JP7294425B2 - 質量分析で得られたデータの解析方法、質量分析方法およびプログラム - Google Patents

質量分析で得られたデータの解析方法、質量分析方法およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、質量分析で得られたデータの解析方法、質量分析方法およびプログラムに関する。
2段階以上の質量分析において、特定の衝突エネルギーの衝突誘起解離(Collision-Induced Dissociation; CID)により生成されたイオンを検出することが行われている。この検出により得られたデータを、予め得られた、特定の化合物を同程度の衝突エネルギーでCIDを行った際に生成されるイオンのデータを用いて解析することが行われている。
一方、飛行時間型質量分析では、異なる複数の値の衝突エネルギーのCIDにより解離されたイオンを順次質量分離に供することができる。この方法は、衝突エネルギースプレッド(Collision Energy Spread; CES)とも呼ばれ、様々な試料の分析に利用されている(非特許文献1参照)。
Matraszek-Zuchowska I, Wozniak B, Posyniak A. "Comparison of the Multiple Reaction Monitoring and Enhanced Product Ion Scan Modes for Confirmation of Stilbenes in Bovine Urine Samples Using LC-MS/MS QTRAP System" Chromatographia,(ドイツ), Springer Verlag, 2016年7月5日、Volume 79, pp.1003-1012
CESにより取得したデータを用いて、異なる複数の値の衝突エネルギーにより解離された複数のイオンに対応するピークを含む1つのマススペクトルを生成することができる。この場合、1つのマススペクトルに複数の衝突エネルギーが対応するため、予め得られた、特定の衝突エネルギーでCIDを行った際に生成されるイオンのデータを用いて解析を行うと精度が低下するという問題があった。
本発明の第1の態様は、試料の質量分析において、前記試料に由来するイオンを、異なる複数の第1の値の衝突エネルギーにより衝突誘起解離に供し、前記衝突誘起解離により生成される第1イオンを検出する際の、前記複数の第1の値または前記複数の第1の値の範囲を示す情報を取得することと、化合物、および、衝突エネルギーの第2の値に対応づけられた、前記化合物が前記第2の値の衝突エネルギーにより衝突誘起解離された場合に生成される第2イオンのm/zを示す第1データを参照し、各化合物について、前記複数の第1の値に対応する複数の第2の値に対応づけられた複数の第1データを統合した第2データを生成することと、前記第2データを用いて前記質量分析で得られたデータを解析することとを備える、質量分析で得られたデータの解析方法に関する。
本発明の第2の態様は、試料の質量分析を行うことと、第1の態様の質量分析で得られたデータの解析方法により前記質量分析で得られたデータを解析することとを備える質量分析方法に関する。
本発明の第3の態様は、試料の質量分析において、前記試料に由来するイオンを、異なる複数の第1の値の衝突エネルギーにより衝突誘起解離に供し、前記衝突誘起解離により生成される第1イオンを検出する際の、前記複数の第1の値または前記複数の第1の値の範囲を示す情報を取得する取得処理と、化合物、および、衝突エネルギーの第2の値に対応づけられた、前記化合物が前記第2の値の衝突エネルギーにより衝突誘起解離された場合に生成される第2イオンのm/zを示す第1データを参照し、各化合物について、前記複数の第1の値に対応する複数の第2の値に対応づけられた複数の第1データを統合した第2データを生成する生成処理と、前記第2データを用いて前記質量分析で得られたデータを解析する解析処理とを処理装置に行わせるためのプログラムに関する。
本発明によれば、2段階以上の質量分析において、1つのマススペクトルに複数の衝突エネルギーが対応する場合に、予め得られたCIDで生成されるイオンのデータを用いて解析を行う際の精度の低下を抑制することができる。
図1は、一実施形態に係る質量分析装置の構成を示す概念図である。 図2は、情報処理部の構成を示す概念図である。 図3は、一実施形態の質量分析方法を説明するための概念図である。 図4は、一実施形態の質量分析方法の流れを示すフローチャートである。 図5は、プログラムの提供を説明するための概念図である。
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
-第1実施形態-
図1は、本実施形態に係る質量分析装置を説明するための概念図である。質量分析装置1は、測定部100と、情報処理部40とを備える。測定部100は、液体クロマトグラフ(Liquid Chromatograph; LC)10と、質量分析計20とを備える。
