以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、第1実施形態に係る通信制御システム5の構成の例を示す。図1に示す例では、通信制御システム5は、管理サーバ(サーバ装置)50と複数のクライアントコンピュータ(クライアント装置)60A,60Bとによって構成される。管理サーバ50とクライアントコンピュータ60A,60Bとはローカルエリアネットワーク(LAN)のようなネットワーク70を介して相互に接続される。管理サーバ50は、ネットワーク70を介して、クライアントコンピュータ60A,60Bに宛先リスト52A,52B,52Cを配信する。宛先リスト52A,52B,52Cは、クライアントコンピュータ60A,60Bによって送信される電子メールの送信を制御するために用いられる電子メールアドレスのリストである。クライアントコンピュータ60A,60Bは、管理サーバ50によって配信された宛先リスト52A,52B,52Cを用いて、送信が指示された電子メールの送信を制御する。
また、図2は、通信制御システム5の構成の別の例を示す。図2に示す例では、通信制御システム5は、管理サーバ(サーバ装置)50と複数のクライアントコンピュータ(クライアント装置)60C,60Dによって構成される。図1に示す例と同様に、管理サーバ50とクライアントコンピュータ60C,60Dとはローカルエリアネットワーク(LAN)のようなネットワーク70を介して相互に接続される。クライアントコンピュータ60C,60Dは、それぞれグループに属する。クライアントコンピュータ60Cはグループ1に属する。また、クライアントコンピュータ60Dは、グループ2に属する。このグループは、例えば、会社内の部署、大学内の学部のようなグループを示す。クライアントコンピュータ60D,60Dを、それらが属するグループ毎に管理することにより、管理サーバ50は、グループ1に属するクライアントコンピュータ60Cとグループ2に属するクライアントコンピュータ60Dとに、異なる宛先リストを配信することができる。したがって、クライアントコンピュータ60Cは、管理サーバ50によって配信された宛先リスト52A,52B,52Cを用いて、送信が指示された電子メールの送信を制御する。また、クライアントコンピュータ60Dは、管理サーバ50によって配信された宛先リスト52A’,52B’,52C’を用いて、送信が指示された電子メールの送信を制御する。
次いで、図3は通信制御システム5のシステム構成を示す。通信制御システム5は、上述のように、サーバ装置50と1以上のクライアント装置60とを備える。サーバ装置50とクライアント装置60とはネットワーク70を介して相互に接続される。サーバ装置50は、例えばサーバコンピュータによって実現され得る。クライアント装置60は、例えばパーソナルコンピュータによって実現され得る。
サーバ装置50は、宛先リスト送信部51、宛先リスト格納部52、クライアント情報格納部53、リスト作成部55、及びモード決定部56を備える。宛先リスト格納部52は、宛先アドレスリスト52A、ホワイトリスト52B及びブラックリスト52Cを格納する。宛先アドレスリスト52Aは、送信済みの電子メールの宛先を示す送信先電子メールアドレスを含む。ホワイトリスト52Bは、電子メールの送信が許可される電子メールアドレスを含む。ブラックリスト52Cは、電子メールの送信が禁止される電子メールアドレスを含む。また、クライアント情報格納部53は、グループ情報53A及び配信リスト情報54Aを格納する。グループ情報53Aは、クライアント装置60とそのクライアント装置60が属するグループとの対応を示すエントリを含む。配信リスト情報54Aは、グループとそのグループに配信するリストとの対応を示すエントリを含む。宛先リスト格納部52及びクライアント情報格納部53は、例えば、HDDのような記憶装置内の所定の記憶領域である。
クライアント装置60は、送信操作検出部601、宛先抽出部602、モード切替部603、宛先判定部604、表示制御部605、宛先追加部606、メール送信部607、送信中止部608、宛先リスト編集部609、宛先リスト受信部610、及び宛先リスト格納部61を備える。宛先リスト格納部61は、宛先アドレスリスト61A、ホワイトリスト61B及びブラックリスト61Cを格納する。宛先アドレスリスト61Aは、送信済みの電子メールの宛先を示す送信先電子メールアドレスを含む。ホワイトリスト61Bは、電子メールの送信が許可される電子メールアドレスを含む。ブラックリスト61Cは、電子メールの送信が禁止される電子メールアドレスを含む。宛先リスト格納部61は、例えば、HDDのような記憶装置内の所定の記憶領域である。
サーバ装置50は、クライアント装置60において送信が指示された電子メールを制御するために、クライアント装置60の動作モードを示すモード情報と、その動作モードで用いられる宛先リスト52A,52B,52Cとをクライアント装置60に送信する。クライアント装置60は、サーバ装置50によって送信されたモード情報に指定された動作モードで動作し、宛先リスト52A,52B,52C(すなわち、宛先リスト52A,52B,52Cを用いて更新された宛先リスト61A,61B,61C)を用いて、送信が指示された電子メールに対して所定の処理を施す。
図4は、クライアント装置60の動作モードの例を示す。この動作モードは、例えば、監視モード、警告モード、ホワイトリストによる禁止モード、及びブラックリストによる禁止モードを含む。監視モードでは、送信が指示された電子メールの宛先を示す送信先電子メールアドレスが宛先アドレスリスト61Aに追加される。警告モードでは、宛先アドレスリスト61Aに含まれない電子メールアドレスに電子メールが送信されることが警告される。ホワイトリストによる禁止モードでは、ホワイトリスト61Aに含まれない電子メールアドレスに電子メールが送信されることが禁止される。ブラックリストによる禁止モードでは、ブラックリスト61Cに含まれる電子メールアドレスに電子メールが送信されることが禁止される。
具体的には、まず、サーバ装置50のリスト作成部55は、宛先アドレスリスト52Aとホワイトリスト52Bとブラックリスト52Cとを作成する。
図5は、宛先アドレスリスト52Aの例を示す。宛先アドレスリスト52Aは、例えば、既に送信された電子メールの宛先(送信先)に対応する電子メールアドレス(以下、アドレスとも云う)を含む。また、宛先アドレスリスト52Aは、このリストが用いられる動作モードを示すモード情報を含む。宛先アドレスリスト52Aは、監視モード又は警告モードで用いられる。図5に示す例では、宛先アドレスリスト52Aは、“aaa@bbb.com”及び“bbb@ccc.com”という電子メールアドレスを含む。また、この宛先アドレスリスト52Aが“警告モード”で用いられることを示すモード情報が含まれている。なお、宛先アドレスリスト52Aは、監視モードにおいて電子メールの宛先の監視を開始した初期状態では、いずれの電子メールアドレスも含まれない空のリストであってもよい。
図6は、ホワイトリスト52Bの例を示す。ホワイトリスト52Bは、電子メールの送信が許可された電子メールアドレスを含む。また、ホワイトリスト52Bは、このリストが禁止モード(ホワイトリストによる禁止モード)で用いられることを示すモード情報を含む。図6に示す例では、ホワイトリスト52Bは、“aaa@bbb.com”及び“bbb@ccc.com”という電子メールアドレスを含む。また、このホワイトリスト52Bが“ホワイトリストによる禁止モード”で用いられることを示すモード情報が含まれている。なお、ホワイトリスト52Bは、電子メールの送信が許可されたドメイン名を含んでもよい。
図7は、ブラックリスト52Cの例を示す。ブラックリスト52Cは、電子メールの送信が禁止された電子メールアドレスを含む。また、ブラックリスト52Cは、このリストが禁止モード(ブラックリストによる禁止モード)で用いられることを示すモード情報を含む。図7に示す例では、ブラックリスト52Cは、“bbb@ccc.com”及び“ddd@eee.com”という電子メールアドレスを含む。また、このブラックリスト52Cが“ブラックリストによる禁止モード”で用いられることを示すモード情報が含まれている。なお、ブラックリスト52Cは、電子メールの送信が禁止されたドメイン名を含んでもよい。
