JP5136815B2 - 高吸水性無機酸化物粉末とその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は高い吸水性を有するシリカ粉末等の無機酸化物粉末の製造方法に関する。本発明の方法によって製造した無機酸化物粉末はインクの高い吸水性が必要であるインクジェットメディアや写真用樹脂コーティングメディアの材料として好適である。
【0002】
【従来の技術】
乾式製法によって得られるシリカは殆ど吸水性が無く、例えば、市販されているシリカ微粉末(商品名:Aerosil200)は、温度25℃、相対湿度80%の環境下に3時間保持した場合の水分吸着量は1.8%程度である。このシリカ微粉末をヘキサメチルジシラザンとアミノシランで表面処理すると上記と同条件下での水分吸着量は1.0%に低下することが報告されている。(IS&Ts NIP16,608-613,2000, M.Murota etal.)
【0003】
このようなシリカや酸化チタンなどの無機酸化物微粒子、カーボンブラック、あるいは有機顔料などの粒子表面にポリマーをグラフトすることによって、微粒子としての特性と高分子としての特性を兼ね備えた機能性複合材料を得ることが従来から知られており、そのグラフト化の方法として、微粒子表面に導入したアミノ基について、アクリル酸メチル(MA)によるマイケル付加反応と、ジアミンによる末端アミノ化を繰り返すことによって、ポリアミンデンドリマーを粒子表面にグラフトすることが最近報告されている(色材,71 [10],656-661,1998、N,Tubokawa etal. Reactive & Functional Polymers 37(1998) 75-82)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
火炎加水分解などの乾式法によって製造したシリカ等の微粉末は吸水性が極めて低く、乾燥重量に対して概ね2%以下である。このため、従来は乾式法で製造したシリカ粉末などをインクジェット材料などのような吸水性を必要とする材料に用いるのは難しいと云う問題があった。本発明は、乾式法で製造された無機酸化物粉末について、グラフト反応を利用することによってその吸水性を飛躍的に高めたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の製造方法は、〔1〕乾式製法によって得た無機酸化物粉末としてシリカ粉末、チタニア粉末、またはアルミナ粉末を用い、該粉末を不活性ガス雰囲気下で撹拌しながらアミノ基含有シランカップリング剤を少量の溶媒と共に滴下し、このときアミノ基含有シランカップリング剤の量を無機酸化物粉末量の2倍以下とし、または、該粉末に不活性ガス雰囲気下でアミノ基含有シリコーンオイルを噴霧し、加熱攪拌下で反応させて無機酸化物粉末の表面にアミノ基を導入した後に、アミノ基を導入した無機酸化物粉末に、不活性ガス雰囲気下でアクリル酸メチルを噴霧し、加熱攪拌して反応させるアクリル酸メチルによるマイケル付加反応と、未反応のアクリル酸メチルを真空下で除去した後に、ジアミンを不活性ガス雰囲気下で噴霧し、加熱攪拌下で反応させる末端アミノ化とを乾式下で繰り返すことによってグラフト反応を進めてポリアミンデンドリマーを粉末表面に形成することによって、吸着水分量が4重量%以上の吸水性を有する無機酸化物粉末を製造することを特徴とする高吸水性無機酸化物粉末の製造方法である。
【0006】
本発明の製造方法は、上記[1]の製造方法において、 乾式製法によって得た平均一次粒子径5〜500nmおよびBET比表面積5〜500m2/gの無機酸化物粉末を用い、アミノ基を導入した無機酸化物粉末に、窒素雰囲気下で、アクリル酸メチルを噴霧し、40℃以上で反応させた後に、未反応のアクリル酸メチルを真空下で除去し、次いでジアミンを窒素雰囲気下で噴霧し、40℃以上で反応させることを繰り返す製造方法を含む。
【0007】
