JP2012023128A - 配線シート付き太陽電池セルの製造方法、太陽電池モジュールの製造方法および太陽電池モジュール - Google Patents

配線シート付き太陽電池セルの製造方法、太陽電池モジュールの製造方法および太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】太陽電池セルと絶縁性基材との間の接合をより強固にして、高信頼性を実現することができる配線シート付き太陽電池セルの製造方法、太陽電池モジュールの製造方法および太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】絶縁性接着材17を硬化させる工程は、熱硬化性樹脂の硬化による体積収縮率を熱硬化性樹脂の線膨張係数で割った値よりも低い温度で絶縁性接着材の熱硬化性樹脂を加熱する工程を含む、配線シート10付き太陽電池セルの製造方法、太陽電池モジュールの製造方法およびその方法により製造された太陽電池モジュールである。
【選択図】図6

Description

本発明は、配線シート付き太陽電池セルの製造方法、太陽電池モジュールの製造方法および太陽電池モジュールに関する。
近年、エネルギ資源の枯渇の問題や大気中のCO2の増加のような地球環境問題などからクリーンなエネルギの開発が望まれており、特に太陽電池モジュールを用いた太陽光発電が新しいエネルギ源として開発、実用化され、発展の道を歩んでいる。
このような太陽電池モジュールを構成する太陽電池セルとしては、従来から、例えば単結晶または多結晶のシリコン基板の受光面にシリコン基板とは反対の導電型の不純物を拡散することによってpn接合を形成し、シリコン基板の受光面とその反対側の裏面にそれぞれ電極を形成した両面電極型太陽電池セルが主流となっている。また、近年では、シリコン基板の裏面にp型用電極とn型用電極の双方を形成したいわゆる裏面電極型太陽電池セルの開発も進められている。
たとえば、米国特許第5951786号公報(特許文献1)には、絶縁性基材の表面上に電気的導電性を有する配線がパターンニングされており、配線上に裏面電極型太陽電池セルを電気的に接続された太陽電池モジュールが開示されている。
米国特許第5951786号明細書
上記の特許文献1に記載されている構成の太陽電池モジュールの作製はたとえば以下のようにして行なうことができる。
まず、たとえばポリマー材料などからなる網目状の絶縁性基材の表面上にパターンニングされた配線を形成する。
次に、網目状の絶縁性基材の表面上でパターンニングされた配線に裏面電極型太陽電池セルの電極を導電性接着剤を用いて接合することによって、裏面電極型太陽電池セルを網目状の絶縁性基材の表面上の配線に電気的に接続する。
そして、網目状の絶縁性基材の表面上の配線に電気的に接続された裏面電極型太陽電池セルをガラス基板と裏面電極型太陽電池セルとの間、および裏面保護シートと裏面電極型太陽電池セルとの間にそれぞれ設置された封止材に圧着しながら加熱処理することによって、裏面電極型太陽電池セルを封止材中に封止する。これにより、太陽電池モジュールが作製される。
ここで、封止材は、網目状の絶縁性基材の網目から裏面電極型太陽電池セルと配線との間に流れ込んで硬化させられることによってガラス基板と裏面保護シートとの間に裏面電極型太陽電池セルを封止することになる(特許文献1の第7欄第13〜28行目参照)。
特許文献1に記載の太陽電池モジュールにおいては、裏面電極型太陽電池セルと絶縁性基材との間に空間があると信頼性に問題が発生するため、絶縁性基材を網目状としておいて、シート状の封止材を絶縁性基材側に配置して加熱圧着させることにより、裏面電極型太陽電池セルと絶縁性基材との間に空間を充填するようにしている。
しかしながら、このような封止材では、裏面電極型太陽電池セルと絶縁性基材との間の空間を十分に充填できなかったり、裏面電極型太陽電池セルと絶縁性基材との接合強度を十分に確保できないなどの裏面電極型太陽電池セル側の電極と絶縁性基材側の配線との接続不良が発生する原因となる可能性がある。このような接続不良や裏面電極型太陽電池セルのクラックが発生すると、局所的な発熱を起こすおそれがある。特に、使用環境中の高温時に、裏面電極型太陽電池セルと絶縁性基材との間に充填された封止材が熱膨張し、絶縁性基材上の配線と裏面電極型太陽電池セルの電極を引き剥がす方向に応力が生じると考えられる。
特許文献1に記載の太陽電池モジュールにおいては、裏面電極型太陽電池セルの両端部それぞれに一つずつ電極を設けた構成しか考慮していない。そして、裏面電極型太陽電池セルの電極やそれに対する配線がそれよりも多くなると、電極間や配線間のスペースが小さくなり、上記の問題が顕著に現れる傾向にある。
上記の事情に鑑みて、本発明の目的は、太陽電池セルと絶縁性基材との間の接合をより強固にして、高信頼性を実現することができる配線シート付き太陽電池セルの製造方法、太陽電池モジュールの製造方法および太陽電池モジュールを提供することにある。
本発明は、絶縁性基材と絶縁性基材上に設置された配線とを有する配線シートの配線の設置側の表面、および基板と基板の表面に設置された電極とを有する太陽電池セルの電極の設置側の表面の少なくとも一方の表面上に、熱硬化性樹脂を含む絶縁性接着材を設置する工程と、配線シートと太陽電池セルとを重ね合わせる工程と、太陽電池セルの基板と配線シートの絶縁性基材との間の領域の絶縁性接着材を硬化させる工程と、を含み、絶縁性接着材を硬化させる工程は、熱硬化性樹脂の硬化による体積収縮率を熱硬化性樹脂の線膨張係数で割った値よりも低い温度で絶縁性接着材の熱硬化性樹脂を加熱する工程を含む、配線シート付き太陽電池セルの製造方法である。
ここで、本発明の配線シート付き太陽電池セルの製造方法において、絶縁性接着材を設置する工程は、太陽電池セルの電極が設置されていない箇所と配線シートの配線が設置されていない箇所との間に絶縁性接着材を設置する工程を含むことが好ましい。
また、本発明の配線シート付き太陽電池セルの製造方法は、電極および配線の少なくとも一方に導電性接着材を設置する工程をさらに含み、導電性接着材は加熱により溶融し、導電性接着材の融点は、絶縁性接着材の熱硬化性樹脂を硬化させる温度よりも低いことが好ましい。
また、本発明は、絶縁性基材と絶縁性基材上に設置された配線とを有する配線シートの配線の設置側の表面、および基板と基板の表面に設置された電極とを有する太陽電池セルの電極の設置側の表面の少なくとも一方の表面上に、熱硬化性樹脂を含む絶縁性接着材を設置する工程と、配線シートと太陽電池セルとを重ね合わせる工程と、太陽電池セルの基板と配線シートの絶縁性基材との間の領域の絶縁性接着材を硬化させる工程と、少なくとも太陽電池セルを透光性基板上の封止材中に封止する工程と、を含み、絶縁性接着材を硬化させる工程は、熱硬化性樹脂の硬化による体積収縮率を熱硬化性樹脂の線膨張係数で割った値よりも低い温度で絶縁性接着材の熱硬化性樹脂を加熱する工程を含む、太陽電池モジュールの製造方法である。
ここで、本発明の太陽電池モジュールの製造方法において、絶縁性接着材を設置する工程は、太陽電池セルの電極が設置されていない箇所と配線シートの配線が設置されていない箇所との間に絶縁性接着材を設置する工程を含むことが好ましい。
また、本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、電極および配線の少なくとも一方に導電性接着材を設置する工程をさらに含み、導電性接着材は加熱により溶融し、導電性接着材の融点は、絶縁性接着材の熱硬化性樹脂を硬化させる温度よりも低いことが好ましい。
