JP5137139B2 - 測定方法および測定プログラム - Google Patents

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Description

本願発明は、物体の速度や物体までの距離等を測定するための測定方法および測定プログラムに係り、特に対象物体が斜めに向いた場合にも適用できる。単一の周波数または別個に送信される2種類の異なる周波数を有する超音波に係る対象物体からの反射波の周波数スペクトルを算出することで対象物体までの距離等を測定する測定方法、及び測定プログラム、ならびに測定装置に関するものである。また、本測定方法等は、自動車の駐車支援に用いることができる。
超音波を利用して、物体との距離を測定する方法については、超音波の放射から反射波取得までの時間を測定して、それに音速を乗ずることによって距離を計測するという方法が従来一般的であった。 これに対して、距離のみでなく、物体の移動速度を測定する方法、また測定精度が高い方法が提案されてきた。例えば、特許文献1に記載されるように、超音波を利用して、玩具および娯楽器具等の対象物体の速度を測定する速度測定装置が開発されている。この速度測定装置では、40kHzの超音波周波数の電気信号を送信機の圧電素子を用いて変換することで、対象物体へ向けて超音波を送信する。対象物体から反射された超音波は、受信機の圧電素子により電気信号に変換される。送信機側で生成される40kHzの超音波周波数の電気信号と、受信機側で変換された電気信号とを混合器に入力すると、2つの信号の周波数の差分の周波数(うなり周波数)を有する電気信号を得ることができる。この周波数の差分値は、対象物体の相対速度に一意に対応する。したがって、エッジ検出器やタイミング回路等を用いて、うなり周波数の電気信号の周波数を特定することで、対象物体の速度を算出することが可能となる。
また、特許文献2には、電磁波を利用して、自動車等の対象物体の速度および対象物体までの距離を測定する測定方法について開示されている。この方法では、アンテナから放射される電磁波の周波数を一定の割合で上昇および下降させる。対象物体に反射されてアンテナに受信された電磁波に係る受信信号と、送信された電磁波に係る送信信号とを混合することで、中間周波信号を生成する。放射される電磁波の周波数の上昇時における中間周波信号の周波数と、放射される電磁波の周波数の下降時における中間周波信号の周波数とを特定して、これらを係数とした連立一次方程式を解法することにより、対象物体の速度及び対象物体までの距離を算出することが可能となる。
特許文献3には、高精度な距離計測を目的として、ノイズから第1反射パルスを抽出し、距離を算出するとともに、既知の距離にあるセンサまでの到来時間より音速を算出する方法が開示されている。この方法では、特定周波数の超音波を8パルス放射し、受信波をノイズごとに大幅に増幅、フィルタを通したあと、放射超音波と同等のサイン波との相関をとり、抽出波形のゼロ交叉点の期間を算出し、特定期間が8パルス分部続いた個所を反射波の到達した時点と見なしている。
特表2005−524063号公報 特許第3457722号公報 国際公開WO2005/010552パンフレット 特開2007−98967号公報 特開2005−201637号公報 特開平8−324366号公報
特許文献1に記載された発明では、超音波を利用して、対象物体の速度を測定できるのみであるという課題があった。特許文献3に記載された発明では、精度良く測定できるが、測定対象が物体との距離だけであるという課題があった。
また、従来の測定方法では、図1(a)のように測定装置21中の超音波送信部22からの放射方向に対して垂直に対象物体24が位置している場合には、超音波送信部22と隣接した位置にある超音波受信部23で反射波を受信することによって対象物体までの距離や対象物体の速度を測ることができる。しかし、(b)のように斜めに対象物体が位置している場合には、超音波受信部23の受ける反射波の強度が弱く、距離計測を行うことができないという問題があった。
斜めに位置した物体に対して測定が困難であることを説明する。図2に示すように、送信部22と受信部23を備えた測定装置21の斜めに位置した対象物体24の測定においては、実際の送信部22から放射した超音波の物体による反射波は、鏡像の送信部32から放射された超音波と見なせる。
鏡像の送信部32から放射された超音波が、実像の受信部23まで到達した際の音圧、すなわち反射波の受信音圧Pは、数式1で与えられる。
Figure 0005137139
ただし、R(θ)は指向性関数であり、数式2で与えられる。
Figure 0005137139
ここで、Pは放射音圧、Zは測定装置−物体間距離、θは測定装置と物体とのなす角度、aは発振器の開口半径、kは放射する超音波の波数である。
数式1において、波長λ=0.85cm(周波数40kHzの超音波に対する空気中の波長)、a=1cmとして、指向性関数R(θ)が0°≦θ≦90°の範囲で0となる角度を計算すると θ=32°となる。すなわち、周波数40kHzの超音波を放射する際、物体との角度が32°以下であれば、理論的には反射波がセンサに到達する。しかし、実際には、指向性の中心からのずれ、到来距離などにより、減衰が大きいので、測定が困難である。
本願発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、比較的簡略な技術的構成を用いて、対象物体までの距離を測定することを可能とする測定方法、測定プログラム及び測定装置を提供することを目的とする。また、本願発明は、対象物体までの距離と対象物体の速度を測定することを可能とする測定方法、プログラム及び装置を提供することを目的とする。また、本願発明は、対象物体の表面形状を検出することを可能とする測定方法、測定プログラム及び測定装置を提供することを目的とする。さらに本願発明は、対象物体が斜めに位置している場合でも、対象物体の距離を検出する測定方法、プログラム及び測定装置を提供することを目的とする。さらに本願発明は、対象物体が斜めに位置している場合でも、対象物体の距離と表面形状とを検出する測定方法、プログラム及び測定装置を提供することを目的とする。また、該測定方法、プログラムを利用した自動車の車庫入れ方法を提供することを目的とする。さらに、該測定装置を自動車に取り付けて自動車の車庫入れ支援に利用可能とすることを目的とする。
上記の技術的課題を解決するために、本願発明に係る測定方法または測定プログラムは、第1の周波数の超音波を所定の期間にわたって連続的に出力する工程(ステップ)と、第1の周波数の超音波に係る対象物体からの反射波をサンプリングする工程(ステップ)と、サンプリングされた第1のサンプリングデータ列に基づいて対象物体の相対速度を算出する工程(ステップ)と、所定の期間にわたって第1の周波数の超音波を連続的に出力した後に、第2の周波数の超音波をパルス状に出力する工程(ステップ)と、第1の周波数の超音波および第2の周波数の超音波に係る対象物体からの反射波をサンプリングする工程(ステップ)と、サンプリングされた第2のサンプリングデータ列に基づいて第2の周波数の超音波が送信されてから対象物体に反射して受信されるまでの1または複数の反射時間を検出する工程(ステップ)と、検出された1または複数の反射時間に基づいて、対象物体までの距離、あるいは対象物体の表面上の段差の個数および深さを算出する工程(ステップ)とを有するようにしたものである。
これにより、比較的簡略な技術的構成を用いて、対象物体の相対速度および対象物体までの距離、さらには対象物体の表面形状までも測定することが可能となる。とくに、測定装置に対して斜めに位置する対象物体までの距離を精度良く測定することができる。
なお、上記のそれぞれの工程(ステップ)は、必ずしも記載された順序で実行される必要はない。前に記載された工程(ステップ)を後に記載された工程(ステップ)よりも後で実行するようにしてもよく、前に記載された工程(ステップ)と後に記載された工程(ステップ)とを並列的に実行するようにしてもよい。例えば、第1のサンプリングデータ列に基づいて対象物体の相対速度を算出する工程は、第2の周波数の超音波をパルス状に出力する工程の後に実行してもよく、またこれらの工程を並列的に実行するようにしてもよい。
また、本願発明に係る測定方法または測定プログラムは、第1の周波数の超音波を所定の期間にわたって連続的に出力する工程(ステップ)と、所定の期間にわたって第1の周波数の超音波を連続的に出力した後に、第2の周波数の超音波をパルス状に出力する工程(ステップ)と、第1の周波数の超音波および第2の周波数の超音波に係る対象物体からの反射波をサンプリングする工程(ステップ)と、サンプリングされたサンプリングデータ列に基づいて対象物体の相対速度を算出する工程(ステップ)と、サンプリングされたサンプリングデータ列に基づいて第2の周波数の超音波が送信されてから対象物体に反射して受信されるまでの1または複数の反射時間を検出する工程(ステップ)と、検出された1または複数の反射時間に基づいて、対象物体までの距離、あるいは対象物体の表面上の段差の個数および深さを算出する工程(ステップ)とを有するようにしたものである。
これにより、比較的簡略な技術的構成を用いて、対象物体の相対速度および対象物体までの距離、さらには対象物体の表面形状までも測定することが可能となる。とくに、測定装置に対して斜めに位置する対象物体までの距離を精度良く測定することができる。また、対象物体の相対速度とともに対象物体までの距離並びに対象物体の表面上の段差の個数および深さを算出するのに1回のサンプリングを実施すれば足るように構成したので、サンプリングデータを記憶する記憶手段におけるサンプリングデータの記憶処理、転送処理等を単純化することが可能となり、測定装置のシステム構成を簡略化することができる。
なお、上記のそれぞれの工程(ステップ)は、必ずしも記載された順序で実行される必要はない。前に記載された工程(ステップ)を後に記載された工程(ステップ)よりも後で実行するようにしてもよく、前に記載された工程(ステップ)と後に記載された工程(ステップ)とを並列的に実行するようにしてもよい。例えば、サンプリングデータ列に基づいて対象物体の相対速度を算出する工程は、サンプリングデータ列に基づいて1または複数の反射時間を検出する工程の後に実行してもよく、またこれらの工程を並列的に実行するようにしてもよい。
また、本願発明に係る測定方法は、第2の周波数の超音波を概ね1波長分出力するようにしたものである。
これにより、対象物体の表面上において異なる高さを有する表面部から反射された複数の反射波の反射時間が超音波の概ね1波長分に相当する時間だけずれていれば、超音波受信部において複数の反射波を重畳させることなく分離して受信することが可能となり、異なる表面部間の高さの差(段差の深さ)の算出に係る分解能を向上することができる。
また、本願発明に係る測定方法は、第2の周波数の超音波が送信されてから対象物体に反射して受信されるまでの1または複数の反射時間を検出するためにサンプリングされたサンプリングデータ列に含まれるサンプリングデータ全体から成る区間を微小区間に分割して、各微小区間の長さを第2の周波数の超音波の概ね1波長分に等しくするようにしたものである。
これにより、第2の周波数の超音波に係る周波数スペクトルを検出することができる最小の時間幅を微小区間として設定したので、対象物体の表面上において異なる高さを有する表面部から反射された複数の反射波を異なる微小区間で受信することを可能とする段差の深さの下限値を小さくすることが可能となり、段差の深さの算出に係る分解能を向上することができる。
また、本願発明に係る測定方法は、対象物体の相対速度を用いて、対象物体までの距離あるいは対象物体の表面上の段差の深さを補正するようにしたものである。
これにより、対象物体までの距離あるいは対象物体の表面上の段差の深さをより精度よく算出することができる。
また、本願発明に係る測定方法は、対象物体の相対速度を算出するためにサンプリングされたサンプリングデータ列の後ろに複数のゼロを並べて得られるサンプリングデータ列に対して、高速フーリエ変換を適用することで、第1の周波数の超音波に係る対象物体からの反射波の周波数スペクトルを算出するようにしたものである。
これにより、第1の周波数の超音波に係る反射波について算出される周波数スペクトルの周波数分解能が高められ、当該反射波に係るピーク周波数をより精度よく検出することが可能となるから、対象物体の相対速度の算出に係る速度分解能を向上することができる。
また、本願発明に係る測定方法は、対象物体の相対速度を算出するためにサンプリングされたサンプリングデータ列の後ろに複数のゼロを並べて得られるサンプリングデータ列に対して、窓関数をかけた後に、高速フーリエ変換を適用するようにしたものである。
これにより、第1の周波数の超音波に係る反射波について算出される周波数スペクトルの誤差を低減して、当該反射波に係るピーク周波数をさらに精度よく検出することが可能となるから、対象物体の相対速度の算出に係る誤差を低減することができる。
また、本願発明に係る測定方法は、第2の周波数の超音波が送信されてから対象物体に反射して受信されるまでの1または複数の反射時間を検出するためにサンプリングされたサンプリングデータ列に含まれるサンプリングデータ全体から成る区間を微小区間に分割して、それぞれの微小区間毎に、当該微小区間に存在するサンプリングデータから成るサンプリングデータ列を繰り返し並べて得られるサンプリングデータ列に対して、高速フーリエ変換を適用することで、当該微小区間において受信された反射波の周波数スペクトルを算出するようにしたものである。
