JP2009009890A - 照明装置および照明器具 - Google Patents

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光三 小川
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信雄 柴野
Kiyoshi Nishimura
潔 西村
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明子 斉藤
Erika Takenaka
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Abstract

【課題】輝度ムラを低減して器具効率を向上させることができ、かつ色ムラの発生を低減することが可能な照明装置およびこの照明装置を用いた照明器具を提供する。
【解決手段】光源となる半導体発光素子11と;半導体発光素子の光出射部11eと対向した入射面12aを有する導光体12と;導光体からの出射光を主として平行方向に制御するレンズ体13と;を具備する照明装置10を構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、発光ダイオード等の半導体発光素子を光源とした照明装置および照明装置を用いた照明器具に関する。
従来、この種の照明器具として、住宅等の天井面に設置された引掛シーリングに着脱可能に装着される器具本体と、器具本体の下面側に配設される環形蛍光ランプと、環形蛍光ランプを覆い器具本体の下面に着脱可能に取り付けられるグローブを備えたシーリングライトが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また近年、半導体発光素子、例えば、発光ダイオードの発光効率の向上により、一般照明用の光源として発光ダイオードを採用する照明器具が商品化され、この種の一般住宅用のシーリングライト等の照明器具においても、光源の一部、例えば、常夜灯の光源を発光ダイオードで構成したものが知られている(例えば、特許文献2参照)。さらに、特許文献3に示されるように、ハウジング内に長尺な光源と長尺な凸レンズ、乱反射層と空気層、さらにハウジングの出射面に光拡散層を備えた中空サイドライト方式の面照明装置が知られ、主に液晶バックライトや看板灯に用いられている。
特開2006−128147号公報 特開2003−242808号公報 特許第2657472号公報
一方、特許文献1および2に示されるような環形蛍光ランプを光源とするシーリングライトの場合には、住宅用としてやわらかい光が好まれる。このために発光面となるグローブの輝度ムラ、特に環形蛍光ランプに伴うリング状の明るいイメージおよび中心部分に生じる暗部を抑えることから、グローブに光の拡散性が高くて透過率の低い材料を使用する。その結果、一般的に器具効率(器具光束/ランプ光束)は50%程度で低くなっている。このため、光源として発光ダイオードをそのまま使用した場合、発光面に対して発光ダイオードを万遍なく配置させても、発光ダイオード自体の輝度が高いために、グローブにイメージが発生して輝度ムラが生じ、やはりグローブに光拡散性が高く透過率の低い材料を使用せざるを得ない。
また、特許文献3に示されるような、中空サイドライト方式にした場合、比較的容易に表示面の輝度の均斉度を高めることが可能となるが、住宅用のシーリングライトはバックライトや看板灯とは根本的に構造が異なりハウジング構造になっておらず、剥き出しの反射面に光源を取り付けて、全体を曲面形状のグローブで覆っている構造になっている。このため、シーリングライトの場合には、中空サイドライト方式のように光源部分をハウジングで隠すことができず、特に光源部付近に明暗の輝度ムラが生じやすくなり、グローブに光拡散性が高く透過率の低い材料を使用せざるを得なくなり器具効率が低下してしまう。
このため、近時、発光ダイオードと、光を主として平行方向に制御する長尺なコリメータレンズにより照明装置を構成し、この照明装置を器具本体の外縁部に配設し、器具本体の略中央部に向かって傾斜させた反射体と組み合わせた照明器具を開発した(特願2007−145208参照)。
