JP5137454B2 - インクジェット記録ヘッド、インクジェット記録カートリッジ、およびインクジェット記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド、インクジェット記録カートリッジ、およびインクジェット記録ヘッドの製造方法 Download PDF

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本発明は、物流時等にヘッド面を保護する保護テープが貼り付けられるインクジェット記録ヘッド、インクジェット記録カートリッジ、およびインクジェット記録ヘッドの製造方法に関する。特にヘッドの吐出口形成面表面の一部領域に対して改質が施され保護テープの粘着性が調整されたインクジェット記録ヘッド、インクジェット記録カートリッジ、およびインクジェット記録ヘッドの製造方法に関する。
近年、デジタルカメラ等の高解像度化が進むに伴って、高記録品位の写真を記録可能な記録装置が普及しつつある。中でも記録媒体に向けてインクを吐出することで記録を行うインクジェット記録装置が普及しており、そのインクジェット記録装置に用いられるインクジェット記録ヘッドは、種々の方式によりインク滴を吐出するものが知られている。インクを吐出するために利用するエネルギとして、熱を利用するインクジェット記録ヘッドは、高密度のマルチノズル化を比較的容易に実現でき、高解像度、高画質で、また高速な記録を可能とするものである。記録の高品位化の一方で、従来のビジネス文書やWebページを記録する要求も無くなったわけではなく、むしろ画像および文字の高記録品位化と記録速度の高速度化の両立が求められている。
この対応策として、文字を記録する際には吐出インク滴が大きく、濃度の濃い顔料ブラックインク(Bk)で記録を行い、Webページを記録する際には顔料ブラックインク(Bk)とカラーインクのシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)を併用する。そして、写真の記録を行う場合には、カラーインクのみを使用して記録を行うという記録方法を用いた記録装置が市販されている。
近年のインクジェット記録装置は高画質記録を実現するために、吐出するインク滴の大きさはますます小さくなっており、その量は数plとなっている。そして、この数plのインク滴を吐出する吐出口の口径は10μm程度であり、吐出口と連通するように構成されたノズルを形成するノズル壁の厚さも、薄い部分では10μm程度となっている。このような吐出インクの微細化に伴い、吐出するインクの着弾位置精度を高めるために、これらの吐出口が形成されている面(吐出口形成面)には撥インク処理が施されている(特許文献3、特許文献4)。また、上記のように微細に加工された吐出口を物流に供されている間保護するために、吐出口形成面に、保護テープが貼り付けられる(特許文献1、特許文献2、特許文献5)。その保護テープは、記録ヘッドを使用する時に、ユーザが剥がすことになる。
特開平05−084925号公報 特開平11−348316号公報 特開2002−355979号公報 特開2003−266720号公報 特開2004−148746号公報
記録ヘッドに貼り付けられる保護テープは、主として基材と粘着層とから構成される。粘着層の粘着力が強いと剥がす際に吐出口部が破壊されてしまうおそれがある。そのため、粘着力の弱い粘着層を備えた保護テープを用いることがもとめられる。しかし、その粘着力が弱すぎる場合には、自動機による記録ヘッドの製造時の搬送や、梱包の際に保護テープごと記録ヘッドをクランプする時に、保護テープが剥がれ落ちてしまうおそれがあった。保護テープが貼られた部分をクランプしない構成も試みたが、搬送による振動や、加減速による風圧の変化によって剥がれることもあり、保護テープが十分な機能を発揮できないこともあった。
特に、吐出口形成面には、上述したとおり全領域にわたって撥インク剤が塗布されているため、保護テープを貼った直後の保護テープの密着力は弱く剥がれを助長していた。また吐出口形成面と保護テープの粘着層とは完全に剥がれなくても、部分的に1μm浮いただけでその部分に毛細管現象によってインクが滲み出してしまい、そのインクは輸送中などに固着し、ユーザが使用する際には吐出不良の原因となってしまう。
以上の点を解消する目的で、保護テープの粘着層に対して加工を加え、粘着力を領域によって変更した構成が提案されている(特開2006−212796号公報)。この提案では、吐出口周辺は粘着力を弱く、その周縁では粘着力を強くする構成を開示している。これによって、保護テープの剥れを防止するとともに、保護テープを剥がした際の吐出口付近の破壊を防止することができる。しかしこの構成では、粘着力の異なる領域を区分した保護テープを記録ヘッドに貼り付けるに際して位置決めを正しく行なう必要があり、貼り付け工程が大掛かりなものとなる虞がある。また、粘着力の異なる領域が正しく対応する位置に合わせられない場合には上述した課題を引き起こす虞がある。また、たとえば、完成した記録ヘッドに対して保護テープを貼り付け位置決めを行なった後、粘着力を変えたい個所に局所的にUV線を照射して所望する粘着力に変化させる構成とする場合には、製造工程や製造装置が複雑で大掛かりなものとなってしまう。
