JP5103922B2 - 電極触媒層およびその製造方法、それを用いてなるmea(電解質膜電極接合体)および固体高分子型燃料電池 - Google Patents

電極触媒層およびその製造方法、それを用いてなるmea(電解質膜電極接合体)および固体高分子型燃料電池 Download PDF

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Description

本発明は、固体高分子型燃料電池に用いる電極触媒層、それを用いてなるMEA(電解質膜電極接合体)に関するものである。
燃料電池は、水素を含有する燃料ガスと酸素を含む酸化剤ガスを原料として、触媒を含む電極を用いて、水の電気分解の逆反応を起こさせることにより、熱と同時に電気を生み出す発電システムである。
この発電システムは、従来の発電方式と比較して高効率、低環境負荷、低騒音などの特徴を有し、将来のクリーンなエネルギー源として注目されている。
燃料電池にはタイプがいくつかあり、イオン伝導体としてプロトン伝導性高分子膜を用いたものは、固体高分子型燃料電池と呼ばれている。
燃料電池の中でも固体高分子型燃料電池は、室温付近で使用可能なことから、車載用電源や家庭据置用電源などへの使用が有望視されており、近年、様々な研究開発が行われている。
固体高分子型燃料電池の構造としては、高分子電解質膜の両面に一対の電極を配置させたMEA(電解質膜電極接合体)の両側に、ガス流路を形成した一対のセパレータを配置した構造が汎用されている。
MEAは、高分子電解質膜と電極をホットプレス法などにより圧着して形成される。
高分子電解質膜としてはパーフルオロカーボンスルホン酸が汎用されているが、その含水量によっては、高分子電解質膜と電極界面の密着性が弱くなってしまう。
その対策として、高分子電解質膜へ物理的表面処理(ブラスト処理やプラズマエッチング処理、コロナ放電処理)を施し、高分子電解質膜の表面に凹凸を形成する方法が提案されている。(例えば、特許文献1参照)
特開2006−40631号公報
しかしながら、高分子電解質膜へ物理的表面処理(ブラスト処理やプラズマエッチング処理、コロナ放電処理)を施すことにより、高分子電解質膜のプロトン伝導性が低下するという問題が新たに生じた。
本発明の課題は、高分子電解質膜と電極界面の密着性の確保、および、高分子電解質膜のプロトン伝導性確保を可能とする高分子電解質膜の製造方法、およびそれを用いて成る高分子電解質膜を提供することである。
請求項1に記載の発明は、触媒を担持したカーボン粒子と高分子電解質を溶媒に分散させた触媒インクを強磁性体および弱磁性体で構成された平面状の基材上に塗布する工程、および/または、前記触媒インク中の溶媒を蒸発させて電極触媒層を作製する工程を、前記基材に磁場を印加することにより前記基材内における前記強磁性体に磁力を集中させることで発生させた所望の磁束密度分布を有する磁場内にて行うことにより、前記強磁性体および前記弱磁性体の配置に相当する凹凸を電極触媒層の表面に形成することを特徴とする電極触媒層の製造方法である。
請求項2に記載の発明は、前記磁束密度分布を有する磁場の最大磁束密度が0.1テスラ以上であることを特徴とする請求項1に記載の電極触媒層の製造方法である。
請求項3に記載の発明は、前記強磁性体と前記弱磁性体とがパターン状に配列されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電極触媒層の製造方法である。
請求項4に記載の発明は、前記触媒インクの溶媒と異なる磁化率を有する少なくとも1種の物質を前記触媒インクに溶解させることにより、該触媒インクの磁化率を増大させたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに1項に記載の電極触媒層の製造方法である。
請求項5に記載の発明は、前記溶媒に溶解させた前記溶媒と異なる磁化率を有する物質を、物質除去用溶媒を用いて除去することにより、電極触媒層に細孔を形成させたことを特徴とする請求項4に記載の電極触媒層の製造方法である。
請求項6に記載の発明は、前記物質除去用溶媒として、発電で発生する水を用いることを特徴とする請求項5記載の固体高分子型燃料電池用電極触媒層の製造方法である。