これによれば、発光ダイオードの光出射方向に対向して配置される長尺なコリメータレンズにより、光を反射体に照射し、光を効率的に利用して均斉度を高め、全体として輝度ムラを低減し器具効率を向上させた照明器具を提供することができる。
しかしながら、光源となる発光ダイオードは、通常、青色LEDと黄色蛍光体を組み合わせ、青色光と黄色光の混色による白色を作り出す。このためレンズと組み合わせた場合に、青色光と黄色光が分離して色ムラが発生する問題が生じる。これはRGBの発光ダイオードを混色して白色を作り出す場合により顕著に現れる。
このため、光源を発光ダイオード等の半導体発光素子で構成し、レンズ体と組み合わせて白色を作り出す照明装置においては、全体としての輝度ムラを低減すると共に、如何にして色ムラの発生を解消するかが重要な課題となっている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、輝度ムラを低減して器具効率を向上させることができ、かつ色ムラの発生を低減することが可能な照明装置およびこの照明装置を用いた照明器具を提供しようとするものである。
請求項1に記載の照明装置の発明は、光源となる半導体発光素子と;半導体発光素子の光出射部と対向した入射面を有する導光体と;導光体からの出射光を主として平行方向に制御するレンズ体と;を具備することを特徴とする。
本発明により、光源となる半導体発光素子と、光を主として平行方向に制御するレンズ体により、輝度ムラを低減して器具効率を向上させることができる。
また、半導体発光素子の光出射部と対向した入射面を有する導光体により、色ムラの発生を低減することが可能となる。
本発明において、照明装置は、シーリングライト等の光源として組み込まれ照明器具を構成することが好ましいが、液晶表示装置のバックライトや看板灯を構成するものであってもよい。
半導体発光素子は、発光ダイオードやEL(エレクトロルミネッセンス)素子、半導体レーザーなど、半導体を発光源とした発光素子が許容される。また半導体発光素子は、直線または曲線等をなす発光モジュールとして構成され、必要な個数が選択されることが好ましい。また丸または角形の点状光源をなすように構成しても、またモジュールの形態にすることなく発光素子を単品で直接組み込んで構成する等、その手段は特に限定されない。
導光体は、光の入射面と出射面を有する透明なアクリル樹脂等からなる合成樹脂からなる導光板で構成することが好ましいが、乳白色などの半透明または着色されたものであっても、材質はガラス等で構成されたものであってもよい。形状は、入射面の面積に対し出射面の面積が小となるようにした、例えば、四角錐の頂点を平坦な面とした形状や楔形をなしていても、またレンズ体と一体に形成されていてもよい。
レンズ体は、導光体の光出射方向に対向して配置され、半導体発光素子からの光を主として平行方向に制御して広がりを持って出射させる長尺な凸レンズ等のレンズ体が好ましい。また、発光モジュールにレンズ体が一体に組み込まれていてもよい。さらに、レンズ体は、例えば、焦点を出た光が無収差の平行光となってレンズを出るコリメータレンズが好適であるが、これには限定されず、半導体発光素子からの光を主として平行光にして出射させる機能を有する全てのレンズ体が許容される。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の照明装置において、前記導光体は、入射面の面積に対し出射面の面積が小となるようにしたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の照明装置において、前記半導体発光素子は、色温度の異なる複数の発光ダイオードで構成したことを特徴とする。
色温度の異なる複数の発光ダイオードは、例えば、電球色、昼白色、昼光色等を発光する発光ダイオードで構成し、2列、3列など複数列に配置されることが好ましいが、他の発光色の発光ダイオードであっても、また配置は列でなく、マトリックス上に任意に配置されたものでもよい。また、複数の発光ダイオードは、光出力の制御や照明環境等に応じて選択され、または組み合わされて発光することが好ましい。
