この発明は、移動体通信システム及び同システムにおける信号送信方法並びに送信ノードに関し、特に、小型基地局を導入した場合であっても、複数の基地局に対して所定の信号を送信する送信ノードに多大な送信負荷がかかるのを防止することのできる移動体通信システム及び同システムにおける信号送信方法並びに送信ノードに関するものである。
従来、複数の基地局を備えた移動体通信システムでは、これら複数の基地局に対して、ヘルスチェック信号やページング信号などの所定の信号が定期的に送信されている(例えば、特許文献1、2参照。)。ヘルスチェック信号とは、各基地局の稼動状態をチェックするための信号であり、ページング信号とは、接続先の移動端末を探索するための信号である。
また、このような移動体通信システムを構成する基地局として、近年では、既存の基地局よりも小さい範囲(数m〜数10m)をカバーする小型基地局が開発されている。この小型基地局は、例えば、屋内や地下などの電波が届きにくい場所においても品質のよいサービスを提供することを目的として開発されている。
特開平5−108509号公報
特開平8−223191号公報
しかしながら、小型基地局は、既存の基地局(以下、「大型基地局」とする。)よりもごく小さい範囲をカバーするものであり、1つ1つのセルが小さいため、ネットワーク内に多数の小型基地局を設置することができる。
したがって、小型基地局を導入した場合、移動体通信システム内には、既存のシステムと比較して非常に多くの基地局が存在することがあり得る。このように、非常に多くの基地局が移動体通信システム内に存在すると、各基地局に対して所定の信号を送信する送信ノードに多大な送信負荷がかかり、各種サービスの提供に支障を来す恐れがある。
開示の技術は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、小型基地局を導入した場合において、複数の基地局に対して当該信号を送信する送信ノードにかかる送信負荷を低減することのできる移動体通信システム及び同システムにおける信号送信方法並びに送信ノードを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本願に開示する移動体通信システムは、第一の種別又は第二の種別のいずれかに属する複数の基地局と、これら複数の基地局とネットワークを介して接続された送信ノードと、を有する移動体通信システムにおいて、前記基地局は、前記送信ノードから送信される所定の信号を受信する受信手段を備え、前記送信ノードは、前記基地局の種別が前記第二の種別の基地局であるか否かを判定する種別判定手段と、前記種別判定手段により前記第二の種別の基地局であると判定された基地局に対する前記所定の信号の送信周期を、前記第二の種別の基地局であると判定されていない基地局への前記所定の信号の送信周期よりも長い周期となるように設定する送信周期設定手段と、前記送信周期設定手段によって前記基地局ごとに設定された送信周期に基づき、前記所定の信号を前記複数の基地局に対して定期的に送信する送信手段と、を備える。
本願に開示した移動体通信システム及び同システムにおける信号送信方法並びに送信ノードによれば、基地局の種別に応じて所定の信号の送信周期を異ならせることとしたため、小型基地局を導入した場合であっても、送信ノードに大きな送信負荷をかけることなく所定の信号を送信することができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、開示の移動体通信システム及び同システムにおける信号送信方法並びに送信ノードにかかる実施例1〜5について詳細に説明する。なお、以下の各実施例では、本発明にかかる送信ノードを各基地局の情報を管理・制御するための基地局制御装置に適応した場合について説明する。
ただし、この送信ノードは、基地局制御装置に限定されるものではなく、例えば、コアネットワーク部を構成する他の主要ネットワークノードにその機能を持たせてもよく、また、専用装置をコアネットワーク部に設けてもよい。
まず、本実施例にかかる移動体通信システムの概要について、図1及び図2を参照して説明する。図1は本実施例における移動体通信システムの全体的構成を説明するための図であり、図2は同システムにおけるヘルスチェック信号の送信方法を説明するための図である。
図1に示すように、本実施例における移動体通信システムSは、複数の移動端末4a〜4nと、複数の基地局2a〜2dと、これら複数の基地局2a〜2dとネットワークとしてのIP網5を介して接続された基地局制御装置1とを含む。
基地局2a〜2dは、移動端末4a〜4nとの間で無線通信を行うための装置であり、本実施例においては、小型基地局又は大型基地局のいずれかの種別に分類されている。ここで、大型基地局とは、第一の種別の基地局であり、電柱やビルの屋上、電話ボックスなどに設置される比較的大きな設備を示す。具体的には、図1に示すように、基地局2dが大型基地局に相当するものであり、半径1km〜数kmと比較的広い範囲をカバーするマクロセル3dを形成している。
また、小型基地局は、第二の種別の基地局であり、屋内や地下などの比較的電波の届かない場所に設置される小型の基地局である。具体的には、図1に示すように、基地局2a〜2cがこの小型基地局に相当するものであり、大型基地局がカバーするマクロセルよりも小さい数m〜数10mをカバーするフェムトセル3a〜3cを形成している。
そして、これら基地局2a〜2dは、各基地局2に固有のセル3a〜3d内に在圏する移動端末4a〜4nとの間で無線通信を行う。なお、「基地局のセル内に在圏する移動端末」とは、その基地局のセル内に存在し、かつ、サービスの提供を受け得る状態にある移動端末のことを示すものとする。すなわち、その基地局のセル内に存在していたとしても、電源OFF状態にある移動端末や、本実施例にかかる移動体通信システムSにおいて提供するサービスに加入していない移動端末は、「基地局のセル内に在圏する移動端末」には含まれないこととなる。
本実施例においては、図1に示すように、基地局2aのセル3a内には移動端末4aが在圏し、基地局2cのセル3cに移動端末4b〜4eが在圏し、基地局2dのセル3d内に移動端末4f〜4nが在圏している。また、基地局2bのセル3b内には移動端末4が在圏していない。
基地局制御装置1は、送信ノードとして機能するものであり、移動体通信システムSのコアネットワーク部を構成する主要ネットワークノードの一つである。ここで、本実施例において、基地局制御装置1は、ゲートウェイ機能や移動端末4が伝送又は受信するパケットの統合処理機能等を有するSGSN(Serving General packet radio service Support Node)であるものとする。
なお、コアネットワーク部には、他の主要ネットワークノードとして、SGSNの他に、例えば、加入者情報(電話番号、加入サービス等)などを記憶するHLR(Home Location Register)、各基地局に対してPaging信号等を送信するGGSN(Gateway GPRS Service Node)、各基地局にWrite-Replace信号等を送信するCBC(Cell Broadcast Center)等が含まれる。
本実施例にかかる移動体通信システムSにおいて、基地局制御装置1から各基地局2a〜2dに対して、各基地局2a〜2dの稼動状態をチェックするためのヘルスチェック信号がIP網5を介して各基地局2a〜2dに対し定期的に送信される。
具体的には、基地局制御装置1は、図2に示すように、ヘルスチェック信号の送信タイミングを決定するためのタイマであるヘルスチェック送信タイマを備えている。そして、基地局制御装置1は、このヘルスチェック送信タイマがタイムアウトした回数に応じて各基地局に対してヘルスチェック信号を送信する。
ここで、基地局制御装置1は、大型基地局に属する基地局2dに対しては、ヘルスチェック送信タイマが1回タイムアウトした時にヘルスチェック信号を送信する(ステップS01〜S10)。一方、基地局制御装置1は、小型基地局に属する基地局2a〜2cに対しては、ヘルスチェック送信タイマが5回タイムアウトした時にヘルスチェック信号を送信する(ステップS11〜S13)。
このように、本実施例にかかる移動体通信システムSでは、小型基地局に対するヘルスチェック信号の送信周期を大型基地局に対するヘルスチェック信号の送信周期よりも長くする(すなわち、一定時間内におけるヘルスチェック信号の送信回数を少なくする)。これにより、小型基地局を導入しネットワーク内の基地局数が増えた場合であっても、複数の基地局に対して所定の信号を送信する送信ノードに多大な送信負荷がかかるのを防止できる。
