JP5136650B2 - 質量分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、試料由来のイオンを閉じた周回軌道に沿って繰り返し飛行させることでイオンを質量(厳密にはm/z値)に応じて分離して検出する多重周回飛行時間型の質量分析装置に関する。
一般に、飛行時間型質量分析装置(TOF−MS=Time of Flight Mass Spectrometer)では、一定のエネルギーを与えることで加速したイオンはそれぞれ質量に応じた飛行速度を持つ、という原理に基づき、そうしたイオンが一定距離を飛行するのに要する飛行時間を計測し、その飛行時間を質量に換算することにより質量分析を行う。したがって、質量分解能を向上させるためには飛行距離を長くすればよいが、単に直線的な飛行距離を延ばすと装置を大型化する必要がある。そこで、飛行距離の延伸と装置の小形化とを両立させるため、略円形状、略楕円形状、略8の字形状など様々な態様の閉軌道に沿ってイオンを繰り返し飛行させるようにした多重周回飛行時間型質量分析装置(Multi Turn TOF−MSが開発されている(例えば特許文献1、2など参照)。
また、同様の目的で、上記のような周回軌道ではなく反射電場によりイオンを複数回反射させる往復軌道とすることで飛行距離を延ばすようにした、多重反射飛行時間型質量分析計も開発されている。多重周回飛行時間型と多重反射飛行時間型とではイオン光学系が相違するものの、質量分解能を向上させるための基本的な原理は同じである。そこで、本明細書では、「多重周回飛行時間型」は「多重反射飛行時間型」を包含するものとする。
上述のように多重周回飛行時間型質量分析装置は高質量分解能を達成することができるものの、イオンの飛行経路が閉軌道であることを原因とする欠点が存在する。即ち、閉軌道に沿ってイオンを周回させる際に周回数が増加するに伴い、低質量で速度の大きなイオンが高質量で速度の小さなイオンを追い越してしまうという問題である。このような異なる質量のイオンの追い越しが生じると、取得された飛行時間スペクトル上では、観測されるピーク毎にそのピークに対応するイオンの周回数が異なる、即ち、飛行距離が異なる、という状態が起こり得る。こうなると、イオンの質量と飛行距離とを一意的に決定することができないため、飛行時間スペクトルを直接的にマススペクトルに換算することができなくなる。
上記欠点のため、従来の多重周回飛行時間型質量分析装置では、イオン源で生成された試料由来のイオンの中で、上記のような追い越しの起こらない質量範囲に限定したイオンを選別し、選別したイオンを周回軌道に乗せて所定周回数だけ飛行させた後に検出する、という制御を行うのが一般的である。このような手法では、高質量分解能のマススペクトルを得ることはできるものの、そのマススペクトルの質量範囲はかなり限られたものとなる。
一方、例えば特許文献3などに記載のように、同一試料に対し条件の相違する複数回の質量分析を実行して得られた結果を比較することで、マススペクトル上に現れるピークの周回数を推定するようなデータ処理を行う手法も提案されている。しかしながら、同一試料に対して複数回の質量分析を実施する必要があるため、測定に時間が掛かるとともに、それだけ多くの量の試料が必要になる。
特開2006−228435号公報 特開2008−27683号公報 特開2005−116343号公報
本発明は上記課題に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、1回の質量分析により得られた飛行時間スペクトルに基づいて目的とする成分の質量を高い分解能で求めることができる多重周回飛行時間型の質量分析装置を提供することである。
上記課題を解決するために成された本発明は、試料をイオン化するイオン源と、試料由来のイオンを繰り返し飛行させる周回軌道を形成するイオン光学系と、周回軌道に沿って飛行したイオンを検出する検出器と、を具備する多重周回飛行時間型の質量分析装置であって、
a)試料由来のイオンを周回軌道に沿って所定時間飛行させた後に検出器で得られた信号に基づいて飛行時間スペクトルを作成するスペクトル作成手段と、
b)前記スペクトル作成手段により作成された飛行時間スペクトル上の複数のピークの出現時間と強度とに基づいて目的成分について天然存在比が最大の同位体のみで構成された主イオンのピークとそれ以外の同位体を含むイオンのピークとからなる同位体ピーク群を検出する同位体ピーク検出手段と、
c)前記飛行時間スペクトル上で前記目的成分についての同位体ピークとして検出された複数のピークの出現時間とイオンの運動エネルギーとから該目的成分由来のイオンの飛行距離を推定し、該飛行距離に基づいてその目的成分の質量を算出する質量算出手段と、
を備えることを特徴としている。