請求項4記載の照明器具の発明は、器具本体と;器具本体の外縁部に配設された請求項1ないし3いずれか一記載の照明装置と;照明装置に対向し器具本体の中央部に向かって傾斜させた反射体と;照明装置および反射体を覆うグローブと;を具備することを特徴とする。
本発明において、照明器具は、住宅用のシーリングライト等が好適であるが、住宅用に限らず、店舗、オフィス等施設・業務用の照明器具であってもよい。形状は、流し元灯、足元灯、階段埋込灯などライン形状のものでも、さらに、円形、楕円形等の丸形、正方形や長方形等の角形、さらには6角形や8角形等の多角形状をなしていてもよく、特定の形状には限定されない。
器具本体は、鉄板等の金属に白色塗装を施したものや白色の合成樹脂で円盤状のシャーシーとして構成され、中央部には天井等の器具取付面に設置された引掛シーリングに着脱可能に設置されるアダプタや、光源を点灯するための点灯装置を有するものが許容される。また形状は照明器具の形状に合わせた形状をなしていても、照明器具の形状とは別の形状をなしていてもよい。
照明装置は、直線または曲線等をなす光源体として構成され、必要な台数が選択されて器具本体の外縁部に配設されることが好ましい。また、器具本体の外縁部の全周囲に配設しても、例えば、角形をなす照明器具において、対向する辺にのみ配設するようにしてもよい。
反射体は、鉄板等の金属に白色塗装を施したものや白色の合成樹脂で構成されたもの、若しくはアルミニウムやステンレス等の金属を鏡面または半鏡面等に加工したものなどが許容され、両端部を照明装置に対向し、中間部分から器具本体の略中央部に向かって傾斜させた形状をなしていることが好ましい。傾斜部分は連続的に徐々に傾斜させたものでも、階段状など不連続に傾斜させたものであってもよい。
グローブは、照明装置および反射体を覆い、透光性を有する乳白色の半透明な合成樹脂、または強化ガラス等で構成されたものが許容される。色は乳白色に限定されず、用途、雰囲気等にあわせた各種の色が許容される。形状は、丸形、角形、多角形等に構成して各種形状の照明器具を構成することが好ましい。
請求項1記載の発明によれば、光源となる半導体発光素子と、主として平行方向に制御するレンズ体により、輝度ムラを低減して器具効率を向上させることができる。
また、半導体発光素子の光出射部と対向した入射面を有する導光体により、色ムラの発生を低減することが可能な照明装置を提供することができる。
請求項2記載の発明によれば、導光体は、入射面の面積に対し出射面の面積が小となるようにしたことにより、入射面を広くすることができ、半導体発光素子からの光を無駄なく取り込むことができ、効率のよい照明装置を提供することができる。
請求項3記載の発明によれば、半導体発光素子は、色温度の異なる複数の発光ダイオードで構成したので、色温度を可変することが可能な照明装置を提供することができる。
請求項4記載の発明によれば、輝度ムラを低減して器具効率を向上させることができると共に、色ムラの発生を低減することが可能な照明器具を提供することができる
以下、本発明に係る照明装置およびこの照明装置を用いた照明器具の実施形態について説明する。
図1〜図5に示すように、本実施例の照明装置10は、光源となる半導体発光素子11、導光体12およびレンズ体13で構成する。
半導体発光素子11は、発光ダイオード(以下「LED」と称す)で構成し、LED11は、同一色、本実施形態では青色LEDチップとこの青色LEDチップにより励起される黄色蛍光体により白色を発光する高輝度、高出力の複数個のLEDからなり、この各LEDは、一方向、すなわちLEDの光軸方向に光線が主として放射される同種性能のもので構成する。
複数個のLED11は、ライン状をなす基板11a上に配置され、直線状の長さが約100mmの線状の発光モジュール15として構成し、必要な個数、本実施例では5本の発光モジュールが選択されて1本の長尺な光源体16を構成する(図2(b))。