なお、小型基地局が形成するセルは、一つ一つが小さなものであり、一つの小型基地局のセル内に在圏可能な移動端末4の数も少ないため、在圏する移動端末4が存在しない状態が比較的多い。また、同セルは、大型基地局が形成するセル内にあることが通常であり、万が一小型基地局がダウンしても、大型基地局でカバーできる場合も多い。したがって、本実施例のように、小型基地局及び大型基地局のうち小型基地局に対するヘルスチェック信号の送信周期を長くしたとしても、サービス品質の低下等の問題は生じにくい。
次に、図1に示した基地局制御装置1の具体的構成について、図3〜5を用いてより具体的に説明する。
図3は本実施例における基地局制御装置1の構成を示すブロック図であり、図4は本実施例における基地局制御装置1に記憶される送信情報テーブルの一例を示す図であり、図5は本実施例における基地局制御装置1に記憶される送信間隔設定テーブルの一例を示す図である。なお、本実施例にかかるヘルスチェック送信方法に関連のない構成については、図示と説明を省略することとする。
図3に示すように、本実施例にかかる基地局制御装置1は、通信部100と、記憶部110と、制御部120とを備えている。
通信部100は、IP網5を介して基地局2との間で各種信号の送受信を行うためのネットワークインターフェイスである。
記憶部110は、制御部120による各種処理に必要なデータやプログラムを記憶するものであり、特に本実施例と密接に関連するものとして、送信情報テーブル111及び送信間隔設定テーブル112を記憶する。
送信情報テーブル111には、図4に示すように、基地局番号と、基地局2の種別と、送信間隔値とが基地局名と関連付けられて記憶されている。ここで、基地局番号とは、基地局ごとに固有に設けられた番号であり、基地局の種別とは、その基地局が小型基地局であるか大型基地局であるかを示す情報である。
また、送信間隔値とは、ヘルスチェック送信タイマがあと何回タイムアウトした時にヘルスチェック信号を送信するかを示す数値である。すなわち、基地局制御装置1は、図4に示すように、「フェムト#2」に対しては、ヘルスチェック送信タイマがあと3回タイムアウトした時に、ヘルスチェック信号を送信する。
また、送信間隔設定テーブル112は、図5に示すように、ヘルスチェック信号の送信間隔設定値を基地局2の種別と関連付けて記憶する。送信間隔設定値とは、基地局2の種別ごとの送信間隔値の初期値である。
制御部120は、基地局制御装置1全体を制御するものであり、種々の処理を実行する。特に本実施例と密接に関連するものとして、制御部120は、種別判定部121と、送信周期設定部122と、ヘルスチェック送信タイマ123と、通信処理部124と、を備える。
種別判定部121は、種別判定手段として機能するものであり、記憶部110に記憶された送信情報テーブル111を参照して、基地局の種別が小型基地局であるか否かを判定する。
送信周期設定部122は、小型基地局であると判定された基地局2に対するヘルスチェック信号の送信周期を、小型基地局であると判定されていない基地局へのヘルスチェック信号の送信周期よりも長い周期となるように設定する。この送信周期設定部122は、送信周期設定手段として機能するものである。
具体的に説明すると、送信周期設定部122は、記憶部110に記憶された送信情報テーブル111及び送信間隔設定テーブル112を参照して、基地局2の種別が大型基地局である基地局2dに対しては送信間隔値として「1」を設定する。一方、送信周期設定部122は、基地局2の種別が小型基地局である基地局2a〜2cに対しては送信間隔値として「5」を設定する。
また、通信処理部124は、通信部100とともに送信手段として機能するものであり、送信周期設定部122によって基地局2ごとに設定された送信周期に基づき、ヘルスチェック信号を複数の基地局2a〜2dに対して定期的に送信する。
具体的には、通信処理部124は、送信情報テーブル111に記憶された送信間隔値がヘルスチェック送信タイマ123のタイムアウト回数に応じてデクリメントされて「0」となったとき、この送信間隔値に対応する基地局2にヘルスチェック信号を送信する。
例えば、基地局制御装置1は、種別が大型基地局である基地局2dに対しては、ヘルスチェック送信タイマ123が1回タイムアウトする毎にヘルスチェック信号を送信する。一方、基地局制御装置1は、種別が小型基地局である基地局2a〜2cに対しては、ヘルスチェック送信タイマ123が5回タイムアウトする毎にヘルスチェック信号を送信する。
また、本実施例における基地局2a〜2dは、一般的な小型基地局又は大型基地局を適応することができ、ネットワークインターフェイス等から成る受信部を備えている。この受信部は、受信手段として機能するものであり、基地局制御装置1から送信されるヘルスチェック信号やその他の情報を受信する。
また、本実施例における移動端末4a〜4nは、基地局と無線通信することによって相手方の通信装置と通信可能な装置である。この移動端末4a〜4nは、例えば、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、通信機能を備えた携帯型パーソナルコンピュータなどに相当する。
次に、本実施例にかかる基地局制御装置1の具体的動作の一例について、図6及び図7を参照して具体的に説明する。図6は本実施例にかかる基地局制御装置1のヘルスチェック信号の送信に関するメイン処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、以下の処理は、基地局制御装置1が上述した各手段として機能することにより実行されるものである。
図6に示すように、ヘルスチェック処理に関するメイン処理を開始すると、基地局制御装置1の送信周期設定部122は、送信間隔値の設定を行う(ステップS100)。すなわち、制御部120は、送信間隔設定テーブル112及び送信情報テーブル111を参照して、送信情報テーブル111に記憶された基地局2ごとに送信間隔値を設定する。
ステップS100の処理を終えると、制御部120は、ヘルスチェック送信タイマ123をスタートさせる(ステップS101)。次に、制御部120は、ヘルスチェック送信タイマ123がタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS102)。この処理において、ヘルスチェック送信タイマ123がタイムアウトしたと判定すると(ステップS102:Yes)、制御部120は、処理をステップS103のヘルスチェック処理に移行する。このヘルスチェック処理は、図7におけるステップS110〜115までの処理であり、後述する。
ステップS103の処理を終えると、制御部120は、処理をステップS101へ移行して、再度ヘルスチェック送信タイマを起動する。
続いて、ステップS103におけるヘルスチェック処理について、図7を参照して具体的に説明する。図7は本実施例にかかる基地局制御装置1のヘルスチェック処理の処理手順を示すフローチャートである。
図7に示すように、ヘルスチェック処理を開始すると、制御部120は、送信情報テーブル111に記憶されている複数の基地局2の中から一つの基地局2を選択する(ステップS110)。
ステップS110の処理を終えると、制御部120は、送信情報テーブル111に記憶された、選択した基地局2に対応する送信間隔値をデクリメントする(ステップS111)。すなわち、例えばステップS110の処理において「フェムト#1」を選択した場合、制御部120は、この「フェムト#1」と関連付けて記憶されている送信間隔値を「5」から「4」に変更する処理を行う。
ステップS111の処理を終えると、制御部120は、ステップS110において選択した基地局2に対応する送信間隔値が「0」であるか否かを判定する(ステップS112)。この処理において、送信間隔値が「0」であると判定すると(ステップS112:Yes)、通信処理部124は、当該基地局2に対してヘルスチェック信号を送信し(ステップS113)、そして、送信周期設定部122は、送信情報テーブル111に記憶された送信間隔値(この時点では「0」となっている。)を送信間隔設定値の値に再設定する(ステップS114)。
ステップS114の処理を終えたとき、或いは、ステップS112において、送信間隔値が「0」でないとき(ステップS112:No)、制御部120は、全ての基地局2に対してステップS111〜S114の処理を行ったか否かを判定する(ステップS115)。この処理において、全ての基地局2に対して処理を行っていないとき(ステップS115:No)、制御部120は、処理をステップS110に移行する。一方、全ての基地局2に対して処理を行ったと判定すると(ステップS115:Yes)、制御部120は、ヘルスチェック処理を終了する。
