JP5131847B2 - 太陽電池モジュールおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、裏面配線型の太陽電池セルを使用する太陽電池モジュールおよびその製造方法に関する。
図10に、特許文献1に開示される、一般的な太陽電池モジュールの構造を示す。この太陽電池モジュール200は、複数の太陽電池セル201が配置され、隣接する太陽電池セル201同士は、表面側と裏面側とが配線材202により連結されている。太陽電池セル201と配線材202とは、表面側は表封止材211、裏面側は裏封止材212により挟み込まれるように封止され、さらに、表封止材211の表面側にはガラス板213が配置され、裏封止材212の裏面側には、バックカバー214が配置されている。太陽電池セル201の表裏面に形成されるセル電極(図示省略)と配線材202とは、はんだにより接合されている。
この構造からなる太陽電池モジュール200の製造工程は、太陽電池セル201を、ガラス板213とバックカバー214との間に封止して、一体成型することから「ラミネート工程」と呼ばれている。このラミネート工程では、直列および/または並列に接続された太陽電池セル201を表封止材211および裏封止材212で挟み、さらにガラス板213とバックカバー214間に挟んだものを、脱気しながらに加圧・加熱することで一体成型している。
具体的な製造工程としては、まず、約120°C〜約140°C程度に加熱した熱板上に、ガラス板213、表封止材211、太陽電池セル201、配線材202、裏封止材212、および、バックカバー214を積層した未完成モジュールをのせ、未完成モジュール全体を真空ポンプにより減圧する。これにより、ガラス板213/表封止材211/太陽電池セル201/裏封止材212/バックカバー214の各材料間の空気がおおまかに取り除かれる。
次に、真空引きを続けながら加圧し、数分間程度保持する。加圧により熱板にモジュールが押し付けられ、表封止材211および裏封止材212が溶融する。このときに、モジュールの内部に残っていた空気および構成材料が加熱されることにより発生するガスは、溶融した封止材の内部を移動して、外部へ排出される。その後、加圧を解除することでモジュールの温度が下がり、封止材が硬化する。以上の過程でモジュール内部に気泡が残ることなく、モジュールは一体成型され、太陽電池モジュール200が完成する。
太陽電池モジュール200の内部に気泡が残ると、封止されている導電部分とフレームやバックカバーなどの外周部材との間の絶縁性能が低下する。また、長期的には太陽電池モジュール200内部を侵入してきた水蒸気や酸素により、封止材中の構成材料の気泡と接している部分の劣化や腐食が懸念される。
近年、特許文献2、非特許文献1に開示される、MWT(Metal Wrap Through)、EWT(Emitter Wrap Through)などの裏面電極型セルをモジュール化する方法として、フィルム材料上に配線パターンを形成させたシート(以下、配線シートとする)を使用する方法が提案され、研究されている。裏面電極型の太陽電池モジュール300の概略構成を図11に示す。
図11に、裏面電極型の太陽電池モジュール300の概略構成を示す。この太陽電池モジュール300においては、複数の裏面電極型の太陽電池セル301が配置され、太陽電池セル301の裏面側にのみ配線シート302が配置されている。太陽電池セル301の表面側には表封止材211が配置され、配線シート302の裏面側には裏封止材212が配置されている。また、表封止材311の表面側にはガラス板313が配置され、裏封止材312の裏面側には、バックカバー314が配置されている。
この構造からなる太陽電池モジュール300の製造工程も、上記太陽電池モジュール300の場合と同様に、約120°C〜約140°C程度に加熱した熱板上に、ガラス板313、表封止材311、太陽電池セル301、配線シート302、裏封止材312、および、バックカバー314を積層した未完成モジュールをのせ、未完成モジュール全体を真空ポンプにより減圧する。これにより、ガラス板313/表封止材311/太陽電池セル301/裏封止材312/バックカバー314の各材料間の空気がおおまかに取り除かれる。
次に、真空引きを続けながら加圧し数分間程度保持する。加圧により熱板にモジュールが押し付けられ、表封止材311および裏封止材312が溶融する。このときに、モジュールの内部に残っていた空気および構成材料が加熱されることにより発生するガスは、溶融した封止材の内部を移動して、外部へ排出される。
しかし、裏面電極型の太陽電池モジュール300の場合には、太陽電池セル301の裏面側の全面に配線シート302が配置されていることから、この配線シート302により、空気の移動が妨げられる。このため、封止材が硬化し一体成型された太陽電池モジュール300中に気泡が残るおそれがある。
太陽電池モジュール300中の気泡の残存を回避するために、製造工程における真空引きの時間を長くすることが考えられる。しかし、この場合には製造にかかる時間が長くなり、製造コストが上昇するという新たな課題が発生する。
特開2007−19334号公報 米国特許第4927770号明細書 J.H.Bultman et al.,:"Interconnection through vias for improved efficiency and easy module manufacturing of crystalline silicon solar cells", Solar Energy Materials & Solar Cells 65(2001) 339-345.
