(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1を、図面を参照して説明する。説明の便宜上、部屋に飾られた写真を照らす照明を、本発明の実施の形態1に係る照明装置の例として説明する。図1は本発明の実施の形態1に係る照明装置1が設置された場合を例示する例示図である。
ある部屋の側壁Wには、矩形の底を有する窪みHが設けられている。窪みHは、前記底の面方向と直交する方向に立ち上がる天井壁USと、側壁LS、RSと、天井壁USと対向する底壁Cとからなる。天井壁USには本発明の実施の形態1に係る照明装置1が設けられており、図中天井壁USに対して左側が側壁LSであり、右側が側壁RSである。また、窪みHの前記底の上には、風景が写された写真Fが配置されており、写真Fは縁部が擬似窓IWにより囲まれている。擬似窓IWには、外観から窓のように見せかけるためのデザインが施されている。つまり、写真Fに写っている風景が窓(擬似窓IW)通じて見える外側の風景であるように見せかけることにより、前記部屋の中の人に対して安らぎを与える効果を図るものである。また、説明の便宜上、前記部屋は、擬似窓IWの左方向が東方向であり、右方向が西方向であるとする。
図2は本発明の実施の形態1に係る照明装置1が設置された状態を示す図、図3は本発明の実施の形態1に係る照明装置1の一部を省略して示す斜視図である。
実施の形態1に係る照明装置1は、天井壁USに設けられた矩形の設置孔US1,US2を介して一部が露出されるように、天井壁USに埋め込まれている。
実施の形態1に係る照明装置1は、12個の光源モジュール10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G,10H,10I,10J,10K,10Lを有する光源10を備えている。光源10はトレー状の収納部12に収容されており、各光源モジュールは等間隔に隔てて並設されている(並設される方向は照明装置1の長手方向に対応する)。また、照明装置1は、光源10を駆動するための駆動回路部14と、光源10からの熱を放熱するための複数の放熱フィン13,13,…と、光源10の並設方向を中心として周方向に収容部12(光源10)を回動させるための回動機構50とを備えている。
回動機構50は、回動軸5,5と、回動軸5を回転させるためのツマミ2と、ツマミ2の回転を一時静止させる板バネ3とを備えている。
光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lは、矩形のセラミック基板の表側の中央部に、複数の0.1WのLED101,101,…(スモールチップ)が密集して実装されている。前記セラミック基板の対向する何れか2つの頂点には、ネジ止めのための貫通孔(図示せず)が設けられ、各光源モジュールは収容部12にネジ止めされている。
LED101,101,…は、赤色LED、緑色LED及び青色LED(図示せず)とからなるいわゆるマルチチップ方式の白色LEDである。また、赤色LEDと、緑色LEDと、青色LEDは、後述の調光部20によって夫々個別発光制御が出来るように構成されている。
収容部12は、長さ1530mm、幅80mmの矩形の底121を有しており、底121と対向する一面が開口されている。光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lの光は前記開口を介して外側へ出射される。収容部12は前記開口側の縁が天井壁USと略面一になるように設けられている。
収容部12の前記開口側の縁には、隠し鍔11が周設されている。隠し鍔11は天井壁USの設置孔US1の大きさより大きく、照明装置1を天井壁USに取り付けた際、天井壁USの裏側に配設される。従って、設置孔US1を介して外から照明装置1の裏側が見えないように隠し、見栄えが悪くなることを防ぐことが出来る。
収容部12の底121の裏側には、駆動回路部14及び複数の放熱フィン13,13,…が取り付けられている。駆動回路部14は、各光源モジュールに電源を供給するための回路を有しており、該回路は絶縁性の合成樹脂で覆われている。一方、複数の放熱フィン13,13,…は収容部12の底121の長手方向に適宜隔てて配置されており、各放熱フィン13,13,…は3枚の矩形のアルミニウム製の放熱板を備えている。3枚の放熱板は収容部12の底121の面方向と直交する方向に突出しており、各放熱板が面対向するように並設されている。光源10が発する熱は、収容部12の底121を介して放熱フィン13に伝達され、外気中に放出される。
収容部12の長手方向の両端部には、回動軸5の一端が固定される軸固定板15が設けられている。(図3には右側の一端部のみを図示している)軸固定板15は収容部12の底121の裏側に、底121の面方向と直交する方向に突設されている。また、軸固定板15は突出先に向かって狭幅となっており、先端部に回動軸5の一端が固定されている。