リスト作成部55は、例えば、システム管理者によって入力された電子メールアドレスを用いて、宛先アドレスリスト52Aとホワイトリスト52Bとブラックリスト52Cとをそれぞれ作成する。リスト作成部55は、作成した宛先アドレスリスト52A、ホワイトリスト52B及びブラックリスト52C(以下、リスト52A,52B,52Cとも云う)を宛先リスト格納部52に出力する。宛先リスト格納部52は、リスト作成部55によって出力されたリスト52A,52B,52Cを格納する。システム管理者は、例えば、図10を参照して後述する設定画面44を用いて電子メールアドレスを入力することにより、リスト52A,52B,52Cを作成する。また、リスト作成部55は、クライアント装置60によって既に送信された電子メールの宛先を示す送信先電子メールアドレスを用いて、宛先アドレスリスト52Aを作成してもよい。
また、リスト作成部55は、グループ情報53Aと配信リスト情報54Aとに基づいて、グループ毎に異なるリスト52A,52B,52Cを作成することができる。
図8は、グループ情報53Aの一構成例を示す。グループ情報53Aは、複数のグループに対応する複数のエントリを含む。各エントリは、例えば、グループ名とクライアント名とを含む。あるグループに対応するエントリにおいて、「グループ名」は、そのグループに付与された名称を示す。「クライアント名」は、そのグループに属するクライアント装置(クライアントコンピュータ)の名称を示す。したがって、グループ情報53Aを用いることにより、あるクライアントが属するグループを特定することができる。図8に示す例では、「クライアントPC10」と「クライアントPC11」とが「グループ1」に属し、「クライアントPC20」が「グループ2」に属することが示される。このグループは、例えば、会社内の部署や大学内の学部のような単位として用いられる。
また、図9は配信リスト情報54Aの一構成例を示す。配信リスト情報54Aは、複数のグループに対応する複数のエントリを含む。各エントリは、例えば、グループ名と宛先リスト名とを含む。あるグループに対応するエントリにおいて、「グループ名」は、そのグループに付与された名称を示す。「宛先リスト名」は、そのグループに配信される(すなわち、そのグループに属するクライアント装置に配信される)リストの名称を示す。したがって、配信リスト情報54Aを用いることにより、あるグループに配信されるリストを特定することができる。図9に示す例では、「グループ1」に属するクライアント装置に対して「宛先リスト1」が配信され、「グループ2」に属するクライアント装置に対して「宛先リスト2」が配信されることが示される。つまり、サーバ装置50では、クライアント装置60に対して、グループ毎に異なる宛先リスト52A,52B,52Cを配信することができる。
リスト作成部55は、上述のグループ情報53Aと配信リスト情報54Aとを用いて、各グループに適したリスト52A,52B,52Cを作成する。そして、作成されたリスト52A,52B,52Cは、宛先リスト格納部52に格納される。したがって、宛先リスト格納部52には、複数のグループに対応する複数のリスト52A,52B,52Cが格納される。リスト作成部55は、例えば、部署に対応するグループ毎に宛先リスト52A,52B,52Cを作成することにより、そのグループに属する複数のクライアント装置60で共通の宛先リスト52A,52B,52Cを用いて、電子メールの送信を制御させることができる。
また、宛先リスト送信部51は、宛先リスト格納部52に格納されたリスト52A,52B,52Cをクライアント装置60に配信する。より具体的には、宛先リスト送信部51は、クライアント装置60にリスト52A,52B,52Cが配信されるタイミングであるとき、宛先リスト格納部52から、そのクライアント装置60に対応するリスト52A,52B,52Cを読み出す。クライアント装置60にリスト52A,52B,52Cが配信されるタイミングは、例えば、クライアント装置60によってリスト52A,52B,52Cの配信が要求されたときである。
その場合、クライアント装置60(宛先リスト受信部610)は、例えば、HTTPに基づくGetコマンドを用いることにより、サーバ装置50(宛先リスト送信部51)にリスト52A,52B,52Cの送信を要求する。より具体的には、宛先リスト受信部610は、例えば、“http://Server\Web\MailList\{クライアント名}”のようなアクセス要求(配信要求)をサーバ装置50(宛先リスト送信部51)に送信することによって、サーバ装置50に対して、リスト52A,52B,52Cの配信を要求する。配信要求に含まれるクライアント名は、例えば、クライアント装置60に付与されたコンピュータ名である。
なお、クライアント装置60にリスト52A,52B,52Cが配信されるタイミングは、クライアント装置60が起動されたとき、リスト52A,52B,52Cが更新されたとき、以前にリスト52A,52B,52Cが配信されてから所定の期間(例えば、1時間)が経過したとき等であってもよい。
宛先リスト送信部51は、例えばクライアント装置60による配信要求を受信したとき、その配信要求に含まれるクライアント名とグループ情報53Aとを用いて、リストを配信する対象のクライアント装置60(以下、配信対象のクライアント装置60とも云う)が属するグループを検出する。そして、宛先リスト送信部51は、配信リスト情報54Aを用いて、検出されたグループに配信すべきリスト52A,52B,52Cを検出する。そして、宛先リスト送信部51は、宛先リスト格納部52から、検出されたグループに配信すべきリスト52A,52B,52Cを読み出す。そして、宛先リスト送信部51は、読み出されたリスト52A,52B,52Cをクライアント装置60(宛先リスト受信部610)に送信する。
なお、宛先リスト送信部51は、配信対象のクライアント装置60(又はその属するグループ)に適した動作モードをモード決定部56に問い合わせてもよい。その場合、モード決定部56は、配信対象のクライアント装置60を監視モード、警告モード及び禁止モード(ホワイトリストによる禁止モード、ブラックリストによる禁止モード)のいずれの動作モードで動作させるかを決定する。モード決定部56は、例えば、クライアント装置60での電子メールの利用状況(例えば、送信回数、送信頻度、利用時間)等に応じて、クライアント装置60の動作モードを決定する。モード決定部56は、決定された動作モードを示すモード情報を宛先リスト送信部51に出力する。
宛先リスト送信部51は、グループ情報53Aと配信リスト情報54Aとを用いて検出された、配信すべきリスト52A,52B,52Cの内、モード決定部56によって決定された動作モードに関連付けられたリストを選択する。例えば、モード決定部56によって、クライアント装置60の動作モードが“警告モード”に決定されたとき、宛先リスト送信部51は、“警告モード”を示すモード情報を含む宛先アドレスリスト52Aを選択する。例えば、モード決定部56によって、クライアント装置60の動作モードが“ホワイトリストによる禁止モード”に決定されたとき、宛先リスト送信部51は、“ホワイトリストによる禁止モード”を示すモード情報を含むホワイトリスト52Bを選択する。また、例えば、モード決定部56によって、クライアント装置60の動作モードが“ブラックリストによる禁止モード”に決定されたとき、宛先リスト送信部51は、“ブラックリストによる禁止モード”を示すモード情報を含むブラックリスト52Cを選択する。そして、宛先リスト送信部51は、宛先リスト格納部52から、選択されたいずれかのリスト52A,52B,52Cを読み出す。そして、宛先リスト送信部51は、読み出されたリスト52A,52B,52Cをクライアント装置60(宛先リスト受信部610)に送信する。
クライアント装置60の宛先リスト受信部610は、宛先リスト送信部51によって送信されたリスト52A,52B,52Cを受信する。宛先リスト受信部610は、受信されたリスト52A,52B,52Cを宛先リスト編集部609に出力する。そして、宛先リスト編集部609は、宛先リスト受信部610によって出力されたリスト52A,52B,52Cを用いて、宛先リスト格納部61に格納された宛先アドレスリスト61A,ホワイトリスト61B,ブラックリスト61C(以下、リスト61A,61B,61Cとも云う)をそれぞれ更新する。宛先リスト編集部609は、宛先アドレスリスト52Aを用いて宛先アドレスリスト61Aを上書きする。宛先リスト編集部609は、ホワイトリスト52Bを用いてホワイトリスト61Bを上書きする。また、宛先リスト編集部609は、ブラックリスト52Cを用いてブラックリスト61Cを上書きする。