上述してきたように、実施例1における移動体通信システムSによれば、小型基地局2a〜2cへの所定の信号の送信周期を小型基地局でない基地局2dへの送信周期よりも長い周期とすることにより、小型基地局を導入した場合であっても、基地局制御装置1に大きな送信負荷をかけることなくヘルスチェック信号を送信することが可能となる。
上述した実施例1にかかる移動体通信システムSでは、小型基地局へのヘルスチェック信号の送信周期を大型基地局へのヘルスチェック信号の送信周期よりも長い周期とすることにより、基地局制御装置1にかかる送信負荷を低減することとした。一方、実施例2にかかる移動体通信システムでは、さらに、小型基地局の中でも移動端末が在圏していない小型基地局に対しては、ヘルスチェック信号の送信周期を更に延長することとしている。
以下に、実施例2における移動体通信システムの概要について図8及び図9を参照して説明する。図8は本実施例にかかる基地局制御装置の構成を示すブロック図であり、図9は同基地局制御装置に記憶される在圏情報テーブルの一例を示す図である。なお、既に説明した構成と同じものについては同一の符号を付し、その説明を省略する。
図8に示すように、本実施例にかかる基地局制御装置6は、実施例1にかかる基地局制御装置1の備える構成に加え、さらに、記憶部110に在圏情報テーブル113を備えるとともに、制御部120に情報更新部125を備える。
在圏情報テーブル113は、図9に示すように、基地局番号と、基地局2の種別と、在圏数とを基地局名と関連付けて記憶する。ここで、在圏数とは、基地局2のセル3内に在圏する移動端末4の数を示す数値であり、例えば、図9に示すように「フェムト#1」には1台の移動端末が在圏し、「マクロ#1」には300台の移動端末が在圏している。
このように、本実施例にかかる基地局制御装置6の記憶部110は、基地局2のセル3内に在圏する移動端末4の端末数に関する情報である在圏端末数情報を基地局ごとに記憶する記憶手段として機能する。
また、本実施例にかかる基地局制御装置6の通信部100及び通信処理部124は、移動端末4から所定の情報を受信する受信手段として機能する。
また、情報更新部125は、情報更新手段として機能するものであり、通信部100により移動端末4から受信した所定の情報に基づき、在圏端末数情報を更新する。具体的には、情報更新部125は、移動端末4から所定の情報として、移動端末4が異なる基地局2へ移動する際に送信される位置登録信号(RA update request)や移動端末4の電源が切れる際に送信されるデタッチ信号(Detach request)等を受信する。
そして、情報更新部125は、移動端末4から受信したこれら情報に基づき、在圏情報テーブル113に記憶された在圏数の情報を更新する。かかる更新の方法については、後述する。
また、本実施例にかかる送信周期設定部122は、在圏端末数情報が、当該在圏端末数情報に対応する基地局2のセル3内に在圏する移動端末4の端末数が0であることを示している場合、当該基地局2に対するヘルスチェック信号の送信周期を延長する。
ここで、本実施例にかかる移動体通信システムにおけるヘルスチェック信号の送信方法について、図10〜12を用いて具体的に説明する。図10〜12は本実施例にかかるヘルスチェック信号の送信方法を説明するための図である。
まず、図10を参照して、移動端末4の移動により小型基地局2に在圏する移動端末4が存在しなくなった場合におけるヘルスチェック信号の送信方法について説明する。
図10に示すように、基地局制御装置6は、実施例1と同様、送信情報テーブル111を参照して、大型基地局である「マクロ#1」に対してヘルスチェック送信タイマが1回タイムアウトするごとにヘルスチェック信号を送信する(ステップS20〜26)。一方、基地局制御装置6は、小型基地局である「フェムト#1」に対してはヘルスチェック送信タイマが5回タイムアウトするごとにヘルスチェック信号を送信する(ステップS27)。
ここで、「フェムト#1」に在圏していた移動端末4aが「フェムト#1」のセル3a内から「マクロ#1」のセル3d内に移動した場合、移動端末4aは、基地局制御装置6に対して位置登録信号(RA update request)を送信する(ステップS28)。この位置登録信号には、移動端末4がそれまで在圏していた基地局2の基地局番号や新たに在圏することとなった基地局2の基地局番号等が含まれる。
この位置登録信号を受信すると、基地局制御装置6は、在圏情報テーブル113を更新する。具体的には、基地局制御装置6は、在圏情報テーブル113において「フェムト#1」の在圏数を1だけ減らすとともに、「マクロ#1」の在圏数を1だけ増やす。
そして、ステップS27において「フェムト#1」に対してヘルスチェック信号を送信してからヘルスチェック送信タイマが5回タイムアウトすると、基地局制御装置6は、在圏情報テーブル113を参照し「フェムト#1」の在圏数が0であるか否かを判定する。このとき、「フェムト#1」の在圏数が0であった場合、基地局制御装置6は、ヘルスチェック信号の送信周期を延長し、ヘルスチェック送信タイマが更に2回タイムアウトしたときにヘルスチェック信号を送信する(ステップS29)。
また、これとは逆に、在圏する移動端末4が存在していない状態の小型基地局2に移動端末4が移動してきた場合、基地局制御装置6は、在圏情報テーブル113を更新するとともに延長していた送信周期を元の周期に戻す。
続いて、図11を参照して、移動端末4の電源断操作により小型基地局2に在圏する移動端末4が存在しなくなった場合におけるヘルスチェック信号の送信方法について説明する。
図11に示すように、基地局制御装置6は、実施例1と同様、送信情報テーブル111を参照して、大型基地局である「マクロ#1」に対してヘルスチェック送信タイマが1回タイムアウトするごとにヘルスチェック信号を送信する(ステップS40〜46)。一方、小型基地局である「フェムト#1」に対してはヘルスチェック送信タイマが5回タイムアウトするごとにヘルスチェック信号を送信する(ステップS47)。
ここで、「フェムト#1」に在圏していた移動端末4aの電源がOFFになった場合、移動端末4aは、基地局制御装置6に対してデタッチ信号(Detach request)を送信する(ステップS48)。このデタッチ信号を受信すると、基地局制御装置6は、在圏情報テーブル113を更新する。具体的には、基地局制御装置6は、在圏情報テーブル113において「フェムト#1」の在圏数を1だけ減らす。
そして、基地局制御装置6は、ステップS47において「フェムト#1」に対してヘルスチェック信号を送信してからヘルスチェック送信タイマが5回タイムアウトした際、在圏情報テーブル113を参照して「フェムト#1」の在圏数が0であるか否かを判定する。このとき、「フェムト#1」の在圏数が0であった場合、基地局制御装置6は、ヘルスチェック信号の送信周期を延長し、ヘルスチェック送信タイマが更に2回タイムアウトしたときにヘルスチェック信号を送信する(ステップS49)。
続いて、図12を参照して、移動端末4の水没により小型基地局2に在圏する移動端末4が存在しなくなった場合におけるヘルスチェック信号の送信方法について説明する。
図12に示すように、基地局制御装置6は、実施例1と同様、送信情報テーブル111を参照して、大型基地局である「マクロ#1」に対してヘルスチェック送信タイマが1回タイムアウトするごとにヘルスチェック信号を送信する(ステップS50〜56)。一方、小型基地局である「フェムト#1」に対してはヘルスチェック送信タイマが5回タイムアウトするごとにヘルスチェック信号を送信する(ステップS57)。
また、基地局制御装置6は、定期的に在圏確認を行い、非在圏となった移動端末4が存在しないかをチェックしている(ステップS58、S59)。
ここで、「フェムト#1」に在圏していた移動端末4aが、例えば水没により電源が切れてしまった場合、基地局制御装置6は、移動端末4aが非在圏となったことを検出し、在圏情報テーブル113の情報を更新する。具体的には、基地局制御装置6は、在圏情報テーブル113において「フェムト#1」の在圏数を1だけ減らす処理を行う。