本発明の製造方法によれば、平均一次粒子径が5〜500nm、およびBET比表面積が5〜500m2/gであり、グラフト率13〜302%において、アミノ基導入量0.9〜15.5mmol/g、乾燥粉末を温度25℃、相対湿度80%の環境下に60分間保持した際の吸着水分量が7.5〜14重量%、粉末を蒸留水に分散させて測定した透過率を未処理粉末に対比して示した親水性度が18〜65%である無機酸化物粉末を得ることができる。
【0008】
【発明の実施の態様】
以下、本発明を実施態様に基づいて詳細に説明する。
〔I〕無機酸化物粉末
本発明の無機酸化物粉末は、乾式製法によって得た無機酸化物粉末の表面にアミノ基を導入することによって、該粉末の乾燥重量に対して4重量%以上の吸水性を有することを特徴とする高吸水性の無機酸化物粉末であり、好ましくは、平均一次粒子径が5〜500nm、およびBET比表面積が5〜500m2/gであって、乾燥粉末を温度25℃、相対湿度80%の環境下に60分間保持した際の吸水量が6重量%以上である無機酸化物粉末である。
【0009】
本発明の無機酸化物粉末は、例えば、シリカ、チタニア、アルミナなどの酸化物粉末、あるいはこれら二種以上のを含む複合酸化物粉末などである。この無機酸化物粉末は乾式製法によって得たものである。乾式製法は、例えば、シリカ粉末の場合、四塩化珪素などのガス状の珪素化合物を火炎中で加水分解する方法であり、この方法によって微細な非晶質シリカ粉末を得ることができる。
【0010】
上記無機酸化物粉末は、例えば、平均一次粒子径が5〜500nm、およびBET比表面積が5〜500m2/gのものである。従来、乾式法によって製造されたこの粒径範囲の無機酸化物粉末は吸水性が殆ど無い。本発明はこの粒径範囲においても高い吸水性を有する無機酸化物粉末を提供することができる。
【0011】
〔II〕表面処理
本発明の無機酸化物粉末はその表面にアミノ基を導入することによって高い吸水性を有するようにしたものである。導入するアミノ基源として、アミノ基含有シランカップリング剤またはアミノ基含有シリコーンオイルが用いられる。アミノ基含有シランカップリング剤は一級または二級アミノ基を有するものが好ましい。また、アミノ基含有シリコーンオイルは、側鎖および/または末端に、一級または二級アミノ基を有するものが好ましく、さらに、その側鎖および/または末端にアルコキシ基や水酸基を持つものが好ましい。
【0012】
アミノ基含有シランカップリング剤として、具体的には例えば、γ―アミノプロピルトリエトキシシラン、γ―アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等が用いられる。また、アミノ基含有シリコーンオイルとしては、側鎖型アミン変性シリコーンオイル、両末端型アミン変性シリコーンオイルなどを用いることができる。
【0013】
粉末表面にアミノ基を導入する第1段目の表面処理工程を乾式下で行う。具体的な手順としては、シリカなどの金属酸化物粉末等をミキサーに入れ、窒素等の不活性ガス雰囲気下、撹拌しながらアミノ基含有シランカップリング剤を少量の溶媒と共に滴下し、または、アミノ基含有シリコーンオイルを噴霧し、加熱下で攪拌して反応させる。処理量やアミノ基含有化合物の種類等にもよるが、概ね加熱処理は100〜300℃で0.1〜5時間程度であれば良い。また、シランカップリング剤と共に用いる溶媒はメタノール等でよく、その使用量は乾式状態を保つように粉末量の2倍以下が適当である。
【0014】
第2段目の表面処理として、アミノ基を導入した粉末にアクリル酸メチルを噴霧して加熱攪拌下で反応させ、未反応物や副生成物を除去した後に、さらに、ジアミンを噴霧して加熱攪拌下で反応させる操作を繰り返すことによりグラフト反応させてポリアミンデンドリマーを粉末表面に乾式下で形成する。具体的な処理手順の一例としては、アミノ基を導入した粉末に、窒素雰囲気下で、アクリル酸メチルを噴霧し、40℃以上で21時間反応させる。次いで、未反応のアクリル酸メチルを真空下で除去した後に、ジアミンを窒素雰囲気下で噴霧し、40℃以上で21時間反応させる。