請求項7に記載の発明は、前記基材の温度を20℃〜190℃とすることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の電極触媒層の製造方法である。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の電極触媒層の製造方法を用いてなる表面に凹凸構造を有することを特徴とする電極触媒層である。
請求項9に記載の発明は、プロトン伝導性高分子電解質膜の両面に一対の前記電極触媒層を配置させ、その両面にガス拡散層を配置して成るMEA(電解質膜電極接合体)である。
請求項10に記載の発明は、前記プロトン伝導性高分子電解質膜と前記電極触媒層の間に、プロトン伝導性高分子からなる中間層を有することを特徴とする請求項9に記載のMEA(電解質膜電極接合体)である。
請求項11に記載の発明は、請求項9または請求項10に記載のMEA(電解質膜電極接合体)の両側に、ガス流路を形成した一対のセパレータを配置して成る固体高分子型燃料電池である。
本発明によれば、高分子電解質膜と電極界面の密着性の確保、および、高分子電解質膜のプロトン伝導性確保を可能とする高分子電解質膜の製造方法、およびそれを用いて成る高分子電解質膜を提供することができる。
本発明は、磁束密度分布のある磁場内で、触媒インクを平面状の基材上に塗布する工程、および、前記触媒インク中の溶媒を蒸発させる工程を行うことにより、
基材上に異なる磁気力が発生し、パターン状の凹凸形状を有する電極触媒層が形成されるものである。
触媒インクは反磁性体で磁性が弱く磁気相互作用が非常に小さいため、磁気力を利用して触媒インクの表面形状を変化させるのは困難である。
しかし、本発明では、触媒インクを分散するための溶媒に磁化率を大きくする物質を溶解または分散させることにより磁化率を増大させ、その結果、磁気力を利用して触媒インクの表面形状を変化させることが可能となる。
磁化率を大きくする物質としては、常磁性遷移元素化合物を用いることができる。
常磁性遷移元素化合物を溶媒に添加することにより、触媒インクが常磁性体になり、添加前よりも磁気相互作用が大きくなる。
一方、磁束密度分布が均一である限りは、触媒インクの磁化率を増大させても触媒インクの表面形状を変化させることはできない。
触媒インクの表面形状を変化させる要因としては、不均一な磁束密度分布を発生させる事も一因となる。
磁化率の異なる2つの物質で構成された基材、例えば強磁性体と弱磁性体で構成された基材に磁場を印加することにより、磁束密度分布のある磁場を発生させる事ができる。
磁力線は、磁石と相互作用が大きいFeやNi、Coといった強磁性体を用いる事によりその磁束密度を高める事ができる。
強磁性体と弱磁性体のパターンを有する基材表面において、磁束密度分布のある磁場が、電極触媒層の面方向に形成される。
触媒インクに常磁性遷移元素化合物を添加していない場合は、触媒インクは反磁性体となり、基材の強磁性体部分(磁束密度が高い部分)(Feなど)上では、触媒インク層が薄くなる。
一方、基材の弱磁性体部分(磁束密度が高い部分)(Alなど)上では、触媒インク層が厚くなる。
その結果、電極触媒層の表面に強磁性体と弱磁性体のパターンに相当する凹凸が形成される。
また、触媒インクに常磁性遷移元素化合物を添加している場合は、触媒インクは常磁性体となり、基材の強磁性体部分(磁束密度が高い部分)(Feなど)上では、触媒インク層が厚くなる。
一方、基材の弱磁性体部分(磁束密度が高い部分)(Alなど)上では、触媒インク層が薄くなる。
その結果、電極触媒層の表面に強磁性体と弱磁性体のパターンに相当する凹凸が形成される。
磁気力を用いて電極触媒層の表面形状を形成しても、高分子電解質のプロトン伝導性に影響を及ぼさず、よって、本発明の電極触媒層は、プロトン伝導性を保ちつつ、高分子電解質膜との密着安定性の向上を図れる。
触媒インクとしては、触媒物質を担持したカーボン粒子(以下、触媒担持カーボンという)および高分子電解質を溶媒で分散させた分散液を用いることができる。
常磁性遷移元素化合物としては、CoF・4HO、FeCl・4HO或いはMnPO・HOを用いることができる。
触媒インクに、前記溶媒と異なる磁化率を有する少なくとも1種の物質を溶解させることにより磁化率を増大することが可能となり、磁気力を用いて電極触媒層の表面に所望の形状を形成することができる。
