JP2010211482A - 三次元入力タッチパネル機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】抵抗膜式タッチパネルであって、押圧した指(またはペン)の位置のみならず、押圧の応力を感知することができる、構造が簡単で実用性に優れたタッチパネルを提供する。
【解決手段】画像表示体(A)の表面上に、圧電素子層の両面に導電性層を有する透明圧電素子構造体(B)を存在させ、さらにその圧電素子構造体(B)の表面上に、導電性層を上部基板の片面に有する上部基板層および導電性層を下部基板の片面にする下部基板層よりなり、2つの導電性層がスペーサーを介して互いに向い合うように構成したタッチパネル構造体(C)を積層し、かくしてタッチパネル構造体(C)の上部表面からの押圧により、押圧の位置並びに押圧の応力を感知するようにしたことを特徴とする三次元入力可能なタッチパネル機器。
【選択図】図1
【解決手段】画像表示体(A)の表面上に、圧電素子層の両面に導電性層を有する透明圧電素子構造体(B)を存在させ、さらにその圧電素子構造体(B)の表面上に、導電性層を上部基板の片面に有する上部基板層および導電性層を下部基板の片面にする下部基板層よりなり、2つの導電性層がスペーサーを介して互いに向い合うように構成したタッチパネル構造体(C)を積層し、かくしてタッチパネル構造体(C)の上部表面からの押圧により、押圧の位置並びに押圧の応力を感知するようにしたことを特徴とする三次元入力可能なタッチパネル機器。
【選択図】図1
Description
本発明は、三次元入力可能なタッチパネル機器に関するものである。さらに詳しくは、抵抗膜方式を用いた三次元入力可能なタッチパネル機器に関するものである。
最近、指入力またはペン入力によるモバイル情報端末として抵抗膜式タッチパネルの用途が拡大しつつある。この抵抗膜式タッチパネルには、特殊なペンを使用しないで、指や普通のペンの押圧により容易に入力でき、しかも低コスト化も比較的簡単であるという利点を有している。
この抵抗膜式タッチパネルは、上部基板層と下部基板層との間に、スペーサーによる空間層を設け、上部基板層と下部基板層のそれぞれの表面に形成された透明導電性層を押圧により物理的に接触(タッチ)させ、その接触位置を二次元的に感知する構造となっている。
抵抗膜式タッチパネルにおける透明導電性層の材料としては、ITO(Indium Tin Oxide)膜、ZnO膜、ITO微粉末層や導電性高分子膜が使用される(例えば特許文献1および特許文献2参照)。
また、抵抗膜式タッチパネルにおいて、上部基板としては、通常ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの如き透明フィルムが使用され、下部基板としてはこの透明フィルムの他に、ガラスシートや樹脂シート(例えばポリカーボネートシート)が使用される。
この抵抗膜式タッチパネルは、上部基板層と下部基板層との間に、スペーサーによる空間層を設け、上部基板層と下部基板層のそれぞれの表面に形成された透明導電性層を押圧により物理的に接触(タッチ)させ、その接触位置を二次元的に感知する構造となっている。
抵抗膜式タッチパネルにおける透明導電性層の材料としては、ITO(Indium Tin Oxide)膜、ZnO膜、ITO微粉末層や導電性高分子膜が使用される(例えば特許文献1および特許文献2参照)。
また、抵抗膜式タッチパネルにおいて、上部基板としては、通常ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの如き透明フィルムが使用され、下部基板としてはこの透明フィルムの他に、ガラスシートや樹脂シート(例えばポリカーボネートシート)が使用される。
一方強誘電性の物質として、圧電性、焦電性、電気光学効果或いは非線形光学効果を有する物質の開発も活性化している。これら特性を有する物質を利用して、赤外センサー、マイクロホン、スピーカー、血圧計、地震計、ソナー、キーボードスイッチ、ロボット用センサーなどのデバイスも実用化されている。これら強誘電性の物質のうち、薄膜化や積層化が容易でしかも透明性に優れた物質として、I型結晶構造を高い割合で含有するフッ化ビニリデンの単独重合体または共重合体が開発された(特許文献3および特許文献4参照)。