【0015】
このアクリル酸メチルによるマイケル付加反応によって粉末表面のアミノ基がアクリル酸メチルのC=C結合に付加し、さらにジアミンによってこの末端がアミノ化し、このアミノ基を起点として、次のマイケル付加反応が進む。このようなアクリル酸メチルによる反応とジアミンによる付加を繰り返すことによってグラフト反応が進み、ポリアミドアミンデンドリマーが微粒子表面に重層的に2世代以上形成される。なお、グラフト反応工程において用いるジアミンの種類は限定されない。一般にエチレンジアミン、1,3プロパンジアミン、1,4ブタンジアミンなどを好適に用いることができる。
【0016】
以上の表面処理によって、該粉末の乾燥重量に対して4重量%以上の高い吸水性を有する無機酸化物粉末を得ることができる。具体的には、乾燥粉末を温度25℃、相対湿度80%の環境下に60分間保持した際、その吸水量が4重量%以上、好ましくは6重量%以上の無機酸化物粉末を得ることができる。なお、この表面処理は乾式下で行われるので、表面処理した粉末を回収する際に濾過や遠心分離などを必要としない。また、グラフト率が大きい表面処理粉末が得られる。さらに、この乾式処理方法は平衡反応を克服でき、またアクリル酸メチルやエチレンジアミン等の濃度が湿式系に比べて高い範囲で可能であり、湿式系よりも多量に処理できる等の利点がある。
【0017】
【実施例および比較例】
本発明の実施例を比較例と対比して以下に示す。なお、各例のアミノ基導入量、グラフト率、および親水性度は各々以下の方法に基づいて測定した。これらの結果を表1に示した。
【0018】
〔アミノ基導入量の測定〕:サンプル瓶(50ml)に表面処理粉末(0.1g)と塩酸(50ml、濃度N/100)を加え、マグネチックスターラーで3時間攪拌した。反応後、粉末を遠心分離し、次に、フェノールフタレインを指示薬として用い、上澄み溶液(2.0ml)を水酸化ナトリウム水溶液(濃度N/100)で逆滴定し、粉末1gに対するアミノ基導入量を次式により算出した。
アミノ基量(mmol/g)=[(a-b)×NaOH規定度/試料g]×50/2×[1+グラフト率/100](aは空試験の滴定量mL、bは本試験の滴定量mL)
【0019】
〔グラフト率の測定〕:デンドリマーグラフト粉末をデシケーター中で減圧乾燥し、熱天秤法によりグラフト率を算出した。すなわち、熱天秤に試料を載せて質量を測定した後、グラフトポリマーの分解温度以上(〜800℃)に加熱し、その質量減少からグラフトしたポリマーの質量を求め、グラフト率を次式により算出した。なお、熱天秤は島津製作所社製品(TGA-50)を使用した。
グラフト率(%)=(分解したポリマーの質量g/残存粉末量g)×100
【0020】
〔吸着水分量の測定〕:重量測定した秤量瓶と無機酸化物粉末を予めデシケーター中に入れて減圧乾燥し、真空条件下に3時間放置する。その後、25℃、80%RHの環境下に所定時間保持し、秤量瓶の蓋を開けると同時に電子天秤にて重量を測定開始し、無機酸化物粉末の重量を測定し、乾燥重量との差を求めて吸着水分量を算出した。
【0021】
〔親水性度の測定〕
親水性度を見るために、250ml容器に100ml蒸留水を測りとり、50mgの無機酸化物粉末のサンプルを入れ、分散機(特殊機化製品:ROBO MICS)を用いて7000rpmで1分間分散を行った後、分光光度計(日本分光製品分光光度計V-570)によって500nmの波長で透過率を測定し、これを未処理の粉末に対比して親水性度として示した。
【0022】
〔実施例1〕
