JP5131447B2 - 光学素子、光集積デバイスおよびその製造方法 - Google Patents

光学素子、光集積デバイスおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光通信、光配線、光ストレージに用いられる光学素子、光集積デバイスおよびその製造方法に関する。
高速光通信の幅広い普及へ向けて、そこへ使われる光学素子やそれらを集積化したデバイスの小型化が強く求められている。これらデバイスの小型化や低コスト化を実現するために、従来の単結晶を用いたデバイスではなく、数10マイクロメートル以下の厚さの薄膜材料の利用やシリコンLSIの作製プロセスの応用が検討されている。例えば、高密度な光配線の実現に対して、非特許文献1では、透明セラミックスであるSrTiO(以下、STOと略記することがある)薄膜をコア層とした導波路が開示されている。クラッド層としてシリコンウェハー上に容易に形成できるSiOを用い、そのSiOとの大きな屈折率差を利用することが提案されている。
また、電気光学効果を利用した光変調器では、単結晶LiNbO基板上にTi拡散法によりマッハツエンダー型導波路を形成し、電極を組み合わせることで光変調器を形成している。しかし、単結晶基板を用いる必要があることから高価であり、またLiNbOの電気光学効果が小さく、プレナー電極構造であることから導波路の長さが必要になるので、cm台の大きさの素子となる。一方、透明セラミックスである(Pb1−xLa)(ZrTi1−y1−x/4 (PLZT)やPb(ZrTi1-x)O (PZT)は、現行の光変調器に用いられているLiNbO単結晶より二桁近く電気光学係数が大きい。そのため光素子の小型化による低コスト化、低消費電力化、および高速化が期待され、薄膜化の検討が進められている。
この電気光学効果は、それぞれの化合物に特有の結晶構造を形成した場合に発現する。このため光学素子として利用可能な高い光の透過率を有し、かつ電気光学効果が大きい薄膜は、それ自身の単結晶基板を用いるか、単結晶基板上に電気光学材料をエピタキシャル成長させることで得られている。例えば、非特許文献2、特許文献1、2、3はSTO単結晶基板を、特許文献4ではMgO単結晶基板を用いて、電気光学材料をエピタキシャル成長させた導波路構造が開示されている。
一層の小型化や低コスト化を実現するためには、単結晶基板上へエピタキシャル成長させた構造では不十分である。そのためには表面が非晶質SiOや多結晶Si、金属などから構成されるシリコン系導波路等へ自由に光変調器を集積化する必要がある。この課題を解決するためには多結晶状態で導波路コア層としての特性を発現させる必要がある。超微粒子材料の衝突付着現象を利用したエアロゾルデポジション(AD法)は、従来の薄膜形成法に比べ高い成膜速度と低いプロセス温度の実現が期待されている(非特許文献3)。特許文献5には、このAD法によりガラス上へ形成された導波路構造が開示されている。また、非特許文献4では、有機金属塗布分解法(MOD法)による多結晶状態の透明セラミックスを用いた導波路構造として、サファイア基板上にSTOクラッド層とPZTコア層からなる導波路構造が開示されている。
M.Gaidi,L.Stafford,J.Margot,M.Chaker,R.Morandotti and M.Kulishov; Appl. Phys. Lett. 86(2005)221106. K.Nashimoto,K.Haga,M.Watanabe,S.Nakamura and E.Osakabe; Appl. Phys. Lett. 75(1999)1054. Jun Akedo and Maxim Lebedev; Jpn. J. Appl. Phys. 38(1999)5397. Chien−Kang Kao,Chuen−Horng Tsai and I−Nan Lin; Appl. Phys. Lett. 83(2003)3915. 特開2000−056343号公報 特開2001−091778号公報 特開2004−144935号公報 特開2003−177262号公報 特開2005−181995号公報
しかしながら、STOなどのペロブスカイト構造を有するセラミックス薄膜を400℃以下の低温でSiO上へスパッタ法やCVD法などで成膜する場合、平坦性がよい膜が得られない。成膜された膜は、その表面凹凸やマイクロクラックのために不透明な外観になり、その結果、透明セラミックスを用いた小型化、高集積な光学素子の実現が困難であることを発明者らは見出した。
このようにクラッド層にSiOを用いる場合、コア層は直接SiO上へ成長させることになる。非特許文献1では、レーザーアブレーション法を用いて560℃でSTOを堆積させ、さらに640℃での熱処理を行っている。しかし、より生産性を高めるためには、スパッタ法やCVD法が望ましい。スパッタ法やCVD法は大面積に均一に薄膜を堆積させることができ、しかも金属上では低温で良質な結晶を有する薄膜が得られるために成膜後の熱処理も必要ない。しかしながら、スパッタ法やCVD法では、上述したように直接SiO上へ良質なペロブスカイト型酸化物を成膜することが困難である。
