6Nm3/kg以上に制御して所望の粒度分布を確保している。特許文献6では、ガス/メタル比について全く考慮していないため、特許文献6に開示された製造方法に基づいたとしても、本発明のAl−Ni−La−Cu系Al基合金スパッタリングターゲットを製造することはできない。
また、Al基合金スパッタリングターゲットのスプラッシュ発生抑制技術として、例えば、上記特許文献6のほかに、前述した特許文献1〜特許文献4のように、Al母相中のAlと希土類元素との化合物や金属間化合物の分散状態などを制御する技術が開示されている。しかしながら、これらは、いずれも、本発明で対象とするAl−Ni−La−Cu系Al基合金スパッタリングターゲットについて、具体的に開示されたものではない。本発明のように、希土類元素としてLaを含み、且つ、Cuを含むAl基合金は、上記の特許文献を含め、従来技術の欄に開示されたいずれの特許文献にも、開示されていない。
本発明は、以下に詳述するとおり、Al−Ni基合金にLaおよびCuを含むAl−Ni−La−Cu系Al基合金スパッタリングターゲットと、Al−Ni基合金にLa以外の希土類元素を含むAl−Ni−希土類元素合金スパッタリングターゲット(例えば、特許文献6に開示されているAl−Ni−Nd合金スパッタリングターゲット)とは、金属間化合物の形状が大きく相違しているという新規知見に基づいてなされたものである。本発明のAl−Ni−La−Cu系Al基合金スパッタリングターゲットでは、前述した図2に示すように、AlとNiからなる二元系金属間化合物、およびAlとLaとCuからなる三元系金属間化合物が存在し、AlとNiとLaからなる三元系金属間化合物は実質的に存在しない。これに対し、特許文献6のAl−Ni−Nd合金スパッタリングターゲットでは、主に、AlとNiとNdとからなる三元系金属間化合物が存在し、AlとNiからなる二元系金属間化合物は殆ど存在しない。本発明の技術は、Al−Ni−希土類元素系Al基合金スパッタリングターゲットのなかでも、特に、Al−Ni−La−Cu系Al基合金スパッタリングターゲットに特化した技術であると位置づけられる。
本発明のAl基合金に含まれるNiの量は、0.05原子%以上5原子%以下の範囲内であることが好ましい。これらの範囲は、前述した「先願のAl−Ni−La系Al基合金スパッタリングターゲット」を用いた実験結果を考慮し、定めたものである。Ni量の下限が0.05原子%を下回ると、0.3μm未満の金属間化合物が占める面積率が多くなり、スパッタリングターゲット表面を機械加工する際に金属間化合物が脱落し、凹凸の表面積が増加するため、初期スプラッシュの個数が増加する。一方、Ni量の上限が5原子%を超えると、3μm超の金属間化合物が占める面積率が多くなり、スパッタリングターゲット表面を機械加工する際に、表面の凹凸が大きくなって酸化物等の非導電性介在物の巻き込みが増えるため、初期スプラッシュの個数が増加する。Niの含有量は、0.1原子%以上4原子%以下であることがより好ましく、0.2原子%以上3原子%以下であることが更に好ましい。
また、本発明のAl基合金に含まれるLaの量は、0.10原子%以上1原子%以下の範囲内であることが好ましい。これらの範囲は、前述した「先願のAl−Ni−La系Al基合金スパッタリングターゲット」を用いた実験結果を考慮し、定めたものである。La量の下限が0.10原子%を下回ると、0.2μm未満の金属間化合物が占める面積率が多くなり、スパッタリングターゲット表面を機械加工する際に金属間化合物が脱落し、凹凸の表面積が増加するため、初期スプラッシュの個数が増加する。一方、La量の上限が1原子%を超えると、2μm超の金属間化合物が占める面積率が多くなり、スパッタリングターゲット表面を機械加工する際に、表面の凹凸が大きくなって酸化物等の非導電性介在物の巻き込みが増えるため、初期スプラッシュの個数が増加する。Laの含有量は、0.15原子%以上0.8原子%以下であることがより好ましく、0.2原子%以上0.6原子%以下であることが更に好ましい。