触媒粒子としては、白金、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、オスミウムの白金族元素や、鉄、鉛、銅、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウムなどの金属、又はこれらの合金、または酸化物、複酸化物等が使用できる。
触媒の粒径としては、0.5〜20nmの範囲から選択することができ1〜5nmが好ましい。
触媒の粒径が5nmを超えると、特に20nmを超えると触媒の活性が低下し、また、触媒の粒径が1nm未満、特に、0.5nm未満であると触媒安定性が低下してしまう。
触媒を担持するための電子伝導性粉末としては、炭素粒子を使用できる。
炭素粒子としては、微粒子状で導電性を有し、触媒におかされないものであれば特に限定されず、カーボンブラック、グラファイト、黒鉛、活性炭、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、フラーレンが使用できる。
炭素粒子の粒径は、10〜1000nmの範囲から選択することができ、10〜100nmが好ましい。
炭素粒子の粒径が100nmを超えると、特に1000nmを超えると触媒層のガス拡散性の低下および触媒利用率の低下が起き、また、炭素粒子の粒径が10nm未満であると電子伝導性が低下してしまう。
高分子電解質膜としては、パーフルオロカーボンスルホン酸を使用するのが好ましい。
高分子電解質膜にパーフルオロカーボンスルホン酸以外の材料を用いた場合は、触媒インキに用いる高分子電解質を高分子電解質膜と同じ成分とするのが好ましい。
触媒インクに用いる溶媒としては、触媒粒子や高分子電解質を浸食することがなく、高分子電解質を流動性の高い状態で溶解または微細ゲルとして分散できるものであれば、特に制限されず、メタノール、エタノール、1−プロパノ―ル、2−プロパノ―ル、1−ブタノ−ル、2−ブタノ−ル、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、ペンタノ−ル等のアルコール類や、アセトン、メチルエチルケトン、ペンタノン、メチルイソブチルケトン、へプタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセトニルアセトン、ジイソブチルケトンなどのケトン系溶剤や、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、アニソール、メトキシトルエン、ジブチルエーテル等のエーテル系溶剤や、その他ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジアセトンアルコール、1−メトキシ−2−プロパノール等の極性溶剤等を使用でき、また、これらの溶剤のうち二種以上を混合させたものを使用しても良く、また、溶剤として低級アルコールを用いたものは発火の危険性が高いので、低級アルコールを用いる際は水との混合溶媒にするのが好ましい。
水の添加量は、高分子電解質が分離して白濁を生じたり、ゲル化したりしない程度であれば特に制限はない。
また、電極触媒層の空隙率を制御する事を目的とし、グリセリンや界面活性剤を溶媒に添加しても良い。
触媒インクの磁化率を大きくするための物質としては、溶媒に溶解もしくは分散し、且つ、前記溶媒と磁性が大きく異なる物質、例えば、常磁性遷移元素化合物を用いることができる。
触媒インクの磁化率を大きくするための物質の添加量としては、触媒インクに対して1〜30wt%が好ましい。
添加量が30wt%を超えると、電極触媒層の機械的強度が低下し、1wt%未満であると効果が発揮されない。
また、触媒インクの磁化率を大きくするための物質としては、Fe、Ni、Coなどの強磁性体を用いても良く、この際、強磁性体だけが磁場と相互作用を起こして溶媒と分離しないように、溶解させるのが好ましい。
強磁性体の粒径は、10〜100nmの範囲から選択することができ、10〜20nmが好ましい。
触媒インクの磁化率を大きくするための物質は、電極触媒層形成後に溶媒を用いて除去する事ができ、また除去する事により、電極触媒層の空隙率および空孔径が大きくなるという副次効果が生じる。
除去する方法としては、発電で発生する水によって除去する方法を用いることができる。