一方、AD法で作製したPLZT膜を用いた光学素子には導波損失が小さく薄いクラッド層の形成が困難となる。電気光学効果を利用した高速、小型で低電圧駆動の光変調器をSi基板等の任意の基板上に形成するためには、次のような構造が有効である。つまり基板上に形成した任意の下部電極上に電気光学材料からなるコア層を有する光導波路層を形成し、この光導波路層を下部、上部電極で挟み込む構造を実現することが有効である。
これらの構造とすることで、光学素子を大きくすることなく電界を導波路に作用させることができることになる。これらの電極材料には、電気抵抗の小さな金属材料を用いることが、光学素子の高速動作を可能にすることから望ましい。このとき、電気光学材料と上部、下部電極との間に位置するクラッド層の特性として、電圧降下が小さく、かつコア層よりも屈折率が小さいことが求められる。電圧降下が小さいことから電気光学材料からなるコア層に十分な電界が作用する。かつコア層よりも屈折率が小さいことからコア層に電磁界を閉じ込めることができる。
具体的には、PLZT薄膜の比誘電率は数100であるために、クラッド層を実際的な厚さにするためには比誘電率100以上の絶縁性よい材料が望ましい。
屈折率も考慮すると、厚さ1μm以下のSrTiOに代表されるペロブスカイト構造を有する高誘電率酸化物が、PLZTコア層のクラッド層として望ましい。
即ち、コア層はAD法で形成しても、クラッド層はより薄い厚さでペロブスカイト型酸化物を形成する必要がある。
実際にクラッド層を成長させる表面は電極部以外の絶縁を保つためにSiOでカバーされており、非晶質のSiO上へクラッド層を成長させなければならない。しかも電極が形成されているために成膜温度は400℃以下にする必要がある。このような状態でペロブスカイト型酸化物をSiO上へスパッタ法やCVD法などで成膜すると不透明な外観になり、光導波路のクラッド層には適さない。
下地に影響されず高い結晶性の酸化物膜が得られるAD法は、微粒子を堆積させる手法であるため、特性がよく均質な膜は数μm以上の厚さとなる。このようにAD法による成膜法では、その膜厚が厚くなり、駆動させるのに十分な電界をコア層に作用することができない。その結果として、導波損失が小さく、電圧降下が小さく薄いクラッド層の形成は困難である。
非特許文献4に開示されているMOD法でもSTOクラッド層、PZTコア層の構造は可能ではあるが、650℃の高温での熱処理が必要である。更に、高価なサファイア基板はコストが高いだけではなく、能動素子との集積化は不可能である。このように、下地に影響されないで任意の基板上に、薄膜の高誘電率酸化物を成膜することが困難で、高速、小型で低電圧駆動可能な光学素子や光集積デバイスの形成ができないという問題がある。
本発明は、上記の如き事情に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、小型で高密度光配線が可能な光導波路や、任意の基板上に形成された高速、小型で低電圧駆動可能な光変調器等の光学素子や光集積デバイスおよびその製造方法を提供することにある。
本発明の光学素子は、シリコン絶縁膜と接するように形成された高誘電率酸化物を備え、前記高誘電率酸化物は化学式ABOで表され、それぞれAとしてバリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)、リチウム(Li)、カリウム(K)のうち少なくとも1種以上、Bとしてジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、亜鉛(Zn)、タングステン(W)のうち少なくとも1種以上を含む酸化物、または化学式(Bi)(Am−13m+1)(m=1、2、3、4、5)で表され、それぞれAとしてバリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、鉛(Pb)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、ビスマス(Bi)のうち少なくとも1種以上、Bとしてニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、タングステン(W)のうち少なくとも1種以上を含む酸化物であって、前記高誘電率酸化物にマンガン(Mn)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、ガドリニウム(Gd)のうち少なくとも1種以上を添加物として含むことを特徴とする。
また、本発明の光集積デバイスは、上記記載の光学素子を基板上に少なくとも1つ備え、前記基板上に少なくとも2以上の光学素子が集積化されたことを特徴とする。