一般に、化合物を構成する元素には質量の異なる安定同位体が存在するため、その同位体組成の相違によって、同一化合物由来の質量の異なる複数のピークが飛行時間スペクトル上に現れる。その複数のピークは、天然存在比が最大の同位体のみで構成された主イオンのピークと、それ以外の同位体を含むイオン(同位体イオン)のピークとからなる同位体ピーク群である。飛行時間型質量分析装置で一般的に分析対象とされる、水素、炭素、又は酸素等を含む化合物においては、イオンの価数が1であれば、同位体ピーク群に属する隣接ピークの間隔は1Daに相当する等時間間隔となる筈である。そこで、同位体ピーク検出手段は複数のピークの出現時間から求まる時間差を同位体ピーク群の検出に利用する。
また、同位体ピーク群に属する複数のピークの強度比は、化合物を構成する元素の同位体の天然存在比に応じたものとなる筈であるから、前記同位体ピーク検出手段は、複数のピークの出現時間から求まる時間差のほか、目的成分を構成する元素の同位体存在比に基づく強度比目的成分及びその同位体のピーク検出に利用する。
質量Mである目的成分の主ピークの飛行時間T1と、質量M+1である目的成分の同位体ピークの飛行時間T2とが分かれば、これから共通の飛行距離を求めることができる。そして、飛行距離が求まれば、これから目的成分の質量を計算することができる。但し、質量算出の精度を高めるには、前記質量算出手段は、推定された飛行距離から目的成分由来のイオンの周回数を計算し、その周回数から構造上決まる正確な飛行距離を計算し直し、これを利用して目的成分の質量を算出することが好ましい。これにより、イオン光学系の配置や、イオン源、検出器の位置などにより正確に決まる飛行距離を用いて、目的成分の質量を精度良く計算することができる。
こうした飛行距離の推算及び質量の計算は、同位体ピーク群毎に行うことができ、1つの同位体ピーク群に属する同一目的成分由来の複数のピークに対応したイオンの周回数が同じでありさえすればよい。したがって、異なる目的成分由来のイオン同士の追い越しが生じ、飛行時間スペクトル上で周回数の相違するイオンが混在しても何ら問題はなく、それ故に1回の質量分析で測定可能な質量範囲を狭い範囲に限定する必要もない。
本発明に係る質量分析装置によれば、1回の質量分析により得られた飛行時間スペクトルを利用して、広い質量範囲に亘る目的成分の質量を高い分解能で求めることができる。したがって、測定時間を短縮して効率的な分析が行えるとともに、試料を多量に用意する必要もない。
本発明の一実施例による多重周回飛行時間型質量分析装置の概略構成図。 本実施例の多重周回飛行時間型質量分析装置におけるデータ処理の説明図。
符号の説明
1…イオン源
2…ゲート電極
3…飛行空間
31〜36…扇形電極
4…検出器
5…周回飛行用電圧発生部
6…ゲート電圧発生部
7…制御部
8…データ処理部
81…飛行時間スペクトル記録部
82…同位体ピーク検出部
83…飛行距離計算部
84…質量計算部
9…操作部
10…表示部
P…周回軌道
E1〜E6…扇形電場
以下、本発明の一実施例による多重周回飛行時間型質量分析装置について図面を参照しながら説明する。
図1は本実施例による多重周回飛行時間型質量分析装置の概略構成図である。図1において、図示しない真空室の内部には、イオン源1、ゲート電極2、複数の扇形電極31〜36が配設された飛行空間3、検出器4、などが配設されている。
イオン源1は分析対象のイオンの飛行開始点となるものであり、例えば分析対象である試料分子をイオン化するイオン化部であってイオン化法は特に限定されない。例えば本質量分析装置がガスクロマトグラフ用の検出器として利用される構成においては、イオン源1は電子衝撃イオン化法や化学イオン化法によって気体分子をイオン化するものである。また、本質量分析装置が液体クロマトグラフ用の検出器として利用される構成においては、イオン源1は大気圧化学イオン化法やエレクトロスプレイイオン化法によって液体分子をイオン化するものである。さらにまた、分析対象分子がタンパク質などの高分子化合物である場合にはMALDI(Matrix Assisted Laser Desorption Ionization:マトリクス支援レーザ脱離イオン化法)を利用するとよい。イオン源1は必ずしもイオンの発生源であるとは限らず、例えば他の部分で生成されたイオンを一旦保持した後に、エネルギーを付与して出射するイオントラップなどとしてもよい。
飛行空間3内には、イオンを略円形状の周回軌道Pに沿って飛行させるために複数(この例では6個)の扇形電極31、32、33、34、35、36が配置されている。この同一形状の6個の扇形電極31〜36はそれぞれ、同心二重円筒体を回転角度60°で切断した形状となっており、それら扇形電極31〜36を軸Oを中心にして等回転角度離間して配置している。扇形電極31〜36に所定の電圧が印加されることによってその内部にはそれぞれ扇形電場E1〜E6が形成され、この扇形電場E1〜E6内で略六角筒形状の飛行空間が形成され、その飛行空間内を通過するイオンの中心軌道は図1中にPで示すようになる。隣接する扇形電極31、36の間に設けられたゲート電極2は、イオン源1で生成されたイオンを周回軌道Pに乗せるため、及び、周回軌道Pに沿って飛行しているイオンを周回軌道Pから離脱させて検出器4へと送るための機能を有する。
