JP5136786B2 - レーザ発振装置 - Google Patents
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Description
また、励起用光源およびレーザ媒質を備えたレーザ発振器と、冷却液を循環させて該レーザ発振器を冷却する冷却手段とを備えたレーザ発振装置も知られている(特許文献2)。
さらに、上記コンデンサに蓄積された電荷を放電するため、回路に抵抗を設けてコンデンサと該抵抗とを通電させ、放電を行う技術が知られている(特許文献3)。
また、特許文献2のレーザ発振装置において、上記冷却手段が循環させる冷却液の温度が低すぎると、レーザ発振器が過度に冷却されてしまい、レーザ光の発振効率が変化して安定したレーザ光を得られないという問題もあった。
このような問題に鑑み、本発明は装置を簡素化できると共に、安定したレーザ光を照射することの可能なレーザ発振装置を提供するものである。
上記冷却手段の冷却液を加温するヒータと、上記コンデンサおよびヒータに給電する電源と、上記ヒータを電源又はコンデンサに通電させるスイッチ手段とを備え、
上記スイッチ手段は、上記ヒータと電源とを通電させた際には該ヒータにより上記冷却液を加温させ、また上記ヒータとコンデンサとを通電させた際には該コンデンサの電荷をヒータにより放電させることを特徴としている。
さらに、上記ヒータとコンデンサとを通電させることで、コンデンサに蓄積された電荷を上記ヒータにより放電することができ、放電のための抵抗やこれに付随する回路が不要となるので、装置全体を簡素化することができる。
上記レーザ治療装置1は、先端からレーザ光を照射するハンドピース2と、ハンドピース2へとレーザ光を照射するレーザ発振器3と、レーザ発振器3を冷却する冷却手段4と、放電によりレーザ発振器3に給電するコンデンサ5と、上記冷却手段4の冷却液を加温するヒータ6と、上記コンデンサ5およびヒータ6に給電する電源7と、レーザ治療装置1を制御する制御手段8とから構成されている。
上記ハンドピース2とレーザ発振器3とは、光ファイバやマニュピレータ等の光を伝搬する導光手段9によって接続され、使用者はハンドピース2を保持して任意の位置にレーザ光を照射することが可能となっている。
上記リヤミラー12はレーザ光を全反射させ、フロントミラー11は所定出力に達しないレーザ光をリヤミラー12へと反射させるとともに、所定出力に達したレーザ光を透過させて、レーザ光をハンドピース2へと出射するようになっている。
上記レーザ媒質13は固体レーザからなるレーザロッドとなっており、上記励起用光源14は該レーザ媒質13を励起する励起光を照射するフラッシュランプとなっている。レーザ媒質13を励起光によって励起すると、レーザ光がフロントミラー11とリヤミラー12との間で反射を繰り返すようになっている。
キャビティ15には冷却液の流通路が形成されており、上記冷却手段4から送液された冷却液が循環して上記レーザ媒質13や励起用光源14を冷却するようになっている。
上記冷却液タンク21には冷却液の温度を測定する温度測定手段25が設けられており、この温度測定手段25による測定温度は上記制御手段8に受信されるようになっている。
上記ポンプ23は冷却液タンク21の冷却液をレーザ発振器3へ送液して、冷却液を冷却液タンク21とレーザ発振器3のキャビティ15との間で循環させるようになっており、レーザ発振器3を冷却して加温された冷却液は、上記チラー24を通過する際に冷却されるようになっている。
上記コンデンサ5は上記電源7から給電されると電荷を蓄積し、上記励起用スイッチ手段S1をONにするとコンデンサ5と励起用光源14とが通電し、コンデンサ5の放電により励起用光源14が励起光をレーザ媒質13へと照射するようになっている。
上記ヒータ6は、上記冷却手段4の冷却液タンク21に設けられており、上記ヒータ用スイッチ手段S2がONにされると、上記コンデンサ5又は電源7から給電されて冷却液タンク21内の冷却液を加温するようになっている。
具体的には、ヒータ用スイッチ手段S2がONにされると、上記電源7が起電力を発生させている場合には電源7がヒータ6へと給電し、電源7が起電力を発生させておらず、かつコンデンサ5に電荷が蓄積されている場合には、コンデンサ5がヒータ6へと給電するようになっている。
上記フットスイッチ32は、レーザ治療装置1がレディ状態となったときに操作可能となっており、該レディ状態のときに使用者がフットスイッチ32をONにすることで、上記ハンドピース2の先端からレーザ光が照射されるようになっている。
この状態から、使用者が上記操作パネル31のメインスイッチ31aをONにすると、上記電源7が起電力を発生させ、制御手段8は上記冷却手段4のポンプ23を作動させ、冷却液をレーザ発振器3と冷却液タンク21との間で循環させる。
また、上記冷却液タンク21に設けた温度測定手段25が冷却液の温度を測定してこれを制御手段8に送信し、上記制御手段8では予め登録された冷却液の設定温度(例えば、20℃±1℃)と測定温度とを比較する。
そして、温度測定手段25が測定した冷却液の温度が上記設定温度に達している場合、制御手段8はヒータ用スイッチ手段S2をOFFにしてコンデンサ5を充電し、レーザ治療装置1を直ちにスタンバイ状態とし、操作パネル31にその旨の表示をする。
