JP2010026938A - タッチパネル - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、押圧の高さの検出が可能であり、かつ透明性が高いタッチパネルを提供する事を目的とする。
【解決手段】ポリフッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体を含有する圧電体層と、
前記圧電体層の一方の表面上に設けられた第1の電極と、
当該圧電体層の他方の表面上に設けられた第2の電極と、
を含むタッチパネル。
【選択図】図2
【解決手段】ポリフッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体を含有する圧電体層と、
前記圧電体層の一方の表面上に設けられた第1の電極と、
当該圧電体層の他方の表面上に設けられた第2の電極と、
を含むタッチパネル。
【選択図】図2
Description
本発明はタッチパネルに関する。
近年、液晶ディスプレー等の表示装置の前面に入力装置であるタッチパネルを設置した表示および入力装置が実用化され、携帯電話機等の携帯機器および家庭電化製品の操作パネル等に用いられている。タッチパネルを用いた表示および入力装置は、ユーザーが画面上の表示を押すことで直感的に機器を操作する事を可能にする。
これまでに実用化させているタッチパネルでは、ユーザーが押した位置を検出できるのみであり、ユーザーが押した強さを検出する事はできなかった。この課題に関して、特許文献1には、特定の構造を有し、筆圧の加減等の詳細な入力情報を所得する入力装置を備えた電子ペーパが開示されている。
一方、タッチパネルを用いた表示および入力装置において、タッチパネルは表示装置の前面に設置するので、表示装置の表示の視認性を高めるため、タッチパネルの透明性が高いことが求められる。
上記特許文献1には、透明性を有するタッチパネルが開示されているものの、更に透明性が高いタッチパネルの開発が望まれている。
特開2006−163619号公報
本発明は、押圧の高さ(強さ)の検出が可能であり、かつ透明性が高いタッチパネルを提供する事を目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討を行った結果、ポリフッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体を含有する圧電体層を用いることで、押圧の高さの検出が可能であり、かつ透明性が高いタッチパネルが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明のタッチパネルは、ポリフッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体を含有する圧電体層と、
前記圧電体層の一方の表面上に設けられた第1の電極と、
当該圧電体層の他方の表面上に設けられた第2の電極と、
を含む。
前記圧電体層の一方の表面上に設けられた第1の電極と、
当該圧電体層の他方の表面上に設けられた第2の電極と、
を含む。
ポリフッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体を含有する圧電体層を用いる事で、押圧の高さの検出が可能であり、かつ透明性が高いタッチパネルを提供する事が可能となる。
本発明のタッチパネルは、押圧の高さの検出が可能であり、かつ透明性が高い。
以下に、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。理解し易さを優先するため、これらの図面は、各寸法の比を正確に表してはいない。また、以下で説明される構成要件が、全て、本発明に必須の構成要件であるということではない。なお、以下の図において同符号のものは同様の意味を表す。
図1は、本発明のタッチパネルの一実施態様(タッチパネル100)を示す図である。
複数の第1の電極1は、圧電体層3の一方の表面上に、X方向に延存している。
複数の第2の電極2は、圧電体層3の他方の表面上に、Y方向に延存している。
第1の電極1および第2の電極2は、圧電体層3から延出し、検出装置(図示せず)に接続されている。例えば、第1の電極1は検出装置に接続され、第2の電極2は、基準の電圧に設定されている。
第1の電極1、圧電体層3、および第2の電極2は、これらを保護する第1の保護層(図示せず)および第2の保護層(図示せず)に挟まれている。
したがって、図2に示すように、タッチパネル100は、下記の記載順に積層された、第1の保護層4、第1の電極の層10、圧電体層3、第2の電極の層20、および第1の保護層5によって構成される。
第1の電極1、および第2の電極2は、透明性を有するものであればよく、例えば、ITO(酸化インジウム・スズ)、または酸化スズ等が用いられる。このような電極は、保護膜の表面にスパッタ法や蒸着法などにより成形することができる。また、第1の電極1、および第2の電極2として、チオフェン系導電性ポリマー、ポリアニリン、またはポリピロール等の導電性ポリマーを用いることができる。このような電極はインクジェット法などの公知の塗布法により形成することが出来る。
圧電体層3は、ポリフッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体を含有する層(膜)である。
