JP5136185B2 - 波長フィルタ - Google Patents

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本発明は、透過する光の波長を特定の値及び/又は範囲に固定して又は可変的に制御するための波長フィルタに関する。
従来、所望の波長領域の光を透過するために様々なバンドパスフィルタが使用されている。例えば、複屈折板を用いて狭帯域の光のみを透過させるバンドパスフィルタとしてリオフィルタが知られている(例えば、特許文献1〜3を参照)。図13は、リオフィルタの基本的構成を示している。同図に示すように、リオフィルタ1は、透過軸の平行な偏光子2a〜2dの間にそれぞれ複屈折板3a〜3cを、それらの結晶光学軸3a1〜3c1が前記偏光子の透過軸2a1〜2d1と45°をなすように配置する。複屈折板3a〜3cには、方解石や水晶等の一軸性結晶が用いられ、その厚さdi は2i−1d(i=1〜3)となるように構成される。特許文献1では、リオフィルタが、背面に反射鏡を配設した液晶表示パネルにおいてRGBの三原色の色純度を高くするために、該液晶表示パネルの表面に積層されている。このリオフィルタを構成するプラスチックフィルムは、液晶表示パネルの背面側から反射される光の透過スペクトルのピークがRGBに対応するように、その光学位相差を決定する。
上記リオフィルタは、使用する複屈折板によって透過スペクトルが特定の波長に固定される。そこで、複屈折板に代えて液晶セルを2枚の偏光子の間に挟んだ波長可変型オプティカル・バンドパスフィルタが知られている(例えば、特許文献2,3を参照)。このバンドパスフィルタの構成を図14に示す。同図において、バンドパスフィルタ11は、偏光子12a〜12dに挟まれた液晶セル13a〜13cへの印加電圧を適当に設定することにより、透過スペクトル波長を変化させる。特に図14のバンドパスフィルタは、透過軸12a1、12b1を直交させて配置した所謂クロスニコルの偏光子12a、12b間の液晶セル13aと、透過軸12b1〜12d1を平行に配置した所謂平行ニコルの偏光子12b〜12dで挟んだ2枚の液晶セル13b、13cとを組み合わせることにより、可視領域に残る2つの単色光のうち一方を除去するように構成されている。
更に、図14と同様の構成において、偏光子の間に液晶セルと位相差フィルムとからなる複合層を挟んだ波長可変フィルタが知られている(例えば、特許文献4を参照)。この波長可変フィルタの構成を図15に示す。同図において、波長可変フィルタ21は、偏光子22a〜22dに挟まれた各液晶セル23a〜23cにそれぞれ位相差フィルム24a〜24cが重ねて配置されている。この位相差フィルムによって、液晶セルのセル厚を必要最小限に抑え、それによるリタデーション値の減少を補充し、液晶の応答性低下を回避しつつ、狭半値幅の透過率ピークを発生させる。また、液晶セルのセル厚を透過順にd、2d、1.5dに設定することにより、1つの電圧印加装置を共有して全液晶セルに同じ制御電圧を印加し、透過スペクトルの波長を調整することができる。
同様に、液晶セルと複屈折フィルムからなるリタデーション板とを2枚の偏光子の間に配置した波長可変液晶フィルタが知られている(例えば、特許文献5を参照)。この波長可変液晶フィルタは、半値幅について液晶と複屈折性フィルムの複屈折の波長分散を組み合わせて、透過率の極大値を示す近傍において波長に対するリタデーションの傾斜が一定になるように調整することにより、可視領域で半値幅を一定にしかつ波長を可変にする。
特許第3000669号公報 特許第3102012号公報 特開2000−267127号公報 特開2005−115208号公報 特開2006−317645号公報
しかしながら、リオフィルタ及び上述した従来の波長可変フィルタは、入射光を最初に偏光板で偏光する必要があるため、入射光量の半分が最初の偏光板で吸収又は反射されて失われ、光の利用効率が非常に低い。そこで出射光量を増すために光源の出力を大きくすると、光源ランプの寿命が短くなってコストが増大するという問題が生じる。更に、入射側の最初の偏光板によって、出射光の偏光方向が制限されるため、フィルタの利用の自由度が低い。
また、上述した従来の波長フィルタにおいて、2つの偏光子及びその間に挟まれた複屈折板又は液晶セル等の位相子を1ブロックとして、これを光路に沿って配置した多段構成は、透過スペクトルをより急峻にして狭帯域な透過特性が得られる反面、各構成要素が光軸に沿って直列に配置されるので、部品点数が多くなる。そのために、フィルタ全体を長大化・大型化させるという問題がある。特に多段構成の可変波長フィルタは、仕様の異なる複数の液晶セルが必要になるので、コストが増加する。
そこで本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、光の利用効率が高く、部品点数を少なくでき、それにより装置全体の長大化・大型化を抑制でき、しかも多段構造のリオフィルタと同等に、透過スペクトルが急峻で狭帯域特性を発揮し得る波長フィルタを実現することにある。