これにより、対象物体からの反射波について算出される周波数スペクトルの周波数分解能が高められ、第2の周波数の超音波に係る反射波が受信される微小区間をより精度よく検出することが可能となるから、対象物体までの距離等の算出に係る誤差を低減することができる。
また、本願発明に係る測定方法は、微小区間に存在するサンプリングデータから成るサンプリングデータ列を繰り返し並べて得られるサンプリングデータ列に対して、窓関数をかけた後に、高速フーリエ変換を適用するようにしたものである。
これにより、対象物体からの反射波について算出される周波数スペクトルの誤差を低減して、第2の周波数の超音波に係る反射波が受信される微小区間をさらに精度よく検出することが可能となるから、対象物体までの距離等の算出に係る誤差をさらに減少することができる。
また、本願発明に係る測定方法は、第1の周波数の電磁波を所定の期間にわたって連続的に出力する工程と、第1の周波数の電磁波に係る対象物体からの反射波をサンプリングする工程と、サンプリングされた第1のサンプリングデータ列に基づいて対象物体の相対速度を算出する工程と、所定の期間にわたって第1の周波数の電磁波を連続的に出力した後に、第2の周波数の電磁波をパルス状に出力する工程と、第1の周波数の電磁波および第2の周波数の電磁波に係る対象物体からの反射波をサンプリングする工程と、サンプリングされた第2のサンプリングデータ列に基づいて第2の周波数の電磁波が送信されてから対象物体に反射して受信されるまでの1または複数の反射時間を検出する工程と、検出された1または複数の反射時間に基づいて、対象物体までの距離、あるいは対象物体の表面上の段差の個数および深さを算出する工程とを有するようにしたものである。
これにより、比較的簡略な技術的構成を用いて、対象物体の相対速度および対象物体までの距離、さらには対象物体の表面形状までも測定することが可能となる。
なお、上記のそれぞれの工程は、必ずしも記載された順序で実行される必要はない。前に記載された工程を後に記載された工程よりも後で実行するようにしてもよく、前に記載された工程と後に記載された工程とを並列的に実行するようにしてもよい。
また、本願発明に係る測定方法は、第1の周波数の電磁波を所定の期間にわたって連続的に出力する工程と、所定の期間にわたって第1の周波数の電磁波を連続的に出力した後に、第2の周波数の電磁波をパルス状に出力する工程と、第1の周波数の電磁波および第2の周波数の電磁波に係る対象物体からの反射波をサンプリングする工程と、サンプリングされたサンプリングデータ列に基づいて対象物体の相対速度を算出する工程と、サンプリングされたサンプリングデータ列に基づいて第2の周波数の電磁波が送信されてから対象物体に反射して受信されるまでの1または複数の反射時間を検出する工程と、検出された1または複数の反射時間に基づいて、対象物体までの距離、あるいは対象物体の表面上の段差の個数および深さを算出する工程とを有するようにしたものである。
これにより、比較的簡略な技術的構成を用いて、対象物体の相対速度および対象物体までの距離、さらには対象物体の表面形状までも測定することが可能となる。また、対象物体の相対速度とともに対象物体までの距離並びに対象物体の表面上の段差の個数および深さを算出するのに1回のサンプリングを実施すれば足るように構成したので、サンプリングデータを記憶する記憶手段におけるサンプリングデータの記憶処理、転送処理等を単純化することが可能となり、測定装置のシステム構成を簡略化することができる。
なお、上記のそれぞれの工程は、必ずしも記載された順序で実行される必要はない。前に記載された工程を後に記載された工程よりも後で実行するようにしてもよく、前に記載された工程と後に記載された工程とを並列的に実行するようにしてもよい。
また、本願発明に係る測定方法または測定プログラムは、所定の周波数の超音波をパルス状に出力する工程と、該所定の周波数の超音波に係る対象物体からの反射波をサンプリングする工程と、サンプリングされたサンプリングデータ列に基づいて該所定の周波数の超音波が送信されてから対象物体に反射して受信されるまでの反射時間を検出し、検出された反射時間に基づいて、対象物体までの距離を算出する工程とを有するようにしたものである。
これにより、比較的簡略な技術的構成を用いて、対象物体の対象物体までの距離を測定することが可能となる。とくに、測定装置に対して斜めに位置する対象物体までの距離を精度良く測定することができる。
また、本願発明に係る測定方法は、前記所定の周波数の超音波を概ね1波長分出力するものである。
これにより、対象物体の表面上で反射された反射波の反射時間が超音波の概ね1波長分に相当する時間だけずれていれば、超音波受信部において放射超音波の周波数帯のスペクトル強度を検索する場合の時間分解能を向上することができるので、対象物体の距離算出の際分解能を向上することができる。
また、本願発明に係る測定方法は、前記所定の周波数の超音波が送信されてから対象物体に反射して受信されるまでの反射時間を検出するためにサンプリングされたサンプリングデータ列に含まれるサンプリングデータ全体から成る区間を微小区間に分割して、それぞれの微小区間毎に、当該微小区間に存在するサンプリングデータから成るサンプリングデータ列を繰り返し並べて得られるサンプリングデータ列に対して、高速フーリエ変換を適用することで、当該微小区間において受信された反射波の前記所定の周波数が属する周波数帯のスペクトル強度を算出するものである。
これにより、反射波について算出される所定の周波数の属する周波数帯の強度を精度よく検出することが可能となり、ピーク位置を精度良く求めることができるから、対象物体への距離を精度良く測定することができる。さらに、ホワイトノイズの混入に対しても耐性を有する測定方法を提供する。
一方、本願発明に係る測定装置は、第1の周波数の超音波を所定の期間にわたって連続的に出力する第1の超音波発信部と、第2の周波数の超音波をパルス状に出力する第2の超音波発信部と、第1及び第2の超音波発信部から発信される超音波の受信部と、受信した第1及び第2の周波数の超音波に係る対象物体からの反射波をサンプリングするサンプリング部と、サンプリングされた第1周波数の超音波に係わるサンプリングデータ列に基づいて対象物体の相対速度を算出する相対速度算出部と、サンプリングされた第2周波数の超音波に係わるサンプリングデータ列に基づいて第2の周波数の超音波が送信されてから対象物体に反射して受信されるまでの1または複数の反射時間を検出する反射時間算出部と、検出された1または複数の反射時間に基づいて、対象物体までの距離、あるいは対象物体の表面上の段差の個数および深さを算出する、距離及び段差算出部とを有するようにしたものである。
これにより、比較的簡略な技術的構成を用いて、対象物体の相対速度および対象物体までの距離、さらには対象物体の表面形状までも測定することが可能となる。とくに、測定装置に対して斜めに位置する対象物体までの距離を精度良く測定することができる。
また、本願発明に係る測定装置は、第2の超音波発信部が第2の周波数の超音波を概ね1波長分出力することとしたものである。
これにより、対象物体の表面上において異なる高さを有する表面部から反射された複数の反射波の反射時間が超音波の概ね1波長分に相当する時間だけずれていれば、超音波受信部において複数の反射波を重畳させることなく分離して受信することが可能となり、異なる表面部間の高さの差(段差の深さ)の算出に係る分解能を向上することができる。
また、本願発明に係る測定装置は、前記距離及び段差算出部が、前記相対速度算出部で算出された相対速度を用いて対象物体までの距離あるいは対象物体の表面上の段差の深さを補正するものである。
これにより、対象物体までの距離あるいは対象物体の表面上の段差の深さをより精度よく算出することができる。
また、本願発明に係る測定装置は、第1または第2の周波数の超音波に係る対象物体からのサンプリングデータ列を高速フーリエ変換処理する高速フーリエ変換処理部をさらに有し、前記高速フーリエ変換処理部の結果を前記相対速度算出部または前記距離及び段差算出部での処理にそれぞれ利用するものである。
これにより、第1の周波数の超音波に係る反射波について算出される周波数スペクトルの周波数分解能が高められ、当該反射波に係るピーク周波数をより精度よく検出することが可能となるから、対象物体の相対速度の算出に係る速度分解能を向上することができる。また、対象物体からの反射波について算出される周波数スペクトルの周波数分解能が高められ、第2の周波数の超音波に係る反射波が受信される微小区間をより精度よく検出することが可能となるから、対象物体までの距離等の算出に係る誤差を低減することができる。
また、本願発明に係る測定装置は、第1または第2の周波数の超音波に係る対象物体からのサンプリングデータ列に窓関数をかけるための窓関数処理部をさらに有し、前記窓関数処理部の出力結果を、前記高速フーリエ変換処理部入力するものである。
これにより、第1の周波数の超音波に係る反射波について算出される周波数スペクトルの誤差を低減して、当該反射波に係るピーク周波数をさらに精度よく検出することが可能となるから、対象物体の相対速度の算出に係る誤差を低減することができる。また、対象物体からの反射波について算出される周波数スペクトルの誤差を低減して、第2の周波数の超音波に係る反射波が受信される微小区間をさらに精度よく検出することが可能となるから、対象物体までの距離等の算出に係る誤差をさらに減少することができる。
また、本願発明に係る測定装置は、特定周波数の超音波をパルス状に出力する超音波発信部と、前記超音波発信部から発信される超音波の受信部と、受信した前記特定周波数の超音波に係る対象物体からの反射波をサンプリングするサンプリング部と、サンプリングされた前記特定周波数の超音波に係わるサンプリングデータ列に基づいて前記周波数の超音波が送信されてから対象物体に反射して受信されるまでの反射時間を検出し、検出された反射時間に基づいて、対象物体までの距離を算出する距離算出部とを有するものである。
これにより、比較的簡略な技術的構成を用いて、対象物体までの距離を測定することが可能となる。とくに、測定装置に対して斜めに位置する対象物体までの距離を精度良く測定することができる。
また、本願発明に係る測定装置は、前記超音波発信部が前記特定周波数の超音波を概ね1波長分出力するものである。これにより、対象物体の表面上で反射された反射波の反射時間が超音波の概ね1波長分に相当する時間だけずれていれば、超音波受信部において放射超音波の周波数帯のスペクトル強度を検索する場合の時間分解能を向上することができるので、対象物体の距離算出の際分解能を向上することができる。
また、本願発明に係る測定装置は、前記特定周波数の超音波に係る対象物体からのサンプリングデータ列を高速フーリエ変換処理する高速フーリエ変換処理部をさらに有し、前記高速フーリエ変換処理部の結果を前記距離算出部での処理に利用するものである。これにより、反射波について算出される所定の周波数の属する周波数帯の強度を精度よく検出することが可能となり、ピーク位置を精度良く求めることができるから、対象物体への距離を精度良く測定することができる。さらに、ホワイトノイズの混入に対しても耐性を有する測定装置を提供する。
また、本願発明に係る自動車は、車体、及び前記測定装置を有し、前記車体の左側面及び/又は右側面の前端及び後端に前記測定装置が取り付けられたものである。
これにより、前記測定装置を有しているので壁面までの距離等を測定でき、特に測定装置と壁面とが斜めになった場合でも精度良く測定できるので、該自動車の車庫入れを容易にかつ安全に行うことができる。
また、本願発明に係る自動車は、前記測定装置の超音波放射方向が前記左側面または右側面に対して垂直方向であるように前記測定装置が取り付けられたものである。これにより、壁面との距離を精度良く測定でき、該自動車の車庫入れを容易にかつ安全に行うことができる。
また、本願発明に係る自動車の車庫入れ方法は、前記自動車を、入り口付近に段差を持つ壁面を有する車庫入れ方法であって、前記自動車が有する前記測定装置にて前記壁面までの距離及び段差を継続的に測定しておき、段差を検知しない状態から段差を検知する状態に変化した場合にハンドルを操作するものである。
これにより、壁面までの距離及び段差を継続的に測定しておき、段差を検知しない状態から段差を検知する状態に変化した場合にハンドルを操作することから、該自動車の車庫入れを容易にかつ安全に行うことができる。
本願発明によれば、比較的簡略な技術的構成を用いて、精度良く対象物体までの距離を測定することができるという効果を奏する。また、特に測定装置に対して斜めに位置する対象物体までの距離を精度良く測定することができるという効果を奏する。
斜めに位置した物体に対する距離測定を示す図である。 斜めに位置した物体に対する距離測定を説明する図である。 実施の形態1ないし3による測定方法を実現する測定装置の構成を示すブロック図である。 PWM信号発生器により超音波周波数の電気信号を生成する方法を示すタイミングチャートである。 スピーカから出力される超音波の周波数の時間経過を示す図である。 実施の形態1による測定方法を示すフローチャートである。 対象物体の相対速度の算出方法を示すフローチャートである。 サンプリングデータ列におけるサンプリングデータの増加処理を示す図である。 反射波の周波数スペクトルを示す図である。 対象物体までの距離並びに対象物体の表面上の段差の個数および深さの算出方法を示すフローチャートである。 サンプリングデータ列におけるサンプリングデータの増加処理を示す図である。 対象物体の表面上の段差の測定の態様を示す図である。 受信される反射波に係る20kHz帯のスペクトル強度の時間経過を示す図である。 実施の形態2による測定方法を示すフローチャートである。 実施の形態3による測定方法を実現する測定装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態3による測定方法を示すフローチャートである。 実施の形態3による対象物体までの距離の算出方法を示すフローチャートである。 実施の形態3による距離算出方法を示す図である。 傾斜した対象物体に対して本願発明による測定を実施した例を示す図である。 第1及び第2の実施形態によるθ1、θ2の測定値を示す図である。 θ2測定値の3つの方法による比較を示す図である。 本願発明の方法による自動車の車庫入れを示す図である。 自動車の車庫入れの際の反射波の検知状況を示す図である。 車庫入れの手順を示すフローチャートである。