回動軸5は、一端が軸固定板15に固定されており、他端は天井壁USに回動可能に支持されている。つまり、回動軸5を回転させることにより、収容部12が回転されるので、収容部12に収容されている光源10の配光が変り、光源10による照射領域が光源10の並設方向(長手方向)と直交する方向に変わることとなる。
回動軸5の中途には、回動軸5を回動させるためのツマミ2が設けられている。ツマミ2は底を有する円筒であり、前記底と対向する一面が開口している。前記底の中央には貫通孔21を設けており、貫通孔21を回動軸5が貫通している。回動軸5はツマミ2に固定されている。一方、ツマミ2の外周面には、ツマミ2の回転操作における使用者の便宜を図るため、複数の長穴形状の窪みが高さ方向に並設さられている。ツマミ2の前記開口側の周縁には、半円形の切欠22,22,…が複数周設されている。天井壁USに取り付けられた板バネ3が切欠22,22,…に引っ掛かることにより、ツマミ2の回動が静止される。また、ツマミ2に板バネ3のバネ力より大きい力を加えることにより、ツマミ2を回動させることが出来る。
図2に示すように、ツマミ2は外周面の一部が、設置孔US2を介して露出されるように設けられており、使用者はツマミ2の露出された部分を回す操作をすることにより、前述したように、収容部12に収容されている光源10の配光を変え、光源10による照射領域を、光源10の並設方向と直交する方向に変えることが出来る。また、収容部12及び隠し鍔11と、天井壁USの設置孔US1との間には少し隙間を設け、回動軸5を軸とする周方向に収容部12の回動ができるように構成している。
なお、必要に応じて、収容部12の前記開口側を覆い、光源10からの光を均一に外側に出射させる拡散板を設けても良い。
図4は本発明の実施の形態1に係る照明装置1の配光曲線を示す図である。前記配光曲線は光源から出てくる光が、どの方向にどれだけの強さで出ているかを表わすものである。図4は光源10の並設方向と平行する断面(通称B断面)における光の強さを示している。(図中にはハッチングにて表示している。)
本発明に係る照明装置1は、配光範囲、つまり光源10からの光の広がり(図中ΔWとして表示)が20度以下となるように構成されている。これは光源10からの光が写真Fに直接当たって反射されることによる不具合を防止するためである。より望ましくはΔWを18度にした方が良い。なお、配光範囲は、底壁の幅等の条件によって、適宜調整できることが好ましく、配光範囲を絞るためにレンズを用いて集光させてもよい。
図5は本発明の実施の形態1に係る照明装置1の要部構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態1に係る照明装置1は、光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lからなる光源10と、光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lの点灯を制御する制御部40と、制御部40の指示によって光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lの点灯・消灯、色温度、光色等を調整する調光部20(例えば駆動回路)と、計時を行なう計時部30とを備えている。
制御部40はCPUを有しており、前記CPUは計時部30の計時結果に基づき、光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lの一部又は全部を点灯する指示、光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lの色温度を所定値に制御する指示、光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lの光色を所定色に制御する指示等を、調光部20に対して行う。
調光部20は、CPUの指示に従って、光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lの点灯・消灯及び、光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lの色温度、光色等の調整を行う。特に、色温度、光色等の照明環境の調整は、例えば各光源の赤色LED、緑色LED及び青色LEDをPWM(パルス幅変調)制御することにより、行われる。
図6は本発明の実施の形態1に係る照明装置1のCPUの処理手順を示すフローチャートである。
まず、CPUは電源オン指示を取得したか否かを判定する(S101)。CPUは電源オン指示を取得していないと判定した場合(S101:NO)、前記指示を取得するまで待つ。一方、CPUは電源オン指示を取得したと判定した場合(S101:YES)、計時部30に現時刻の計時を指示する(S102)。