本発明によれば、上記目的を達成するために、第1及び第2位相子と、入射側偏光子と、第1及び第2外側偏光子と、内側反射膜と、第1及び第2外側反射膜とを備え、第1及び第2位相子がそれらの間に入射側偏光子と内側反射膜とを挟んで積層され、第1位相子の外側主面に第1外側偏光子と第1外側反射膜とが配置され、第2位相子の外側主面に第2外側偏光子と第2外側反射膜とが配置され、第1位相子に入射した光が入射側偏光子により反射光と透過光とに分光され、該反射光が、第1位相子内部を第1外側偏光子又は第1外側反射膜と内側反射膜とによって位相子主面の法線方向に関して一定の角度をもって多重反射して透過し、前記透過光が、第2位相子内部を第2外側偏光子又は第2外側反射膜と内側反射膜とによって位相子主面の法線方向に関して一定の角度をもって多重反射して透過する波長フィルタが提供される。
入射光が入射側偏光子により分光され、各分光がそれぞれ第1位相子及び第2位相子を透過して出射するので、高い光の利用効率が得られる。更に、少なくとも透過率が向上した分は、光源の出力を下げても同じ光量が維持、確保されるので、光源ランプの寿命を従来よりも延長させることができる。そして、第1及び第2位相子それぞれにおいて、その内部を多重反射しながら透過する光の光路に沿って隣接する2つの偏光子間の位相差は、該2つの偏光子間の光路長によって決定され、該位相差に対応して透過スペクトルのピーク波長が設定されるので、従来のリオフィルタと同様のバンドパスフィルタとしての透過特性が得られる。
また、多段構造のリオフィルタと同等の構成にする場合に、位相子の数を増やす必要が無く、それぞれ共通の第1及び第2位相子の外側主面に配置する第1及び第2外側偏光子の数を増やすだけでよいから、従来よりも部品点数を大幅に少なくすることができる。従って、装置全体の長大化・大型化及びコストの増加を抑制することができる。特に、部品点数が従来よりも格段に減少するので、製造過程や使用後の廃棄による環境への影響が少ないという点でも、極めて有利である。
或る実施例では、前記波長フィルタが、積層した第1及び第2位相子間に挟まれた出射側偏光子を更に有し、第1位相子内部を多重反射した光と第2位相子内部を多重反射した光とが、出射側偏光子により合成されて第1又は第2位相子から出射することにより、入射光量に比して損失の少ない光量の出射光が得られる。
別の実施例では、第1位相子内部を透過する光の光路に沿って隣接する2つの偏光子間の位相差Γ1iが、該光路を透過する光の波長に対してΓ1i=2i−1×2π、(但し、i=1〜n、n:2以上の整数)の関係を満足し、かつ第2位相子内部を透過する光の光路に沿って隣接する2つの偏光子間の位相差Γ2iが、該光路を透過する光の波長に対してΓ2i=2i−1×2π、(但し、i=1〜n、n:2以上の整数)の関係を満足することにより、いずれも常に2πの整数倍となるので、第1及び第2位相子のそれぞれにおいて、従来のリオフィルタと同様のバンドパスフィルタとしての透過特性が得られる。
更に別の実施例では、第1位相子内部の光路に沿って隣接する2つの偏光子及び第2位相子内部の光路に沿って隣接する2つの偏光子が、それぞれ平行ニコルの関係に配置されることにより、第1及び第2位相子のそれぞれにおいて、従来のリオフィルタと同様のバンドパスフィルタとしての透過特性が得られる。
或る実施例では、第1及び第2位相子が固定位相子であることにより、透過帯域を特定の波長又は波長範囲に固定することができる。別の実施例では、第1及び第2位相子が可変位相子であることにより、透過帯域を所望の波長又は波長範囲に変更可能にすることができる。更に別の実施例では、第1及び第2位相子のいずれか一方が固定位相子であり、かついずれか他方が可変位相子であることにより、一方の透過帯域を特定の波長又は波長範囲に固定し、かつ他方の透過帯域を所望の波長又は波長範囲に変更可能にすることができる。
或る実施例では、入射側偏光子がワイヤグリッド偏光子であると、p偏光及びs偏光のいずれについても高い透過率を発揮するので、高い光の利用効率を得ることができる。
別の実施例では、出射側偏光子がワイヤグリッド偏光子であると、同様にp偏光及びs偏光のいずれについても高い透過率を発揮するので、高い光の利用効率を得ることができる。
また、或る実施例では、外側偏光子がワイヤグリッド偏光子であると、第1及び第2位相子内部を透過する光を反射する場合に別個の反射手段を追加する必要がなく、部品点数をより少なくできるので、有利である。
別の実施例では、外側偏光子が吸収型偏光板であると、別個の反射手段を追加する必要があるとは言え、ワイヤグリッド偏光子のような反射による迷光を生じる虞が無く、そのために波長フィルタの特性を劣化させる虞がない。
以下に、添付図面を参照しつつ、本発明による波長フィルタの好適な実施例を詳細に説明する。尚、各図において、類似の構成要素には同一又は類似の参照符号を付して表すことにする。
図1は、本発明による波長フィルタの第1実施例の構成を概略的に示している。本実施例の波長フィルタ31は、それぞれ一定の光学的厚さと該厚さに対する十分な長さとを有する第1位相子32と第2位相子33とを備える。前記第1及び第2位相子は、透過スペクトルを同じ特定の波長に固定した水晶等の複屈折板からなる。前記各位相子は、水晶以外の結晶材料からなる固定位相板や、樹脂位相板、蒸着膜波長板等の固定位相子で形成することもできる。
第1位相子32と第2位相子33とは、互いに対向する内側主面の間に入射側偏光子34、内側反射膜35及び出射側偏光子36を挟んで上下に積層され、両端において接着剤37で一体に接合される。本実施例では、第1位相子32の外側主面の一方(図中左側)の端部32a付近を光入射口とし、他方の(図中右側)の端部32b付近を光出射口とする。入射側偏光子34、内側反射膜35及び出射側偏光子36は、図中左側から右側へ前記第1及び第2位相子を透過する光の進行方向に沿って順に配置される。
