JP5135704B2 - 固体高分子型燃料電池用電極触媒層の製造方法 - Google Patents

固体高分子型燃料電池用電極触媒層の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、固体高分子型燃料電池用電極触媒層とその製造方法、並びに、それを用いた固体高分子型燃料電池に関する。
燃料電池は、イオン伝導体の一方の面にアノード(燃料極)、他方の面にカソード(酸化極)を設けたイオン伝導体電極接合体(以下MEAと記述する)の両側に、セパレータを配した単電池セルを複数積層した構造になっている。
アノードに対向するセパレータ表面には、燃料ガスを流通させるための凹溝状の燃料ガス流路が設けられている。また、カソードに対向するガスセパレータ表面には、酸化剤ガスを流通させるための凹溝状の酸化剤ガス流路が設けられている。
そして、燃料ガス流路に水素を主体とした改質ガス(又は水素ガス)を供給すると共に、酸化剤ガス流路に酸化剤ガス(通常は空気)を供給し、電解質膜を介して燃料ガスの水素と酸化剤ガスの酸素とにより下記の電気化学反応を生じさせて熱と同時に起電力を得るようにしたものである。
燃料極;H→2H+2e (1)
酸化剤極;4H+4e+O→2HO (2)
燃料電池は、従来の発電方式と比較して高効率、低環境負荷、低騒音である等の特徴を有し、クリーンなエネルギー源として注目されている。
燃料電池は、用いるイオン伝導体の種類によって類別され、プロトン伝導性固体高分子膜を用いたものは、固体高分子型燃料電池と呼ばれる。
燃料電池の中でも固体高分子型燃料電池は、室温に近い温度でも使用可能なことから、車載用電源や携帯電話用電源などへの使用が有望視されており、近年、様々な研究開発が行われている。
燃料極および酸化剤極などの電極は、触媒担持カーボン粒子とプロトン伝導性物質からなる電極触媒層と、ガス通気性と電導性を兼ね備えたガス拡散層からなる接合体である。
上記の式(1)および(2)の酸化還元反応は、電極内部において、燃料ガスもしくは酸化剤ガスの存在下において、電子伝導性物質(カーボン粒子)とプロトン伝導性物質と触媒の三相界面でのみ起こる。
この三相界面の面積が燃料電池の性能に大きく影響する。
電極触媒層中には細孔が設けられている。
細孔は、燃料ガスや酸化剤ガスおよび水などを輸送する通路の役割を果たす。
電極触媒層の面積を大きくすると、ガスの上流側と下流側ではガス分圧、温度が異なるため、電極触媒層の厚さ方向に組成、構造を制御することが発電効率を高める上で重要なポイントとなる。
電極触媒層の厚さ方向に組成を制御する方法として、触媒担持カーボンの濃度が異なる触媒インクを塗布することにより、電極触媒層のガス上流側から下流側にかけて触媒担持カーボンの濃度を、段階的に増加させる方法が開示されている。(特許文献1参照)
また、触媒担持カーボンと、プロトン伝導性物質を溶媒に分散させた触媒インクを、平面状の基材上に塗布する触媒インク塗布工程と、前記触媒インク中の溶媒を蒸発させることにより、前記基材上に電極触媒層を形成する溶媒蒸発工程を有する固体高分子型燃料電池用電極触媒層の製造方法において、
前記溶媒蒸発工程を、電場および磁場内で行い、触媒担持カーボン粒子にローレンツ力を発生させ、電極触媒層中の触媒担持カーボン粒子濃度を傾斜させる方法が開示されている。
電場および磁場の強さ、方向を変えることで電極触媒層の厚さ方向に傾斜を制御する。(特許文献2参照)
特開平7−85874号公報 特開2004−87267号公報
しかしながら、特許文献1で開示されている方法においては、電極触媒層の組成をガス上流側から下流側にかけて連続的に変化させるために、相当数の種類の触媒インクを用意しなければならないという問題が生じている。
また、特許文献2で開示されている方法においては、電場および磁場を印加する必要があるが、電場を均一することが困難であるという問題が生じている。
触媒担持カーボン粒子や溶媒は、磁場と相互作用が極めて小さい弱磁性体であるので、触媒担持カーボン粒子や溶媒に磁場を印加した場合、均一な磁束密度分布を得る事ができるが、触媒担持カーボン粒子や溶媒に電場を印加した場合、ローレンツ力により電極触媒層の触媒担持カーボン粒子濃度が変化し、電極触媒層の部分的な導電性が変わり電場が不安定になる。
