JP5138573B2 - 無線基地局および無線通信方法 - Google Patents

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本発明は、ヘッダ圧縮技術を用いる無線基地局および無線通信方法に関する。
一般的に、無線通信システムにおいては、無線区間における通信品質(以下、無線品質)が不安定であり、有線通信と比較して、安定した通信帯域を確保することが困難である。このため、無線通信システムでは、RTP、UDP、IP等のプロトコルを用いて、無線区間を介して伝送されるパケットにおけるヘッダの占める割合、すなわちオーバヘッドを低減するために、RoHC(Robust Header Compression)などのヘッダ圧縮技術が用いられている。
RoHCは、連続するパケット間のヘッダの整合性に着目したヘッダ圧縮技術である。具体的には、送信側の通信装置は、既に送信済みのヘッダ内の情報のうち、不変な情報、類推可能な情報、計算により求まる情報については送信を省略し、類推可能な情報を類推するための情報と、類推不可能であって送信毎に変化する情報とをヘッダに含ませて送信する。これにより、ヘッダ内の情報が圧縮(省略)される。
例えば、特許文献1に記載の技術では、送信側の無線端末は、最初に圧縮(省略)していないヘッダを含むパケットを構成し、当該パケットを含んだ無線パケットを送信する。受信側の交換機は、パケットを受信し、ヘッダのうちの省略される部分の情報を記憶する。省略される部分の情報は、ヘッダ圧縮情報(コンテキスト)と称される。次に、無線端末は、省略される部分の情報が実際に省略されたヘッダを含むパケットを構成し、当該パケットを含んだ無線パケットを送信する。交換機は、パケットを受信すると、ヘッダのうちの省略された部分を、コンテキストを用いて復元する。
RoHCでは、送信側と受信側とで、コンテキストを共有し、同期をとることにより、送信側が高い圧縮率でヘッダを圧縮しても、受信側でヘッダを復元することが可能となる。
特開2007−180876号公報
ところで、RoHCなどのヘッダ圧縮技術を用いた通信(ヘッダ圧縮通信)では、無線端末と無線基地局との間で、コンテキストの同期をとる必要がある。しかしながら、無線端末は、移動中などにおいてより無線品質の高い無線基地局へ接続先を切り替える、いわゆる基地局間ハンドオーバを行う。基地局間ハンドオーバが行われる場合、切替元の無線基地局から切替先の無線基地局にコンテキストの内容を維持したまま引き継がせることは困難である。
なぜなら、基地局間ハンドオーバが発生した場合、無線端末は、切替先の無線基地局との間でコンテキストの同期をとるべく、オーバヘッドの大きいパケットを切替先の無線基地局と送受信する必要があるからである。したがって、圧縮状態が維持されない。更には、圧縮状態が維持されないことによって、RoHCなどのヘッダ圧縮技術を用いたVoIP(Voice over Internet Protocol)通信では、主観的な音声品質が劣化するという問題がある。
そこで、本発明は、無線端末がヘッダ圧縮技術を利用して圧縮パケットを送受信している場合に、基地局間ハンドオーバに伴う通信品質の劣化を抑制した無線基地局および無線通信方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明は以下のような側面を有している。まず、本発明の無線基地局の第1の特徴は、通信可能領域であるセル(セルS1A)を構成する複数のセクタ(セクタSC1A〜セクタSC4A)に対応して設けられ、無線端末(無線端末2)と接続する第1無線通信部(無線通信部101)と、第2無線通信部(無線通信部102)とを有する複数の無線通信部(無線通信部101〜無線通信部104)と、所定の圧縮率で圧縮された圧縮ヘッダを含む圧縮パケットを前記複数の無線通信部の何れかを介して前記無線端末と送受信するヘッダ圧縮通信時において、前記無線端末と同期がとられたヘッダ圧縮情報を用いて、前記圧縮ヘッダの復元または前記圧縮ヘッダへの圧縮の少なくとも一方を行うヘッダ処理部(ヘッダ処理部140)と、前記無線端末の接続先を前記第1無線通信部から前記第2無線通信部へ切り替える基地局内ハンドオーバまたは前記接続先を他の無線基地局(例えば無線基地局1B)へ切り替える基地局間ハンドオーバを前記無線端末に実行させるハンドオーバ制御部(ハンドオーバ制御部130)とを備える無線基地局(無線基地局1A)であって、前記ハンドオーバ制御部は、前記ヘッダ圧縮通信時において、前記基地局間ハンドオーバよりも前記基地局内ハンドオーバを優先して前記無線端末に実行させ、前記ハンドオーバ制御部は、前記第1無線通信部と前記無線端末との間の無線品質を示す接続中セクタ品質と、前記第2無線通信部と前記無線端末との間の無線品質を示す候補セクタ品質とを取得し、前記ヘッダ圧縮通信とは異なる種別の通信時において、前記ハンドオーバ制御部は、前記接続中セクタ品質および前記候補セクタ品質が、予め定められた第1閾値よりも低い場合、前記基地局間ハンドオーバを前記無線端末に実行させ、前記ヘッダ圧縮通信時において、前記ハンドオーバ制御部は、前記接続中セクタ品質および前記候補セクタ品質が、前記第1閾値よりも高く設定された第2閾値よりも低い場合、前記基地局間ハンドオーバを前記無線端末に実行させることを要旨とする。
このような無線基地局によれば、ヘッダ圧縮通信時において無線端末の接続先を切り替える必要が生じた場合、基地局間ハンドオーバよりも基地局内ハンドオーバを優先して無線端末に実行させるため、無線端末がヘッダ圧縮技術を利用して圧縮パケットを送受信していても、基地局間ハンドオーバに伴う通信品質の劣化を抑制できる。