そして、基地局制御装置6は、ステップS57において「フェムト#1」に対してヘルスチェック信号を送信してからヘルスチェック送信タイマが5回タイムアウトした際、在圏情報テーブル113を参照して「フェムト#1」の在圏数が0であるか否かを判定する。このとき、「フェムト#1」の在圏数が0であった場合、基地局制御装置6は、ヘルスチェック信号の送信周期を延長し、ヘルスチェック送信タイマが更に2回タイムアウトしたときにヘルスチェック信号を送信する(ステップS60)。
ここで、「在圏数が0である場合」とは、基地局2のセル3内に移動端末4が1台も在圏していない状態を示すため、例えば、かかる状態において、その基地局2がダウンした場合であっても、当該ダウンの影響を受ける移動端末4は存在しない。このように、基地局の在圏数が0である場合にヘルスチェック信号の送信周期を延長したとしても、移動端末4の通信環境に影響を与えることなく基地局制御装置6にかかる送信負荷を低減することができる。
なお、基地局制御装置6は、移動端末4aが非在圏となったことを検出した場合、コアネットワーク部を構成する他の主要ネットワークノードであるHLRに対してPurge MS信号を送信し(ステップS61)、その後、HLRからPurge MS Ack信号を受信する(ステップS62)。
次に、実施例2にかかる基地局制御装置6の具体的動作の一例について、図13〜16を用いてより具体的に説明する。
まず、本実施例にかかる基地局制御装置6のヘルスチェック処理について、図13を参照して説明する。図13は実施例2にかかる基地局制御装置6のヘルスチェック処理フローチャートである。なお、本実施例にかかる基地局制御装置6のヘルスチェック信号の送信に関するメイン処理については、実施例1と同様であるため、その説明は省略することとする。
図13に示すように、ヘルスチェック処理を開始すると、基地局制御装置6の制御部120は、送信情報テーブル111に記憶されている複数の基地局の中から一つの基地局2を選択する(ステップS200)。次に、制御部120は、送信情報テーブル111に記憶された、選択した基地局2に対応する送信間隔値をデクリメントする(ステップS201)。
ステップS201の処理を終えると、制御部120は、ステップS200において選択した基地局2に対応する送信間隔値が「0」であるか否かを判定する(ステップS202)。この処理において、送信間隔値が「0」であると判定すると(ステップS202:Yes)、制御部120は、処理をステップS203に移行する。
ステップS203において、種別判定部121は、ステップS200において選択した基地局2の種別が小型基地局であるか否かを判定する。この処理において、当該基地局の種別が小型基地局であると判定すると(ステップS203:Yes)、種別判定部121は、処理をステップS204へ移行する。
ステップS204において、制御部120は、ステップS200において選択した基地局2のセル3内に移動端末4が在圏するか否かを判定する。この判定は、在圏情報テーブル113における該当基地局2の在圏数が「0」であるか否かにより判定されるものである。この処理において、当該基地局2のセル3内に在圏する移動端末4が存在しないとき(ステップS204:No)、通信処理部124は、当該基地局2に対してヘルスチェック信号を送信する(ステップS205)。
そして、送信周期設定部122は、送信情報テーブル111に記憶された送信間隔値(この時点では「0」となっている。)を送信間隔設定値の値に所定の数値を足した数値を設定する(ステップS206)。ここでは、所定の数値を「2」とする。
一方、ステップS203において、ステップS200で選択した基地局2の種別が小型基地局でないとき(ステップS203:No)、或いは、ステップS204において、ステップS200で選択した基地局2のセル3内に在圏する移動端末4が存在するとき(ステップS204:Yes)、制御部120は、処理をステップS207に移行する。
ステップS207において、通信処理部124は、ステップS200において選択した基地局2に対してヘルスチェック信号を送信する。そして、送信周期設定部122は、送信情報テーブル111に記憶された送信間隔値(この時点では「0」となっている。)を送信間隔設定値の値に再設定する(ステップS208)。
ステップS206、S208の処理を終えたとき、或いは、ステップS202において、送信間隔値が「0」でないとき(ステップS202:No)、制御部120は、全ての基地局2に対してステップS201〜S207の処理を行ったか否かを判定する(ステップS209)。
この処理において、全ての基地局2に対して処理を行っていないとき(ステップS209:No)、制御部120は、処理をステップS200に移行する。一方、全ての基地局2に対して処理を行ったと判定すると(ステップS209:Yes)、制御部120は、ヘルスチェック処理を終了する。
続いて、本実施例における在圏数更新処理の処理手順について、図14を用いて具体的に説明する。図14は本実施例にかかる基地局制御装置6の在圏数更新処理の処理手順を示すフローチャートである。
図14に示すように、在圏数更新処理を開始すると、通信処理部124は、移動端末4から位置登録信号を受信したか否かを判定する(ステップS210)。この処理において、移動端末4から位置登録信号を受信したと判定すると(ステップS210:Yes)、通信処理部124は、在圏数加算処理を行う(ステップS211)。この在圏数加算処理は、図15におけるステップS220〜S224までの処理であり、後述する。
一方、ステップS210において、移動端末4から位置登録信号を受信していないとき(ステップS210:No)、通信処理部124は、移動端末4からデタッチ信号を受信したか否かを判定する(ステップS212)。この処理において、移動端末4からデタッチ信号を受信していないとき(ステップS212:No)、通信処理部124は、処理をステップS213に移行する。
ステップS213において、制御部120は、パージ機能が起動したか否かを判定する。この判定は、水没等によって非在圏となった移動端末4を検出したか否かによって判定されるものである。この処理において、パージ機能が起動していないとき(ステップS213:No)、制御部120は、処理をステップS210に移行する。
一方、ステップS211の処理を終えたとき、或いは、ステップS212において、移動端末4からデタッチ信号を受信したと判定したとき(ステップS212:Yes)、ステップS213において、パージ機能が起動したと判定したとき(ステップS213:Yes)、制御部120は、在圏数減算処理を行う(ステップS214)。この在圏数減算処理は、図16におけるステップS240〜S242までの処理であり、後述する。
続いて、ステップS211における在圏数加算処理について、図15を用いて具体的に説明する。図15は本実施例にかかる基地局制御装置6の在圏数加算処理の処理手順を示すフローチャートである。
図15に示すように、在圏数加算処理を開始すると、制御部120は、移動端末4から受信した位置登録信号に基づき、当該移動端末4が新たに在圏することとなった基地局2の基地局番号を抽出する(ステップS220)。
ステップS220の処理を終えると、種別判定部121は、送信情報テーブル111を参照して、抽出した基地局番号を有する基地局2が小型基地局であるか否かを判定する(ステップS221)。この処理において、当該基地局2が小型基地局であると判定すると(ステップS221:Yes)、種別判定部121は、処理をステップS222に移行する。
ステップS222において、制御部120は、在圏情報テーブル113に記憶された当該基地局2に対応する在圏数をインクリメントする。すなわち、例えば当該基地局2が「フェムト#1」であった場合、制御部120は、この「フェムト#1」と関連付けて記憶されている在圏数を「1」から「2」に変更する。
ステップS222の処理を終えると、制御部120は、在圏情報テーブル113を参照して、当該基地局2の在圏数が1であるか否かを判定する(ステップS223)。この処理において、当該基地局2の在圏数が1であると判定すると(ステップS223:Yes)、制御部120は、送信間隔値を送信間隔設定値の値に変更する(ステップS224)。
すなわち、制御部120は、それまで在圏する移動端末4が存在していない状態から移動端末4が在圏する状態となった場合(在圏数が「1」である場合に相当。)、増加されていた送信間隔値を元の値(送信間隔設定値と同じ値)に変更することにより、延長されていたヘルスチェック信号の送信周期を元に戻す。
なお、送信間隔値が増加された後に、ヘルスチェック送信タイマが数回タイムアウトすることによって、送信間隔値が送信間隔設定値よりも小さくなっている場合には(例えば、送信間隔値が「2」で送信間隔設定値が「5」である場合。)、ステップS224の処理は行わないこととしてもよい。