扇形電極31〜36、及びゲート電極2にはそれぞれ周回飛行用電圧発生部5及びゲート電圧発生部6から電圧が印加され、これら電圧発生部5、6は制御部7により制御される。制御部7には、分析に関わる各種の入力設定や指示を行うためにユーザにより操作される操作部9と、分析結果などを表示するための表示部10とが接続されている。検出器4による検出信号はデータ処理部8に入力され、ここで、イオンがイオン源1を出発してから検出器4に到達するまでの飛行時間が計測され、この飛行時間に基づいてイオンの質量が計算される。具体的には、データ処理部8は、機能ブロックとして、飛行時間スペクトル記録部81、同位体ピーク検出部82、飛行距離計算部83、質量計算部84などを含む。制御部7やデータ処理部8はパーソナルコンピュータを中心に具現化することができる。
なお、図1の構成では周回軌道Pを略円形状としているが、周回軌道の形状はこれに限るものではなく、長円形状、8の字状など、任意の形状とすることができる。また、直線状又は曲線状の軌道を往復するものであってもよい。
上記質量分析装置では、次のようにして目的試料に対する質量分析を実行して飛行時間スペクトルを取得する。即ち、制御部7の制御の下に、イオン源1では目的試料がイオン化され、生成された試料由来の各種イオンが出射される。同時に制御部7はデータ処理部8に対しイオンが出射されたことを知らせる制御信号を送る。ゲート電圧発生部6は、イオンが出射された直後からゲート電極2に入射してくるイオンが周回軌道Pに乗るようにイオンを偏向させるための偏向電圧をゲート電極2に印加し、それから所定時間が経過したならばゲート電極2への偏向電極の印加を停止する。また、周回飛行用電圧発生部5は各扇形電極31〜36に所定の電圧を印加する。それにより、イオン源1から出発したイオンの全て又は殆どが周回軌道Pに導入され、周回軌道Pに沿って飛行し始める。
イオンは質量が小さいほど大きな速度を持ち先行する。したがって、周回軌道Pへのイオンの導入から時間が経過するに従い、質量が近いイオンの距離は離れ、質量が小さなイオンは質量が大きなイオンに追いつき、追い越す。そのため、例えばゲート電極2を通過するイオンを観測すると、最初(周回数が少ない間)は質量が小さい順にイオンが通過するが、周回数が増してくるとその順序が乱れる。
ゲート電圧発生部6は、制御部7の制御の下に、イオンがイオン源1から出射された時点から所定の時間が経過した時点で、ゲート電極2を通過しようとするイオンが周回軌道Pを離れて検出器4に向かうようにイオンを偏向させるための偏向電圧を印加する。このようにゲート電極2への印加電圧が切り替えられた時点でイオンの進行方向と反対方向(図1中では時計回り方向)に最も近い位置にあるイオンが、まずゲート電極2を通過して周回軌道Pを外れ、イオンの進行方向と反対方向に位置している順にゲート電極2を通過して周回軌道Pを外れて検出器4に向かう。上述するように、イオンが周回軌道Pに導入されてから或る程度以上経過した時点であれば、上述のようにゲート電極2を通過するイオンの順序は質量の小さい順とはならないから、検出器4に到達するイオンも質量の小さい順とはならない。
検出器4は入射したイオンの数に応じたイオン強度信号をリアルタイムでデータ処理部8へ出力し、飛行時間スペクトル記録部81は時間経過に従ってイオン強度信号を記録した飛行時間スペクトルを作成する。この飛行時間スペクトルには、試料由来の様々なイオンに対応したピークが現れる。各ピークはそれぞれ、複数回、周回軌道Pを回ったイオンの強度を表すものであるが、その周回数、つまり飛行距離は不明である。そのため、一般の飛行時間型質量分析装置とは異なり、この飛行時間スペクトルの時間軸を質量軸に変換して質量スペクトルを求めることはできない。
そこで、本実施例による質量分析装置では、上記のようにして得られた飛行時間スペクトルに対し次のような特徴的なデータ処理を施して目的成分の質量を計算する。まず、同位体ピーク検出部82は、飛行時間スペクトルに現れている各ピークの出現時間と強度とを収集し、その両方に基づいて同一成分由来の同位体ピーク群を見い出す。同位体ピーク群とは、前述のように、天然存在比が最大の同位体のみで構成された主イオンのピークと、それ以外の同位体を含むイオン(同位体イオン)の同位体ピークとからなる。図2に飛行時間スペクトル上の同位体ピーク群の一例を示す。