さらに、本発明の光学素子の製造方法は、基板と、前記基板上に形成された下部電極と、前記下部電極上に形成され電気光学材料よりなる導波層と、前記導波層上に形成された上部電極が順に積層された光導波路構造を有する光学素子であって、前記導波層が電気光学効果を有するコア層と前記コア層の上下或いは全体を覆うように形成されたクラッド層からなり、前記クラッド層が上下電極と接しており、前記クラッド層はMnを含有したSrTiOをターゲットとしたスパッタ法に堆積されることを特徴とする。また前記クラッド層はSr、Ti、Mnの有機金属化合物を原料とするCVD法により堆積することもできる。
本発明においては、任意の基板と接するように形成された高誘電率酸化物を、化学式ABO、又は化学式(Bi)(Am−13m+1)(m=1、2、3、4、5)で表される材料で形成する。さらにこれらの高誘電率酸化物は、マンガン、ケイ素、マグネシウム、バナジウム、クロム、鉄、モリブデン、ルテニウム、スカンジウム、イットリウム、ランタン、ネオジム、ガドリニウムのうち少なくとも1種以上を添加物として含んで形成する。
高誘電率酸化物に添加物を加えることで、均質で密着性のよい成長初期層が形成され、薄い高誘電率酸化物を形成することが可能となる。本発明によれば、低電圧駆動が可能な光学素子、光集積デバイスを提供することができる。
以下に本発明を実施するための実施形態について、実施例として図面を参照して詳細に説明する。
以下に実施例1として、図1〜4を参照して詳細に説明する。図1は本発明の実施例1における光学素子の断面図である。図2は、主たる製造工程における光学素子の断面図(A)〜(H)である。図3はSiO上へ形成されたMnを含有しないSrTiO層の表面写真であり、図4はSiO上へ形成されたMnを5mol%含有したSrTiO層の表面写真である。
図1に示す光学素子は、表面にシリコン熱酸化膜102が形成されたシリコン基板101上に、下部電極103として透明電極ITO(300nm)が形成されている。下部電極上のCVD−SiO膜104は、その一部分が除去され、溝が形成されている。その溝の内部には、下部のクラッド層107と、コア層108とが、下層側から順に溝の内壁を覆うように形成されている。下部のクラッド層107は、Mn含有STO層105とMn非含有STO層106から形成されている。下層のMn含有STO層105は、Mnを5mol%含有したSrTiO(50nm)により形成されている。上層のMn非含有STO層106は、Mnを含有しないSrTiO(450nm)により形成されている。
その上のコア層108として、電気光学効果が大きいチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)が約2μmの溝内の残りの凹部を埋めるように形成されている。PZTの組成はPb(Zr0.3Ti0.7)O(PZT)であり、透明度を高めるためにMnを0.5at%添加している。さらにそのコア層の上部に上部のクラッド層107として、Mn含有STO層105とMn非含有STO層106が形成されている。下層のMn含有STO層105は、Mnを5mol%含有したSrTiO(50nm)により形成されている。上層のMn非含有STO層106は、Mnを含有しないSrTiO(450nm)により形成されている。さらに上部電極109として透明電極ITO(300nm)、金属電極110としてTi(10nm)/Au(1μm)が下層側から形成されている。
上部、下部のクラッド層107はともに成膜時にCVD−SiO膜104と接する領域がある。しかし、その界面はいずれもMn5mol%含有のSrTiO層からなるMn含有STO層105が接することで、表面が平滑で損失が小さなクラッド層が形成される。このクラッド層107の全体としては、比誘電率は140、屈折率は2.05、膜厚500nmである。このようにクラッド層を薄い高誘電体で構成することで、コア層を駆動するのに十分な電界を作用させることができ、かつ電磁界をコア層に閉じ込めることができ導波損失を小さくできる。また、上部、下部のクラッド層とそれぞれの電極との接続は、透明電極ITOによりなされている。
Mn含有SrTiO層105の厚さは30nm以上が望ましい。30nm以上であれば、成長のごく初期に不均一な成長をしたとしても、結晶化が速やかに起こり、Mnを含有しないSrTiO層の形成には影響を及ぼさない程度の平坦で均質な表面が得られるためである。また、Mn含有量は0.5mol%以上であればSiO上へ均一性よく成長することは発明者らによって明らかになっている。一方、Mn含有量が5mol%を越えると、SrTiO層の絶縁性が低下し、導波損失も大きくなるためにクラッド層としては不適当である。尚、クラッド層の厚さの上限は、コア層に十分な電界が作用するよう0.5μmから1μmが望ましい。