基板11aは、図1(b)に示すように、熱伝導性の良好なアルミニウムで構成され、発光装置に必要とされる発光面積を得るために横断面がコ字状の長い凹溝11bを形成した薄い箱状をなし、その凹溝の内面を反射面となし、その表面に可視光の反射率の高い白色塗料等を塗布して形成する。さらに、凹溝の内底面に複数個のLED11をそれぞれ実装した長方形のプリント配線基板11cが重ねられて配置され、さらに凹溝内に蛍光体11dを充填する。すなわち、この充填は、各LEDの外側を覆い、所定の蛍光体をシリコーン樹脂やエポキシ樹脂等の透明な樹脂に加えて混合・分散させた層として形成する。これにより、基板11a上に複数個のLEDが1列に配置された光出射部11eを有する発光部が形成される。なお、LED11は、青色LEDチップからなり、蛍光体11dは、この青色LEDチップにより励起される黄色蛍光体を充填する。上記に各LED11を配置し構成された基板11aは、ヒートシンクとしてのアルミニウムからなる基体11fの凹部に嵌合され密着してボルト11gにより固着される。
導光体12は、図2(a)に示すように、一端面に光の入射面12aを他端面に出射面12bを形成した断面が長方形状の立方体をなす透明なアクリル樹脂等の合成樹脂で形成された導光板で構成する。導光体の入射面12aは、平面状に形成され、その平坦面を上記基板11aの凹溝11dに対し光が漏れないように対向させて装着する。この際、各LED11の発光中心xが導光体の入射面12aの中心に位置するように装着する。これにより各LED11の光出射部11eと導光体の入射面12aが対向して配設される。
レンズ体13は、焦点を出た光が無収差の平行光となってレンズを出るコリメータレンズで構成する。コリメータレンズ13は、長尺状をなし平滑な入射面13a、入射面の中心に第一焦点aを有する断面略楕円形状をなす出射面13b、入射面の上下部分を切り欠いて形成した断面三角形状の凹部13c、13cおよび凹部の両側に一体に形成した支持部13d、13dを一体に形成する。このコリメータレンズは、導光体12の出射面12bに対向して配設される。すなわち、導光体の出射面12bは平面状に形成され、その平坦面をコリメータレンズの入射面13aに光が漏れないように密着し装着する。この際、導光体12の出射面12bの発光中心b、これは入射面12aの中心と一致する。換言すれば、各LED21の発光中心xがコリメータレンズ13の第一焦点aより所定の寸法cだけ片寄って、図1において下方(図2(a)において上方)、これは、本装置により後述する照明器具を構成する場合にグローブ側に片寄って位置するようにして装着する。さらに、コリメータレンズ13は、支持部13d、13dを使用してヒートシンクである基体11fの発光面側にボルト13eにより取り付けて支持される。これにより、導光体12がLED11の光出射部11eとコリメータレンズ13の入射面13aとの間に挟持されて支持される。
上記構成のコリメータレンズ13は、長さ約500mmの長尺な1本のコリメータレンズで長さ約100mmの5本の発光モジュール15(全長約500mm)を全て覆い配設して照明装置10を構成する。(図2(b))
上記構成の照明装置10を点灯すると、各LED11が発光し、図2に示すように、各LEDから放射される光は導光体12の入射面12aから導光体内に導入され、導光体内で青色LEDチップから放射される青色の光と黄色蛍光体から放射される黄色の光が混色されて白色の光となり出射面から出射される。出射された白色の光はコリメータレンズ13の第一焦点aから導入され、第一焦点aを出た光が無収差の平行光となって断面略楕円形状をなす出射面13bから上方に出射される。
これにより、コリメータレンズ13の焦点aを出た光が無収差の平行光となって光を無駄なく前方に照射して光を効率的に利用することができる。さらに、各LED11の発光中心xがコリメータレンズ13の第一焦点aより所定の寸法cだけ片寄っているので、光が拡散せずに必要とする方向(図2(a)において上方)に集中して放射することができ、無駄な方向への光が抑制され、効率よく目的とする均斉度が得られる。
同時に、導光体12内で青色LEDチップから放射される青色の光と黄色蛍光体から放射される黄色の光が混色されて白色の光となりコリメータレンズ13を介して色ムラのない光が出射される。