本発明者は、抵抗膜式タッチパネルの優れた実用性をさらに拡大すべく、その拡大の1つの方向として二次元の感知機能を三次元化することについて研究を進めた。三次元化機能を持つ素材として、薄膜化が容易で且つ透明性に優れた圧電素子の利用について研究を進めた。先ず従来のタッチパネルの表面に薄膜状の圧電素子構造体を積層し、三次元入力可能なタッチパネルを作成した。この積層した構造体は、三次元感知機能は達成できたが実用性という点から見れば不満足なものであった。すなわちこの構造体は、圧電素子構造体が指やペンで押される面が表面に露出しているために、表面の光学特性や表面硬度の向上のために、種々の機能を有する表面の加工やフィルムの積層が必要となり、加工コストの増大のみならず、光透過率の低下などの問題が発生することが判った。
本発明者は、これらの問題を改善すべくタッチパネル構造体と画像表示面との間に、薄膜状の圧電素子構造体を挿入した機器について研究を行った。その結果、タッチパネル構造体としては、その表面の光特性及び表面硬度などの優れた実用性をそのまま利用しつつ、下部基板の材料としてガラスシートや樹脂シートの代りに透明フィルムを使用した場合、タッチパネルの表面の押圧に対して圧電素子の感知機能は充分対応できること、圧電素子構造体は、その表面にタッチパネル構造体が積層された構造であるので、その表面特性に特別の配慮を必要としないでよいことを見出し本発明に到達した。
すなわち、本発明によれば、上部基板及び下部基板として透明フィルムを使用したタッチパネル構造体/薄膜状の圧電素子構造体/画像表示装置の積層構造とすることによって三次入力が可能なタッチパネル機器が提供できることが見出された。
すなわち、本発明によれば、上部基板及び下部基板として透明フィルムを使用したタッチパネル構造体/薄膜状の圧電素子構造体/画像表示装置の積層構造とすることによって三次入力が可能なタッチパネル機器が提供できることが見出された。
本発明によれば、画像表示体(A)の表面上に、圧電素子層の両面に導電性層を有する透明圧電素子構造体(B)を存在させ、さらにその圧電素子構造体(B)の表面上に、導電性層を上部基板の片面に有する上部基板層および導電性層を下部基板の片面にする下部基板層よりなり、2つの導電性層がスペーサーを介して互いに向い合うように構成したタッチパネル構造体(C)を積層し、かくしてタッチパネル構造体(C)の上部表面からの押圧により、押圧の位置並びに押圧の応力を感知するようにしたことを特徴とする三次元入力可能なタッチパネル機器が提供される。
さらに本発明によれば、下記(1)〜(9)のタッチパネル機器が提供される。
(1)
圧電素子構造体(B)における圧電素子層が、I型結晶構造を主成分とするフッ化ビニリデンの単独重合体または共重合体で形成されている前記記載のタッチパネル機器。
(2)
圧電素子構造体(B)における圧電素子層が、I型結晶構造を有するフッ化ビニリデンの単独重合体または共重合体の含有率が60重量%以上であるフッ化ビニリデンの単独重合体または共重合体で形成されている前記記載のタッチパネル機器。
(3)
圧電素子構造体(B)における圧電素子層が、シリコーン膜上に形成されたI型結晶構造を主成分とするフッ化ビニリデンの単独重合体または共重合体よりなる層である前記記載のタッチパネル機器。
(4)
圧電素子構造体(B)が、I型結晶構造を主成分とするフッ化ビニリデンの単独重合体または共重合体より形成された圧電素子層の両面に、ITO膜が形成された複合膜よりなる前記記載のタッチパネル機器。
(5)
タッチパネル構造体(C)における上部基板および下部基板は、いずれも透明フィルムである前記記載のタッチパネル機器。
(6)
タッチパネル構造体(C)における上部基板および下部基板は、いずれもポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムである前記記載のタッチパネル機器。
(7)
タッチパネル構造体(C)は、ITO膜を片面に有する透明フィルムを上部基板層および下部基板層として、2つのITO膜面がスペーサーを介して互いに向い合うように構成されている前記記載のタッチパネル機器。
(8)
画像表示体(A)は、液晶表示体である前記記載のタッチパネル機器。
(9)
タッチパネル構造体(C)の最表面は、さらにハードコート層および/または偏光防止膜が形成されている前記記載のタッチパネル機器。
さらに本発明によれば、下記(1)〜(9)のタッチパネル機器が提供される。
(1)