次いで、図10を参照して、リスト作成部55による宛先リスト52A,52B,52Cの作成で用いられる設定画面(編集画面)44の例について説明する。設定画面44は、例えば、動作モード選択ボタン441、対象メール選択ボタン442、対象外ドメイン入力エリア443、監視対象選択ボタン444、アラートキーワード入力エリア445、宛先アドレス入力エリア448、許可宛先アドレス入力エリア446、及び禁止宛先アドレス入力エリア447を含む。
動作モード選択ボタン441は、動作モードを選択するためのボタンである。ユーザは、動作モード選択ボタン441を用いて、「監視モード」、「警告モード」及び「禁止モード(もしくは、「ホワイトリストによる禁止モード」及び「ブラックリストによる禁止モード」)」から、クライアント装置60を動作させる動作モードを選択する。
対象メール選択ボタン442は、クライアント装置60によって送信が制御される対象の電子メールを選択するためのボタンである。ユーザ(システム管理者)は、対象メール選択ボタン442を用いて、「すべてのメール」と「登録ドメイン以外のメール」のいずれかを選択する。なお、対象メール選択ボタン442を用いて、送信元の電子メールアドレスと同一のドメイン名を有する電子メールアドレスに電子メールを送信するとき、その電子メールを、送信制御の対象にしないことを選択することもできる。
対象外ドメイン入力エリア443は、対象メール選択ボタン442を用いて「登録ドメイン以外のメール」が選択された場合に、クライアント装置60によって送信を制御しない電子メールのドメイン名(ドメインアドレス)を入力するためのエリアである。したがって、対象外ドメイン入力エリア443は、対象メール選択ボタン442を用いて「登録ドメイン以外のメール」が選択された場合にのみ入力可能(有効)にされる。ユーザは、例えば、対象外ドメイン入力エリア443に、社内で用いられているドメイン名、関連会社のドメイン名等、電子メールの送信を制御しなくてもよいドメイン名(例えば、電子メールが誤送信されても情報漏洩の影響が小さいドメイン名)を入力する。
監視対象選択ボタン444は、送信される電子メールに含まれる情報のうち、キーワード(アラートキーワード)に基づく監視の対象とするデータを選択するためのボタンである。ユーザは、監視対象選択ボタン444を用いて、「メールヘッダと本文と添付ファイル」、「メールヘッダと本文」及び「メールヘッダ」のいずれかを選択する。
アラートキーワード入力エリア445は、上述の監視対象選択ボタン444を用いて選択された監視対象から検出すべきキーワードを入力するためのエリアである。ユーザは、例えば、アラートキーワード入力エリア445に「社外秘」というキーワードを入力する。
宛先アドレス入力エリア448は、動作モードが警告モード又は監視モードに設定されるときに用いられる宛先アドレスリスト52Aを編集するためのエリアである。ユーザは、宛先アドレス入力エリア448を用いて、宛先アドレスリスト52Aに含まれる電子メールアドレスを追加、編集又は削除することができる。
許可宛先アドレス入力エリア446は、動作モードが禁止モード(ホワイトリストによる禁止モード)に設定されるときに用いられるホワイトリスト52Bを編集するためのエリアである。ユーザは、許可宛先アドレス入力エリア446を用いて、ホワイトリスト52Bに含まれる電子メールアドレスを追加、編集又は削除することができる。
禁止宛先アドレス入力エリア447は、動作モードが禁止モード(ブラックリストによる禁止モード)であるときに用いられるブラックリスト52Cを編集するためのエリアである。ユーザは、禁止宛先アドレス入力エリア447を用いて、ブラックリスト52Cに含まれる電子メールアドレスを追加、編集又は削除することができる。
また、宛先アドレス入力エリア448、許可宛先アドレス入力エリア446及び禁止宛先アドレス入力エリア447では、正規表現を用いて記述された電子メールアドレスが入力されてもよい。例えば、アドレス“*@bbb.com”は、“*”が任意の文字列を表すので、例えば“aaa@bbb.com”や“ccc@bbb.com”を含む電子メールアドレスを表す。したがって、リスト52A,52B,52C及びリスト61A,61B,61Cは、正規表現を用いて記述された電子メールを含み得る。
上述の設定画面44を用いることにより、システム管理者は、クライアント装置60を動作させる動作モードを入力することや、リスト52A,52B,52Cを作成(編集)することができる。また、設定画面44を用いて入力された対象メールを示す情報、対象外ドメインを示す情報、アラートキーワードを示す情報、アラートキーワードに基づく監視対象を示す情報等を含む付加情報を、リスト52A,52B,52Cに含めてもよい。その場合、クライアント装置60は、それら付加情報を用いて、電子メールの送信を制御することができる。
次いで、図11は、宛先リスト送信部51によってクライアント装置60に送信されるリスト52A,52B,52Cの記述例を示す。リスト52A,52B,52Cは、例えば、XMLのようなマークアップ言語に基づいて記述される。図11に示す例では、<mail_list>タグを用いて示されるリスト内に、<address>タグを用いて示される電子メールアドレス(例えば、“aaa@bbb.com”)が含まれることが記述されている。
また、図12は、配信されるリスト52A,52B,52Cの別の記述例を示す。図12に示す例では、<mail_list>タグと<address>タグとを用いて、リスト内に含まれる電子メールアドレスが記述されると共に、<mode>タグを用いて、クライアント装置60の動作モード(すなわち、この電子メールアドレスのリストが用いられる動作モード)を示すモード情報が記述される。また、<mail_settings>タグを用いることにより、<mail_list>タグで示される電子メールアドレスのリストと、<mode>タグで示されるモード情報とが、メール設定情報として記述されている。記述される動作モードは、例えば、監視モード、警告モード及び禁止モードのいずれかである。
図12に示すようなモード情報を含むリスト52A,52B,52Cが配信された場合、宛先リスト受信部610は、配信されたリスト52A,52B,52Cに含まれる電子メールアドレスのリストを宛先リスト編集部609に出力する。また宛先リスト受信部610は、配信されたリスト52A,52B,52Cに含まれるモード情報をモード切替部603に出力する。
そして、宛先リスト編集部609は、宛先リスト受信部610によって出力された電子メールアドレスのリストを用いて、宛先リスト格納部61に格納されたリスト61A,61B,61Cを更新する。また、モード切替部603は、宛先リスト受信部610によって出力されたモード情報に基づいて、クライアント装置60の動作モードを指定された動作モードに切り替える。つまり、モード切替部603は、モード情報に基づいて、クライアント装置60の動作モードを、監視モード、警告モード、ホワイトリストによる禁止モード、及びブラックリストによる禁止モードのいずれかの動作モードに設定する。
以上の構成により、通信制御システム5では、サーバ装置50からクライアント装置60に、クライアント装置60によって送信される電子メールに所定の処理を施すための宛先リスト52A,52B,52Cが配信される。宛先リスト52A,52B,52Cは、例えば、クライアント装置60の動作モードを指定するためのモード情報と、電子メールアドレスのリストとを含むものである。
次いで、以下では、クライアント装置60が、送信が指示された電子メールを、監視モード、警告モード及び禁止モードのそれぞれの動作モードで処理するための構成について説明する。
まず、送信操作検出部601は、電子メールの送信を指示する操作を検出する。電子メールの送信を指示する操作は、例えば、ユーザによって入力された操作である。より具体的には、例えば、ユーザが、メーラプログラム等を用いて電子メールを作成し、作成した電子メールを送信するためのボタン押したことに応じて、送信操作検出部601は、電子メールの送信を指示する操作を検出する。送信操作検出部601は、電子メールの送信を指示する操作が検出されたことを宛先抽出部602に通知する。