本発明の無線基地局の第2の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記ヘッダ圧縮通信時において前記無線端末が前記基地局内ハンドオーバを実行した後、前記ヘッダ処理部は、前記無線端末が前記基地局内ハンドオーバを実行する前の前記ヘッダ圧縮情報を継続して用いて、前記圧縮ヘッダの復元または前記圧縮ヘッダへの圧縮の少なくとも一方を行うことを要旨とする。
本発明の無線基地局の第3の特徴は、本発明の第1または2の特徴に係り、前記ハンドオーバ制御部は、前記接続中セクタ品質と、前記候補セクタ品質と、前記他の無線基地局と前記無線端末との間の無線品質を示す候補セル品質とを取得し、前記ヘッダ圧縮通信とは異なる種別の通信時において、前記ハンドオーバ制御部は、前記候補セクタ品質が前記接続中セクタ品質よりも高い場合、前記基地局内ハンドオーバを前記無線端末に実行させ、前記候補セル品質が前記接続中セクタ品質よりも高い場合、前記基地局間ハンドオーバを前記無線端末に実行させることを要旨とする。
本発明の無線基地局の第4の特徴は、本発明の第3の特徴に係り、前記ヘッダ圧縮通信時において、前記ハンドオーバ制御部は、前記候補セクタ品質または前記候補セル品質の少なくとも一方を調整することにより、前記基地局間ハンドオーバよりも前記基地局内ハンドオーバを優先して前記無線端末に実行させることを要旨とする。
本発明の無線基地局の第5の特徴は、本発明の第4の特徴に係り、前記ヘッダ圧縮通信時において、前記ハンドオーバ制御部は、前記候補セクタ品質に第1オフセットを加算し、前記第1オフセットが加算された前記候補セクタ品質が、前記接続中セクタ品質よりも高い場合、前記基地局内ハンドオーバを前記無線端末に実行させることを要旨とする。
本発明の無線基地局の第6の特徴は、本発明の第4または第5の特徴に係り、前記ヘッダ圧縮通信時において、前記ハンドオーバ制御部は、前記候補セル品質から第2オフセットを減算し、前記第2オフセットが減算された前記候補セル品質が、前記接続中セクタ品質よりも高い場合、前記基地局間ハンドオーバを前記無線端末に実行させることを要旨とする。
本発明の無線基地局の第7の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記ハンドオーバ制御部は、前記候補セクタ品質と、前記他の無線基地局と前記無線端末との間の無線品質を示す候補セル品質とを取得し、前記ハンドオーバ制御部は、前記ヘッダ圧縮通信時において前記接続先を切り替える必要が生じた際、前記候補セクタ品質が前記候補セル品質よりも低く、且つ、前記候補セクタ品質と前記候補セル品質との差が所定範囲内である場合、前記基地局内ハンドオーバを前記無線端末に実行させることを要旨とする。
本発明の無線基地局の第の特徴は、複数のセクタ(セクタSC1A〜セクタSC4A)によって構成される通信可能領域であるセル(セルS1A)内に位置する無線端末(無線端末2)と通信する無線通信部(無線通信部101〜無線通信部104)と、前記無線端末が接続先を現在通信中のセクタから他のセクタに切り替える基地局内ハンドオーバまたは前記無線端末が接続先を他の無線基地局(例えば無線基地局1B)へ切り替える基地局間ハンドオーバを前記無線端末に実行させるハンドオーバ制御部(ハンドオーバ制御部130)とを備え、前記ハンドオーバ制御部は、通信規格で規定された情報を含むヘッダ部の一部または全部を省略して前記無線端末と通信している最中に、前記無線端末の接続先を切り替えるとき、前記基地局間ハンドオーバよりも前記基地局内ハンドオーバを優先して前記無線端末に実行させ、前記ハンドオーバ制御部は、前記現在通信中のセクタと前記無線端末との間の無線品質を示す接続中セクタ品質と、前記他のセクタと前記無線端末との間の無線品質を示す候補セクタ品質とを取得し、前記ヘッダ部を省略せずに前記無線端末と通信している最中に、前記ハンドオーバ制御部は、前記接続中セクタ品質および前記候補セクタ品質が、予め定められた第1閾値よりも低い場合、前記基地局間ハンドオーバを前記無線端末に実行させ、前記ヘッダ部の一部または全部を省略して前記無線端末と通信している最中に、前記ハンドオーバ制御部は、前記接続中セクタ品質および前記候補セクタ品質が、前記第1閾値よりも高く設定された第2閾値よりも低い場合、前記基地局間ハンドオーバを前記無線端末に実行させることを要旨とする。
本発明の無線通信方法の特徴は、通信可能領域であるセルを構成する複数のセクタに対応して設けられ、無線端末と接続する第1無線通信部と、第2無線通信部とを有する複数の無線通信部を具備する無線基地局に用いられる無線通信方法であって、所定の圧縮率で圧縮された圧縮ヘッダを含む圧縮パケットを前記複数の無線通信部の何れかを介して前記無線端末と送受信するヘッダ圧縮通信時において、前記無線端末と同期がとられたヘッダ圧縮情報を用いて、前記圧縮ヘッダの復元または前記圧縮ヘッダへの圧縮の少なくとも一方を行うステップと、前記無線端末の接続先を前記第1無線通信部から前記第2無線通信部へ切り替える基地局内ハンドオーバまたは前記接続先を他の無線基地局へ切り替える基地局間ハンドオーバを前記無線端末に実行させるステップとを備え、前記実行させるステップでは、前記ヘッダ圧縮通信時において、前記基地局間ハンドオーバよりも前記基地局内ハンドオーバを優先して前記無線端末に実行させ、前記実行させるステップでは、前記第1無線通信部と前記無線端末との間の無線品質を示す接続中セクタ品質と、前記第2無線通信部と前記無線端末との間の無線品質を示す候補セクタ品質とを取得し、前記ヘッダ圧縮通信とは異なる種別の通信時において、前記実行させるステップでは、前記接続中セクタ品質および前記候補セクタ品質が、予め定められた第1閾値よりも低い場合、前記基地局間ハンドオーバを前記無線端末に実行させ、前記ヘッダ圧縮通信時において、前記実行させるステップでは、前記接続中セクタ品質および前記候補セクタ品質が、前記第1閾値よりも高く設定された第2閾値よりも低い場合、前記基地局間ハンドオーバを前記無線端末に実行させることを要旨とする。