触媒インク中の固形分(触媒担持カーボンとプロトン伝導性高分子)含有量は、1〜50wt%の範囲から選択することができる。
固形分含有量が、50wt%を超えると、触媒インクの粘度が高くなり、磁気力による物質移動を困難としてしまい、また、1wt%未満では、凹凸形成に時間が掛かりすぎ生産性が低下してしまう。
触媒担持カーボンの含有量としては、前記固形分に対して、10〜80wt%の範囲から選択することができる。
80wt%を超えると触媒インクの粘度は高くなり過ぎ、10wt%未満であると粘度は低くなり過ぎる。
触媒インクの粘度は、磁気力を用いて物質移動を考慮すると、0.1〜500cPの範囲から選択することができ、5〜100cPが好ましい。
触媒インクに分散剤を添加することにより、触媒インクの粘度を制御しても良い。
触媒インクの分散方法としては、ボールミル法、ロールミル法、せん断ミル法、湿式ミル法、超音波分散処理法や、遠心力で撹拌を行うホモジナイザー法などを用いることができる。
図1は、本発明の高分子電解質膜の製造装置の一例を示す模式図である。
磁場は、図1の紙面下方向から紙面上方向に形成される。
強磁性体と弱磁性体によってパターン状に構成された基材3に、磁場を印加することで不均一な磁束密度分布が形成される。
平面状の基材3上に、プロトン伝導性高分子電解質膜もしくはガス拡散層2を載置し、その上に触媒インクを塗布することにより電極触媒層1を形成する。
磁場発生源としては永久磁石、例えば、電磁石や超伝導マグネットを用いることができ、大きな高分子電解質膜を形成する事を目的とし、磁場強度が強く、且つ、磁場発生空間を広い取れる物が好ましい。
磁場発生装置としては永久磁石の他に、Nガス導入管、基材周辺の温度を制御するための(入口部および出口部を有する)水導入管を備える。
また、磁場発生装置能力は、最大磁束密度が0.1テスラ以上であることが好ましく、2テスラ以上であればより好ましい。
磁場発生源として超伝導マグネットを用いる場合は、超伝導コイルの温度を安定させるために、例えば、ガラス二重管に水を循環させる形式の冷却設備を設けることが好ましい。
電極触媒層1の形成方法としては、ディッピング法、スクリーン印刷法、ロールコーティング法、スプレー法などの塗布法を用いられることができるが、塗工されたインキを乾燥させる際に触媒担持カーボンの凝集が起こりにくく、均質で空孔率の高い触媒層が得られるという観点から、スプレー法が好ましい。
前述のように、強磁性体と弱磁性体によってパターン状に構成された基材3上に、プロトン伝導性高分子電解質膜あるいはガス拡散層2を載置して、その上に触媒インク1を塗布しても良いが、基材上に載置した転写シートに電極触媒層を形成後、該電極触媒層をガス拡散層もしくはプロトン伝導性高分子電解質膜に転写しても良い。
基材3としては、強磁性体と弱磁性体を合わせ持つ材料を用いることができる。
磁束密度を高める強磁性体としては、基材3表面から離れても不均一な磁束密度分布を保つことができるという観点から、磁性が強い材料ほど好ましく、例えば、FeやNi、Coなどが挙げられる。
また、弱磁性体としては、磁場と全く相互作用を起こさない物質、例えば、アルミやガラス、ガラス、紙、プラスチックなどを用いることができる。
基材は、強磁性体と弱磁性体がパターン状に配列されている物が好ましく、例えば、弱磁性体の母材に強磁性体が規則的に埋め込まれた物や、強磁性体と弱磁性体が市松模様に配置された物、強磁性体の母材に弱磁性体が規則的に埋め込まれた物など、任意の磁束密度分布を形成可能なパターンが設計された物が好ましい。
本発明による高分子電解質膜に用いる基材の一例を図2に示す。
強磁性体12と弱磁性体13とが交互に配列され、磁力線が密な部分と、磁力線が疎の部分が形成されている。
不均一な磁束密度分布の存在によって電極触媒層11に凹凸の表面形状が形成される。
基材3の厚みは、100nm以上であることが好ましく、1mm以上であればより好ましい。
基材の厚みが100nm未満であると、強磁性体で磁束密度を高める効果が低くなり、その結果、磁束密度分布を不均一にし難くなる。
強磁性体12および/または弱磁性体13パターンの幅は、100nm〜10mmの範囲から選択する事ができ、10mmを超えると、高分子電解質膜の凹凸が形成し難くなり、また、100nm未満であると磁束密度分布を不均一にし難くなる。