また、1本の長尺なコリメータレンズ13によって長さ約100mmの5本の発光モジュール15の繋ぎ目の目地部分を覆っているので、コリメータレンズ13からはムラのない均一な光が放射される。なお、コリメータレンズ13の入射面13aに形成した断面三角形状の凹部13c、13c内に、5本の発光モジュールそれぞれを電気的に接続するための配線コードや連結のための接続部品等を収納して構成する。
次に、上記に構成された照明装置を用いた住宅用のシーリングライトからなる照明器具20の構成を図3〜図4に従い説明する。
照明器具20は、器具本体21、上記構成の2台の照明装置10、反射体22およびグローブ23からなる。
器具本体21は、鉄板等の金属に白色塗装を施した一辺が約500mmの正方形をなすシャーシーとして構成され、シャーシーの略中央部には天井等の器具取付面に設置された引掛シーリングに着脱可能に設置されるアダプタ24を設ける。さらに、アダプタの周囲の空間部に照明装置10を点灯するための点灯装置25を取り付け、対向する辺の外縁部26、27に照明装置10を設置するための設置部28、29を設ける。図中30は、リモコン受光部である。
照明装置10は、2台用意され器具本体21の対向する辺の外縁部26、27に設けられた設置部28、29に1台ずつ、発光部である各LED11がそれぞれ対向するようにして器具本体21の外縁部に配設する。すなわち、器具本体21のそれぞれの設置部28、29にはシャーシーから一体に形成された支持板31が立設され、支持板に各照明装置10の基体11fを取り付けて支持する(図3(b))。
この際、図1に示すように、各照明装置10におけるLED11の発光中心x、すなわち導光体12の出射面12bの中心点bをコリメータレンズ13の第一焦点aに対して所定の寸法cだけグローブ23側(図1において下方)に偏心させて装着する。
支持板31は、各LED11の放熱板の作用を兼ね、また支持板の後面とグローブ23の外周部内面との間で形成される空間部s内に、各照明装置10と点灯装置25を配線するためのコード等を収納する。
反射体22は、鉄板等の金属に白色塗装を施した平板状をなし、両端部を2台のそれぞれの照明装置10における各LED11に対向させ、中間部分から器具本体の略中央部に向かって連続的に徐々に傾斜させた傾斜部22aを形成する。反射体は、器具本体21を構成するシャーシーの略中央部に、ネジ若しくはスポット溶接等の手段で固定される。
グローブ23は、透光性を有する乳白色の半透明な合成樹脂で構成し、浅い皿状の球面状をなす発光部23aと、器具本体21の外縁部26、27に対応する部分に外周部を残して上面を開口することにより形成した開口部23bとを一体に形成し、器具本体の下方から被せることにより照明装置10および反射体22を覆うように器具本体21の下面全体を囲むようにして取り付けられる。なお、グローブ23は公知の凹凸の係合手段や取付金具等の手段で器具本体の外縁部に着脱可能に取り付けられる。
上記のように構成されたシーリングライトからなる照明器具20は、天井等の器具取付面に設けられた引掛シーリングにアダプタ24を係合し、アダプタを器具本体に係合することにより、電気的に電源と接続されると同時に、機械的に支持され設置される(図3(a))。
上記に設置された照明器具20を点灯すると、2台の照明装置10のそれぞれのLED11が発光し、LEDから放射された光は各LED11の発光中心xがコリメータレンズ13の第一焦点aより所定の寸法cだけ片寄っているので、光が拡散せずに必要とするグローブ23側と反射体22の傾斜部22aに向かって放射され、さらに反射体で反射した光はグローブ23を内面側から照射し、部屋全体にわたり略均一な明るさで照明する。この際、2台の照明装置10が、それぞれ器具本体21の外縁部26、27に配設され、従来のように環形蛍光ランプが器具本体の中央部に存在しない。このため、ランプイメージがグローブの照射中心部に現れずに均斉度が向上する。
同時に、各LED11から放射される光は導光体12の入射面12aから導光体内に導入され、導光体内で青色LEDチップから放射される青色の光と黄色蛍光体から放射される黄色の光が混色されて白色の光となり出射面から出射され、コリメータレンズ13を介し、さらに反射体22で反射されてグローブ23の内面から照射さる。これにより、グローブ23からは色ムラのない白色の光が放射され部屋の照明を行う。