本発明によれば、無線端末がヘッダ圧縮技術を利用して圧縮パケットを送受信している場合に、基地局間ハンドオーバに伴う通信品質の劣化を抑制した無線基地局および無線通信方法を提供できる。
次に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。具体的には、(1)全体概略構成、(2)無線基地局の構成、(3)無線基地局の動作、(4)作用・効果、(5)その他の実施形態について説明する。以下の実施形態における図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。
(1)全体概略構成
まず、本実施形態に係る無線通信システムについて、(1.1)通信システムの構成、(1.2)セル構成の順に説明する。
(1.1)通信システムの構成
図1は、本実施形態に係る通信システム10の概略構成図である。
図1に示すように、通信システム10は、無線基地局1A,1B,1C…、無線端末2、SIPサーバ3、インターネット5、およびSIP電話機4を有する。
無線端末2は、無線基地局1Aの通信可能領域であるセルS1A(図2参照)内に位置し、無線基地局1Aに接続している。無線基地局1A,1B,1C…は、図示を省略するバックボーンネットワークを介して、広域IPネットワークであるインターネット5に接続されている。無線基地局1A,1B,1C…のセルは、複数のセクタによって構成される。
ここでセクタとは、無線基地局1Aに設けられた1つのアンテナ(セクタアンテナ)からの電波が到達する領域であり、当該アンテナとの間で無線通信が可能な領域を意味する。一方、セルとは、何れのアンテナからの電波であるか否かに関わらず、1つの無線基地局との間で無線通信が可能な領域(つまり、ひとつの無線基地局からの電波が到達する領域)である。したがって、1つの無線基地局について、複数のセクタからなる1つのセルが構成される。ただし、以下の説明においては、説明の便宜上、「セクタ」の用語を、セクタを形成する無線通信部の意味で適宜使用している。
無線端末2は、無線基地局1Aを介して、インターネット上に存在する任意のIPアドレスの通信相手機器と通信を行う。無線端末2にはSIP(Session Initiation Protocol)が搭載されている。無線端末2は、携帯SIP電話として機能する。
無線端末2は、VoIPを利用した音声通信を、インターネット5上のSIP電話機4と実行することができる。無線端末2がVoIPを実行する場合に、SIPサーバ3は、無線端末2とSIP電話機4との間の呼制御を行う呼制御サーバとして機能する。また、無線端末2は、WEBブラウザの機能を持ち、HTTP(HyperText Transfer Protocol)によりインターネット5上のWEBサーバ(不図示)と接続し、WEB閲覧を行うこともできる。
無線端末2および無線基地局1Aそれぞれにおいて、VoIPを利用した音声通信、あるいは他のリアルタイムアプリケーションを実行する際には、ユーザーデータであるRTP/UDP/IPパケットをRoHCコンプレッサ/デコンプレッサにより圧縮・復元する。すなわち、IPパケットを下位層としてUDP(ユーザーダイアグラムプロトコル)が用いられ、更にその上位層の通信方式としてRTP(リアルタイムトランスポートプロトコル)が用いられる。
ところで、RTP/UDP/IPプロトコルを用いたリアルタイム通信はデファクトスタンダードとなっており、多くの運用共通性確保の為に、これらのプロトコルを選択せざるを得ない場合が多いが、オーバーヘッドが比較的大きい問題がある。RTP/UDP/IPプロトコルのオーバーヘッドを減らして、より狭い帯域しか持たない伝送経路上でメディアパケットを透過させる為の方式として、幾つかのパケットヘッダ圧縮方式が考案されており、その中でRoHC(ロバストヘッダコンプレッション)がある。
RoHCは連続するパケット間におけるRTP/UDP/IPヘッダの整合性に着目し、既に送信した情報で不変な情報、類推可能な情報、計算により求まる情報の送信は繰り返し送信せず、類推可能な情報を類推する為の情報と類推不可能でかつ毎回変わる情報とを送信する事により送信するべきパケットヘッダ情報を圧縮する。ここで類推不可能でかつ毎回変わる情報とはRoHC(RFC3095)のプロファイル1(RTPプロファイル)ではUDPヘッダにおけるチェックサムのみとなる。
このようにRoHCでは送信側(コンプレッサ)と受信側(デコンプレッサ)でお互いに圧縮対象セッションのヘッダ圧縮情報(コンテキスト)を共有し、同期を取り合うことにより、極度に圧縮された限られた情報の伝達を行っても、受信側ではコンテキストを頼りに圧縮された情報を復元する事が可能となる。
(1.2)セル構成
次に、図2および図3を用いて、無線基地局1A,1B,1C…それぞれのセル構成について説明する。図2は、無線基地局1Aのセル構成の一例を示す図である。
図2(a)に示すように、無線基地局1AのセルS1Aは、4つのセクタ(セクタSC1A、セクタSC2A、セクタSC3AおよびセクタSC4A)により構成される。ただし、セクタの数は4つに限らず、さらに多くても少なくてもよい。
図2(b)〜図2(c)に示すように、3つの指向性アンテナと一つの無指向性アンテナを組み合わせて用いて、4つのセクタを形成する事により、図2(a)に示すように、セルS1A全体として概ね正三角形の領域をカバーする事がでる。セクタSC1A〜セクタSC3Aそれぞれは指向性アンテナを用いて形成され、セクタSC4Aは無指向性アンテナを用いて形成される。
図3は、無線基地局1A,1B,1C…のセル配置の一例を示す図である。図3に示すように、このような複数のセクタを含むセルを構成する無線基地局1Aを効果的に配置する事により、広い平面を効果的に通信可能領域とすることできる。複数のセクタにより1つのセルを構成することで、異なる無線基地局同士、もしくは同じ無線基地局の異なるセクタ同士で周波数が重なると干渉が生じるため、干渉が少なくなるように、隣接するセクタ間で周波数が異なるように設定されている。