符号の説明
21:測定装置
22:超音波送信部
23:超音波受信部
24:対象物体
25:第1の表面部
26:第2の表面部
29:平板
32:鏡像の超音波送信部
100、150:測定装置
101:マイクロコンピュータ
102:パーソナルコンピュータ
103:D/A変換器
104:PWM信号発生器
105:乗算器
106,109:増幅器
107:スピーカ
108:マイクロホン
110、160:サンプリング部
111、161:メモリ
130:相対速度算出部
135:反射時間算出部
140:距離及び段差算出部
145:距離算出部
154:窓関数処理部
155:FFT処理部
157:超音波発信器
158:超音波受信器
170:制御部
204:車体
205:道路
210:測定装置を取り付けた自動車
220:車庫
225:壁
230:段差
241:車体前端に取り付けられた装置
242:車体後端に取り付けられた装置
249:超音波放射方向
以下、図面を参照して本願発明に係る実施の形態を説明する。
実施の形態1.
図3(a)は、この実施形態による測定方法を実現する測定装置100の構成を示すブロック図である。
マイクロコンピュータ101は超音波周波数の電気信号の生成処理や対象物体からの反射波を圧電変換して得られる電気信号のサンプリング処理等を実施する。マイクロコンピュータ101にはマイクロホン108で受信した信号をA/D(アナログ/デジタル)変換し、サンプリング処理を実施するためのサンプリング部110、サンプリングしたデータを蓄積するメモリ111、D/A(デジタル/アナログ)変換器103,PWM(Pulse Width Modulation)信号発生器104を有している。
マイクロコンピュータ101のD/A変換器103は、例えば8ビットのデジタル信号をアナログ信号に変換する。乗算器105は、D/A変換器103から出力される電気信号とPWM信号発生器104から出力される電気信号とを乗算して得られる電気信号を出力する。増幅器106は、乗算器105から出力される電気信号を増幅する。スピーカ107は、増幅器106から出力される電気信号を圧電変換して超音波を出力する。
また、電気信号を出力するマイクロホン108は、測定対象となる物体から反射された超音波(反射波)を受信するとともに圧電変換し、増幅器109は、マイクロホン108から出力される電気信号を増幅する。サンプリング部110は、増幅器109から出力されるアナログ信号を所定のサンプリング間隔で例えば10ビットのデジタル信号値に変換する。メモリ111は、サンプリング部10でサンプリングされたデジタル信号値を逐次的に記憶する機能を有し、例えば2kバイトの容量を備えたRAMである。
パーソナルコンピュータ102はマイクロコンピュータ101からサンプリングデータ列を入力してFFT(高速フーリエ変換)処理等を適用することにより対象物体の速度や対象物体までの距離等を算出する。パーソナルコンピュータ102には、図3(b)に示すように、相対速度算出部130、反射時間算出部135、距離及び段差算出部140を有している。また、パーソナルコンピュータ102には相対速度算出部130及び/または反射時間算出部135での処理の際、FFT処理を適用するためのFFT処理部155を有している。サンプリングデータ列に窓関数をかけてからFFT処理を適用するため、窓関数処理部154を必要に応じて有する。マイクロコンピュータ101のメモリ111に蓄積されたサンプリングデータ列が、パーソナルコンピュータ102の相対速度算出部130、反射時間算出部135に送られ、FFT処理部155においてFFT処理を適用して対象物体との相対速度や反射時間を算出する。また、必要な場合、窓関数処理部154にて窓関数処理を行う。また、反射時間算出部135で算出された結果からは、場合によっては、相対速度算出部130の算出された結果も利用して、距離及び段差算出部140にて対象物体までの距離並びに対象物体の表面上の段差の個数及び深さを算出する。
図4は、PWM信号発生器104により超音波周波数の電気信号を生成する方法を示すタイミングチャートである。マイクロコンピュータ101には、図示されない、タイマカウンタ、クロック信号発生器、及びレジスタA,Bを備えている。タイマカウンタの計数値は、クロック信号発生器から発生されるクロック信号の立上りエッジまたは立下りエッジを検出する毎に1ずつ増分される。PWM信号発生器4は、タイマカウンタの計数値がレジスタBに格納された数値に一致すると出力電圧値を0Vに変更し、タイマカウンタの計数値がレジスタAに格納された数値に一致すると出力電圧値を例えば5Vである所定の電圧値に変更する。
タイマカウンタは、その計数値がレジスタAに格納された数値に一致すると、計数処理をリセットするために計数値をゼロに戻すように構成されている。このような装置構成において、レジスタAに格納される数値をレジスタBに格納される数値の2倍とすることで、PWM信号発生器104からデューティ比が50パーセントである矩形波の電気信号を出力することができる。さらに、クロック信号発生器から発生されるクロック信号の周波数に応じて、レジスタAおよびレジスタBに格納される数値を適宜選定することで、所望の周波数を有する矩形波の電気信号を得ることができる。図4に示されるように、レジスタAおよびレジスタBに適切な数値を格納することで、周期が25μ秒で周波数が40kHzの超音波周波数の電気信号を生成することが可能である。また、レジスタAおよびレジスタBに格納される数値を、40kHzの超音波周波数の電気信号を生成する際に格納された数値の2倍とすることで、周期が50μ秒で周波数が20kHzの超音波周波数の電気信号を生成することが可能である。
但し、スピーカ107から矩形波の超音波を急激に出力すると、可聴域の音波が混在することになる。このような不具合を解消するために、PWM信号発生器104から超音波周波数の電気信号の出力を開始する際には、当該電気信号に同期するようにして、D/A変換器103からハーフサイン波を出力する。乗算器105において、PWM信号発生器104から出力される矩形波の電気信号と、D/A変換器103から出力されるハーフサイン波状の電気信号とが掛け合わされることで、超音波周波数の矩形波の電気信号がハーフサイン波によりAM変調される。これにより、超音波周波数の矩形波の電気信号の最初の部分が鈍らせられ、可聴域の音波出力を軽減することが可能となる。
次に、本システムによる測定方法について説明する。図5は、スピーカ107から出力される超音波の周波数の時間経過を示す図でもある。図5に示されるように、スピーカ107は、2m秒の期間にわたって40kHzの超音波を連続的に出力した後に、20kHzの超音波をパルス状に50μ秒の期間にわたって出力する。50μ秒は、20kHzの超音波の1波長分に相当する。本願発明では、連続的に出力される40kHzの超音波に係る対象物体からの反射波の周波数スペクトルを求めることで、対象物体の相対速度を算出する。また、20kHzの超音波が送信されてから対象物体に反射して受信されるまでの時間として定義される反射時間を、対象物体の表面上の高さの異なる表面部毎に検出することで、対象物体までの距離並びに対象物体の表面上の段差の個数および深さを算出する。
図6は、この発明の実施の形態1による測定方法を示すフローチャートである。上述したように、40kHzの超音波を約2m秒の期間にわたって連続的に出力する(ステップS1)。次に、送信された40kHzの超音波に係る対象物体からの反射波を約10m秒の期間にわたってサンプリングする(ステップS2)。超音波受信機108は、受信した超音波を電気信号に変換する。サンプリング部110は、増幅器9で増幅された電気信号を、10μ秒のサンプリング間隔でサンプリングして、1024個のデジタル信号値に変換して出力する。10μ秒のサンプリング間隔で1024個のサンプリングデータを得るために、このサンプリング処理には約10m秒の時間を要する。
メモリ111は、1024個のサンプリングデータを逐次的に記憶する。メモリ111に1回目のサンプリング処理に係るすべてのサンプリングデータが記憶された後に、メモリ111に記憶されたすべてのサンプリングデータから成るサンプリングデータ列はパーソナルコンピュータ102の相対速度算出部130に転送される。相対速度算出部130は、転送されたサンプリングデータ列を基にして、対象物体の相対速度を算出する(ステップS3)。
ここで、相対速度算出部130により実施される対象物体の相対速度の算出について詳細に説明する。図7は、対象物体の相対速度の算出方法を示すフローチャートである。この実施の形態1では、反射波のピーク周波数を検出するために算出される周波数スペクトルの周波数分解能を上げるために、サンプリングデータ列に含まれるサンプリングデータの数を増加する(ステップS11)。図8は、サンプリングデータ列におけるサンプリングデータの増加処理を示す図である。図8に示されるように、1024個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列の後ろに64512個の「0」を並べることで、65536個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列を生成する。65536個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列が得られれば、当該サンプリングデータ列に対して、ハニング窓関数をかける(ステップS12)。次に、ハニング窓関数がかけられたサンプリングデータ列に対してFFT(高速フーリエ変換)を適用して、反射波に係る周波数スペクトルを算出する(ステップS13)。ピーク周波数が検出されれば、ピーク周波数に基づいて対象物体の相対速度を算出する(ステップS14)。
サンプリングデータ列に含まれるサンプリングデータの個数を1024個から65536個に増加することで、周波数分解能は100Hzから1.5Hzに向上する。また、周波数分解能が上がることで、これに応じて対象物体の相対速度に係る速度分解能も、87cm/秒から1.3cm/秒に向上する。図9は、反射波の周波数スペクトルを示す図である。図9に示されるように、対象物体の運動に起因するドップラー効果により、反射波のピーク周波数は、40kHzからずれることになる。ここで、Vsを対象物体の相対速度、cを音速、fをスピーカ107から送信される超音波の周波数、fをマイクロホン108に受信された反射波のピーク周波数とすると、対象物体の相対速度Vsは、以下の式(1)から与えられる。
Vs=c・(f−f)/(f+f) (1)
図5に示されるように、約2m秒の期間にわたって40kHzの超音波を連続的に出力した後には、20kHzのパルス状の超音波を50μ秒の期間にわたって出力する(ステップS4)。20kHzのパルス状の超音波が出力されれば、その直後から対象物体からの反射波を10m秒の期間にわたってサンプリングする(ステップS5)。この際にも、反射波の周波数スペクトルを算出するために、1回目のサンプリング処理と同様に、サンプリング部110は、増幅器109で増幅された電気信号を、10μ秒のサンプリング間隔でサンプリングして、1024個のデジタル信号値に変換して出力する。すなわち、20kHzの超音波を出力してから、約10m秒の期間にわたって反射波のサンプリングを継続する。
メモリ111は、2回目のサンプリング処理に係る1024個のサンプリングデータを逐次的に蓄積する。なお、対象物体の相対速度を算出するために1回目のサンプリング処理によりメモリ111に蓄積された1024個のサンプリングデータは既にパーソナルコンピュータ2の相対速度算出部130に転送されているので、今回のサンプリングデータの蓄積は前回のサンプリングデータを蓄積したメモリ素子に上書きするような態様で実施してもよい。メモリ111に2回目のサンプリング処理に係るすべてのサンプリングデータが蓄積された後に、メモリ111に蓄積されたサンプリングデータから成るサンプリングデータ列をパーソナルコンピュータ102の反射時間算出部135へ転送する。反射時間算出部135は転送されたサンプリングデータ列を基にして反射時間を算出し、さらに距離及び段差算出部140にて対象物体までの距離並びに対象物体の表面上の段差の個数および深さを算出する(ステップS6)。
ここで、反射時間算出部135及び距離及び段差算出部140により実施される対象物体までの距離並びに対象物体の表面上の段差の個数および深さの算出について説明する。図10は、対象物体までの距離並びに対象物体の表面上の段差の個数および深さの算出方法を示すフローチャートである。1024個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列が得られれば、当該サンプリングデータ列から構成される観測区間を5個のサンプリングデータから構成される微小区間に分割する(ステップS21)。上述したように、サンプリング間隔は10μ秒であるので、微小区間の長さは50μ秒となる。これは、20kHzの超音波周波数の信号の1波長分に相当する。すなわち、微小区間は、FFTにより20kHzの周波数スペクトルを検出することが可能な最小の時間幅を有する区間として設定されている。