このため、電極触媒層において、安定した触媒担持カーボン粒子濃度の傾斜が得られないという問題点が生じている。
本発明の課題は、触媒担持カーボン粒子やプロトン伝導性物質の濃度、および、細孔の大きさを、電極触媒層の厚さ方向に傾斜した電極触媒層およびその製造方法、並びに、それを用いた燃料電池を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、触媒担持カーボンと、プロトン伝導性物質を溶媒に分散させた触媒インクを、平面状の基材上に塗布する触媒インク塗布工程と、前記触媒インク中の溶媒を蒸発させることにより、前記基材上に電極触媒層を形成する溶媒蒸発工程を有する固体高分子型燃料電池用電極触媒層の製造方法であって、前記触媒インク塗布工程、および、溶媒蒸発工程の少なくとも1つの工程を、磁束密度分布を有する磁場内で行い、前記基材が磁化率の異なる2の物質で構成されており、該基材に磁場を印加することにより該基材に含まれる最も磁化率の高い物質に磁力を集中させ、所望の磁束密度分布を有する磁場を発生させ、前記基材に含まれる最も磁化率の高い物質の濃度が、前記基材の面方向に傾斜しており、触媒担持カーボンと異なる磁化率を持つ少なくとも1つ以上の物質を、触媒インク中に分散させ、前記触媒担持カーボンと前記触媒インクとの磁化率差を増大させることを特徴とする固体高分子型燃料電池用電極触媒層の製造方法である。
請求項2に記載の発明は、前記磁束密度分布を有する磁場の形成に用いる、永久磁石または磁場発生装置の最大磁束密度が、0.1テスラ以上であることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池用電極触媒層の製造方法である。
請求項に記載の発明は、前記触媒担持カーボンと異なる磁化率を持つ少なくとも1つ以上の物質を、前記電極触媒層形成後に溶媒により除去することにより、前記電極触媒層に細孔を形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の固体高分子型燃料電池用電極触媒層の製造方法である。
請求項4に記載の発明は、前記触媒インク塗布工程及び前記溶媒蒸発工程において、前記基材の温度を20℃〜120℃に調節することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の固体高分子型燃料電池用電極触媒層の製造方法である。
本発明は、磁束密度分布のある磁場内で触媒インクの塗布もしくは乾燥を行うことで、触媒インク中の触媒担持カーボンと溶媒にそれぞれ異なる磁気力を発生させ、触媒担持カーボンを磁気力で
電極触媒層の厚さ方向に移動させる手法を用いて、電極触媒層の厚さ方向に組成が連続的に傾斜した固体高分子型燃料電池用電極触媒層の製造方法を提供するものである。
触媒インク中の触媒担持カーボンと溶媒は、それぞれ反磁性体で磁性が弱く、磁気相互作用が非常に小さいので磁気力を利用して移動させるのは現実的でない。
しかし、触媒インク中の溶媒に磁化率を大きくする物質を溶解させることによって、触媒担持カーボンと触媒インク中の溶媒の磁化率差が増大するので、その結果、本発明では磁気力を利用した触媒担持カーボンの移動ができることになる。
具体的には、触媒インク中の溶媒に常磁性遷移元素化合物を添加することで、触媒インク中の溶媒が常磁性体になる。
しかし、磁束密度分布が均一であれば、触媒担持カーボンと触媒インク中の溶媒の磁化率差を増大させても触媒担持カーボンは移動しない。
磁束密度分布のある磁場を形成する方法としては、強磁性体と弱磁性体で構成された基材に磁場を印加する方法を用いることができる。
磁石と相互作用が大きいFeやNi、Coといった強磁性体は、磁束密度を高める効果がある。
しかし、弱磁性体は、磁場との相互作用が極めて小さいので、そのまま磁力線が透過する。従って、基材表面では、強磁性体と弱磁性体のパターンに相当する磁束密度分布のある磁場が電極触媒層の面方向に形成される。
また、磁束密度分布は、基材から遠ざかるほど均一になるので、電極触媒層の厚さ方向にも磁束密度分布のある磁場が形成される。