無線端末2は、移動が可能である為、ある時点で待ちうけもしくは接続対象として最適であったセクタが、他の時点で最適とはならない可能性がある。よって、無線基地局1Aは、自基地局のセクタ内で無線接続されている無線端末2との間で、無線端末2が受信する電波の状況報告、無線端末2から受信した電波の状況、のうち少なくとも一方により、無線端末2と自基地局のセクタとの間の無線状況(無線品質)を把握する。
そして、無線基地局1Aは、無線端末2が報告する他のセクタの無線状況を比較し、当該待ち受け中のセクタに対して、より良いセクタが存在する場合、当該セクタに接続先を切り替える接続切り替えシーケンスを行う。この手続きを一般にハンドオーバ(もしくはハンドオフ)という。図3に示すように、セクタとセクタは一般に重複する領域が有る。このような重複する領域を用意する事により、完全に無線状況が悪化してしまう前に、異なるセクタへのハンドオーバを実現させる。
ハンドオーバには同一のセルを構成する異なるセクタへの切り替えを行う基地局内ハンドオーバと、異なるセルを構成するセクタへの切り替えを行う基地局間ハンドオーバが存在する。
(2)無線基地局の構成
図4は、無線基地局1Aの構成を示す機能ブロック図である。
(2.1)無線基地局の概略構成
図4に示すように、無線基地局1Aは、無線通信部101、無線通信部102、無線通信部103、無線通信部104、信号処理部115、制御部120および有線通信部160を有する。
無線通信部101、無線通信部102、無線通信部103および無線通信部104は、セクタSC1A、セクタSC2A、セクタSC3AおよびセクタSC4Aにそれぞれ対応している。すなわち、無線通信部101によってセクタSC1Aが形成され、無線通信部102によってセクタSC2Aが形成され、無線通信部103によってセクタSC3Aが形成され、無線通信部104によってセクタSC4Aが形成される。
無線通信部101は、アンテナA1および高周波部(以下、RF部)111を有する。無線通信部102は、アンテナA2およびRF部112を有する。無線通信部103は、アンテナA3およびRF部113を有する。無線通信部104は、アンテナA4およびRF部114を有する。
アンテナA1〜アンテナA3それぞれは、複数のアンテナ素子を有する指向性アンテナとして構成される。一方、アンテナA4は、無指向性アンテナとして構成される。RF部111〜RF部114それぞれは、低雑音増幅器、ダウンコンバータ、パワーアンプ、アップコンバータなどを含む。
信号処理部115は、ベースバンド帯において、変調および復調処理や、符号化および復号処理などを行う。また、信号処理部115は、無線品質に応じて変調方式(変調クラス)を適応的に切り替える適応変調処理を行う。適応変調では、無線品質が高いほど、1シンボル当たりのビット数が多い変調方式が用いられる。
無線通信部101のRF部111は、アンテナA1が無線端末2から受信した無線信号をダウンコンバートするとともに、中間周波数(IF)信号として信号処理部115に渡す。信号処理部115は、IF信号をベースバンド処理して情報信号として再構成する。
制御部120は、ハンドオーバ制御部130、ヘッダ処理部140、パケット振分部151およびパケット振分部152を有する。
ヘッダ処理部140は、所定の圧縮率で圧縮された圧縮ヘッダを含む圧縮パケットを無線通信部101〜無線通信部104の何れかを介して無線端末2と送受信するヘッダ圧縮通信時において、無線端末2と同期がとられたコンテキスト(ヘッダ圧縮情報)を用いて、圧縮ヘッダの復元または圧縮ヘッダへの圧縮の少なくとも一方を行う。ここでヘッダ圧縮通信とは、SIPやVoIPなど、特定種別の通信セッションを介して実行される通信であり、上述したRoHCが適用されるものである。
ハンドオーバ制御部130は、無線通信部101〜無線通信部104のうち、無線端末2と接続する無線通信部(第1無線通信部)と無線端末2との間の無線品質を示す接続中セクタ品質と、無線端末2の接続切り替え先の候補となる無線通信部(第2無線通信部)と無線端末2との間の無線品質を示す候補セクタ品質とを取得する。また、ハンドオーバ制御部130は、無線基地局1Aからのハンドオーバを行う際のハンドオーバ先候補となる他の無線基地局と、無線端末2との間の無線品質を示す候補セル品質とを取得する。
例えば、ハンドオーバ制御部130は、無線端末2が無線基地局1Aから受信した無線信号の品質のフィードバックを受けることによって、接続中セクタ品質、候補セクタ品質、候補セル品質を取得できる。この場合、無線端末2は、現在接続している無線基地局のセクタと、現在接続している無線基地局の他セクタと、現在接続している無線基地局以外の無線基地局のセクタとについて、報知されている無線信号の無線品質を定期的もしくは不定期的にモニタするモニタ手段を持ち、モニタ結果を現在接続している基地局に報告する。あるいは、無線端末2から無線基地局1Aが受信した無線信号の品質を測定することによって、接続中セクタ品質および候補セクタ品質を取得してもよい。
ここで、接続中セクタ品質、候補セクタ品質、候補セル品質それぞれとしては、電界強度(RSSI)または信号対雑音比(SNR)等が使用できる。本実施形態では、接続中セクタ品質、候補セクタ品質、候補セル品質それぞれとして電界強度を用いるものとする。
ハンドオーバ制御部130は、無線端末2の接続先を切り替える必要が生じた場合、基地局内ハンドオーバまたは基地局間ハンドオーバを無線端末2に実行させる。また、ハンドオーバ制御部130は、ヘッダ圧縮通信時において無線端末2の接続先を切り替える必要が生じた場合、基地局間ハンドオーバよりも基地局内ハンドオーバを優先して無線端末2に実行させる。