本発明は上述した課題に対して、製法上特別な工程や装置を必要とせず、保護テープの記録ヘッドからの剥離力を、保護テープ自体を加工せずに対応できるインクジェット記録ヘッドを提供することを目的とする。
また本発明は、記録ヘッドの吐出口形成面を改質して、単一の粘着能力を備えた保護テープを貼り付けても記録ヘッドとの粘着状態(記録ヘッドからの剥離力)が領域によって異なるようにしたインクジェット記録ヘッドを提供することを目的とする。
また本発明は、保護テープが製造時や搬送時に剥がれ落ちない十分な粘着力と、剥がす際に容易に剥がれ、吐出口部を破損しないように吐出口形成面が改質されたインクジェット記録ヘッドを提供することを目的とする。
また本発明は、上記のインクジェット記録ヘッドを用いたインクジェット記録カートリッジを提供することを目的とする。また、このようなインクジェット記録ヘッドを特別な製造工程を付加することなく製造する記録ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
本発明のインクジェット記録ヘッドは、複数のインク吐出口によって形成される吐出口列を備えた吐出口形成面に対して保護テープが貼り付けられインクジェット記録ヘッドにおいて、前記吐出口形成面の前記吐出口列の両端部に位置する吐出口よりも吐出口列の延在方向の外側の領域に対して表面改質が施されており、該外側の領域の前記保護テープに対する剥離強度が他の領域の剥離強度よりも相対的に高く、前記吐出口列の延在方向の各端部の吐出口の外側で表面改質が施された領域同士は、前記吐出口列の延在方向において表面改質が施された領域によってつながっていないこと特徴とする。
また、本発明のインクジェット記録ヘッドは、複数のインク吐出口を列状に備えた吐出口形成面に対して保護テープが貼り付けられて物流に供されるインクジェット記録ヘッドにおいて、前記吐出口形成面の前記吐出口列の両端部に位置する吐出口よりも吐出口列の延在方向の外側の領域の前記保護テープに対する剥離強度が他の領域よりも相対的に高い領域となっており、剥離強度が他の領域よりも相対的に高い領域は表層酸素量が他の領域よりも相対的に高いことを特徴とする。
また、本発明のインクジェット記録カートリッジは、前記インクジェット記録ヘッドと、前記インクジェット記録ヘッドに供給されるインクを収容するインクタンクと、を備え、前記インクジェット記録ヘッドと前記インクタンクとが組み合わされて記録装置に対して着脱されることを特徴とする。
また、本発明のインクジェット記録ヘッドの製造方法は、複数のインク吐出口を列状に備えた吐出口形成面を備えた記録ヘッドチップと、該記録ヘッドチップが取り付けられる枠体と、を備えて構成されるインクジェット記録ヘッドの製造方法において、
エネルギ線を照射して前記記録ヘッドチップを前記枠体に対して仮固定する工程で、前記記録ヘッドチップの吐出口形成面の前記吐出口列の両端部に位置する吐出口よりも吐出口列の延在方向の外側の領域に対して前記エネルギ線を照射して、表層酸素量を他の領域よりも相対的に高い領域として加工したことを特徴とする。
本発明によれば、保護テープを貼るインクジェット記録ヘッドの吐出口形成面の特定部分に紫外線などのエネルギ線を照射して表面改質を施すことで、その部分における表層酸素濃度を他の領域に対して相対的に高めることができる。これにより保護テープの粘着層との密着力(剥離強度)を高めることができる。その結果、粘着力の弱い粘着層をもつ保護テープでも製造時や搬送時に剥がれ落ちない保護テープの十分な粘着力によるヘッドの保護を達成できる。また、使用時にユーザが保護テープを剥がす際に容易に剥がれ、吐出口部を破損することもない。すなわち、物流時のヘッドの保護を目的とした十分な粘着性と、使用開始前に保護テープを剥す際に吐出口を破損しないことを目的とした容易な剥れ性という相反する特性を両立できる。
また、ヘッドチップを枠体に仮固定する際のエネルギ線の照射を利用して同じ工程内で照射領域を調整するだけで吐出口形成面の特定の領域にエネルギ線を照射することができ、特別な製造工程や装置を必要とせずに表面改質処理を行なうことができる。
(第1の実施形態)
(記録装置の全体構成)
図1は、本発明の第1の実施形態のインクジェットカートリッジを着脱可能なインクジェット記録装置の斜視図である。インクジェット記録装置101には、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色のインクを吐出する複数の吐出口からなる平行な3列の列状の吐出口(吐出口列)を備えたカラー用インクジェットカートリッジ104が備えられている。さらにインクジェット記録装置101には、ブラック(Bk)のインクを吐出する吐出口列を備えたブラック用インクジェットカートリッジ(以後、Bkカートリッジともいう)103が備えられている。これらのカートリッジには、インクを吐出可能なインクジェット記録ヘッドと、インクジェット記録ヘッドに供給するインクを収容するインクタンクとが備えられている。