微小区間への分割が完了すれば、微小区間毎に順番に20kHzの超音波に係る反射波が受信されたか否かを検出する。ここでも、それぞれの微小区間毎に、当該微小区間で受信された反射波について算出される周波数スペクトルの周波数分解能を上げるために、サンプリングデータ列に含まれるサンプリングデータの数を増加する(ステップS22)。図11は、サンプリングデータ列におけるサンプリングデータの増加処理を示す図である。図11に示されるように、それぞれの微小区間毎に、5個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列を繰り返し並べることで、2048個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列を生成する。2048個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列が得られれば、当該サンプリングデータ列に対して、ハニング窓関数をかける(ステップS23)。ハニング窓関数がかけられたサンプリングデータ列に対してFFTを適用して、反射波に係る周波数スペクトルを算出する(ステップS24)。
周波数スペクトルが算出されれば、当該微小区間におけるピーク周波数が約20kHzであるか否かを判定する(ステップS25)。ピーク周波数が約20kHzであれば、パルス状に出力された20kHzの超音波に係る反射波が当該微小区間において受信されたものと認められるから、当該微小区間の時間軸上の位置を特定して、20kHzの超音波に係る反射時間を求める(ステップS26)。これにより、20kHzのパルス状の超音波が出力されてから対象物体に反射して受信されるまでに経過した時間(反射時間)を検出する。
図12は、対象物体の表面上の段差の測定の態様を示す図である。測定装置21において、超音波送信部22は例えばスピーカ107として与えられ、超音波受信部23は例えばマイクロホン108として与えられる。また、測定対象となる対象物体24は第1の表面部25及び第1の表面部25から段差をおいて位置する対象物体24の第2の表面部26を有するものとする。。測定装置21から第1の表面部25までの距離と第2の表面部26までの距離とは異なるために、超音波送信部22から送信される超音波が第1の表面部25により反射されて超音波受信部23に受信されるまでの反射時間Tと、超音波送信部22から送信される超音波が第2の表面部26により反射されて超音波受信部23に受信されるまでの反射時間Tとには、時間的ずれが生じる。
図13は、受信される反射波に係る20kHz帯のスペクトル強度の時間経過を示す図である。図13では、それぞれの微小区間毎に、20kHz帯のスペクトル強度が示されている。この実施の形態では、微小区間を20kHzのピーク周波数を検出することができる最小の区間幅(50μ秒)を有するように構成したので、対象物体24の異なる表面部25,26から反射された超音波を異なる微小区間において受信することを可能にするために必要となる段差の深さの下限値を小さくすることができて、段差の深さの分解能を大幅に向上することが可能となる。
ステップS25において、ピーク周波数が約20kHzであると判定されなかった場合、並びにステップS26の処理が完了した後は、20kHzの超音波に係る反射波の検出を実施すべき微小区間が残存しているか否かを判定する(ステップS27)。微小区間が残存していると判定された場合には、次の微小区間について20kHzの超音波に係る反射波の検出を実施するために、処理をステップS22へ移行する。すべての微小区間について、20kHzの超音波に係る反射波の検出が完了したと判定されれば、1または複数の反射時間(T,T,・・・)を基にして、対象物体までの距離並びに対象物体の表面上の段差の個数および深さを算出する(ステップS28)。
図13に示されるように、反射時間算出部135によって、2つの微小区間においてピーク周波数が約20kHzの反射波が検出された場合を例にとって、距離及び段差算出部140による対象物体までの距離並びに対象物体の表面上の段差の個数および深さを算出する方法について説明する。ここで、Tを20kHzの超音波が送信されてから第1の表面部25に反射して受信されるまでの反射時間、Tを20kHzの超音波が送信されてから第2の表面部26に反射して受信されるまでの反射時間、Rを対象物体までの距離とする。対象物体までの距離Rは、相対速度算出部130で算出される対象物体の相対速度Vsの影響を補償して、以下の式(2)から与えられる。
R=(T/2)(c−Vs) (2)
式(2)に式(1)を代入することで、対象物体までの距離Rは、以下の式(3)からも与えられる。
R=T・c・f/(f+f) (3)
また、段差の深さHは、以下の式(4)から与えられる。
H=(T−T)・c・f/(f+f) (4)
なお、上記の例では、20kHzの超音波に係る反射波が検出される微小区間が2つであるので、段差は1個となる。本願発明により検出される段差の個数は1個に限定されるものではなく、例えば反射波が検出される微小区間が3つであれば段差の個数は2個となり、反射波が検出される微小区間が4つであれば段差の個数は3個となる。各段差の深さは、それぞれ上式(4)を用いて同様に算出される。
上記のような測定方法を用いることで、対象物体の相対速度については、3.0cm/秒を下限値として、約1.5cm/秒の速度分解能で測定することが可能となる。計測誤差は、約15パーセントであった。また、段差の深さの測定については、約2cmの計測精度を得ることができた。
以上のように、この実施の形態1による測定方法は、40kHzの超音波を約2m秒の期間にわたって連続的に出力する工程と、40kHzの超音波に係る対象物体からの反射波を約10m秒の期間にわたってサンプリングする工程と、1回目にサンプリングされた1024個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列に基づいて対象物体の相対速度を算出する工程と、40kHzの周波数の超音波を連続的に出力した後に20kHzの超音波をパルス状に出力する工程と、1回目のサンプリング処理に係るサンプリングデータ列をパーソナルコンピュータ2に転送した後において20kHzの超音波をパルス状に出力した直後から40kHzの超音波および20kHzの超音波に係る対象物体からの反射波を約10m秒の期間にわたってサンプリングする工程と、2回目にサンプリングされた1024個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列に基づいて20kHzの超音波が送信されてから対象物体に反射して受信されるまでの1または複数の反射時間を検出する工程と、検出された1または複数の反射時間に基づいて対象物体までの距離並びに対象物体の表面上の段差の個数および深さを算出する工程とを有するように構成したので、比較的簡略な技術的構成を用いて、対象物体の相対速度および対象物体までの距離、さらには対象物体の表面形状までも測定することが可能となる。
また、特に測定装置に対して斜めに位置する対象物体までの距離を精度良く測定することができる。
また、20kHzの超音波を1波長分のみ出力するように構成したので、対象物体の表面上において異なる高さを有する表面部25,26から反射された複数の反射波に係る反射時間T,Tが20kHzの超音波の概ね1波長分に相当する時間だけずれていれば、超音波受信部23においてこれらの複数の反射波を重畳させることなく分離して受信することが可能となり、異なる表面部25,26間の高さの差(段差の深さH)の算出に係る分解能を向上することができる。
また、2回目にサンプリングされた1024個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列として与えられる観測区間を反射波の検出単位として与えられる微小区間に分割して、各微小区間の長さを20kHzの超音波の概ね1波長分(50μ秒)に等しくするように構成したので、20kHzの超音波に係る周波数スペクトルを検出することができる最小の時間幅を有する区間が微小区間として設定されるから、対象物体の表面上において異なる高さを有する表面部25,26から反射された複数の反射波を異なる微小区間で受信することを可能とする段差の深さHの下限値を小さくすることが可能となり、段差の深さHの算出に係る分解能を向上することができる。
また、1回目にサンプリングされた1024個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列に基づいて算出された対象物体の相対速度を用いて、2回目にサンプリングされた1024個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列に基づいて算出された対象物体までの距離および対象物体の表面上の段差の深さを補正するように構成したので、対象物体までの距離および対象物体の表面上の段差の深さをより精度よく算出することができる。
また、1回目にサンプリングされた1024個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列の後ろに64512個のゼロを並べて得られる65536個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列に対して、高速フーリエ変換を適用することで、40kHzの超音波に係る対象物体からの反射波の周波数スペクトルを算出するように構成したので、当該反射波について算出される周波数スペクトルの周波数分解能が高められ、当該反射波に係るピーク周波数をより精度よく検出することが可能となるから、対象物体の相対速度の算出に係る速度分解能を向上することができる。
また、1回目にサンプリングされた1024個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列の後ろに64512個のゼロを並べて得られる65536個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列に対して、ハニング窓関数をかけた後に、高速フーリエ変換を適用するように構成したので、40kHzの超音波に係る反射波について算出される周波数スペクトルの誤差を低減して、当該反射波に係るピーク周波数をさらに精度よく検出することが可能となるから、対象物体の相対速度の算出に係る誤差を低減することができる。
また、2回目にサンプリングされた1024個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列として与えられる観測区間を5個のサンプリングデータ毎の微小区間に分割して、それぞれの微小区間毎に、当該微小区間に存在する5個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列を繰り返し並べて得られる2048個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列に対して、高速フーリエ変換を適用することで、当該微小区間において受信された反射波の周波数スペクトルを算出するように構成したので、40kHzの超音波および20kHzの超音波に係る反射波について算出される周波数スペクトルの周波数分解能が高められ、20kHzの超音波に係る反射波が受信される微小区間をより精度よく検出することが可能となるから、対象物体までの距離等の算出に係る誤差を低減することができる。
また、微小区間に存在する5個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列を繰り返し並べて得られる2048個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列に対して、ハニング窓関数をかけた後に、高速フーリエ変換を適用するように構成したので、40kHzの超音波および20kHzの超音波に係る反射波について算出される周波数スペクトルの誤差を低減して、20kHzの超音波に係る反射波が受信される微小区間をさらに精度よく検出することが可能となるから、対象物体までの距離等の算出に係る誤差をさらに低減することができる。
なお、上記の実施の形態1では、対象物体の相対速度を算出してから、20kHzのパルス状の超音波を出力する構成としているが、それぞれの工程を実行する順序は、図6に示されるフローチャートに示される態様に限定されるものではない。例えばパーソナルコンピュータ102内の記憶手段に転送されてきたサンプリングデータを格納しておくことで、すべてのサンプリング処理が完了してから対象物体の相対速度、対象物体までの距離並びに対象物体の表面上の段差の個数および深さを一括して算出するように構成してもよい。また、20kHzのパルス状の超音波を出力する工程と、対象物体の相対速度を算出する工程とを、並列的に実行するように構成してもよい。
また、対象物体の相対速度を算出するために連続的に出力される超音波の周波数として40kHzが使用され、対象物体までの距離並びに対象物体の表面上の段差の個数および深さを算出するためにパルス状に出力される超音波の周波数として20kHzが使用されているが、使用される超音波の周波数はこれらの周波数に限定されるものではなく、種々の周波数の超音波を使用可能であることは言うまでも無い。40kHzの超音波を連続的に出力する期間も2m秒に限定されるものではなく、1回目および2回目のサンプリング処理に要する期間もそれぞれ10m秒に限定されるものではない。また、1回目および2回目のサンプリング処理において、サンプリングされるデータ数はそれぞれ1024個に限定されるものではない。さらに、周波数分解能を向上させるために、1回目のサンプリング処理に係るサンプリングデータ列に含まれるサンプリングデータの個数を増加して得られるサンプリングデータ列のデータの個数は65536個に限定されるものではなく、微小区間に存在する5個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列に含まれるサンプリングデータの個数を増加して得られるサンプリングデータ列のデータの個数は2048個に限定されるものではない。使用される超音波の周波数、サンプリング間隔、サンプリング期間、サンプリングデータの個数、サンプリングデータの増加数等については、使用される測定装置に内蔵されるCPU、メモリ、サンプリング部、A/D変換器、D/A変換器、発振器等のデバイスの性能に応じて、適宜変更可能であることが理解されよう。