宛先抽出部602は、送信操作検出部601による通知に応じて、送信が指示された(すなわち、送信前の)電子メールデータ63から、宛先の電子メールアドレスを抽出する。より具体的には、宛先抽出部602は、電子メールデータ63から、“TO”,“CC”及び“BCC”に設定された電子メールアドレスを抽出する。そして、送信操作検出部601は、抽出された電子メールアドレスを宛先判定部604に出力する。
宛先判定部604は、モード切替部603によって設定された動作モード(すなわち、サーバ装置50によって指定された動作モード)に応じて、宛先抽出部602によって出力された電子メールアドレスを判定する。以下では、モード切替部603によって、監視モード、警告モード、ホワイトリストによる禁止モード、及びブラックリストによる禁止モードのそれぞれに設定された場合について順に説明する。
まず、モード切替部603によって、動作モードが監視モードに設定された場合について説明する。監視モードでは、送信が指示された電子メールの宛先を監視することによって、電子メールの宛先を示す送信先電子メールアドレスを宛先アドレスリスト61Aに追加する。
宛先判定部604は、宛先抽出部602によって抽出された電子メールアドレスの内の処理対象の電子メールアドレスが宛先アドレスリスト61Aに含まれているか否かを判定する。処理対象の電子メールアドレスが宛先アドレスリスト61Aに含まれていないとき、宛先判定部604は、その電子メールアドレスを宛先追加部606に出力する。そして、宛先追加部606は、宛先判定部604によって出力された電子メールアドレスを宛先アドレスリスト61Aに追加する。
例えば、図13に示すように、送信が指示された電子メール(すなわち、送信前の電子メール)の宛先アドレスが“aaa@bbb.com”及び“ddd@eee.com”であり、また、図5に示すように、宛先アドレスリスト61Aがアドレス“aaa@bbb.com”及び“bbb@ccc.com”を含むことを想定する。
宛先判定部604は、アドレス“aaa@bbb.com”は宛先アドレスリスト61Aに含まれているが、アドレス“ddd@eee.com”は宛先アドレスリスト61Aに含まれていないことを検出する。宛先判定部604は、アドレス“ddd@eee.com”を宛先追加部606に出力する。そして、宛先追加部606は、宛先判定部604によって出力されたアドレス“ddd@eee.com”を宛先アドレスリスト61Aに追加する。
宛先判定部604は、宛先抽出部602によって抽出された全ての電子メールアドレスに対する判定が完了したとき、メール送信部607に電子メールの送信を要求する。そして、メール送信部607は、宛先判定部604による要求に応じて、宛先抽出部602によって抽出された電子メールアドレスに電子メールを送信する。
以上の構成により、監視モードにより電子メールの送信が制御される。監視モードでは、電子メールの送信が指示されたとき、その電子メールの宛先アドレスが宛先アドレスリスト61Aに追加される。つまり、宛先アドレスリスト61Aには、電子メールが送信される度に、その宛先の電子メールアドレスが追加される。なお、例えば、宛先アドレスリスト61Aに電子メールアドレスが含まれないとき(例えば、初期状態のとき)、所定の期間だけクライアント装置60を監視モードに設定することにより、宛先アドレスリスト61Aを構築してもよい。また、この監視処理では、電子メールが送信された後に、その宛先の電子メールアドレスを宛先アドレスリスト61Aに追加してもよい。
次いで、モード切替部603によって、動作モードが警告モードに設定された場合について説明する。警告モードでは、送信が指示された電子メールの宛先に、宛先アドレスリスト61Aに記述されていない宛先アドレスが含まれるとき、ユーザへの警告が行われる。
まず、宛先判定部604は、宛先抽出部602によって抽出された電子メールアドレスの内の処理対象の電子メールアドレスが宛先アドレスリスト61Aに含まれているか否かを判定する。処理対象の電子メールアドレスが宛先アドレスリスト61Aに含まれていないとき、宛先判定部604は、その電子メールアドレスを宛先追加部606に出力する。そして、宛先追加部606は、宛先判定部604によって出力された電子メールアドレスを第1アドレスリストに追加する。第1アドレスリストは、宛先アドレスリスト61Aに含まれないアドレスを格納するためのワーク領域である。なお、第1アドレスリストは、電子メールを送信するための操作が検出されたとき、電子メールアドレスを含まない空のリストに設定される。
宛先判定部604は、宛先抽出部602によって抽出された全ての電子メールアドレスに対する判定が完了したとき、宛先判定部604は、第1アドレスリストが空のリストであるか否かを判定する。第1アドレスリストが空のリストであるとき、宛先判定部604は、メール送信部607に電子メールの送信を要求する。そして、メール送信部607は、宛先判定部604による要求に応じて、宛先抽出部602によって抽出された電子メールアドレスに電子メールを送信する。
第1アドレスリストが空のリストでないとき、宛先判定部604は、表示制御部605に選択画面の表示を要求する。表示制御部605は、宛先判定部604による要求に応じて、選択画面を表示する。選択画面には、例えば、電子メールの送信を続行するか否かを選択するためのボタンが表示される。
例えば、図13に示すように、送信が指示された電子メール(すなわち、送信前の電子メール)の宛先アドレスが“aaa@bbb.com”及び“ddd@eee.com”であり、また、図5に示すように、宛先アドレスリスト61Aがアドレス“aaa@bbb.com”及び“bbb@ccc.com”を含むことを想定する。その場合、宛先判定部604は、アドレス“aaa@bbb.com”は宛先アドレスリスト61Aに含まれているが、アドレス“ddd@eee.com”は宛先アドレスリスト61Aに含まれていないことを検出するので、アドレス“ddd@eee.com”を宛先追加部606に出力する。宛先追加部606は、宛先判定部604によって出力されたアドレス“ddd@eee.com”を第1アドレスリストに追加する。そして、宛先判定部604は、第1アドレスリストが空のリストではないので、表示制御部605に図14に示すような選択画面41の表示を要求する。
図14は、表示制御部605によって表示される選択画面41の例を示す。選択画面41は、電子メールが宛先アドレスリスト61Aに含まれていないアドレス(未知の電子メールアドレス)“ddd@eee.com”に送信されようとしていることを警告するメッセージを含む。また、選択画面41は、電子メールの送信を続行するためのボタン41Aと電子メールの送信を中止するためのボタン41Bとを含む。ユーザは、これらボタン41A,41Bのいずれかを選択することによって、電子メールの送信を続行するか、中止するかを選択する。
表示制御部605は、選択画面41を用いた入力に応じて、電子メールの送信が続行されるか否かを判定する。表示制御部605は、ユーザが電子メールの送信を続行するためのボタン41Aを押したとき、宛先追加部606に第1アドレスリストを出力する。宛先追加部606は、第1アドレスリストに含まれる電子メールアドレスを宛先アドレスリスト61Aに追加する。次いで、宛先判定部604は、メール送信部607に電子メールの送信を要求する。メール送信部607は、宛先抽出部602によって抽出された電子メールアドレスに電子メールを送信する。
また、表示制御部605は、ユーザが電子メールの送信を中止するためのボタン41Bを押したとき、送信中止部608に電子メールの送信の中止を要求する。送信中止部608は、表示制御部605による要求に応じて、電子メールの送信を中止する。つまり、送信中止部608は、メールの送信を指示する操作をキャンセルする。その場合、表示制御部605は、電子メールを編集するための編集画面(メーラプログラム)に戻ってもよい。