次いでCPUは、計時部30による計時結果に基づき、現時刻が6時以降8時前であるか否かを判定する(S103)。CPUは現時刻が6時以降8時前(朝に該当する場合)でないと判定した場合(S103:NO)、S106に進む。一方、CPUは現時刻が6時以降8時前であると判定した場合(S103:YES)、光源10の点灯制御を行う(S104)。光源10の点灯制御は、光源モジュール10J,10K,10Lのみを白色に点灯させるように調光部20に指示することにより行われる。CPUの指示に従い、調光部20は光源モジュール10J,10K,10Lのみを白色に点灯させ、底壁Cは光源モジュール10J,10K,10Lの直下部分のみが明るく照射される。図7はS104におけるCPUの点灯制御結果を示す図である。
上述したように、実施の形態1に係る照明装置1が設置された前記部屋は、図中左方向が東である。一方、6時以降8時前の時刻には太陽が東方向に位置するので、もし、実際に擬似窓IWを介して太陽の日差しが入るとした場合、側壁LS側の底壁Cには側壁LSの影が生じ、側壁RS側の底壁Cのみが明るくなる。つまり、光源モジュール10J,10K,10Lのみを点灯させ、底壁Cにおいて光源モジュール10J,10K,10Lの直下部分のみを明るく照射することにより、前述したような朝日の日差しの入射を演出することが出来る。
次いで、CPUは、光源10の色温度の制御を行う(S105)。光源10の色温度の制御は、光源モジュール10J,10K,10Lの色温度を例えば5000Kにするように、調光部20に指示することにより行われる。CPUの指示に従い、調光部20はPWM制御を行うことにより、光源モジュール10J,10K,10Lの色温度を5000Kに調整する。なお、点灯制御(S104)と色温度制御(S105)のステップは、順に処理される必要はなく、同時に並行して処理されてもよい。以下の実施の形態でも同様である。
一方、S103にてCPUが現時刻を6時以降8時前でないと判定した場合は、現時刻が8時以降16時前(昼に該当する場合)であるか否かを判定する(S106)。CPUは現時刻が8時以降16時前でないと判定した場合(S106:NO)、S109に進む。一方、CPUは現時刻が8時以降16時前であると判定した場合(S106:YES)、光源10の点灯制御を行う(S107)。光源10の点灯制御は、光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lの全てを白色に点灯させるように調光部20に指示することにより行われる。CPUの指示に従い、調光部20は全ての光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lを白色に点灯させ、底壁Cは全面にかけて明るく照射される。図8はS107におけるCPUの点灯制御結果を示す図である。
従って、前記部屋に対して太陽が南方向、つまり擬似窓IWの正面方向に位置する時刻が8時以降16時前の間の場合には、側壁LS及び側壁RSによる影が生じることなく、擬似窓IWを通じて日差しが入っていることを演出することが出来る。
次いで、CPUは、光源10の色温度の制御を行う(S108)。光源10の色温度の制御は、全ての光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lの色温度を例えば6800Kにするように、調光部20に指示することにより行われる。CPUの指示に従い、調光部20はPWM制御を行うことにより、全ての光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lの色温度を6800Kに調整する。つまり、6時以降8時前の場合の5000Kに比べて少し明るい6800Kにすることにより、現時点が昼であることを演出することが出来る。
一方、S106にてCPUが現時刻を8時以降16時前(昼に該当する場合)でないと判定した場合は、現時刻が16時以降18時前であるか否かを判定する(S109)。CPUは現時刻が16時以降18時前でないと判定した場合(S109:NO)、S112に進む。一方、CPUは現時刻が16時以降18時前であると判定した場合(S109:YES)、光源10の点灯制御を行う(S110)。光源10の点灯制御は、光源モジュール10A,10B,10Cのみを白色に点灯させるように調光部20に指示することにより行われる。CPUの指示に従い、調光部20は光源モジュール10A,10B,10Cのみを白色に点灯させ、底壁Cは光源モジュール10A,10B,10Cの直下部分のみが明るく照射される。図9はS110におけるCPUの点灯制御結果を示す図である。