入射側偏光子34及び出射側偏光子36は、ワイヤグリッド偏光子からなる。ワイヤグリッド偏光子は、透明基板の表面に金属細線を周期的に透過波長よりも短い一定の周期で格子状に配列され、格子の周期方向と垂直な振動成分の光を反射し、かつ平行な振動成分の光を透過させるという特性を有する。前記入射側及び出射側偏光子は、入射光をその偏光方向によって透過又は反射するように分光するものであれば、ワイヤグリッド偏光子以外の様々な公知の偏光子を用いることができる。内側反射膜34は、例えばAl,Ag,Au等の金属膜や誘電体多層膜により形成される。
第1位相子32の外側主面には、第1外側偏光子38〜40と第1外側反射膜41とが設けられる。図中左側から右側へ前記第1位相子を透過する光の進行方向に沿って、最初に2つの第1外側偏光子38,39が、次に第1外側反射膜41が、最後に第1外側偏光子40が順に配置される。第2位相子33の外側主面には、第2外側偏光子42〜44と第2外側反射膜45とが設けられる。同様に、図中左側から右側へ前記第2位相子を透過する光の進行方向に沿って、最初に2つの第2外側偏光子42,43が、次に第2外側反射膜45が、最後に第2外側偏光子44が順に配置される。本実施例では、前記第1及び第2外側偏光子がワイヤグリッド偏光子からなる。
このように波長フィルタ31は、第1位相子32、入射側偏光子34、第1外側偏光子38〜40、内側反射膜35、第1外側反射膜41及び出射側偏光子36からなる第1波長フィルタ部と、第2位相子33、入射側偏光子34、第2外側偏光子42〜44、内側反射膜35、第2外側反射膜45及び出射側偏光子36からなる第2波長フィルタ部と一体に備える。本実施例によれば、入射側偏光子34、内側反射膜35及び出射側偏光子36が共通に構成されるので、部品点数が少なくかつ構成が簡単になる。
添付図面において、前記各偏光子の偏光方向は、紙面に対して垂直に配向されている場合を二重丸◎で示し、平行に配向されている場合を短い二重の両端矢印で示している。従って、ワイヤグリッド偏光子は、二重丸◎の場合に、前記格子の周期方向が紙面に関して垂直方向に配向され、短い二重の両端矢印の場合に、紙面に関して平行方向に配向されていることになる。また、図中、s偏光は黒丸点●で、p偏光はは短い両端矢印で示す。
波長フィルタ31への入射光L1は、前記光入射口から第1位相子32を透過して入射側偏光子34に入射し、s偏光成分とp偏光成分とに分光される。s偏光は、前記入射側偏光子により前記位相子の主面の法線方向に関して所定の角度θをもって反射され、第1位相子32内部を前記法線方向に関して同じ反射角度θで多重反射しながら透過する。p偏光は、前記入射側偏光子を透過して第2位相子33に入射し、その中を同様に前記法線方向に関して同じ反射角度θで多重反射しながら透過する。
前記入射側偏光子により反射されたs偏光Lsは、第1位相子32を透過して最初の第1外側偏光子38に反射される。次にs偏光Lsは、内側反射膜35に反射されることにより前記第1位相子を1度往復透過し、2番目の第1外側偏光子39に反射される。更にs偏光Lsは、前記内側反射膜と第1外側反射膜41とにより3度反射されて、前記第1位相子を2度往復透過し、最後の第1外側偏光子40に反射される。第1外側偏光子40から反射されたs偏光Lsは、更に前記第1位相子を透過して出射側偏光子36に反射され、再び前記第1位相子を透過して前記光出射口から外部に出射する。
第1位相子32は、その主面間を光が一度透過する間に360°の位相差が与えられるように構成されている。s偏光Lsの光路に沿って隣接する2つの前記偏光子、即ち入射側偏光子34と第1外側偏光子38、第1外側偏光子38と第1外側偏光子39、第1外側偏光子39と第1外側偏光子40の位相差が、順に360°、720°、1440°に、即ち2n−1×2π、(n:1〜3)となるように、前記各偏光子が配置されている。前記第1波長フィルタ部は、このように位相差が常に2πの整数倍となるので、従来のリオフィルタと同様のバンドパスフィルタとしての透過特性が得られる。
更に隣接する前記2つの偏光子同士は、前記ワイヤグリッド偏光子の格子の周期方向を上述したように配向したことにより、それぞれ透過軸を互いに平行にした平行ニコルの関係に配置されている。従って、前記入射側偏光子により反射されたs偏光Lsは、その偏光方向を維持したまま、第1位相子32を透過する。
前記入射側偏光子を透過したp偏光Lpは、第2位相子33を透過して最初の第2外側偏光子42に反射される。次にp偏光Lpは、内側反射膜35に反射されることにより前記第2位相子を1度往復透過し、2番目の第2外側偏光子43に反射される。更にp偏光Lpは、前記内側反射膜と第2外側反射膜45とにより3度反射されて、前記第2位相子を2度往復透過し、最後の第2外側偏光子44に反射される。第2外側偏光子44から反射されたp偏光Lpは、更に前記第2位相子を透過して出射側偏光子36に入射し、該出射側偏光子及び前記第1位相子を透過して前記光出射口から外部に出射する。