ステップS224の処理を終えたとき、或いは、ステップS221において、抽出した基地局番号を有する基地局2が小型基地局ではないとき(ステップS221:No)、ステップS223において、当該基地局2の在圏数が1ではないとき(ステップS223:No)、制御部120は、在圏数加算処理を終了する。
続いて、ステップS214における在圏数減算処理について、図16を用いて具体的に説明する。図16は本実施例にかかる基地局制御装置6の在圏数減算処理の処理手順を示すフローチャートである。
図16に示すように、在圏数減算処理を開始すると、制御部120は、移動端末4から受信した位置登録信号に基づき、当該移動端末4がそれまで在圏していた基地局2の基地局番号を抽出する(ステップS240)。
ステップS240の処理を終えると、制御部120は、送信情報テーブル111を参照して、抽出した基地局番号を有する基地局2が小型基地局であるか否かを判定する(ステップS241)。この処理において、当該基地局2が小型基地局であると判定すると(ステップS241:Yes)、制御部120は、処理をステップS242に移行する。
ステップS242において、制御部120は、在圏情報テーブル113に記憶された当該基地局2に対応する在圏数をデクリメントする。すなわち、例えば当該基地局2が「フェムト#1」であった場合、制御部120は、この「フェムト#1」と関連付けて記憶されている在圏数を「1」から「0」に変更する。
ステップS242の処理を終えたとき、或いは、ステップS241において、抽出した基地局番号を有する基地局2が小型基地局ではないとき(ステップS241:No)、制御部120は、在圏数減算処理を終了する。
上述してきたように、実施例2における移動体通信システムによれば、小型基地局の中でも移動端末4が在圏してしない小型基地局に対してはヘルスチェック信号の送信周期を更に延長することにより、基地局制御装置6にかかる送信負荷をより一層低減できる。
なお、本実施例では、移動端末4が在圏していない小型基地局に対してヘルスチェック信号の送信周期を延長することとしたが、ヘルスチェック信号自体を送信しないようにしてもよい。かかる場合、基地局制御装置6の送信周期設定部122は、在圏端末数情報が、当該在圏端末数情報に対応する基地局2のセル3内に在圏する移動端末4の端末数が0であることを示している場合、当該基地局2にヘルスチェック信号を送信しないように設定する。
具体的には、図13のステップS204において、ステップS200で選択した基地局2のセル3内に移動端末4が在圏しないとき(ステップS204:No)、制御部120は、ステップS205及びステップS206の処理を行わずにステップS209に移行する。
このように、小型基地局の中でも移動端末4が在圏してしない小型基地局に対してはヘルスチェック信号を送信しないこととすることにより、基地局制御装置6にかかる送信負荷をより一層低減できる。
上述した実施例2にかかる移動体通信システムでは、小型基地局に在圏する移動端末4の数に応じてヘルスチェック信号の送信周期を変更することとした。一方、実施例3では、基地局制御装置が移動端末4の端末情報を管理し、当該情報に基づいてヘルスチェック信号の送信周期を変更することとしている。
以下に、実施例3における移動体通信システムについて図17及び図18を参照して説明する。図17は本実施例にかかる基地局制御装置の構成を示すブロック図であり、図18は同基地局制御装置に記憶される在圏可能端末テーブルの一例を示す図である。なお、既に説明した構成と同じものについては同一の符号を付し、その説明を省略することとする。
図17に示すように、本実施例にかかる基地局制御装置7は、実施例1にかかる基地局制御装置1の備える構成に加え、さらに、記憶部110に在圏可能端末テーブル114を備える。在圏可能端末テーブル114は、図18に示すように、基地局2のセル3内に在圏可能な移動端末4の識別子と、当該移動端末4がその基地局2のセル3内に在圏しているか非在圏かを示す在圏状況とを各基地局2の基地局番号と関連付けて記憶する。
このように、本実施例にかかる基地局制御装置7の記憶部110は、各基地局2のセル3内に在圏可能な全移動端末4の個々の在圏状況に関する在圏可能端末情報を基地局2ごとに記憶する記憶手段として機能する。
また、実施例2と同様、本実施例にかかる基地局制御装置7の通信部100及び通信処理部124は、移動端末4から所定の情報を受信する受信手段として機能する。
また、情報更新部125は、情報更新手段として機能し、通信部100により移動端末4から受信した所定の情報に基づき、在圏可能端末情報を更新する。
そして、本実施例にかかる送信周期設定部122は、在圏可能端末情報が、当該在圏可能端末情報に対応する基地局2のセル3内に在圏可能な全移動端末4が全て非在圏であることを示している場合、当該基地局2に対するヘルスチェック信号の送信周期を延長する。
次に、実施例3にかかる基地局制御装置7の具体的動作の一例について、図19〜21を用いてより具体的に説明する。
まず、本実施例にかかる基地局制御装置7のヘルスチェック処理について、図19を参照して説明する。図19は実施例3にかかる基地局制御装置7のヘルスチェック処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、本実施例にかかる基地局制御装置7のヘルスチェック信号の送信に関するメイン処理については、実施例1にかかる基地局制御装置1のものと同様であるため、その説明は省略することとする。
図19に示すように、ヘルスチェック処理を開始すると、基地局制御装置7の制御部120は、送信情報テーブル111に記憶されている複数の基地局の中から一つの基地局2を選択する(ステップS300)。そして、制御部120は、送信情報テーブル111に記憶された、選択した基地局2に対応する送信間隔値をデクリメントする(ステップS301)。
ステップS301の処理を終えると、制御部120は、ステップS300において選択した基地局2に対応する送信間隔値が「0」であるか否かを判定する(ステップS302)。この処理において、送信間隔値が「0」であると判定すると(ステップS302:Yes)、制御部120は、処理をステップS303に移行する。
ステップS303において、種別判定部121は、ステップS300で選択した基地局2の種別が小型基地局であるか否かを判定する。この処理において、当該基地局の種別が小型基地局であると判定すると(ステップS303:Yes)、制御部120は、処理をステップS304へ移行する。
ステップS304において、制御部120は、ステップS300で選択した基地局2のセル3内に在圏可能な移動端末4が全て非在圏であるか否かを判定する。この判定は、在圏可能端末テーブル114を参照して、該当基地局2の基地局番号と関連付けられている移動端末4が全て「非在圏」となっているか否かにより判定されるものである。この処理において、ステップS300で選択した基地局2のセル3内に在圏可能な移動端末4が全て非在圏であると判定すると(ステップS304:Yes)、制御部120は、送信情報テーブル111における該当基地局2の送信間隔値を増加させる(ステップS305)。
一方、ステップS300で選択した基地局2の種別が小型基地局でないとき(ステップS303:No)、或いは、ステップS300で選択した基地局2のセル3内に在圏可能な移動端末4が1台でも存在するとき(ステップS304:No)、制御部120は、処理をステップS306に移行する。
ステップS306において、通信処理部124は、ステップS300で選択した基地局2に対してヘルスチェック信号を送信する。そして、送信周期設定部122は、送信情報テーブル111に記憶された送信間隔値(この時点では「0」となっている。)を送信間隔設定値の値に再設定する(ステップS307)。
ステップS305、S307の処理を終えたとき、或いは、ステップS302において、送信間隔値が「0」でないとき(ステップS302:No)、制御部120は、全ての基地局2に対してステップS301〜S307の処理を行ったか否かを判定する(ステップS308)。この処理において、全ての基地局2に対して処理を行っていないとき(ステップS308:No)、制御部120は、処理をステップS300に移行する。一方、全ての基地局2に対して処理を行ったと判定すると(ステップS308:Yes)、制御部120は、ヘルスチェック処理を終了する。