以上の構成により、警告モードにより電子メールの送信が制御される。警告モードでは、送信が指示された電子メールの宛先アドレスが宛先アドレスリスト61Aに含まれていないとき、選択画面41が表示される。この選択画面41が表示されることによって、ユーザは、未知の電子メールアドレスに対して電子メールが送信されようとしていることを確認できると共に、その電子メールの送信を続行するか中止するかを選択することができる。また、電子メールの送信を続行することが選択されたとき、その電子メールの宛先アドレスが宛先アドレスリスト61Aに追加される。これにより、以降に同じ宛先アドレスに対して電子メールの送信が指示された際に選択画面41による警告が行われることはなく、ユーザによる操作にかかる負担を少なくすることができる。なお、警告モードでは、宛先アドレスリスト61Aに含まれる電子メールアドレスにだけ電子メールを送信した後に、選択画面41を表示してもよい。
次いで、モード切替部603によって、動作モードがホワイトリストによる禁止モードに設定された場合について説明する。ホワイトリストによる禁止モードでは、送信が指示された電子メールの宛先アドレスの内、ホワイトリスト61Bに記述された宛先アドレスにだけ、その電子メールを送信する。換言すると、ホワイトリストによる禁止モードでは、送信が指示された電子メールの宛先アドレスの内、ホワイトリスト61Bに記述されていない宛先アドレスには、その電子メールが送信されない。つまり、このホワイトリスト61Bは、電子メールの送信が許可されたアドレスを示す許可宛先アドレスリストである。
ホワイトリスト61Bによる禁止モードでは、まず、宛先判定部604は、宛先抽出部602によって抽出された電子メールアドレスがホワイトリスト61Bに含まれるか否かを判定する。宛先抽出部602によって抽出された全ての電子メールアドレスがホワイトリスト61Bに含まれるとき、宛先判定部604は、メール送信部607に電子メールの送信を要求する。そして、メール送信部607は、宛先抽出部602によって抽出された全ての電子メールアドレスに電子メールを送信する。
宛先抽出部602によって抽出された電子メールアドレスに、ホワイトリスト61Bに含まれない電子メールアドレスが存在するとき、宛先判定部604は、表示制御部605に確認画面の表示を要求する。そして、表示制御部605は、宛先判定部604による要求に応じて確認画面を表示する。
例えば、図13に示すように、送信が指示された電子メール(送信前の電子メール)の宛先アドレスが“aaa@bbb.com”及び“ddd@eee.com”であり、また、図6に示すように、ホワイトリスト61Bがアドレス“aaa@bbb.com”及び“bbb@ccc.com”を含むことを想定する。その場合、宛先判定部604は、アドレス“aaa@bbb.com”はホワイトリスト61Bに含まれているが、アドレス“ddd@eee.com”はホワイトリスト61Bに含まれていないことを検出する。そのため、宛先判定部604は、表示制御部605に確認画面を表示することを要求する。そして、表示制御部605は、図15に示すような確認画面42を表示する。
図15は、表示制御部605によって表示される確認画面42の例を示す。確認画面42は、電子メールの宛先アドレスが、ホワイトリスト61Bに含まれていない電子メールアドレス“ddd@eee.com”を含むので、当該電子メールが送信されないことを通知するメッセージを含む。
また、表示制御部605は、送信中止部608に電子メールの送信の中止を要求する。送信中止部608は、表示制御部605による要求に応じて、電子メールの送信を中止する。つまり、送信中止部608は、メールの送信を指示する操作をキャンセルする。その場合、表示制御部605は、電子メールを編集するための編集画面に戻ってもよい。
なお、ホワイトリストによる禁止モードでは、宛先判定部604は、ホワイトリスト61Bに含まれるアドレス“aaa@bbb.com”にだけ電子メールを送信し、ホワイトリスト61Bに含まれないアドレス“ddd@eee.com”には電子メールを送信しないように制御してもよい。その場合、表示制御部605は、図16に示すように、アドレス“ddd@eee.com”を除くアドレスに電子メールが送信されたことを通知するメッセージを含む確認画面43を表示する。
次いで、モード切替部603によって、動作モードがブラックリスト61Cによる禁止モードに設定された場合について説明する。ブラックリストによる禁止モードでは、送信が指示された電子メールの宛先アドレスの内、ブラックリスト61Cに記述された宛先アドレスには、その電子メールが送信されない。換言すると、ブラックリスト61Cによる禁止モードでは、送信が指示された電子メールの宛先アドレスの内、ブラックリスト61Cに記述されていない宛先アドレスにだけ、その電子メールが送信される。つまり、このブラックリスト61Cは、電子メールの送信が禁止されたアドレスを示す禁止宛先アドレスリストである。
ブラックリスト61Cによる禁止モードでは、まず、宛先判定部604は、宛先抽出部602によって抽出された電子メールアドレスがブラックリスト61Cに含まれるか否かを判定する。宛先抽出部602によって抽出された全ての電子メールアドレスがブラックリスト61Cに含まれていないとき、宛先判定部604は、メール送信部607に電子メールの送信を要求する。そして、メール送信部607は、宛先抽出部602によって抽出された全ての電子メールアドレスに電子メールを送信する。
宛先抽出部602によって抽出された電子メールアドレスに、ブラックリスト61Cに含まれる電子メールアドレスが存在するとき、宛先判定部604は、表示制御部605に確認画面の表示を要求する。そして、表示制御部605は、宛先判定部604による要求に応じて確認画面を表示する。
例えば、図13に示すように、送信が指示された電子メール(送信前の電子メール)の宛先アドレスが“aaa@bbb.com”及び“ddd@eee.com”であり、また、図7に示すように、ブラックリスト61Cがアドレス“bbb@ccc.com”及び“ddd@eee.com”を含むことを想定する。その場合、宛先判定部604は、アドレス“aaa@bbb.com”はブラックリスト61Cに含まれていないが、アドレス“ddd@eee.com”はブラックリスト61Cに含まれていることを検出する。そのため、宛先判定部604は、表示制御部605に確認画面を表示することを要求する。そして、表示制御部605は、図15に示すような確認画面42を表示する。確認画面42は、電子メールの宛先アドレスが、ブラックリスト61Cに含まれていない電子メールアドレス“ddd@eee.com”を含むので、当該電子メール送信されないことを通知するメッセージを含む。
また、表示制御部605は、送信中止部608に電子メールの送信の中止を要求する。送信中止部608は、表示制御部605による要求に応じて、電子メールの送信を中止する。つまり、送信中止部608は、メールの送信を指示する操作をキャンセルする。その場合、表示制御部605は、電子メールを編集するための編集画面に戻ってもよい。
なお、ブラックリストによる禁止モードでは、宛先判定部604は、ブラックリスト61Cに含まれないアドレス“aaa@bbb.com”にだけ電子メールを送信し、ブラックリスト61Cに含まれるアドレス“ddd@eee.com”には電子メールを送信しないように制御してもよい。その場合、表示制御部605は、図16に示すように、アドレス“ddd@eee.com”を除くアドレスに電子メールが送信されたことを通知するメッセージを含む確認画面43を表示する。
以上の構成により、禁止モードにより電子メールの送信が制御される。禁止モードでは、送信が指示された電子メールの宛先アドレスがホワイトリスト61Bに含まれていないとき、又は送信が指示された電子メールの宛先アドレスがブラックリスト61Cに含まれているとき、確認画面42,43が表示される。この確認画面42,43が表示されることによって、ユーザは、ホワイトリスト61Bに含まれない電子メールアドレス又はブラックリスト61Cに含まれる電子メールアドレスに対して、電子メールが送信されなかったことを確認できる。
なお、宛先リスト編集部609は、宛先アドレスリスト61A、ホワイトリスト61B及びブラックリスト61Cに対して、電子メールアドレスの追加、編集又は削除を行ってもよい。宛先リスト編集部609により宛先アドレスリスト61Aが編集されることによって、例えば、警告モードで動作するときに、誤って送信された電子メール(例えば、選択画面41で、誤って送信を続行するためのボタン41Aが押された電子メール)の宛先アドレスが宛先アドレスリスト61Aに残ってしまうことを回避することができる。宛先リスト編集部609は、例えば、各リスト61A,61B,61Cを編集するために、図10のような設定画面(編集画面)44を表示することができる。そして、設定画面44を用いたユーザによる入力に応じて、リスト61A,61B,61Cに含まれる電子メールアドレスを編集(追加、削除)する。また、宛先リスト編集部609は、リスト61A,61B,61Cの初期値となる電子メールアドレスを入力することもできる。