圧電素子構造体(B)における圧電素子層が、I型結晶構造を主成分とするフッ化ビニリデンの単独重合体または共重合体で形成されている前記記載のタッチパネル機器。
(2)
圧電素子構造体(B)における圧電素子層が、I型結晶構造を有するフッ化ビニリデンの単独重合体または共重合体の含有率が60重量%以上であるフッ化ビニリデンの単独重合体または共重合体で形成されている前記記載のタッチパネル機器。
(3)
圧電素子構造体(B)における圧電素子層が、シリコーン膜上に形成されたI型結晶構造を主成分とするフッ化ビニリデンの単独重合体または共重合体よりなる層である前記記載のタッチパネル機器。
(4)
圧電素子構造体(B)が、I型結晶構造を主成分とするフッ化ビニリデンの単独重合体または共重合体より形成された圧電素子層の両面に、ITO膜が形成された複合膜よりなる前記記載のタッチパネル機器。
(5)
タッチパネル構造体(C)における上部基板および下部基板は、いずれも透明フィルムである前記記載のタッチパネル機器。
(6)
タッチパネル構造体(C)における上部基板および下部基板は、いずれもポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムである前記記載のタッチパネル機器。
(7)
タッチパネル構造体(C)は、ITO膜を片面に有する透明フィルムを上部基板層および下部基板層として、2つのITO膜面がスペーサーを介して互いに向い合うように構成されている前記記載のタッチパネル機器。
(8)
画像表示体(A)は、液晶表示体である前記記載のタッチパネル機器。
(9)
タッチパネル構造体(C)の最表面は、さらにハードコート層および/または偏光防止膜が形成されている前記記載のタッチパネル機器。
本発明のタッチパネル機器は、従来の二次元入力のタッチパネルに対して三次元入力可能な機能を有している。すなわち、指やペンにより押圧入力した位置の感知のみならず、押圧方向の応力や押圧の幅も同時に感知することができる。従って従来のタッチパネルに対して新しい機能を付与したモバイル情報端末である。本発明のタッチパネル機器は、従来の抵抗膜式タッチパネルに対して、その構造を利用しつつ、若干変更することによって組立てることができ、コストも安価でありかつ耐久性にも優れ、実用性に優れたものである。
本発明のタッチパネル機器の構造及び機能を図面により説明する。図1は本発明のタッチパネル機器の押圧面(タッチ面)の表面からの直角断面構造を模式的に示すものである。図1は説明を簡単にするために、基本的構造部分を示すものであって、付属する装置や機器は図示されていない。例えば必要な導電線、感知器、額縁部などは図面上省略されている。
本発明のタッチパネル機器は、図1に示すように画像表示体(A)の表示面1の上に、透明圧電素子構造体(B)およびタッチパネル構造体(C)がこの順序で積層し、構成されている。図1のようにタッチパネル構造体(C)の表面を、指11で押圧すると、タッチパネル構造体(C)における上部基板9の表面に形成された導電性層8と、下部基板5の表面に形成された導電性層6とが部分的に接触し、その位置を感知する。一方指11の押圧により圧電素子層3もその圧力を感知し、圧電素子構造体(B)は、その押圧の応力や幅を感知する。
本発明のタッチパネル機器は、図1に示すように画像表示体(A)の表示面1の上に、透明圧電素子構造体(B)およびタッチパネル構造体(C)がこの順序で積層し、構成されている。図1のようにタッチパネル構造体(C)の表面を、指11で押圧すると、タッチパネル構造体(C)における上部基板9の表面に形成された導電性層8と、下部基板5の表面に形成された導電性層6とが部分的に接触し、その位置を感知する。一方指11の押圧により圧電素子層3もその圧力を感知し、圧電素子構造体(B)は、その押圧の応力や幅を感知する。
図1において、タッチパネル構造体(C)と圧電素子構造体(B)との間に空間が存在し、また圧電素子構造体(B)と画像表示体(A)との間に空間が存在しているが、これら空間は、それぞれの構造を説明するためであって実装した場合、これらの空間は存在しない。すなわち(C)と(B)および(B)と(A)は密着していてもよく、また接着剤などにより接合していてもよい。
以下、本発明のタッチパネル機器を構成する画像表示体(A)、圧電素子構造体(B)およびタッチパネル構造体(C)のそれぞれについて具体的に説明する。
(1)画像表示体(A)
以下、本発明のタッチパネル機器を構成する画像表示体(A)、圧電素子構造体(B)およびタッチパネル構造体(C)のそれぞれについて具体的に説明する。