更にこれらの2つのカートリッジを保持するキャリッジ105、キャリッジ105のガイドシャフト106、キャリッジ105の走査方向の位置を読み取るエンコーダフィルム113、キャリッジ105を駆動させる不図示のキャリッジモータ、信号伝達ケーブル107等から構成されている。また、インクジェット記録装置のホームポジションには、記録休止時などにインクジェット記録ヘッドを保護したり、インクジェット記録ヘッドからのインク吐出状態を維持するために用いられるキャップ109、111が配されている。さらには、記録時にインクジェット記録ヘッドの吐出口形成面に付着したインクを拭い去るクリーニングブレード108、110が配されている。また、インクジェット記録装置の操作部112を備えている。
図2(a)は、Bkカートリッジ103の主要部を示した斜視図である。Bkカートリッジ103には発熱抵抗体でインクを加熱して吐出させるチップ状のインクジェット記録ヘッド(以下、記録素子または記録ヘッドチップともいう)123と、記録素子123にインクジェット記録装置101からの駆動信号等を伝達する電気配線基板120が備えられている。さらにBkカートリッジ103の記録素子123は、紫外線硬化型の接着剤でインクタンク127に固定されており、記録素子123と電気配線基板120との電気的接続部を保護する封止部124を備えている。インクタンク127には、Bkインクカートリッジ103をキャリッジ105に装着する際に用いるガイド121、一方側の2つの突き当て基準面125、126、他方側にも不図示の基準面が設けられている。
図2(b)は、カラー用インクジェットカートリッジ(以下、Clカートリッジともいう)104の主要部を示した斜視図である。Clカートリッジ104には、Bkカートリッジ103と同様の、記録素子133、電気配線基板130、封止部134、インクタンク137が備えられている。そして、インクタンク137には、これもBkカートリッジ103と同様の、一方側の2つの突き当て基準面135、136、他方側の不図示の基準面が設けられている。
図3は、射出成型によって形成し、内部にインクろ過フィルタ(不図示)を溶着して得たインクタンク137の筐体(枠体)の所定の位置に、記録素子133と電気配線基板130とを電気的に接続したユニットFを固定する様子を模式的に表した斜視図である。なお、インクタンク137の固定機構や記録素子133と電気配線基板130とを電気的に接続したユニット(以下、単にユニットともいう)Fの保持機構、観察機構等は、簡略化のため省いている。同図において、紫外線硬化型接着剤146は、記録素子133をインクタンク137の枠体に固定するためのものであり、光ファイバ145は紫外線硬化型接着剤146を硬化させる際に紫外線を照射するものである。電気配線基板130には電気配線基板130と記録素子133とを接続するためのインナーリード147と、電気接続パッド148とが設けられている。
図4(a)、(b)はBkカートリッジ103とClカートリッジ104とにそれぞれ保護テープを貼り付けた状態を示している。図においてタグテープ129、139は、ユーザが保護テープを剥がす際に持つ部分であり、この部分には粘着層は設けられていない。また、保護テープ128、138上には、電気配線基板120、130やインクタンク127、137等の部分に貼り付くのを防止するために粘着層の接触面積が少なくなるように加工されたディンプル加工部151、161が設けられている。
Bkカートリッジ103もClカートリッジ104も略同様の構造を有しているため、ここからはBkカートリッジ103を例にとって説明する。
上記のような、Bkカートリッジ103を用いるインクジェット記録装置101では、インクタンク127内のインクが無くなった場合には、Bkカートリッジ103ごと新しい物に交換するため、市場にはBkカートリッジ103の形態で流通している。市場で流通する際には輸送中の衝撃やインクを乾燥から保護する必要があり、特に記録素子123部は傷やゴミ、インクの固着等に対してとてもデリケートであり、これらから保護するためにフィルム状の保護テープ128を用いて保護した形で流通される。
保護テープ128は、ポリエチレンテレフタレート等でできた基材と、アクリル系あるいはホットメルト系の粘着層からなり、記録素子123の有する吐出口を塞ぐように粘着層を記録素子123の面に密着させて吐出口を保護する。Bkカートリッジ103を新品の物と交換する際には、ユーザはBkカートリッジ103の記録素子123部に貼られた保護テープ128を引き剥がしてインクジェット記録装置101に装着する。
図5は、保護テープ138が貼られたClカートリッジ104の記録素子133を示した図である。インク滴を吐出する吐出口141が直線上に配列されて、各色毎の吐出口列142C、143M、144Yが形成されている。吐出口141を有する吐出口形成面Gには、保護テープ138が各色の吐出口列142C、143M、144Yの全てを覆うように貼り付けられている。
(特徴的構成)