ヒュームドシリカ(日本アエロジル社製品:アエロジル200,比表面積200m2/g,平均粒子径12nm)100重量部をミキサーに入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながらγ-アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学社製品:KBE903)10重量部、エタノール10重量部を噴霧し、150℃で2時間加熱撹拌して溶剤を除去した後に冷却した。得られたシリカ粉末のアミノ基導入量は0.33mmol/gであった。次に、このアミノ基を導入したシリカ粉末15.0gをフラスコ(500ml容量、攪拌機、温度計、冷却器を装備)に入れ、アルゴンで容器内部を置換した後にフラスコ内部を攪拌しながらアクリル酸メチル(MA)3.0gを噴霧し、50℃で21時間反応させた。次いで、未反応のMAを真空下で除去した後、エチレンジアミン3.0gをフラスコ内部に噴霧し、50℃で21時間反応させ、1世代のデンドリマーグラフトシリカ粉末を得た。さらに、この操作を7回繰り返して8世代のデンドリマーグラフトを有するシリカ粉末を製造した(試料No.G8)。このデンドリマーグラフトシリカ粉末のグラフト率は141.0%、アミノ基量は8.8mmol/gであり、IRスペクトルでアミド基由来の1655cm−1に吸収が見られた。この粉末を真空乾燥した後、25℃、80%RHの環境下で60分保持した後の吸着水分量は9.5%であった。なお、この操作を2回繰り返したもの(試料No.G2)、および4回繰り返したもの(試料No.G4)について、上記8回繰り返しの試料(No.G8)と共に、測定環境下の保持時間に対する吸着水分量の変化を図1に示した。また、本実施例の無機酸化物粉末の親水性度は未処理粉末に対して38%親水性であった。
【0023】
〔比較例1〕
実施例1においてγ-アミノプロピルトリエトキシシランによる処理を行なわず未処理のヒュームドシリカを用いた以外は実施例1と同様にしてグラフト反応を試みた。処理後のシリカ粉末は、グラフト率0%、アミノ基量0mmol/gであり、真空乾燥後、25℃、80%RH環境下で60分保持した後の吸着水分量は1.8%であった。なお、この比較試料について、測定環境下の保持時間に対する吸着水分量の変化を図1に示した。また、本例の粉末の親水性度を測定したところ未処理粉末と変わらなかった。
【0024】
〔実施例2〕
超微粒子チタニア(日本アエロジル社製品:酸化チタンP25,比表面積50m2/g)100重量部、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製品:KBM603)5重量部、メタノール15重量部を用いた他は実施例1と同様にして表面処理チタニア粉末を得た。このアミノ基導入量は0.16mmol/gであった。さらに、実施例1と同様にして、アクリル酸メチル(MA)による処理およびエチレンジアミンにより処理を2回繰り返し、2世代のデンドリマーグラフトを有するチタニア粉末を得た。このデンドリマーグラフトチタニア粉末のグラフト率は13.0%、アミノ基導入量は0.9mmol/gであり、IRスペクトルでアミド基由来の1655cm−1に吸収が見られた。また、真空乾燥後、25℃、80%RH環境下に60分保持した後の吸着水分量は8.0%であった。さらに、親水性度を測定したところ未処理粉末に対して18%親水性であった。
【0025】
〔比較例2〕
超微粒子チタニア(日本アエロジル社製品:酸化チタンP25,比表面積50m2/g)10.0gをフラスコ(容量500ml,塩化カルシウム管および還流冷却管を装備)に入れ、これにN-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製品:KBM603)0.5g、メタノール250gを加え、マグネチックスターラーで攪拌しながら150℃で2時間還流した。反応後THFを溶媒に用いてソックスレー抽出を24時間行い、未反応のN-β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシランを除去し、これをデシケーター中で減圧乾燥した。得られたチタニア粉末のアミノ基導入量は0.15mmol/gであった。