また、本発明は、絶縁性基材と絶縁性基材上に設置された配線とを有する配線シートの配線の設置側の表面、および基板と基板の表面に設置された電極とを有する太陽電池セルの電極の設置側の表面の少なくとも一方の表面上に、熱硬化性樹脂を含む絶縁性接着材を設置する工程と、配線シートと太陽電池セルとを重ね合わせる工程と、少なくとも太陽電池セルを透光性基板上の封止材中に封止する工程と、を含み、封止材は、熱硬化性樹脂を含み、封止する工程は絶縁性接着材を硬化させる工程を含み、絶縁性接着材を硬化させる工程は、熱硬化性樹脂の硬化による体積収縮率を熱硬化性樹脂の線膨張係数で割った値よりも低い温度で絶縁性接着材の熱硬化性樹脂を加熱する工程を含む、太陽電池モジュールの製造方法である。
さらに、本発明は、上記のいずれかの太陽電池モジュールの製造方法により製造された太陽電池モジュールであって、太陽電池モジュールの使用上限温度は、絶縁性接着材の熱硬化性樹脂を硬化する温度と、絶縁性接着材の熱硬化性樹脂の硬化による体積収縮率を絶縁性接着材の熱硬化性樹脂の線膨張係数で割った値との中間値よりも低い、太陽電池モジュールである。
本発明によれば、太陽電池セルと絶縁性基材との間の接合をより強固にして、高信頼性を実現することができる配線シート付き太陽電池セルの製造方法、太陽電池モジュールの製造方法および太陽電池モジュールを提供することができる。
(a)は本発明に用いられる配線シートの一例の配線の設置側の表面の模式的な平面図であり、(b)は(a)の1b−1bに沿った模式的な断面図である。 (a)は本発明に用いられる裏面電極型太陽電池セルの一例の模式的な断面図であり、(b)は(a)に示される裏面電極型太陽電池セルの電極の設置側の表面(裏面)の一例の模式的な平面図である。 (a)は本発明の裏面電極型太陽電池セルの電極の設置側の表面(裏面)の他の一例の模式的な平面図であり、(b)は本発明の裏面電極型太陽電池セルの電極の設置側の表面(裏面)のさらに他の一例の模式的な平面図である。 配線シートの配線の設置側の表面上に絶縁性接着材を設置する工程の一例を図解する模式的な平面図である。 配線シートと裏面電極型太陽電池セルとを重ね合わせる工程の一例を図解する模式的な断面図である。 絶縁性接着材を硬化させる工程の一例を図解する模式的な断面図である。 (a)は本発明の配線シート付き太陽電池セルの一例を受光面側から見たときの模式的な平面図であり、(b)は(a)の7b−7bに沿った模式的な断面図である。 (a)〜(d)は、本発明の配線シート付き太陽電池セルの他の一例の製造方法の一例を図解する模式的な模式図である。 (a)および(b)は、配線シート付き太陽電池セルの少なくとも裏面電極型太陽電池セルを透光性基板上の封止材中に封止する工程の一例を図解する模式的な断面図である。 (a)および(b)は、配線シート付き太陽電池セルの少なくとも裏面電極型太陽電池セルを透光性基板上の封止材中に封止する工程の他の一例を図解する模式的な断面図である。
以下、本発明の一例である実施の形態について説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は同一部分または相当部分を表わすものとする。
<絶縁性接着材を設置する工程>
まず、絶縁性基材と絶縁性基材上に設置された配線とを有する配線シートの配線の設置側の表面、および基板と基板の表面に設置された電極とを有する太陽電池セルの電極の設置側の表面の少なくとも一方の表面上に、熱硬化性樹脂を含む絶縁性接着材を設置する工程が行なわれる。なお、後述する各工程の間には、他の工程が含まれていてもよいことは言うまでもない。
<配線シート>
図1(a)に、本発明に用いられる配線シートの一例の配線の設置側の表面の模式的な平面図を示す。図1(a)に示すように、配線シート10は、絶縁性基材11と、絶縁性基材11の表面上に設置されたn型用配線12、p型用配線13および接続用配線14を含む配線16とを有している。
n型用配線12、p型用配線13および接続用配線14はそれぞれ導電性であり、n型用配線12およびp型用配線13はそれぞれ複数の長方形が長方形の長手方向に直交する方向に配列された形状を含む櫛形状とされている。一方、接続用配線14は帯状とされている。また、配線シート10の終端にそれぞれ位置しているn型用配線12aおよびp型用配線13b以外の隣り合うn型用配線12とp型用配線13とは接続用配線14によって電気的に接続されている。
配線シート10においては、櫛形状のn型用配線12の櫛歯(長方形)に相当する部分と櫛形状のp型用配線13の櫛歯(長方形)に相当する部分とが1本ずつ交互に噛み合わさるようにn型用配線12およびp型用配線13がそれぞれ配置されている。その結果、櫛形状のn型用配線12の櫛歯に相当する部分と櫛形状のp型用配線13の櫛歯に相当する部分とはそれぞれ1本ずつ交互に所定の間隔を空けて配置されることになる。なお、n型用配線12およびp型用配線13の櫛歯に相当する部分のうちの少なくとも一方を1本ではなく複数本ずつ交互に配置してもよい。いずれにせよ、n型用配線12またはp型用配線13のいずれか一方の配線が少なくとも部分的に他方の配線の間に位置する箇所を含む構成となる。
図1(b)に、図1(a)の1b−1bに沿った模式的な断面図を示す。図1(b)に示すように、配線シート10においては、絶縁性基材11の一方の表面上にのみn型用配線12およびp型用配線13が設置されている。
絶縁性基材11の材質としては、電気絶縁性の材質であれば特に限定なく用いることができ、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET:Polyethylene terephthalate)、ポリエチレンナフタレート(PEN:Polyethylene naphthalate)、ポリフェニレンサルファイド(PPS:Polyphenylene sulfide)、ポリビニルフルオライド(PVF:Polyvinyl fluoride)およびポリイミド(Polyimide)からなる群から選択された少なくとも1種の樹脂を含む材質を用いることができる。
絶縁性基材11の厚さは特に限定されず、たとえば25μm以上150μm以下とすることができる。
絶縁性基材11は、1層のみからなる単層構造であってもよく、2層以上からなる複数層構造であってもよい。
配線16の材質としては、導電性の材質のものであれば特に限定なく用いることができ、たとえば、銅、アルミニウムおよび銀からなる群から選択された少なくとも1種を含む金属などを用いることができる。
配線16の厚さも特に限定されず、たとえば10μm以上50μm以下とすることができる。
配線16の形状も上述した形状に限定されず、適宜設定することができるものであることは言うまでもない。
配線16の少なくとも一部の表面には、たとえば、ニッケル(Ni)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、錫(Sn)、SnPbはんだ、およびITO(Indium Tin Oxide)からなる群から選択された少なくとも1種を含む導電性物質を設置してもよい。この場合には、配線シート10の配線16と後述する裏面電極型太陽電池セルの電極との電気的接続を良好なものとし、配線16の耐候性を向上させることができる傾向にある。
配線16の少なくとも一部の表面には、たとえば防錆処理や黒化処理などの表面処理を施してもよい。
配線16も、1層のみからなる単層構造であってもよく、2層以上からなる複数層構造であってもよい。
以下に、図1(a)および図1(b)に示される構成の配線シート10の製造方法の一例について説明する。
まず、たとえばPETフィルムなどの絶縁性基材11を用意し、その絶縁性基材11の一方の表面の全面にたとえば金属箔または金属プレートなどの導電性物質を貼り合わせる。たとえば所定の幅にカットされた絶縁性基材のロールを引き出し、絶縁性基材の一方の表面に接着剤を塗布し、絶縁性基材の幅よりやや小さくカットされた金属箔のロールを重ね合わせて加圧・加熱することで貼り合わせることができる。