なお、宛先判定部604は、送信が指示された電子メールが、受信した電子メールに対する返信メールであるとき、その返信メールを送信制御の対象にしなくてもよい。返信メールでは、宛先の電子メールアドレスを入力しないので、誤った宛先に電子メールが送信されないことが想定される。そのため、宛先判定部604は、送信が指示された電子メールが返信メールであるとき、宛先アドレスリスト61A等を用いた判定を行わずに(警告モード及び禁止モードでの送信制御の対象とせずに)、当該返信メールの送信をメール送信部607に要求する。宛先判定部604は、例えば、電子メールの件名が“RE:”で始まるとき、その電子メールを返信メールであると判定し、警告モード及び禁止モードでの送信制御の対象としない。なお、返信メールを送信制御の対象とするか否かは、サーバ装置50において(例えば、設定画面44を用いて)選択されてもよい。
また、送信が指示された電子メールの送信先電子メールアドレスのドメイン名が、送信元の電子メールアドレスのドメイン名と同じであるとき、その電子メールを送信制御の対象にしなくてもよい。送信先電子メールアドレスのドメイン名と送信元電子メールのドメイン名とが同じである際には、電子メールが誤送信されても、情報漏洩による影響が小さいことが想定される。そのため、宛先判定部604は、送信先電子メールアドレスのドメイン名と送信元電子メールのドメイン名とが同じであるとき、リスト61A,61B,61Cを用いた判定を行わずに(警告モード及び禁止モードでの送信制御の対象とせずに)、当該電子メールの送信をメール送信部607に要求してもよい。なお、送信元のドメイン名と同じドメイン名を有する電子メールアドレスに送信される電子メールを送信制御の対象とするか否かは、サーバ装置50において(例えば、設定画面44を用いて)選択されてもよい。
また、宛先抽出部602は、電子メールデータ63の内の監視対象(例えば、「メールヘッダと本文」)から、アラートキーワードとして設定されたキーワード(例えば、「社外秘」)を抽出してもよい。宛先抽出部602は、抽出されたキーワードを宛先判定部604に出力する。宛先判定部604は、アラートキーワードが抽出されたとき、表示制御部605に確認画面の表示を要求する。表示制御部605は、例えば、図17に示すような確認画面45を表示する。確認画面45は、例えば、電子メールの送信が中止されること(電子メールにアラートキーワードが含まれること)を示すメッセージを含む。また、表示制御部605は、送信中止部608に、電子メールの送信を中止することを要求する。そして、送信中止部608は、その電子メールの送信を中止する。アラートキーワードは、上述のように、例えば、サーバ装置50において(例えば、設定画面44のアラートキーワード入力エリア445を用いて)選択される。
また、メール送信部607は、電子メールの送信をメーラプログラム等に指示してもよい。つまり、メール送信部607は、電子メールの送信自体を行うのではなく、電子メールの送信を要求する信号をメーラプログラムに出力することによって、メーラプログラムにその電子メールを送信させる。換言すると、ユーザが電子メールの送信を指示してから、実際にメーラプログラムがメールを送信するまでの期間内に、監視モード、警告モード又は禁止モードで電子メールの送信を制御するための処理が行われる。
なお、警告モードでは、ホワイトリスト61Bやブラックリスト61Cを用いて、電子メールの宛先アドレスに基づく警告を行ってもよい。また、警告モード、ホワイトリストによる禁止モード及びブラックリストによる禁止モードで、送信された電子メールの宛先アドレスを宛先アドレスリスト61Aに追加する監視モードでの処理を実行してもよい。さらに、クライアント装置60は、ホワイトリスト61Bとブラックリスト61Cの両方を用いた禁止モードでも動作し得る。つまり、クライアント装置60は、ホワイトリスト61Bとブラックリスト61Cの両方を用いて、電子メールの送信を制御する。
なお、本実施形態の構成では、ユーザが電子メールの送受信に用いるクライアント装置60において電子メールの送信が制御されるので、例えば、メーラプログラムに上述の構成を付加することにより実現できる。そのため、メールサーバ等のサーバ装置を、クライアント装置60から送信される電子メールを制御する構成に変更するよりも安価に実現することができ、また、サーバ装置の負荷も増加しない。
次いで、図18に示すフローチャートを参照して、通信制御システム5によって実行されるリスト配信処理の手順の例について説明する。
サーバ装置5に設けられた宛先リスト送信部51は、リスト52A,52B,52Cが配信されるタイミングであるか否かを判定する(ブロックB501)。リスト52A,52B,52Cが送信されるタイミングでないとき(ブロックB501のNO)、ブロックB501に戻る。
リスト52A,52B,52Cが送信されるタイミングであるとき(ブロックB501のYES)、宛先リスト送信部51は、宛先リスト格納部52から、クライアント装置60に対応するリスト52A,52B,52Cを読み出す(ブロックB502)。そして、宛先リスト送信部51は、読み出されたリスト52A,52B,52Cを、クライアント装置60に設けられた宛先リスト受信部610に送信する(ブロックB503)。
宛先リスト受信部610は、宛先リスト送信部51によって送信されたリスト52A,52B,52Cを受信する(ブロックB504)。宛先リスト受信部610は、受信されたリスト52A,52B,52Cを宛先リスト編集部609に出力する。そして、宛先リスト編集部609は、宛先リスト受信部610によって出力されたリスト52A,52B,52Cを用いて、宛先リスト格納部61に格納されたリスト61A,61B,61Cを更新する(ブロックB505)。
以上の処理により、クライアント装置60(宛先リスト格納部61)に格納されるリスト61A,61B,61Cを、サーバ装置50に格納されるリスト52A,52B,52Cを用いて更新することができる。なお、更新されるリストは、リスト61A,61B,61Cの内の一つのリストであってもよい。その場合、宛先リスト送信部51は、その一つのリストに対応するリストを読み出し、宛先リスト受信部610に送信する。
次いで、図19に示すフローチャートを参照して、通信制御システム5によって実行される送信制御処理の手順の例について説明する。
まず、送信操作検出部601は、電子メールの送信を指示する操作が検出されたか否かを判定する(ブロックB11)。電子メールの送信を指示する操作が検出されていないとき(ブロックB11のNO)、ブロックB11に戻り、再度、電子メールの送信を指示する操作が検出されたか否かを判定する。
電子メールの送信を指示する操作が検出されたとき(ブロックB11のYES)、宛先抽出部602は、送信対象の電子メールデータから宛先の電子メールアドレスを抽出する(ブロックB12)。宛先抽出部602は、抽出された電子メールアドレスを宛先判定部604に出力する。
次いで、モード切替部603は、動作モードが監視モード、警告モード及び禁止モードのいずれであるかを判定する(ブロックB13)。動作モードが監視モードであるとき(ブロックB13の「監視モード」)、送信される電子メールの宛先アドレスを監視する監視処理が実行される(ブロックB14)。監視処理の手順は、図20に示すフローチャートを参照して後述する。
動作モードが警告モードであるとき(ブロックB13の「警告モード」)、送信される電子メールの宛先アドレスと宛先アドレスリスト61Aとに基づく警告処理が実行される(ブロックB15)。警告処理の手順は、図21に示すフローチャートを参照して後述する。
動作モードが禁止モードであるとき(ブロックB13の「禁止モード」)、送信される電子メールの宛先アドレスと、許可宛先リスト(ホワイトリスト)61B及び禁止宛先リスト(ブラックリスト)61Cとに基づく禁止処理が実行される(ブロックB16)。禁止処理の手順は、図22に示すフローチャートを参照して後述する。