無線端末2の接続先を切り替える必要が生じた場合とは、候補セクタ品質が接続中セクタ品質よりも高くなった場合、または候補セル品質が接続中セクタ品質よりも高くなった場合を意味する。本実施形態では、候補セクタ品質または候補セル品質の少なくとも一方を調整することにより、基地局間ハンドオーバよりも基地局内ハンドオーバを優先して無線端末2に実行させている。
例えば、候補セクタ品質に第1オフセットを加算することによって、候補セクタ品質が接続中セクタ品質よりも高くなる可能性を高めることができるため、基地局間ハンドオーバが実行される可能性よりも、基地局内ハンドオーバが実行される可能性を高めることができる。あるいは、候補セル品質から第2オフセットを減算することによって、候補セル品質が接続中セクタ品質よりも高くなる可能性を低めることができるため、基地局間ハンドオーバが実行される可能性よりも、基地局内ハンドオーバが実行される可能性を高めることができる。
基地局内ハンドオーバを無線端末2に実行させる場合、無線端末2は、当該接続先を無線通信部101〜無線通信部104の間で切り替える。基地局間ハンドオーバを無線端末2に実行させる場合、無線端末2は、当該接続先を無線基地局1Aから他の無線基地局(例えば無線基地局1B)へ切り替える。
ヘッダ圧縮通信時において無線端末2が基地局内ハンドオーバを実行した後、ヘッダ処理部140は、無線端末2が基地局内ハンドオーバを実行する前のコンテキストを継続して用いて、圧縮ヘッダの復元または圧縮ヘッダへの圧縮の少なくとも一方を行う。
(2.2)ハンドオーバ制御部およびヘッダ処理部の構成
次に、ハンドオーバ制御部130およびヘッダ処理部140の詳細構成について説明する。
ハンドオーバ制御部130は、パケット種別判定部131、セッション種別記憶部132、候補品質管理部133、接続中品質管理部134、オフセット付与部135、ハンドオーバ候補比較部136およびハンドオーバ指示部137を有する。
パケット振分部151は、信号処理部115が再構築した情報信号のうち、ユーザーデータを有線通信部160またはヘッダ処理部140に振り分け、シグナリングデータ(制御データ)については、対応する機能ブロックに渡す。
無線端末2からのシグナリングデータには、接続中セクタ品質を報告する接続中セクタ品質報告と、候補セクタ品質および候補セル品質を報告する候補無線品質報告とが含まれる。ここで、候補無線品質報告には、どのセクタまたはセルにおける無線品質であるかを識別するために、セクタIDまたはセルIDが含まれている。
接続中セクタ品質報告を無線端末2から受信した場合、パケット振分部151は、接続中セクタ品質報告を接続中品質管理部134に渡す。候補無線品質報告を無線端末2から受信した場合、パケット振分部151は、候補無線品質報告を候補品質管理部133に渡す。
候補品質管理部133は、候補セクタ品質および候補セル品質をセクタIDまたはセルIDと対応付けて保存および管理する。候補品質管理部133は、保存された候補セクタ品質および候補セル品質のうち最も高い品質のものを抽出する機能も有する。一方、接続中品質管理部134は、接続中セクタ品質を保存および管理する。
パケット種別判定部131は、ユーザーデータをモニタし、通信がSIPプロトコルであるのか、HTTPプロトコルであるのかを判定する。SIPプロトコルであれば、パケット種別判定部131は、ヘッダ処理部140に対してRoHCを起動させると共に、無線基地局1A内と無線端末2間で共通のコンテキストを強く維持する必要があるセッション種別であると判定し、その旨をセッション種別記憶部132に記憶させる。
一方、HTTPプロトコルである場合、パケット種別判定部131は、RoHCパケットがヘッダ処理部140を経由しないようにパケット振分部151を制御すると共に、共通のコンテキストを強く維持する必要がないセッション種別であると判定して、その旨をセッション種別記憶部132に記憶させる。
オフセット付与部135は、候補品質管理部133が管理する、候補セル品質(すなわち、他基地局のセクタの無線品質)のうち一番高いものと、候補セクタ品質(すなわち、自基地局の他セクタの無線品質)のうち一番高いものとを比較し、より高い方の無線品質を出力する。
ただし、セッション種別記憶部132の記憶内容が、コンテキストを強く維持する必要があるセッション種別であると記憶されている場合は、オフセット付与部135は、候補セクタ品質のうち一番高いものにオフセット(第1オフセット)を加えた値を出力する。
ハンドオーバ候補比較部136は、ハンドオーバの起動判断を行う。ハンドオーバの判断の為に、接続中品質管理部134によって管理されている接続中セクタ品質と、オフセット付与部135の出力値とを比較する。そして、ハンドオーバ候補比較部136は、オフセット付与部135の出力値が、接続中セクタ品質よりも高い場合に、ハンドオーバを行うと決定する。
以上の処理により、基地局間ハンドオーバが決定された場合は、ハンドオーバ指示部137は、該当する他基地局のセクタを指定するハンドオーバ指示を無線端末2に通知する。また、自基地局の他セクタへのハンドオーバが決定された場合は、ハンドオーバ指示部137は、該当するセクタを指定するハンドオーバ指示を無線端末2に送信する。例えば、これらのハンドオーバ指示には、ハンドオーバ先を識別するセルIDやセクタIDが含まれる。
無線端末2は、接続先の無線基地局からハンドオーバ指示を受信した場合、指示されたセクタ(およびセル)へハンドオーバを実施する。このように、本実施形態では、無線基地局1Aがハンドオーバ先を指定する、いわゆる基地局主導型のハンドオーバの手法が採用されている。
また、ヘッダ処理部140は、RoHCデコンプレッサ141、RoHCコンテキスト管理部142およびRoHCコンプレッサ143を有する。RoHCデコンプレッサ141は、RoHCに従って圧縮ヘッダの復元を行う。