また、上記の実施の形態1では、連続的に出力する超音波の周波数(40kHz)よりもパルス状に出力する超音波の周波数(20kHz)を低くする構成としているが、パルス状に出力する超音波の周波数を連続的に出力する超音波の周波数よりも高くする構成としてもよい。超音波の周波数が高くなるほど、周期は短くなるから、当該周波数の超音波を検出するための微小区間の時間幅を短くすることが可能となる。微小区間が短くなるほど、段差の深さHを算出する分解能は高くなるから、パルス状に出力する超音波の周波数を高く設定するのが好適である。
さらに、上記の実施の形態1では、図3に示される測定装置を構成する形態としたが、測定装置はこのような装置形態に限定されるものではなく、種々の形態により実現することが可能である。例えば、図6に示されるフローチャートに記載されるそれぞれの工程を実現する手段を一体化して専用の測定装置を構成することも勿論可能である。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2による測定方法について説明する。この実施の形態2による測定方法は、実施の形態1による測定方法と比較して、約10m秒の期間にわたってサンプリングされた単一のサンプリングデータ列に基づいて、対象物体の相対速度とともに対象物体までの距離並びに対象物体の表面上の段差の個数および深さを算出する点で差異を有する。なお、実施の形態2による測定方法を実現する測定装置の構成等については、実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
図14は、この発明の実施の形態2による測定方法を示すフローチャートである。まず、超音波発信器107から40kHzの超音波を2m秒の期間にわたって連続的に出力する(ステップS31)。超音波の出力に係る時間経過については、実施の形態1と同様に、図5に示される態様を採るものとする。40kHzの超音波を連続的に出力した後には、超音波発信器107から20kHzのパルス状の超音波を50μ秒の期間にわたって出力する(ステップS32)。上述したように、50μ秒の出力時間は、20kHzの超音波の1波長分に相当する。
図5に示されるような出力態様に基づいて、連続性を有する40kHzの超音波およびパルス状の20kHzの超音波が出力されるのに応じて、超音波受信器108で受信した40kHzの超音波および20kHzの超音波に係る対象物体からの反射波を10m秒の期間にわたってサンプリング部110にてサンプリングする(ステップS33)。この10m秒にわたるサンプリング期間については、連続的に出力される40kHzの超音波の反射波に係る周波数スペクトルおよびパルス状に出力される20kHzの超音波の反射波に係る周波数スペクトルを所定の精度以上の精度で検出できるように、サンプリングの始期(または終期)を適切に設定する必要がある。
例えば、超音波の反射時間が2m秒以上であるような場合には、実施の形態1と同様に、20kHzのパルス状の超音波が出力された直後から対象物体からの反射波のサンプリングを開始するように構成してもよい。また、超音波の反射時間が2m秒未満である場合には、20kHzのパルス状の超音波を出力する前からサンプリングを開始しないと、連続的に出力される40kHzの超音波の多くの部分がサンプリングの開始以前に超音波受信部に到達して、周波数スペクトルの算出を十分な精度をもって実行できなくなる場合が生じ得る。但し、サンプリングの始期を20kHzのパルス状の超音波を出力する前の任意の時刻に設定する場合には、サンプリングを開始してから20kHzのパルス状の超音波が出力されるまでの時間を明確に特定できるように、装置を構成する必要がある。このような装置構成は、20kHzのパルス状の超音波の反射時間を特定するために必要であり、例えば、マイクロコンピュータ1内のタイマカウンタ等を利用することで実現できる。
サンプリング期間にわたっては、マイクロホン108は、対象物体から反射された超音波を受信して、受信した超音波を電気信号に変換する。サンプリング部110は、増幅器109で増幅された電気信号を、A/D変換したのち、10μ秒のサンプリング間隔でサンプリングして、1024個のデジタル信号値に変換して出力する。10μ秒の間隔でサンプリングデータを得るために、このサンプリング処理には約10m秒の時間を要する。メモリ111は、1024個のサンプリングデータを逐次的に記憶する。マイクロコンピュータ1のメモリ111にサンプリング処理に係るすべてのサンプリングデータが蓄積された後に、メモリ111に蓄積されたすべてのサンプリングデータから成るサンプリングデータ列はパーソナルコンピュータ102の相対速度算出部130及び反射時間算出部135に転送される。
相対速度算出部130は、転送されたサンプリングデータ列を基にして、対象物体の相対速度を算出する(ステップS34)。上述したように、このサンプリングデータ列に基づいて、対象物体の相対速度とともに対象物体までの距離並びに対象物体の表面上の段差の個数および深さを算出するので、転送されたサンプリングデータ列については、パーソナルコンピュータ102に別途設けられたメモリ(図示せず)内の所定の記憶領域に格納して、相対速度算出部130および反射時間算出部135で算出される際にサンプリングデータ列に係るデータを適宜読み出すように構成するのが好適である。
相対速度検出部130により実施される対象物体の相対速度の算出方法については、図7に示される実施の形態1による相対速度の算出方法と同様のアルゴリズムを用いて実施される。ここでも、反射波のピーク周波数を検出するために算出される周波数スペクトルの周波数分解能を上げるために、図8に示されるように、1024個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列の後ろに64512個の「0」を並べることで、65536個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列を生成する。65536個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列が得られれば、当該サンプリングデータ列に対して、ハニング窓関数をかける。次に、ハニング窓関数がかけられたサンプリングデータ列に対してFFTを適用して、反射波に係る周波数スペクトルを算出する。ピーク周波数が検出されれば、ピーク周波数に基づいて対象物体の相対速度を算出する。
対象物体の相対速度を算出した後に、反射時間算出部135が転送されたサンプリングデータ列を基にして、反射時間を算出し、距離及び段差算出部140が対象物体までの距離並びに対象物体の表面上の段差の個数および深さを算出する(ステップS35)。距離及び段差算出部140で実施される対象物体までの距離並びに対象物体の表面上の段差の個数および深さの算出方法については、図10に示される実施の形態1によるこれら数値の算出方法と同様のアルゴリズムを用いて実施される。ここでも、1024個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列から構成される観測区間を5個のサンプリングデータから構成される微小区間に分割する。上述したように、サンプリング間隔は10μ秒であるから、微小区間の長さは20kHzの超音波の概ね1波長分(50μ秒)に等しくなるように設定される。
また、それぞれの微小区間毎に、当該微小区間で受信された反射波について算出される周波数スペクトルの周波数分解能を上げるために、図11に示されるように、サンプリングデータ列に含まれるサンプリングデータの数を増加する。すなわち、それぞれの微小区間毎に、5個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列を繰り返し並べることで、2048個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列を生成する。2048個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列が得られれば、当該サンプリングデータ列に対して、ハニング窓関数をかける。ハニング窓関数がかけられたサンプリングデータ列に対してFFTを適用して、反射波に係る周波数スペクトルを算出する。
それぞれの微小区間における周波数スペクトルが算出されれば、ピーク周波数が約20kHzである微小区間の時間軸上の位置を特定して、20kHzの超音波に係る反射時間を求める。上述したように、実施の形態2による測定方法におけるサンプリングは20kHzの超音波が送信された直後に開始されるものではない。その為に、20kHzの超音波が送信された時間軸上の位置と、約20kHzのピーク周波数を有する1または複数の微小区間の時間軸上の位置とを特定して、1または複数の反射時間を算出する。なお、1または複数の反射時間を基にして、対象物体までの距離並びに対象物体の表面上の段差の個数および深さを算出する方法については、実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
以上のように、この実施の形態2による測定方法によれば、40kHzの超音波を約2m秒の期間にわたって連続的に出力する工程と、40kHzの周波数の超音波を連続的に出力した後に20kHzの超音波をパルス状に出力する工程と、40kHzの周波数の超音波および20kHzの周波数の超音波を出力するのに応じて、40kHzの周波数の超音波および20kHzの周波数の超音波に係る対象物体からの反射波を10m秒の期間にわたってサンプリングする工程と、サンプリングされた1024個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列に基づいて対象物体の相対速度を算出する工程と、サンプリングされた1024個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列に基づいて20kHzの超音波が送信されてから対象物体に反射して受信されるまでの1または複数の反射時間を検出する工程と、検出された1または複数の反射時間に基づいて対象物体の距離並びに対象物体の表面上の段差の個数および深さを算出する工程とを有するように構成したので、比較的簡略な技術的構成を用いて、対象物体の速度および対象物体までの距離、さらには対象物体の表面形状までも測定することが可能となる。また、対象物体の相対速度とともに対象物体までの距離並びに対象物体の表面上の段差の個数および深さを算出するのに1回のサンプリングを実施すれば足るように構成したので、マイクロコンピュータ101内のRAM111におけるサンプリングデータの記憶処理、転送処理等を単純化することが可能となり、測定装置のシステム構成を簡略化することができる。また、特に測定装置に対して斜めに位置する対象物体までの距離を精度良く測定することができる。
なお、20kHzの超音波を1波長分のみ出力するようにしたこと、全体のサンプリングデータ列から成る観測区間を分割して得られる微小区間の長さを20kHzの超音波の概ね1波長分に等しくなるように設定すること、算出された対象物体の相対速度を用いて対象物体までの距離および対象物体の表面上の段差の深さを補正すること、全体のサンプリングデータ列から成る観測区間について周波数スペクトルを算出する際に1024個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列の後ろに64512個のゼロを並べて得られる65536個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列に対して高速フーリエ変換を適用すること、上記の65536個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列に対して窓関数をかけた後に高速フーリエ変換を適用すること、5個のサンプリングデータ列から成る微小区間について周波数スペクトルを算出する際に5個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列を繰り返し並べて得られる2048個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列に対して高速フーリエ変換を適用すること、並びに上記の2048個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列に対して窓関数をかけた後に高速フーリエ変換を適用することに基づくそれぞれの作用効果については、実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