16時以降18時前の時刻には太陽が西方向(図中右方向)に位置するので、もし、実際に擬似窓IWを介して太陽の日差しが入るとした場合、側壁RS側の底壁Cには側壁RSの影が生じ、側壁LS側の底壁Cのみが明るくなる。つまり、光源モジュール10A,10B,10Cのみを点灯させ、底壁Cにおいて光源モジュール10A,10B,10Cの直下部分のみを明るく照射することにより、前述したような夕方の日差しの入射を演出することが出来る。
次いで、CPUは、光源10の色温度の制御を行う(S111)。光源10の色温度の制御は、光源モジュール10A,10B,10Cの色温度を例えば2800Kにするように、調光部20に指示することにより行われる。CPUの指示に従い、調光部20はPWM制御を行うことにより、光源モジュール10A,10B,10Cの色温度を2800Kにする。つまり、8時以降16時前の6800Kに比べて低い2800Kにすることにより、現時点が太陽の沈む夕方であることを演出することが出来る。
一方、CPUが現時刻を16時以降18時前でないと判定した場合(S109:NO)、CPUはS112に進み、光源10を消灯させるように調光部20に指示する。CPUの指示に従って、調光部20は光源10を消灯させる。従って、前記部屋の室内照明のみによって暗く写真Fが照明され、現時点が夜であることを演出する。
S105、S108、S111又はS112の何れかの処理が終了した場合、CPUは電源オフ指示を取得したか否かを判定する(S113)。CPUは電源オフ指示を取得していないと判定した場合(S113:NO)、S102に戻る。一方、電源オフ指示を取得したと判定した場合(S113:YES)、処理を終了する。
(実施の形態2)
図10は本発明の実施の形態2に係る照明装置1のCPUの処理手順を示すフローチャートである。なお、実施の形態1と同一の部分については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、CPUは電源オン指示を取得したか否かを判定する(S201)。CPUは電源オン指示を取得していないと判定した場合(S201:NO)、前記指示を取得するまで待つ。一方、CPUは電源オン指示を取得したと判定した場合(S201:YES)、計時部30に現時刻の計時を指示する(S202)。
次いでCPUは、計時部30による計時結果に基づき、現時刻が6時以降8時前であるか否かを判定する(S203)。CPUは現時刻が6時以降8時前であると判定した場合(S203:YES)、光源10の点灯制御を行う(S204)。光源10の点灯制御は、光源モジュール10J,10K,10Lのみを点灯させるように調光部20に指示することにより行われる。
次いで、CPUは、光源10の光色の照明環境の制御を行う(S205)。光源10の光色の制御は、光源モジュール10J,10K,10Lの光色を例えば黄色にするように、調光部20に指示することにより行われる。CPUの指示に従い、調光部20は光源モジュール10J,10K,10L夫々の赤色LED、緑色LED及び青色LEDをPWM(パルス幅変調)制御することにより、光源モジュール10J,10K,10Lの光色を黄色にする。従って、闇から徐々に太陽が昇るような効果を演出することが出来る。
一方、S203にてCPUが現時刻を6時以降8時前でないと判定した場合は、現時刻が8時以降16時前であるか否かを判定する(S206)。CPUは現時刻が8時以降16時前であると判定した場合(S206:YES)、光源10の点灯制御を行う(S207)。光源10の点灯制御は、光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lの全てを点灯させるように調光部20に指示することにより行われる。
次いで、CPUは、光源10の光色の制御を行う(S208)。光源10の光色の制御は、全ての光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lの光色を例えば白色にするように、調光部20に指示することにより行われる。CPUの指示に従い、調光部20は全ての光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10L夫々の赤色LED、緑色LED及び青色LEDをPWM制御することにより、全ての光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lの光色を白色にする。
一方、S206にてCPUが現時刻を8時以降16時前でないと判定した場合は、現時刻が16時以降18時前であるか否かを判定する(S209)。CPUは現時刻が16時以降18時前でないと判定した場合(S209:NO)、S212に進み、光源10を消灯させるように調光部20に指示する。一方、CPUは現時刻が16時以降18時前であると判定した場合(S209:YES)、光源10の点灯制御を行う(S210)。光源10の点灯制御は、光源モジュール10A,10B,10Cのみを点灯させるように調光部20に指示することにより行われる。