次に、絶縁性基材11の表面に貼り合わされた導電性物質の一部をフォトエッチングなどにより除去して導電性物質をパターンニングすることによって、絶縁性基材11の表面上にパターンニングされた導電性物質からなるn型用配線12、p型用配線13および接続用配線14などを含む配線16を形成する。
以上により、図1(a)および図1(b)に示される構成の配線シート10を作製することができる。
<太陽電池セル>
本実施の形態においては、太陽電池セルとして裏面電極型太陽電池セルを用いる場合について説明するが、太陽電池セルとしては裏面電極型太陽電池セル以外の太陽電池セルを用いてもよい。
図2(a)に、本発明に用いられる裏面電極型太陽電池セルの一例の模式的な断面図を示す。図2(a)に示される裏面電極型太陽電池セル20は、たとえばn型またはp型のシリコン基板などの半導体基板21と、裏面電極型太陽電池セル20の受光面となる半導体基板21の凹凸表面側に形成された反射防止膜27と、裏面電極型太陽電池セル20の裏面となる半導体基板21の裏面側に形成されたパッシベーション膜26とを有している。
半導体基板21の裏面側には、たとえばリンなどのn型不純物が拡散して形成されたn型不純物拡散領域22とたとえばボロンなどのp型不純物が拡散して形成されたp型不純物拡散領域23とが所定の間隔を空けて交互に形成されているとともに、半導体基板21の裏面側のパッシベーション膜26に設けられたコンタクトホールを通してn型不純物拡散領域22に接するn型用電極24およびp型不純物拡散領域23に接するp型用電極25がそれぞれ設けられている。
n型またはp型の導電型を有する半導体基板21の裏面側には、n型不純物拡散領域22またはp型不純物拡散領域23と半導体基板21内部との界面において複数のpn接合が形成されることになる。半導体基板21がn型またはp型のいずれの導電型を有していても、n型不純物拡散領域22およびp型不純物拡散領域23はそれぞれ半導体基板21内部と接合していることから、n型用電極24およびp型用電極25はそれぞれ半導体基板21の裏面側に形成された複数のpn接合にそれぞれ対応する電極となる。
図2(b)に、図2(a)に示される裏面電極型太陽電池セル20の電極の設置側の表面(裏面)の一例の模式的な平面図を示す。図2(b)に示すように、n型用電極24およびp型用電極25はそれぞれ櫛形状に形成されており、櫛形状のn型用電極24の櫛歯に相当する部分と櫛形状のp型用電極25の櫛歯に相当する部分とが1本ずつ交互に噛み合わさるようにn型用電極24およびp型用電極25が配置されている。その結果、櫛形状のn型用電極24の櫛歯に相当する部分と櫛形状のp型用電極25の櫛歯に相当する部分とはそれぞれ1本ずつ交互に所定の間隔を空けて配置されることになる。
裏面電極型太陽電池セル20の裏面のn型用電極24およびp型用電極25のそれぞれの形状および配置は、図2(b)に示す構成に限定されず、配線シート10のn型用配線12およびp型用配線13にそれぞれ電気的に接続可能な形状および配置であればよい。
図3(a)に、裏面電極型太陽電池セル20の電極の設置側の表面(裏面)の他の一例の模式的な平面図を示す。図3(a)に示すように、n型用電極24およびp型用電極25はそれぞれ同一方向に伸長(図3(a)の上下方向に伸長)する帯状に形成されており、半導体基板21の裏面において上記の伸長方向と直交する方向にそれぞれ1本ずつ交互に配置されている。
図3(b)に、裏面電極型太陽電池セル20の電極の設置側の表面(裏面)のさらに他の一例の模式的な平面図を示す。図3(b)に示すように、n型用電極24およびp型用電極25はそれぞれ点状に形成されており、点状のn型用電極24の列(図3(b)の上下方向に伸長)および点状のp型用電極25の列(図3(b)の上下方向に伸長)がそれぞれ半導体基板21の裏面において1列ずつ交互に配置されている。
なお、図2(a)、図2(b)、図3(a)および図3(b)に図示した構成では、n型用電極24およびp型用電極25のいずれもの少なくとも一部を1本または1列ずつとしてそれらを交互に配置する構成であるが、n型用電極24およびp型用電極25の少なくともいずれか一方を、1本または1列ではなく複数本または複数列としてもよい。いずれにせよ、n型用電極24またはp型用電極25のいずれか一方の電極が、少なくとも部分的に他方の電極の間に位置する箇所を含む構成となる。
裏面電極型太陽電池セル20のn型用電極24の少なくとも一部の表面および/またはp型用電極25の少なくとも一部の表面には、たとえば、ニッケル(Ni)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、錫(Sn)、SnPbはんだ、およびITO(Indium Tin Oxide)からなる群から選択された少なくとも1種を含む導電性物質を設置してもよい。この場合には、配線シート10の配線16と裏面電極型太陽電池セル20の電極(n型用電極24、p型用電極25)との電気的接続を良好なものとし、裏面電極型太陽電池セル20の電極(n型用電極24、p型用電極25)の耐候性を向上させることができる傾向にある。
裏面電極型太陽電池セル20のn型用電極24の少なくとも一部の表面および/またはp型用電極25の少なくとも一部の表面には、たとえば防錆処理や黒化処理などの表面処理を施してもよい。
半導体基板21としては、たとえば、n型またはp型の多結晶シリコンまたは単結晶シリコンなどからなるシリコン基板を用いることができる。なお、半導体基板21としては、裏面側でpn接合を形成するには、単結晶であることが好ましい。
n型用電極24およびp型用電極25としてはそれぞれ、たとえば、銀などの金属からなる電極を用いることができる。
パッシベーション膜26としては、たとえば、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、または酸化シリコン膜と窒化シリコン膜との積層体などを用いることができる。
反射防止膜27としては、たとえば、窒化シリコン膜などを用いることができる。
なお、本発明における裏面電極型太陽電池セルの概念には、上述した半導体基板21の一方の表面側(裏面側)のみにn型用電極24およびp型用電極25の双方が形成された構成のものだけでなく、MWT(Metal Wrap Through)セル(半導体基板に設けられた貫通孔に電極の一部を配置した構成の太陽電池セル)などのいわゆるバックコンタクト型太陽電池セル(太陽電池セルの受光面側と反対側の裏面側から電流を取り出す構造の太陽電池セル)のすべてが含まれる。
<絶縁性接着材の設置>
図4に、配線シート10の配線16の設置側の表面上に絶縁性接着材を設置する工程の一例を図解する模式的な平面図を示す。
まず、上記構成の配線シート10を用意し、配線シート10の配線16の設置側の表面上に未硬化の絶縁性接着材17aを塗布する。これにより、配線シート10の櫛形状のn型用配線12の櫛歯に相当する部分と櫛形状のp型用配線13の櫛歯に相当する部分との間に絶縁性接着材17aが設置される。なお、絶縁性接着材17aは硬化によって、後述する絶縁性を保持することができる程度の電気抵抗を有していればよい。
絶縁性接着材17aの塗布方法は特に限定されないが、たとえば、ディスペンサを用いた塗布、インクジェット塗布またはスリットコーターを用いた塗布などを用いることができる。
絶縁性接着材17aは、配線シート10の櫛形配線であるn型用配線12の櫛歯に相当する部分の長手方向およびp型用配線13の櫛歯に相当する部分の長手方向のそれぞれに実質的に直交する方向18に塗布されることが好ましい。この場合には、後述の裏面電極型太陽電池セル20と配線シート10とを重ね合わせる工程において、n型用配線12およびp型用配線13の長手方向に沿って絶縁性接着材17aが濡れ広がり、気泡の混入を抑止しながら絶縁性接着材17aを裏面電極型太陽電池セル20の全面に行き渡らせることができる傾向にある。