つまり、Feなどの強磁性体の表面では磁束密度が高いので、常磁性体の触媒インク中の溶媒が面方向に移動し、また、Alなどの弱磁性体の表面では磁束密度が低いので、反磁性体の触媒担持カーボンが電極触媒層の面方向に移動する。
この時、Feなどの強磁性体の磁気力が面方向に傾斜を持つ。
即ち、強磁性体で発生した磁気力は強く、反磁性体の触媒担持カーボンが電極触媒層面方向に移動する。
これにより、本発明で製造した電極触媒層は、面方向に組成が連続的に傾斜する。
本発明は、触媒担持カーボンとプロトン伝導性物質を溶媒で分散させた従来の触媒インクに、常磁性遷移元素化合物を分散することに特徴がある。
本発明で用いる触媒粒子としては、白金やパラジウム、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、オスミウムの白金族元素の他、鉄、鉛、銅、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウムなどの金属又はこれらの合金、または酸化物、複酸化物等が使用できる。
また、これらの触媒の粒径は、大きすぎると触媒の活性が低下し、小さすぎると触媒の安定性が低下するため、0.5〜20nmが好ましい。
更に好ましくは、1〜5nmが良い。
これらの触媒を担持する電子伝導性物質としては、一般的に炭素粒子が使用される。
炭素の種類は、微粒子状で導電性を有し、触媒におかされないものであればどのようなものでも構わないが、カーボンブラックやグラファイト、黒鉛、活性炭、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、フラーレンが使用できる。
カーボンの粒径は、小さすぎると電子伝導パスが形成され難くなり、また大きすぎると触媒層のガス拡散性が低下したり、触媒の利用率が低下したりするので、10〜1000nm程度が好ましい。
更に好ましくは、10〜100nmが良い。
プロトン伝導性固体高分子膜側としては、触媒インキ中のプロトン伝導性物質を選択する必要がある。
市販のパーフルオロカーボンスルホン酸(デュポン社製、ナフィオン)をプロトン伝導性固体高分子膜として用いる場合は、触媒インキ中のプロトン伝導性物質としてはパーフルオロカーボンスルホン酸(デュポン社製、ナフィオン)を使用するのが好ましい。
触媒インクの分散媒として使用される溶媒は、触媒粒子やプロトン伝導性物質を浸食することがなく、プロトン伝導性物質を流動性の高い状態で溶解または微細ゲルとして分散できるものであれば特に制限はないが、揮発性の液体有機溶媒が少なくとも含まれることが望ましく、特に限定されるものではないが、メタノール、エタノール、1−プロパノ―ル、2−プロパノ―ル、1−ブタノ−ル、2−ブタノ−ル、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、ペンタノ−ル等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、ペンタノン、メチルイソブチルケトン、へプタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセトニルアセトン、ジイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、アニソール、メトキシトルエン、ジブチルエーテル等のエーテル系溶剤、その他ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジアセトンアルコール、1−メトキシ−2−プロパノ−ル等の極性溶剤等が使用される。
また、これらの溶剤のうち二種以上を混合させたものも使用できる。
また、溶剤として低級アルコールを用いたものは発火の危険性が高く、このような溶媒を用いる際は水との混合溶媒にするのが好ましい。
プロトン伝導性物質となじみがよい水が含まれていてもよい。
水の添加量は、プロトン伝導性物質が分離して白濁を生じたり、ゲル化したりしない程度であれば特に制限はない。
また、電極触媒層の空隙率を制御するために、グリセリンや界面活性剤を用いることもできる。
触媒インク中の溶媒と触媒担持カーボンの磁化率差を大きくするための物質としては、溶媒に溶解する物であれば特に制限はないが、少量の添加で磁化率差が大きくなるような溶媒と大きく異なる磁性を有する物質であることが好ましい。