圧電体層3は、その圧電性および透明性を害さない範囲で、樹脂フィルムに添加される添加剤を含有してもよい。好ましくは、圧電体層3は、ポリフッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体からなる層である。
ポリフッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体における、ポリフッ化ビニリデン:四フッ化エチレン(モル比)は、圧電性の観点から、50:50〜90:10が好ましく、65:35〜80:20がより好ましい。
圧電体層3の厚さは、通常、20μm〜300μmであり、透明性の観点から、好ましくは、50μm〜200μmである。
圧電体層3は、例えば、有機溶媒(例、メチルエチルケトン、ジメチルアセトアミド)に溶解したポリフッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体の溶液を、第1の電極1を設けた第1の保護層4に塗布し、溶媒を除去すること(キャスト法)により、成形することができる。
このようにして得られた、第1の保護層4、第1の電極1、および圧電体層3からなる構造物に、第2の電極2を設けた第2の保護層5を貼り合わせることで、タッチパネル100を製作できる。
あるいは、有機溶媒(例、メチルエチルケトン、ジメチルアセトアミド)に溶解したポリフッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体の溶液を別途用意した基板等に塗布し、溶媒を除去することにより、膜を成形させ、得られた膜を、第1の電極1を設けた第1の保護層4と第2の電極2を設けた第2の保護層5で挟んでもよい。
あるいは、ポリフッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体の粉体もしくはペレットを用いて、溶融成形法により、膜を成形してもよい。
上記のようにして成形された圧電体層3は、ポリフッ化ビニリデンを圧電体として用いる時のような延伸などの特別な後処理無しに、圧電性を有する。このため、本発明のタッチパネルは、その製造工程を簡略化できる。
第1の保護層4、および第2の保護層5は、絶縁性および透明性を有するものであればよく、例えば、ガラス、ポリエチレンテレフタレト樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シクロレフィン樹脂、またはエポキシ樹脂などからなる。
下記の試験例で示すように、ポリフッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体を含有する圧電体層は、透明性が高い。ここで、タッチパネルの保護膜および電極としては、透明性の高いものが公知であるので、上記圧電体層を採用することで、透明性が高いタッチパネルを得ることができる。
次に、図3を参照して、本発明のタッチパネルの動作について説明する。図3は、図1のAA−AA断面を示す断面図である。
Aで示す位置において、指またはペン等で保護膜1を矢印で示す方向に押すと、圧電体層のBで示す部分が変形することにより、電圧が発生する。発生した電圧は、電極1aおよび電極2aを介して、測定装置に出力され、押圧位置Aが検出される。発生する電圧の高さは、押圧の高さ(強さ)によって異なる。この電圧の高さを測定することにより、押圧の高さ(強さ)を検出することができる。
以下に、実施例、比較例、および試験例によって、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[実施例1〜4](膜の製造)
下記の製造法により、圧電体層として用いる、それぞれ膜厚20μm(実施例1)、50μm(実施例2)、80μm(実施例3)、および100μm(実施例4)の、ポリフッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体膜(モル比 80:20)を製造した。
下記の製造法により、圧電体層として用いる、それぞれ膜厚20μm(実施例1)、50μm(実施例2)、80μm(実施例3)、および100μm(実施例4)の、ポリフッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体膜(モル比 80:20)を製造した。
膜厚20μm(実施例1)、および50μm(実施例2)の膜は、ポリフッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体(モル比 80:20)のメチルエチルケトン溶液をPET基材上に流延し、150℃で溶媒を気化させて成形した。
膜厚80μm(実施例3)、および100μm(実施例4)の膜は、ポリフッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体(モル比 80:20)からなるペレット状溶融物を、T−ダイを設置したフィルム製造設備を用いて成形した。
[比較例1〜4](膜の製造)
また、対照として、下記の製造法により、それぞれ膜厚30μm(比較例1)、50μm(比較例2)、80μm(比較例3)、および100μm(比較例4)の、ポリフッ化ビニリデン−三フッ化エチレン共重合体膜(モル比 75:25)を製造した。