磁束密度分布のある磁場内で、触媒インクを基材3上に塗布する工程、もしくは、触媒インク中の溶媒を蒸発させる工程において、磁気力による凹凸形状形成工程が終了するまで一定時間保持し、その後に溶媒蒸発もしくは冷却させることが好ましい。
保持時間が短すぎると凹凸が微小となり効果が出ず、保持時間が長すぎると生産性が悪くなるので、保持時間0.1秒〜1分が好ましい。
ガス拡散層2は、ガス拡散性と導電性とを合わせ持つ材料、例えば、カーボンペーパー、カーボンクロス等を使用できる。
触媒インクをガス拡散層2に塗布する前に、予めガス拡散層2上に目処層を形成させておくのが好ましい。
目処層は、触媒インクがガス拡散層2の中に染み込むことを防止する層である。
これにより、触媒インクの塗布量を少なくしても、所望の触媒インク層を形成することができる。
目処層の形成方法としては、例えば、カーボンとフッ素系樹脂を混練し、その後、フッ素系樹脂の融点以上の温度で焼結させる方法を用いることができる。
フッ素系樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等が利用できる。
転写シートは、PTFEやポリエチレンテレフタレート(PET)などのシートを用いることができる。
また、ガス拡散層2の表面温度を20℃〜120℃に加熱した状態にて、触媒インクのガス拡散層2上への塗布、溶媒の蒸発を行うことが好ましい。
ガス拡散層2の表面温度が20℃未満では乾燥時間が長くなり、その結果、触媒担持カーボンの凝集してしまうという問題が発生し易くなり、また、電極表面温度が120℃を越えると乾燥ムラの発生が懸念される。
電極触媒層1とプロトン伝導性高分子電解質膜の結着剤としては、プロトンを伝導する高分子であれば特に限定されず、プロトン伝導性高分子電解質膜と同一の物質が特に好ましい。
本発明における固体高分子型燃料電池用高分子電解質膜およびその製造方法について、以下に具体的な実施例を挙げて説明するが、本発明は下記例によって制限されるものではない。
〔触媒インクの調整〕
白金担持量が45wt%である白金担持カーボン触媒と、パーフルオロカーボンスルホン酸(プロトン伝導性高分子)(デュポン社製ナフィオン溶液)を溶媒中で混合し、その後、遊星型ボールミル(FRITSCH社製 Pulverisette7)で分散処理を行った。
ボールミルのポット、ボールにはジルコニア製の物を用いた。
出発原料の組成比は、白金担持カーボンと、パーフルオロカーボンスルホン酸(プロトン伝導性高分子)(デュポン社製ナフィオン溶液)において重量比で2:1とした。
溶媒の組成比は、10重量%塩化マンガン水溶液、1−プロパノ−ル、2−プロパノ−ルにおいて体積比で1:1:1とした。
触媒インク中の固形分(出発原料)含有量は10重量%とした。
〔基材〕
不均一な磁束密度分布を形成する平面状の基材として、厚みが10mmのアルミ(弱磁性体)を母材に、直径1mmの円柱状の鉄(強磁性体)が基材を貫通しているものを使用した。
〔触媒電極の作製方法〕
まず、ラバーヒーターを取り付けた基材上に、カーボンペーパー(ガス拡散層)を配置し、カーボンペーパー上に調整した触媒インクを、加圧式スプレーを用いて塗布し、その後、触媒インク中の溶媒が乾燥する前に、磁場発生装置に設けられた超伝導マグネットのボア内に固定した。
次に、前記超伝導マグネットを用いて、磁場発生装置内の磁場強度を10テスラにすると同時に、磁場発生空間内に25℃の水を循環させたガラス二重管を固定した。
次に、超伝導マグネットの励磁後にヒーターによる加熱乾燥を行う事によって、白金担持量が0.3mg/cmになるように電極触媒層の厚さを調節しながら触媒電極を作製した。
<比較例>
〔触媒インクの調整〕
実施例と同様に触媒インクを調整した。
〔基材〕
実施例と同様の基材を使用した。
〔触媒電極の作製方法〕
超伝導マグネットを励磁させなかった以外は実施例と同様に電極触媒層の作製を行った。
〔MEA作製〕
まず、実施例および比較例において作製した触媒電極を5.0cmの正方形に打ち抜き、燃料極および空気極を得た。
次に、高分子電解質膜(デュポン株式会社製ナフィオン212)の両側に、電極触媒層を高分子電解質膜に向けた状態で触媒電極を配置し、その後、高分子電解質膜と触媒電極を結着剤(5%ナフィオン溶液)を用いて接着し、その後、125℃、6.0×10Pa、30分の条件でホットプレスを行うことによりMEAを得た。