Cuの含有量は、0.10原子%以上2原子%以下の範囲内であることが好ましい。これらの範囲は、後記する実施例の実験結果に基づいて算出されたものである。Cu量の下限が0.10原子%を下回ると、0.2μm未満の金属間化合物が占める面積率が多くなり、スパッタリングターゲット表面を機械加工する際に金属間化合物が脱落し、凹凸の表面積が増加するため、初期スプラッシュの個数が増加する。一方、Cu量の上限が2原子%を超えると、2μm超の金属間化合物が占める面積率が多くなり、スパッタリングターゲット表面を機械加工する際に、表面の凹凸が大きくなって酸化物等の非導電性介在物の巻き込みが増えるため、初期スプラッシュの個数が増加する。Cuの含有量は0.10原子%以上1原子%以下であることがより好ましい。
本発明に用いられるAl基合金は、上記のように、Ni、La、Cuを含有し、残部:Alおよび不可避不純物である。不可避不純物としては、例えば、製造過程などで不可避的に混入する元素、Fe、Si、C、O、Nなどが挙げられる。
次に、本発明を特徴付ける金属間化合物について説明する。
本発明のスパッタリングターゲットは、当該スパッタリングターゲット中に存在する下記の金属間化合物が、以下の要件(1)および(2)を満足するものである。
(1)AlおよびNiを主体とするAl−Ni系金属間化合物について、前記Al−Ni系金属間化合物の全面積に対する、平均粒径が0.3μm以上3μm以下の範囲内にあるAl−Ni系金属間化合物の合計面積は、面積率で70%以上である。
(2)Al、La、およびCuを主体とするAl−La−Cu系金属間化合物について、前記Al−La−Cu系金属間化合物の全面積に対する、平均粒径が0.2μm以上2μm以下のAl−Ni−La−Cu系金属間化合物の合計面積は、面積率で70%以上である。
前述したように、本発明で対象とするAl−Ni−La−Cu系Al基合金スパッタリングターゲットでは、後に詳しく説明する測定方法でSEM反射電子像中の金属間化合物を画像解析したとき、観察され得る主な金属間化合物は、上記のようなAl−Ni系二元系金属間化合物とAl−La−Cu系三元系金属間化合物であり、これまでに代表的に用いられてきたAl−Ni−Nd系Al基合金スパッタリングターゲットを同様の測定方法で観察したときに見られるAl−Ni−Nd三元系金属間化合物と同類のAl−Ni−La三元系金属間化合物は、実質的に存在しない(前述した図2を参照)。
そして、本発明では、上記の各金属間化合物について、平均粒径が所定範囲内にある金属間化合物の面積率(占積率)を多くすれば、初期スプラッシュの発生を効果的に防止できるという実験結果に基づき、これらの金属間化合物の占積率をできるだけ多く設定した(本発明では、70%以上)次第である。
上記金属間化合物によるスプラッシュ発生防止のメカニズムは、以下のように推定される。
すなわち、初期スプラッシュの発生原因は、一般に、スパッタリングターゲットの表面を機械加工する際、金属間化合物が脱落し、凹凸の表面積が増加することにあると考えられている。そして、(1)AlおよびNiを主体とするAl−Ni系金属間化合物に関していえば、平均粒径が0.3μm未満の金属間化合物が占める面積率が多くなると初期スプラッシュの発生数が増加し、一方、平均粒径が3μm超の金属間化合物が占める面積率が多くなると、機械加工による表面凹凸の増加によって酸化物等の非導電性介在物の巻き込みが増大すると考えられ、結果的に、初期スプラッシュの発生数が増加する。このような傾向は、(2)Al、La、およびCuを主体とするAl−La−Cu系金属間化合物に関しても同様に見られ、平均粒径が0.2μm未満の金属間化合物が占める面積率が多くなると初期スプラッシュの発生数が増加し、一方、平均粒径が2μm超の金属間化合物が占める面積率が多くなると、機械加工による表面凹凸の増加によって酸化物等の非導電性介在物の巻き込みが増大すると考えられ、結果的に、初期スプラッシュの発生数が増加する。