(1)画像表示体(A)
図1には画像表示体(A)の表示面1のみ図示され、画像表示体の本体には図示されていない。画像表示体(A)としては携帯端末、カーナビ端末、ゲーム機端末、その他種々の情報端末であることができる。画像表示体(A)の表示面1は、通常ガラスシート、プラスチックシートの如き剛性のある比較的厚みのある面であることが望ましく、これらシートは一般に500μm〜2000μm、好ましくは500μm〜1000μmの厚みを有している。
画像表示体(A)の表示面11の表面は、ガラスシートやプラスチックシートそのものであってもよいが、さらにその表面に偏光防止膜、反射防止膜などが形成されていてもよい。また、画像表示体としては、液晶表示、プラズマ表示、有機LED表示や表面電界表示などいずれの画像表示体であることができるが、液晶表示体が望ましい。
(2)圧電素子構造体(B)
画像表示体(A)の表示面11の表面は、ガラスシートやプラスチックシートそのものであってもよいが、さらにその表面に偏光防止膜、反射防止膜などが形成されていてもよい。また、画像表示体としては、液晶表示、プラズマ表示、有機LED表示や表面電界表示などいずれの画像表示体であることができるが、液晶表示体が望ましい。
(2)圧電素子構造体(B)
本発明のタッチパネル機器において、圧電素子構造体(B)は、画像表示体(A)とタッチパネル構造体(C)との間に介在している。この圧電素子構造体(B)は圧電素子層3の両面に導電性層2および4が形成された構造を有している。圧電素子構造体(B)は透明であることが必要であり、そのため圧電素子層3およびその両面に形成されている導電性層(2および4)は、いずれも透明であることが要求される。
圧電素子構造体(B)における圧電素子層3に使用される圧電素子の材料としては、薄い層を形成することができかつ透明性を有する、圧電により強誘電性を発現できるものであればよい。圧電素子層3を形成できる材料としては、特許文献3および4に記載されているような、I型結晶構造を有するフッ化ビニリデンの単独重合体もしくは共重合体が好適なものとして挙げられる。この共重合体としては、フッ化ビニリデンと三フッ化エチレンのコポリマーが例示される。以下、フッ化ビニリデンの単独重合体および共重合体を総称して、“ポリフッ化ビニリデン”という。
圧電素子構造体(B)における圧電素子層3に使用される圧電素子の材料としては、薄い層を形成することができかつ透明性を有する、圧電により強誘電性を発現できるものであればよい。圧電素子層3を形成できる材料としては、特許文献3および4に記載されているような、I型結晶構造を有するフッ化ビニリデンの単独重合体もしくは共重合体が好適なものとして挙げられる。この共重合体としては、フッ化ビニリデンと三フッ化エチレンのコポリマーが例示される。以下、フッ化ビニリデンの単独重合体および共重合体を総称して、“ポリフッ化ビニリデン”という。
圧電素子層3を形成しているポリフッ化ビニリデンは、I型結晶構造の含有率が高い程、誘電特性に優れ、その含有率が50重量%以上、好ましくは60重量%以上、特に好ましくは70重量%以上であるのが望ましい。最も好ましくは80重量%以上、特に90重量%以上であるのが有利である。
圧電素子層を形成させる方法としては、薄膜(層)を形成させるときに、I型結晶構造が前記高い含有率で形成される方法が望ましく、具体的には機能性官能基(例えば、−CH=CH2、−SH、−OH、−Si(OC2H5)3または−OCOCH=CH2など)を末端に有するポリフッ化ビニリデンの有機溶媒溶液を基板上に塗布し、薄膜(層)を形成させる方法、前記ポリフッ化ビニリデンの粉末を真空蒸着により基板上に薄膜(層)を形成させる方法がある。また特開2008-238470号公報に記載されている方法、すなわち、ポリフッ化ビニリデンの塗膜表面上に、フッ化ビニリデンのオリゴマーを蒸着させて得られた積層体は、オリゴマー層のI型結晶構造の含有率が高く、強誘電性を示すので、圧電素子層として使用することができる。