また、上記の実施の形態2による測定方法を実現するために当該測定方法を構成するそれぞれの工程を実行する順序は、図14に示されるフローチャートに示される態様に限定されるものではない。例えば、サンプリングデータ列に基づいて対象物体の相対速度を算出する工程をサンプリングデータ列に基づいて1または複数の反射時間を検出する工程の後に実行する構成としてもよく、またこれらの工程を並列的に実行する構成としてもよい。また、実施の形態2による測定方法において使用される超音波の周波数、サンプリング間隔、サンプリング期間、サンプリングデータの個数、サンプリングデータの増加数等については、実施の形態1と同様に、使用される測定装置に内蔵されるCPU、メモリ、A/D変換器、D/A変換器、発振器等のデバイスの性能に応じて、適宜変更可能であることが理解されよう。さらに、測定装置についても、図14に示されるフローチャートに記載されるそれぞれの工程を実現する手段をすべて具備していれば、種々の装置形態を採ることが可能である。
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3による測定方法について説明する。この実施の形態3による測定方法は、実施の形態1及び2による測定方法と比較して、単一周波数の超音波をパルス状に発信し、約10m秒の期間にわたってサンプリングされたサンプリングデータ列に基づいて、対象物体までの距離のみを算出する。実施の形態3による測定方法を実現する測定装置の構成等については図3に示した第1の実施形態及び第2の実施形態に用いる装置を利用できる。ただし、本実施形態では、超音波の周波数が一つであり、かつ相対速度の算出や、対象物体の表面上の段差の個数及び深さの算出を行わないので、必要な機能のみを使用する。
また、本実施形態を実施する装置は、図15のような構成をとることも可能である。この方が、構成が図3の構成より簡単となる。本実施形態に用いられる装置150は、対象物体に向けて所定の単一周波数で発射する超音波の発信源である超音波発信器157、対象物体で反射した超音波を受信する超音波受信器158、超音波受信器158で受信した信号をA/D(アナログ/デジタル)変換しサンプリング処理を実施するためのサンプリング部160、サンプリングしたデータを蓄積するメモリ161、前記周波数の超音波が送信されてから対象物体に反射して受信されるまでの反射時間を検出し、検出された反射時間に基づいて、対象物体までの距離を算出する、距離算出部145、距離算出部145における処理の際サンプリングデータ列を入力してFFT処理等を適用するFFT処理部155及び超音波発信器157の発振を制御し、また装置全体を制御するための制御部170とを有する。サンプリング部160、メモリ161,距離算出部145、FFT処理部155、及び制御部170は、コンピュータに一括して搭載し、ハードウェアまたはソフトウェアで構成することが可能である。
超音波受信器158は、測定対象となる物体から反射された超音波(反射波)を受信するとともに圧電変換し電気信号を出力する。必要に応じて電気信号の増幅器が装備されている。サンプリング部160は、超音波受信器158から出力されるアナログ電気信号を所定のサンプリング間隔で例えば10ビットのデジタル信号値に変換する。メモリ161は、サンプリング部160でサンプリングされたデジタル信号値を逐次的に記憶する機能を有し、例えば2kバイトの容量を備えたRAMである。
図16は、この発明の実施の形態3による測定方法を示すフローチャートである。超音波発信器157から20kHzのパルス状となる発射超音波が50μ秒の期間にわたって出力する(ステップS51)。50μ秒の出力時間は、20kHzの超音波の1波長分に相当する。これは、制御部170から超音波発信器157に対して該期間の間発信命令を送付することで実現可能である。出力時間は、1波長分とするほか、例えば4波長分とすることも可能である。出力期間を長くしたほうが、受信する超音波のエネルギーが強くなるため、より良好な結果が得られる。一方、出力期間を短く1波長とすれば、測定分解能が向上する。
サンプリング部160において放射超音波(20kHz)に係る対象物体からの反射波を10m秒の期間にわたってサンプリングする(ステップS52)。
サンプリング期間にわたっては、超音波受信器158は、対象物体から反射された超音波を受信して、受信した超音波を電気信号に変換する。サンプリング部160は、受信した電気信号を、10μ秒のサンプリング間隔でサンプリングして、1024個のデジタル信号値に変換して出力する。10μ秒の間隔でサンプリングデータを得るために、このサンプリング処理には約10m秒の時間を要する。メモリ161は、1024個のサンプリングデータを逐次的に記憶する。メモリ161にサンプリング処理に係るすべてのサンプリングデータが蓄積された後に、メモリ161に蓄積されたすべてのサンプリングデータから成るサンプリングデータ列は距離算出部145に転送される。
距離算出部145に転送されたサンプリングデータ列を基にして、反射時間を算出し、この結果から対象物体までの距離を算出する(ステップS53)。
ここで、距離算出部155により実施される対象物体までの距離の算出について説明する。図17は、対象物体までの距離の算出方法を示すフローチャートである。また図18は、この実施形態の距離算出方法を示す図である。 図18(a)は、横軸に時間を縦軸に受信した超音波強度を示す。この状態では受信した反射波信号がノイズに埋もれているため、FFT処理により反射波信号を抽出する。受信した超音波強度の値をサンプリング部160にて1024個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列を得る。さらに、当該サンプリングデータ列から構成される観測区間を10個のサンプリングデータから構成される微小区間に分割する(ステップS61)。上述したように、サンプリング間隔は10μ秒であるので、微小区間の長さは100μ秒となる。
微小区間への分割が完了すれば、微小区間毎に受信した超音波について発射超音波の周波数が属する周波数帯のスペクトル強度を求める。それぞれの微小区間毎に、当該微小区間で受信された反射波について算出される周波数スペクトルの周波数分解能を上げるために、サンプリングデータ列に含まれるサンプリングデータの数を増加する(ステップS62)。図18(b)は、サンプリングデータ列におけるサンプリングデータの増加処理を示す図である。この図に示されるように、それぞれの微小区間毎に、10個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列D〜Dを繰り返し並べることで、2048個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列を生成する。2048個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列が得られれば、当該サンプリングデータ列に対して、FFTを適用して、放射超音波の周波数が属する周波数帯のスペクトル強度を求める(ステップS63)。さらに、すべての微少区間について該スペクトル強度を算出する(ステップS64)。
すべての微少区間について放射超音波の周波数が属する周波数帯のスペクトル強度を求め終われば、図18(c)に示すように、該周波数帯のスペクトル強度の時間依存性が求まる。図18(c)では、それぞれの微小区間毎に、放射超音波の周波数が属する周波数帯のスペクトル強度が示されている。すなわち、横軸は時間を、縦軸には放射超音波の周波数が属する20kHz帯のスペクトル強度を示す。次に、スペクトル強度が最大となる位置、すなわちピーク位置を求める(ステップS65)。ピーク位置に対応する時間が反射超音波の受信時間となるので、超音波が出力されてから対象物体に反射して受信されるまでに経過した時間T(反射時間)を算出し、さらに対象物体までの距離を算出する(ステップS66)。対象物体までの距離Rは前述のT及び音速をcとして、以下の式(5)から与えられる。
R=(T/2)・c (5)
以上のように、この実施の形態3による測定方法は、20kHzの超音波をパルス状に出力する工程と、20kHzの超音波に係る対象物体からの反射波を約10m秒の期間にわたってサンプリングする工程と、サンプリングされた1024個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列に基づいて20kHzの超音波が送信されてから対象物体に反射して受信されるまでの反射時間を検出し、検出された反射時間に基づいて対象物体までの距離を算出する工程とを有するように構成したので、比較的簡略な技術的構成を用いて、対象物体までの距離を測定することが可能となる。また、特に測定装置に対して斜めに位置する対象物体までの距離を精度良く測定することができる。とくに、測定装置に対して斜めに位置する対象物体までの距離を精度良く測定することができる。
また、サンプリングされた1024個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列として与えられる観測区間を10個のサンプリングデータ毎の微小区間に分割して、それぞれの微小区間毎に、当該微小区間に存在する10個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列を繰り返し並べて得られる2048個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列に対して、高速フーリエ変換を適用することで、当該微小区間において受信された反射波の周波数スペクトルを算出するように構成したので、20kHzの超音波に係る反射波について算出される周波数スペクトルの周波数分解能が高められ、20kHzの超音波に係る反射波が受信される微小区間をより精度よく検出することが可能となるから、対象物体までの距離の算出に係る誤差を低減することができる。さらに、ホワイトノイズの混入に対しても耐性を有する測定方法及び装置を提供する。
また、本実施形態を実施する装置においては、超音波周波数は一つしか用いず、対象物体の位置のみを測定する。したがって、所定の単一周波数の発信が可能な超音波発信素子を用いることができるので、第1、第2の実施形態よりも簡単な装置構成を採用することができ、また、計測速度も高速となる。さらに、本実施形態による方法は、ほとんどの超音波センサシステムに使用可能である。
超音波の周波数として20kHzが使用されているが、使用される超音波の周波数はこれに限定されるものではなく、種々の周波数の超音波を使用可能であることは言うまでも無い。また、超音波を出力する期間についても、1波長分とは限らず例えば4波長分としてもよい。サンプリング処理に要する期間もそれぞれ10m秒に限定されるものではない。サンプリング処理において、サンプリングされるデータ数はそれぞれ1024個に限定されるものではない。また、微少区間に存在するサンプリングデータの数は10個に限定されるものでない。微小区間に存在する10個のサンプリングデータから成るサンプリングデータ列に含まれるサンプリングデータの個数を増加して得られるサンプリングデータ列のデータの個数は2048個に限定されるものではない。使用される超音波の周波数、サンプリング間隔、サンプリング期間、サンプリングデータの個数、微少区間に存在するサンプリングデータの数、サンプリングデータの増加数等については、使用される測定装置に使用される、メモリ、サンプリング部、超音波発信器、及び超音波受信器等のデバイスの性能に応じて、適宜変更可能であることが理解されよう。
図6、図7、図10、図14、図16及び図17に示されるフローチャートに記載された各工程を実行するプログラムコードから成る測定プログラムは、当該測定プログラムが記憶されたCD−ROMやDVD−ROM等の記憶媒体を入手することで、あるいは当該測定プログラムが格納された外部のサーバからダウンロードすることで利用することが可能である。情報記憶媒体から読み出されるか、あるいは外部のサーバからダウンロードされた測定プログラムは、例えばマイクロコンピュータやパーソナルコンピュータ、あるいは測定用に一体化された専用端末の記憶手段にインストールされる。記憶手段にインストールされた測定プログラムを、例えば専用端末内のCPUにより実行することで、実施の形態1ないし3において説明した測定方法を実現することができる。
なお、上記の実施の形態1ないし3により説明される測定方法は、本願発明を限定するものではなく、例示することを意図して開示されているものである。本願発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載により定められるものであり、特許請求の範囲に記載された発明の技術的範囲内において種々の設計的変更が可能である。例えば、上記の実施の形態1または2では、単一周波数または周波数の異なる2種類の超音波を用いて対象物体の速度や対象物体までの距離等を測定する構成としているが、単一周波数または周波数の異なる2種類の電磁波を用いて測定することも可能である。例えば、特定周波数のレーザ光線を発生する1個のレーザ光線発生器または周波数の異なるレーザ光線をそれぞれ発生する2個のレーザ光線発生器を設けて、電子スイッチ等を用いて出力されるレーザ光線を適宜変更するように構成すればよい。この場合でも、対象物体の速度や対象物体までの距離等については、式(1)から式(5)を用いて、超音波を使用した場合と同様に算出することが可能である。
また、上記の実施の形態1または2による説明される測定方法では、検出された1または複数の反射時間に基づいて対象物体までの距離並びに対象物体の表面上の段差の個数および深さを算出する構成としているが、検出された1または複数の反射時間に基づいて対象物体までの距離のみを算出する構成、あるいは検出された1または複数の反射時間に基づいて対象物体の表面上の段差の個数および深さのみを算出する構成を採ることも可能である。これらのすべての発明の態様が、本願発明に係る技術的範囲に含まれるものであることが理解されよう。
実験例.