第2位相子33は、その主面間を光が一度透過する間に360°の位相差が与えられるように構成されている。p偏光Lpの光路に沿って隣接する2つの前記偏光子、即ち入射側偏光子34と第2外側偏光子42、第2外側偏光子42と第2外側偏光子43、第2外側偏光子43と第2外側偏光子44の位相差が、順に360°、720°、1440°に、即ち2n−1×2π、(n:1〜3)となるように、前記各偏光子が配置されている。前記第2波長フィルタ部は、このように位相差が常に2πの整数倍となるので、従来のリオフィルタと同様のバンドパスフィルタとしての透過特性が得られる。
更に隣接する前記2つの偏光子同士は、前記ワイヤグリッド偏光子の格子の周期方向を上述したように配向したことにより、それぞれ透過軸を互いに平行にした平行ニコルの関係に配置されている。従って、前記入射側偏光子を透過したp偏光Lpは、その偏光方向を維持したまま、第2位相子33を透過する。
第1位相子32を透過したs偏光と第2位相子33を透過したp偏光とは、出射側偏光子36により合成され、1つの出射光L2として前記光出射口から入射光L1とは異なる方向に出射する。これにより、入射光量に比して出射光量の損失が少なく、光利用効率の高い波長フィルタ31が実現される。更に、波長フィルタ31は、前記第1及び第2フィルタ部において、第1及び第2位相子32,33が、その外側主面に設けられる偏光子の数に拘わらず、共通化されて1つだけで済むことに加えて、前記第1及び第2フィルタ部間において、前記入射側偏光子、内側反射膜及び出射側偏光子が共通化されているので、部品点数を大幅に少なくしかつ装置全体の長大化・大型化を抑制することができる。
本実施例において、第1及び第2位相子32,33をYカット水晶板で形成した場合、s偏光の向きは、前記位相子の長さ方向に平行な向きの光学軸に対して45°の角度をなす。前記第1位相子の内部を繰り返し反射しながら透過するs偏光の向きは、同様に前記位相子の光学軸に対して45°の角度をなす。これに対し、p偏光の向きは、前記位相子の光学軸に対して135°の角度をなす。前記第2位相子の内部を繰り返し反射されながら透過するp偏光は、前記位相子の光学軸に対して135°の角度をなす。
従って、前記光路に沿って最初に隣接する前記偏光子間における透過特性は、特定波長の整数倍となる波長でピークを有する。前記光路に沿って次に隣接する前記偏光子間における透過特性は、前記特定波長の1/2波長の整数倍となる波長でピークを有する。前記光路に沿って最後に隣接する前記偏光子間における透過特性は、前記特定波長の1/4波長の整数倍となる波長でピークを有する。従って、隣接する前記偏光子間の各透過スペクトルのピークは、前記特定波長の整数倍の波長で全て重なる。その結果、波長フィルタ31は、前記特定波長の整数倍で急峻なピークが得られる透過特性を示す。
図2は、第1実施例の変形例の構成を概略的に示している。本実施例の波長フィルタ31は、出射側偏光子36´がその偏光方向を紙面に対して平行に配向したものである点において、第1実施例と異なる。即ち、出射側偏光子36´は、ワイヤグリッド偏光子の前記格子の周期方向を第1実施例の出射側偏光子36に対して90°回転させた向きに配置している。
第1位相子32を透過して最後の第1外側偏光子40に反射されたs偏光は、出射側偏光子36´を透過する。第2位相子33を透過して最後の第2外側偏光子44に反射されたp偏光は、出射側偏光子36´により反射される。第1位相子32及び第2位相子33をそれぞれ透過したs偏光とp偏光とは、出射側偏光子36´により合成されて、第1位相子32側の前記光出射口の裏側に位置する第2位相子33の外側主面の端部33b(図中右側)付近を光出射口として、外部へ入射光L1と同じ方向に出射する。本実施例では、このように出射光L2の向きを変えることができる。他の構成は、図1の波長フィルタ31と同一であるので、詳細な説明は省略する。
図3は、第1実施例の別の変形例の構成を概略的に示している。本実施例の波長フィルタ31は、図2の実施例と同様に出射側偏光子36´の偏光方向を紙面に対して平行に配向したことに加えて、入射側偏光子34´をその偏光方向が紙面に対して平行に配向したものであり、かつ第1外部偏光子38´〜40´及び第2外部偏光子42´〜44´の偏光方向を第1実施例とは逆にした点において、第1実施例と異なる。第1外部偏光子38´〜40´は、その偏光方向が紙面に対して平行に配向され、かつ第2外部偏光子42´〜44´は、その偏光方向が紙面に対して垂直に配向されている。
これにより、入射光L1は、前記光入射口から第1位相子32を透過し、入射側偏光子34´によりp偏光成分が反射されて、第1位相子32内部を多重反射しながら透過する。s偏光成分は、入射側偏光子34´を透過して第2位相子33に入射し、その中を多重反射しながら透過する。第1位相子32及び第2位相子33をそれぞれ透過したp偏光とs偏光とは、出射側偏光子36´により合成されて、第1位相子32側の前記光出射口から外部に出射する。このように、s偏光及びp偏光がいずれの第1及び第2位相子32,33を透過するかは、自由に設定することができる。他の構成は、図1の波長フィルタ31と同一であるので、詳細な説明は省略する。
図4は、第1実施例の更に別の変形例の構成を概略的に示している。本実施例の波長フィルタ31は、出射側偏光子36を省略し、かつ最後の第1外側偏光子40´が図3の実施例と同様に偏光方向を紙面に対して平行に配向したものである点において、第1実施例と異なる。これにより、第1位相子32内部を透過したs偏光は、最後の第1外側偏光子40´を透過してそのまま外部に出射する。第2位相子33内部を透過して最後の第2外側偏光子44で反射されたp偏光は、該第2位相子、接着剤37及び第1位相子32を透過して外部に出射する。この場合、接着剤37は、波長フィルタ31の所望の透過波長域で十分な光透過性を有するものが好ましい。