次に、図2を参照して実施例1の製造方法を説明する。 シリコン基板101を熱酸化し表面に1μmのシリコン熱酸化膜102を形成する。次に、透明電極ITO(300nm)をDCスパッタ法で成膜し所望の形状にパターニングし、下部電極103を形成する(図2A)。ITOの下部に密着性や電気抵抗を低減させることを目的としてTiやAuなどの金属薄膜を成膜した多層構造の下部電極としてもよい。更に、CVD法でCVD−SiO膜104を2.5μm堆積させた後、3μm幅の導波路部分のCVD−SiO膜104をドライエッチングで除去する(図2B)。
次にMn含有STO層105として、Mn5mol%を含有したSrTiOを同組成のターゲットを用いてRFスパッタ法で50nm堆積する。続いてMn非含有STO層106として、Mnを含有しないSrTiOターゲットを用いて同じくRFスパッタ法で450nm堆積する(図2C)。さらに導波路部分を除いてイオンミリング法でエッチングして下部のクラッド層107を形成する(図2D)。
このクラッド層の堆積はSiOをエッチング除去した凹部底面はITOで、それ以外はSiO上に堆積させることになる。クラッド層としては、導波損失の観点から不純物を含まないSrTiOが望ましい。しかし不純物を含まないSrTiOをSiO上へスパッタ法やCVD法などで堆積させると、非晶質であるSiO上では成長初期の結晶核が形成されにくい。そのため、局所的に結晶成長の進み方が異なり、表面凹凸が著しかったり、マイクロクラックがはいったりして表面が平滑で絶縁性良い膜は得られない。
しかし不純物として5mol%のMnを含有させることで、良好な絶縁性と低損失な状態を保った状態で、SrTiOをSiO上へ均質に成長させることができるようになる。またクラッド層の形成方法としては、RFスパッタ法に限定されないで、CVD法でも形成することができる。不純物としてMnを含有する場合にはSr、Ti、Mnの有機金属化合物を原料とし、不純物を含有しない場合にはSr、Tiの有機金属化合物のみを原料とするCVD法で形成することができる。
次に、AD法でPZT層108を平坦部の厚さで3μm堆積させてその凹部を埋め込んだ後、表面を研磨することでPZT層(コア層)108を形成する(図2F)。AD法の成膜条件は、キャリアガスは酸素とし、ノズルと基板の入射角を30度、ガス流量は12L/分、成膜速度は0.5μm/分、加振器の振動数は200rpmである。PZT層108の堆積後、600℃、30分のアニールを行っている。原料粉末は電気光学効果の大きな酸化物であるPZTでZr/Ti比は0.3/0.7である。また、透明度を高めるためにMnを0.5at%添加している。原料粉末の平均粒径は0.7μmである。成膜材料のPZT粉末はペロブスカイト型結晶構造を持つ強誘電体の組成であり、一次の大きな電気光学係数を持つ光学デバイスの適応が可能な組成である。
この状態での上部表面はPZTとCVD−SiOであり、その上に上部のクラッド層として、下部のクラッド層と同様にMn含有STO層105、Mn非含有STO層106を成膜する。CVD−SiO膜104上へ均一に成長させられるMn5mol%含有SrTiO層を膜厚50nm、続けてMnを含有しないSrTiO層を450nmそれぞれRFスパッタ法で成膜する。成膜方法は下部のクラッド層と同じである。次に、下部電極のコンタクトホールをドライエッチングで形成する(図示していない)。その後下部電極と同様に上部電極109として、ITOを膜厚300nm成膜する。更に金属電極110としてTi(10nm)、Au(1μm)を形成する(図2G)。金属電極110のTiはスパッタ、Auはメッキで成膜する。
本発明は、コア層やクラッド層のSiOと接する部分が、Mnを含有することでSiO上へのペロブスカイト型酸化物の成長が均一に行われ、透明なコア層やクラッド層が形成できることを発明者らは見出し、行われたものである。図3には、SiO上へMnを含有しないSTO層を成膜したときのSTO層表面写真を示す。図4には、SiO上へMnを5mol%含有したSrTiOターゲットを用いてMn含有SrTiO層を成膜したときの表面写真を示す。図3のMnを含有しないSrTiO層では、点線で囲まれた領域Aの表面に曇りがあり、不均一な薄膜であることが分かる。一方図4のMn含有SrTiO層では、表面の曇りがなく均一な薄膜が得られている。
Mn含有SrTiOが均一に成長する理由は必ずしも明らかではないが、下記の理由と考えられる。Mnを含有することで結晶粒が微細になることから、成長初期の結晶核がSiO上に均一に、しかもMnを含有しない場合よりも多数形成される。そのため、SiOとの密着性が向上し、微細な結晶粒を核として均一に成長できる。その結果、一部のみが異常に結晶が成長したり内部応力が集中したりすることがなく、緻密で平滑な表面を有する膜が成長するものと推定できる。