そして、吐出口形成面Gには記録の信頼性向上のために全領域にわたってフッ素を含む含アルキルシロキサンエポキシ樹脂によってインクをはじく撥インク処理が成されている。また、記録素子133の短手方向に沿った長手方向両端部(吐出口形成面133の吐出口列142C、143M、144Yの両端部に位置する吐出口141よりも吐出口列の延在方向の外側の領域)にある帯状の照射領域11に、保護テープ138を貼る前に、ホーヤ カンデオ オルトロニクス(株)EXECUR3000を用いて紫外線(以下、UV光ともいう)を照射した。
ここで、素材にUV光を照射することによる表面改質について説明する。短波長の紫外線から照射されるエネルギは高いレベルであり分子結合を切断したり、化学反応を促進するフォトンエネルギを有している。UV光を照射すると、まず酸素O2にUV光があたりオゾンO3が生成され、その後その生成されたオゾンO3に紫外線や熱が吸収されることによりオゾンO3が分解し活性酸素O*が生成されて、この活性酸素O*が素材表面の有機物を酸化あるいは除去する。また、用いるUV光の波長によっては、UV光のエネルギは有機物内の共有結合エネルギよりも高くなり、分子内共有結合を直接切断し分解することでウェット洗浄では得られない有機物除去効果を得ることができる場合もある。また、生成された活性酸素と結合反応してアシル基(COH)、ヒドロキシル基(OH)、カルボキシル基(COOH)などが吐出口形成面Gに形成されて、吐出口形成面Gにおける表層酸素量が増大し、化学結合効率が改善される。
保護テープ138と記録素子133との剥離強度の関係が、照射するUV光のエネルギ密度に応じて変化することを図6に示す。剥離強度は図7示すような測定装置を用いて測定した。測定試料に対して保護テープ138を貼り付けたものを用意し、保護テープ138のタグテープ139部分をクランプ200に取り付ける。クランプ200はステージ202上に取り付けられたプッシュプルゲージ201と連結されている。保護テープ138を引き剥がす方向にステージ202を移動させて保護テープ138を引き剥がす。この時のプッシュプルゲージ201によって剥離強度が測定される。本件においてステージ202の移動速度は165mm/secとしている。
ここで、剥離強度の測定について更に説明する。表面改質を施していない領域の保護テープに対する剥離強度とは、記録ヘッドの吐出口形成面に対して表面改質を施していない物品の吐出口形成面全体に保護テープを貼り付けた状態で、上記試験機によって測定した場合をいう。一方、表面改質を施した領域の保護テープに対する剥離強度とは、記録ヘッドの吐出口形成面の特定の領域(吐出口形成面の吐出口列の両端部に位置する吐出口よりも吐出口列の延在方向の外側の領域)に対して表面改質を施した物品の吐出口形成面全体に保護テープを貼り付けた状態で、上記試験機によって測定した場合をいう。したがって、表面改質を施した領域のみの剥離強度を測定しているものではないが、表面改質した領域の剥離強度が支配的に表れる。なお、表面改質を施して完成された記録ヘッドの吐出口形成面の表面改質を施した領域の剥離強度と、表面改質を施していない領域の剥離強度の測定は、次のように行なうことができる。すなわち、吐出口形成面全体に貼り付けられた保護テープに対して、表面改質した個所を含む領域と、表面改質を施していない領域との2箇所において等しい幅で切り込みを入れる。そして、それぞれの領域ごとに個別に上記のような剥離強度試験機を用いて測定することで領域ごとの剥離強度を測定することができる。
剥離強度の数値は用いる保護テープの材質や接着層を構成する接着剤の種類で変動するため、相対的な関係を満足することが本発明では重要である。
図6は、吐出口形成面に対して照射するUV光のエネルギ密度(照射強度)と剥離強度との関係を示している。このグラフによればUV光の照射強度が高くなるにつれて剥離強度が高まることが読み取れる。ここで、図8に表面改質を施していない記録ヘッドに対して保護テープを貼り付けた状態で25℃、2年間相当の保存試験を行なった際の結果を示す。この結果によれば、保存期間の経過によって剥離強度は、次第に強くなっていくことが理解できる。保存試験後の表面改質が施されていない記録ヘッドの剥離強度は120N/mであった。また、表面改質を施した記録ヘッドの保存試験後の剥離強度は150N/mであった。つまり、剥離強度は経時によって変化するものの、相対的に剥離強度の高い領域の剥離強度と相対的に剥離強度が低い領域の剥離強度との相対関係は維持されている。この例では表面改質を施していない記録ヘッドの剥離強度に対して表面改質を施した記録ヘッドの剥離強度は1.2倍程度となっている。
図9は、記録素子133上の表層7μmの深さの酸素量を、X線光電子分光法(ESCA)を用いて測定した結果をグラフで表したものである。図5に示すように記録ヘッドの吐出口形成面Gに対してUV光照射処理を行ない照射領域11を形成したものの吐出口形成面Gの矢印12に沿った方向の記録素子133上の表層7μmの深さの酸素量を示している。本構成では、距離0mmから距離3mmの部分が照射領域11に相当する部分であり、図9に示されるように、この部分の酸素量はそれ以外の部分よりも増えている。つまり、上述の通り、UV光により生成された活性酸素と結合反応してアシル基(COH)、ヒドロキシル基(OH)、カルボキシル基(COOH)などが吐出口形成面Gに形成されて、吐出口形成面Gにおける化学結合効率が改善されていることを意味している。なお、簡略化のために図9には示さないが、UV光照射位置の表面酸素量の増加に伴い、撥インク層最表面の他の元素F,Cなどは減少している。