LC10は、液体クロマトグラフィにより、LC10に導入された試料を分離する。LC10の種類は特に限定されず、ナノ液体クロマトグラフ(nano-liquid chromatograph; nanoLC)、マイクロ液体クロマトグラフ(micro-liquid chromatograph; microLC)、高速液体クロマトグラフ(high-performance liquid chromatograph; HPLC)、または超高速液体クロマトグラフ(ultra high performance liquid chromatograph; UHPLC)等を用いることができる。LC10の構成およびLC10に用いるカラムの種類等は、所望の精度で試料を分離することができれば特に限定されない。LC10から溶出される試料である溶出試料は、質量分析計20のイオン化室21に導入される(矢印A1)。
質量分析計20は、イオン化部211を備えるイオン化室21と、イオンガイド221を備える第1真空室22aと、イオン化室21から第1真空室22aへイオンを導入する管212と、イオンガイド222を備える第2真空室22bと、第3真空室22cと、分析室30とを備える。第3真空室22cは、第1質量分離部23と、コリジョンセル24と、イオンガイド25とを備える。コリジョンセル24は、イオンガイド240とCIDガス導入口241とを備える。分析室30は、イオン輸送電極310と、加速部320と、フライトチューブ330と、リフレクトロン電極340と、バックプレート350と、検出部360とを備える。
質量分析計20は、LC10から導入された溶出試料に対してタンデム質量分析を行う直交加速型の飛行時間型質量分析計である。図1では、試料に由来するイオンである試料イオンInの経路を、一点鎖線の矢印A2により模式的に示した。ここで、試料イオンInは、イオン化室21において溶出試料のイオン化により生成されたイオンの他、当該イオンの解離により生成されたイオンも含むとする。
質量分析計20のイオン化部211は、導入された溶出試料をイオン化し、試料イオンInを生成する。イオン化の方法は特に限定されないが、本実施形態のように液体クロマトグラフィ/タンデム質量分析(Liquid Chromatography/tandem mass spectrometry; LC/MS/MS)を行う場合にはエレクトロスプレー法(Electrospray Ionization; ESI)または大気圧化学イオン化法(Atmospheric Pressure Chemical Ionization; APCI)が好ましく、以下の実施形態でもESIまたはAPCIを行うものとして説明する。イオン化室21から出射された試料イオンInは、イオン化室21と第1真空室22aの圧力差等により移動し、管212を通過して第1真空室22aに入射する。
第1真空室22a、第2真空室22b、第3真空室22cおよび分析室30は、この順に真空度が高くなっており、分析室30では例えば10-3Pa以下等の圧力まで、不図示の真空ポンプにより排気されている。第1真空室22aに入射した試料イオンInは、イオンガイド221を通過して第2真空室22bに導入される。第2真空室22bに入射した試料イオンInは、イオンガイド222を通過して第3真空室22cに導入される。第3真空室22cに導入された試料イオンInは、第1質量分離部23へと出射される。第1質量分離部23に入射するまでの間に、イオンガイド221やイオンガイド222等は、通過する試料イオンInの流れを電磁気学的作用により収束させる。
第1質量分離部23は、四重極マスフィルタを備える。第1質量分離部23は、四重極マスフィルタに印加される電圧に基づく電磁気学的作用により、設定されたm/zを有する試料イオンInをプリカーサーイオンとして選択的に通過させてコリジョンセル24に向けて出射する。
コリジョンセル24は、イオンガイド240により試料イオンInの移動を制御しながら、衝突誘起解離(CID)により、プリカーサーイオンとしての試料イオンInを解離させる。解離により生成されたイオンをプロダクトイオンと呼ぶ。上記の通り、プロダクトイオンも試料に由来するため試料イオンInと呼ぶ。CIDの際に試料イオンInが衝突させられるアルゴンまたは窒素等を含むガス(以下、CIDガスと呼ぶ)は、コリジョンセル内で所定の圧力になるようにCIDガス導入口241から導入される(矢印A3)。
本実施形態の質量分析方法では、試料イオンInは、異なる複数の衝突エネルギー(Collision Energy; CE)によるCIDに供される。コリジョンセル24は、後述の装置制御部52(図2)の制御により、質量分析装置1のユーザ(以下、単に「ユーザ」と呼ぶ)の入力等により設定されたCEにより、コリジョンセル24に入射した試料イオンInに対してCIDを行う。ここで、コリジョンセル24は、順次入射する試料イオンInに対して、順次変化させたCEによりCIDを行う。上記異なる複数のCEは、段階的に変化させてもよいし、断続的に変化させてもよいし、連続的に変化させてもよい。例えば、コリジョンセル24では、設定された範囲のCEの値が走査され、CIDが行われる。以下において、「異なる複数の値のCEによりCIDを行う」とは、CEが連続的に変化する場合も含むものとする。CEは、コリジョンセル24に入射する試料イオンInをCIDガスと衝突させるための加速エネルギーであり、例えばコリジョンセル24内のイオンガイド240に印加する直流電位と、その上流のイオン光学素子(質量分離部23)との直流電位の差により制御可能となる。以下の実施形態では、コリジョンセル24内のイオンガイド240に印加する直流電圧によりCEを制御することで所望のCEを得る形態を記載する。