また、対照として、下記の製造法により、それぞれ膜厚30μm(比較例1)、50μm(比較例2)、80μm(比較例3)、および100μm(比較例4)の、ポリフッ化ビニリデン−三フッ化エチレン共重合体膜(モル比 75:25)を製造した。
膜厚30μm(比較例1)、および50μm(比較例2)の膜は、ポリフッ化ビニリデン−三フッ化エチレン共重合体(モル比 75:25)のメチルエチルケトン溶液をPET基材上に流延し、150℃で溶媒を気化させて成形した。
膜厚80μm(比較例3)、および100μm(比較例4)の膜は、ポリフッ化ビニリデン−三フッ化エチレン共重合体(モル比 75:25)からなるペレット状溶融物を、T−ダイを設置したフィルム製造設備を用いて成形した。
[試験例]
(光透過性試験およびHAZE試験)
上記で製膜した膜を用い、下記の条件で、光透過性試験およびHAZE(濁度)試験を実施した。
光透過性試験:(株)東洋精機製作所製のヘイズガードIIを使用し、ASTM D1003に基づいて測定した。
HAZE試験:(株)東洋精機製作所製のヘイズガードIIを使用し、ASTM D1003に基づいて測定した。
(光透過性試験およびHAZE試験)
上記で製膜した膜を用い、下記の条件で、光透過性試験およびHAZE(濁度)試験を実施した。
光透過性試験:(株)東洋精機製作所製のヘイズガードIIを使用し、ASTM D1003に基づいて測定した。
HAZE試験:(株)東洋精機製作所製のヘイズガードIIを使用し、ASTM D1003に基づいて測定した。
膜厚20μm(実施例1)、50μm(実施例2)および80μm(実施例3)のポリフッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体膜の全光線透過率とHAZE値は、各々95%と5であった。
膜厚100μm(実施例4)のポリフッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体膜の全光線透過率は95%、HAZE値は7であった。このフィルムを2枚のガラス板に挟み、150℃で10分間熱処理した後、室温まで急冷させた。処理後のフィルムの膜厚は100μm、全光線透過率は94%、HAZE値は8であった。
ポリフッ化ビニリデン−三フッ化エチレン共重合体膜(モル比 75:25)の全光線透過率とHAZE値は、膜厚30μm(比較例1)の場合、94%と14、膜厚50μm(比較例2)の場合、95%と18、および膜厚80μm(比較例3)の場合95%と27であった。
膜厚100μm(比較例4)のポリフッ化ビニリデン−三フッ化エチレン共重合体(モル比 75:25)の全光線透過率は93%、HAZE値は35であった。このフィルムを2枚のガラス板に挟み、150℃で10分間熱処理した後、室温まで急冷させた。処理後のフィルムの膜厚は100μm、全光線透過率は93%、HAZE値は88であった。
結果を表1および図4に示す。これらからから明らかなように、ポリフッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体膜とポリフッ化ビニリデン−三フッ化エチレン共重合体膜とは、試験した膜厚の範囲内で、どちらも光透過性が高く、同等の光透過性を有する、
しかし、濁度(透明性)については、ポリフッ化ビニリデン−三フッ化エチレン共重合体膜は、膜厚が厚くなると、透明性が低下するのに対し、ポリフッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体膜は、試験した膜厚の範囲内で、高い透明性を示した。また、ポリフッ化ビニリデン−三フッ化エチレン共重合体膜に比べ、ポリフッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体膜は、熱処理後に急冷した場合におけるHAZE値の変化が小さかった。
しかし、濁度(透明性)については、ポリフッ化ビニリデン−三フッ化エチレン共重合体膜は、膜厚が厚くなると、透明性が低下するのに対し、ポリフッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体膜は、試験した膜厚の範囲内で、高い透明性を示した。また、ポリフッ化ビニリデン−三フッ化エチレン共重合体膜に比べ、ポリフッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体膜は、熱処理後に急冷した場合におけるHAZE値の変化が小さかった。
本発明のタッチパネルは、押圧の高さの検出が可能であり、かつ透明性が高く、携帯電話機等の携帯機器および家庭電化製品の操作パネル等に好適に用いられる。
1、1a 第1の電極
2、2a 第2の電極
3 圧電体層
4 第1の保護層
5 第2の保護層
10 第1の電極の層
20 第2の電極の層
100 タッチパネル
2、2a 第2の電極
3 圧電体層
4 第1の保護層
5 第2の保護層
10 第1の電極の層
20 第2の電極の層
100 タッチパネル
Claims (1)
- ポリフッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体を含有する圧電体層と、
前記圧電体層の一方の表面上に設けられた第1の電極と、
当該圧電体層の他方の表面上に設けられた第2の電極と、
を含むタッチパネル。
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