本発明は、このような表面改質に着目したものであり、UV光を照射することによって記録素子133表面の酸素量を増大させ、保護テープ138との粘着力(記録ヘッドから保護テープを剥がす剥離強度とも表現できる)を高めるものである。つまり、記録素子133の表面改質を行った部分は、保護テープ138を貼り付けた際の粘着力は表面改質を行なっていない部分に対して強くなる傾向にあり、またその部分の撥インク性は低くなる傾向(相対的に親インク性を示す傾向)にある。
なお、本実施形態においては、製造工程あるいは製品運搬中に必要な剥離強度を考慮して、照射するUV光のエネルギ密度を70J/cm2とした。図7を参照して、この時の剥離強度を算出すると80N/m程度であり、表面改質を施していない記録ヘッドの剥離強度に対して表面改質を施した記録ヘッドの剥離強度は1.6倍程度となっている。この照射するUV光のエネルギ密度は使用環境に応じて適宜変更することが望ましい。
なお、表面改質を施していない記録ヘッドの剥離強度に対して表面改質を施した記録ヘッドの剥離強度の相対差は、保護テープの吐出口形成面に対する粘着性の確保と剥離する際の剥離しやすさなどを考慮して1.2倍程度から2.0倍程度までは実用範囲である。操作しやすさや製造しやすさなどを考慮すると表面改質を施していない記録ヘッドの剥離強度に対して表面改質を施した記録ヘッドの剥離強度は1.2倍程度から1.6倍程度の相対差が好ましい。
本実施形態においてUV光を照射した照射領域11は、各ノズル列の最端部に位置する吐出口から距離Lだけ離れており、たとえUV光照射によって照射領域11の撥インク性が低下してインク溜まりができても吐出口には干渉しないようになっている。本実施形態では記録素子133の構造上問題なく、吐出口からできるだけ離れた距離であるL=0.2mmとした。また、吐出口列142C、143M、144Yにはそれぞれ192個の吐出口が2列に配列されているが、各列の両端部には記録にかかわらないダミーの吐出口が4個ずつ計16個配置されている。これによって更に、照射領域11の撥インク性が低下してインク溜まりができた場合の吐出信頼性を向上させている。保護テープ138はこの記録素子138両端部の照射領域11の少なくとも一方にかかるような状態で記録素子138の吐出口141を有する吐出口形成面に貼り付けられている。
なお、本実施形態では保護テープ138の粘着層としてアクリル系を用いたが、ユーザが保護テープ138を剥がす時点で吐出口部が破壊されない程度の粘着力を有したものであれば、シリコン系やホットメルト系でもよい。もちろん、使用される保護テープの基材の材質も保護テープ138を剥がす時点で吐出口部が破壊されないという目的を達成できるものであれば各種の材料が使用可能である。
また、本実施形態では吐出口列の最端部に配置された吐出口から照射領域11までの距離Lを0.2mmとしたが、これに限定するものではなく記録素子の仕様に応じてこの距離は変更可能である。
このように、保護テープ138を貼り付ける記録素子両端部の所定の照射領域に、所定のエネルギ密度のUV光を照射することで、記録素子の撥インク層最表面における密着力が改善される。したがって保護テープ138が貼り付けられた際には、記録素子の照射領域11において、製造時や搬送時に剥がれ落ちない十分な粘着力と、剥がす際に容易に剥がれ、吐出口部を破損しない程度の粘着力を得ることができた。
(第2の実施形態)
図10は、本発明の第2の実施形態に係るインクジェット記録カートリッジを表した図である。第1の実施形態と同様に、記録素子133に保護テープ138が貼り付けられている。本実施形態は用いた機材も含めて略第1の実施形態と同じであるが、UV光を照射する領域が異なる。
本実施形態でUV光を照射する照射領域13は、第1の実施形態と比較して狭くなっており、記録素子133の短手方向の両端部の辺に沿った領域であり、インク吐出口列143Mの両端の延長部のみに位置する領域である。吐出口列143Mの端部の吐出口からは第1の実施形態と同様の距離L=0.2mm離れた位置に照射領域13はある。エネルギ密度70J/cm2のUV光を照射領域13に照射して、この照射領域13の少なくとも一方にかかるような状態で記録素子133の吐出口141を有する吐出口形成面に保護テープ138を貼り付けた。
なお、本実施形態で用いた保護テープ138には、第1の実施形態で用いた保護テープ138の粘着層よりも粘着力の強い粘着層が備えられており、照射領域13を備えた(表面改質が施された)記録素子に貼り付けた際の剥離強度は100N/mであった。本実施形態の照射領域13は、UV光をスポット的に照射したが剥離強度も十分にあり製造工程内での保護テープ138の剥がれの発生は無く、また保護テープ138の浮きによってインクが滲むことも無く、十分に使用に耐えうるものであった。