異なる複数のCEによるCIDにより順次生成された、プロダクトイオンとしての試料イオンInは、順次イオンガイド25に向けて出射される。イオンガイド25を通過した試料イオンInは、分析室30に入射する。
分析室30に入射したイオンInは、イオン輸送電極310により移動を制御されつつイオン輸送電極310を通過し、加速部320に入射する。加速部320は、イオンを電磁気学的作用により加速させるための電圧が印加される加速電極を備える。少なくとも一部の加速電極には、数千V等のパルス電圧が印加される。図1では、加速部320により加速された試料イオンInの経路を矢印A4で模式的に示す。
加速された試料イオンInは、イオンが飛行する空間を画定するフライトチューブ330を通過し、リフレクトロン電極340およびバックプレート350に印加された電圧によりその進行方向が変化される。進行方向が変化させられた試料イオンInは、矢印A4により示される折り返し軌道に沿って移動し、検出部360に入射する。異なる複数のCEによるCIDにより順次生成されたプロダクトイオンは、加速部320に順次入射し、加速部320により順次加速され、検出器360で順次検出される。
検出部360は、マイクロチャンネルプレート等のイオン検出器を備え、入射した試料イオンInを検出する。検出モードは正イオンを検出する正イオンモードと、負イオンを検出する負イオンモードとのいずれでもよい。イオンを検出して得られた検出信号はA/D変換され、デジタル信号となって情報処理部40に入力される(矢印A5)。以下では、試料イオンInの検出により得られたデータを測定データと呼ぶ。
図2は、質量分析装置1の情報処理部40の構成を示す概念図である。情報処理部40は、入力部41と、通信部42と、記憶部43と、出力部44と、制御部50とを備える。記憶部43は、第1データベース(Database; DB)430を備える。制御部50は、取得部51と、装置制御部52と、データ生成部53と、データ解析部54と、出力制御部55を備える。
情報処理部40は、電子計算機等の情報処理装置を備え、適宜ユーザとのインターフェースとなる他、測定部100の制御およびデータ解析等の処理を行う。
なお、情報処理部40は、LC10または質量分析計20と一体になった一つの装置として構成してもよい。また、第1DB430に含まれるデータ等の質量分析装置1が用いるデータの一部は遠隔のサーバ等に保存してもよい。
情報処理部40の入力部41は、マウス、キーボード、各種ボタンまたはタッチパネル等の入力装置を含んで構成される。入力部41は、測定部100が行う測定または制御部50が行う処理に必要な情報等を、ユーザから受け付ける。
情報処理部40の通信部42は、インターネット等のネットワークを介して無線または有線の接続により通信可能な通信装置を含んで構成される。通信部42は、測定部100の測定に必要なデータを受信したり、データ解析部54の解析で得られたデータを送信したりする。
情報処理部40の記憶部43は、不揮発性の記憶媒体を備える。記憶部43は、制御部50が処理を実行するための必要なデータおよびプログラム等を記憶する。
記憶部43の第1DB430は、複数の第1データを含む。第1データでは、化合物およびCEの値と、当該化合物が当該値のCEによるCIDに供される場合に生成されるイオンの質量情報および強度情報とが対応付けられている。質量情報は、当該イオンのm/zの値を含む。強度情報は、当該イオンが検出された際の検出信号の強度を示す情報である。第1DB430は、CEの値が数電子ボルト(eV)ごとに異なる第1データを含むことができるが、CEの値の間隔は特に限定されない。
質量情報は、過去にある化合物をある値のCEによるCIDに供した後、検出されたプロダクトイオンのm/zとすることができる。ここでの化合物、CEの値およびm/zが、第1データで対応付けられる。この検出されたm/zの値から、当該プロダクトイオンの分子構造が特定された場合には、当該分子構造に基づくm/zの理論値を第1データに含めてもよい。理論値を用いると、同じ化合物に対応する複数の第1データにおいて当該プロダクトイオンのm/zの値を統一することができるため好ましい。
強度情報は、質量情報の各m/zに対応して設定される強度の値を含む。強度情報は、例えば、ある化合物をある値のCEによりCIDに供した際に生成された複数のプロダクトイオンの強度の相対値とすることができる。この相対値は、強度比とすることができる。強度は、過去に検出されたプロダクトイオンのマススペクトルにおけるピークの大きさに基づいて設定することができる。このピークの大きさは、ピークの最大強度(以下、ピーク強度と呼ぶ)または面積(以下、ピーク面積と呼ぶ)等により定量することができる。ここで、マススペクトルとは、横軸を検出したイオンのm/z、縦軸を当該イオンの検出信号の強度とするグラフである。マススペクトルにおいて検出したイオンがプロダクトイオンである場合、当該マススペクトルはプロダクトイオンスペクトルとも呼ばれる。