磁化率差を大きくするための物質を大量に添加すると、電極触媒層の機械的強度が低下するため、添加量としては、1〜15wt%であることが好ましい。
溶媒の磁化率を大きくする物質として、常磁性遷移元素化合物、および、Fe、Ni、Coなどの強磁性体を用いることができる。
溶媒の磁化率を大きくする物質の大きさとしては、100nm以下が好ましく、10〜20nmが更に好ましい。
また、触媒担持カーボンとの磁化率差を大きくするための物質は、電極触媒層を形成後に溶媒を用いて取り除いてもよい。
取り除くことによって、電極触媒層の空隙率および空孔径が大きくなる。
触媒インク中の固形分含有量は、多すぎると触媒インクの粘度が高くなるため、本発明における磁気力による物質移動が困難になり、また少なすぎると成膜レートが非常に遅く、生産性が低下してしまうため、1〜50wt%であることが好ましい。
固形分は触媒担持カーボンとプロトン伝導性物質からなるが、触媒担持カーボンの含有量を多くすると同じ固形分含有量でも粘度は高くなり、少なくすると粘度は低くなる。
触媒担持カーボンの固形分に占める割合は10〜80%が好ましい。
また、このときの触媒インクの粘度は、磁気力による物質移動を行うことを考慮すると、0.1〜500cP程度が好ましく、5〜100cPがさらに好ましい。
また触媒インク中に分散剤を添加することで、粘度の制御をすることもできる。
触媒インクの粘度、触媒インク中の粒子のサイズは、触媒インクの分散処理条件によって制御することができる。
分散処理は、様々な装置を用いて行うことができる。
例えば、ボールミル装置やロールミル装置、せん断ミル装置、湿式ミル装置、超音波分散処理装置などが挙げられる。
また、遠心力で撹拌を行うホモジナイザーなどを用いてもよい。
本発明は、基材に触媒インクを塗布する工程、触媒インク中の溶媒を蒸発させる工程の少なくとも1の工程を磁束密度分布のある磁場内で行うことに特徴がある。
本発明による電極触媒層の製造装置の模式図を図1に示す。
不均一な磁束密度分布を形成するための磁場発生方法としては、永久磁石を用いる方法でも良いが、磁場強度が強く、かつ、大きな電極触媒層を形成するために、磁場発生空間を広くすることが好ましい。
例えば、電磁石や超伝導マグネットを用いる方法などが挙げられる。
磁場発生装置の最大磁束密度は0.1テスラ以上であることが好ましく、さらに好ましくは2テスラ以上が好ましい。
特に超伝導マグネットを用いる場合は、超伝導コイルの冷却の影響により磁場発生空間の温度が安定しないので、ガラス二重管に恒温槽から水を循環させることにより超伝導コイルを冷却するのが望ましい。
電極触媒層の形成方法としては、ディッピング法やスクリーン印刷法、ロールコーティング法、スプレー法などの塗布法を用いることができる。
中でもスプレー法は、基材に塗工されたインキを乾燥させる際に触媒担持カーボンの凝集が起こり難く、均質で空孔率の高い電極触媒層が得ることができる。
本発明では、強磁性体と弱磁性体によってパターン状に構成された基材上に、ガス拡散層もしくはプロトン伝導性固体高分子膜を配置して、触媒インクを基材に直接塗布することに特徴がある。
プロトン伝導性固体高分子膜上に触媒インク層を形成する方法として、基材上に配置した転写シートに電極触媒層を形成後、ガス拡散層もしくはプロトン伝導性固体高分子膜に電極触媒層を転写する方法を用いてもよい。
また、本発明では、基材内における強磁性体の濃度が面方向に傾斜を持っていることに特徴がある。
磁気力を利用して電極触媒層中の物質移動を促進させる基材として、強磁性体と弱磁性体で構成された基材を用いることができる。
強磁性体は、磁性が強い材料ほど基材表面から離れても不均一な磁束密度分布を維持することが可能である。
強磁性体としては、FeやNi、Coなどが挙げられる。
また、弱磁性体としては、磁場と全く相互作用を起こさない物質を用いることができ、アルミやガラス、ガラス、紙、プラスチックなどを用いることができる。
基材としては、強磁性体と弱磁性体がパターン構造となっているものを用いることができる。
例えば、弱磁性体の母材に強磁性体が規則的に埋め込まれた基材や、強磁性体と弱磁性体が市松模様に配置された基材、強磁性体の母材に弱磁性体が規則的に埋め込まれた基材などである。