上記から明らかなように、本実施例の照明器具を点灯すると、均斉度が良好となってグローブ全体としての輝度ムラが低減し、均斉度を一層向上させることができ、従来のように、グローブ全体の透過率を下げて輝度ムラを低減する必要がなくなり器具効率を上げることができる。特に、レンズ体として焦点を出た光が無収差の平行光となってレンズを出るコリメータレンズ13を使用したので、光源の光を無駄なく前方の反射体22に照射して光を効率的に利用することができると共に、目的とする均斉度を容易かつ確実に得ることができる。さらに、各LED11の発光中心xがコリメータレンズ13の第一焦点aより所定の寸法cだけ片寄っているので、コリメータレンズ13により上向き(反グローブ側)の光が抑制されるため、輝度ムラが抑制され効率よく均斉度が得られる。しかも、グローブ23の透過率を変えることなく行えるので、一層簡易な手段で効果的な均斉度を得ることができる。同時に、導光体12内で青色LEDチップから放射される青色の光と黄色蛍光体から放射される黄色の光が混色されて白色の光となりグローブからは色ムラのない白色の光で照明を行うことができる。また、器具本体21の各照明装置10を支持した支持板31と、グローブ23の外周部との間に空間部sが形成され、暗部になりやすくなるが、その部分には導光体12が位置し、導光体から漏れる光によって照らされで暗部が目立たなくなる。各LED21から発生した熱は、各発光モジュール15の基板11aおよび基体11fを介し、シャーシーに一体に形成された支持板31を経由して面積の広いシャーシーに伝達され効率よく放熱される。
上述した照明器具20は、部屋の雰囲気等に合わせた数多くのグローブ形状の機種、ラインナップに対して、次のように対応する。すなわち、照明器具における照明装置10の光出力および反射体22の形状や反射特性は、普及機種等の典型的なグローブ形状に対して輝度均斉度が得られるように設計し、意匠的にグローブ形状を変化させる機種に対しては、照明装置10および反射体22は共通化し、グローブ自体の透過率を制御して対応する。グローブ23の透過率の制御は、例えば、グローブの肉厚の変更による手段でも、さらには、スクリーン印刷によるグラデーションを形成して透過率を変化させても、拡散材の配合を変化させることによって形成しても、凹凸部等による拡散部の密度を変化させて形成するようにしてもよい。これにより、照明装置10および反射体22をラインナップされた各機種に対して共通化することができ、開発コスト、および部品コストを削減することができる。
また、本実施例の照明装置10によれば、各LED11の中心位置を偏心させることにより、配光の制御も行うことが可能となる。因みに、コリメータレンズ13の焦点aに対してグローブ側に偏心させると光は下向きに、反グローブ側に偏心させると光は上向きになる。
以上、本実施例の照明装置において、導光体12をコリメータレンズ13と別体に構成し、その出射面を平坦にしてコリメータレンズの入射面13aに光が漏れないように密着して装着したが、導光体をコリメータレンズと一体に形成してもよい。これにより、導光体とコリメータレンズとの間に境界をなくすことができるので、光ロスを一層確実に軽減させることができる。
また、導光体12は、図5(a)に示すように上面および下面に凹溝またはフロスト加工等の光拡散手段12cを形成して、導光体から拡散する一部の光によって、グローブ23の外周部に形成される空間部sを照らして暗部が一層目立たなくなるようにしてもよい。
コリメータレンズ13の入射面13aに形成した断面三角形状の凹部13c、13cは省略してもよい。また、図5(a)に示すように、斜めにカットして傾斜部13eを形成してもよい。これにより、材料費の低減が可能になると共に、レンズ体成形時のスピードが速まりコスト的に有利になる。さらに傾斜部にフロスト処理等の光拡散手段を形成し、レンズ体から拡散された一部の光によりグローブ23の外周部との間に形成される空間部sを照らし暗部が、さらに目立たなくなるようにしてもよい。さらに、導光体12に光拡散手段12cを形成すると同時にコリメータレンズ13の傾斜部13にも光拡散手段を形成し、空間部sを一層明るく照らすようにしてもよい。