この発明が解決しようとする課題は、裏面電極型の太陽電池モジュールにおいては、太陽電池セルの裏面側の全面に配線シートが配置されていることから、この配線シートにより、モジュールの内部に残っていた空気および構成材料が加熱されることにより発生するガスの移動が妨げられ、封止材が硬化し一体成型された太陽電池モジュール中に気泡が残るおそれがある点にある。
したがって、この発明の目的は、上記課題を解決するためになされたものであり、裏面電極型の太陽電池モジュールであっても、その製造工程において、モジュールの内部に残っていた空気および構成材料が加熱されることにより発生するガスを効率良く外部に排出することを可能とする構造を備えた、裏面電極型の太陽電池モジュールおよびその製造方法を提供することにある。
この発明に基づいた太陽電池モジュールにおいては、裏面側に裏面電極を備える太陽電池セルと、所定の配線パターンを有し、上記裏面電極に電気的に接続される配線層、および、上記配線層が形成されるフィルム材料を含み、前記太陽電池セルの裏面側の全面に配置される配線シートと、上記太陽電池セルの表面側を封止する表封止材と、上記配線シートを覆い、上記太陽電池セルの裏面側を封止する裏封止材と、上記表封止材を覆う表面側透明カバーと、上記裏封止材を覆う裏面側カバーとを備えている。また、上記配線シートは、上記太陽電池セルと上記裏封止材とを連通する開口領域を有する。
この発明に基づいた太陽電池モジュールの製造方法においては、上述した太陽電池モジュールの製造方法であって、上記太陽電池セルの表面側に、上記表封止材および上記表面側透明カバーを積層配置し、上記太陽電池セルの裏面側に、上記配線シート、上記裏封止材、および上記裏面側カバーを積層配置して、未完成モジュールを準備する。
次に、上記未完成モジュールを加熱した熱板上に載置して真空引きを行ない、加圧状態を保持する。その後、加圧状態を解除し未完成モジュール温度を低下させ、溶融した上記表封止材および上記裏封止材を硬化させることで、太陽電池モジュールを完成させる。
ここで、上記加圧状態を保持する工程においては、上記未完成モジュール内に残存するガス、または、未完成モジュールの構成材料から発生するガスが、上記配線シートに設けられた上記開口領域から溶融した上記裏封止材内部を移動して外部に排出される。
この発明に基づいた太陽電池モジュールおよびその製造方法によれば、太陽電池セルと裏封止材とに挟まれた配線シートに、太陽電池セルと裏封止材とを連通する開口領域を設けておくことで、未完成モジュール内に残存するガス、または未完成モジュールの構成材料から発生するガスが、配線シートに設けられた上記開口領域から溶融した裏封止材内部を移動して外部に排出させることができる。
その結果、太陽電池モジュールに残存する気泡に起因する部材の劣化および腐食の発生の抑制が可能となり、太陽電池モジュールの動作信頼性の向上を図ることが可能となる。
以下、本発明に基づいた実施の形態における太陽電池モジュールおよびその製造方法について図を参照して説明する。なお、実施の形態の説明において、同一または相当する部分には同一の参照符号を付し、その説明を繰返さない場合がある。また、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、以下に複数の実施の形態が存在する場合、特に記載がある場合を除き、各々の実施の形態の構成を適宜組み合わせることは、当初から予定されている。
(実施の形態1)
まず、図1および図2を参照して、本実施の形態における裏面電極型の太陽電池モジュール100の構造について説明する。なお、図1は、後述の配線シート102側から太陽電池セル101を見た概略平面図であり、図2は、図1中II−II線矢視断面図である。また、図2に示す断面構造は、説明の便宜上、加圧・加熱により一体化される前の構造を図示している。
まず、図2を参照して、この太陽電池モジュール100は、複数の裏面電極型の太陽電池セル101が配置され、太陽電池セル101の裏面側にのみ配線シート102が配置されている。太陽電池セル101の表面側には表封止材111が配置され、配線シート102の裏面側には配線シート102を覆い、太陽電池セル101の裏面側を封止する裏封止材112が配置されている。また、表封止材111の表面側には、表封止材111を覆う表面側透明カバーとしてのガラス板113が配置され、裏封止材112の裏面側には、裏封止材112を覆う裏面側カバーとしてのバックカバー114が配置されている。
配線シート102は、PET(Polyethylene terephthalate)、PEN(Polyethylene naphthalate)、PPS(Polyphenylene sulfide)、PVF(Polyvinyl fluoride)、ポリイミド(Polyimide)などのフィルム材料102bに、銅(Cu)、アルミニウム(Al)などの導電性材料箔からなる配線層102aが張り合わされている。配線層102aは、所定のパターンに合わせてエッチングにより配線回路パターンが形成されている。