過去に得られたプロダクトイオンスペクトルから質量情報および強度情報を抽出し第1データに含めることで、プロダクトイオンスペクトルそのものに対応するデータを記憶するよりも第1DB430のデータの量を著しく低減することができる。
なお、第1データを、化合物およびCEの値と、当該化合物が当該値のCEによるCIDに供された場合のプロダクトイオンスペクトルに対応するデータとが紐づけられたデータとしてもよい。ここで、プロダクトイオンスペクトルに対応するデータとは、プロダクトイオンスペクトルにおける所定の範囲のm/zと対応する強度の値が格納されているデータである。この場合、プロダクトイオンスペクトルからより詳細な情報を得ることができる。
情報処理部40の出力部44は、液晶モニタ等の表示装置および/またはプリンターを備える。出力部44は、データ解析部54の解析で得られた情報等を、表示装置に表示したり印刷媒体に印刷して出力する。
情報処理部40の制御部50は、中央処理装置(Central Processing Unit; CPU)等のプロセッサを含んで構成される。制御部50は、測定部100の制御およびデータ解析等の各処理を、記憶部43に記憶されたプログラムをプロセッサと参照可能に接続されたメモリにロードし、実行することにより行う。
制御部50の取得部51は、試料の質量分析に係るデータ解析で必要なデータを取得する。取得部51は、検出部360から出力された測定データを取得し、記憶部43等に記憶させる。取得部51は、CIDのために設定された、異なる複数のCEの値またはCEの範囲を示す情報を取得し、記憶部43等に記憶させる。CEの範囲を示す情報とは、例えば設定されるCEの上限値および下限値、または、中央値および当該範囲の幅を示す数値等である。
例えば、設定されるCEの範囲が20eV~50eVである場合、ユーザは入力部41を介してCEが35eVプラスマイナス15eVの範囲であることを入力することができる。この15eV(あるいは倍の30eV)は、CEの範囲の幅を示す数値となる。CEが範囲で設定された際にCEを段階的に変化させる場合には、1段階変化させる際のCEの変化の大きさを数値で入力する構成にしてもよいし、予め定められた値を用いる構成にしてもよい。ユーザは、設定する異なる複数のCEの値そのものを入力してもよい。このように、ユーザは2個以上、または3個以上の数値を入力することで、CIDにおける異なる複数のCEの値またはCEの範囲を設定することができる。
なお、CEの値の代わりに、または、CEの範囲を示す情報として、コリジョンセル24への印加電圧の値を入力する構成としてもよい。
制御部50の装置制御部52は、入力部41を介した入力等に応じて設定された分析条件等に基づいて、測定部100の測定動作を制御する。例えば、装置制御部52は、入力されたCEの範囲を示す情報に基づいて、当該範囲を走査するようにCEの値を変化させてCIDを行うように、コリジョンセル24を制御する。あるいは、装置制御部52は、設定された複数の値のCEへとCEの値を段階的に変化させてCIDを行うように、コリジョンセル24を制御する。
制御部50のデータ生成部53は、記憶部43の第1DB430を参照して、第2DBを生成する。第2DBは、複数の第2データを含む。第2データは、上記質量分析で設定された異なる複数の値のCEに対応する複数の第1データを統合して、1つの第2データとして作成される。従って、第2データでは、化合物と、当該化合物を上記異なる複数の値のCEによるCIDで解離した際に検出される複数のイオンの質量情報および強度情報とが対応づけられている。データ生成部53は、複数の第1データを統合する際に重複するm/zの値および強度の値は、第2データにおいて重複しないように適宜削除等の処理をすることができる。
なお、第1データおよび第2データは、強度情報を含まなくてもよい。
データ生成部53は、取得部51が取得した、CIDにおいて設定された異なる複数のCEの値またはCEの範囲を示す情報から、試料の質量分析で設定されたCEの上限値および下限値を取得する。データ生成部53は、各化合物について、この下限値以上、この上限値以下のCEの値を有する複数の第1データを選択する。例えば、試料の質量分析で設定されたCEの値の範囲が19eV~34eVであり、5eVごとに第1データが構築されているとする。この場合、データ生成部53は、各化合物について、20eV、25eVおよび30eVの衝突エネルギーをそれぞれ含む複数の第1データを選択することができる。データ生成部53は、各化合物について、選択された複数の第1データを統合し、1つの第2データを生成する。