このように本実施例によれば、所望の波長域で異なる偏光成分の2つの光を別個に取り出すことができる。また、第1位相子32と第2位相子33とを互いに異なる光学的厚さに設定すると、2つの異なる波長の光を取り出すことができる。更に別の実施例では、別個に出射した2つの光を、波長フィルタ31の外側に配置した偏光ビームスプリッタや複屈折板等の光学手段によって合成することができる。
図5は、第1実施例の更に別の変形例の構成を概略的に示している。本実施例の波長フィルタ31は、前記第1及び第2外側偏光子をワイヤグリッド偏光子から吸収型偏光子に置き換えた点において、第1実施例と異なる。吸収型偏光子としては、例えば樹脂フィルム又はシートを用いた二色性偏光板がある。吸収型偏光子は、所定波長又は波長範囲の光を透過する性質を有するので、その裏側に反射膜を設ける必要がある。
第1位相子32の外側主面には、吸収型偏光子からなる第1外側偏光子46が第2実施例の第1外側偏光子38,39の位置に配置され、かつそれに第1外側反射膜47が積層され、吸収型偏光子からなる第1外側偏光子48が第2実施例の第1外側偏光子40の位置に配置され、かつそれに第1外側反射膜49が積層されている。第2位相子33の外側主面には、吸収型偏光子からなる第2外側偏光子50が第1実施例の第2外側偏光子42,43の位置に配置され、かつそれに第1外側反射膜51が積層され、吸収型偏光子からなる第2外側偏光子52が第1実施例の第2外側偏光子44の位置に配置され、かつそれに第1外側反射膜53が積層されている。他の構成は、図1の波長フィルタ31と同一であるので、詳細な説明は省略する。
本実施例においても、前記各偏光子の偏光方向を図3の実施例のように変えることができる。また本実施例は、図4の実施例のように構成して出射側偏光子36を省略し、かつ第1外側反射膜49を省略して、異なる偏光成分の2つの光を別個に取り出し、又は第1位相子32と第2位相子33とを互いに異なる光学的厚さに設定して、2つの異なる波長の光を取り出すことができる。
図6は、第1実施例の更に別の変形例の構成を概略的に示している。本実施例の波長フィルタ31は、図2の実施例において、図5の実施例と同様に前記第1及び第2外側偏光子をワイヤグリッド偏光子から吸収型偏光子に置き換えたものである。本実施例によれば、前記第1及び第2位相子を透過したs偏光とp偏光とを、出射側偏光子36´で合成して、第2位相子33の外側主面の端部33b(図中右側)付近を光出射口として、外部へ入射光L1と同じ方向に出射することができる。他の構成は、図1の波長フィルタ31と同一であるので、詳細な説明は省略する。
図7は、第1実施例の更に別の変形例の構成を概略的に示している。本実施例の波長フィルタ31は、第1及び第2位相子32´,33´が第1実施例よりも短く、かつそれらの間に挟まれた出射側偏光子36´が、入射側偏光子34と内側反射膜35との間に配置されている。第1位相子32´の外側主面には、ワイヤグリッド偏光子からなる第1外側偏光子38´と第1外側反射膜41とが配置されている。第2位相子33´の外側主面には、ワイヤグリッド偏光子からなる第2外側偏光子42´と第2外側反射膜45とが配置されている。積層した第1及び第2位相子32´,33´には、光の入射方向とは反対側の端面に垂直反射膜54が設けられている。
入射側偏光子34に反射された入射光L1のs偏光成分は、第1位相子32´を透過して第1外側偏光子38´に反射される。次にs偏光は、内側反射膜35に反射されて前記第1位相子を1度往復透過し、再び第1外側偏光子38´に反射される。更にs偏光は、前記内側反射膜と垂直反射膜54と第1外側反射膜41とにより4度反射されて、前記第1位相子を2度往復透過し、再び第1外側偏光子38´に反射されて出射側偏光子36´に入射する。このように第1位相子32´内部を多重反射して透過したs偏光は、出射側偏光子36´を透過し、第2位相子33´を透過して外部に出射する。
前記入射側偏光子を透過した入射光L1のp偏光成分は、第2位相子33´を透過して第2外側偏光子42´に反射される。次にp偏光は、内側反射膜35に反射されて前記第2位相子を1度往復透過し、再び第2外側偏光子42´に反射される。更にp偏光は、前記内側反射膜と垂直反射膜54と第2外側反射膜45とにより4度反射されて、前記第2位相子を2度往復透過し、再び第2外側偏光子42´に反射されて出射側偏光子36´に入射する。このように第2位相子33´内部を多重反射して透過したp偏光は、出射側偏光子36´に反射され、第2位相子33´を透過して外部に出射する。
第1実施例と同様に、第1及び第2位相子32´,33´は、それらの主面間を光が一度透過する間に360°の位相差が与えられるように構成されている。入射側偏光子34、出射側偏光子36´、第1及び第2外側偏光子38´,42´は、第1及び第2位相子32´,33´の光路に沿って隣接する2つの前記偏光子の位相差が、順に360°、720°、1440°に、即ち2n−1×2π、(n:1〜3)となるように配置されている。このように位相差が常に2πの整数倍となるので、従来のリオフィルタと同様のバンドパスフィルタとしての透過特性が得られる。