本実施例の照明器具20において、コリメータレンズ13によって均斉度を向上させると共に、グローブ自体の透過率を制御して行う均斉度向上手段を組み合わせ、より一層確実な均斉度を得るように構成してもよい。均斉度向上手段としては、例えば、グローブの肉厚の変更による手段、スクリーン印刷によるグラデーションを形成して透過率を変化させる手段、拡散材の配合を変化させる手段、凹凸部等による拡散部の密度を変化させる手段が好適である。
また、照明装置10を支持する支持板31を、シャーシーと一体に形成したが、アルミニウム等で構成した別体の支持板で構成してもよい。この場合も支持板をシャーシーに取り付けることにより、熱的に接続されてLEDの放熱作用も行うことができる。
角形の照明器具を構成して、照明装置10を対向する外縁部26、27に2台配設したが、各4辺に計4台の光源を配置してもよい。さらに、1辺に多数の照明装置10を連結させて、流し元灯、足元灯、階段埋込灯などライン状の照明器具を構成してもよい。さらに丸形の照明器具を構成し、発光モジュール15をリング状に連結して照明装置を構成し、器具本体21の外縁部の周囲全体にわたって配設するようにしてもよい。照明器具をペンダント形のシーリングライトを構成したが、天井直付け形のシーリングライトを構成しても、さらに店舗、オフィス等施設、業務用などの各種の照明器具を構成してもよい。
本実施例は、導光体を、その入射面の面積に対し出射面の面積が小となるように構成し、LEDからの光を無駄なく取り込むことができるようにしたものである。
以下、図6に従い、その構成を説明する。なお、図6には実施例1と同一部分には同一符号を付し詳細な説明は省略する。
図6に示すように、導光体12は、図6(b)に示すように、四角錐の頂点を平坦な面とした形状に形成し、入射面12aの面積に対し出射面12bの面積が小となるよう構成する。
これにより、入射面12aを広く構成することが可能となり、各LED11からの光を無駄なく取り込むことができ、効率のよい照明装置10を提供することができる。同時に出射面13bを小さくすることができ、出射面からの光をコリメータレンズ13の焦点aに確実に絞り込むことが可能になる。これにより、照明器具20に組み込んだ場合、器具の均斉度を高めることができ、同時に混色した白色を絞り込んでコリメータレンズに出射することができるので色ムラも効果的に解消することができる。
その他、本実施例における他の構成、作動、作用効果、変形例等は、実施例1と同様である。
本実施例は、複数個のLEDを、基板に対し、例えば、2列、3列等、複数列に配置し、上述した実施例2の四角錐の頂点を平坦な面とした形状の導光体と組み合わせ、幅広く配置されたLEDからの光を有効に取り込むと共に、光出力を可変したり、色温度の異なる照明に切り替えることができるように構成したものである。
以下、図7〜図8に従い、その構成を説明する。なお、図7〜図8には実施例1、実施例2と同一部分には同一符号を付し詳細な説明は省略する。
図7(a)〜(c)に示すように、基板11aは3列に構成され、それぞれの凹溝11bの内底面に複数個のLED11を配置し、さらに凹溝内に蛍光体11dを充填する。LED11は、青色LEDチップからなり、蛍光体11dは、この青色LEDチップにより励起される黄色蛍光体を充填する。
上記に構成された基板11aに対し、導光体12の面積の広い入射面12aを対向させて密着させ、各3列に配置されたLED11の光を無駄なく取り込むように構成する。これにより、照明装置10の光出力を増加させることが可能となり、また別途の出力切り替え回路を構成し、1列のみ点灯、2列、3列点灯に切り替えることにより、容易に光出力を切り替えることも可能となる。なお、各列毎のLEDの光出力自体を異ならせたもので構成して切り替えるようにしてもよい。
また、図8(a)〜(c)に示す照明装置10は、色温度の異なる照明に切り替えることができるものである。
すなわち、基板11aを2列に構成し、一方の凹溝11b内には、青色LEDチップと、この青色LEDチップにより励起される黄色蛍光体11dを充填して色温度6700Kの光を発光させるLED11を構成し、複数個配設する。