なお、第2データに対応する複数の第1データの選択の方法は、質量分析で用いた複数のCEの値またはCEの範囲と、複数の第1データに含まれる複数のCEの値とが、所望の精度で対応していれば特に限定されない。例えば、第1データに含まれるCEの値であって、試料の質量分析で設定されたCEの下限値に最も近い値をCE1とする。第1データに含まれるCEの値であって、試料の質量分析で設定されたCEの上限値に最も近い値をCE2とする。データ生成部53は、各化合物について、CE1以上、CE2以下の衝突エネルギーの値を有する複数の第1データを選択することもできる。
図3は、複数の第1データの統合を説明するための概念図である。マススペクトルM1A、M1BおよびM1Cは、マススペクトルの形式で第1データを模式的に示したものである。図3の各マススペクトルの態様は、本発明を限定するものではない。また、図3では説明をわかりやすくするためマススペクトルを用いたが、実際には、第1データおよび第2データは、上述のようにプロダクトイオンに対応するm/zおよび強度の数値のみをそれぞれ質量情報および強度情報として構成できることに留意されたい。マススペクトルM1A、M1BおよびM1Cは、化合物Aを20eV、25eVおよび30eVのCEによりそれぞれCIDに供した場合に得られたプロダクトイオンスペクトルである。
マススペクトルM2は、マススペクトルM1A、M1BおよびM1Cに対応する3つの第1データを統合した第2データを、マススペクトルの形式で模式的に示したものである。マススペクトルM1A,M1B,M1CおよびM2において、プリカーサーイオンに対応するピークPが破線で示されている。
データ生成部53は、第2データの質量情報を、複数の第1データの質量情報に含まれるm/zの値を含むように設定する。このことは、図3の模式的な例では、マススペクトルM1A、M1BおよびM1Cのそれぞれに含まれるピークP1,P2およびP3を含むマススペクトルM2を生成することに対応する。図3の例では、マススペクトルM2には、ピークP1,P2およびP3に含まれるピークが全て含まれている。過去の測定におけるばらつき等により、異なる複数の第1データに、互いに非常に近い複数のm/zの値が含まれる場合、当該複数のm/zの値のうち適宜1つのm/zの値を第2データに残してもよい。
なお、第1データに含まれる強度情報に基づいて、第2データを作成する際に、適宜小さなピークに対応するイオンを排除してもよい。
データ生成部53は、第2データの各m/zに対応する強度情報を、各m/zに対応する第1データの強度情報から算出する。例えば、データ生成部53は、第2データに対応する複数の第1データにおける、同一のプロダクトイオンのピーク強度またはピーク面積の算術平均等の平均値を算出する。データ生成部53は、算出された平均値を、各プロダクトイオンについて第2データにおける相対的な強度比を示すように規格化する。このことは、図3の模式的な例では、以下の処理に対応する。複数の第1データにおいて同一のプロダクトイオンに対応するピークP10,P20およびP30(ピーク40に対応)の強度の平均値が計算される。他のプロダクトイオンについても同様に平均値が計算される。そして、算出された平均値が、ピークPMの全体の強度の合計が1または100等の所定の値となるように規格化される。
なお、強度の平均値を計算する際に、第1データのCEの値等に応じて重みづけし、重みづけ平均を計算してもよい。例えば、データ生成部53は、第2データに対応する複数の第1データのうち、最も大きいCEの値を有する第1データまたは最も小さいCEの値を有する第1データの重みづけを低くしてもよい。これらの第1データは、第1データの選択の方法によって除外されたりされなかったりし、設定されたCEの値と必ず対応する値とはいえず、解析の精度への寄与が小さいからである。
データ生成部53は、各化合物と第2データとを対応づけた第2DBを生成したら、第2DBを記憶部43に記憶させるか、データ解析の間、メモリに一時的に記憶させる。
制御部50のデータ解析部54は、第2DBに含まれる第2データを用いて測定データの解析を行う。データ解析部54は、測定データにおいて、複数回の加速で得られた検出信号の強度を、飛行時間ごとに累積して得た強度を算出する。この複数回の加速では、異なる複数の値のCEによるCIDでそれぞれ解離された複数のプロダクトイオンが加速されている。さらに、データ解析部54は、飛行時間を予め得られた較正データを用いてm/zに変換する。このようにして、データ解析部54は、m/zと強度が対応付けられたマススペクトル(プロダクトイオンスペクトル)に対応するデータを生成する。以下では、このマススペクトルを、試料のプロダクトイオンスペクトルと呼ぶ。
データ解析部54は、試料のプロダクトイオンスペクトルに対応するデータと、第2DBとから、試料に含まれる化合物を同定する。データ解析部54は、試料のプロダクトイオンスペクトルに含まれるピークに対応するm/zを算出し、当該m/zと質量分析の精度に基づく誤差範囲内のm/zの値を有するか否かに基づいて、第2DBから第2データを抽出する。