配線シート102の他の形態としては、PET、PEN、PPS、PVF、ポリイミドなどのフィルム材料102bに、銅(Cu)、アルミニウム(Al)などの導電性材料箔からなる配線層102aを、所定のパターンに合わせて、メッキ、印刷により配線回路パターンを形成したものでもかまわない。
配線シート102のさらに他の形態としては、配線回路パターン上に形成した導電性材料箔からなる配線層102aを、絶縁フィルム材料からなるフィルム材料102b上に貼り付けて、配線シート102として用いることも可能である。
配線層102aとして、太陽電池セル101との接触抵抗、接着強度を十分確保するために、銅(Cu)、アルミニウム(Al)などの導電性材料の表面にニッケル(Ni)、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、錫(Sn)、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化錫、はんだ、などを形成した導電層を用いてもかまわない。
また、配線層102aとして、太陽電池モジュール100内に封止した際の信頼性を確保し、部材単体の耐候性を増すために、銅(Cu)、アルミニウム(Al)などの導電性材料の一部もしくは全体に、ニッケル(Ni)、金(Au)、銀(Ag)、錫(Sn)、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化錫、シリカ、アルミナなどのセラミック層などを形成し、または、化成処理、アルマイトなどの表面処理を行なってもよい。また、配線層102aの一部、または太陽電池セル101との接続部を除く全面に、シリカ蒸着やアルミナ蒸着などを施したPETフィルム材料などを貼り付けてもよい。
図1に示す平面図に示すように、配線シート102の配線層102aは、櫛形の形態を有しており、隣接する一方の太陽電池セル101のp型電極101pと、他方の太陽電池セル101のn型電極101nとを連結するような配線パターンが形成されている。さらに、配線シート102には、太陽電池セル101と裏封止材112とを連通する開口領域121,122,123,124が設けられている。
図3から図6を参照して、開口領域121,122,123,124について説明する。なお、図3は、図1中III−III線矢視断面図であり、図4は、図1中IV−IV線矢視断面図であり、図5は、図1中V−V線矢視断面図であり、図6は、図1中VI−VI線矢視断面図である。
まず、図1および図3を参照して、開口領域121は、フィルム材料102b上において、配線層102aが設けられる領域と配線層102aが設けられない領域との境界部分を含む位置に設けられる、円形形状の開口領域を示している。
また、図1および図4を参照して、開口領域122は、フィルム材料102b上において、配線層102aが設けられる領域内に設けられる、円形形状の開口領域を示している。
また、図1および図5を参照して、開口領域123は、フィルム材料102b上において、配線層102aが設けられない領域内に設けられる、円形形状の開口領域を示している。
また、図1および図6を参照して、開口領域1234、前記フィルム材料102b上において、配線層102aが設けられない領域内に設けられる、スリット形状の開口領域を示している。
ここで、太陽電池セル101と配線シート102に挟まれた領域では、太陽電池セル101の周囲より脱気される。したがって、配線回路パターン等の凹凸の影響が無い場合には、太陽電池セル101の中心から周囲に向かう方向にガスが抜ける。このガスの通り道に沿って開口領域(スリット等)を設けることにより、ガスを抜けやすくすることができる。
反対に、太陽電池セル101の周囲に対して並行に開口領域(スリット等)を設け、開口領域(スリット等)によりガスの通り道を横断させる構造も考えられる。よって、開口領域の形状、配置形態は、配線回路パターンに応じて、適宜組み合わせて採用することが好ましい。
配線シート102には、太陽電池セル101が配置される部分(オーバラップする部分)に、少なくとも太陽電池セル101の1枚当たり1箇所の開口領域を設ける。図3から図6に示す開口領域の形成方法としては、金型による打ち抜き、レーザーによるカットなどが挙げられる。
望ましくは、長さ50mmあたり1個以上の開口領域を設ける。開口領域として円形形状の穴を採用する場合には、4mm以上100mm以内が望ましい。開口領域としてスリット形状を採用する場合は、隣接するスリットの間隔は50mm以内、スリット長さは2mm以上30mm以内が望ましい。穴と穴をスリットで結んでも良い。
