JP5135648B2 - 紙容器用積層材料およびその積層材料を用いた紙容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体内容物、特に食品などを収容する液体用紙容器に使用される紙容器用積層材料に関するものであり、詳しくは、板紙層を主体としバリア層に無機化合物蒸着フィルム層を用いた紙容器用積層材料およびその積層材料を用いた紙容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、液体用紙容器は、清酒、ワイン、果汁飲料などの長期保存を必要とする常温流通タイプの液体食品に大量に使用されてきた。この液体用紙容器(10)は、例えば図2に示すように、切り妻屋根形の頂部傾斜板(12)に口栓(13)を突設し胴部(11)が四角柱状の紙容器や、または、レンガ状の紙容器である。これらの液体用紙容器に使用される紙容器用積層材料は、一般的に剛性とガスバリア性を有するものであり、例えば、図3(a)に示すように、〔上面側・容器外層側〕低密度ポリエチレン層(110)/板紙層(120)/低密度ポリエチレン層(160)/無機化合物蒸着フィルム層(140)/低密度ポリエチレン層(150)〔下面側・容器内層側〕構成、または、図3(b)に示すように、〔上面側・容器外層側〕低密度ポリエチレン層(110)/板紙層(120)/酸コポリマー系接着樹脂層(170)/無機化合物蒸着フィルム層(140)/低密度ポリエチレン層(150)〔下面側・容器内層側〕構成などの紙容器用積層材料(100)である。そして、この積層材料を打抜き加工してブランクを作製し、このブランクをサック貼機で背貼りして筒状のスリーブを作製し、このスリーブを充填成形機に装填して、製箱・充填・密封して内容物を充填した液体用紙容器を作製するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、充填成形機上で製箱や密封するときに、筒状のスリーブの内側にホットエア吹出しオーブンを挿入し、スリーブの内面をホットエアで加熱して熱融着していた。しかしながら、スリーブの内面を加熱したときに、図4(a)に示すように、板紙層(120)の水分などにより板紙層と板紙層の容器内側の低密度ポリエチレン層(160)(又は酸コポリマー系接着樹脂層)間にバブル(泡)(180)を生じると、このバブルの膨張する圧力によって、加熱により軟化している板紙層より容器内側の低密度ポリエチレン層(160)(又は酸コポリマー系接着樹脂層)、無機化合物蒸着フィルム層(140)、低密度ポリエチレン層(150)に風船が破裂したような図4(b)に示すピンホール(190)を発生することがあった。
【0004】
本発明は、上述の従来の問題を解決するものであり、充填成形機上で製箱や密封するときに、ホットエア加熱により板紙層より内側の層にピンホールが発生しにくく、加熱設定温度幅が広く、充填能率が良好な紙容器用積層材料およびその積層材料を用いた紙容器を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の第1の発明は、最上面層と最下面層が熱融着可能な合成樹脂層からなり、中間層に板紙層が設けられており、前記板紙層の下方に無機化合物蒸着フィルム層を有する紙容器用積層材料であって、前記板紙層の下面に、酸の含有率が10重量%以下で、メルトフローレートが15g/min以下の酸コポリマー系接着樹脂層を介して、無機化合物蒸着フィルム層が、積層されていることを特徴とする紙容器用積層材料である。
【0006】
次に、本発明の第2の発明は、請求項1または2記載の紙容器用積層材料を折り曲げて製箱してなる紙容器である。
【0007】
次に、本発明の第3の発明は、請求項1または2記載の紙容器用積層材料を打抜き加工してブランクを作製し、このブランクをサック貼機で背貼りして筒状のスリーブを作製し、このスリーブを充填成形機に装填して、製箱・充填・密封して内容物を充填してなる紙容器である。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の紙容器用積層材料の実施の形態について、図を用いて詳細に説明する。
【0010】
本発明の紙容器用積層材料(100)は、図1に示すように、製箱したときに容器の最外層となる最上面層と容器の最内層となる最下面層が、低密度ポリエチレン(110,150)などの熱融着可能な合成樹脂層からなり、中間層に板紙層(120)その板紙層の下方に酸化ケイ素や酸化アルミニウムなどを延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、延伸ポリプロピレンフィルムや延伸ナイロンフィルムなどの基材フィルムに蒸着した無機化合物蒸着フィルム層(140)を有する積層材料であり、板紙層(120)の下面に、無機化合物蒸着フィルム層(140)を、押出しラミネート加工法により耐熱性樹脂層(130)を介して積層するものであり、図1に示すように、〔上面側・容器外層側〕低密度ポリエチレン層(110)/板紙層(120)/耐熱性樹脂層(130)/無機化合物蒸着フィルム層(140)/低密度ポリエチレン層(150)〔下面側・容器内層側〕構成の紙容器用積層材料(100)である。そして、この紙容器用積層材料から打抜き加工してブランクを作製し、このブランクをサック貼機で背貼りして筒状のスリーブを作製し、このスリーブを充填成形機に装填して、製箱・充填・密封して内容物を充填した液体用紙容器を作製するものである。