強磁性体の濃度を電極触媒層の面方向に傾斜を変える方法としては、上記の基材を斜めに研磨する方法を用いることができる。
基材の厚みが薄いと強磁性体で磁束密度を高める効果が低いので、磁束密度分布が基材表面からすぐに均一になる。
基材の厚みは100nm以上であることが好ましく、さらに好ましくは1mm以上が好ましい。
強磁性体パターンの幅は、広すぎると電極触媒層の傾斜配置の効果がなくなり、狭すぎると基材表面から磁束密度分布がすぐに均一になってしまうので、100nm〜10mmが好ましい。
ガス拡散材としては、ガス拡散性と導電性とを有する物を用いることができ、カーボンペーパー又はカーボンクロス等が使用できる。
触媒インクをガス拡散材に塗布する前に、ガス拡散層上に目処層を形成させてもよい。
目処層は、触媒インクがガス拡散層の中に染み込むことを防止する層であり、触媒インクの塗布量が少ない場合でも、触媒インクを電極上に堆積させることができ、三相界面の形成を容易にする。
目処層の形成方法としては、カーボンとフッ素系樹脂を混練してガス拡散財に塗布した後、フッ素系樹脂の融点以上の温度で焼結させる方法を用いることができる。
フッ素系樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等が利用できる。
転写シートの材料としては、PTFEやポリエチレンテレフタレート(PET)などを用いることができる。
磁束密度分布のある磁場内において触媒インクを基材に塗布する工程では、磁気力起因の物質移動が安定するまで一定時間エージングすることが好ましい。
エージングが短すぎると物質移動が不十分となり、長すぎると成膜レートが遅くなるので、エージング時間は0.1秒〜1分が好ましい。
触媒インクを基材に積層する方法としては、基材の温度を20℃〜120℃とした状態にて、触媒インクを基材に塗布しながら触媒インク中の溶媒を蒸発させる方法を用いることができる。
20〜120℃に加熱した基材に触媒インクを塗布することによって、触媒インク中の溶媒を塗布直後に乾燥させるこができ、よって、塗布後の触媒担持カーボンの凝集を防止でき、よって、電極触媒層の空孔度を向上させることができる。
基材表面が20℃未満である場合は、触媒インク中の溶媒を瞬時に乾燥させる効果が低い。また、基材表面が120℃を越えると、触媒インクの乾燥ムラが発生することが懸念される。
(触媒インクの調整)
まず、白金担持量が45wt%である白金担持カーボン触媒と、市販のプロトン伝導性物質(デュポン社製、ナフィオン)溶液を溶媒中で混合し、遊星型ボールミル(FRITSCH社製 Pulverisette7)で分散処理を行った。
ボールミルのポット、ボールにはジルコニア製のものを用いた。
出発原料の組成比は、白金担持カーボン触媒とナフィオンは重量比で2:1、溶媒は10wt%塩化マンガン水溶液、1−プロパノ−ル、2−プロパノ−ルを体積比で1:1:1とした。
触媒インクの固形分含有量は10wt%とした。
(基材)
本実施例で用いた基材の模式図を図2に示す。
厚みが1mmのアルミ(弱磁性体)と、厚みが1mmの鉄(強磁性体)を積層し、図2にように1mmから10mmに厚みが傾斜するように研磨した。
(酸化剤極の作製)
まず、磁場発生装置に磁場強度10テスラを発生する超伝導マグネットを使用し、磁場発生空間内に25℃の水を循環させたガラス二重管を固定した。
カーボンペーパーを基材上に配置し、磁場強度10テスラを印加した状態で、調整した触媒インキを加圧式スプレーでカーボンペーパーに塗布し、乾燥して酸化剤極を作製した。電極触媒層の厚さは、白金担持量が0.3mg/cmであった。
(燃料極の作製)
触媒インクに塩化マンガンを添加しなかったこと以外は、空気極と同様の方法を用いて、燃料極を作製した。
(MEAの作製)
燃料極および酸化剤極の触媒層どうしを向かい合わせにして、厚さ50μmのパーフルオロカーボンスルホン酸(デュポン株式会社製、Nafion112)を挟んで、温度130℃、圧力5.9×10Paの条件の基、30分間熱圧着してMEAを作製した。
<比較例>
(触媒インクの調整)
実施例記載と同様の出発原料組成、分散方法で触媒インクを調整した。