1つの同位体ピーク群に属する複数のピークが同一周回数を持つイオンに基づくものであり、イオンが1価であるとすると、隣接する2本のピークの時間差は1Daに相当するものの筈である。即ち、図2では、T2−T1、T3−T2が1Daに相当する時間である。また、同位体ピーク群を構成する複数のピークの強度比は、それを構成する元素の同位体の天然存在比に基づくものとなる筈である。そこで、同位体ピーク検出部82は、複数のピークの時間差と強度比とを用いて同位体ピーク群を検出することができる。
同位体ピーク群が検出されたならば、飛行距離計算部83及び質量計算部84は次のような計算原理に基づき、飛行距離と質量とを計算する。
一般に飛行時間型質量分析装置において、或るイオンの飛行時間Tと飛行距離Lとの関係は、次の(1)式となる。
T=L/v …(1)
vはイオンの速度であり、イオンの運動エネルギーU、イオンの質量mとの関係は次の(2)式となる。
v=√(2U/m) …(2)
(1)式、(2)式を書き換えると、
m=2U(T/L)2 …(3)
である。
上述した飛行時間スペクトルでは、各ピークの元となるイオンの周回数は不明であるから、上記各式の飛行距離Lが不明である。いま、
α=2U/L2
とおくと、(3)式は、
m=αT2 …(4)
と書くことができる。図2に示すように隣接する2本のピークの時間差T2−T1が1Daに相当するものである場合、運動エネルギーU、飛行距離Lは同一であるから、(4)式より、
M=αT12 …(5)
M+1=αT22 …(6)
となる。ここで、Mは主ピークの元となるイオンの質量である。
(5)式、(6)式より、
1=α(T22−T12
α=2U/L2=(T22−T12
2=2U/(T22−T12
したがって、
L=√{2U/(T22−T12)} …(7)
となり、2本のピークの出現時間T1、T2より飛行距離Lが求まることになる。
さらに飛行距離Lが求まれば、(3)式より、目的成分由来のイオンの質量が計算できる。但し、より正確な計算を行うには、(7)式から求まった飛行距離Lから周回数を算出し、その周回数から厳密な飛行距離を求め直すとよい。何故なら、扇形電極31〜36の配置、イオン源1、検出器4の位置などの構造から、周回軌道Pの1周回の軌道長さ、イオン源1からゲート電極2までの距離、ゲート電極2から検出器4までの距離などは決まっており、周回数さえ確定すれば、飛行距離は正確に計算可能だからである。
以上のようにして、同位体ピーク群が検出された目的成分由来のイオンの質量を正確に計算することができる。上記のような飛行距離(つまりは周回数)の計算と質量の計算とは同位体ピーク群毎に、その同位体ピーク群に属するピークの出現時間を利用して行うことができる。したがって、目的成分の同位体ピーク群さえ求まれば、その目的成分の質量を高い分解能で求めることができる。
なお、上記実施例は本発明の一例であり、本発明の趣旨の範囲で適宜変形、修正、追加を行っても本願請求の範囲に包含されることは明らかである。

Claims (3)

  1. 試料をイオン化するイオン源と、試料由来のイオンを繰り返し飛行させる周回軌道を形成するイオン光学系と、周回軌道に沿って飛行したイオンを検出する検出器と、を具備する多重周回飛行時間型の質量分析装置であって、
    a)試料由来のイオンを周回軌道に沿って所定時間飛行させた後に検出器で得られた信号に基づいて飛行時間スペクトルを作成するスペクトル作成手段と、
    b)前記スペクトル作成手段により作成された飛行時間スペクトル上の複数のピークの出現時間と強度とに基づいて目的成分について天然存在比が最大の同位体のみで構成された主イオンのピークとそれ以外の同位体を含むイオンのピークとからなる同位体ピーク群を検出する同位体ピーク検出手段と、
    c)前記飛行時間スペクトル上で前記目的成分についての同位体ピークとして検出された複数のピークの出現時間とイオンの運動エネルギーとから該目的成分由来のイオンの飛行距離を推定し、該飛行距離に基づいてその目的成分の質量を算出する質量算出手段と、
    を備えることを特徴とする質量分析装置。
  2. 請求項1に記載の質量分析装置であって、
    前記同位体ピーク検出手段は、複数のピークの出現時間から求まる時間差のほか、該複数のピークの強度比が目的成分を構成する元素の同位体存在比に応じたものであるかを調べることにより目的成分及びその同位体のピークを検出することを特徴とする質量分析装置。
  3. 請求項1又は2に記載の質量分析装置であって、
    前記質量算出手段は、推定された飛行距離から目的成分由来のイオンの周回数を計算し、その周回数から構造上決まる正確な飛行距離を計算し直し、これを利用して目的成分の質量を算出することを特徴とする質量分析装置。
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