n型用配線12の櫛歯に相当する部分の長手方向およびp型用配線13の櫛歯に相当する部分の長手方向のそれぞれに実質的に直交する方向18は、n型用配線12の櫛歯に相当する部分の長手方向およびp型用配線13の櫛歯に相当する部分の長手方向のそれぞれに対して完全に直交する方向であってもよいことは勿論、完全に直交する方向に対して−14°〜+14°の範囲内で傾いていてもよい。
また、絶縁性接着材17aは、裏面電極型太陽電池セル20の電極(n型用電極24、p型用電極25)が設置されていない箇所と、配線シート10の配線(n型用配線12、p型用配線13)が設置されていない箇所との間に設置されることが好ましい。この場合には、裏面電極型太陽電池セル20の電極と配線シート10の配線との間の電気的な接続が絶縁性接着材17aによって阻害されないため、裏面電極型太陽電池セル20の電極と配線シート10の配線との間の電気的な信頼性を高く保持することができる。
絶縁性接着材17aは、熱硬化性樹脂(加熱によって硬化する樹脂)を含んでいればよく、なかでも、熱硬化性樹脂として、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、およびエポキシ樹脂とアクリル樹脂との混合樹脂のいずれかを含んでいることが好ましいが、熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、およびエポキシ樹脂とアクリル樹脂との混合樹脂に限定されないことは言うまでもない。また、塗布性および濡れ拡がり性を向上させる観点から、絶縁性接着材17aの粘度は1000mPa・s〜10000mPa・sに調整することが好ましい。この場合には、裏面電極型太陽電池セル20と配線シート10との間の空間を絶縁性接着材17aで十分に充填することができ、裏面電極型太陽電池セル20と配線シート10との接合強度を十分に確保することができる傾向にある。
絶縁性接着材17aは、樹脂成分以外の成分として、たとえば硬化剤などの従来から公知の添加剤を1種類以上含んでいてもよい。
なお、上記においては、配線シート10の配線16の設置側の表面上に絶縁性接着材17aを設置する場合について説明したが、裏面電極型太陽電池セル20の電極の設置側の表面上に絶縁性接着材17aを設置してもよく、配線シート10の配線16の設置側の表面上および裏面電極型太陽電池セル20の電極の設置側の表面上にそれぞれ絶縁性接着材17aを設置してもよい。
配線シート10の配線16の設置側の表面上に未硬化の絶縁性接着材17aを設置する領域は、たとえば、配線シート10の全面、裏面電極型太陽電池セル20が貼り合わされる領域、若しくは、n型用配線12とp型用配線13との間のみの領域、のいずれの領域としてもよい。
裏面電極型太陽電池セル20のn型用電極24およびp型用電極25が設置されている側の表面である裏面上に未硬化の絶縁性接着材17aを設置する領域は、たとえば、裏面電極型太陽電池セル20の全面、裏面電極型太陽電池セル20の周縁部を除いた領域、若しくは、n型用電極24とp型用電極25との間のみの領域、のいずれの領域としてもよい。
絶縁性接着材17aが塗布される領域が、配線シート10の配線16および裏面電極型太陽電池セル20の電極(n型用電極24およびp型用電極25)を含む場合には、絶縁性接着材17aから絶縁性接着材17を形成する際に加圧することが好ましい。これによって、配線シート10の配線16と裏面電極型太陽電池セル20の電極との間から絶縁性接着材17aが押し出されて、裏面電極型太陽電池セル20と配線シート10との電気的な接続をより確実なものとすることができる。このときの絶縁性接着材17aの塗布方法は、たとえば、印刷、ディスペンス、スピンコート、ロールコート、スプレーコート、またはスリットコートなどのいずれの方法であってもよい。
また、裏面電極型太陽電池セル20の電極および/または配線シート10の配線に、加熱によって溶融する導電性接着材を設置することが好ましい。これにより、裏面電極型太陽電池セル20の電極と配線シート10の配線との間に導電性接着材が介在して、裏面電極型太陽電池セル20の電極と配線シート10の配線との間の電気的接続をより確実にすることができる。
導電性接着材を設置する場合には、導電性接着材の融点は絶縁性接着材17aの熱硬化性樹脂を硬化する温度よりも低いことが好ましい。これにより、絶縁性接着材17aの熱硬化性樹脂を硬化する温度で導電性接着材を溶融することができるため、絶縁性接着材17aの硬化時に導電性接着材が裏面電極型太陽電池セル20の電極と配線シート10の配線に濡れ広がってより確実な電気的接続を得ることができる。
<配線シートと太陽電池セルとを重ね合わせる工程>
上記の絶縁性接着材17aを設置する工程の後には、配線シート10と裏面電極型太陽電池セル20とを重ね合わせる工程が行なわれる。図5に、配線シート10と裏面電極型太陽電池セル20とを重ね合わせる工程の一例を図解する模式的な断面図を示す。
図5に示すように、配線シート10と裏面電極型太陽電池セル20とを重ね合わせる工程は、たとえば、裏面電極型太陽電池セル20のn型用電極24が配線シート10のn型用配線12上に位置するとともに、裏面電極型太陽電池セル20のp型用電極25が配線シート10のp型用配線13上に位置するように、裏面電極型太陽電池セル20が配線シート10上に設置されることによって行なわれる。
n型用電極24とn型用配線12とは電気的に接続されていればよく、n型用電極24とn型用配線12とは直接接触していてもよく、n型用電極24とn型用配線12とはたとえば導電性接着剤などの導電性物質を介して電気的に接続されていてもよい。
p型用電極25とp型用配線13とは電気的に接続されていればよく、p型用電極25とp型用配線13とは直接接触していてもよく、p型用電極25とp型用配線13とはたとえば導電性接着剤などの導電性物質を介して電気的に接続されていてもよい。
<絶縁性接着材を硬化させる工程>
上記の配線シート10と裏面電極型太陽電池セル20とを重ね合わせる工程の後には、絶縁性接着材17aを硬化させる工程が行なわれる。図6に、絶縁性接着材17aを硬化させる工程の一例を図解する模式的な断面図を示す。
ここで、未硬化の絶縁性接着材17aを加熱することにより硬化することによって、配線シート10と裏面電極型太陽電池セル20との間に硬化後の絶縁性接着材17が形成される。これにより、の配線シート10と裏面電極型太陽電池セル20とが硬化後の絶縁性接着材17によって接合される。
絶縁性接着材17aは、絶縁性接着材17aの加熱による硬化後の絶縁性接着材17の形成時において、絶縁性接着材17a自身が収縮することになるが、絶縁性接着材17aは、裏面電極型太陽電池セル20のパッシベーション膜26および配線シート10の絶縁性基材11のそれぞれに接着しているため、絶縁性接着材17aの硬化時の収縮力によって、裏面電極型太陽電池セル20と配線シート10との間の接合がより強固なものとなり、高信頼性を実現することができる。
特に、裏面電極型太陽電池セル20の半導体基板21と配線シート10の絶縁性基材11との間であって、裏面電極型太陽電池セル20の隣り合う櫛形状のn型用電極24の櫛歯に相当する部分と櫛形状のp型用電極25の櫛歯に相当する部分との間の領域、かつ絶縁性基材11上で隣り合う櫛形状のn型用配線12の櫛歯に相当する部分と櫛形状のp型用配線13の櫛歯に相当する部分との間の領域に設置された絶縁性接着材17aを硬化して絶縁性接着材17とした場合には、裏面電極型太陽電池セル20と配線シート10の絶縁性基材11との間の接合をより強固なものとすることができ、高信頼性を実現することができる。