(基材)
実施例記載と同様の基材を使用した。
(電極の作製)
超伝導マグネットを稼動させず、それ以外は全て実施例記載と同様に電極触媒層の作製を行った。
(MEAの作製)
燃料極および酸化剤極の触媒層どうしを向かい合わせにして、厚さ50μmのパーフルオロカーボンスルホン酸(デュポン株式会社製、Nafion112)を挟んで、温度130℃、圧力5.9×10Paの条件の基、30分間熱圧着してMEAを作製した。
(元素分析)
実施例で作製した電極触媒層の断面の元素分析を行った。
その結果、基材の強磁性体が薄い箇所では、厚い箇所よりもPtリッチになっていた。
また、電極触媒層におけるPt濃度の変化は、電極触媒層の面方向に連続的に傾斜していた。
(図3に本発明による電極触媒層の模式的断面図を示した。)
(発電特性)
実施例で作製したMEAおよび比較例で作製したMEAをセパレータで挟持し、これを燃料電池測定装置(東陽テクニカ社製GFT−SG1)を用いて、セル温度80℃、アノード加湿器80℃、カソード加湿器50℃の条件下で、燃料ガスとして水素を、酸化剤ガスとして酸素を流して、発電特性の評価を行った。
実施例で作製した電極触媒層は、酸化剤ガス上流部にPtリッチ側が来る方向に配置して発電特性の評価を行った。
実施例で作製したMEAの方が、比較例で作製したMEAよりも発電特性が優れていた。
本発明の、セパレータおよびその製造方法、並びに、それを用いた燃料電池は、電気自動車用電源、家庭用発電システム、携帯電話などのモバイル機器用電源等に用いる固体高分子型燃料電池、アルカリ型燃料電池、硫酸型燃料電池、リン酸型燃料電池、溶融炭酸塩型燃料電池、固体酸化物型燃料電池に利用できる。
本発明による電極触媒層の製造装置の模式図である。 基材の強磁性体に磁力線が集中する様子を示す模式的断面図である。 本発明による電極触媒層の模式的断面図である。
符号の説明
1・・・電極触媒層
2・・・ガス拡散層
3・・・強磁性体と弱磁性体で構成される基材
11・・・強磁性体
12・・・弱磁性体
21・・・プロトン伝導性物質
22・・・触媒担持カーボン
23・・・鉄
24・・・アルミ

Claims (4)

  1. 触媒担持カーボンと、プロトン伝導性物質を溶媒に分散させた触媒インクを、平面状の基材上に塗布する触媒インク塗布工程と、前記触媒インク中の溶媒を蒸発させることにより、前記基材上に電極触媒層を形成する溶媒蒸発工程を有する固体高分子型燃料電池用電極触媒層の製造方法であって、
    前記触媒インク塗布工程、および、溶媒蒸発工程の少なくとも1つの工程を、磁束密度分布を有する磁場内で行い、
    前記基材が磁化率の異なる2の物質で構成されており、該基材に磁場を印加することにより該基材に含まれる最も磁化率の高い物質に磁力を集中させ、所望の磁束密度分布を有する磁場を発生させ、
    前記基材に含まれる最も磁化率の高い物質の濃度が、前記基材の面方向に傾斜しており、
    触媒担持カーボンと異なる磁化率を持つ少なくとも1つ以上の物質を、触媒インク中に分散させ、前記触媒担持カーボンと前記触媒インクとの磁化率差を増大させることを特徴とする固体高分子型燃料電池用電極触媒層の製造方法。
  2. 前記磁束密度分布を有する磁場の形成に用いる、永久磁石または磁場発生装置の最大磁束密度が、0.1テスラ以上であることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池用電極触媒層の製造方法。
  3. 前記触媒担持カーボンと異なる磁化率を持つ少なくとも1つ以上の物質を、前記電極触媒層形成後に溶媒により除去することにより、前記電極触媒層に細孔を形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の固体高分子型燃料電池用電極触媒層の製造方法。
  4. 前記触媒インク塗布工程及び前記溶媒蒸発工程において、前記基材の温度を20℃〜120℃に調節することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の固体高分子型燃料電池用電極触媒層の製造方法。
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