Mn含有量が0.5mol%〜5mol%の範囲では、良好な透明性、絶縁性、高誘電率を有した状態で、光導波路コア層やクラッド層として十分低損失でかつSiO上への均質に成長可能である。Mn含有量がこれより大きくなると、絶縁性が損なわれ、導波損失がおおきくなるという不具合を生じる。Mn含有量がこれより小さいとSiO上へ均質に成長しない。ここで、Mn含有量は、SrTiOに対するMnのモル比である。即ち、Mnを5mol%含有するということは、95mol%SrTiO−5mol%Mnに相当する。
また、Mnが含有されるSrTiO層は30nm以上あることが望ましい。30nm以上の場合には結晶化が速やかに起こり、均一な膜が得られる。またSiO上へ、Mnを含有した層とMnを含有しない層の2層以上、乃至は組成が連続的に変化した構造にすることができる。下層のMnを含有した層により初期の均質な膜成長を促進し、層全体としてはより低損失なMnを含有しない層で構成することができる。
以上より、クラッド層をMn含有SrTiO層とMnを含有しないSrTiO層の二層化することで、導波損失が小さく、低電圧駆動の光変調器等の光学素子が実現可能となる。尚、本実施例では、クラッド層の主成分はSrTiOであり、SiO上への成長の観点からMnを添加している。しかしこれらの材料は特に限定されるものではない。屈折率や絶縁性などの条件が満たされれば他の高誘電率酸化物でも同様の効果が期待でき、またMn以外の追加の金属不純物が含まれてもよい。
例えば高誘電率酸化物、及び不純物として下記材料を使用することができる。高誘電率酸化物は化学式ABOで表され、それぞれAとしてバリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)、リチウム(Li)、カリウム(K)のうち少なくとも1種以上、Bとしてジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、亜鉛(Zn)、タングステン(W)のうち少なくとも1種以上を含む酸化物が使用できる。
また、高誘電率酸化物は化学式(Bi)(Am−13m+1)(m=1、2、3、4、5)で表され、それぞれAとしてバリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、鉛(Pb)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、ビスマス(Bi)のうち少なくとも1種以上、Bとしてニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、タングステン(W)のうち少なくとも1種以上を含む酸化物が使用できる。
さらに高誘電率酸化物に添加する不純物としては、マンガン(Mn)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、ガドリニウム(Gd)のうち少なくとも1種以上を添加物として使用できる。
また、光導波路形成材料としては上記の実施例に、特に限定されるものではない。光導波路形成材料としては、SiO、窒化珪素等が使用できる。また電気光学材料であるPZTに関しても、例えばLaが添加されたジルコン酸チタン酸鉛、チタン酸バリウム、ストロンチウム添加チタン酸バリウム、KTN等を使用することができる。これらの材料においても、実施例と同様の効果が得られるものである。
上記実施例において、クラッド層は二層構造としたが、全てをMn含有SrTiO層で構成することができる。Mnを含有しないSrTiO層と比較してMn含有SrTiO層の方が損失は大きいが、Mn含有量が0.5mol%から5mol%の範囲では実用上差し支えない。クラッド層を単層とした場合、製造工程が簡素化され、製造コストの低減がはかれる点で有利である。
本実施例においては、SiO上への成長初期層にMnを含有したSrTiOを用いることで、SiO上に均質で密着性がよい成長初期層が形成され、透明で良質なクラッド層を形成することが可能となる。良質なクラッド層を形成できることから、導波損失が小さく、低電圧駆動の光変調器等の光学素子が実現でき、高密度配線可能な光導波路や低電圧駆動が可能な光学素子、光集積デバイスが得られる。
本発明の第2の実施例を、図5、6を参照して説明する。図5には、本発明の実施例2における光学素子の断面図を示す。図6には、その製造工程における断面図(A)〜(H)を示す。
第1の実施例と同様に、シリコン基板501上にシリコン熱酸化膜502を1μm熱酸化により形成する。続いて下部電極503として透明酸化物電極ITOをDCスパッタ法により300nm形成する(図6A)。さらに、下部クラッド層としてMnを含有しないSrTiO層506をRFスパッタ法で、基板温度400℃、スパッタガスにAr+Oを用いて成膜する。膜厚は500nmである(図6B)。導波路部は透明酸化物電極の上に堆積されるので、Mnを含有しないSrTiO層で問題なく均一な膜が形成できる。Mnを含有しないSrTiO層506を2μm幅にイオンミリング法でエッチングする(図6C)。次に、CVD−SiO膜504をCVD法で膜厚2μm堆積し(図6D)、コア層を埋め込むための3μm幅の溝を反応性イオンエッチングで形成する(図6E)。