なお、Al−Ni系金属間化合物とAl−La−Cu系金属間化合物との間で、初期スプラッシュの発生防止に寄与する金属間化合物の平均粒径の範囲が若干相違するのは、これらの金属間化合物とAl母相との界面強度が相違することに起因すると推定される。すなわち、Al−La−Cu系金属間化合物とAl母相との界面強度は、Al−Ni系金属間化合物とAl母相との界面強度に比べて大きい。
本発明において、平均粒径が上記範囲を満足する金属間化合物の占積率は、面積率で、70%以上とする。上記占積率は多い程よく、いずれの金属間化合物においても、例えば、75%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。
本発明で対象とする上記金属間化合物の粒度分布の測定方法は、以下のとおりである。
まず、Ni、LaおよびCuを含有するAl−Ni−La−Cu系Al基合金スパッタリングターゲットを用意する。
次に、上記スパッタリングターゲットの測定面[平面に対して垂直方向(圧延面法線方向、ND)の断面における1/4t(tは厚み)〜3/4tの部位から任意の3箇所]について、EDXを備えたSEM(後記する実施例では、フィリップス社製のQuanta 200FEGまたはカールツァイス社製のSupra−35を使用)を用いて倍率2000倍で観察し、反射電子像を撮影する。なお、上記の測定面は、予め、鏡面研磨しておく。1視野サイズは約60μm×50μmとする。撮影した反射電子像を、解析装置[ナノシステム(株)製「NanoHunter NS2K-Pro」]を用いて画像解析し、Al−Ni系金属間化合物およびAl−La−Cu系金属間化合物の平均粒径(円相当直径)および当該平均粒径の金属間化合物が全金属間化合物中に占める面積率を求める。このようにして、合計3視野の面積率を求め、その平均値を各金属間化合物の面積率とする。
上記の測定方法によれば、Al−Ni系金属間化合物とAl−La−Cu系金属間化合物とは、色調差(濃淡差)によって容易に区別される。Al−Ni系金属間化合物の反射電子像は灰色に、Al−La−Cu系金属間化合物は白色に写る。
参考のため、図1に、後記する実施例に記載の表1のNo.5(本発明例)について、上記の方法で得られたSEM反射電子像(図1(a))、Al−Ni系金属間化合物の画像(図1(b))、Al−La−Cu系金属間化合物の画像(図1(c))を示す。図1に示すように、Al−La−Cu系金属間化合物の反射電子像は、Al−Ni系金属間化合物に比べ、白く写っている。
また、図2に、上記と同じNo.5(本発明例)のSEM反射電子像について、母相(図2(a)中、1)、灰色化合物(図2(a)中、2)、白色化合物(図2(a)中、3)の組成をEDX分析した結果を夫々示す。母相1は、図2(b)に示すようにAlのみから構成されており、灰色化合物2は、図2(c)に示すようにAlとNiとから実質的に構成されており、白色化合物3は、図2(d)に示すようにAlとLaとCuとから実質的に構成されていることが確認された。
次に、本発明のスパッタリングターゲットを製造する方法を説明する。
まず、Ni量が0.05原子%以上5原子%以下、La量が0.10原子%以上1原子%以下、およびCu量が0.10原子%以上2原子%以下のAl−Ni−La−Cu系Al基合金の溶湯を用意する。
次に、上記のAl基合金を用い、好ましくは、スプレイフォーミング法によってAl基合金プリフォーム(最終的な緻密体を得る前の中間体)を製造した後、プリフォームを緻密化手段によって緻密化する。