例えば、データ解析部54は、試料のプロダクトイオンスペクトルにおけるピークのm/zおよびピークの大きさと、第2データに含まれる質量情報および強度情報がどの程度類似するかを示す類似度を算出する。類似度は、試料のプロダクトイオンスペクトルと第2データとで対応するイオンが多い程大きい値になるように設定されている。データ解析部54は、各化合物に対応する第2データについて、類似度を算出し、最も類似度の高い第2データに対応する化合物を、試料に含まれる化合物として同定する。類似度の定義の方法は、特に限定されない。例えば、強度情報を用い、試料のプロダクトイオンスペクトルのピークの相対強度と第2データに含まれる相対強度との差が小さい程、類似度が高くなるようにしてもよい。強度情報を用いず、質量情報から類似度を算出してもよい。
なお、第2データがマススペクトルに対応するデータの場合、マススペクトルのピークに対応するm/zおよびピーク強度またはピーク面積等を算出し、上記と同様の処理を行うことができる。試料のプロダクトイオンスペクトルと第2データのマススペクトルのパターンが類似しているかに基づいて、類似度を算出してもよい。
データ解析部54は、同定された試料に含まれる化合物の名称等の、データ解析により得られた情報を、記憶部43等に記憶させる。
出力制御部55は、データ解析部54のデータ解析により得られた情報を、出力部44に出力させる。出力制御部55は、試料のプロダクトイオンスペクトル、試料に含まれる化合物の名称および、当該化合物に対応する第2データから作成したマススペクトルを出力することができる。このマススペクトルは、例えば、図3のように、横軸をm/z、縦軸を強度とし、横軸における第2データに含まれるm/zの位置に、縦軸に沿って線分でピークを模式的に示すことで作成することができる。この線分の長さで強度を示すことができる。ユーザは、上記情報により試料に含まれる化合物を知ることができるほか、このように作成された化合物のマススペクトルと試料のプロダクトイオンスペクトルとを見て比較することができる。
図4は、本実施形態の質量分析方法の流れを示すフローチャートである。ステップS1001において、測定部100は、試料の質量分析を行う。ステップS1001が終了したら、ステップS1003が開始される。ステップS1003において、取得部51は、試料の質量分析における衝突エネルギー(CE)を取得する。ステップS1003が終了したらステップS1005が開始される。
ステップS1005において、データ作成部53は、第1DB430の複数の第1データを参照し、第2データを作成する。ステップS1005が終了したら、ステップS1007が開始される。ステップS1007において、データ解析部54は、試料の質量分析で得られたデータを解析する。ステップS1007が終了したら、処理が終了される。
次のような変形も本発明の範囲内であり、上述の実施形態と組み合わせることが可能である。以下の変形例において、上述の実施形態と同様の構造、機能を示す部位に関しては、同一の符号で参照し、適宜説明を省略する。
(変形例1)
上述の実施形態の質量分析装置1は液体クロマトグラフ‐四重極飛行時間型質量分析計としたが、プロダクトイオンスペクトルを取得することができる質量分析計であれば特に限定されない。質量分析計20を、3段階以上の質量分析が可能なものとし、試料の質量分析を3段階以上で行ってもよい。質量分析装置1は、LCを備えなくてもよい。また質量分析装置1は、LC以外のガスクロマトグラフ等の試料を分離する装置を備えてもよい。イオン化の方法は上述のESIまたはAPCIに限定されず、電子イオン化(Electron Ionization; EI)またはマトリックス支援レーザー脱離イオン化(Matrix Assisted Laser Desorption/Ionization; MALDI)等、試料および装置構成に適したものを用いることができる。
また、質量分析計20の各部は、図1に示された構成に限定されず、異なる複数のCEによりCIDを行い、CIDにより生成されたイオンを検出できれば、質量分析計20の各部の構成は特に限定されない。質量分析計20を図1に示すような直交加速型以外の飛行時間型質量分析計としてもよい。さらに、質量分析計20を図1に示すようなリフレクトロン型ではなく、リニア型またはマルチターン型の飛行時間型の質量分析計としてもよい。
(変形例2)
質量分析装置1の情報処理機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録された、上述したデータ生成部53およびデータ解析部54の処理を含む測定、解析および表示の処理およびそれに関連する処理の制御に関するプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行させてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、光ディスク、メモリカード等の可搬型記録媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持するものを含んでもよい。また上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせにより実現するものであってもよい。