形成した2μm深さの凹構造にAD法によりPLZT層507を堆積する(図6F)。PLZT層507を600℃、30分の大気中でアニール後、表面研磨を行ってコア層を形成する(図6G)。その上部に上部クラッド層として、 Mnを0.5mol%含有したSrTiO層505を膜厚500μm形成する。図示していない下部電極のコンタクトホールを形成する。その後に、更に上部電極508としてITO(300nm)、金属電極509としてTi(10nm)、Au(400nm)を順に成膜し(図6H)、パターニングする(図6I)。いずれの電極もDCスパッタ法で形成する。このようにして、図5の光学素子が得られる。
このようにSiOと接するコア層、或いは電気光学材料からなる光導波路コア層上下に位置するクラッド層の少なくとも一方を、Mnを含有するSrTiOとすることができる。Mn含有SrTiOは、下地に依存せず高誘電率で高絶縁性のクラッド層として形成できる。光学素子として、例えば、レーザー、電気光変換器、光電気変換器、光増幅器、光導波路、光スイッチ、光フィルター等を作製することが可能になる。さらに上記した光学素子を予め形成した基板、あるいは、CPU、メモリー等の電子素子で構成される集積回路が予め形成されている基板に、さらに光学素子を作製することが可能になる。これらの基板上に本発明にかかる光学素子を作製して、全体として、本発明の光学素子で構成される光デバイスと、他のデバイスを集積した光集積バイスの作製に応用することができる。
本実施例においては、均一な薄膜を成膜できない上部のクラッド層505はMnを含有するSrTiOとし、下部のクラッド層506はMnを含有しないSrTiOとしている。またそれぞれのクラッド層は単層構造とした。このようにクラッド層を成膜する下地により、不純物を含むクラッド層又は不純物を含まないクラッド層とし、ともに良質なクラッド層を形成することが可能となる。良質なクラッド層を形成できることから、導波損失が小さく、低電圧駆動の光変調器等の光学素子が実現でき、高密度配線可能な光導波路や低電圧駆動が可能な光学素子、光集積デバイスが得られる。
本発明の第3の実施例を、図7を参照して説明する。図7には、本発明の実施例3としての断面図を示す。本実施例は、シリコン熱酸化膜をクラッド層、STO層を導波路コア層とした実施例である。
図7では、シリコン基板701上にシリコン熱酸化膜702、その上部にMn含有SrTiO層703と、Mn非含有SrTiO層704が積層されている。本実施例においては、シリコン熱酸化膜702がクラッド層であり、SrTiO層が導波路コア層705となる。
シリコン基板701を熱酸化し、シリコン熱酸化膜702を成膜する。その後に、Mnを1%含有したSrTiO層703と、Mnを含有しないSrTiO層704を順にRFスパッタ法を用いて成膜温度400℃で、それぞれ50nm、1μm堆積させる。最後に3μm幅の導波路部を残すように最上層のMnを含有しないSrTiO層704を表面から100nmエッチングすることで図7の構造が得られる。エッチングは、フォトリソグラフィーでマスクを形成した後にイオンミリングや反応性ドライエッチングで行う。
本実施例では、コア層はSiO上へ堆積させている。その初期層にMn含有SrTiOを堆積することでSiO上でも平滑性よく透明なSrTiOからなるコア層を得ることができる。このようにSiO上への成長初期層にMnを含有したSrTiOを用いることで、SiO上に均質で密着性がよい成長初期層が形成され、透明で良質な導波路コア層やクラッド層を形成することが可能となる。
本発明によれば、下地に依存することなく、高誘電率酸化物に不純物を添加することで、平滑、透明、かつ高絶縁性の高誘電率酸化物を成膜することができる。そのため高密度配線可能な光導波路や低電圧駆動が可能な光学素子、光集積デバイスが得られる。さらに、光学素子以外の集積回路が形成された基板上にも光学素子が形成可能となり、これらのデバイスを集積した光集積バイスが得られる。
以上、実施例に基づき本発明を具体的に説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。本願の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことができ、これらの変更例も本願に含まれることはいうまでもない。
本発明により、高誘電率酸化物を下地に依存せず透明で、高誘電率で高絶縁性な状態で形成することが可能となる。そのため、例えば、レーザー、電気光変換器、光電気変換器、光増幅器、光導波路、光フィルター等の別種の光学素子を予め形成した基板、あるいは、CPU、メモリー等の電子素子で構成される集積回路が予め形成されている基板上に光学素子を作製することが可能になる。その結果全体として、本発明の光学素子で構成される光デバイスと、他のデバイスを集積した光集積バイスの作製に応用することができる。