続いて、本実施例にかかる基地局制御装置7の在圏数加算処理について、図20を用いて具体的に説明する。図20は本実施例にかかる基地局制御装置7の在圏数加算処理の処理手順を示すフローチャートである。
図20に示すように、在圏数加算処理を開始すると、制御部120は、移動端末4から受信した位置登録信号に基づき、当該移動端末4が新たに在圏することとなった基地局2の基地局番号を抽出する(ステップS320)。
ステップS320の処理を終えると、種別判定部121は、送信情報テーブル111を参照して、抽出した基地局番号を有する基地局2が小型基地局であるか否かを判定する(ステップS321)。この処理において、当該基地局2が小型基地局であると判定すると(ステップS321:Yes)、種別判定部121は、処理をステップS322に移行する。
ステップS322において、制御部120は、在圏可能端末テーブル114における当該基地局2の欄を参照して、位置登録信号を送信した移動端末4に対応する在圏状況を「在圏」に変更する。
ステップS322の処理を終えると、制御部120は、在圏可能端末テーブル114を参照して、当該基地局2に在圏している移動端末4が1台であるか否かを判定する(ステップS323)。この処理において、当該基地局2に在圏している移動端末4が1台であると判定すると(ステップS323:Yes)、送信周期設定部122は、送信間隔値を送信間隔設定値の値に変更する(ステップS324)。
すなわち、送信周期設定部122は、ある基地局2において、在圏する移動端末4が存在していない状態から存在する状態となった場合、増加されていた送信間隔値を元の値(送信間隔設定値と同じ値)に変更する。これにより、延長されていたヘルスチェック信号の送信周期が初期値に戻る。
なお、送信間隔値が増加された後に、ヘルスチェック送信タイマが数回タイムアウトすることによって、送信間隔値が送信間隔設定値よりも小さくなっている場合には、ステップS324の処理は行わないこととしてもよい。
ステップS324の処理を終えたとき、或いは、ステップS321において、抽出した基地局番号を有する基地局2が小型基地局ではないとき(ステップS321:No)、ステップS323において、当該基地局2に在圏している移動端末4が1台ではないとき(ステップS323:No)、制御部120は、在圏数加算処理を終了する。
続いて、本実施例にかかる基地局制御装置7の在圏数減算処理について、図21を用いて具体的に説明する。図21は本実施例にかかる基地局制御装置7の在圏数減算処理の処理手順を示すフローチャートである。
図21に示すように、在圏数減算処理を開始すると、制御部120は、移動端末4から受信した位置登録信号に基づき、当該移動端末4がそれまで在圏していた基地局2の基地局番号を抽出する(ステップS340)。
ステップS340の処理を終えると、種別判定部121は、送信情報テーブル111を参照して、抽出した基地局番号を有する基地局2が小型基地局であるか否かを判定する(ステップS341)。この処理において、当該基地局2が小型基地局であると判定すると(ステップS341:Yes)、種別判定部121は、処理をステップS342に移行する。
ステップS342において、制御部120は、在圏可能端末テーブル114における当該基地局2の欄を参照して、位置登録信号を送信した移動端末4に対応する在圏状況を「非在圏」に変更する。
ステップS342の処理を終えたとき、或いは、ステップS341において、抽出した基地局番号を有する基地局2が小型基地局ではないとき(ステップS341:No)、制御部120は、在圏数減算処理を終了する。
上述してきたように、実施例3における移動体通信システムによれば、基地局制御装置7が在圏可能端末情報を管理し、当該情報に基づいて、小型基地局の中でも移動端末4が在圏してしない小型基地局に対してはヘルスチェック信号の送信周期を更に延長することにより、基地局制御装置7にかかる送信負荷をより一層低減できる。
なお、本実施例では移動端末4が在圏していない小型基地局に対してヘルスチェック信号の送信周期を延長することとしたが、ヘルスチェック信号自体を送信しないようにしてもよい。かかる場合、基地局制御装置7の送信周期設定部122は、在圏可能端末情報が、当該在圏可能端末情報に対応する基地局2のセル3内に在圏可能な移動端末4が全て悲在圏であることを示している場合、当該基地局2に対してヘルスチェック信号を送信しないように設定する。
具体的には、図19のステップS304において、ステップS300で選択した基地局2のセル3内に移動端末4が在圏しないとき(ステップS304:Yes)、制御部120は、ステップS305の処理を行うことなくステップS307に移行する。
このように、小型基地局の中でも移動端末4が在圏してしない小型基地局に対してはヘルスチェック信号を送信しないこととすることにより、基地局制御装置7にかかる送信負荷をより一層低減できる。
上述した各実施例にかかる移動体通信システムでは、基地局制御装置から送信される所定の信号をヘルスチェック信号としたが、これに限ったものではなく、所定の信号は、接続先の移動端末を探索するための着信通知信号であってもよい。
以下に、実施例4における移動体通信システムについて図22を参照して説明する。図22は実施例4における基地局制御装置の着信通知信号としてのページング信号の送信方法を説明するための図である。なお、既に説明した構成と同じものについては同一の符号を付し、その説明を省略することとする。
図22に示すように、本実施例にかかる基地局制御装置8は、コアネットワーク部の主要ネットワークノードであるGGSNからPDU(Protocol Data Unit) Notification Requestを受信すると(ステップS70)、各基地局2に対して着信通知信号ページング信号を送信する(ステップS71)。ここで、本実施例において、着信通知信号は、その一例としてページング信号とする。ページング信号とは、基地局2を介して当該基地局2のセル3内にいる全ての移動端末4に対して一斉に送信される信号であり、例えば、着信通知、一斉呼出、制御信号等を含む信号である。
この際、基地局制御装置8は、在圏情報テーブル113又は在圏可能端末テーブル114を参照して、在圏数が0又は在圏可能な移動端末4が全て非在圏となっている基地局2に対しては、このページング信号を送信しない(又は送信周期を延長する。)。すなわち、図22に示すように、「フェムト#1」には移動端末4aが在圏しており、「フェムト#2」には移動端末4が在圏していない場合、基地局制御装置8は、「フェムト#1」にはページング信号を送信するが、「フェムト#2」にはページング信号を送信しない。
ここで、「在圏数が0である場合」とは、基地局2のセル3内に移動端末4が1台も在圏していない状態を示すため、例えば、かかる状態において、当該基地局2にページング信号を送信しないこととしても、その影響を受ける移動端末4は存在しない。このように、基地局の在圏数が0である場合にページング信号を送信しないこととしても、移動端末4の通信環境に影響を与えることなく基地局制御装置8にかかる送信負荷を低減することができる。
次に、実施例4にかかる基地局制御装置8のページング信号の送信に関するメイン処理について図23を用いて具体的に説明する。図23は実施例4にかかる基地局制御装置のページング信号の送信に関するメイン処理の処理手順を示すフローチャートである。
図23に示すように、ページング信号の送信に関するメイン処理を開始すると、基地局制御装置8の通信処理部124は、GGSNからPDU信号を受信したか否かを判定する(ステップS400)。この処理において、GGSNからPDU信号を受信したと判定すると(ステップS400:Yes)、制御部120は、処理をステップS401に移行する。
ステップS401において、制御部120は、送信情報テーブル111に記憶されている複数の基地局の中から一つの基地局2を選択する。そして、種別判定部121は、当該選択した基地局2の種別が小型基地局であるか否かを判定する(ステップS402)。この処理において、当該基地局の種別が小型基地局であると判定すると(ステップS402:Yes)、種別判定部121は、処理をステップS403へ移行する。
ステップS403において、制御部120は、ステップS401で選択した基地局2のセル3内に移動端末4が在圏するか否かを判定する。この判定は、在圏情報テーブル113における該当基地局2の在圏数が「0」であるか否かにより、又は、在圏可能端末テーブル114を参照して、該当基地局2の基地局番号と関連付けられている移動端末4が全て「非在圏」となっているか否かにより判定される。