第1位相子32´を透過したs偏光と第2位相子33´を透過したp偏光とは、出射側偏光子36´で合成され、1つの出射光L2として、第2位相子33´の外側主面の光出射口から出射する。これにより、入射光量に比して出射光量の損失が少なく、光利用効率の高い波長フィルタ31が実現される。更に、波長フィルタ31は、前記第1及び第2位相子を透過する光が前記端面で折り返されて双方向に進行するので、第1実施例よりも更に部品点数を大幅に少なくでき、かつ特に装置の長さ寸法を小型化することができる。
図8は、本発明による波長フィルタの第2実施例の構成を概略的に示している。本実施例の波長フィルタ61は、第1位相子62及び第2位相子63が固定位相子ではなく、可変位相子からなる点において、第1実施例と異なる。第1及び第2位相子62,63は、それぞれ液晶層62a,63aを2枚の透明電極膜62b,63bで挟んだ液晶セルからなり、一定の光学的厚さと該厚さに対する十分な長さとを有する。この場合、前記液晶セルへの印加電圧を制御することにより、波長フィルタ61の透過スペクトルの波長を可変にすることができる。
第1位相子62と第2位相子63とは、互いに対向する内側主面の間に入射側偏光子64、内側反射膜65及び出射側偏光子66を挟んで上下に積層され、両端において接着剤67で一体に接合される。本実施例では、第1位相子32の外側主面の一方(図中左側)の端部62a付近を光入射口とし、他方の(図中右側)の端部62b付近を光出射口とする。入射側偏光子64、内側反射膜65及び出射側偏光子66は、図中左側から右側へ前記第1及び第2位相子を透過する光の進行方向に沿って順に配置される。
入射側偏光子64及び出射側偏光子66は、ワイヤグリッド偏光子からなる。内側反射膜34は、例えばAl,Ag,Au等の金属膜や誘電体多層膜により形成される。接着剤67は、波長フィルタ61の組立時に液晶セルにダメージを与えないように、可視光硬化型の接着剤が好ましい。
第1位相子62の外側主面には、第1外側偏光子68〜70と第1外側反射膜71とが設けられる。図中左側から右側へ前記第1位相子を透過する光の進行方向に沿って、最初に2つの第1外側偏光子68,69が、次に第1外側反射膜71が、最後に第1外側偏光子70が順に配置される。第2位相子63の外側主面には、第2外側偏光子72〜74と第2外側反射膜75とが設けられる。同様に、図中左側から右側へ前記第2位相子を透過する光の進行方向に沿って、最初に2つの第2外側偏光子72,73が、次に第2外側反射膜75が、最後に第2外側偏光子74が順に配置される。前記第1及び第2外側偏光子もワイヤグリッド偏光子からなる。
このように波長フィルタ61は、第1位相子62、入射側偏光子64、第1外側偏光子68〜70、内側反射膜65、第1外側反射膜71及び出射側偏光子66からなる第1波長フィルタ部と、第2位相子63、入射側偏光子64、第2外側偏光子72〜74、内側反射膜65、第2外側反射膜75及び出射側偏光子66からなる第2波長フィルタ部と一体に備える。本実施例においても、入射側偏光子64、内側反射膜65及び出射側偏光子66が共通に構成されるので、部品点数が少なくかつ構成が簡単になる。
波長フィルタ61への入射光L1は、第1位相子62を透過して入射側偏光子64に入射し、s偏光成分とp偏光成分とに分光される。s偏光及びp偏光は、それぞれ第1及び第2位相子62,63内部を第1実施例と同様に反射角度で多重反射しながら透過する。このとき、第1及び第2位相子62,63を透過する光の波長は、該位相子を構成する前記液晶セルへの印加電圧を調整することによって、変更することができる。第1位相子62を透過したs偏光と第2位相子63を透過したp偏光とは、出射側偏光子66により合成され、1つの出射光L2として前記光出射口から入射光L1とは異なる方向に出射する。尚、前記第1及び第2波長フィルタ部における光の多重反射は第1実施例と同一であるので、詳細な説明は省略する。
第1及び第2位相子62,63は、その主面間を光が一度透過する間に360°の位相差が与えられるように構成されている。前記第1及び第2フィルタ部において、前記各偏光子は、その中を透過する光の光路に沿って隣接する2つの偏光子の位相差が、順に360°、720°、1440°に、即ち2n−1×2π、(n:1〜3)となるように配置されている。前記第1及び第2波長フィルタ部は、このように位相差が常に2πの整数倍となるので、従来のリオフィルタと同様のバンドパスフィルタとしての透過特性が得られる。
更に隣接する前記2つの偏光子同士は、前記ワイヤグリッド偏光子の格子の周期方向を上述したように配向したことにより、それぞれ透過軸を互いに平行にした平行ニコルの関係に配置されている。従って、前記入射側偏光子を透過し又は反射されたp偏光及びs偏光は、それぞれ偏光方向を維持したまま第1及び第2位相子62,63を透過する。
波長フィルタ61は、上述したように構成されるので、第1実施例と同様に、入射光量に比して出射光量の損失が少なく、高い光の利用効率が得られる。更に、前記第1及び第2フィルタ部において、第1及び第2位相子62,63が、その外側主面に設けられる偏光子の数に拘わらず、共通化されて1つだけで済み、更に前記第1及び第2フィルタ部間において、前記入射側偏光子、内側反射膜及び出射側偏光子が共通化されているので、部品点数を大幅に少なくでき、装置全体の長大化・大型化が抑制される。