図10に示されるように表面改質をした領域が狭い構成では、図5に示されるような表面改質をした領域が広い構成に対して次に示すような利点がある。すなわち、表面改質のための処理領域が狭いため加工が容易であること。また、吐出口形成面の中央付近にのみ加工が施されているため、保護テープを剥がす動作として、初期には弱い力を作用させて剥がし始めることができ、続いて剥離力が一時高くなり、その直後には再び剥離力が小さくなる。このような動作によれば、容易に剥がし始めることができ、その後僅かに抵抗があった後、一瞬にして保護テープを剥がすことができ、吐出口から不用意にインクを引き出すような事がない。さらには、表面改質された個所は相対的に親インク性となっており、記録装置に装着されて用いられる際にインクが付着しやすいが、その領域が少ないと、不要なインク溜まりなどができにくい。
図10に示される領域に対して表面改質を施す製法について説明する。本製法では、保護テープの密着力を向上させるために照射するUV光に、記録素子133と電気配線基板130とを固定するために従来から用いているUV光を用いることを特徴としている。
図11は、本製法に係るインクジェット記録カートリッジを製造する方法を最もよく現した斜視図である。保持機構15は、ユニットFをインクタンク137の突き当て基準によって所定の位置に保持している。インクタンク137上のユニットFが乗せられる部分には予め紫外線硬化型の接着剤が塗布されており、光ファイバ145を通ってUV光が所定時間照射され記録素子133はインクタンク137に固定される。その後、電気配線基板130を平坦なホーンと称される器具を用いて加重をかけつつ熱を加えて、電気配線基板130をインクタンク137に固定する。
上記の記録素子133を固定するための接着剤を硬化させるUV光の照射と同時に、照射領域14にもUV光の照射を行い、照射領域14における保護テープの密着力を向上させている。その際、UV光は保持機構15の側面にも当たることになるが、保持機構15がUV光を遮ることでUV光が吐出口近傍に照射されるのを防いでいる。
このように、照射領域14にUV光を照射する工程を特別に設けることなくインクタンク137に記録素子133を固定する際に用いるUV光を利用して照射領域14にUV光を照射することで、記録素子133と保護テープとの密着力を向上させることができた。もちろん、前述した第1の実施形態、第2の実施形態においても記録素子133をタンク137の枠体に仮固定する工程で同時に記録ヘッドの吐出口形成面をUV加工することができる。
(第3の実施形態)
図12は、本発明の第3の実施形態に係るインクジェット記録カートリッジを表した図である。第1および第2の実施形態と同様に記録素子123に保護テープ128が貼り付けられている。本実施形態ではBkカートリッジ103を用いており、その他は機材も含めて略第1および第2の実施形態と同じであるが、UV光を照射する領域をBkカートリッジ103の記録素子123に最適な位置にしてある。
本実施形態でUV光を照射する照射領域21は、記録素子123の短手方向の辺に沿った記録素子123の両端部であり、ノズル列の最端部に位置する吐出口から距離Nだけ離れている。この照射領域21は、たとえUV光照射によって照射領域21の撥インク性が低下してインク溜まりができても吐出口には干渉しないようになっている。本実施形態では記録素子123の構造上問題なく、吐出口からできるだけ離れた距離であるN=0.42mmとした。このような照射領域21に他の実施形態と同様のエネルギ密度70J/cm2のUV光を照射して、この少なくとも一方の照射領域21にかかるような状態で記録素子123の吐出口23を有する吐出口形成面に保護テープ128を貼り付けた。
なお、第1および第2の実施形態における照射領域11、13の吐出口からの距離L=0.2mmと距離Nが異なるのは、Clカートリッジ用記録素子とBkカートリッジ用記録素子の構成上の違いによるものである。つまり、Bkカートリッジ用記録素子の場合Clカートリッジよりも、UV光照射領域と吐出口との間の領域においてインクが滲みやすい構成となっていることから、距離L<距離Nとしている。
このように、保護テープ128を貼り付ける記録素子123両端部の所定の領域に、所定のエネルギ密度のUV光を照射することで、記録素子123の撥インク層最表面における密着力が向上する。したがって保護テープ128を貼り付けた際には、記録素子123の照射領域21において、製造時や搬送時に剥がれ落ちない十分な粘着力と、剥がす際に容易に剥がれ、吐出口部を破損しない程度の粘着力を得ることができた。
(第4の実施形態)