次いで、CPUは、光源10の光色の制御を行う(S211)。光源10の光色の制御は、光源モジュール10A,10B,10Cの光色を例えば赤色にするように、調光部20に指示することにより行われる。CPUの指示に従い、調光部20は光源モジュール10A,10B,10C夫々の赤色LED、緑色LED及び青色LEDをPWM制御することにより、光源モジュール10A,10B,10Cの光色を赤色にする。従って、赤い夕日の日差しを演出することが出来る。
S205、S208、S211又はS212の何れかの処理が終了した場合、CPUは電源オフ指示を取得したか否かを判定する(S213)。CPUは電源オフ指示を取得していないと判定した場合(S213:NO)、S202に戻る。一方、電源オフ指示を取得したと判定した場合(S213:YES)、処理を終了する。
上記においては、光源10の光色の制御がPWM(パルス幅変調)制御にて行われる場合について説明したがこれに限りものでなく、電圧制御によって行っても良い。
実施の形態1及び実施の形態2においては、複数の光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lが収容部12に固定されている場合について説明したが、これに限るものでない。例えば、各光源モジュールがモータ等の駆動により、配光を操作できるように構成しても良い。
(実施の形態3)
実施の形態3に係る照明装置1は、収容部12(光源10)を回動させるための回動機構50が、駆動モータ(図示せず)を備えている。詳しくは、ツマミ2が駆動モータによって回動操作されるように構成されている。また、調光部20は、制御部40のCPUの指示に応じて、前記駆動モータを正回転又は負回転させる。説明の便宜上、光源10が真下を照射している場合を回動角0度とし、部屋の内側への回転を陽方向への回転とし、部屋の外側への回転を陰方向への回転とする。また、前記駆動モータが正回転する場合、光源10は陽方向に回動し、前記駆動モータが負回転する場合、光源10は陰方向に回動することにする。なお、実施の形態3に係る照明装置1の光源10は、回動角0度をデフォルトとする。
図11は本発明の実施の形態3に係る照明装置1のCPUの処理手順を示すフローチャートである。
まず、CPUは電源オン指示を取得したか否かを判定する(S301)。CPUは電源オン指示を取得していないと判定した場合(S301:NO)、前記指示を取得するまで待つ。一方、CPUは電源オン指示を取得したと判定した場合(S301:YES)、計時部30に現時刻の計時を指示する(S302)。また、光源10をデフォルトに合わせて調整する。
次いでCPUは、計時部30による計時結果に基づき、現時刻が6時以降8時前であるか否かを判定する(S303)。CPUは現時刻が6時以降8時前でないと判定した場合(S303:NO)、S307に進む。一方、CPUは現時刻が6時以降8時前であると判定した場合(S303:YES)、光源10の点灯制御を行い(S304)、光源モジュール10J,10K,10Lのみを白色に点灯させる。従って、底壁Cは光源モジュール10J,10K,10Lの直下部分のみが明るく照射される(図7参照)。
次いで、CPUは、光源10の色温度の照明環境の制御を行い(S305)、光源モジュール10J,10K,10Lの色温度を例えば5000Kにする。
また、CPUは光源10を回動させ、光源10の照射領域を並設方向と直交する方向に変える光源調整を行う(S306)。前記光源調整は、光源10を陽方向に10度回動させるように、調光部20に指示することによって行われる。CPUの指示に従って、調光部20は前記駆動モータを正回転させてツマミ20を回転させ、光源10を陽方向に10度回動させる。
一方、S303にてCPUが現時刻を6時以降8時前でないと判定した場合は、現時刻が8時以降16時前であるか否かを判定する(S307)。CPUは現時刻が8時以降16時前でないと判定した場合(S307:NO)、S311に進む。一方、CPUは現時刻が8時以降16時前であると判定した場合(S307:YES)、光源10の点灯制御を行い(S308)、光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lの全てを白色に点灯させ、底壁Cは、全ての光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lの真下が明るく照射される(図8参照)。
次いで、CPUは、光源10の色温度の制御を行い(S309)、全ての光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lの色温度を、6時以降8時前の場合の5000Kに比べて少し明るい例えば6800Kにする。