次いで、図20は、図19のブロックB14に対応する監視処理の手順の例を示すフローチャートである。ここでは、送信対象の電子メールから複数の電子メールアドレスが抽出されたことを想定する。
まず、宛先判定部604は、宛先抽出部602によって抽出された電子メールアドレス(宛先アドレス)の内の、処理対象の電子メールアドレスが宛先アドレスリスト61Aに含まれているか否かを判定する(ブロックB21)。処理対象の電子メールアドレスが宛先アドレスリスト61Aに含まれていないとき(ブロックB21のNO)、宛先追加部606は、その処理対象の電子メールアドレスを宛先アドレスリスト61Aに追加する(ブロックB22)。
ブロックB22で電子メールアドレスを宛先アドレスリスト61Aに追加した後、又は処理対象の電子メールアドレスが宛先アドレスリスト61Aに含まれているとき(ブロックB21のYES)、宛先判定部604は、次の処理対象の電子メールアドレスがあるか否かを判定する(ブロックB23)。次の処理対象の電子メールアドレスがあるとき(ブロックB23のYES)、ブロックB21に戻る。
次の処理対象の電子メールアドレスがないとき(ブロックB23のNO)、メール送信部607は、電子メールを宛先抽出部602によって抽出された電子メールアドレスに送信する(ブロックB24)。
以上の処理により、監視モードでの処理を行うことができる。なお、この監視処理では、ブロックB24の電子メールを送信する手順が実行された後に、ブロックB21からブロックB23の手順が実行されてもよい。
また、図21は、図19のブロックB15に対応する警告処理の手順の例を示すフローチャートである。ここでは、送信対象の電子メールから複数の電子メールアドレスが抽出されたことを想定する。
まず、宛先判定部604は、宛先抽出部602によって抽出された電子メールアドレス(宛先アドレス)の内の、処理対象の電子メールアドレスが宛先アドレスリスト61Aに含まれているか否かを判定する(ブロックB301)。処理対象の電子メールアドレスが宛先アドレスリスト61Aに含まれていないとき(ブロックB301のNO)、宛先追加部606は、その処理対象の電子メールアドレスを第1アドレスリストに追加する(ブロックB302)。なお、第1アドレスリストは、警告処理の開始時(電子メールの送信を指示する操作が新たに検出されたとき)には、いずれの電子メールアドレスも含まれない空のリストである。
ブロックB302で電子メールアドレスを第1アドレスリストに追加した後、又は処理対象の電子メールアドレスが宛先アドレスリスト61Aに含まれているとき(ブロックB301のYES)、宛先判定部604は、次の処理対象の電子メールアドレスがあるか否かを判定する(ブロックB303)。次の処理対象の電子メールアドレスがあるとき(ブロックB303のYES)、ブロックB301に戻る。
次の処理対象の電子メールアドレスがないとき(ブロックB303のNO)、宛先判定部604は、第1アドレスリストが空のリストであるか否かを判定する(ブロックB304)。第1アドレスリストが空のリストであるとき(ブロックB304のYES)、メール送信部607は、電子メールを宛先抽出部602によって抽出された電子メールアドレスに送信する(ブロックB305)。
第1アドレスリストが空のリストでないとき(ブロックB304のNO)、表示制御部605は選択画面41を表示する(ブロックB306)。選択画面41には、例えば、電子メールの送信を続行するか否かを選択するためのボタンが表示される。
次いで、表示制御部605は、電子メールの送信が続行されるか否かを判定する(ブロックB307)。電子メールの送信が続行されるとき(ブロックB307のYES)、宛先追加部606は、第1アドレスリストに含まれる電子メールアドレスを宛先アドレスリスト61Aに追加する(ブロックB308)。そして、メール送信部607は、電子メールを宛先抽出部602によって抽出された電子メールアドレスに送信する(ブロックB309)。
一方、電子メールの送信が中止されるとき(ブロックB307のNO)、送信中止部608は電子メールの送信を中止する(ブロックB310)。送信中止部608は、電子メールの送信を指示する操作をキャンセルする。
また、図22は、図19のブロックB16に対応する禁止処理の手順の例を示すフローチャートである。ここでは、送信対象の電子メールから複数の電子メールアドレスが抽出されたことを想定する。
まず、宛先判定部604は、禁止モードで使用される宛先アドレスリストが許可宛先アドレスリスト(ホワイトリスト)61Bであるか否かを判定する(ブロックB401)。使用される宛先アドレスリストが許可宛先アドレスリスト61Bであるとき(ブロックB401のYES)、処理対象の電子メールアドレスが許可宛先アドレスリスト61Bに含まれるか否かを判定する(ブロックB402)。処理対象の電子メールアドレスが許可宛先アドレスリスト61Bに含まれるとき(ブロックB402のYES)、宛先判定部604は、次の処理対象の電子メールアドレスがあるか否かを判定する(ブロックB403)。そして、次の処理対象の電子メールアドレスがあるとき(ブロックB403のYES)、ブロックB402に戻る。一方、次の処理対象の電子メールアドレスがないとき(ブロックB403のNO)、メール送信部607は、電子メールを宛先抽出部602によって抽出された電子メールアドレスに送信する(ブロックB404)。
処理対象の電子メールアドレスが許可宛先アドレスリスト61Bに含まれないとき(ブロックB402のNO)、表示制御部605は確認画面42を表示する(ブロックB405)。確認画面42では、例えば、許可宛先アドレスリスト61Bに含まれない電子メールアドレスが宛先に設定されていることが通知される。次いで、送信中止部608は、電子メールの送信を中止する(ブロックB406)。なお、ブロックB406で電子メールの送信が中止される代わりに、メール送信部607は、宛先抽出部602によって抽出された電子メールアドレスの内、許可宛先アドレスリスト61Bに含まれる電子メールアドレスに電子メールを送信してもよい。
また、使用される宛先アドレスリストが禁止宛先アドレスリスト(ブラックリスト)61Cであるとき(ブロックB401のNO)、処理対象の電子メールアドレスが禁止宛先アドレスリスト61Cに含まれるか否かを判定する(ブロックB407)。処理対象の電子メールアドレスが禁止宛先アドレスリスト61Cに含まれないとき(ブロックB407のNO)、宛先判定部604は、次の処理対象の電子メールアドレスがあるか否かを判定する(ブロックB408)。そして、次の処理対象の電子メールアドレスがあるとき(ブロックB408のYES)、ブロックB407に戻る。一方、次の処理対象の電子メールアドレスがないとき(ブロックB408のNO)、メール送信部607は、電子メールを宛先抽出部602によって抽出された電子メールアドレスに送信する(ブロックB409)。
処理対象の電子メールアドレスが禁止宛先アドレスリスト61Cに含まれるとき(ブロックB407のYES)、表示制御部605は確認画面42を表示する(ブロックB410)。確認画面42では、例えば、禁止宛先アドレスリスト61Cに含まれる電子メールアドレスが宛先に設定されていることが通知される。次いで、送信中止部608は、電子メールの送信を中止する(ブロックB411)。なお、ブロックB411で電子メールの送信が中止される代わりに、メール送信部607は、宛先抽出部602によって抽出された電子メールアドレスの内、禁止宛先アドレスリスト61Cに含まれない電子メールアドレスに電子メールを送信してもよい。
なお、ブロックB405,B410で表示される確認画面42(図15参照)は、図16に示す確認画面43であってもよい。その場合、許可宛先アドレスリスト61Bに含まれる電子メールアドレス及び禁止宛先アドレスリスト61Cに含まれない電子メールアドレスには、電子メールが送信される。そして、許可宛先アドレスリスト61Bに含まれない電子メールアドレス及び禁止宛先アドレスリスト61Cに含まれる電子メールアドレスに、電子メールが送信されなかったことを示す確認画面43が表示される。