ここで、スプレイフォーミング法は、各種の溶融金属をガスによってアトマイズし、半溶融状態・半凝固状態・固相状態に急冷させた粒子を堆積させ、所定形状の素形材(プリフォーム)を得る方法である。この方法によれば、溶解鋳造法や粉末焼結法などでは得ることが困難な大型のプリフォームを単一の工程で得られるほか、結晶粒を微細化でき、合金元素を均一に分散することができる、などの利点がある。
プリフォームの製造工程は、おおむね、(液相温度+150℃)〜(液相温度+300℃)の範囲内で溶解し、Al基合金の溶湯を得る工程と、Al基合金の溶湯を、ガス流出量/溶湯流出量の比で表されるガス/メタル比が6Nm3/kg以上の条件でガスアトマイズし、微細化する工程と、微細化したAl基合金を、スプレイ距離:約900〜1200mmの条件でコレクターに堆積し、プリフォームを得る工程と、を包含する。
以下、図3および図4を参照しながら、プリフォームを得るための各工程を詳細に説明する。
図3は、本発明のプリフォームを製造するのに用いられる装置の一例を部分的に示す断面図である。図4は、図3中、Xの要部拡大図である。
図3に示す装置は、Al基合金を溶解するための誘導溶解炉1と、誘導溶解炉1の下方に設置されたガスアトマイザー3a、3bと、プリフォームを堆積するためのコレクター5とを備えている。誘導溶解炉1は、Al基合金の溶湯2を落下させるノズル6を有している。また、ガスアトマイザー3a、3bは、それぞれ、ガスをアトマイズするためのボビンのガス穴4a、4bを有している。コレクター5は、プリフォームの製造が進行してもプリフォーム堆積面の高さが一定となるよう、コレクター5を下降させるべく、ステッピングモータなどの駆動手段(不図示)を有している。
まず、前述した組成のAl基合金を用意する。このAl基合金を誘導溶解炉1に投入した後、好ましくは、不活性ガス(例えば、Arガス)雰囲気中で、Al基合金の液相温度に対し、おおむね、+150℃〜+300℃の範囲内で溶解する。
溶解温度は、一般に、液相温度+50℃〜200℃の範囲で実施されている (例えば、特開平9−248665号公報)が、本発明では、前述した2種類の金属間化合物の粒度分布を適切に制御するため、上記範囲に設定した。本発明で対象とするAl−Ni−La−Cu系Al基合金の場合は、おおむね、850〜1000℃で実施する。溶解温度が850℃未満では、スプレイフォーミングにおいてノズルの閉塞が生じてしまい、一方、1000℃を超えると、液滴温度が高くなるため、平均粒径3μm以上のAl−Ni系金属間化合物が占める面積率が増加するため、所望のスプラッシュ低減効果が得られない(後記する実施例を参照)。合金の溶解温度は、(液相温度+150℃)〜(液相温度+300℃)の範囲内であることが好ましい。本発明で対象とするAl−Ni−La−Cu系Al基合金の場合は、850〜1000℃であることが好ましく、900〜1000℃であることがより好ましい。
次に、上記のようにして得られた合金の溶湯2を、ノズル6を介して不活性ガス雰囲気のチャンバー内(不図示)を落下させる。チャンバー内では、ガスアトマイザー3a、3bに設置されたボビンのガス穴4a、4bから高圧の不活性ガスジェット流が合金の溶湯2に吹き付けられ、これにより、合金の溶湯は微細化される。
ガスアトマイズは、上記のように不活性ガスあるいは窒素ガスを用いて行なうことが好ましく、これにより、溶湯の酸化が抑えられる。不活性ガスとしては、例えば、アルゴンガスなどが挙げられる。
ここで、ガス/メタル比は6Nm3/kg以上とする。ガス/メタル比は、ガス流出量(Nm3)/溶湯流出量(kg)の比で表される。本願明細書において、ガス流出量とは、Al基合金の溶湯をガスアトマイズするために、ボビンのガス穴4a、4bから流出されるガスの総量(最終的に使用した量)を意味する。また、本願明細書において、溶湯流出量とは、Al基合の溶湯が入った容器(誘導溶解炉1)の溶湯流出口(ノズル6)から流出される溶湯の総量を意味する。