ここで、本発明においては、絶縁性接着材17aを硬化させる工程は、絶縁性接着材17aに含まれる熱硬化性樹脂の硬化による体積収縮率を熱硬化性樹脂の線膨張係数で割った値よりも低い温度で絶縁性接着材17aの熱硬化性樹脂をを加熱する工程を含んでいる。これにより、裏面電極型太陽電池セル20と配線シート10の絶縁性基材11との間の接合をより強固にして、高信頼性を実現することができる。
熱硬化性樹脂は、熱によって膨張する特性と、硬化によって収縮する特性と、を併せ持つことが知られており、熱膨張力および硬化収縮力はそれぞれ、以下の式(1)および式(2)で表わされる。
熱膨張力P(t)=α・t・E(t) …(1)
硬化収縮力W(t)={s+α(T−t)}・E(t) …(2)
t:熱硬化性樹脂の温度(℃)
α:熱硬化性樹脂の線膨張係数(%/℃)
s:熱硬化性樹脂の硬化による体積収縮率(%)
E(t):熱硬化性樹脂の弾性率
T:熱硬化性樹脂を硬化させる温度(℃)
一方、裏面電極型太陽電池セル20の電極(n型用電極24、p型用電極25)と配線シート10の配線(n型用配線12、p型用配線13)との電気的な接続を良好に保持するためには、裏面電極型太陽電池セル20と配線シート10との間に互いに引っ張り合う力がかかっていることが好ましく、そのためには、上記の式(1)で表わされる熱膨張力P(t)よりも上記の式(2)で表わされる硬化収縮力W(t)のほうが大きく(W(t)>P(t))なるようにすればよい。
ここで、s/α>Tとなるように熱硬化性樹脂を硬化させる温度Tを設定すると、W(t)−P(t)は以下の式(3)で表わされる。
W(t)−P(t)>2・α・E(t)・(T−t) …(3)
したがって、上記の式(3)により、熱硬化性樹脂の温度tが熱硬化性樹脂を硬化させる温度Tよりも低い場合には、W(t)−P(t)>0とすることができるため、W(t)>P(t)とすることができる。
すなわち、熱硬化性樹脂の温度tが熱硬化性樹脂を硬化させる温度Tよりも低い場合には、熱膨張力P(t)よりも硬化収縮力W(t)の方を大きくなるようにすることができるため、裏面電極型太陽電池セル20の電極(n型用電極24、p型用電極25)と配線シート10の配線(n型用配線12、p型用配線13)との電気的な接続を良好に保持することができる。
ここで、熱硬化性樹脂を硬化させる温度T(℃)を、熱硬化性樹脂の硬化による体積収縮率s(%)を熱硬化性樹脂の線膨張係数α(%/℃)で割った値(s/α)(℃)よりも所定の値以上小さくする場合を考える。
たとえば、Tがs/αの値よりも所定の値Aだけ小さい場合には、Tは下記の式(4)で表わされるため、sは下記の式(5)で表わされる。
T=(s/α)−A …(4)
s=α(T+A) …(5)
そして、上記の式(1)、式(2)および式(5)から、W(t)−P(t)は以下の式(6)で表わされる。
W(t)−P(t)=2・α・E(t)・{(T−t)+A/2} …(6)
さらに、上記の式(6)から、W(t)>P(t)となるためには、熱硬化性樹脂の温度t(℃)は以下の式(7)で表わされる関係を満たせばよい。
t<T+A/2 …(7)
すなわち、熱硬化性樹脂の温度t(℃)が、熱硬化性樹脂を硬化させる温度T(℃)と所定の値A(℃)とで表わされる温度(T+A/2)(℃)未満の場合には、熱膨張力P(t)よりも硬化収縮力W(t)の方が大きくなるようにすることができる。
以上により、絶縁性接着材17aに含まれる熱硬化性樹脂の硬化による体積収縮率s(%)を熱硬化性樹脂の線膨張係数α(%/℃)で割った値よりも低い温度で絶縁性接着材17aの熱硬化性樹脂を加熱し硬化することによって、熱硬化性樹脂を硬化させる温度Tよりも高い温度まで裏面電極型太陽電池セル20と配線シート10との間に互いに引っ張り合う力がかかるようにすることができる。すなわち、裏面電極型太陽電池セル20と配線シート10との間に互いに引っ張り合う力がかかる温度上限を下げることなく、熱硬化性樹脂を硬化させる温度Tを下げることができる。これにより、以下の優れた効果(1)〜(3)を得ることができる。
(1)配線シート付き太陽電池セルおよび太陽電池モジュールの製造工程中に裏面電極型太陽電池セル20と配線シート10が熱膨張・熱収縮することによる裏面電極型太陽電池セル20の反りの発生を抑制することができる。
(2)裏面電極型太陽電池セル20の電極(n型用電極24、p型用電極25)と配線シート10の配線(n型用配線12、p型用配線13)との位置ずれの発生を抑制することができる。
(3)熱硬化性樹脂を硬化させる温度Tよりも高い温度まで裏面電極型太陽電池セル20と配線シート10との間に互いに引っ張り合う力がかかるようにすることができるため、裏面電極型太陽電池セル20と配線シート10の絶縁性基材11との接合を強固なものとすることができ、配線シート付き太陽電池セルおよび太陽電池モジュールの使用中においても、裏面電極型太陽電池セル20の電極と配線シート10の配線との電気的な接続を良好に保持することができる。
上記の式(7)は、以下の式(8)と書き換えることもできる。
t<(T+s/α)/2 …(8)
すなわち、熱硬化性樹脂の温度t(℃)を、熱硬化性樹脂を硬化させる温度T(℃)と、熱硬化性樹脂の硬化による体積収縮率s(%)を熱硬化性樹脂の線膨張係数α(%/℃)で割った値(s/α)との中間値((T+s/α)/2)以下とした場合には熱膨張力P(t)よりも硬化収縮力W(t)の方を大きくすることができる。
したがって、熱硬化性樹脂の温度t(℃)が太陽電池モジュールの使用温度範囲となるように熱硬化性樹脂を硬化させる温度T(℃)を設定すれば、太陽電池モジュールの使用温度範囲内で裏面電極型太陽電池セル20の電極と配線シート10の配線との電気的な接続を良好に保持することができる。
<配線シート付き太陽電池セル>
上述した各工程を経ることにより、本発明の配線シート付き太陽電池セルを作製することができる。
図7(a)に、本発明の配線シート付き太陽電池セルの一例を受光面側から見たときの模式的な平面図を示し、図7(b)に、図7(a)の7b−7bに沿った模式的な断面図を示す。
図7(a)および図7(b)に示すように、配線シート付き太陽電池セルは、裏面電極型太陽電池セル20の裏面側と、配線シート10の配線16の設置側とが向かい合うようにして、配線シート10上に裏面電極型太陽電池セル20が設置されることによって構成されている。
すなわち、図7(b)に示すように、裏面電極型太陽電池セル20の裏面側のn型用電極24は配線シート10の絶縁性基材11の表面上に設置されたn型用配線12と電気的に接続されているとともに、裏面電極型太陽電池セル20の裏面のp型用電極25は配線シート10の絶縁性基材11の表面上に設置されたp型用配線13と電気的に接続されている。
また、図1(a)に示すように、配線シート付き太陽電池セルに用いられている配線シート10の終端にそれぞれ位置しているn型用配線12aおよびp型用配線13a以外の隣り合うn型用配線12とp型用配線13とは、接続用配線14によって電気的に接続されていることから、配線シート10上で隣り合うようにして設置される裏面電極型太陽電池セル20同士は互いに電気的に接続されることになる。したがって、図7(a)および図7(b)に示す構成の太陽電池モジュールにおいては、配線シート10上に設置されたすべての裏面電極型太陽電池セル20は電気的に直列に接続されることになる。
ここで、配線シート付き太陽電池セルの裏面電極型太陽電池セル20の受光面に光が入射することによって発生した電流は裏面電極型太陽電池セル20のn型用電極24およびp型用電極25から配線シート10のn型用配線12およびp型用配線13に取り出される。そして、配線シート10のn型用配線12およびp型用配線13に取り出された電流は、配線シート10の終端にそれぞれ位置しているn型用配線12aおよびp型用配線13aから配線シート付き太陽電池セルの外部に取り出されることになる。