また、半導体メモリー、薄膜コンデンサ、センサなどの光学デバイス以外でも、SrTiOやその他のペロブスカイト型酸化物がSiOと接するような構造をとる場合には本発明を適用することが可能である。
本発明の実施例1における光学素子の断面図である。 本発明の実施例1の光学素子の主たる製造工程における断面図(A)〜(G)である。 SiO上へ形成されたMnを含有しないSrTiO層の表面写真を模した図である。 SiO上へ形成されたMnを5mol%含有ししたSrTiO層の表面写真を模した図である。 本発明の実施例2における光学素子の断面図である。 本発明の実施例2の光学素子の主たる製造工程における断面図(A)〜(I)である。 本発明の実施例3における光学素子の断面図である。
符号の説明
101、501、701 シリコン基板
102、502 シリコン熱酸化膜
103、503 下部電極
104、504 CVD−SiO
105、703 Mn含有STO(SrTiO)層
106、704 Mn非含有STO(SrTiO)層
107 クラッド層
108 PZT層(コア層)
109、508 上部電極
110、509 金属電極
505 Mn含有SrTiO層(上部クラッド層)
506 Mn非含有SrTiO層(下部クラッド層)
507 PLZT層(コア層)
702 シリコン熱酸化膜(クラッド層)
705 コア層

Claims (26)

  1. 基板上に形成される下部電極と、前記下部電極に対向する上部電極と、前記下部電極と前記上部電極との間に形成され、両電極間を絶縁するシリコン絶縁膜と、前記下部電極と前記上部電極との間に形成された光導波路とを有し、
    前記導波路は、電気光学材料から成ると共に、電気光学効果を有するコア層と、前記コア層の導波路方向の周囲のうち少なくとも前記下部電極と前記上部電極との対向方向に形成されたクラッド層とによって構成され、
    前記クラッド層のうちの少なくとも前記シリコン絶縁膜に接する部分は、化学式ABO または化学式(Bi )(A m−1 3m+1 )(m=1、2、3、4、5)で表される高誘電率酸化物に添加物を含有し、
    前記化学式ABO で表される前記高誘電率酸化物は
    Aとしてバリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)、リチウム(Li)、カリウム(K)のうち少なくとも1種以上、
    Bとしてジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、亜鉛(Zn)、タングステン(W)のうち少なくとも1種以上を含む酸化物であり
    前記化学式(Bi )(A m−1 3m+1 )(m=1、2、3、4、5)で表される前記高誘電率酸化物は
    Aとしてバリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、鉛(Pb)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、ビスマス(Bi)のうち少なくとも1種以上、
    Bとしてニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、タングステン(W)のうち少なくとも1種以上を含む酸化物であ
    前記添加物は、マンガン(Mn)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、ガドリニウム(Gd)のうち少なくとも1種以上であることを特徴とする光学素子。
  2. 請求項1に記載の光学素子において、前記高誘電率酸化物はチタン酸ストロンチウム(SrTiO)であることを特徴とする光学素子。
  3. 請求項2に記載の光学素子において、チタン酸ストロンチウム(SrTiO )への添加物はマンガン(Mn)であることを特徴とする光学素子。
  4. 請求項3に記載の光学素子において、チタン酸ストロンチウム(SrTiO )への添加物マンガン(Mn)含有量が、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)に対するMnのモル比として0.5%以上、5%以下であることを特徴とする光学素子。
  5. 請求項3または4に記載の光学素子において、前記Mnを含有したチタン酸ストロンチウム(SrTiO)の膜厚は30nm以上であることを特徴とする光学素子。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光学素子において、前記下部電極は透明電極から構成される一方、前記上部電極は透明電極と金属電極から構成され、前記クラッド層には、前記透明電極が接していることを特徴とする光学素子。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光学素子において、前記コア層がチタン酸ジルコン酸鉛、或いはLaを含有するチタン酸ジルコン酸鉛を主たる成分とすることを特徴とする光学素子。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光学素子において、前記クラッド層の前記高誘電率酸化物に前記添加物を含有し、前記シリコン絶縁膜に接する前記部分は、前記下部電極と接することを特徴とする光学素子。