他方、冷却液の温度が設定温度に達していない場合、この状態で上記レーザ発振器3からレーザ光を照射してしまうと、冷却液によってレーザ発振器3が過度に冷却されていることから、レーザ光の発振効率が変化してしまうおそれがある。
そこで、冷却液の温度が設定温度に達していない場合には、制御手段8はレーザ治療装置1を直ちに上記スタンバイ状態とはせず、ヒータ用スイッチ手段S2をONにした状態を維持する。
その結果、上記電源7によって給電されたヒータ6は冷却液を加温し、冷却液が上記設定温度に達したら、制御手段8は上記ヒータ用スイッチ手段S2をOFFにしてコンデンサ5を充電し、上記スタンバイ状態へと移行するようになっている。
このとき、ヒータ6は電源7から給電される一方、電源7はコンデンサ5にも給電しているが、スタンバイ状態となるまでは上記ヒータ用スイッチ手段S2がONにされていることから、コンデンサ5への電荷の蓄積はない。
このスタンバイ状態となるまでの間、上記操作パネル31のレディスイッチ31bを操作できないようになっており、このスタンバイ状態からレディスイッチ31bをONにすることで、使用者ははじめて上記フットスイッチ32を操作することが可能となっている。
そして、上記レディ状態から使用者が上記フットスイッチ32をONにすると、制御手段8はヒータ用スイッチ手段S2をOFFとしたまま、上記励起用スイッチ手段S1をONとし、これによりコンデンサ5が放電して、レーザ発振器3の励起用光源14へと給電し、励起用光源14が励起光を照射する。
励起光が照射されると、上記レーザ媒質13が励起されてレーザ光を発生させ、このレーザ光は上記フロントミラー11およびリヤミラー12との間で反射を繰り返すとともに、所定出力に達したレーザ光はフロントミラー11を透過し、上記ハンドピース2の先端から患者の患部へと照射される。
このとき、コンデンサ5に蓄積された電荷が放出されるが、励起用スイッチ手段S1は直ちにOFFとされ、電源7からコンデンサ5へと給電されることで再び充電が行われる。
ここで、フットスイッチ32を続けて操作すると、励起用スイッチ手段S1が断続的にON・OFFされ、レーザ光をパルス照射することが可能となっている。
そして、操作者が所定時間内にフットスイッチ32を操作すれば、制御手段8はレディ状態を維持するようになっており、使用者はフットスイッチ32を操作するたびに上記レディスイッチ31bを操作する必要が無いようにされている。
このとき、上記励起用スイッチ手段S1はOFFとなっているため、コンデンサ5とヒータ6とが通電し、これによりコンデンサ5に蓄積された電荷はヒータ6へ放電される。
また、この冷却液の加温をレーザ治療装置1の運転開始の際に行うことで、例えばレーザ治療装置1が気温の低い環境に設置されていたとしても、これを速やかに使用可能な状態とすることができる。
次に、本実施例によるレーザ治療装置1によれば、運転終了の際に上記ヒータ6とコンデンサ5とを通電させ、コンデンサ5の電荷をヒータ6により放電させることから、放電のための抵抗や該抵抗の過熱を抑制するための専用回路が不要となり、レーザ治療装置1の構成を簡略化しコンパクトにすることができる。
また、コンデンサ5とヒータ6とを通電させて放電することで、レーザ治療装置1の停止時にコンデンサ5に電荷が蓄積されたままとなることはなく安全であり、メンテナンス時における不慮の事故を防止することも可能となっている。
そして、上記電源7は上記コンデンサ5およびヒータ6に給電する構成となっていることから、上記ヒータ6のための電源7を省略することができ、レーザ治療装置1を小型化することができ、かつレーザ治療装置1の電源定格を変更しなくてよい。
4 冷却手段 5 コンデンサ
6 ヒータ 7 電源
8 制御手段 13 レーザ媒質
14 励起用光源 25 温度測定手段
S2 ヒータ用スイッチ手段
Claims (3)
- 励起用光源およびレーザ媒質を備えたレーザ発振器と、放電により励起用光源に給電するコンデンサと、冷却液を循環させて上記レーザ発振器を冷却する冷却手段とを備えたレーザ発振装置において、
上記冷却手段の冷却液を加温するヒータと、上記コンデンサおよびヒータに給電する電源と、上記ヒータを電源又はコンデンサに通電させるスイッチ手段とを備え、
上記スイッチ手段は、上記ヒータと電源とを通電させた際には該ヒータにより上記冷却液を加温させ、また上記ヒータとコンデンサとを通電させた際には該コンデンサの電荷をヒータにより放電させることを特徴とするレーザ発振装置。 - レーザ発振装置の運転終了の際に、上記スイッチ手段によりヒータとコンデンサとを通電させて、該コンデンサの荷電をヒータにより放電させることを特徴とする請求項1に記載のレーザ発振装置。
- 上記冷却手段に冷却液の温度を測定する温度測定手段を設け、
レーザ発振装置の運転開始の際に、上記温度測定手段により冷却液の温度を測定し、上記冷却液が所定温度に達していない場合には、上記ヒータにより上記冷却液を加温することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のレーザ発振装置。
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