配線シート付き太陽電池セルにおいて、たとえば図7(b)に示すように、裏面電極型太陽電池セル20の半導体基板21と配線シート10の絶縁性基材11との間であって、裏面電極型太陽電池セル20の隣り合うn型用電極24とp型用電極25との間の領域に絶縁性接着材17が設置されている場合には、裏面電極型太陽電池セル20と絶縁性基材11との間の接合をより強固なものとして、高信頼性を実現することができる。
なお、絶縁性接着材17は、裏面電極型太陽電池セル20の隣り合うn型用電極24とp型用電極25との間、および、配線シート10の隣り合うn型用配線12とp型用配線13との間における短絡の発生を実質的に防止することができる程度の電気抵抗を有していればよい。
また、配線シート付き太陽電池セルにおいて、裏面電極型太陽電池セル20のn型用電極24およびp型用電極25と、配線シート10の配線16のn型用配線12およびp型用配線13とはそれぞれお互いに接しているだけで固定されていない状態としてもよい。この場合には、温度変化などの熱応力や風、積雪などの機械的な応力が加わり、裏面電極型太陽電池セル20と配線シート10との間にせん断応力が発生した場合でも、応力は電極間や配線間の絶縁性接着材17に負荷される。裏面電極型太陽電池セル20の電極と配線シート10の配線との接続部分は固定されていないため、電気的な導通を保ちながら応力に応じて一時的にずれることが可能であり、当該接続部分の破壊を防ぎ、信頼性を高めることができる。
図8(a)〜図8(d)に、本発明の配線シート付き太陽電池セルの他の一例の製造方法の一例を図解する模式的な模式図を示す。
まず、図8(a)の模式的平面図に示すように、裏面電極型太陽電池セル1個分の配線シート10を用意する。ここで、図8(a)に示す構成の配線シート10は、絶縁性基材11と、絶縁性基材11の表面上にパターンニングされた櫛形状のn型用配線12および櫛形状のp型用配線13を含む配線16とを有している。
ここでも、櫛形状のn型用配線12の櫛歯に相当する部分と櫛形状のp型用配線13の櫛歯に相当する部分とが1本ずつ交互に噛み合わさるようにn型用配線12およびp型用配線13がそれぞれ配置されている。その結果、櫛形状のn型用配線12の櫛歯に相当する部分と櫛形状のp型用配線13の櫛歯に相当する部分とはそれぞれ1本ずつ交互に所定の間隔を空けて配置されることになる。
そして、配線シート10の配線16の設置側の表面に未硬化の絶縁性接着材17aを設置する。ここで、配線シート10の櫛形状のn型用配線12の櫛歯に相当する部分と櫛形状のp型用配線13の櫛歯に相当する部分との間に絶縁性接着材17aを設置することが好ましい。
ここでも、絶縁性接着材17aは、上記と同様の理由により、配線シート10の櫛形状のn型用配線12の櫛歯に相当する部分の長手方向および櫛形状のp型用配線13の櫛歯に相当する部分の長手方向のそれぞれに実質的に直交する方向18に塗布されることにより設置されることが好ましい。
なお、樹脂組成物17aの塗布に関する説明は、上記で述べた説明と同様であるため、ここでは省略する。
次に、図8(b)の模式的斜視図に示すように、配線シート10の配線16の表面上方に裏面電極型太陽電池セル20を移動させる。そして、裏面電極型太陽電池セル20の電極の設置側の表面である裏面と配線シート10の配線16の設置側の表面とを向かい合わせるとともに、裏面電極型太陽電池セル20のn型用電極24が配線シート10のn型用配線12と電気的に接続するとともに、裏面電極型太陽電池セル20のp型用電極25が配線シート10のp型用配線13と電気的に接続するように裏面電極型太陽電池セル20の位置を調整する。
次に、図8(c)の模式的斜視図に示すように、配線シート10のn型用配線12上に裏面電極型太陽電池セル20の裏面のn型用電極24を設置するとともに、配線シート10のp型用配線13上に裏面電極型太陽電池セル20の裏面のp型用電極25を設置することによって、配線シート10上に裏面電極型太陽電池セル20を設置する。
そして、絶縁性接着材17aを加熱することによって絶縁性接着材17aの熱硬化性樹脂を硬化して、図8(d)の模式的断面図に示すような絶縁性接着材17を形成する。これにより、裏面電極型太陽電池セル20の裏面のn型用電極24と配線シート10のn型用配線12とが電気的に接続されるとともに、裏面電極型太陽電池セル20の裏面のp型用電極25と配線シート10のp型用配線13とが電気的に接続されることによって、本発明の配線シート付き太陽電池セルの他の一例を作製することができる。
図8(d)に示す構成の本発明の配線シート付き太陽電池セルの一例においては、裏面電極型太陽電池セル20の受光面に光が入射することによって発生した電流は裏面電極型太陽電池セル20のn型用電極24およびp型用電極25からそれぞれ配線シート10のn型用配線12およびp型用配線13を通して外部に取り出されることになる。
また、図8(d)に示す構成の配線シート付き太陽電池セルは、後述の太陽電池モジュールのように、後述の封止材中に封止されていてもよい。
図8(d)に示す構成の配線シート付き太陽電池セルは小型化することができることから、たとえば携帯電話の電源などに用いることができると考えられる。
<太陽電池モジュール>
図9(a)および図9(b)に、配線シート付き太陽電池セルの少なくとも裏面電極型太陽電池セルを透光性基板上の封止材中に封止する工程の一例を図解する模式的な断面図を示す。以下、図9(a)および図9(b)を参照して、配線シート付き太陽電池セルの少なくとも裏面電極型太陽電池セルを透光性基板上の封止材中に封止する工程の一例について説明する。
まず、図9(a)に示すように、配線シート付き太陽電池セルの裏面電極型太陽電池セル側にシート状の第1の透明樹脂31aを備えた透光性基板30を設置するとともに、配線シート付き太陽電池セルの配線シート側にシート状の第2の透明樹脂31bを備えた裏面保護シート32を設置する。
次に、第1の透明樹脂31aを配線シート付き太陽電池セルの裏面電極型太陽電池セルに圧着させるとともに、第2の透明樹脂31bを配線シート付き太陽電池セルの配線シートに圧着させた状態で加熱処理することによって、第1の透明樹脂31aと第2の透明樹脂31bとを一体化させて硬化させる。
これにより、図9(b)に示すように、第1の透明樹脂31aと第2の透明樹脂31bとが一体化してなる封止材31中に配線シート付き太陽電池セルの少なくとも裏面電極型太陽電池セルが封止されてなる本発明の太陽電池モジュールの一例を作製することができる。
図9(b)に示す配線シート付き太陽電池セルにおいては、絶縁性接着材17の硬化収縮力によって裏面電極型太陽電池セルが配線シート10に強く圧着され、裏面電極型太陽電池セルのn型用電極24と配線シートのn型用配線12との圧着および裏面電極型太陽電池セルのp型用電極25と配線シートのp型用配線13との圧着がそれぞれ強化される。これにより、裏面電極型太陽電池セルの電極と配線シートの配線との間に良好な電気的接続が得られることになる。
ここで、配線シート付き太陽電池セルの裏面電極型太陽電池セルを封止材31中に封止するための圧着および加熱処理は、たとえばラミネータと呼ばれる真空圧着および加熱処理を行なう装置などを用いて行なうことができる。たとえばラミネータにより第1の透明樹脂31aおよび第2の透明樹脂31bを熱変形させ、第1の透明樹脂31aおよび第2の透明樹脂31bを熱硬化させることにより、これらの透明樹脂が一体化されて封止材31が形成され、封止材31中に配線シート付き太陽電池セルの少なくとも裏面電極型太陽電池セルが包み込まれるようにして封止されることになる。