また、CPUは光源10を回動させ、光源10の照射領域を並設方向と直交する方向に変える光源調整を行う(S310)。前記光源調整は、光源10を陰方向に15度回動させるように、調光部20に指示することによって行われる。CPUの指示に従って、調光部20は記駆動モータを負回転させてツマミ20を回転させ、光源10を負方向に15度回動させる。従って、光源10は真下より外側、つまり底壁Cにおいては奥側を照射するようになり、太陽が高い昼頃を演出する。
一方、S307にてCPUが現時刻を8時以降16時前でないと判定した場合は、現時刻が16時以降18時前であるか否かを判定する(S311)。CPUは現時刻が16時以降18時前でないと判定した場合(S311:NO)、S315に進む。一方、CPUは現時刻が16時以降18時前であると判定した場合(S311:YES)、光源10の点灯制御を行い(S312)、光源モジュール10A,10B,10Cのみを白色に点灯させ、底壁Cは光源モジュール10A,10B,10Cの直下部分のみが明るく照射される(図9参照)。
次いで、CPUは、光源10の色温度の制御を行い(S313)、光源モジュール10A,10B,10Cの色温度を、8時以降16時前の6800Kに比べて低い例えば2800Kにする。
また、CPUは光源10を回動させ、光源10の照射領域を並設方向と直交する方向に変える光源調整を行う(S314)。前記光源調整は、光源10を陽方向に15度回動させるように、調光部20に指示することによって行われる。CPUの指示に従って、調光部20は前記駆動モータを正回転させてツマミ20を回転させ、光源10を陽方向に15度回動させる。
一方、CPUが現時刻を16時以降18時前でないと判定した場合(S311:NO)、CPUはS315に進み、光源10を消灯させるように調光部20に指示する。CPUの指示に従って、調光部20は光源10を消灯させる。従って、前記部屋の室内照明にのみよって暗く写真Fが照明され、現時点が夜であることを演出する。
S306、S310、S314又はS315の何れかの処理が終了した場合、CPUは電源オフ指示を取得したか否かを判定する(S316)。CPUは電源オフ指示を取得していないと判定した場合(S316:NO)、S302に戻る。一方、電源オフ指示を取得したと判定した場合(S316:YES)、処理を終了する。
実施の形態3においては、複数の光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lが収容部12に固定されている場合について説明したが、これに限るものでない。例えば、各光源モジュールがモータ等の駆動により、光源10の並設方向を中心として光源10を回動させる操作ができるように構成しても良い。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4に係る照明装置1は、複数の光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lが並設方向に沿って向きを変えることが出来るように構成されており、制御部40のCPUの指示に従って、調光部20が複数の光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lの向きを変える操作を行う。
図12は本発明の実施の形態4に係る照明装置1の光源10の向き操作を説明するための一部省略した説明図である。実施の形態1及び実施の形態2と同一の部分については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
実施の形態4に係る照明装置1は、各光源ジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lはが取り付けられた複数の回動部材122,122…と、各回動部材122,122…を回動させる可動バー123と、可動バー123を可動させる可動機構60とを備えている。
収容部12の底121の裏側には後述する下部回動軸125が固定される固定板128を設けている。固定板128は適宜幅を有する細長い矩形であり、長手方向が収容部12の底121の長手方向と平行するように、収容部12の底121の面方向と直交する方向に突設されている。また、収容部12の底121には、複数の矩形の切欠127,127、…を設けており、切欠127,127、…は各光源モジュールに倣う形状であるが各光源モジュールより大きい寸法である。切欠127,127、…を介して各回動部材122,122…に取り付けられた光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lが露出されている。