図13は、本発明の第4の実施形態に係るインクジェット記録カートリッジを表した図である。第1、第2および第3の実施形態と同様に記録素子133に保護テープ138が貼り付けられている。本実施形態では再びClカートリッジを用いており、使用する機材も含めて略第1の実施形態と同じである。本実施形態では保護テープ138の貼り方に特徴がある。つまり、第1の実施形態では電気接続部の封止剤134には係らないように保護テープ138を貼り付けたが、本実施形態では封止剤134を含む形で保護テープ138を貼り付けている。封止剤134の部分は記録素子133の保護テープ138を貼り付ける面よりも若干隆起していることから、従来の密着力の弱い保護テープではこのような貼り方をすることはできなかった。つまり、強い密着力を得ることができるようになったため封止剤134を含む形で貼り付けても保護テープ138の基材の弾性によって保護テープが剥がれてしまうことがなく、しっかりと記録素子133に貼りついた状態で吐出口を塞ぐことができるようになった。この場合も、製造時や搬送時に剥がれ落ちない十分な粘着力と、剥がす際に容易に剥がれ、吐出口部を破損しない程度の粘着力を得ることができた。
なお、上記の各実施形態において粘着力を高めるための表面改質の手段として紫外線を用いているが、これに限定するものではない。つまり、表面改質手段であれば他の手段(プラズマ照射等)でもよい。
また、上記各実施形態における記録素子とは、シリコン等からなる記録素子基板と、電気配線基板と、それらを接続する接続部とからなるものでもよい。
なお、本発明が適用されたインクジェット記録ヘッドとインクタンクが一体に構成されたインクジェットカートリッジは、ユーザによって使用され、インクが消費されたところで交換することになる。このようなカートリッジは、近年の環境的な観点からの対応の1つとして、回収して再び使用に供されるような回収再生プログラムを検討することも要求される。インクタンクが一体に構成されたインクジェット記録ヘッドカートリッジは、使用直後しばらくは吐出口形成面がインクで濡れた状態である。また、しばらく時間が経過した後(例えば数週間程度)はインクが乾燥して吐出口形成面にインクの固着物が付着した状態となっている。
このような状態の記録ヘッドを清浄化し、吐出口表面の酸素状態を測定した結果を図14に示す。(この結果は、シアン、マゼンタ、イエローが各色約7.5%デューティの印字パターンを印字してインクを使いきった後の記録ヘッドに対して酸素量を図9で説明した分析と同様に測定した結果である。)図に示されるとおり、表面改質処理が施された領域の酸素量は他の領域よりも多い状態のままであることが確認された。(なお、図9に示す結果に比べ、酸素量が周辺領域と同じになる距離が短いが、図中UV照射領域と記述された領域と図9の距離3mm付近とは同じ場所に当たる。)また、図15に示すとおり剥離強度も初期と同程度であった。なお、保護テープによる剥離強度は吐出口表面がインクで濡れた状態(印字耐久後1W放置した状態)、インクが乾燥した状態(印字耐久後3M放置した状態)でも測定した。そして、このような状態で保護テープを貼り付けた場合、保護テープと吐出口形成面との間に、ノズル内などにわずかに残存しているインクが引き出されて濡れてしまい剥離強度はきわめて低い結果となった。したがって、回収再生プログラムなどを実行する場合には、吐出口形成面を清浄化することが肝要である。
このように、インクジェット記録ヘッドの吐出口形成面表面に対して表面改質を行なう構成を採用すると保護テープに対しては何等加工をすることなく適正な粘着力で記録ヘッドに保護テープを貼り付けることができる利点もある。
なお、本例で用いた剥離強度の測定装置においては、測定数値は1割程度の測定ばらつきを有している。また、剥離強度は使用する保護テープの接着強度によって当然に得られる数値は変動するが、いずれの場合にも表面改質した領域が、表面改質を施していない領域と比較して相対的に剥離強度が高いという相対的な関係は正しく表すことができる。
従来のインクジェット記録装置の斜視図である。 (a)は、Bkカートリッジの主要部を示した斜視図であり、(b)は、Clカートリッジの主要部を示した斜視図である。 記録素子と電気配線基板とを電気的に接続したユニットを、インクタンクに固定する様子を表した斜視図である。 (a)は、Bkカートリッジに、(b)は、Clカートリッジにそれぞれ保護テープを貼り付けた状態を示している。 本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録カートリッジを表した図である。 照射するUV光のエネルギ密度に応じて、変化していく保護テープと記録素子との剥離強度の関係をグラフに表した図である。 剥離強度の測定装置の概略を示す図である。 剥離強度の経時変化を示すグラフである。 記録素子上の酸素量を測定した結果をグラフで表したものである。 本発明の第2の実施形態に係るインクジェット記録カートリッジを表した図である。 本発明の第3の実施形態に係るインクジェット記録カートリッジを製造する方法を表した斜視図である。 本発明の第4の実施形態に係るインクジェット記録カートリッジを表した図である。 本発明の第5の実施形態に係るインクジェット記録カートリッジを表した図である。 使用後の記録素子上の酸素量を測定した結果をグラフで表したものである。 インクジェット記録ヘッドカートリッジの各種状態での保護テープの剥離強度を測定した表である。
符号の説明
11、13、14、21 照射領域
15 保持機構
23 吐出口