なお、真空圧着とは、大気圧よりも減圧した雰囲気下で圧着させる処理のことである。ここで、圧着方法として真空圧着を用いることが好ましい。この場合には、第1の透明樹脂31aと第2の透明樹脂31bとの間に空隙が形成されにくくなり、第1の透明樹脂31aと第2の透明樹脂31bとを一体化して形成された封止材31中に気泡が残留しにくくなる傾向にある。
ここで、透光性基板30としては、太陽光に対して透明な基板であれば特に限定なく用いることができ、たとえば、ガラス基板などを用いることができる。
また、第1の透明樹脂31aおよび第2の透明樹脂31bとしては、太陽光に対して透明な樹脂を特に限定なく用いることができ、なかでも、エチレンビニルアセテート樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、オレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂およびゴム系樹脂からなる群から選択された少なくとも1種の透明樹脂を用いることが好ましい。この場合には、封止材31が耐候性に優れるとともに、太陽光の透過性が高くなるため、太陽電池モジュールの出力(特に、短絡電流または動作時電流)を大きく損なうことなく十分な強度で透明基板30に固着させることができる。これにより、太陽電池モジュールの長期信頼性を確保することができる傾向にある。
なお、第1の透明樹脂31aと第2の透明樹脂31bとしてはそれぞれ同一種類の透明樹脂を用いてもよく、異なる種類の透明樹脂を用いてもよい。
配線シート付き太陽電池セルの裏面電極型太陽電池セルをを封止材31中に封止する際の加熱処理は、たとえば、第1の透明樹脂31aおよび第2の透明樹脂31bがそれぞれエチレンビニルアセテート樹脂からなる場合には、たとえば100℃以上200℃以下の温度に第1の透明樹脂31aおよび第2の透明樹脂31bをそれぞれ加熱することにより行なうことができる。
裏面保護シート32としては、封止材31の裏面を保護することができるものであれば特に限定なく用いることができ、たとえば従来から用いられているPETなどの耐候性フィルムを用いることができる。
封止材31中への水蒸気や酸素の透過を十分に抑制して長期的な信頼性を確保する観点から、裏面保護シート32は、たとえばアルミニウムなどの金属フィルムを含んでいても良い。
太陽電池モジュールの端面などの裏面保護シート32を密着させることが難しい部分にはたとえばブチルゴムテープなどの水分透過防止テープを用いて完全に密着させることもできる。
図10(a)および図10(b)に、配線シート付き太陽電池セルの少なくとも裏面電極型太陽電池セルを透光性基板上の封止材中に封止する工程の他の一例を図解する模式的な断面図を示す。以下、図10(a)および図10(b)を参照して、配線シート付き太陽電池セルの少なくとも裏面電極型太陽電池セルを透光性基板上の封止材中に封止する工程の一例について説明する。
まず、図10(a)に示すように、配線シート付き太陽電池セルの配線シート側に裏面保護シート32のみを設置するとともに、配線シート付き太陽電池セルの裏面電極型太陽電池セル側にシート状の第1の透明樹脂31aを備えた透明基板30を設置する。
次に、第1の透明樹脂31aを配線シート付き太陽電池セルの裏面電極型太陽電池セルに圧着させた状態で加熱処理することによって、図10(b)に示すように、第1の透明樹脂31a中に配線シート付き太陽電池セルの少なくとも裏面電極型太陽電池セルが包み込まれて封止されることになる。これにより、第1の透明樹脂31a中に配線シート付き太陽電池セルの少なくとも裏面電極型太陽電池セルが封止されてなる本発明の太陽電池モジュールの一例を作製することができる。
上記のようにして作製された本発明の太陽電池モジュールの一例においては、裏面電極型太陽電池セルの受光面に光が入射することによって発生した電流は裏面電極型太陽電池セルのn型用電極24およびp型用電極25からそれぞれ配線シートのn型用配線12およびp型用配線13に取り出される。そして、配線シートのn型用配線12およびp型用配線13に取り出された電流は、図1(a)に示すように、配線シート10の終端にそれぞれ位置しているn型用配線12aおよびp型用配線13bに電気的に接続された端子から裏面保護シート32を通して外部に取り出されることになる。
また、上記のようにして作製された本発明の太陽電池モジュールの一例においては、たとえばアルミニウム合金などからなるフレームが太陽電池モジュールの外周を取り囲むようにして取り付けられていてもよい。
なお、封止前の太陽電池モジュールの絶縁性接着材17の少なくとも一部を未硬化状態としておいて、封止材31による封止のための真空中での加熱処理により、その未硬化状態の絶縁性接着材17を硬化させてもよい。これにより、裏面電極型太陽電池セルと配線との間に気泡が残留しにくくなるため、太陽電池モジュールの信頼性が向上する。
まず、配線シート10の絶縁性基材11として、幅1000mm、厚さ50μmのPENフィルムのロールを用意した。次に、PENフィルムの一方の表面の全面に厚さ35μmの銅箔を貼り合わせた。PENフィルムの片面に接着剤を塗布し、銅箔を重ね合わせて加圧・加熱することで貼り合わせた。
次に、PENフィルムの表面上の銅箔の一部をエッチングして図1(a)に示す形状にパターンニングすることによって、櫛形状のn型用配線12、櫛形状のp型用配線13、および櫛形状のn型用配線12と櫛形状のp型用配線13とを電気的に接続する帯状の接続用配線14を含む配線16を形成した。このように作製した配線シートのロールを幅255mm、長さ1410mmに切断した。
次に、配線シート10の配線16の設置側の表面の全面に熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を含む未硬化の絶縁性接着材17aをディスペンサにより塗布した。
ここで、エポキシ樹脂の線膨張係数αは5.8×10-3(%/℃)であって、エポキシ樹脂の硬化による体積収縮率sは1(%)であって、エポキシ樹脂の弾性率E(t)は常温で2.54×10-5(g/mm2)であった。
次に、図2(a)および図2(b)に示す構成の裏面電極型太陽電池セル20のn型用電極24が配線シート10のn型用配線12上に設置されるとともに、裏面電極型太陽電池セル20のp型用電極25が配線シート10のp型用配線13上に設置されるように、12枚の裏面電極型太陽電池セル20をそれぞれ配線シート10上に設置した。
次に、裏面電極型太陽電池セル20が設置された配線シート10を、ラミネータを用いて減圧した後に裏面電極型太陽電池セル20の上方から配線シート10に向けて1気圧を加圧して、荷重を印加した状態とした。その状態で絶縁性接着材を150℃に加熱して硬化させることによって、裏面電極型太陽電池セル20と配線シート10とを接合して、裏面電極型太陽電池セル20のn型用電極24と配線シート10のn型用配線12とを電気的に接続するとともに、裏面電極型太陽電池セル20のp型用電極25と配線シート10のp型用配線13とを電気的に接続した。
これにより、図7(a)および図7(b)に示す構成のように、裏面電極型太陽電池セル20の半導体基板21と配線シート10の絶縁性基材11との間であって、裏面電極型太陽電池セル20の隣り合う櫛形状のn型用電極24の櫛歯に相当する部分と櫛形状のp型用電極25の櫛歯に相当する部分との間の領域、かつ絶縁性基材11上で隣り合う櫛形状のn型用電極12の櫛歯に相当する部分と櫛形状のp型用配線13の櫛歯に相当する部分との間の領域に塗布された未硬化の絶縁性接着材17aが硬化することによって絶縁性接着材17が形成された配線シート付き太陽電池セルを作製した。