ここで、開口領域として設けられる穴、スリットの大きさについて、図7および図8を参照して、以下説明する。なお、図7は、穴サイズの上限を説明するための図であり、図8は、スリットサイズの上限を説明するための図である。
PETなどのフィルム材料102bは、太陽電池モジュールの製造プロセスの熱によって収縮する。配線シート102に設けられた穴・スリットの部分では、配線シート102の均一性が損なわれており、穴・スリットの形成方向によっては配線シート102が不均一に熱収縮することが考えられる。
太陽電池セル101の熱収縮は、フィルム材料102bと比較して非常に小さいため、局所的に太陽電池セル101の電極と配線シート102の配線パターンとが大きくずれることが考えられる。このため、穴・スリットのサイズの大きさに上限が生じる。また、電気回路上の制約からも、穴・スリットのサイズの大きさに上限が生じる。
一方、穴・スリットが小さいと十分な脱気性能が得られないため、脱気不十分の状態で封止材が硬化することが考えられる。そのため、穴・スリットのサイズの大きさに下限が生じる。
たとえば、コスト上望ましいフィルム材料102である厚さ50μmのPETを使用した場合、某メーカーのカタログ値に基づけば、150°C、30分の加熱プロセスで、縦方向に0.4%の熱収縮、横方向に1.4%の熱収縮が発生する(2軸延伸フィルムには方向性があるため、縦方向と横方向の熱収縮率が異なる)。この熱収縮による配線パターンの位置ずれを許容するように、穴径、スリット長さ・間隔を設定する必要がある。
一例として、太陽電池セル101の電極径を3mmとした場合に、許容できるずれ量を1mm以内とする。また、太陽電池セル101のマウント精度を±0.05mm、工程中での太陽電池セル101のずれを0.15mm程度とすると、フィルム材料102の収縮以外で最大0.2mm(0.05mm+0.15mm)のずれが生じる。
例えば、スリットが横方向に50mmピッチで配置された場合(たとえば、155mm角の太陽電池セル101中に3本のスリットが配置される場合)、スリット間のフィルム材料102が収縮することから、スリットは広がる方向に引っ張られることになる。横方向の熱収縮は1.4%であることから、0.7mm(50mm×0.014)程度のずれが生じる。また、フィルム材料102の収縮以外の要因で0.2mmのずれが生じたとすると、横方向に最大で0.9mm(0.7mm+0.2mm)のずれが生じる(図8参照)。
さらに、スリットの縦方向に0.4%の収縮が生じ、収縮以外の要因で縦方向に0.2mmずれた場合、電極のずれ量が1mmになるスリット長さは30mmとなる。これは、図7に示すように、縦方向のずれ量は、0.32mm(0.12mm(=30mm×0.004)+0.2mm)であることから、上記横方向のずれ量0.9mmと縦方向のずれ量0.32mmとから、電極のずれ量は、{0.9+0.32}1/2=0.955≒1mmと算出できる。これよりスリット長さは、30mm以内であることが望ましい条件となる。
スリットは、太陽電池セル101のセル列の方向と平行に設ける限り電気的には殆ど損失がない。しかし、配線パターンにスリットを開けることは電気的に望ましくない。そのため、穴により回路の導体が失われる面積を極力抑えることが重要となる。
一方、配線パターンの導体は太陽電池セル101の裏面の全面にわたり、できる限り大きな面積で設けることが望ましい。望ましいパターンでは、導体の無い部分はプラスとマイナスの間隔のみとなる。出力の損失を最小限に抑えるためにはこの間隔(y)もできる限り狭くすることが望ましく、1mmから10mm以内の範囲が好ましい(図8参照)。
配線パターンの無い部分を中心として、配線パターンのある部分を含むように丸穴を設ける場合、穴面積を100mm(直径約11.3mm)以内とした。配線パターンのある部分を含むように丸穴を設けたのは、配線パターンのある部分と無い部分の境界における脱気を促すためである。
穴・スリットは、ある程度の大きさが無ければ十分な脱気性能が得られない。これまでの実験結果に基づけば、液状化した封止材中の気泡をラミネート装置で脱気すると、幅が〜0.5mm程度の筋状に、太陽電池セル101の外周に向かって抜けており、これよりも穴やスリット幅を広く設定することが望ましい。余裕をもって、スリットの最小値を2mm、穴を4mm(直径約2mm)と設定した。
次に、図9に、開口領域として採用される穴およびスリットの形態を示す。(1)は三角形、(2)は四角形、(3)は八角形を示す。また、(1)〜(3)以外の他の多角形の採用も可能である。(4)は円形形状、(5)は楕円形形状、(6)は円形を二つ寄せ集めた形状、(7)は円形を四つ寄せ集めた形状のもので、(4)〜(7)は開口領域の裂け防止の効果を備えた形状である。また、(8)は、小さいサイズの半円を二つ寄せ集めたもので、強度を保ちながら、同サイズの円と同等の脱気効果を得ることを可能としている。