RoHCコンテキスト管理部142は、コンテキストを管理する。RoHCコンテキスト管理部142は、無線端末2がSIPセッション中に基地局内ハンドオーバを実施した場合には、コンテキストを維持したままとし、無線端末2が基地局間ハンドオーバを実施した場合には、コンテキストを破棄する。
無線端末2においても、SIPセッション中に基地局内ハンドオーバを実施した場合には、コンテキストを維持したままとし、基地局間ハンドオーバを実施した場合には、コンテキストを破棄する。
RoHCコンプレッサ143は、RoHCに従って圧縮ヘッダへの圧縮を行う。なお、パケット振分部152は、有線通信部160から入力されたパケットがRoHCパケットであるか否かに応じてパケットの振り分けを行う。
(3)無線基地局の動作
次に、無線基地局1Aの動作について、(3.1)無線基地局の動作例、(3.2)無線基地局の動作フローの順に説明する。
(3.1)無線基地局の動作例
次に、図5および図6を用いて、無線基地局1Aの動作例について説明する。
図5の例では、無線基地局1Aに隣接して、セルS1Bを形成する無線基地局1Bが設置されている。
無線端末2は、無線基地局1Aの無線通信部101(セクタSC1A)に接続しており、時刻T1において位置L1に存在し、時刻T2にかけて位置L2まで移動している。その際、無線端末2は、セクタSC1Aから、セクタSC4Aと、無線基地局1BのセクタSC2Bとが重複する領域に移動している。
図6は、無線端末2が各セクタにおいて受信する無線信号の電界強度を示す。
時刻T1では無線基地局1AのセクタSC1Aの電界強度が支配的であり、無線端末2はセクタSC1Aに接続している。
この状態では、無線端末2は、安易なハンドオーバを繰り返す事を避ける為に、接続先セクタの電界強度にオフセットoff1を加えて、候補セクタ品質および候補セル品質(電界強度)と比較を行う。
時刻P2に近づくに従い、無線端末2は、無線基地局1AのセクタSC4Aからの信号を受信し始めるとともに、無線基地局1BのセクタSC2Bからの信号を受信し始める。
今ここで、共通のコンテキストを強く維持する必要がないセッション種別である場合は、接続中セクタ品質にオフセットoff1を加えた後の電界強度よりも、無線基地局1BのセクタSC2Bにおける電界強度が高くなる時刻P1において、無線端末2は、セクタSC2Bにハンドオーバを行う。この場合、他セクタの信号にオフセットoff2が付加されていないため、単純にその時点で一番電界強度の高いセクタが選択される。結果的に、他基地局への基地局間ハンドオーバとなる。
同様の条件下で、無線基地局1Aと無線端末2との間で共通のコンテキストを強く維持する必要があるセッション種別である場合には、無線基地局1AのセクタであるセクタSC4Aの電界強度にオフセットoff2を加えた値との比較となる。このため、時刻P1において、無線端末2は、セクタSC4Aへのハンドオーバを行う事になる。つまり、基地局内ハンドオーバとなる。
(3.2)無線基地局の動作フロー
図7は、無線基地局1Aの動作フローの一例を示すフローチャートである。当該動作フローは、無線基地局1Aに接続する各無線端末について実行される。
ステップS101において、候補品質管理部133は、候補セル品質(すなわち、他基地局のセクタの電界強度)のうち一番高いものを無線品質Aとしてオフセット付与部135に出力する。
ステップS102において、候補品質管理部133は、候補セクタ品質(すなわち、自基地局の他セクタの電界強度)のうち一番高いものを無線品質Bとしてオフセット付与部135に出力する。オフセット付与部135は、無線品質Bにオフセットを加える。
ステップS103において、オフセット付与部135は、無線品質Aと、オフセット付きの無線品質Bとを比較し、より高い方を無線品質Cとしてハンドオーバ候補比較部136に出力する。
ステップS104において、ハンドオーバ候補比較部136は、無線品質Cが接続中セクタ品質(すなわち、接続中セクタの電界強度)Dよりも高いか否かを判定する。無線品質Cが無線品質Dよりも高い場合、ステップS105においてハンドオーバ指示部137は、ハンドオーバを無線端末2に指示する。
具体的には、無線品質Cが無線品質Dよりも高く、且つ、オフセット付きの無線品質Bが無線品質Aよりも高い場合、ハンドオーバ指示部137は、当該無線品質Bに対応するセクタへの基地局内ハンドオーバを無線端末2に指示する。
一方、無線品質Cが無線品質Dよりも高く、且つ、無線品質Aが、オフセット付きの無線品質Bよりも高い場合、ハンドオーバ指示部137は、当該無線品質Aに対応する他基地局のセクタへの基地局間ハンドオーバを無線端末2に指示する。
(4)作用・効果
無線基地局1Aによれば、ヘッダ圧縮通信時において無線端末2の接続先を切り替える必要が生じた場合、基地局間ハンドオーバよりも基地局内ハンドオーバを優先して無線端末2に実行させるため、無線端末2がヘッダ圧縮技術を利用して圧縮パケットを送受信していても、基地局間ハンドオーバに伴う通信品質の劣化を抑制できる。
具体的には、無線基地局1Aは、セッション毎に、基地局内と無線端末2間で共通のコンテキストを強く維持する必要があるセッション種別か否かを区別することにより、もし必要となるセッション種別の場合は、同一基地局内のセクタの無線状況にオフセットを加える処理を行う。この結果、同一基地局内の別のセクタが選択され、基地局内ハンドオーバとなる可能性があがる事により、コンテキストを引き継ぐ事ができ、コンテキストの再確立の為のオーバーヘッドを削減する事が可能となる。
これはRoHCを用いたVoIPセッションの場合は基地局間ハンドオーバによるコンテキスト再確立の為の主観的音声品質の劣化を避ける事が可能となる。