【0011】
本発明の紙容器用積層材料の上述した耐熱性樹脂層は、密度が0.920g/cm3 以上でメルトフローレートが25g/min以下のポリエチレン層か、酸の含有率が10重量%以下で、メルトフローレートが15g/min以下の酸コポリマー系接着樹脂層である。
【0012】
上述の酸コポリマー系接着樹脂としては、例えばエチレン・メタアクリル酸コポリマー、エチレン・メタアクリル酸・メタアクリル酸エステルコポリマー、エチレン・メタアクリル酸エステルコポリマー、前記コポリマーにエチレン・メタアクリル酸コポリマーを混合した樹脂などを使用するものである。
【0013】
なお、発明者らの試作テストの結果では、ポリエチレンにおいては、密度が高くメルトフローレートが小さい方がホットエアによるピンホールが発生しにくく、また、酸コポリマー系樹脂においては、酸の含有率及びメルトフローレートが小さい方がホットエアによるピンホールの発生が少なかった。
【0014】
本発明の紙容器用積層材料(100)は、図1に示すように、板紙層(120)と無機化合物蒸着フィルム層(140)との間に耐熱性樹脂層(130)が設けられているため、充填成形機上で製箱や密封するときに、スリーブの内面を加熱されて、図4(c)に示すように、板紙層と耐熱性樹脂層(130)間にバブル(180)を生じても、耐熱性樹脂層は耐熱性であり変形が少なく、耐熱性樹脂層より容器内側の無機化合物蒸着フィルム層(140)や低密度ポリエチレン層(150)の変形が極めて少ない。このため、バブルにより従来の紙容器用積層材料のように板紙層より容器内側の耐熱性樹脂層(130)、無機化合物蒸着フィルム層(140)、低密度ポリエチレン層(150)にピンホールを発生することがない。また、耐熱性樹脂層の耐熱性により、充填成形機上での充填温度及びホットエアの適正温度の高温域が広がり、温度設定範囲が広くなるため、安定した生産が可能となり、また、充填速度を早めることができので、生産能率を向上することができる。
【0015】
【発明の効果】
本発明の紙容器用積層材料を用いてスリーブを作製し、このスリーブを充填機に装填して、製箱・内容物充填・密封を行うと、従来の紙容器用積層材料で問題となった製箱や密封するときのホットエア加熱による板紙層より内側の層のピンホールの発生の危惧がなくなり、また、充填温度やホットエアの設定温度範囲が広くなり、生産能率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の紙容器用積層材料の一実施形態の積層構造を示す説明図である。
【図2】液体用紙容器の一例の外観を示す斜視図である。
【図3】(a)及び(b)は、従来の紙容器用積層材料の積層構造を示す説明図である。
【図4】(a)は、従来の紙容器用積層材料のホットエアによりバブルが発生したときの状態を示す説明図であり、(b)は、そのバブルによりピンホールができた状態を示す説明図である。(c)は、本発明の紙容器用積層材料のホットエアによりバブルが発生したときの状態を示す説明図である。
【符号の説明】
10……液体用紙容器
11……胴部
12……頂部傾斜板
13……口栓
100……紙容器用積層材料
110,150,160……ポリエチレン層
120……板紙層
130……耐熱性樹脂層
140……無機化合物蒸着フィルム層
170……接着樹脂層
180……バブル
190……ピンホール
210……ホットエア
Claims (3)
- 最上面層と最下面層が熱融着可能な合成樹脂層からなり、中間層に板紙層が設けられており、前記板紙層の下方に無機化合物蒸着フィルム層を有する紙容器用積層材料であって、前記板紙層の下面に、酸の含有率が10重量%以下で、メルトフローレートが15g/min以下のエチレン・メタアクリル酸コポリマー、エチレン・メタアクリル酸・メタアクリル酸コポリマー、エチレン・メタアクリル酸コポリマーのいずれかからなる樹脂にエチレン・メタアクリル酸コポリマーを混合した酸コポリマー系接着樹脂層を介して、無機化合物蒸着フィルム層が、積層されていることを特徴とする紙容器用積層材料。
- 請求項1に記載の紙容器用積層材料を折り曲げて製箱してなる紙容器。
- 請求項1に記載の紙容器用積層材料を打抜き加工してブランクを作製し、このブランクをサック貼機で背貼りして筒状のスリーブを作製し、このスリーブを充填成形機に装填して、製箱・充填・密封して内容物を充填してなる紙容器。
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JP2000346804A JP5135648B2 (ja) | 2000-11-14 | 2000-11-14 | 紙容器用積層材料およびその積層材料を用いた紙容器 |
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JP2000346804A JP5135648B2 (ja) | 2000-11-14 | 2000-11-14 | 紙容器用積層材料およびその積層材料を用いた紙容器 |
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- 2000-11-14 JP JP2000346804A patent/JP5135648B2/ja not_active Expired - Lifetime
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