図9は、第2実施例の変形例の構成を概略的に示している。本実施例の波長フィルタ61は、第1実施例の変形例である図2の実施例に対応したものであり、出射側偏光子66´がその偏光方向を紙面に対して平行に配向したものである点において、第2実施例と異なる。第1位相子62を透過して最後の第1外側偏光子70に反射されたs偏光は、出射側偏光子66´を透過する。第2位相子63を透過して最後の第2外側偏光子74に反射されたp偏光は、出射側偏光子66´により反射される。前記第1及び第2位相子を透過したs偏光とp偏光とは、出射側偏光子66´で合成され、第2実施例の前記光出射口の裏側に位置する第2位相子63の外側主面の端部33b(図中右側)付近を光出射口として、外部へ入射光L1と同じ方向に出射する。他の構成は、図8の波長フィルタ61と同一であるので、詳細な説明は省略する。
図10は、第2実施例の更に別の変形例の構成を概略的に示している。本実施例の波長フィルタ61は、第1実施例の変形例である図4の実施例に対応したものであり、出射側偏光子66を省略し、かつ最後の第1外側偏光子70´が図9の実施例と同様に偏光方向を紙面に対して平行に配向したものである点において、第2実施例と異なる。第1位相子62内部を透過したs偏光は、最後の第1外側偏光子70´を透過してそのまま外部に出射する。第2位相子63内部を透過して最後の第2外側偏光子74で反射されたp偏光は、該第2位相子、接着剤67及び第1位相子62を透過して外部に出射する。この場合、接着剤67は、波長フィルタ61の所望の透過波長域で十分な光透過性を有するものが好ましい。
このように本実施例によれば、所望の波長域で異なる偏光成分の2つの光を別個に取り出すことができる。また、第1位相子62と第2位相子63とにおいて、前記液晶セルへの印加電圧を互いに異なるように設定すると、2つの異なる波長の光を取り出すことができる。また、別の実施例では、別個に出射した2つの光を、波長フィルタ61の外側に配置した偏光ビームスプリッタや複屈折板等の光学手段によって合成することができる。
図11は、第2実施例の更に別の変形例の構成を概略的に示している。本実施例の波長フィルタ61は、第1実施例の変形例である図5の実施例に対応するもので、前記第1及び第2外側偏光子をワイヤグリッド偏光子から吸収型偏光子に置き換えた点において、第2実施例と異なる。吸収型偏光子としては、例えば樹脂フィルム又はシートを用いた二色性偏光板がある。吸収型偏光子は、所定波長又は波長範囲の光を透過する性質を有するので、その裏側に反射膜を設ける必要がある。
第1位相子62の外側主面には、吸収型偏光子からなる第1外側偏光子76が第2実施例の第1外側偏光子68,69の位置に配置され、かつそれに第1外側反射膜77が積層され、吸収型偏光子からなる第1外側偏光子78が第2実施例の第1外側偏光子70の位置に配置され、かつそれに第1外側反射膜79が積層されている。第2位相子63の外側主面には、吸収型偏光子からなる第2外側偏光子80が第1実施例の第2外側偏光子72,73の位置に配置され、かつそれに第1外側反射膜81が積層され、吸収型偏光子からなる第2外側偏光子82が第1実施例の第2外側偏光子74の位置に配置され、かつそれに第1外側反射膜83が積層されている。他の構成は、図8の波長フィルタ61と同一であるので、詳細な説明は省略する。
本実施例も、前記各偏光子の偏光方向を図3の実施例のように変えることができる。また本実施例は、図4の実施例のように構成して出射側偏光子66を省略し、かつ第1外側反射膜79を省略して、異なる偏光成分の2つの光を別個に取り出すことができる。
図12は、第2実施例の更に別の変形例の構成を概略的に示している。本実施例の波長フィルタ61は、図9の実施例において、図5の実施例と同様に前記第1及び第2外側偏光子をワイヤグリッド偏光子から吸収型偏光子に置き換えたものである。本実施例によれば、前記第1及び第2位相子を透過したs偏光とp偏光とを、出射側偏光子66´で合成して、第2位相子63の外側主面の端部63b(図中右側)付近を光出射口として、外部へ入射光L1と同じ方向に出射することができる。他の構成は、図8の波長フィルタ61と同一であるので、詳細な説明は省略する。
別の実施例では、図8乃至図12の実施例において、第1及び第2位相子62,63のいずれか一方又は両方を、第1実施例の複屈折板のような固定位相子と第2実施例の液晶セルのような可変位相子との積層構造とすることができる。一般に液晶セルは、位相差が大きくなるほど厚さが大きくなり、印加電圧の変化に対する応答性も低下するという問題がある。そこで、必要な位相差の一部を固定位相子が分担することにより、液晶セルの位相差を少なくして、その厚さを小さくしかつ応答性を改善することができる。
また、別の実施例では、第1位相子及び第2位相子の一方を固定位相子で構成し、かつ他方を可変位相子で構成することができる。これにより、入射光から互いに波長の異なる2つの光を取り出し、それらを合成して出射したり、別個に出射することができる。
本発明は、上記実施例に限定されるものでなく、その技術的範囲内で様々な変形又は変更を加えて実施することができる。例えば、上記各波長フィルタは、2段構造に又は4段以上の多段構造に構成することができる。また、波長フィルタの入射位置、出射位置、反射位置は、上記各実施例以外の様々な位置に設定することができる。