次に、このアミノ基を導入したチタニア粉末15.0gをフラスコ(容量500ml,攪拌機,温度計,冷却器を装備)に入れ、アクリル酸メチル(MA)3.0g、溶媒としてメタノール250gを加え、マグネチックスターラーでかき混ぜながら50℃で21時間反応させた。反応後、遠心分離により未反応のMAを除去した。これに3.0gのエチレンジアミンとメタノールを250g加え、マグネチックスターラーで攪拌しながら50℃で21時間反応させ、遠心分離により未反応のエチレンジアミンを除去した。以上の操作をさらにもう1回繰り返して液相系による2世代のデンドリマーグラフトを形成したチタニア粉末を得た。このデンドリマーグラフトチタニア粉末は、IRスペクトルでアミド基由来の1655cm−1に吸収が見られたが、そのグラフト率は10.0%、アミノ基導入量は0.7mmol/gであった。また、真空乾燥後、25℃、80%RH環境下で60分保持した後の吸着水分量は3.9%であり、グラフト率、アミノ基導入量および吸着水分量の何れも実施例2より低かった。さらに、親水性度を測定したところ未処理粉末に対して8%親水性であった。
【0026】
〔実施例3、4、比較例3、4〕
表1に示す条件下で実施例1に準じて乾式下で表面処理を行い、デンドリマーグラフト粉末を製造した(実施例3,4)。一方、表1に示す条件下で比較例2に準じて湿式下で表面処理を行い、デンドリマーグラフト粉末を製造した(比較例3,4)。得られた粉末のグラフト率およびアミノ基導入量を表1にまとめて示した。この結果に示すように、乾式処理による実施例3,4の試料は何れもグラフト率、アミノ基導入量、および吸水量が湿式処理の比較例3,4より高く、高吸水性粉末である。また、実施例3、実施例3、4の親水性度は比較例よりも大幅に高い。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】
本発明は、乾式法による金属酸化物粉末表面にポリアミンデンドリマーを効率良く且つ均一にグラフト反応させることにより、吸水性の高い粉末を得ることができる。また、本発明の製造方法は乾式処理であり、液相系による反応ではないので、表面処理した微粒子を単離精製する遠心分離や濾過処理などを必要とせず、簡単に低コストで高吸水性の無機酸化物粉末を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1および比較例1の吸水量の変化を示すグラフ
Claims (2)
- 乾式製法によって得た無機酸化物粉末としてシリカ粉末、チタニア粉末、またはアルミナ粉末を用い、該粉末を不活性ガス雰囲気下で撹拌しながらアミノ基含有シランカップリング剤を少量の溶媒と共に滴下し、このときアミノ基含有シランカップリング剤の量を無機酸化物粉末量の2倍以下とし、または、該粉末に不活性ガス雰囲気下でアミノ基含有シリコーンオイルを噴霧し、
加熱攪拌下で反応させて無機酸化物粉末の表面にアミノ基を導入した後に、
アミノ基を導入した無機酸化物粉末に、不活性ガス雰囲気下でアクリル酸メチルを噴霧し、加熱攪拌して反応させるアクリル酸メチルによるマイケル付加反応と、
未反応のアクリル酸メチルを真空下で除去した後に、ジアミンを不活性ガス雰囲気下で噴霧し、加熱攪拌下で反応させる末端アミノ化とを乾式下で繰り返すことによってグラフト反応を進めてポリアミンデンドリマーを粉末表面に形成することによって、吸着水分量が4重量%以上の吸水性を有する無機酸化物粉末を製造することを特徴とする高吸水性無機酸化物粉末の製造方法。 - 乾式製法によって得た平均一次粒子径5〜500nmおよびBET比表面積5〜500m2/gの無機酸化物粉末を用い、アミノ基を導入した無機酸化物粉末に、窒素雰囲気下で、アクリル酸メチルを噴霧し、40℃以上で反応させた後に、未反応のアクリル酸メチルを真空下で除去し、次いでジアミンを窒素雰囲気下で噴霧し、40℃以上で反応させることを繰り返す請求項1に記載する製造方法。
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