ガス/メタル比が6Nm3/kg未満の場合、液滴のサイズが大きくなる傾向にあるため、冷却速度が低下し、平均粒径3μm超のAl−Ni系金属間化合物の占積率が増加するため、所望の効果が得られない(後記する実施例を参照)。
ガス/メタル比は大きい程良く、例えば、6.5Nm3/kg以上であることが好ましく、7Nm3/kg以上であることがより好ましい。なお、その上限は特に限定されないが、ガスアトマイズ時の液滴流れの安定性やコストなどを考慮すると、15Nm3/kgとすることが好ましく、10Nm3/kgであることがより好ましい。
更に、対抗するガスアトマイズノズル中心軸6a、6bのなす角度を2αとしたとき、αを1〜10°の範囲内に制御することが好ましい。対抗するガスアトマイズノズル中心軸6a、6bのなす角度2αとは、図4に示すように、溶湯2が真下に落下したときの線(スプレイ軸Aに相当)に対するガスアトマイザー4a、4bのそれぞれの傾きαの合計角度を意味する。以下では、このαを「ガスアトマイズ出口角度α」と称する。ガスアトマイズ出口角度αは、1°以上7°以下であることがより好ましい。
次いで、上記のようにして微細化したAl基合金(液滴)をコレクター5に堆積し、プリフォームを得る。
ここでは、スプレイ距離を900〜1200mmの範囲内に制御することが好ましい。スプレイ距離とは液滴の集積位置を規定しており、図3に示すように、ノズル6の先端(図3中、A1)からコレクター5の中心(図3中、A2)までの距離Lを意味する。後述するように、コレクター5はコレクター角度βで傾斜しているため、スプレイ距離Lは、厳密には、ノズル6の先端と、コレクター5の中心A2の水平線がスプレイ軸Aと交差する点(図3中、A3)との距離を意味している。ここで、スプレイ軸Aとは、説明の便宜のため、Al基合金の液滴が真下に落下する方向を規定したものである。
一般に、スプレイフォーミングにおけるスプレイ距離は、おおむね、500mm前後に制御していることが多いが、本発明では、上記2種類の金属間化合物について所望の粒度分布を得るため、上記の範囲に設定した(後記する実施例を参照)。900mmを下回ると、高温状態の液滴がコレクター上に堆積するために冷却速度が低下し、平均粒径3μm以上のAl−Ni系金属間化合物の占積率が増加するため、所望の効果が得られない。一方、スプレイ距離が1200mmを超えると、歩留りが低下してしまう。スプレイ距離Lは、おおむね、950〜1100mmの範囲内であることがより好ましい。
更に、コレクター角度βを20〜45°の範囲内に制御することが好ましい。コレクター角度βは、図3に示すように、スプレイ軸Aに対するコレクター5の傾きを意味する。
以上、プリフォームを得るための好ましい方法について説明した。
このようにして得られたAl基合金プリフォームは、緻密化手段によって緻密化し、緻密体を得た後、緻密体に塑性加工を施すという、常法によってスパッタリングターゲットを製造すればよい。
まず、上記のプリフォームに緻密化手段を施すことによってAl基合金緻密体を得る。緻密化手段としては、プリフォームを略等方向に加圧する方法、特に熱間で加圧する熱間静水圧プレス(HIP:Hot Isostatic Pressing)を行うことが好ましい。具体的には、例えば、80MPa以上の圧力下、400〜600℃の温度でHIP処理を行うことが好ましい。HIP処理の時間は、おおむね、1〜10時間の範囲内とすることが好ましい。
次に、Al基合金緻密体を鍛造してスラブを得る。
鍛造条件は、スパッタリングターゲットの製造に通常用いられる方法であれば特に限定されず、例えば、鍛造前のAl基合金緻密体を約500℃で1〜3時間程度加熱してから鍛造を行なうことが好ましい。
