JP5138551B2

JP5138551B2 - インバータ一体型電動圧縮機

Info

Publication number: JP5138551B2
Application number: JP2008285570A
Authority: JP
Inventors: 淳齋藤; 誠渋谷; 一三大里
Original assignee: Sanden Corp
Current assignee: Sanden Holdings Corp
Priority date: 2008-11-06
Filing date: 2008-11-06
Publication date: 2013-02-06
Anticipated expiration: 2028-11-06
Also published as: DE112009002657T5; DE112009002657B4; US20110206544A1; DE112009002657T8; US8698364B2; WO2010052922A1; CN102203420A; JP2010112260A

Description

本発明は、インバータを含むモータ駆動回路が圧縮機内に組み付けられたインバータ一体型電動圧縮機に関し、とくに、ノイズ除去部品としてのノーマルモードコイルやコモンモードコイルがモータ駆動回路に組み付けられる際の作業性の向上を図ったインバータ一体型電動圧縮機に関する。

インバータを含むモータ駆動回路が圧縮機内に組み付けられたインバータ一体型電動圧縮機の構造として、モータ駆動回路が絶縁用樹脂コーティング材によって被覆されるようにし、さらに、モータ駆動回路とリード線と接続端子とが金属壁で囲まれた閉鎖空間内に配設された構造が知られている（例えば、特許文献１）。このような構造においては、リード線から放射される電磁ノイズが金属壁に囲まれた閉鎖空間内に閉じ込められることにより、電磁ノイズの影響が軽減されている。

また、エアコンのノイズフィルタ等に使用されるチョークコイルの構造として、同一形状の２個のサブコアカバーが嵌合されてコアカバーが形成され、これに巻線がなされた構造が知られている（例えば、特許文献２）。このような構造においては、巻線作業においてリード線の引出し方向に注意する必要がなくなり、巻線作業の能率の向上が図られている。
特開２００８−２０２５６４号公報特開平６−３６９５１号公報

特許文献１に記載されるようなインバータ一体型電動圧縮機において、電磁ノイズの影響をさらに軽減するために、特許文献２に記載されるようなコイル部品を使用した場合には、インバータ一体型電動圧縮機は一般的な圧縮機に比べて通電される電流が大きいので、発熱量を抑えるために、コイルのコアには比較的太い導線を複数本巻く必要がある。

そして、特許文献１のインバータ一体型電動圧縮機のモータ駆動回路に特許文献２のコイル部品を電気的に接続する方法としては、コイルのコアに巻かれた導線をモータ駆動回路の基板の孔に通し、モータ駆動回路の基板に設けられた端子部と溶接すること等が考えられる。しかし、複数本の太い導線を、モータ駆動回路の基板上の孔に１本ずつ通していく作業は煩雑である。

また、導線とバスバーの位置関係にばらつきが生じると、溶接時の作業効率を悪化させるおそれがあるが、このような作業効率の悪化は、導線とバスバーの接続状態の信頼性の低下につながる。

そこで本発明の課題は、上記のような問題点に着目し、電磁ノイズ除去用などのコイル部品をモータ駆動回路に電気的に接続する機構を簡素化し、コイル部品の組付け性を向上させるとともに、電気的接続箇所の接続状態の信頼性を確保したインバータ一体型電動圧縮機を提供することにある。

上記課題を解決するために、本発明に係るインバータ一体型電動圧縮機は、モータが内蔵され、インバータを含むモータ駆動回路が圧縮機ハウジングで囲まれた収容空間内に設けられたインバータ一体型電動圧縮機において、複数本の導線が並行に巻かれたコイル部品が、台座を介して前記モータ駆動回路に取り付けられ、該台座には、前記モータ駆動回路を収容するケース部材に設けられた台座取付け孔に嵌合可能な突起が設けられ、該突起設置部に複数の端子孔が配設され、該複数の端子孔には、前記コイル部品からの複数本の導線が互いの間隔が広げられるようにして各１本ずつ挿入され、各導線の末端が前記モータ駆動回路と電気的に接続されていることを特徴とするものからなる。

本発明に係るインバータ一体型電動圧縮機においては、コイル部品をモータ駆動回路に取り付けるための台座に、モータ駆動回路を収容するケース部材に設けられた台座取付け孔に嵌合可能な突起が設けられ、該突起の設置部に複数の端子孔が配設されてコイル部品からの複数本の導線が互いの間隔が広げられるようにして各１本ずつ挿入されることによって、各導線の末端がモータ駆動回路と電気的に接続されているので、コイル部品とモータ駆動回路の電気的接続機構が簡素化されるとともに、コイル部品からの複数本の導線を一本一本、ケース部材に設けられた端子孔に挿入する作業が不要となり、コイル部品をモータ駆動回路の基板に組み付ける際の作業性が向上する。また、台座に設けられた突起は、ケース部材に設けられた台座取付け孔に嵌合するように形成されているので、導線とモータ駆動回路を接合する前の段階において、導線の末端が該接合箇所に来るように確実に位置決めすることが可能となり、接合箇所の接続信頼性が十分に確保される。