回動部材122,122…は縦断面T字状を有しており、倒立した状態で収容部12に取り付けられている。各回動部材122,122…は、光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lと等しい大きさの下面を有する扁平な直方体形状の下部と、該下部の上面に突設された直方体形状の上部とからなる。各回動部材122,122…の下部の前記下面には各光源モジュールが取り付けられている。各回動部材122,122…の下部及び上部は、夫々下部回動軸125及び上部回動軸124により、光源10の並設方向と直交する方向に貫通されている。各回動部材122,122…は下部回動軸125及び回動軸124によって回動可能に支持されている。下部回動軸125及び回動軸124は一端が固定板128及び可動バー123に夫々固定されている。
可動バー123は、細長い板状であり、長辺側の一側面が収容部12の底121と対向する状態で、収容部12の底121の長手方向と平行するように配設されている。可動バー123の一面には各上部回動軸124,124,…が固定されている。可動バー123の前記一側面と対向する他側面の中央には歯126が突設されている。歯126は後述する可動機構60の歯車63と噛合している。
可動機構60は、調光部20によって正回転又は負回転が制御される駆動モータ61と、駆動モータ61の回転を低速回転に変速するギアボックス62と、ギアボックス62を介して伝動される歯車63とを備えている。駆動モータ61の回転はギアボックス62によって低速に変速されて歯車63に伝動されるので、歯車63は低速で回動し、可動バー123を収容部12の底121の長手方向、つまり左右方向に移動される。
つまり、調光部20によって駆動モータ61が回転し、駆動モータ61の回転によって可動バー123が移動し、可動バー123の移動によって各回動部材122,122…が下部回動軸125を中心に回動される。従って、各回動部材122,122…に取り付けられた光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lの向きを左右方向(時計回り方向又は反時計回り方向)に変える調節することが出来る。
図13は本発明の実施の形態4に係る照明装置1のCPUの処理手順を示すフローチャートである。
まず、CPUは電源オン指示を取得したか否かを判定する(S401)。CPUは電源オン指示を取得していないと判定した場合(S401:NO)、前記指示を取得するまで待つ。一方、CPUは電源オン指示を取得したと判定した場合(S401:YES)、計時部30に現時刻の計時を指示する(S402)。
次いでCPUは、計時部30による計時結果に基づき、現時刻が6時以降8時前であるか否かを判定する(S403)。CPUは現時刻が6時以降8時前でないと判定した場合(S403:NO)、S406に進む。一方、CPUは現時刻が6時以降8時前であると判定した場合(S403:YES)、各光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lの向き(つまり、照射領域)を並設方向に変える光源調整を行う(S404)。光源10の光源制御は、各光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lを白色に点灯させると共に、各光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lを反時計回り方向に例えば45度回転させるように調光部20に指示することにより行われる。CPUの指示に従い、調光部20は駆動モータ61を回転させ、各光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lの向きを反時計回り方向に45度回転させる。
従って、側壁RSの下部及び側壁RS側の底壁Cのみが明るくなり、前述したように、東方向から朝日の日差しが入射する風景を演出することが出来る。
次いで、CPUは、光源10の色温度の制御を行い(S405)、光源10の色温度の制御は、各光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lの色温度を例えば5000Kに調整する。