圧電素子層を形成させる方法としては、薄膜(層)を形成させるときに、I型結晶構造が前記高い含有率で形成される方法が望ましく、具体的には機能性官能基(例えば、−CH=CH2、−SH、−OH、−Si(OC2H5)3または−OCOCH=CH2など)を末端に有するポリフッ化ビニリデンの有機溶媒溶液を基板上に塗布し、薄膜(層)を形成させる方法、前記ポリフッ化ビニリデンの粉末を真空蒸着により基板上に薄膜(層)を形成させる方法がある。また特開2008-238470号公報に記載されている方法、すなわち、ポリフッ化ビニリデンの塗膜表面上に、フッ化ビニリデンのオリゴマーを蒸着させて得られた積層体は、オリゴマー層のI型結晶構造の含有率が高く、強誘電性を示すので、圧電素子層として使用することができる。
圧電素子層3は、厚さが1nm〜10μm、好ましくは5nm〜1μm、特に好ましくは10nm〜500nmであるのが望ましい。また、圧電素子層3の両面に形成される導電性層(2および4)としては、透明であり導電性を有するものであればよく、例えばITO膜、ZnO膜、ITO微粉末層や導電性高分子膜などが挙げられるが、ITO膜が実用的に好ましい。圧電素子構造体(B)の厚さは、前記圧電素子層の厚みに、導電性層の厚みを加えた厚みとなり、5nm〜50μm、好ましくは10nm〜30μm、特に好ましくは20nm〜20μmが有利である。
(3)タッチパネル構造体(C)
(3)タッチパネル構造体(C)
タッチパネル構造体(C)としては、抵抗膜式のタッチパネルを基本的構造として使用することができる。本発明のタッチパネル機器においては、タッチパネル構造体(C)として、上部基板9および下部基板5として、いずれも透明性のある薄いフィルムが使用される。上部基板および下部基板がいずれも薄いフィルムであることによって、表面からの押圧による指の応力が、タッチパネル構造体(C)のみならず、その下部の圧電素子構造体(B)にまで達する。タッチパネル構造体(C)の上部基板9および下部基板5として使用されるフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの如きポリエステルフィルムやポリカーボネートフィルムが好ましいが、特にPETフィルムが透明性および剛性の点で好ましい。上部基板9および下部基板5としては同じフィルムである必要はなく、種類や厚みが異なっていてもよい。フィルムは80〜250μm、好ましくは90〜230μm、特に好ましくは100〜200μmの厚みを有するものが好ましい。
上部基板9および下部基板5の片面に形成される導電性層8および6としては、抵抗膜式タッチパネルに通常使用されている導電性層であればよく、例えばITO膜、ZnO膜、ITO微粉末層、ナノカーボンチューブ(NCT)層および導電性高分子膜などが挙げられるが、これらのうち、ITO膜が好ましい。導電性層の厚みは、ITO膜やZnO膜の場合10nm〜50nmであるのが好ましく、ITO微粉末層、ナノカーボンチューブ層や導電性高分子膜の場合、0.01μm〜5μmであるのが好ましい。
タッチパネル構造体(C)は、図1に示すように、導電性層8を上部基板9の片面に有する上部基板層および導電性層6を下部基板5の片面に有する下部基板層よりなり、2つの導電性層(8および6)がスペーサー10を介して互いに向い合うように構成されている。上部基板層と下部基板層とは、その周辺端部がシール材7によりシールされている。シール材の材質としてはアクリル系の両面粘着テープ(厚さ約80〜120μm)を使用することができる。
タッチパネル構造体(C)は、図1に示すように、導電性層8を上部基板9の片面に有する上部基板層および導電性層6を下部基板5の片面に有する下部基板層よりなり、2つの導電性層(8および6)がスペーサー10を介して互いに向い合うように構成されている。上部基板層と下部基板層とは、その周辺端部がシール材7によりシールされている。シール材の材質としてはアクリル系の両面粘着テープ(厚さ約80〜120μm)を使用することができる。
本発明のタッチパネル機器の最表面(タッチ面)は、上部基板9のフィルムであるが、そのフィルムの表面にさらにハードコート層が形成されていてもよい。ハードコート層としては、オルガノシロキサンなどのシリコーン樹脂やメラミン樹脂の層が挙げられる。これらハードコート層は1〜50μm、好ましくは2〜40μmの厚みを有することにより、耐摩耗性や耐擦傷性が向上する。また上部基板9のフィルムの表面にはさらに反射防止膜を形成させることもできる。この反射防止膜としては、二酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化チタンなどの金属酵化物を真空蒸着法やスパッタリング法により形成したものであることができる。
(4)タッチパネル機器の実装