(9)、(10)は、大小のスリットの形状を示すものである。(11)は、スリットの裂けを防止するために両端に丸穴を設けるようにしたものである。(12)〜(14)は、T字、十字形状等、スリットを交差させた形状を示すものである。(15)は渦巻き形状のスリット、(16)、(17)は、太陽電池セル101の電極を迂回するパターンを示すものである。
穴は円形もしくは楕円形もしくはその組み合わせにすることで、穴を基点にして配線シートが裂ける可能性が低くなり、望ましい。穴およびスリットは、太陽電池セル101の裏面の電極と配線シートが接合される部分を避けて形成される。太陽電池セル101間に相当する部分とその周囲2mm程度に穴を設けないことで、太陽電池モジュール100の表面より穴が見えることがなく、外観上望ましい。
太陽電池セル101の電極(p型電極101p,n型電極101n)部分を除き、太陽電池セル101の中心がセル端より最も遠いため、最も脱気しにくい。そのため、スリットや穴を、太陽電池セル101セルの中心より同心円状に配列することが望ましい。また、太陽電池セル101の中心付近の穴径を大きくすることが望ましい。または、スリットの長さを長くすることが望ましい。また、太陽電池セル101の中心付近の穴やスリットの数を増やしても良い。太陽電池セル101の端部より中心部へ向かって、穴やスリットのサイズや数を大きく/多くしても良い。
また、太陽電池モジュール100全体としてみても、その中心がモジュール端より最も遠いため、最も脱気しにくい。そのため、太陽電池モジュール100の中心付近の穴径を大きくすることが望ましい。または、スリットの長さを長くすることが望ましい。また、太陽電池モジュール100の中心付近の穴やスリットの数を増やしても良い。太陽電池モジュール100の端部より中心部へ向かって、穴やスリットのサイズや数を大きく/多くしても良い。
(太陽電池モジュール100の製造方法)
次に、上記構成からなる太陽電池モジュール100の製造方法について説明する。太陽電池セル101と配線シート102との接続には、はんだ、導電性接着剤、異方導電性フィルム材料(ACF)、異方導電性ペースト(ACP)などを用いる。
はんだ、導電性接着剤、ACF、ACP、などを太陽電池セル101もしくは配線シート102の少なくとも一方に配置し、太陽電池セル101と配線シート102とを所定の位置関係に置き、加熱溶着もしくは加熱圧着することで接続を行なう。
配線シート102には、厚さ約50μmのPETフィルム材料の片面に厚さ約35μmの銅箔を貼り合わせ、配線回路パターンをエッチングにより形成する。その後、金型により、所定の位置に円形形状およびスリット形状の開口領域121,122,123,124を形成する。
配線シート102上の所定の位置に、導電性接着剤をディスペンスにより塗布し、その導電性接着剤の位置に合わせて太陽電池セル101の電極(p型電極101p,n型電極101n)位置が配置されるよう、太陽電池セル101を配置する。このとき、配線シート102のパターンを画像認識して太陽電池セル101の位置を微調整する。また、この時に、接着剤などで太陽電池セル101と配線シート102とを仮固定する。
次に、ガラス板113、所定のサイズにカットされたEVA(Ethylence Vinyl Acetate)樹脂からなる表封止材111、太陽電池セル101、配線シート102、所定のサイズにカットされたEVA(Ethylence Vinyl Acetate)樹脂からなる裏封止材112、および、バックカバー114を積層した未完成モジュールを、ラミネート装置の、約120°C〜約140°Cに加熱した熱板上に載置し、未完成モジュール全体を真空ポンプにより減圧する。これにより、ガラス板113/表封止材111/太陽電池セル101/裏封止材112/バックカバー114の各材料間の空気がおおまかに取り除かれる。
次に、真空引きを続けながら加圧し数分間程度保持する。加圧により熱板にモジュールが押し付けられ、表封止材111および裏封止材112が溶融する。このときに、モジュールの内部に残っていた空気および構成材料が加熱されることにより発生するガスは、配線シート102に設けられた開口領域121,122,123,124から溶融した裏封止材112内部を移動して外部に排出される。加圧後は、開口領域121,122,123,124は、裏封止材112が充填された状態となる。これにより、太陽電池モジュール100の基本構成が完成する。