この処理において、当該基地局2のセル3内に在圏する移動端末4が存在すると判定したとき(ステップS403:Yes)、或いは、ステップS402において、ステップS401で選択した基地局2が小型基地局ではないとき(ステップS402:No)、制御部120は、当該基地局2に対してページング信号を送信する(ステップS404)。
ステップS404の処理を終えたとき、或いは、ステップS403において、ステップS401で選択した基地局2のセル3内に移動端末4が在圏しないとき(ステップS403:No)、制御部120は、処理をステップS405に移行する。
ステップS405において、制御部120は、送信情報テーブル111に記憶されている全ての基地局2に対してステップS402〜S404の処理を行ったか否かを判定する(ステップS405)。この処理において、全ての基地局2に対して処理を行っていないとき(ステップS405:No)、制御部120は、処理をステップS401に移行する。一方、全ての基地局2に対して処理を行ったと判定すると(ステップS405:Yes)、制御部120は、処理をステップS400へ移行する。
上述してきたように、実施例4における移動体通信システムによれば、ページング信号を送信する際に基地局制御装置8にかかる送信負荷を低減することが可能となる。
また、小型基地局の中でも移動端末4が在圏してしない小型基地局に対してはページング信号を送信しないこととすることもでき、これにより、基地局制御装置8に無駄な送信負荷をかけることがない。
また、所定の信号は、放送メッセージ信号であってもよい。以下に、この実施例5における移動体通信システムについて図24を参照して説明する。図24は実施例5における基地局制御装置9のページング信号の送信方法を説明するための図である。なお、既に説明した構成と同じものについては同一の符号を付し、その説明を省略することとする。
また、本実施例において放送メッセージは、その一例としてセル放送メッセージとし、より具体的にはBMC CBS Message信号とする。このBMC CBS Message信号は、ネットワーク部の主要ネットワークノードであるCBC(Cell Broadcast Center)から受信するWrite-Replace信号に基づいて、基地局制御装置が各基地局に送信する信号である。
図24に示すように、本実施例にかかる基地局制御装置9は、コアネットワーク部の主要ネットワークノードであるCBCからWrite-Replace信号を受信すると(ステップS80)、各基地局2に対してBMC CBS Message信号を送信する(ステップS81)。
この際、基地局制御装置9は、在圏情報テーブル113又は在圏可能端末テーブル114を参照して、在圏数が0又は在圏可能な移動端末4が全て非在圏となっている基地局2に対しては、このBMC CBS Message信号を送信しない。すなわち、図24に示すように、「フェムト#1」には移動端末4aが在圏しており、「フェムト#2」には移動端末4が在圏していない場合、基地局制御装置9は、「フェムト#1」にはBMC CBS Message信号を送信するが、「フェムト#2」にはBMC CBS Message信号を送信しない。
ここで、「在圏数が0である場合」とは、基地局2のセル3内に移動端末4が1台も在圏していない状態を示すため、例えば、かかる状態において、当該基地局2にBMC CBS Message信号を送信しないこととしても、その影響を受ける移動端末4は存在しない。このように、基地局の在圏数が0である場合にBMC CBS Message信号を送信しないこととしても、移動端末4の通信環境に影響を与えることなく基地局制御装置9にかかる送信負荷を低減することができる。
次に、実施例5にかかる基地局制御装置9のBMC CBS Message信号の送信に関するメイン処理について図25を用いて具体的に説明する。図25は実施例5にかかる基地局制御装置9のBMC CBS Message信号の送信に関するメイン処理の処理手順を示すフローチャートである。
図25に示すように、BMC CBS Message信号の送信に関するメイン処理を開始すると、基地局制御装置8の通信処理部124は、CBCからWrite-Replace信号を受信したか否かを判定する(ステップS500)。この処理において、CBCからWrite-Replace信号を受信したと判定すると(ステップS500:Yes)、通信処理部124は、処理をステップS501に移行する。
ステップS501において、制御部120は、送信情報テーブル111に記憶されている複数の基地局の中から一つの基地局2を選択する。そして、種別判定部121は、当該選択した基地局2の種別が小型基地局であるか否かを判定する(ステップS502)。この処理において、当該基地局の種別が小型基地局であると判定すると(ステップS502:Yes)、種別判定部121は、処理をステップS503へ移行する。
ステップS503において、制御部120は、ステップS501で選択した基地局2のセル3内に移動端末4が在圏するか否かを判定する。この判定は、在圏情報テーブル113における該当基地局2の在圏数が「0」であるか否かにより、又は、在圏可能端末テーブル114を参照して、該当基地局2の基地局番号と関連付けられている移動端末4が全て「非在圏」となっているか否かにより判定される。
この処理において、当該基地局2のセル3内に在圏する移動端末4が存在すると判定したとき(ステップS503:Yes)、或いは、ステップS501で選択した基地局2が小型基地局ではないとき(ステップS502:No)、制御部120は、当該基地局2に対してBMC CBS Message信号を送信する(ステップS504)。
ステップS504の処理を終えたとき、或いは、ステップS503において、ステップS501で選択した基地局2のセル3内に移動端末4が在圏しないとき(ステップS503:No)、制御部120は、処理をステップS505に移行する。
ステップS505において、制御部120は、送信情報テーブル111に記憶されている全ての基地局2に対してステップS502〜S504の処理を行ったか否かを判定する(ステップS505)。この処理において、全ての基地局2に対して処理を行っていないとき(ステップS505:No)、制御部120は、処理をステップS501に移行する。一方、全ての基地局2に対して処理を行ったと判定すると(ステップS505:Yes)、制御部120は、処理をステップS500へ移行する。
上述してきたように、実施例5における移動体通信システムによれば、BMC CBS Message信号を送信する際に基地局制御装置9にかかる送信負荷を低減できる。
また、小型基地局の中でも移動端末4が在圏してしない小型基地局に対してはBMC CBS Message信号を送信しないこととすることもでき、これにより、基地局制御装置9に無駄な送信負荷をかけることがない。
以上、本発明の実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
例えば、実施例1〜3では、タイマがタイムアウトした回数に応じて信号の送信周期を決定することとしたが、これに限ったものではなく、信号の送信周期を基地局ごとに決定できれば、他の形態であってもよい。
また、実施例1〜3において、送信間隔設定値は、大型基地局が「1」であり、小型基地局が「5」であるとしたが、大型基地局への信号の送信周期が小型基地局への信号の送信周期よりも長くならない範囲であれば、適宜変更可能である。
以上の各実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)第一の種別の基地局又は第二の種別の基地局のいずれかの種別に属する複数の基地局と、これら複数の基地局とネットワークを介して接続された送信ノードと、を有する移動体通信システムにおいて、
前記基地局は、
前記送信ノードから送信される所定の信号を受信する受信手段を備え、
前記送信ノードは、
前記基地局の種別が前記第二の種別の基地局であるか否かを判定する種別判定手段と、
前記種別判定手段により前記第二の種別の基地局であると判定された基地局に対する前記所定の信号の送信周期を、前記第二の種別の基地局であると判定されていない基地局への前記所定の信号の送信周期よりも長い周期となるように設定する送信周期設定手段と、
前記送信周期設定手段によって前記基地局ごとに設定された送信周期に基づき、前記所定の信号を前記複数の基地局に対して定期的に送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする移動体通信システム。
(付記2)前記送信ノードは、