また、パーソナルコンピュータ(以下、PCと記載)等に適用する場合、上述した制御に関するプログラムは、CD-ROM等の記録媒体やインターネット等のデータ信号を通じて提供することができる。図5はその様子を示す図である。PC950は、CD-ROM953を介してプログラムの提供を受ける。また、PC950は通信回線951との接続機能を有する。コンピュータ952は上記プログラムを提供するサーバーコンピュータであり、ハードディスク等の記録媒体にプログラムを格納する。通信回線951は、インターネット、パソコン通信などの通信回線、あるいは専用通信回線などである。コンピュータ952はハードディスクを使用してプログラムを読み出し、通信回線951を介してプログラムをPC950に送信する。すなわち、プログラムをデータ信号として搬送波により搬送して、通信回線951を介して送信する。このように、プログラムは、記録媒体や搬送波などの種々の形態のコンピュータ読み込み可能なコンピュータプログラム製品として供給できる。
(態様)
上述した複数の例示的な実施形態またはその変形は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
(第1項)一態様に係る質量分析で得られたデータの解析方法は、試料の質量分析において、前記試料に由来するイオンを、異なる複数の第1の値の衝突エネルギーにより衝突誘起解離に供し、前記衝突誘起解離により生成される第1イオンを検出する際の、前記複数の第1の値または前記複数の第1の値の範囲を示す情報を取得することと、化合物、および、衝突エネルギーの第2の値に対応づけられた、前記化合物が前記第2の値の衝突エネルギーにより衝突誘起解離された場合に生成される第2イオンのm/zを示す第1データを参照し、各化合物について、前記複数の第1の値に対応する複数の第2の値に対応づけられた複数の第1データを統合した第2データを生成することと、前記第2データを用いて前記質量分析で得られたデータを解析することとを備える。これにより、2段階以上の質量分析において、1つのマススペクトルに複数の衝突エネルギーが対応する場合に、予め得られたCIDで生成されるイオンのデータを用いて解析を行う際の精度の低下を抑制することができる。
(第2項)他の一態様に係る質量分析で得られたデータの解析方法では、第1項に記載の質量分析で得られたデータの解析方法において、前記第1データは、前記第2イオンのm/zを含むデータ、または、前記第2イオンに対応するピークを含むマススペクトルに対応するデータである。これにより、過去に得られたマススペクトルに基づくデータを用いて測定データを解析することができる。
(第3項)他の一態様に係る質量分析で得られたデータの解析方法では、第2項に記載の質量分析で得られたデータの解析方法において、前記第2データは、前記複数の第1データにおける複数のm/zの値を含むか、または、前記複数の第1データにおける複数のマススペクトルに含まれる複数のピークを含むマススペクトルのデータである。これにより、検出されたイオンのm/zと、予め得られたデータのm/zとの対応を用いて測定データを解析することができる。
(第4項)他の一態様に係る質量分析で得られたデータの解析方法では、第1項から第3項までのいずれかに記載の質量分析で得られたデータの解析方法において、前記情報は、前記複数の第1の値の範囲を示す2以上の個数の値である。これにより、質量分析における衝突エネルギーの値および範囲を適切に設定することができる。
(第5項)他の一態様に係る質量分析で得られたデータの解析方法では、第1項から第4項までのいずれかに記載の質量分析データの解析方法において、前記第2データの生成では、前記複数の第1の値のうち最も小さな値と、最も大きな値とに基づいて、前記複数の第1の値に対応する前記複数の第2の値が設定される。これにより、質量分析で設定した複数の衝突エネルギーに対応する第1データを効率よく設定することができる。
(第6項)他の一態様に係る質量分析で得られたデータの解析方法では、第1項から第5項までのいずれかに記載の質量分析で得られたデータの解析方法において、前記質量分析では、飛行時間型質量分析により前記第1イオンが質量分離される。これにより、数千以上等の高いm/zを有するイオンを好適に質量分離することができる。また、衝突エネルギーを連続的に変化させたり、細かく段階的に変化させる際に効率よく測定データを取得することができる。
(第7項)一態様に係る質量分析方法は、試料の質量分析を行うことと、第1項から第5項までのいずれかに記載の質量分析で得られたデータの解析方法により前記質量分析で得られたデータを解析することとを備える。これにより、2段階以上の質量分析において、1つのマススペクトルに複数の衝突エネルギーが対応する場合に、予め得られたCIDで生成されるイオンのデータを用いて解析を行う際の精度の低下を抑制することができる。