一方、S403にてCPUが現時刻を6時以降8時前でないと判定した場合は、現時刻が8時以降16時前であるか否かを判定する(S406)。CPUは現時刻が8時以降16時前でないと判定した場合(S406:NO)、S409に進む。一方、CPUは現時刻が8時以降16時前であると判定した場合(S406:YES)、各光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lの向き(つまり、照射領域)を並設方向に変える光源調整を行う(S407)。光源10の光源調整は、各光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lの向きを時計回り方向に例えば45度と回転させるように調光部20に指示することにより行われる。CPUの指示に従い、調光部20は駆動モータ61を反対回転させ、各光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lの向きを時計回り方向に45度回転させ、各光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lは真下方向を照射することとなる。
従って、前記部屋に対して太陽が南方向、つまり擬似窓IWの正面方向に位置する時刻が8時以降16時前の間の場合には、側壁LS及び側壁RSによる影が生じることなく、擬似窓IWを通じて日差しが入っていることを演出することが出来る。
次いで、CPUは、光源10の色温度の制御を行い(S408)、各光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lの色温度を6時以降8時前の場合の5000Kに比べて少し明るい例えば6800Kにする。従って、現時点が昼であることを演出することが出来る。
一方、S406にてCPUが現時刻を8時以降16時前でないと判定した場合は、現時刻が16時以降18時前であるか否かを判定する(S409)。CPUは現時刻が16時以降18時前でないと判定した場合(S409:NO)、S412に進む。一方、CPUは現時刻が16時以降18時前であると判定した場合(S409:YES)、各光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lの向き(つまり、照射領域)を並設方向に変える光源調整を行う(S410)。光源10の光源調整は、各光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lの向きを時計回り方向に例えば45度と回転させるように調光部20に指示することにより行われる。CPUの指示に従い、調光部20は駆動モータ61を反対回転させ、各光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lの向きを時計回り方向に45度回転させる。
次いで、CPUは、光源10の色温度の制御を行い(S411)、各光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lの色温度を6時以降8時前の場合の5000Kに比べて少し明るい例えば2800Kにする。従って、現時点が昼であることを演出することが出来る。
従って、側壁LSの下部及び側壁LS側の底壁Cのみが明るくなり、前述したように、西方向から夕方の日差しが入射する風景を演出することが出来る。
一方、CPUが現時刻を16時以降18時前でないと判定した場合(S409:NO)、CPUはS412に進み、光源10を消灯させるように調光部20に指示する。CPUの指示に従って、調光部20は光源10を消灯させる。従って、前記部屋の室内照明にのみよって暗く写真Fが照明され、現時点が夜であることを演出する。
S405、S408、S411又はS412の何れかの処理が終了した場合、CPUは電源オフ指示を取得したか否かを判定する(S413)。CPUは電源オフ指示を取得していないと判定した場合(S413:NO)、S402に戻る。一方、電源オフ指示を取得したと判定した場合(S413:YES)、処理を終了する。
実施の形態4においては、複数の光源モジュール10A,10B,10C,…10J,10K,10Lの向き操作が一律的に行われる場合について説明したがこれに限るものではない。例えば、光源モジュール毎に回動機構60を設け、光源モジュール毎に向き操作ができるように構成しても良い。
以上の実施の形態の説明において、光源の照射領域、照射方向、色温度、点灯状態、光色を照明環境としたが、これに限定されずに他の要素であってもよい。なお、点灯状態とは、上述したような光源の点灯・消灯状態の切り替えに限定されず、光源の輝度の強さの変化でもよい。光源の輝度の変化でも周囲の環境の時間的変化は表現できる。
また、光源の制御は上述した時間(6時・8時・16時・18時)に限定されない。照明装置の設置される場所や季節を勘案して調整されていてもよい。
さらに、壁面に絵画等の静止画が嵌めこまれた場合を例示して説明したが、液晶ディスプレイ等の表示部がはめ込まれていても良い。表示部に映される風景等の画像(静止画・動画)に応じて、照明装置の照明環境を制御することにより、窓の雰囲気を醸し出す効果を得ることが可能となる。
特に、表示部に映し出される動画も時刻に対応して変化し、その動画の変化に対応して照明装置の照明環境を制御することにより、様々な場所の屋外の環境を室内の人に感じさせることが可能となる。