(評価方法)
〔発電特性〕
上記MEAを燃料電池測定装置(東陽テクニカ社製GFT−SG1)の発電セルに組み込み、その後、セル温度80℃、アノード100%RH、カソード26%RHの条件下、300mA/cm、燃料ガスとして水素を毎分200ml、酸化剤ガスとして酸素を毎分100ml流すことにより定常発電を行い、その時の電圧降下量を測定して発電特性の評価(900時間)を行った。
(評価結果)
〔表面形態観察〕
実施例の電極触媒層の表面には、基材のパターンに相当する凹凸が形成されていた。一方、比較例では、電極触媒層の表面がほぼ平滑であった。
その事から、磁気力により電極触媒層の表面に凹凸が形成された事を確認した。
〔発電特性〕
発電特性を評価した結果、実施例の触媒電極を用いて成るMEAは、比較例の触媒電極を用いて成るMEAと比べ、電圧降下量が約47%低減しており、セル抵抗の変化が少ない事が確認された。
実施例の高分子電解質膜/電極界面の密着が安定しており、その結果、接触抵抗が安定した為と考えられる。
本発明の電極触媒層を製造する装置の模式図である。 基材の強磁性体に磁力線が集中する様子と、磁気力を用いることにより凹凸を形成した電極触媒層を示す模式的断面図である。
符号の説明
1・・・・電極触媒層
2・・・・ガス拡散層
3・・・・(強磁性体と弱磁性体で構成される)基材
11・・・(常磁性遷移元素化合物を添加した)触媒インク
12・・・強磁性体
13・・・弱磁性体

Claims (11)

  1. 触媒を担持したカーボン粒子と高分子電解質を溶媒に分散させた触媒インクを強磁性体および弱磁性体で構成された平面状の基材上に塗布する工程、および/または、前記触媒インク中の溶媒を蒸発させて電極触媒層を作製する工程を、
    前記基材に磁場を印加することにより前記基材内における前記強磁性体に磁力を集中させることで発生させた所望の磁束密度分布を有する磁場内にて行うことにより、
    前記強磁性体および前記弱磁性体の配置に相当する凹凸を電極触媒層の表面に形成することを特徴とする電極触媒層の製造方法。
  2. 前記磁束密度分布を有する磁場の最大磁束密度が0.1テスラ以上であることを特徴とする請求項1に記載の電極触媒層の製造方法。
  3. 前記強磁性体と前記弱磁性体とがパターン状に配列されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電極触媒層の製造方法。
  4. 前記触媒インクの溶媒と異なる磁化率を有する少なくとも1種の物質を前記触媒インクに溶解させることにより、該触媒インクの磁化率を増大させたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに1項に記載の電極触媒層の製造方法。
  5. 前記溶媒に溶解させた前記溶媒と異なる磁化率を有する物質を、物質除去用溶媒を用いて除去することにより、電極触媒層に細孔を形成させたことを特徴とする請求項4に記載の電極触媒層の製造方法。
  6. 前記物質除去用溶媒として、発電で発生する水を用いることを特徴とする請求項5記載の固体高分子型燃料電池用電極触媒層の製造方法。
  7. 前記基材の温度を20℃〜190℃とすることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の電極触媒層の製造方法。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の電極触媒層の製造方法を用いてなる表面に凹凸構造を有することを特徴とする電極触媒層。
  9. プロトン伝導性高分子電解質膜の両面に一対の前記電極触媒層を配置させ、その両面にガス拡散層を配置して成るMEA(電解質膜電極接合体)。
  10. 前記プロトン伝導性高分子電解質膜と前記電極触媒層の間に、プロトン伝導性高分子からなる中間層を有することを特徴とする請求項9に記載のMEA(電解質膜電極接合体)。
  11. 請求項9または請求項10に記載のMEA(電解質膜電極接合体)の両側に、ガス流路を形成した一対のセパレータを配置して成る固体高分子型燃料電池。
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