本発明において、前記導線の末端を、前記モータ駆動回路に設けられたバスバーに接合することが可能である。このように、バスバーを介して導線とモータ駆動回路を電気的に接続することにより、電気的接続箇所の接続信頼性を十分に確保することが可能となる。この場合、前記端子孔を、前記突起設置部の前記バスバー側に偏って穿孔し、該突起設置部のバスバー側において前記導線を露出させるようにすることが好ましい。このような位置に端子孔を設けることにより、バスバーと導線が確実に近接するので、電気的接続箇所の接続信頼性をさらに高めることができる。

また、前記バスバーの先端には、複数の接合用突起を設けることもできる。このようにすれば、バスバーと導線、あるいはバスバー同士を接合する際に、その電気的接続箇所の接続信頼性を確保することが可能となる。

本発明に係るインバータ一体型電動圧縮機は、前記接合がＴＩＧ溶接により行われる場合に、とくに好適に用いることができる。ＴＩＧ溶接によって電気的な接続を行う場合には、溶接トーチから飛ばされたアークが溶接対象部位以外に到達しないように、溶接対象の端子の間隔を一定間隔以上に広げておく必要がある。この点、本発明のインバータ一体型電動圧縮機においては、コイル部品からの複数の導線の互いの間隔が、台座の突起設置部に配列するように設置された複数の端子孔によって所定間隔に規制されているので、ＴＩＧ溶接の際のアークを溶接対象部位に正確に飛ばすことが可能となり、溶接箇所の接続信頼性が確保される。

本発明のインバータ一体型電動圧縮機において、前記端子孔の前記コイル部品側開口の周縁部には、面取りを施すことが好ましい。例えば、端子孔の深さ方向に開口径が漸減するテーパ状の面取りを施すことによって、コイル部品からの導線を容易かつ確実に端子孔に挿入させることが可能となる。

また、本発明に係るインバータ一体型電動圧縮機は、実質的にあらゆるタイプの圧縮機に適用可能であるが、とくに、狭いスペースに搭載され、他の機器等からのノイズを受けやすい車両空調装置用圧縮機として好適に用いることができる。

本発明に係るインバータ一体型電動圧縮機によれば、ノイズ除去等を目的として用いられるコイル部品からの導線が、モータ駆動回路への取付け用台座に設けられた端子孔に互いの間隔が広げられるように各１本ずつ挿入されているので、コイル部品をモータ駆動回路に取り付ける際の作業性が向上する。とくに、モータ駆動回路を収容するケース部材に設けられた台座取付け孔に、台座の突起が嵌合する構造を採用しているので、導線の末端が電気的接続箇所に来るように正確に位置決めされるので、接続信頼性も向上する。また、導線が互いの間隔が広げられるように各端子孔に１本ずつ挿入されているので、ＴＩＧ溶接による電気的接合の優れた信頼性も確保される。

以下に、本発明の望ましい実施の形態を、図面を参照して説明する。
図１は、本発明の一実施態様に係るインバータ一体型電動圧縮機１の基本構成として、車両空調装置用のスクロール型電動圧縮機の例を示している。図１において、２は、固定スクロール３と可動スクロール４からなる圧縮機構を示している。可動スクロール４は、ボールカップリング５を介して自転が阻止された状態で、固定スクロール３に対して旋回されるようになっている。圧縮機ハウジング（センターハウジング）６内には、モータ７が組み込まれており、この内蔵モータ７によって主軸８（回転軸）が回転駆動される。主軸８の一端側に配設された偏心ピン９、それに対して回転自在に係合された偏心ブッシュ１０を介して、主軸８の回転運動が可動スクロール４の旋回運動に変換されるようになっている。本実施態様では、被圧縮流体としての冷媒を吸入する吸入ポート１１が圧縮機ハウジング（フロントハウジング）１２に設けられており、吸入された冷媒は、モータ７配置部を通して圧縮機構２へと導かれ、圧縮機構２で圧縮された冷媒は、吐出孔１３、吐出室１４、圧縮機ハウジング（リアハウジング）１５に設けられた吐出ポート１６を通して外部回路に送られる。