他方の凹溝11b´内には、青色LEDチップと、この青色LEDチップにより励起される黄色蛍光体および赤色蛍光体を混合した蛍光体11d´を充填して色温度3000Kの光を発光させるLED11´を構成し、複数個配設する。
上記構成の各LED11、11´を配設した基板11aの各凹溝11b、11b´に対し、導光体12の面積の広い入射面12aを対向させて装着し、各2列に配置されたLEDの光を無駄なく取り込むように構成する。
上記のように構成された照明装置10を照明器具に組み込むことにより、例えば、店舗内を各種の照明環境に合わせた照明を行うことができる。例えば、夏季の暑い時期に部屋を涼しく感じさせる照明を行いたい場合には、まず、別途に構成した制御回路のスイッチを「昼光」の切換表示に合わせる。これにより、一方の凹溝11bに配置された色温度6700KのLED11が発光し、昼光色(6500K)に近い色温度の光が放射され、青みがかった色で「涼さを」演出した照明環境をつくることができる。
また、春、秋の快適な時期の環境に合わせて、軟らかい太陽光に近い白色の照明を行いたい場合には、スイッチを「昼白」の切換表示に合わせる。これにより、一方の凹溝11bの色温度6700KのLED11と、他方の凹溝11b´の色温度3000KのLED11´の両方が発光し、昼白色(5000K)に近い色温度の光が放射され、軟らかい太陽光に近い白色に演出した照明環境をつくることができる。
また、冬季の寒い時期に部屋を暖かく感じさせる照明を行う場合には、スイッチを「電球」の切換表示に合わせる。これにより、他方の凹溝11b´の色温度3000KのLED11´が発光し、電球色(2800K)に近い色温度の光が放射され、赤みがかった色で「暖かさを」演出した照明環境をつくることができる。
その他、本実施例における他の構成、作動、作用効果、変形例等は、実施例1および実施例2と同様である。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明は上述の各実施例に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の設計変更を行うことができる。
本発明の第一の実施形態に係る照明装置を示し、(a)は一部を切り欠き断面して示す斜視図、(b)は基板部分を拡大して示す断面図。 同じく照明装置を示し、(a)は光学特性を説明するための側断面図(b)は正面図。 同じく照明器具を示し、(a)は縦断面図、(b)は器具本体の外縁部を拡大して示す断面図。 同じく照明器具のグローブを外した状態の平面図。 同じく照明装置の変形例を示す側面図。 本発明の第二の実施形態に係る照明装置を示し、(a)は側断面図、(b)は導光体の斜視図、(c)は基板の正面図。 本発明の第三の実施形態に係る照明装置を示し、(a)は側断面図、(b)は(a)のA部を拡大して示す断面図、(c)は基板の正面図。 同じく第三の実施形態における変形例を示し、(a)は側断面図、(b)は(a)のA部を拡大して示す断面図、(c)は基板の正面図。
符号の説明
10 照明装置
11 半導体発光素子
11e 光出射部
12 導光体
12a 入射面
12b 出射面
13 レンズ体
13a 入射面
13b 出射面
20 照明器具

Claims (4)

  1. 光源となる半導体発光素子と;
    半導体発光素子の光出射部と対向した入射面を有する導光体と;
    導光体からの出射光を主として平行方向に制御するレンズ体と;
    を具備することを特徴とする照明装置。
  2. 前記導光体は、入射面の面積に対し出射面の面積が小となるようにしたことを特徴とする請求項1記載の照明装置。
  3. 前記半導体発光素子は、色温度の異なる複数の発光ダイオードで構成したことを特徴とする請求項1または2記載の照明装置。
  4. 器具本体と;
    器具本体の外縁部に配設された請求項1ないし3いずれか一記載の照明装置と;
    照明装置に対向し器具本体の中央部に向かって傾斜させた反射体と;
    照明装置および反射体を覆うグローブと;
    を具備することを特徴とする照明器具。

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