その後、バックカバー114およびバックカバー側の裏封止材112には、あらかじめ穴が設けられており、その穴に対応した位置に配線シート102のプラス及びマイナスの端子が露出するよう、折り返されている。露出した端子に対応して端子ボックスが取り付けられる。太陽電池モジュール100の周囲に、シーリング材を塗布し、アルミニウム合金からなるフレームを周囲に取り付ける。これにより、太陽電池モジュール100が完成る。
以上、本実施の形態における太陽電池モジュールおよびその製造方法によれば、太陽電池セル101と裏封止材112とに挟まれた配線シート102に、太陽電池セル101と裏封止材112とを連通する開口領域121,122,123,124を設けておくことで、未完成モジュール内に残存するガス、または未完成モジュールの構成材料から発生するガスが、配線シート102に設けられた上記開口領域121,122,123,124から溶融した裏封止材112内部を移動して外部に排出させることができる。
その結果、太陽電池モジュール100に残存する気泡に起因する部材の劣化および腐食の発生の抑制が可能となり、太陽電池モジュール100の動作信頼性の向上を図ることが可能となる。
以上、今回開示した実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
本実施の形態における裏面電極型の太陽電池モジュールの配線シート側から太陽電池セルを見た概略平面図である。 図1中II−II線矢視断面図である。 図1中III−III線矢視断面図である。 図1中IV−IV線矢視断面図である。 図1中V−V線矢視断面図である。 図1中VI−VI線矢視断面図である。 穴サイズの上限を説明するための図である。 スリットサイズの上限を説明するための図である。 開口領域として採用される穴およびスリットの形態を示す図である。 背景技術における太陽電池モジュールの構造を示す図である。 背景技術における裏面電極型の太陽電池モジュールの構造を示す図である。
符号の説明
100 太陽電池モジュール、101 太陽電池セル、101n n型電極、101p p型電極、102 配線シート、102a 配線層、102b フィルム材料、111 表封止材、112 裏封止材、113 ガラス板、114 バックカバー、121,122,123,124 開口領域。

Claims (5)

  1. 裏面側に裏面電極を備える太陽電池セルと、
    所定の配線パターンを有し、前記裏面電極に電気的に接続される配線層、および、前記配線層が形成されるフィルム材料を含み、前記太陽電池セルの裏面側の全面に配置される配線シートと、
    前記太陽電池セルの表面側を封止する表封止材と、
    前記配線シートを覆い、前記太陽電池セルの裏面側を封止する裏封止材と、
    前記表封止材を覆う表面側透明カバーと、
    前記裏封止材を覆う裏面側カバーと、
    を備え、
    前記配線シートは、
    前記太陽電池セルと前記裏封止材とを連通する開口領域を有する、太陽電池モジュール。
  2. 前記開口領域は、前記フィルム材料上において、前記配線層が設けられる領域と前記配線層が設けられない領域との境界部分を含む位置に設けられる、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 前記開口領域は、前記フィルム材料上において、前記配線層が設けられる領域内に設けられる、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  4. 前記開口領域は、前記フィルム材料上において、前記配線層が設けられない領域内に設けられる、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  5. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法であって、
    前記太陽電池セルの表面側に、前記表封止材および前記表面側透明カバーを積層配置し、前記太陽電池セルの裏面側に、前記配線シート、前記裏封止材、および前記裏面側カバーを積層配置して、未完成モジュールを準備する工程と、
    前記未完成モジュールを加熱した熱板上に載置して真空引きを行ない、加圧状態を保持する工程と、
    加圧状態を解除し未完成モジュール温度を低下させ、溶融した前記表封止材および前記裏封止材を硬化させることで、太陽電池モジュールを完成させる工程と、
    を備え、
    前記加圧状態を保持する工程においては、前記未完成モジュール内に残存するガス、または未完成モジュールの構成材料から発生するガスが、前記配線シートに設けられた前記開口領域から溶融した前記裏封止材内部を移動して外部に排出される、太陽電池モジュールの製造方法。
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