反対に、共通のコンテキストを強く維持する必要がないセッション種別の場合は、同一基地局内のセクタの無線状況にオフセットは加えられないので、今までどおり同一基地局/他基地局に無関係で最適な無線状況のセクタが選択される為、最適なスループットを得る事ができる。特に、適応変調を使用したデータ通信主体のシステムでは、スループットを重視する事が多い。このため、より電波状況の良い無線基地局へのハンドオーバを積極的に行うことによって、より高速な変調クラスを用いることができ、スループットを向上させることができる。
(5)その他の実施形態
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
上述した実施形態では、基地局間ハンドオーバよりも基地局内ハンドオーバを優先させていたが、候補セクタ品質または候補セル品質にオフセットを与えることに代えて次のような方法でもよい。
例えば、無線基地局1Aのハンドオーバ制御部130は、ヘッダ圧縮通信時において無線端末2の接続先を切り替える必要が生じた際(例えば、接続中セクタ品質が一定基準以下である場合)、候補セクタ品質が候補セル品質よりも低く、且つ、候補セクタ品質と候補セル品質との差が所定範囲内である場合、基地局内ハンドオーバを無線端末2に実行させてもよい。
すなわち、候補セクタ品質および候補セル品質は調整せずに、候補セクタ品質と候補セル品質との差が所定範囲内であれば基地局内ハンドオーバを無線端末2に実行させることで、基地局間ハンドオーバよりも基地局内ハンドオーバを優先させることができる。
あるいは、自基地局の各セクタにおける無線品質が閾値よりも低い場合に基地局間ハンドオーバが実行されるシステムでは、次のような方法も取り得る。具体的には、ハンドオーバ制御部130は、ヘッダ圧縮通信とは異なる種別の通信時において、予め定められた第1閾値よりも低い場合、基地局間ハンドオーバを無線端末2に実行させる。一方、ヘッダ圧縮通信時において、ハンドオーバ制御部は、接続中セクタ品質および候補セクタ品質が、第1閾値よりも高く設定された第2閾値よりも低い場合、基地局間ハンドオーバを無線端末2に実行させる。このような処理によっても、基地局間ハンドオーバよりも基地局内ハンドオーバを優先させることができる。
上述した実施形態では、RoHCによるヘッダ圧縮が実施される場合について説明したが、コンテキストを用いる他のヘッダ圧縮技術(例えば、CRTP(Compressed Real Time Protocol)など)に対しても、本発明を適用可能である。
このように本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。
本発明の実施形態に係る通信システムの概略構成図である。 本発明の実施形態に係る無線基地局のセル構成の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る無線基地局のセル配置の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る無線基地局の構成を示す機能ブロック図である。 本発明の実施形態に係る無線基地局の動作の具体例を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る無線基地局の動作の具体例を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る無線基地局の動作フローの一例を示すフローチャートである。
符号の説明
1A,1B,1C…無線基地局、2…無線端末、3…SIPサーバ、4…SIP電話機、5…インターネット、10…通信システム、101〜104…無線通信部、111〜114…RF部、115…信号処理部、120…制御部、130…ハンドオーバ制御部、131…パケット種別判定部、132…セッション種別記憶部、133…候補品質管理部、134…接続中品質管理部、135…オフセット付与部、136…ハンドオーバ候補比較部、137…ハンドオーバ指示部、140…ヘッダ処理部、141…RoHCデコンプレッサ、142…RoHCコンテキスト管理部、143…RoHCコンプレッサ、151…パケット振分部、152…パケット振分部、160…有線通信部

Claims (9)

  1. 通信可能領域であるセルを構成する複数のセクタに対応して設けられ、無線端末と接続する第1無線通信部と、第2無線通信部とを有する複数の無線通信部と、
    所定の圧縮率で圧縮された圧縮ヘッダを含む圧縮パケットを前記複数の無線通信部の何れかを介して前記無線端末と送受信するヘッダ圧縮通信時において、前記無線端末と同期がとられたヘッダ圧縮情報を用いて、前記圧縮ヘッダの復元または前記圧縮ヘッダへの圧縮の少なくとも一方を行うヘッダ処理部と、
    前記無線端末の接続先を前記第1無線通信部から前記第2無線通信部へ切り替える基地局内ハンドオーバまたは前記接続先を他の無線基地局へ切り替える基地局間ハンドオーバを前記無線端末に実行させるハンドオーバ制御部と
    を備える無線基地局であって、
    前記ハンドオーバ制御部は、前記ヘッダ圧縮通信時において、前記基地局間ハンドオーバよりも前記基地局内ハンドオーバを優先して前記無線端末に実行させ
    前記ハンドオーバ制御部は、前記第1無線通信部と前記無線端末との間の無線品質を示す接続中セクタ品質と、前記第2無線通信部と前記無線端末との間の無線品質を示す候補セクタ品質とを取得し、
    前記ヘッダ圧縮通信とは異なる種別の通信時において、前記ハンドオーバ制御部は、前記接続中セクタ品質および前記候補セクタ品質が、予め定められた第1閾値よりも低い場合、前記基地局間ハンドオーバを前記無線端末に実行させ、
    前記ヘッダ圧縮通信時において、前記ハンドオーバ制御部は、前記接続中セクタ品質および前記候補セクタ品質が、前記第1閾値よりも高く設定された第2閾値よりも低い場合、前記基地局間ハンドオーバを前記無線端末に実行させる無線基地局。