上記のようにして得られたスラブに対し、圧延温度300〜550℃、および総圧下率40〜90%の条件で圧延を行なう。後記する実施例に示すように、本発明では、圧延条件を上記のように緻密に制御することが必要であり、いずれか一つでも上記範囲を外れた条件で圧延を行なうと、所望とする結晶組織が得られない。
ここで、総圧下率は下式で表される。
総圧下率(%)
={(圧延開始前の厚さ)−(圧延終了後の厚さ)}/(圧延開始前の厚さ)×100
なお、スプレイフォーミング法で製造したAl基合金は、加工時に組織が変化し難いことから、冷間圧延および熱間圧延のどちらでも製造することができるが、上記の通り1パス当たりの加工率を高くするには、Al基合金材を加熱して変形抵抗の低い温度域で加工することが効果的であるので、熱間圧延を採用することが好ましい。
次に、250〜500℃の温度で0.5〜4時間加熱(焼鈍)を行なう。加熱処理時の雰囲気は、特に限定されず、大気中、不活性ガス中、および真空中のいずれの雰囲気下でも行なうことができるが、生産性やコストなどを考慮すれば、大気中で加熱することが好ましい。
上記の加熱処理を行った後、所定の形状に機械加工を行うと、所望のスパッタリングターゲットが得られる。
本発明のAl−Ni−La−Cu合金スパッタリングターゲットは、画素電極を構成する導電性酸化膜と直接接触し得るAl−Ni−La−Cu合金膜の配線材料、薄膜トランジスタの半導体層と直接接触させることが可能なAl−Ni−La−Cu合金膜の配線材料を作製するのに、特に好適に用いられる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例に限定されず、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適切に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
実施例1
表1に示す種々の組成のAl基合金を用い、下記のスプレイフォーミング法によってAl基合金プリフォーム(密度:約50〜60%)を得た。
(スプレイフォーミング条件)
溶解温度 :800〜1100℃
ガス/メタル比 :5〜8Nm3/kg
スプレイ距離 :800〜1300mm
ガスアトマイズ出口角度α(図2を参照):7°
コレクター角度β:35°
このようにして得られたプリフォームをカプセルに封入して脱気し、上記カプセル全体に熱間静水圧プレス(HIP)を行い、Al−Ni−La−Cu系Al基合金緻密体を得た。HIP処理は、HIP温度:550℃、HIP圧力:85MPa、HIP時間:2時間で行なった。
次に、得られた緻密体を鍛造して板状の金属材とし、更に、板厚がほぼ最終製品(スパッタリングターゲット)と同程度になるように圧延を行なった後、焼鈍し、機械加工(丸抜き加工および旋盤加工)を行って、円板状のAl−(0.02〜6.0原子%)Ni−(0.05〜1.5原子%)La−(0.05〜2.5原子%)Cu系Al基合金スパッタリングターゲット(サイズ:直径101.6mm×厚さ5.0mm)を製造した。詳細な条件は以下のとおりである。
鍛造前の加熱条件:500℃で2時間
圧延前の加熱条件:400℃で2時間
総圧下率:50%
焼鈍条件:250℃で2時間
次に、上記の方法によって得られた各スパッタリングターゲットを用い、以下の条件でスパッタリングを行なったときに発生するスプラッシュ(初期スプラッシュ)の個数を測定した。
まず、Siウェーハ基板(サイズ:直径100.0mm×厚さ0.50mm)に対し、(株)島津製作所製「スパッタリングシステムHSR−542S」のスパッタリング装置を用いてDCマグネトロンスパッタリングを行った。スパッタリング条件は、以下のとおりである。
背圧:3.0×10-6Torr以下、Arガス圧:2.25×10-3Torr