その後、上記のようにして作製した配線シート付き太陽電池セルを、ガラス基板上に設置されたエチレンビニルアセテート樹脂(EVA樹脂)とPETフィルム上に設置されたEVA樹脂との間に設置した。その後、ラミネータ装置を用いて、ガラス基板側のEVA樹脂を配線シート付き太陽電池セルの裏面電極型太陽電池セル20に圧着させるとともに、PETフィルム側のEVA樹脂を配線シート付き太陽電池セルの配線シート10に圧着させた状態でEVA樹脂を125℃に加熱して硬化させた。これにより、ガラス基板とPETフィルムとの間で硬化したEVA樹脂中に配線シート付き太陽電池セルが封止されることによって実施例の太陽電池モジュールが作製された。
以上のようにして作製された実施例の太陽電池モジュールにおいては、裏面電極型太陽電池セル20の半導体基板21と配線シート10の絶縁性基材11との間であって、裏面電極型太陽電池セル20の隣り合う櫛形状のn型用電極24の櫛歯に相当する部分と櫛形状のp型用電極25の櫛歯に相当する部分との間の領域、かつ絶縁性基材11上で隣り合う櫛形状のn型用電極12の櫛歯に相当する部分と櫛形状のp型用配線13の櫛歯に相当する部分との間の領域に硬化した絶縁性樹脂17が設置されているため、裏面電極型太陽電池セル20と配線シート10の絶縁性基材11との間の接合をより強固なものにすることができた。
さらに、上記のようにして作製された実施例の太陽電池モジュールを−40〜85℃の温度サイクル試験により、上記の接続部分の破壊、裏面電極型太陽電池セル20のクラック、および裏面電極型太陽電池セル20の電極の剥がれなどの不具合は発生しなかった。また、120℃の高温保持試験においても、接続部分の破壊、裏面電極型太陽電池セル20のクラック、および裏面電極型太陽電池セル20の電極の剥がれなどの不具合は発生しなかった。なお、120℃の雰囲気中でも電気的な接続を維持することが出来た。
なお、実施例の太陽電池モジュールにおいては、常温で、(硬化収縮力−熱膨張力)≒4.4×10-3(g/mm2)の力が裏面電極型太陽電池セルと配線シートとの間にかかり互いに引っ張りあうようにして固定される。また、硬化収縮力=熱膨張力となる絶縁性樹脂17の熱硬化性樹脂の温度tは161℃となる。
一般的な地上用太陽電池モジュールの使用温度範囲の上限は概ね90℃以下であり、このときの太陽電池モジュール内部温度は日射量など環境条件にもよるが概ね120℃以下であることから、硬化収縮力>熱膨張力とすることができた。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、配線シート付き太陽電池セルの製造方法、太陽電池モジュールの製造方法および太陽電池モジュールに利用することができる。
10 配線シート、11 絶縁性基材、12,12a n型用配線、13,13a p型用配線、14 接続用配線、16 配線、17,17a 絶縁性接着材、18 方向、20 裏面電極型太陽電池セル、21 半導体基板、22 n型不純物拡散領域、23 p型不純物拡散領域、24 n型用電極、25 p型用電極、26 パッシベーション膜、27 反射防止膜、30 透光性基板、31 封止材、31a 第1の透明樹脂、31b 第2の透明樹脂、32 裏面保護シート。

Claims (8)

  1. 絶縁性基材と前記絶縁性基材上に設置された配線とを有する配線シートの前記配線の設置側の表面、および基板と前記基板の表面に設置された電極とを有する太陽電池セルの前記電極の設置側の表面の少なくとも一方の表面上に、熱硬化性樹脂を含む絶縁性接着材を設置する工程と、
    前記配線シートと前記太陽電池セルとを重ね合わせる工程と、
    前記太陽電池セルの前記基板と前記配線シートの前記絶縁性基材との間の領域の前記絶縁性接着材を硬化させる工程と、を含み、
    前記絶縁性接着材を硬化させる工程は、前記熱硬化性樹脂の硬化による体積収縮率を前記熱硬化性樹脂の線膨張係数で割った値よりも低い温度で前記絶縁性接着材の前記熱硬化性樹脂を加熱する工程を含む、配線シート付き太陽電池セルの製造方法。
  2. 前記絶縁性接着材を設置する工程は、前記太陽電池セルの前記電極が設置されていない箇所と前記配線シートの前記配線が設置されていない箇所との間に前記絶縁性接着材を設置する工程を含む、請求項1に記載の配線シート付き太陽電池セルの製造方法。
  3. 前記電極および前記配線の少なくとも一方に導電性接着材を設置する工程をさらに含み、
    前記導電性接着材は加熱により溶融し、
    前記導電性接着材の融点は、前記絶縁性接着材の前記熱硬化性樹脂を硬化させる温度よりも低い、請求項1または2に記載の配線シート付き太陽電池セルの製造方法。
  4. 絶縁性基材と前記絶縁性基材上に設置された配線とを有する配線シートの前記配線の設置側の表面、および基板と前記基板の表面に設置された電極とを有する太陽電池セルの前記電極の設置側の表面の少なくとも一方の表面上に、熱硬化性樹脂を含む絶縁性接着材を設置する工程と、
    前記配線シートと前記太陽電池セルとを重ね合わせる工程と、
    前記太陽電池セルの前記基板と前記配線シートの前記絶縁性基材との間の領域の前記絶縁性接着材を硬化させる工程と、
    少なくとも前記太陽電池セルを透光性基板上の封止材中に封止する工程と、を含み、
    前記絶縁性接着材を硬化させる工程は、前記熱硬化性樹脂の硬化による体積収縮率を前記熱硬化性樹脂の線膨張係数で割った値よりも低い温度で前記絶縁性接着材の前記熱硬化性樹脂を加熱する工程を含む、太陽電池モジュールの製造方法。
  5. 前記絶縁性接着材を設置する工程は、前記太陽電池セルの前記電極が設置されていない箇所と前記配線シートの前記配線が設置されていない箇所との間に前記絶縁性接着材を設置する工程を含む、請求項4に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  6. 前記電極および前記配線の少なくとも一方に導電性接着材を設置する工程をさらに含み、
    前記導電性接着材は加熱により溶融し、
    前記導電性接着材の融点は、前記絶縁性接着材の前記熱硬化性樹脂を硬化させる温度よりも低い、請求項4または5に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  7. 絶縁性基材と前記絶縁性基材上に設置された配線とを有する配線シートの前記配線の設置側の表面、および基板と前記基板の表面に設置された電極とを有する太陽電池セルの前記電極の設置側の表面の少なくとも一方の表面上に、熱硬化性樹脂を含む絶縁性接着材を設置する工程と、
    前記配線シートと前記太陽電池セルとを重ね合わせる工程と、
    少なくとも前記太陽電池セルを透光性基板上の封止材中に封止する工程と、を含み、
    前記封止材は、熱硬化性樹脂を含み、
    前記封止する工程は、前記絶縁性接着材を硬化させる工程を含み、
    前記絶縁性接着材を硬化させる工程は、前記熱硬化性樹脂の硬化による体積収縮率を前記熱硬化性樹脂の線膨張係数で割った値よりも低い温度で前記絶縁性接着材の前記熱硬化性樹脂を加熱する工程を含む、太陽電池モジュールの製造方法。
  8. 請求項4から7のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法により製造された太陽電池モジュールであって、
    前記太陽電池モジュールの使用上限温度は、前記絶縁性接着材の前記熱硬化性樹脂を硬化する温度と、前記絶縁性接着材の前記熱硬化性樹脂の硬化による体積収縮率を前記絶縁性接着材の前記熱硬化性樹脂の線膨張係数で割った値との中間値よりも低い、太陽電池モジュール。
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