本発明のタッチパネル機器は、画像表示体(A)の表面に透明圧電素子構造体(B)およびタッチパネル構造体(C)をこの順序で積み重ねて構成される。圧電素子構造体(B)およびタッチパネル構造体(C)は、それぞれ押圧した応力および位置を電気的に感知し、その感知を検知するための機器並びにその機器へ導電するための導電ラインを有している。これら導電ラインや検知機器は図1には示されてはいない。画像表示体(A)圧電素子構造体(B)およびタッチパネル構造体(C)は、重ねて実装される。その際そのまま重ねて枠で固定化してもよく、また接着剤を間に介在させて固定化してもよい。
本発明のタッチパネル機器は、画像表示体(A)の表面に透明圧電素子構造体(B)およびタッチパネル構造体(C)をこの順序で積み重ねて構成される。圧電素子構造体(B)およびタッチパネル構造体(C)は、それぞれ押圧した応力および位置を電気的に感知し、その感知を検知するための機器並びにその機器へ導電するための導電ラインを有している。これら導電ラインや検知機器は図1には示されてはいない。画像表示体(A)圧電素子構造体(B)およびタッチパネル構造体(C)は、重ねて実装される。その際そのまま重ねて枠で固定化してもよく、また接着剤を間に介在させて固定化してもよい。
(A) 画像表示体の表示面
(B) 透明圧電素子構造体
(C) タッチパネル構造体
1 画像表示装置の表示面
2 導電性層
3 圧電素子層
4 導電性層
5 下部基板
6 導電性層
7 シール材
8 導電性層
9 上部基板
10 スペーサー
11 指
(B) 透明圧電素子構造体
(C) タッチパネル構造体
1 画像表示装置の表示面
2 導電性層
3 圧電素子層
4 導電性層
5 下部基板
6 導電性層
7 シール材
8 導電性層
9 上部基板
10 スペーサー
11 指
Claims (10)
- 画像表示体(A)の表面上に、圧電素子層の両面に導電性層を有する透明圧電素子構造体(B)を存在させ、さらにその圧電素子構造体(B)の表面上に、導電性層を上部基板の片面に有する上部基板層および導電性層を下部基板の片面にする下部基板層よりなり、2つの導電性層がスペーサーを介して互いに向い合うように構成したタッチパネル構造体(C)を積層し、かくしてタッチパネル構造体(C)の上部表面からの押圧により、押圧の位置並びに押圧の応力を感知するようにしたことを特徴とする三次元入力可能なタッチパネル機器。
- 圧電素子構造体(B)における圧電素子層が、I型結晶構造を主成分とするフッ化ビニリデンの単独重合体または共重合体で形成されている請求項1記載のタッチパネル機器。
- 圧電素子構造体(B)における圧電素子層が、I型結晶構造を有するフッ化ビニリデンの単独重合体または共重合体の含有率が60重量%以上であるフッ化ビニリデンの単独重合体または共重合体で形成されている請求項1記載のタッチパネル機器。
- 圧電素子構造体(B)における圧電素子層が、シリコーン膜上に形成されたI型結晶構造を主成分とするフッ化ビニリデンの単独重合体または共重合体よりなる層である請求項1記載のタッチパネル機器。
- 圧電素子構造体(B)が、I型結晶構造を主成分とするフッ化ビニリデンの単独重合体または共重合体より形成された圧電素子層の両面に、ITO膜が形成された複合膜よりなる請求項1記載のタッチパネル機器。
- タッチパネル構造体(C)における上部基板および下部基板は、いずれも透明フィルムである請求項1記載のタッチパネル機器。
- タッチパネル構造体(C)における上部基板および下部基板は、いずれもポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムである請求項1記載のタッチパネル機器。
- タッチパネル構造体(C)は、ITO膜を片面に有する透明フィルムを上部基板層および下部基板層として、2つのITO膜面がスペーサーを介して互いに向い合うように構成されている請求項1記載のタッチパネル機器。
- 画像表示体(A)は、液晶表示体である請求項1記載のタッチパネル機器。
- タッチパネル構造体(C)の最表面は、さらにハードコート層および/または偏光防止膜が形成されている請求項1記載のタッチパネル機器。
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Cited By (6)
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