  2. 前記ヘッダ圧縮通信時において前記無線端末が前記基地局内ハンドオーバを実行した後、前記ヘッダ処理部は、前記無線端末が前記基地局内ハンドオーバを実行する前の前記ヘッダ圧縮情報を継続して用いて、前記圧縮ヘッダの復元または前記圧縮ヘッダへの圧縮の少なくとも一方を行う請求項1に記載の無線基地局。
  3. 前記ハンドオーバ制御部は、前記接続中セクタ品質と、前記候補セクタ品質と、前記他の無線基地局と前記無線端末との間の無線品質を示す候補セル品質とを取得し、
    前記ヘッダ圧縮通信とは異なる種別の通信時において、前記ハンドオーバ制御部は、
    前記候補セクタ品質が前記接続中セクタ品質よりも高い場合、前記基地局内ハンドオーバを前記無線端末に実行させ、
    前記候補セル品質が前記接続中セクタ品質よりも高い場合、前記基地局間ハンドオーバを前記無線端末に実行させる請求項1または2に記載の無線基地局。
  4. 前記ヘッダ圧縮通信時において、前記ハンドオーバ制御部は、前記候補セクタ品質または前記候補セル品質の少なくとも一方を調整することにより、前記基地局間ハンドオーバよりも前記基地局内ハンドオーバを優先して前記無線端末に実行させる請求項3に記載の無線基地局。
  5. 前記ヘッダ圧縮通信時において、前記ハンドオーバ制御部は、
    前記候補セクタ品質に第1オフセットを加算し、
    前記第1オフセットが加算された前記候補セクタ品質が、前記接続中セクタ品質よりも高い場合、前記基地局内ハンドオーバを前記無線端末に実行させる請求項4に記載の無線基地局。
  6. 前記ヘッダ圧縮通信時において、前記ハンドオーバ制御部は、
    前記候補セル品質から第2オフセットを減算し、
    前記第2オフセットが減算された前記候補セル品質が、前記接続中セクタ品質よりも高い場合、前記基地局間ハンドオーバを前記無線端末に実行させる請求項4または5に記載の無線基地局。
  7. 前記ハンドオーバ制御部は、前記候補セクタ品質と、前記他の無線基地局と前記無線端末との間の無線品質を示す候補セル品質とを取得し、
    前記ハンドオーバ制御部は、前記ヘッダ圧縮通信時において前記接続先を切り替える必要が生じた際、前記候補セクタ品質が前記候補セル品質よりも低く、且つ、前記候補セクタ品質と前記候補セル品質との差が所定範囲内である場合、前記基地局内ハンドオーバを前記無線端末に実行させる請求項1に記載の無線基地局。
  8. 複数のセクタによって構成される通信可能領域であるセル内に位置する無線端末と通信する無線通信部と、
    前記無線端末が接続先を現在通信中のセクタから他のセクタに切り替える基地局内ハンドオーバまたは前記無線端末が接続先を他の無線基地局へ切り替える基地局間ハンドオーバを前記無線端末に実行させるハンドオーバ制御部と
    を備え、
    前記ハンドオーバ制御部は、通信規格で規定された情報を含むヘッダ部の一部または全部を省略して前記無線端末と通信している最中に、前記無線端末の接続先を切り替えるとき、前記基地局間ハンドオーバよりも前記基地局内ハンドオーバを優先して前記無線端末に実行させ
    前記ハンドオーバ制御部は、前記現在通信中のセクタと前記無線端末との間の無線品質を示す接続中セクタ品質と、前記他のセクタと前記無線端末との間の無線品質を示す候補セクタ品質とを取得し、
    前記ヘッダ部を省略せずに前記無線端末と通信している最中に、前記ハンドオーバ制御部は、前記接続中セクタ品質および前記候補セクタ品質が、予め定められた第1閾値よりも低い場合、前記基地局間ハンドオーバを前記無線端末に実行させ、
    前記ヘッダ部の一部または全部を省略して前記無線端末と通信している最中に、前記ハンドオーバ制御部は、前記接続中セクタ品質および前記候補セクタ品質が、前記第1閾値よりも高く設定された第2閾値よりも低い場合、前記基地局間ハンドオーバを前記無線端末に実行させる無線基地局。
  9. 通信可能領域であるセルを構成する複数のセクタに対応して設けられ、無線端末と接続する第1無線通信部と、第2無線通信部とを有する複数の無線通信部を具備する無線基地局に用いられる無線通信方法であって、
    所定の圧縮率で圧縮された圧縮ヘッダを含む圧縮パケットを前記複数の無線通信部の何れかを介して前記無線端末と送受信するヘッダ圧縮通信時において、前記無線端末と同期がとられたヘッダ圧縮情報を用いて、前記圧縮ヘッダの復元または前記圧縮ヘッダへの圧縮の少なくとも一方を行うステップと、
    前記無線端末の接続先を前記第1無線通信部から前記第2無線通信部へ切り替える基地局内ハンドオーバまたは前記接続先を他の無線基地局へ切り替える基地局間ハンドオーバを前記無線端末に実行させるステップと
    を備え、
    前記実行させるステップでは、前記ヘッダ圧縮通信時において、前記基地局間ハンドオーバよりも前記基地局内ハンドオーバを優先して前記無線端末に実行させ
    前記実行させるステップでは、前記第1無線通信部と前記無線端末との間の無線品質を示す接続中セクタ品質と、前記第2無線通信部と前記無線端末との間の無線品質を示す候補セクタ品質とを取得し、
    前記ヘッダ圧縮通信とは異なる種別の通信時において、前記実行させるステップでは、前記接続中セクタ品質および前記候補セクタ品質が、予め定められた第1閾値よりも低い場合、前記基地局間ハンドオーバを前記無線端末に実行させ、
    前記ヘッダ圧縮通信時において、前記実行させるステップでは、前記接続中セクタ品質および前記候補セクタ品質が、前記第1閾値よりも高く設定された第2閾値よりも低い場合、前記基地局間ハンドオーバを前記無線端末に実行させる無線通信方法。
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