上記モータ７の駆動用回路２１は、圧縮機ハウジング１２（フロントハウジング）内に設けられており、より詳しくは、圧縮機ハウジング１２に形成された冷媒吸入経路側との仕切壁２２の外面側にモータ駆動回路２１が設けられている。モータ駆動回路２１は、仕切壁２２を貫通させて取り付けられた密封端子２３（モータ駆動回路２１の出力端子）、リード線２４を介してモータ７に給電し、密封端子２３設置部では、冷媒吸入経路側とモータ駆動回路２１設置側とがシールされている。モータ駆動回路２１を仕切壁２２の外面側に設けることによって、仕切壁２２を介して、モータ駆動回路２１を含む電気部品の少なくとも一部が、吸入冷媒と熱交換可能となっており、吸入冷媒によって冷却可能となっている。

モータ駆動回路２１は、インバータ機能を有するＩＰＭ（Intelligent Power Module）２５と制御回路２６とを含んでおり、それとは別体にあるいは一体にコンデンサ２７等の電気部品が設けられている。このモータ駆動回路２１は、入力端子としてのコネクタ２８を介して外部電源（図示略）と接続される。これらモータ駆動回路２１を含む電気部品を実装した圧縮機ハウジング１２の外部への開口側は、蓋部材２９でシールされた状態で覆われており、これら電気部品が蓋部材２９により保護されている。

上記のような構成を電気回路的に示すと、例えば図２のようになる。図２において、電動圧縮機１にはモータ駆動回路２１が設けられており、モータ駆動回路２１からの出力が密封端子２３、リード線２４を介して内蔵モータ７の各モータ巻線４１に給電されることによりモータ７が回転駆動され、圧縮機構２による圧縮が行われる。モータ駆動回路２１は、モータ駆動用高電圧回路３０と、モータ駆動用高電圧回路３０内のインバータ４２の各パワー素子４３（スイッチング素子）を制御するためのモータ制御回路４４を備えた制御用低電圧回路４５を有しており、この制御用低電圧回路４５が制御回路２６内に構成されている。外部電源４６（例えば、バッテリー）からの電力が、高電圧用コネクタ４７を通してモータ駆動用高電圧回路３０へ給電され、ノイズフィルタ３７、平滑用のコンデンサ２７を介してインバータ４２に供給され、インバータ４２で電源４６からの直流が疑似三相交流に変換された後、モータ７へと供給される。モータ制御回路４４へは、例えば、車両の空調制御装置４８から、低電圧の電力が制御信号用コネクタ４９を介して供給される。図２では、この制御信号用コネクタ４９と、高電圧用コネクタ４７とは、離れた位置に図示してあるが、実際には、図１に示した同一のコネクタ２８内に装備されている。制御回路２６に、シールドプレート３１が固定され、このシールドプレート３１が、図２に示すように、モータ駆動用高電圧回路３０と制御用低電圧回路４５を備えた制御回路２６との間に介在され、モータ駆動用高電圧回路３０を極力広い範囲にわたって覆い、モータ駆動用高電圧回路３０から制御用低電圧回路４５側へのノイズの影響を抑制している。

図３は、図１のモータ駆動回路２１に取り付けられるコイル部品５１と、コイル部品５１を支持しつつモータ駆動回路２１に取り付けるための台座５２を示す図である。コイル部品５１はコイル５３とコア５４（又は、コアを収納したコアケース）から構成され、ドーナツ形状のコア５４の周りに３組のコイル導線５５がパラ巻きされてコイル５３が形成されている。台座５２には６個の端子孔５７が設けられ、コイル導線５５の端部が、互いの間隔が広げられるようにして各１本ずつ計６本挿入されている。

図４は、図３の台座５２を示しており、（ａ）は平面図、（ｂ）は背面図、（ｃ）は右側面図、（ｄ）は正面図、（ｅ）は底面図である。台座５２には細長く形成された突起５６が設けられており、突起５６にはコイル導線５５が挿入される端子孔５７が穿孔されている。図４（ａ）において、端子孔５７は、突起５６設置部において図４（ａ）の上側に偏って穿孔されている。このように端子孔５７の位置が一方向に偏るようにしたことにより、コイル導線５５をモータ駆動回路２１と電気的に接続する際に、端子孔５７に挿入されたコイル導線５５が、後述するバスバー６０と確実に近接するので、コイル部品５１とモータ駆動回路２１の接続信頼性が十分に確保される。また、図４（ｂ）において、図の上方からコイル部品５１のコイル導線５５が挿入されることになるので、端子孔５７のコイル部品５１側開口の周縁部に面取りを施しておけば、コイル導線５５が容易かつ確実に端子孔５７に挿入されるようになる。図４（ｅ）においては、そのような面取りが端子孔５７から上下左右方向に向けて施されている。