Arガス流量:30sccm、スパッタリングパワー:811W
極間距離:51.6mm、基板温度:室温
スパッタリング時間:81秒
このようにして、スパッタリングターゲット1枚につき、16枚の薄膜(総厚さ0.2mm)を形成した。従って、スパッタリングは、81(秒)×16(枚)=1296秒行なった。
次に、パーティクルカウンター[(株)トプコン製ウェーハ表面検査装置WM−3]を用い、上記薄膜の表面に認められたパーティクルの位置座標、サイズ(平均粒径)、および個数を計測した。ここでは、サイズが3μm以上のものをパーティクルとみなしている。その後、この薄膜表面を光学顕微鏡観察(倍率:1000倍)し、形状が半球形のものをスプラッシュとみなし、単位面積当たりのスプラッシュの個数を計測した。
詳細には、上記薄膜1枚につき、上記のスパッタリングを行なう工程を、Siウェーハ基板を差し替えながら、連続して、薄膜16枚について同様に行い、スプラッシュの個数の平均値を「初期スプラッシュの発生数」とした。本実施例では、このようにして得られた初期スプラッシュの発生数が8個/cm2未満のものを「初期スプラッシュ軽減効果あり:合格(○)」とし、8個/cm2以上のものを「初期スプラッシュ軽減効果なし:不合格(×)」とした。
これらの結果を表1に併記する。参考のため、表1のNo.5(本発明例)について、Al−Ni系金属間化合物の粒度分布を図5に、Al−La−Cu系金属間化合物の粒度分布を図6に示す。
表1および2より、以下のように考察することができる。
No.2〜6、9〜11、14〜16、19〜21、24〜26、28〜30は、Al−Ni−La−Cu系合金スパッタリングターゲットのAl−Ni系金属間化合物およびAl−La−Cu系金属間化合物の粒度分布が適切に制御されているため、初期スプラッシュの発生数が8個/cm2未満にとどまっており、初期スプラッシュの軽減効果に優れている。
これに対し、No.1はNi量が少ないAl基合金を用いた例、No.7はNi量が多いAl基合金を用いた例、No.8はLa量が少ないAl基合金を用いた例、No.12はLa量が多いAl基合金を用いた例、No.13はCu量が少ないAl基合金を用いた例、No.17はCu量が多いAl基合金を用いた例であり、いずれも、初期スプラッシュの発生防止に寄与するAl−Ni系金属間化合物およびAl−La−Cu系金属間化合物の面積率が少ないため、初期スプラッシュの発生を効果的に防止することができなかった。
No.18は、Al−Ni−La−Cu系合金を溶解する温度が低い例であり、スプレイフォーミングにおいてノズルの閉塞が発生したため、スプレイフォーミングを中断し、その後の電子顕微鏡観察・画像解析を行うことができなかった。
No.22は、Al−Ni−La−Cu系合金を溶解する温度が高い例であり、初期スプラッシュの発生防止に寄与するAl−Ni系金属間化合物の面積率が少ないため、初期スプラッシュの発生を効果的に防止することができなかった。
No.23は、Al−Ni−La−Cu系合金の溶湯をガスアトマイズする工程におけるガス/メタル比が低い例であり、初期スプラッシュの発生防止に寄与するAl−Ni系金属間化合物の面積率が少ないため、初期スプラッシュの発生を効果的に防止することができなかった。
No.27は、Al−Ni−La−Cu系合金をコレクターに堆積する工程におけるスプレイ距離が短い例であり、初期スプラッシュの発生防止に寄与するAl−Ni系金属間化合物の面積率が少ないため、初期スプラッシュの発生を効果的に防止することができなかった。
No.31は、Al−Ni−La−Cu系合金をコレクターに堆積する工程におけるスプレイ距離が長い例であり、スプレイフォーミングにおいて歩留り低下が発生した。そのため、その後の工程へ付するに至らず、電子顕微鏡観察・画像解析を行うことができなかった。