本願測定方法により、傾斜配置物体の距離及び段差の測定実験を行った。測定装置21と対象物体24との配置を図19に示す。対象物体24は2cmの段差を持つように配置された2個の幅15cm、高さ60cmの平板29からなる。対象物体24と測定装置21とのなす角度θを増加させて測定を行った。放射超音波の周波数は20kHzとした。測定装置21と対象物体24との距離Zは50cm〜150cmの範囲内で5段階に変えた。
測定装置は図3に示す構成のものである。超音波送信部に相当するスピーカ107は音響用のスピーカFOSTEX FT17H、超音波受信部に相当するマイクロホン108は音響用のマイクAV LEADER PHM903を用いた。
本願発明の実施形態1または2(2周波数型)の方法によって、各距離Zに対する、「物体表面段差を正確に測定可能である最大の物体傾き角θ1」及び「物体表面段差の測定はできないが、物体の存在距離を正確に測定可能である最大の物体傾き角θ2」を測定した。θ1の測定においては、各測定装置−対象物体間距離において物体の傾き角を1°単位で増加し、各傾き角において10回測定を行い,10回全ての結果から物体表面段差が読み取れると判断した最大の物体傾き角とした。「物体表面段差が読み取れる」ことの判断基準は、放射超音波の周波数20KHzスペクトル強度に段差からの2つのピークが明確に見られ,各ピーク間の距離が実際の段差の奥行きと一致していることとした。また、「物体表面段差を読み取れない」とは、一つのピークのみが明確に検出されるが他のピークは明確でない、またはピークが一つしか検出できない場合である。この場合はθ2の測定対象となり、「物体の存在距離を正確に測定可能」を、発信器の周波数と同じ周波数スペクトル強度のピークのS/N比が2以上であり,ピークの距離値が実際の測定物体の距離値と一致していることとした。距離Zに対するθ1及びθ2を図20(a)(b)にそれぞれに示す。図20及び後に出てくる図21において横軸には、距離Zをcmで、縦軸にはθ1またはθ2を度数で表す。
また、本願発明の実施形態3(1周波数型)の方法及び従来型の測定方法においては、段差の測定はできないが、対象物体までの距離が測れるので、これらの方法によって物体の存在距離を正確に測定可能である最大の物体傾き角をθ2として測定した。この場合も、S/N比が2以上の場合を「距離測定可能」とした。2周波数型、1周波数型及び従来型の測定よるθ2の比較を図21に示す。なお、従来型とは、発信器から放射された超音波パルスを受信器で受信して反射波の強度を測定し、反射波強度のピーク位置から反射時間を求める距離測定方法である。従来型による測定においては、装置構成を図3と同じ構成とし、本願発明実施形態1の処理フローの一部を用いた。図21においては、Bが2周波数型による測定、Aが1周波数型による測定であり、Cが従来型による測定値である。図21により、2周波数型も1周波数型も従来型に対して大きな傾き角に対しても距離の測定が可能であることが示される。したがって、本願発明方法は、斜めに位置した物体の距離測定方法として有効である。また、特に2周波数型は、対象物体が傾いていても段差の読み取りが可能である。
自動車の駐車支援への応用.
本願発明による測定方法は、壁までの距離、ならびに場合によっては、相対速度及び段差を検出でき、とくに測定装置に対して壁が斜めに位置したときも精度良く測定できるから、自動車の車庫入れに用いることができる。また、本願発明による測定装置を自動車の車体に取り付けることにより、該自動車の車庫入れを容易にすることができる。取り付け位置は、左右一端または両端の前端及び後端に取り付ける。すなわち、(1)左前端及び左後端、(2)右前端及び右後端、(3)左前端、左後端、右前端及び右後端のいずれかであればよい。また、スピーカ197,超音波発信器157等である、超音波送信部22から発射される超音波が車体左右側面に対し垂直に放射されるように測定装置21を車体に取り付けることが好ましい。車体長手方向と平行に配置された壁面との距離を精度良く測定できるからである。
本願発明による測定方法による車庫入れ、また本願発明による測定装置を車体に取り付けた自動車の車庫入れはつぎの手順となる。図22は、図3に示した測定装置100を取り付けた自動車210がバックしながら車庫220にはいる状況を示したものであり、道路205に沿って壁225があるので該測定装置を利用して壁の位置等を検知することによって車庫入れを行うことが可能なものとする。壁225には車庫220の入り口に、直角にへこんだ窪みからなる段差230がある。この実施例では、バックしながら左折して車庫へ入れるため、車体の左側に取り付けた装置を示し、車体204の前端部に取り付けられた装置241及び後端部に取り付けられた装置242を有するものとする。さらに、この例では、実質的には後端部に取り付けられた装置242のみが車庫入れに使用されるので、前端部に取り付けられた装置241はなくてもよい。また、装置241及び242は、その超音波送信部から発射される超音波放射方向249が車体左右側面に対し垂直に放射されるように車体に取り付けられていることが好ましい。
自動車210は、図22における(1)→(2)→(3)→(4)の順で移動する。図23は装置による検知結果を示し、(a)が装置241、(b)が装置242に対応する。また(1)〜(4)は図22の自動車の位置(1)〜(4)にそれぞれ対応する。なお、図23に示したそれぞれのグラフで横軸が時間を、縦軸が発射超音波の周波数が属する周波数帯のスペクトル強度を示す。図24は、車庫入れの手順を示すフローチャートである。車庫入れ開始で、自動車はバックしながら直進開始し、(ステップS81)、壁までの距離測定を開始する(ステップS82)。測定は駐車終了まで継続して行う。(1)の位置においては、2つの装置241,242とも平坦な壁230を検知するので表面を1個のみ検知する。これが図23の(1)(b)である。自動車がバックして、(2)の位置に来ると後方の測定装置242は、段差230を検知する(ステップS83)。すなわち、段差230の存在により、表面を2個所検知する。これが図23の(2)(b)である。この時点でハンドルを切り(ステップS84)、自動車は曲がりながらバックする。その過程で斜めの状態(3)になる。このとき、段差230と後方の測定層値242との角度の関係で、段差を検知しなくなる状態が発生する。これが図23の(3)(b)に示した1表面のみを検出する状態に対応する。さらに自動車は曲がりながらバックする。その後、自動車は初期状態から90°向きを変え、車体後方が車庫に入りはじめる(4)の状態になるが、このとき再度、装置242が段差230により2表面を検出することになる(ステップS85)。これは図23の(4)(b)に対応する。このときハンドルを戻し(ステップS86)、その後、直進でバックを進め、所定位置で停止し、装置による測定を終了して(ステップS87)最終的に車庫入れを完了する。このように、車体端部に取り付けられた装置241及び242にて2表面の検出→1表面の検出→2表面の検出をとらえてハンドルの操作に対応させることにより、自動車の車庫入れを容易しかも安全に進めることが可能となる。
本願発明は、周囲環境内で移動する物体に関する速度情報、距離情報、表面形状情報等の情報を取得するためのセンサ、例えば自律移動型ロボット用の外界センサ、自動車の車間情報センサ、自動車の自動駐車システム等におけるソナーシステム、生産ライン上のセンサ、防犯センサ等に広く適用できるものである。

Claims (21)

  1. 自動車の車体の左側面及び/又は右側面の前端及び後端に取り付けるための測定装置を用いる測定方法であって、
    第1の周波数の超音波を所定の期間にわたって連続的に出力する工程と、
    第1の周波数の超音波に係る対象物体からの反射波をサンプリングする工程と、
    サンプリングされた第1のサンプリングデータ列に基づいて対象物体の相対速度を算出する工程と、
    所定の期間にわたって第1の周波数の超音波を連続的に出力した後に、第2の周波数の超音波をパルス状に出力する工程と、
    第1の周波数の超音波および第2の周波数の超音波に係る対象物体からの反射波をサンプリングする工程と、
    サンプリングされた第2のサンプリングデータ列に基づいて第2の周波数の超音波が送信されてから対象物体に反射して受信されるまでの1または複数の反射時間を検出する工程と、
    検出された1または複数の反射時間に基づいて、対象物体までの距離、あるいは対象物体の表面上の段差の個数および深さを算出する工程とを有し、
    前記自動車を、入り口付近に段差を持つ壁面を有する車庫へ車庫入れする際に、前記自動車が有する前記測定装置にて前記壁面までの距離及び段差を継続的に測定しておき、段差を検知しない状態から段差を検知する状態に変化した場合にハンドルを操作するために用いられる、
    ことを特徴とする測定方法。
  2. 自動車の車体の左側面及び/又は右側面の前端及び後端に取り付けるための測定装置を用いる測定方法であって、
    第1の周波数の超音波を所定の期間にわたって連続的に出力する工程と、
    所定の期間にわたって第1の周波数の超音波を連続的に出力した後に、第2の周波数の超音波をパルス状に出力する工程と、
    第1の周波数の超音波および第2の周波数の超音波に係る対象物体からの反射波をサンプリングする工程と、
    サンプリングされたサンプリングデータ列に基づいて対象物体の相対速度を算出する工程と、
    サンプリングされたサンプリングデータ列に基づいて第2の周波数の超音波が送信されてから対象物体に反射して受信されるまでの1または複数の反射時間を検出する工程と、
    検出された1または複数の反射時間に基づいて、対象物体までの距離、あるいは対象物体の表面上の段差の個数および深さを算出する工程とを有し、
    前記自動車を、入り口付近に段差を持つ壁面を有する車庫へ車庫入れする際に、前記自動車が有する前記測定装置にて前記壁面までの距離及び段差を継続的に測定しておき、段差を検知しない状態から段差を検知する状態に変化した場合にハンドルを操作するために用いられる、
    ことを特徴とする測定方法。
  3. 第2の周波数の超音波を概ね1波長分出力することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の測定方法。
  4. 第2の周波数の超音波が送信されてから対象物体に反射して受信されるまでの1または複数の反射時間を検出するためにサンプリングされたサンプリングデータ列に含まれるサンプリングデータ全体から成る区間を微小区間に分割して、各微小区間の長さを第2の周波数の超音波の概ね1波長分に等しくすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の測定方法。