図５は、モータ駆動回路２１を収容するケース部材５８に、台座５２を介してコイル部品５１を取り付けた状態を示しており、（ａ）は上面図、（ｂ）は（ａ）のＡ−Ａ断面図である。台座５２に設けられた突起５６は、ケース部材５８に設けられた台座取付け孔５９に嵌合されている。端子孔５７に挿入された導線５５は、ケース部材５８に設けられたバスバー６０とＴＩＧ溶接により電気的に接続されている。ここで、突起５６設置部のバスバー６０側に偏って端子孔５７が穿孔されているので、コイル導線５５とバスバー６０は十分に近接しており、該電気的接続部分の接続信頼性は十分に確保されている。

図６は、図５のケース部材５８を示しており、（ａ）は図５（ａ）に示した面の裏面側を上方から見た斜視図、（ｂ）は図５（ａ）に示した面側を示す斜視図である。図６（ｂ）において、台座取付け孔５９の一端に沿って設けられたバスバー６０には、３つの接合用突起６１が設けられている。このように複数の接合用突起６１が設けられることにより、バスバー６０とコイル導線５５または他のバスバーとを接合する際に、その電気的接続箇所の接続信頼性をより確実なものとすることが可能である。

本発明に係るインバータ一体型電動圧縮機は、実質的にあらゆるタイプの圧縮機に適用可能であるが、とくに、狭いスペースに搭載され、他の機器等からのノイズを受けやすい車両空調装置用圧縮機として好適に用いることができる。

本発明の一実施態様に係るインバータ一体型電動圧縮機の基本構成を示す概略縦断面図である。図１の圧縮機を含む空調制御機構を電気回路的に示した構成図である。図１の圧縮機のモータ駆動回路に取り付けられるコイル部品と台座を示す正面図である。図３の台座を示しており、（ａ）は台座の平面図、（ｂ）は背面図、（ｃ）は右側面図、（ｄ）は正面図、（ｅ）は底面図である。図１の圧縮機のモータ駆動回路にコイル部品と台座を取り付けた状態を示しており、（ａ）は上面図、（ｂ）は（ａ）のＡ−Ａ断面図である。図５のケース部材を示しており、（ａ）は図５（ａ）に示した面の裏面側から見た斜視図、（ｂ）は図５（ａ）に示した面側から見た斜視図である。

符号の説明

１インバータ一体型電動圧縮機
２圧縮機構
３固定スクロール
４可動スクロール
５ボールカップリング
６圧縮機ハウジング（センターハウジング）
７モータ
８主軸
９偏心ピン
１０偏心ブッシュ
１１吸入ポート
１２圧縮機ハウジング（フロントハウジング）
１３吐出孔
１４吐出室
１５圧縮機ハウジング（リアハウジング）
１６吐出ポート
２１モータ駆動回路
２２仕切壁
２３密封端子
２４リード線
２５ＩＰＭ
２６制御回路
２７コンデンサ
２８コネクタ
２９蓋部材
３０モータ駆動用高電圧回路
３１シールドプレート
３７ノイズフィルタ
４１モータ巻線
４２インバータ
４３パワー素子
４４モータ制御回路
４５制御用低電圧回路
４６外部電源
４７高電圧用コネクタ
４８空調制御装置
４９制御信号用コネクタ
５１コイル部品
５２台座
５３コイル
５４コア
５５導線
５６突起
５７端子孔
５８ケース部材
５９台座取付け孔
６０バスバー
６１接合用突起

Claims

モータが内蔵され、インバータを含むモータ駆動回路が圧縮機ハウジングで囲まれた収容空間内に設けられたインバータ一体型電動圧縮機において、複数本の導線が並行に巻かれたコイル部品が、台座を介して前記モータ駆動回路に取り付けられ、該台座には、前記モータ駆動回路を収容するケース部材に設けられた台座取付け孔に嵌合可能な突起が設けられ、該突起設置部に複数の端子孔が配設され、該複数の端子孔には、前記コイル部品からの複数本の導線が互いの間隔が広げられるようにして各１本ずつ挿入され、各導線の末端が前記モータ駆動回路と電気的に接続されていることを特徴とするインバータ一体型電動圧縮機。
前記導線の末端が、前記モータ駆動回路に設けられたバスバーに接合されている、請求項１に記載のインバータ一体型電動圧縮機。
前記端子孔が、前記突起設置部の前記バスバー側に偏って穿孔されており、該突起設置部のバスバー側において前記導線が露出されている、請求項２に記載のインバータ一体型電動圧縮機。
前記バスバーの先端に、複数の接合用突起が設けられている、請求項２または３に記載のインバータ一体型電動圧縮機。
前記接合がＴＩＧ溶接により行われている、請求項２〜４のいずれかに記載のインバータ一体型電動圧縮機。
前記端子孔の前記コイル部品側開口の周縁部に、面取りが施されている、請求項１〜５のいずれかに記載のインバータ一体型電動圧縮機。
車両空調装置用圧縮機からなる、請求項１〜６のいずれかに記載のインバータ一体型電動圧縮機。