前記基地局のセル内に在圏する移動端末の端末数に関する情報である在圏端末数情報を前記基地局ごとに記憶する記憶手段と、
前記移動端末から所定の情報を受信する受信手段と、
前記受信手段により前記移動端末から受信した所定の情報に基づき、前記在圏端末数情報を更新する情報更新手段と、を備え、
前記送信周期設定手段は、前記在圏端末数情報が、当該在圏端末数情報に対応する基地局のセル内に在圏する移動端末の端末数が0であることを示している場合、
当該基地局に対する前記所定の信号の送信周期を延長する、もしくは、当該基地局に前記所定の信号を送信しないように設定する
ことを特徴とする付記1に記載の移動体通信システム。
(付記3)前記送信ノードは、
前記基地局のセル内に在圏可能な全移動端末の個々の在圏状況に関する情報である在圏可能端末情報を前記基地局ごとに記憶する記憶手段と、
前記移動端末から所定の情報を受信する受信手段と、
前記受信手段により前記移動端末から受信した所定の情報に基づき、前記在圏可能端末情報を更新する情報更新手段と、を備え、
前記送信周期設定手段は、前記在圏可能端末情報が、当該在圏可能端末情報に対応する基地局のセル内に在圏可能な全移動端末が全て非在圏であることを示している場合、
当該基地局に対する前記所定の信号の送信周期を延長する、もしくは、当該基地局に対して前記所定の信号を送信しないように設定する
ことを特徴とする付記1に記載の移動体通信システム。
(付記4)前記所定の信号は、ヘルスチェック信号、着信通知信号もしくは放送メッセージ信号のいずれかであることを特徴とする付記1〜3のいずれか1項に記載の移動体通信システム。
(付記5)第一の種別又は第二の種別のいずれかに属する複数の基地局と、これら複数の基地局とネットワークを介して接続された送信ノードと、を有する移動体通信システムにおける所定の信号の送信方法であって、
前記送信ノードが、
前記基地局の種別が前記第二の種別の基地局であるか否かを判定する工程と、
前記第二の種別の基地局であると判定された基地局に対する前記所定の信号の送信周期を、前記第二の種別の基地局であると判定されていない基地局への前記所定の信号の送信周期よりも長い周期となるように設定する工程と、
前記基地局ごとに設定された送信周期に基づき、前記所定の信号を前記複数の基地局に対して定期的に送信する工程と、
前記基地局が、
前記送信ノードから送信される前記所定の信号を受信する工程と、
を含んだことを特徴とする信号送信方法。
(付記6)前記送信ノードが、
前記基地局のセル内に在圏する移動端末の端末数に関する情報である在圏端末数情報を前記基地局ごとに記憶する工程と、
前記移動端末から所定の情報を受信する工程と、
前記移動端末から受信した所定の情報に基づき、前記在圏端末数情報を更新する工程と、を更に含み、
前記在圏端末数情報が、当該在圏端末数情報に対応する基地局のセル内に在圏する移動端末の端末数が0であることを示している場合、
当該基地局に対する前記所定の信号の送信周期を延長する、もしくは、当該基地局に前記所定の信号を送信しないように設定する
ことを特徴とする付記5に記載の信号送信方法。
(付記7)前記送信ノードが、
前記基地局のセル内に在圏可能な全移動端末の個々の在圏状況に関する情報である在圏可能端末情報を前記基地局ごとに記憶する工程と、
前記移動端末から所定の情報を受信する工程と、
前記受信手段により前記移動端末から受信した所定の情報に基づき、前記在圏可能端末情報を更新する工程と、を更に含み、
前記在圏可能端末情報が、当該在圏可能端末情報に対応する基地局のセル内に在圏可能な全移動端末が全て非在圏であることを示している場合、
当該基地局に対する前記所定の信号の送信周期を延長する、もしくは、当該基地局に前記所定の信号を送信しないように設定する
ことを特徴とする付記5に記載の信号送信方法。
(付記8)第一の種別又は第二の種別のいずれかの種別に属する複数の基地局に対し、ネットワークを介して所定の信号を送信する送信手段と、
前記基地局の種別が前記第二の種別の基地局であるか否かを判定する種別判定手段と、
前記種別判定手段により前記第二の種別の基地局であると判定された基地局に対する前記所定の信号の送信周期を、前記第二の種別の基地局であると判定されていない基地局への前記所定の信号の送信周期よりも長い周期となるように設定する送信周期設定手段と、を備え、
前記送信手段は、前記送信周期設定手段によって前記基地局ごとに設定された送信周期に基づき、前記所定の信号を前記複数の基地局に対して定期的に送信することを特徴とする送信ノード。
(付記9)前記基地局のセル内に在圏する移動端末の端末数に関する情報である在圏端末数情報を前記基地局ごとに記憶する記憶手段と、
前記移動端末から所定の情報を受信する受信手段と、
前記受信手段により前記移動端末から受信した所定の情報に基づき、前記在圏端末数情報を更新する情報更新手段と、を備え、
前記送信周期設定手段は、前記在圏端末数情報が、当該在圏端末数情報に対応する基地局のセル内に在圏する移動端末の端末数が0であることを示している場合、
当該基地局に対する前記所定の信号の送信周期を延長する、もしくは、当該基地局に前記所定の信号を送信しないように設定する
ことを特徴とする付記8に記載の送信ノード。
(付記10)前記基地局のセル内に在圏可能な全移動端末の個々の在圏状況に関する情報である在圏可能端末情報を前記基地局ごとに記憶する記憶手段と、
前記移動端末から所定の情報を受信する受信手段と、
前記受信手段により前記移動端末から受信した所定の情報に基づき、前記在圏可能端末情報を更新する情報更新手段と、を備え、
前記送信周期設定手段は、前記在圏可能端末情報が、当該在圏可能端末情報に対応する基地局のセル内に在圏可能な全移動端末が全て非在圏であることを示している場合、
当該基地局に対する前記所定の信号の送信周期を延長する、もしくは、当該基地局に対して前記所定の信号を送信しないように設定する
ことを特徴とする付記8に記載の送信ノード。
(付記11)前記所定の信号は、ヘルスチェック信号、着信通知信号もしくは放送メッセージ信号のいずれかであることを特徴とする付記8〜10のいずれか1項に記載の送信ノード。
実施例1における移動体通信システムの全体的構成を説明するための図である。
実施例1におけるヘルスチェック信号の送信方法を説明するための図である。
実施例1における基地局制御装置の構成を示すブロック図である。
送信情報テーブルの一例を示す図である。
送信間隔設定テーブルの一例を示す図である。
実施例1における基地局制御装置のヘルスチェック送信に関するメイン処理の処理手順を示すフローチャートである。
実施例1におけるヘルスチェック処理の処理手順を示すフローチャートである。
実施例2における基地局制御装置の構成を示すブロック図である。
在圏情報テーブルの一例を示す図である。
移動端末の移動により小型基地局に在圏する移動端末が存在しなくなった場合における、ヘルスチェック信号の送信方法を説明するための図である。
移動端末の電源断により小型基地局に在圏する移動端末が存在しなくなった場合における、ヘルスチェック信号の送信方法を説明するための図である。
移動端末の水没により小型基地局に在圏する移動端末が存在しなくなった場合における、ヘルスチェック信号の送信方法を説明するための図である。
実施例2におけるヘルスチェック処理の処理手順を示すフローチャートである。
実施例2における在圏数更新処理の処理手順を示すフローチャートである。
実施例2における在圏数加算処理の処理手順を示すフローチャートである。
実施例2における在圏数減算処理の処理手順を示すフローチャートである。
実施例3における基地局制御装置の構成を示すブロック図である。
在圏可能端末テーブルの一例を示す図である。
実施例3におけるヘルスチェック処理の処理手順を示すフローチャートである。
実施例3における在圏数加算処理の処理手順を示すフローチャートである。
実施例3における在圏数減算処理の処理手順を示すフローチャートである。
実施例4におけるページング信号の送信方法を説明するための図である。
実施例4における基地局制御装置のページング信号の送信に関するメイン処理の処理手順を示すフローチャートである。
実施例5におけるCBS信号の送信方法を説明するための図である。
実施例5における基地局制御装置のCBS信号の送信に関するメイン処理の処理手順を示すフローチャートである。
符号の説明
S 移動体通信システム
1 基地局制御装置
2 基地局
3 セル
4 移動端末
5 IP網
100 通信部
121 種別判定部
122 送信周期判定部
124 通信処理部