  5. 対象物体の相対速度を用いて、対象物体までの距離あるいは対象物体の表面上の段差の深さを補正することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の測定方法。
  6. 対象物体の相対速度を算出するためにサンプリングされたサンプリングデータ列の後ろに複数のゼロを並べて得られるサンプリングデータ列に対して、高速フーリエ変換を適用することで、第1の周波数の超音波に係る対象物体からの反射波の周波数スペクトルを算出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の測定方法。
  7. 対象物体の相対速度を算出するためにサンプリングされたサンプリングデータ列の後ろに複数のゼロを並べて得られるサンプリングデータ列に対して、窓関数をかけた後に、高速フーリエ変換を適用することを特徴とする請求項6に記載の測定方法。
  8. 第2の周波数の超音波が送信されてから対象物体に反射して受信されるまでの1または複数の反射時間を検出するためにサンプリングされたサンプリングデータ列に含まれるサンプリングデータ全体から成る区間を微小区間に分割して、それぞれの微小区間毎に、当該微小区間に存在するサンプリングデータから成るサンプリングデータ列を繰り返し並べて得られるサンプリングデータ列に対して、高速フーリエ変換を適用することで、当該微小区間において受信された反射波の周波数スペクトルを算出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の測定方法。
  9. 微小区間に存在するサンプリングデータから成るサンプリングデータ列を繰り返し並べて得られるサンプリングデータ列に対して、窓関数をかけた後に、高速フーリエ変換を適用することを特徴とする請求項8に記載の測定方法。
  10. 自動車の車体の左側面及び/又は右側面の前端及び後端に取り付けるための測定装置に組み込まれるプログラムであって、
    第1の周波数の超音波を所定の期間にわたって連続的に出力するステップと、
    第1の周波数の超音波に係る対象物体からの反射波をサンプリングするステップと、
    サンプリングされた第1のサンプリングデータ列に基づいて対象物体の相対速度を算出するステップと、
    所定の期間にわたって第1の周波数の超音波を連続的に出力した後に、第2の周波数の超音波をパルス状に出力するステップと、
    第1の周波数の超音波および第2の周波数の超音波に係る対象物体からの反射波をサンプリングするステップと、
    サンプリングされた第2のサンプリングデータ列に基づいて第2の周波数の超音波が送信されてから対象物体に反射して受信されるまでの1または複数の反射時間を検出するステップと、
    検出された1または複数の反射時間に基づいて、対象物体までの距離、あるいは対象物体の表面上の段差の個数および深さを算出するステップとを有し、
    前記自動車を、入り口付近に段差を持つ壁面を有する車庫へ車庫入れする際に、前記自動車が有する前記測定装置にて前記壁面までの距離及び段差を継続的に測定しておき、段差を検知しない状態から段差を検知する状態に変化した場合にハンドルを操作するために用いられる、
    ことを特徴とする測定プログラム。
  11. 自動車の車体の左側面及び/又は右側面の前端及び後端に取り付けるための測定装置に組み込まれるプログラムであって、
    第1の周波数の超音波を所定の期間にわたって連続的に出力するステップと、
    所定の期間にわたって第1の周波数の超音波を連続的に出力した後に、第2の周波数の超音波をパルス状に出力するステップと、
    第1の周波数の超音波および第2の周波数の超音波に係る対象物体からの反射波をサンプリングするステップと、
    サンプリングされたサンプリングデータ列に基づいて対象物体の相対速度を算出するステップと、
    サンプリングされたサンプリングデータ列に基づいて第2の周波数の超音波が送信されてから対象物体に反射して受信されるまでの1または複数の反射時間を検出するステップと、
    検出された1または複数の反射時間に基づいて、対象物体までの距離、あるいは対象物体の表面上の段差の個数および深さを算出するステップとを有し、
    前記自動車を、入り口付近に段差を持つ壁面を有する車庫へ車庫入れする際に、前記自動車が有する前記測定装置にて前記壁面までの距離及び段差を継続的に測定しておき、段差を検知しない状態から段差を検知する状態に変化した場合にハンドルを操作するために用いられる、
    ことを特徴とする測定プログラム。
  12. 自動車の車体の左側面及び/又は右側面の前端及び後端に取り付けるための測定装置を用いる測定方法であって、
    第1の周波数の電磁波を所定の期間にわたって連続的に出力する工程と、
    第1の周波数の電磁波に係る対象物体からの反射波をサンプリングする工程と、
    サンプリングされた第1のサンプリングデータ列に基づいて対象物体の相対速度を算出する工程と、
    所定の期間にわたって第1の周波数の電磁波を連続的に出力した後に、第2の周波数の電磁波をパルス状に出力する工程と、
    第1の周波数の電磁波および第2の周波数の電磁波に係る対象物体からの反射波をサンプリングする工程と、
    サンプリングされた第2のサンプリングデータ列に基づいて第2の周波数の電磁波が送信されてから対象物体に反射して受信されるまでの1または複数の反射時間を検出する工程と、
    検出された1または複数の反射時間に基づいて、対象物体までの距離、あるいは対象物体の表面上の段差の個数および深さを算出する工程とを有し、
    前記自動車を、入り口付近に段差を持つ壁面を有する車庫へ車庫入れする際に、前記自動車が有する前記測定装置にて前記壁面までの距離及び段差を継続的に測定しておき、段差を検知しない状態から段差を検知する状態に変化した場合にハンドルを操作するために用いられる、
    ことを特徴とする測定方法。
  13. 自動車の車体の左側面及び/又は右側面の前端及び後端に取り付けるための測定装置を用いる測定方法であって、
    第1の周波数の電磁波を所定の期間にわたって連続的に出力する工程と、
    所定の期間にわたって第1の周波数の電磁波を連続的に出力した後に、第2の周波数の電磁波をパルス状に出力する工程と、
    第1の周波数の電磁波および第2の周波数の電磁波に係る対象物体からの反射波をサンプリングする工程と、
    サンプリングされたサンプリングデータ列に基づいて対象物体の相対速度を算出する工程と、
    サンプリングされたサンプリングデータ列に基づいて第2の周波数の電磁波が送信されてから対象物体に反射して受信されるまでの1または複数の反射時間を検出する工程と、
    検出された1または複数の反射時間に基づいて、対象物体までの距離、あるいは対象物体の表面上の段差の個数および深さを算出する工程とを有し、
    前記自動車を、入り口付近に段差を持つ壁面を有する車庫へ車庫入れする際に、前記自動車が有する前記測定装置にて前記壁面までの距離及び段差を継続的に測定しておき、段差を検知しない状態から段差を検知する状態に変化した場合にハンドルを操作するために用いられる、
    ことを特徴とする測定方法。
  14. 自動車の車体の左側面及び/又は右側面の前端及び後端に取り付けるための測定装置であって、
    第1の周波数の超音波を所定の期間にわたって連続的に出力する第1の超音波発信部と、
    第2の周波数の超音波をパルス状に出力する第2の超音波発信部と、
    第1及び第2の超音波発信部から発信される超音波の受信部と、
    受信した第1及び第2の周波数の超音波に係る対象物体からの反射波をサンプリングするサンプリング部と、
    サンプリングされた第1周波数の超音波に係わるサンプリングデータ列に基づいて対象物体の相対速度を算出する相対速度算出部と、
    サンプリングされた第2周波数の超音波に係わるサンプリングデータ列に基づいて第2の周波数の超音波が送信されてから対象物体に反射して受信されるまでの1または複数の反射時間を検出する反射時間算出部と、
    検出された1または複数の反射時間に基づいて、対象物体までの距離、あるいは対象物体の表面上の段差の個数および深さを算出する、距離及び段差算出部とを有し、
    前記自動車を、入り口付近に段差を持つ壁面を有する車庫へ車庫入れする際に、前記自動車が有する前記測定装置にて前記壁面までの距離及び段差を継続的に測定しておき、段差を検知しない状態から段差を検知する状態に変化した場合にハンドルを操作するために用いられる、
    ことを特徴とする測定装置。
  15. 第2の超音波発信部が第2の周波数の超音波を概ね1波長分出力することを特徴とする請求項14に記載の測定装置。
  16. 前記距離及び段差算出部が、前記相対速度算出部で算出された相対速度を用いて対象物体までの距離あるいは対象物体の表面上の段差の深さを補正することを特徴とする請求項14に記載の測定装置。
  17. 第1または第2の周波数の超音波に係る対象物体からのサンプリングデータ列を高速フーリエ変換処理する高速フーリエ変換処理部をさらに有し、前記高速フーリエ変換処理部の結果を前記相対速度算出部または前記距離及び段差算出部での処理での処理にそれぞれ利用することを特徴とする請求項14に記載の測定装置。
  18. 第1または第2の周波数の超音波に係る対象物体からのサンプリングデータ列に窓関数をかけるための窓関数処理部をさらに有し、前記窓関数処理部の出力結果を、前記高速フーリエ変換処理部に入力することを特徴とする請求項17に記載の測定装置。
  19. 車体、及び請求項14に記載された測定装置を有し、前記車体の左側面及び/又は右側面の前端及び後端に前記測定装置が取り付けられた自動車。
  20. 前記測定装置の超音波放射方向が前記左側面または右側面に対して垂直方向であるように前記測定装置が取り付けられたことを特徴とする、請求項19に記載された自動車。
  21. 請求項19に記載された自動車を、入り口付近に段差を持つ壁面を有する車庫へ車庫入れする車庫入れ方法であって、
    前記自動車が有する前記測定装置にて前記壁面までの距離及び段差を継続的に測定しておき、段差を検知しない状態から段差を検知する状態に変化した場合にハンドルを操作することを特徴とする車庫入れ方法。
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