123、133 記録素子
134 封止剤
127、137 インクタンク
128、138 保護テープ
141 吐出口
145 光ファイバ
146 紫外線硬化型接着剤

Claims (14)

  1. 複数のインク吐出口によって形成される吐出口列を備えた吐出口形成面に対して保護テープが貼り付けられたインクジェット記録ヘッドにおいて、
    前記吐出口形成面の前記吐出口列の両端部に位置する吐出口よりも吐出口列の延在方向の外側の領域に対して表面改質が施されており、該外側の領域の前記保護テープに対する剥離強度が他の領域の剥離強度よりも相対的に高く、前記吐出口列の延在方向の各端部の吐出口の外側で表面改質が施された領域同士は、前記吐出口列の延在方向において表面改質が施された領域によってつながっていないこと特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 前記保護テープに対する剥離強度が相対的に高い領域の剥離強度は、相対的に低い領域の剥離強度の1.2倍ないし1.6倍の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  3. 前記吐出口形成面の前記保護テープに対する剥離強度が相対的に高い領域は相対的に親インク性を示す領域であり、前記保護テープに対する剥離強度が相対的に低い領域は相対的に撥インク性を示す領域であることを特徴とする請求項1もしくは請求項2に記載のインクジェット記録ヘッド。
  4. 前記保護テープは、フィルム状の基材の一方の表面に粘着層が塗布されて構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド。
  5. 前記吐出口列は複数の吐出口列で構成されており、前記吐出口形成面の各吐出口列間の領域では前記表面改質が施されていない請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッドと、前記インクジェット記録ヘッドに供給されるインクを収容するインクタンクと、を備え、前記インクジェット記録ヘッドと前記インクタンクとが組み合わされて記録装置に対して着脱されることを特徴とするインクジェット記録カートリッジ。
  7. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法において、エネルギ照射して前記吐出口形成面を有する記録ヘッドチップを該記録ヘッドチップが取り付けられる枠体に対して仮固定する工程で、前記領域に対してエネルギ照射して表層酸素量を他の領域よりも相対的に高い領域とする加工を施すことを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  8. エネルギ照射されて表面改質処理された前記吐出口形成面の領域は、前記インクジェット記録ヘッドが物流に供される際に貼り付けられる保護テープに対する剥離強度が他の領域よりも相対的に高くなっていることを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  9. 前記吐出口形成面は、少なくとも前記吐出口列を被覆するように撥インク性の液体が塗布されており、
    前記外側の領域に施される表面改質は、前記撥インク性の液体が塗布された該外側の領域にエネルギ照射して表面酸素量を増大させる表面改質であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド。
  10. 前記吐出口形成面は、少なくとも前記吐出口列を被覆するように撥インク性の液体が塗布されており、
    前記外側の領域に施される表面改質は、前記撥インク性の液体が塗布された該外側の領域にエネルギ照射して表面酸素量を増大させる表面改質であることを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録カートリッジ。
  11. 前記吐出口形成面は、少なくとも前記吐出口列を被覆するように撥インク性の液体が塗布されており、
    前記外側の領域に施される表面改質は、前記撥インク性の液体が塗布された該外側の領域にエネルギ照射して表面酸素量を増大させる表面改質であることを特徴とする請求項7もしくは請求項8に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  12. 前記撥インク性の液体は、フッ素を有するアルキルシロキサンエポキシ樹脂を含有することを特徴とする請求項9に記載のインクジェット記録ヘッド。
  13. 前記撥インク性の液体は、フッ素を有するアルキルシロキサンエポキシ樹脂を含有することを特徴とする請求項10に記載のインクジェット記録カートリッジ。
  14. 前記撥インク性の液体は、フッ素を有するアルキルシロキサンエポキシ樹脂を含有することを特徴とする請求項11に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
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