本発明による波長フィルタの第1実施例を概略的に示す断面図。 第1実施例の変形例を概略的に示す断面図。 第1実施例の別の変形例を概略的に示す断面図。 第1実施例の更に別の変形例を概略的に示す断面図。 第1実施例の更に別の変形例を概略的に示す断面図。 第1実施例の更に別の変形例を概略的に示す断面図。 第1実施例の更に別の変形例を概略的に示す断面図。 本発明による波長フィルタの第2実施例を概略的に示す断面図。 第2実施例の変形例を概略的に示す断面図。 第2実施例の別の変形例を概略的に示す断面図。 第2実施例の更に別の変形例を概略的に示す断面図。 第2実施例の更に別の変形例を概略的に示す断面図。 リオフィルタの基本的構成を示す図。 液晶セルを用いた従来例の構成図。 液晶セルを用いた別の従来例の構成図。
符号の説明
1…リオフィルタ、2a〜2d,12a〜12d,22a〜22d…偏光子、2a1〜2d1,12a1〜12d11…透過軸、3a〜3c…複屈折板、3a1〜3c1…光学軸、4…光軸、11…バンドパスフィルタ、13a〜13c,23a〜23c…液晶セル、21…波長可変フィルタ、24a〜24c…位相差フィルム、31,31〜31,61,61〜61…波長フィルタ、32,32´,62…第1位相子、33,33´,63…第2位相子、34,34´,64…入射側偏光子、35,65…内側反射膜、36,36´,66,66´…出射側偏光子、37,67…接着剤、38〜40,38´〜40´,46,48,68〜70,76,78…第1外側偏光子、41,47,49,71,77,79…第1外側反射膜、42〜44,42´〜44´,72〜74,80,82…第2外側偏光子、45,51,53,75,81,83…第2外側反射膜、54…垂直反射膜、62a,63a…液晶層、62b,63b…透明電極膜。

Claims (11)

  1. 第1及び第2位相子と、入射側偏光子と、第1及び第2外側偏光子と、内側反射膜と、第1及び第2外側反射膜とを備え、
    前記第1及び第2位相子がそれらの間に前記入射側偏光子と前記内側反射膜とを挟んで積層され、前記第1位相子の外側主面に前記第1外側偏光子と前記第1外側反射膜とが配置され、前記第2位相子の外側主面に前記第2外側偏光子と前記第2外側反射膜とが配置され、
    前記第1位相子に入射した光が前記入射側偏光子により反射光と透過光とに分光され、前記反射光が、前記第1位相子内部を前記第1外側偏光子又は前記第1外側反射膜と前記内側反射膜とによって前記位相子主面の法線方向に関して一定の角度をもって多重反射して透過し、前記透過光が、前記第2位相子内部を前記第2外側偏光子又は前記第2外側反射膜と前記内側反射膜とによって前記位相子主面の法線方向に関して一定の角度をもって多重反射して透過することを特徴とする波長フィルタ。
  2. 積層した前記第1及び第2位相子間に挟まれた出射側偏光子を更に有し、前記第1位相子内部を多重反射した光と前記第2位相子内部を多重反射した光とが、前記出射側偏光子により合成されて前記第1又は第2位相子から出射することを特徴とする請求項1記載の波長フィルタ。
  3. 前記第1位相子内部を透過する光の光路に沿って隣接する2つの前記偏光子間の位相差Γ1iが、前記光路を透過する光の波長に対してΓ1i=2i−1×2π、(但し、i=1〜n、n:2以上の整数)の関係を満足し、かつ前記第2位相子内部を透過する光の光路に沿って隣接する2つの前記偏光子間の位相差Γ2iが、前記光路を透過する光の波長に対してΓ2i=2i−1×2π、(但し、i=1〜n、n:2以上の整数)の関係を満足することを特徴とする請求項1又は2記載の波長フィルタ。
  4. 前記第1位相子内部の前記光路に沿って隣接する2つの前記偏光子及び前記第2位相子内部の前記光路に沿って隣接する2つの前記偏光子が、それぞれ平行ニコルの関係に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の波長フィルタ。
  5. 前記第1及び第2位相子が固定位相子であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の波長フィルタ。
  6. 前記第1及び第2位相子が可変位相子であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の波長フィルタ。
  7. 前記第1及び第2位相子のいずれか一方が固定位相子であり、かついずれか他方が可変位相子であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の波長フィルタ。
  8. 前記入射側偏光子がワイヤグリッド偏光子であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか記載の波長フィルタ。
  9. 前記出射側偏光子がワイヤグリッド偏光子であることを特徴とする請求項2記載の波長フィルタ。
  10. 前記外側偏光子がワイヤグリッド偏光子であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか記載の波長フィルタ。
  11. 前記外側偏光子が吸収型偏光板であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか記載の波長フィルタ。
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