図1(a)は表1のNo.5(本発明例)におけるSEM反射電子像、図1(b)は上記SEM反射電子像中のAl−Ni系金属間化合物の画像、図1(c)は上記SEM反射電子像中のAl−La−Cu系金属間化合物の画像である。 図2(a)は表1のNo.5(本発明例)のSEM反射電子像である。 図2(b)は、図2(a)中、1(母相)の組成をEDX分析した結果を示す図である。 図2(c)は、図2(a)中、2(灰色化合物)の組成をEDX分析した結果を示す図である。 図2(d)は、図2(a)中、3(白色化合物)の組成をEDX分析した結果を示す図である。 図3は、プリフォームを製造するのに用いられる装置の一例を部分的に示す断面図である。 図4は、図3中、Xの要部拡大図である。 図5は、表1のNo.5(本発明例)について、Al−Ni系金属間化合物の粒度分布を示すグラフである。 図6は、表1のNo.5(本発明例)について、Al−La−Cu系金属間化合物の粒度分布を示すグラフである。
符号の説明
1 誘導溶解炉
2 Al基合金の溶湯
3a、3b ガスアトマイザー
4a、4b ボビンのガス穴
5 コレクター
6 ノズル
6a、6b ガスアトマイズノズル中心軸
A スプレイ軸
A1 ノズル6の先端
A2 コレクター5の中心
A3 コレクター5の中心A2の水平線がスプレイ軸Aと交差する点
L スプレイ距離
α ガスアトマイズ出口角度
β コレクター角度

Claims (2)

  1. Ni、LaおよびCuを含有するAl−Ni−La−Cu系Al基合金スパッタリングターゲットであって、
    Ni:0.05原子%以上5原子%以下、
    La:0.10原子%以上1原子%以下、
    Cu:0.10原子%以上2原子%以下を含有すると共に、
    前記スパッタリングターゲットの平面に対して垂直な断面における1/4t(tは厚み)〜3/4tの部位を走査型電子顕微鏡を用いて倍率2000倍で観察したとき、
    (1)AlおよびNiを主体とするAl−Ni系金属間化合物について、前記Al−Ni系金属間化合物の全面積に対する、平均粒径が0.3μm以上3μm以下の範囲内にあるAl−Ni系金属間化合物の合計面積は、面積率で70%以上であり、且つ、
    (2)Al、LaおよびCuを主体とするAl−La−Cu系金属間化合物について、前記Al−La−Cu系金属間化合物の全面積に対する、平均粒径が0.2μm以上2μm以下のAl−La−Cu系金属間化合物の合計面積は、面積率で70%以上である
    ことを特徴とするAl−Ni−La−Cu系Al基合金スパッタリングターゲット。
  2. 請求項に記載のAl−Ni−La−Cu系Al基合金スパッタリングターゲットの製造方法であって、
    Ni量が0.05原子%以上5原子%以下、La量が0.10原子%以上1原子%以下、Cu量が0.10原子%以上2原子%以下のAl−Ni−La−Cu系Al基合金の850〜1000℃の溶湯を得る第1の工程と、
    前記Al基合金の溶湯をガス/メタル比が6Nm3/kg以上でガスアトマイズし、Al基合金を微細化する第2の工程と、
    前記微細化したAl基合金をスプレイ距離が900〜1200mmの条件でコレクターに堆積し、Al基合金のプリフォームを得る第3の工程と、
    前記Al基合金のプリフォームを緻密化手段によって緻密化し、Al基合金の緻密体を得る第4の工程と、
    前記Al基合金の緻密体に塑性加工を行い、Al基合金の塑性加工体を得る第5の工程と、
    前記Al基合金の塑性加工体に焼鈍を行う第6の工程と
    を包含することを特徴とするAl−Ni−La−Cu系Al基合金スパッタリングターゲットの製造方法。
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