(第8項)一態様に係るプログラムでは、試料の質量分析において、前記試料に由来するイオンを、異なる複数の第1の値の衝突エネルギーにより衝突誘起解離に供し、前記衝突誘起解離により生成される第1イオンを検出する際の、前記複数の第1の値または前記複数の第1の値の範囲を示す情報を取得する取得処理(図4のフローチャートのステップS1003に対応)と、化合物、および、衝突エネルギーの第2の値に対応づけられた、前記化合物が前記第2の値の衝突エネルギーにより衝突誘起解離された場合に生成される第2イオンのm/zを示す第1データを参照し、各化合物について、前記複数の第1の値に対応する複数の第2の値に対応づけられた複数の第1データを統合した第2データを生成する生成処理(ステップS1005に対応)と、前記第2データを用いて前記質量分析で得られたデータを解析する解析処理(ステップS1007に対応)とを処理装置に行わせるためのものである。これにより、2段階以上の質量分析において、1つのマススペクトルに複数の衝突エネルギーが対応する場合に、予め得られたCIDで生成されるイオンのデータを用いて解析を行う際の精度の低下を抑制することができる。
本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
1…質量分析装置、10…LC、20…質量分析計、21…イオン化室、23…第1質量分離部、24…コリジョンセル、30…分析室、40…情報処理部、43…記憶部、50…制御部、51…取得部、52…装置制御部、53…データ生成部、54…データ解析部、100…測定部、320…加速部、330…フライトチューブ、340…リフレクトロン電極、360…検出部、430…第1データベース、In…試料イオン、P…プリカーサーイオンに対応するピーク、M1A,M1B,M1C,M2…マススペクトル、P1,P2,P3,P10,P20,P30,P40,PM…プロダクトイオンに対応するピーク。

Claims (8)

  1. 試料の質量分析において、前記試料に由来するイオンを、異なる複数の第1の値の衝突エネルギーにより衝突誘起解離に供し、前記衝突誘起解離により生成される第1イオンを検出する際の、前記複数の第1の値または前記複数の第1の値の範囲を示す情報を取得することと、
    化合物、および、衝突エネルギーの第2の値に対応づけられた、前記化合物が前記第2の値の衝突エネルギーにより衝突誘起解離された場合に生成される第2イオンのm/zを示す第1データを参照し、全ての前記第2の値に対応する全ての前記第1データのうち、各化合物について、前記複数の第1の値に対応する複数の第2の値に対応づけられた複数の第1データを選択し、選択された前記複数の第1データを統合した第2データを生成することと、
    前記第2データを用いて前記質量分析で得られたデータを解析することとを備える、質量分析で得られたデータの解析方法。
  2. 請求項1に記載の質量分析で得られたデータの解析方法において、
    前記第1データは、前記第2イオンのm/zを含むデータ、または、前記第2イオンに対応するピークを含むマススペクトルに対応するデータである、質量分析で得られたデータの解析方法。
  3. 請求項2に記載の質量分析で得られたデータの解析方法において、
    前記第2データは、前記複数の第1データにおける複数のm/zの値を含むか、または、前記複数の第1データにおける複数のマススペクトルに含まれる複数のピークを含むマススペクトルのデータである、質量分析で得られたデータの解析方法。
  4. 請求項1から3までのいずれか一項に記載の質量分析で得られたデータの解析方法において、
    前記情報は、前記複数の第1の値の範囲を示す2以上の個数の値である、質量分析で得られたデータの解析方法。
  5. 請求項1から4までのいずれか一項に記載の質量分析で得られたデータの解析方法において、
    前記第2データの生成では、前記複数の第1の値のうち最も小さな値と、最も大きな値とに基づいて、前記複数の第1の値に対応する前記複数の第2の値が設定される、質量分析で得られたデータの解析方法。
  6. 請求項1から5までのいずれか一項に記載の質量分析で得られたデータの解析方法において、
    前記質量分析では、飛行時間型質量分析により前記第1イオンが質量分離される、質量分析で得られたデータの解析方法。
  7. 試料の質量分析を行うことと、
    請求項1から5までのいずれか一項に記載の質量分析で得られたデータの解析方法により前記質量分析で得られたデータを解析することとを備える質量分析方法。
  8. 試料の質量分析において、前記試料に由来するイオンを、異なる複数の第1の値の衝突エネルギーにより衝突誘起解離に供し、前記衝突誘起解離により生成される第1イオンを検出する際の、前記複数の第1の値または前記複数の第1の値の範囲を示す情報を取得する取得処理と、
    化合物、および、衝突エネルギーの第2の値に対応づけられた、前記化合物が前記第2の値の衝突エネルギーにより衝突誘起解離された場合に生成される第2イオンのm/zを示す第1データを参照し、全ての前記第2の値に対応する全ての前記第1データのうち、各化合物について、前記複数の第1の値に対応する複数の第2の値に対応づけられた複数の第1データを選択し、選択された前記複数の第1データを統合した第2データを生成する生成処理と、
    前記第2データを用いて前記質量分析で得られたデータを解析する解析処理とを処理装置に行わせるためのプログラム。
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