また、図23は、第2実施形態に係る電子機器の外観を示す斜視図である。この電子機器は、例えばノートブックタイプのパーソナルコンピュータ10として実現されている。また、携帯電話、スマートフォン、PDA等の通信機能を有する各種の電子機器としても実現され得る。図23に示すように、本コンピュータ10は、コンピュータ本体11と、ディスプレイユニット12とから構成されている。ディスプレイユニット12には、LCD(liquid crystal display)17が組み込まれている。ディスプレイユニット12は、コンピュータ本体11の上面が露出される開放位置とコンピュータ本体11の上面を覆う閉塞位置との間を回動自在にコンピュータ本体11に取り付けられている。
コンピュータ本体11は、薄い箱形の筐体を有しており、その上面には、キーボード13、本コンピュータ10を電源オン/電源オフするためのパワーボタン14、入力操作パネル15、タッチパッド16、スピーカ18A,18Bなどが配置されている。入力操作パネル15上には、各種操作ボタンが設けられている。
また、コンピュータ本体11の右側面には、例えばUSB(universal serial bus)2.0規格のUSBケーブルやUSBデバイスを接続するためのUSBコネクタ19が設けられている。
図24は、本コンピュータ10のシステム構成を示す図である。
本コンピュータ10は、図24に示されているように、CPU(central processing unit)101、ノースブリッジ102、主メモリ103、サウスブリッジ104、GPU(Graphics Processing Unit)105、VRAM(ビデオRAM:random access memory)105A、サウンドコントローラ106、BIOS−ROM(basic input/output system-read only memory)107、LAN(local area network)コントローラ108、ハードディスクドライブ(HDD)109、光ディスクドライブ(ODD)110、USBコントローラ111A、カードコントローラ111B、無線LANコントローラ112、エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラ(EC/KBC)113、EEPROM(electrically erasable programmable ROM)114等を備える。
CPU101は、本コンピュータ10内の各部の動作を制御するプロセッサである。CPU101は、HDD109から主メモリ103にロードされる、オペレーティングシステム(OS)201、電子メール送信制御プログラム202、各種アプリケーションプログラム等を実行する。電子メール送信制御プログラム202は、コンピュータ10から送信される電子メールの送信を制御するためのソフトウェアである。電子メール送信制御プログラム202は、電子メール(以下、メールとも云う)の送信が指示されたとき、その電子メールが送信される前に、宛先に応じて電子メールの送信を制御する。電子メール送信制御プログラム202は、コンピュータ10上で実行されるメーラプログラムに組み込まれてもよい。
また、CPU101は、BIOS−ROM107に格納されたBIOSも実行する。BIOSは、ハードウェア制御のためのプログラムである。
ノースブリッジ102は、CPU101のローカルバスとサウスブリッジ104との間を接続するブリッジデバイスである。ノースブリッジ102には、主メモリ103をアクセス制御するメモリコントローラも内蔵されている。また、ノースブリッジ102は、例えば、PCI EXPRESS規格のシリアルバスなどを介してGPU105との通信を実行する機能も有している。
GPU105は、本コンピュータ10のディスプレイモニタとして使用されるLCD17を制御する表示コントローラである。このGPU105によって生成される表示信号はLCD17に送られる。
サウスブリッジ104は、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス上の各デバイス及びLPC(Low Pin Count)バス上の各デバイスを制御する。また、サウスブリッジ104は、HDD109及びODD110を制御するためのIDE(Integrated Drive Electronics)コントローラを内蔵している。さらに、サウスブリッジ104は、サウンドコントローラ106との通信を実行する機能も有している。
サウンドコントローラ106は音源デバイスであり、再生対象のオーディオデータをスピーカ18A,18Bに出力する。LANコントローラ108は、例えばIEEE 802.3規格の有線通信を実行する有線通信デバイスであり、一方、無線LANコントローラ112は、例えばIEEE 802.11g規格の無線通信を実行する無線通信デバイスである。USBコントローラ111Aは、(USBコネクタ19を介して接続される)例えばUSB 2.0規格に対応した外部機器との通信を実行する。
EC/KBC113は、電力管理のためのエンベデッドコントローラと、キーボード13及びタッチパッド16を制御するためのキーボードコントローラとが集積された1チップマイクロコンピュータである。EC/KBC113は、ユーザによるパワーボタン14の操作に応じて本コンピュータ10を電源オン/電源オフする機能を有している。
次いで、図25を参照して、電子メール送信制御プログラム202の機能構成について説明する。電子メール送信制御プログラム202は、例えば、電子メールを作成し、送信するための機能を有するメーラプログラムと連携して動作する。また、電子メール送信制御プログラム202が備える構成をメーラプログラムに組み込んでもよい。
電子メール送信制御プログラム202は、送信操作検出部301、宛先抽出部302、モード切替部303、宛先判定部304、表示制御部305、宛先追加部306、メール送信部307、及び送信中止部308を備える。電子メール送信制御プログラム202は、記憶装置(例えば、HDD109)内に設けられたアドレス帳格納部32及び宛先リスト格納部31に対して、データの読み出し及び書き込みを行う。アドレス帳格納部32には、アドレス帳データ32Aが格納されている。また、宛先リスト格納部31には、宛先アドレスリスト31A,31B,31C(以下、宛先リストとも云う)が格納されている。
電子メール送信制御プログラム202では、送信操作検出部301、宛先抽出部302、モード切替部303、宛先判定部304、表示制御部305、宛先追加部306、メール送信部307、及び送信中止部308によって、第1実施形態と同様にして、監視モード、警告モード及び禁止モードによる処理が実現される。
なお、宛先リスト編集部309は、アドレス帳格納部32に格納されたアドレス帳データ32Aを用いて、宛先アドレスリスト31Aの初期値となる電子メールアドレスを入力してもよい。このアドレス帳データ32Aは、例えば、メーラプログラム等で用いられているアドレス帳に登録された電子メールアドレスを含む。宛先リスト編集部309は、アドレス帳データ32Aに含まれる電子メールアドレスを読み出し、宛先アドレスリスト31Aに読み出された電子メールアドレスを追加する。
なお、第1実施形態に係る通信制御システム5を構成するサーバ装置50とクライアント装置60とは、図23及び図24を参照して説明したシステム構成と同様の構成によって実現され得る。
以上説明したように、上記実施形態によれば、ユーザによる電子メールの利用状況に応じて電子メールの送信を制御できる。上記実施形態では、警告モードにおいて宛先アドレスリストに含まれない電子メールアドレスに電子メールが送信されることを警告し、禁止モードにおいてホワイトリストに含まれない電子メールアドレス又はブラックリストに含まれる電子メールアドレスに電子メールが送信されることを禁止し、監視モードにおいて電子メールの宛先を示す送信先電子メールアドレスを宛先アドレスリストに追加する。これら動作モードが切り替えられることによって、ユーザによる電子メールの利用状況に応じて電子メールの送信を制御することができる。
なお、上記実施形態のリスト配信処理及び送信制御処理の手順は全てソフトウェアによって実行することができる。このため、リスト配信処理及び送信制御処理の手順を実行するプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を通じてこのプログラムを通常のコンピュータにインストールして実行するだけで、上記実施形態と同様の効果を容易に実現することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。