  9. 請求項1乃至のいずれかに記載の光学素子が、前記下部電極および前記上部電極に電気信号を印加することで光を制御する光変調器、光スイッチであることを特徴とする光学素子。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の光学素子において、前記クラッド層は、化学式ABO または化学式(Bi )(A m−1 3m+1 )(m=1、2、3、4、5)で表される高誘電率酸化物に添加物を含有し、前記シリコン絶縁膜に接する層と、前記高誘電率酸化物に添加物を含有しない層との少なくとも二層以上の高誘電率酸化物の積層構造であることを特徴とする光学素子。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の光学素子を基板上に少なくとも1つ備え、前記基板上に少なくとも2以上の光学素子が集積化されたことを特徴とする光集積デバイス。
  12. 請求項11の光集積デバイスにおいて、光学素子がレーザー、電気光変換器、光電気変換器、光増幅器、光スイッチまたは光フィルターのすくなくともいずれか1つであることを特徴とする光集積デバイス。
  13. 請求項1乃至10のいずれかに記載の光学素子、或いは請求項11または12に記載の光集積デバイスであって、同一基板上に光学素子以外に電子回路が集積化されたことを特徴とする光集積デバイス。
  14. 請求項13に記載の光集積デバイスにおいて、前記電子回路は、論理演算回路または記憶装置であることを特徴とする光集積デバイス。
  15. 基板上に形成される下部電極と、前記下部電極に対向する上部電極と、前記下部電極と前記上部電極との間に形成され、両電極間を絶縁するシリコン絶縁膜と、前記下部電極と前記上部電極との間に形成された光導波路とを有し、
    前記導波路は、電気光学材料から成ると共に、電気光学効果を有するコア層と、前記コア層の導波路方向の周囲のうち少なくとも前記下部電極と前記上部電極との対向方向に形成されたクラッド層とによって構成され、
    前記クラッド層のうちの少なくとも前記シリコン絶縁膜に接する部分は、化学式ABO または化学式(Bi )(A m−1 3m+1 )(m=1、2、3、4、5)で表される高誘電率酸化物に添加物を含有し、
    前記化学式ABO で表される前記高誘電率酸化物は、
    Aとして、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)、リチウム(Li)、カリウム(K)のうち少なくとも1種以上、
    Bとして、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、亜鉛(Zn)、タングステン(W)のうち少なくとも1種以上を含む酸化物であり、
    前記化学式(Bi )(A m−1 3m+1 )(m=1、2、3、4、5)で表される前記高誘電率酸化物は、
    Aとして、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、鉛(Pb)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、ビスマス(Bi)のうち少なくとも1種以上、
    Bとして、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、タングステン(W)のうち少なくとも1種以上を含む酸化物であり、
    前記添加物は、マンガン(Mn)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、ガドリニウム(Gd)のうち少なくとも1種以上である光学素子の製造方法であって、
    前記クラッド層を形成する工程は、前記添加物を含有する前記高誘電率酸化物を前記シリコン絶縁膜上に形成する工程を含むことを特徴とする光学素子の製造方法。
  16. 請求項15に記載の光学素子の製造方法において、前記クラッド層は、化学式ABO または化学式(Bi )(A m−1 3m+1 )(m=1、2、3、4、5)で表される高誘電率酸化物に添加物を含有し、前記シリコン絶縁膜に接する層と、前記高誘電率酸化物に添加物を含有しない層との少なくとも二層以上の高誘電率酸化物の積層構造であり、
    前記クラッド層を形成する工程は、前記添加物を含有する前記層を前記シリコン絶縁膜上に形成する工程と、前記高誘電率酸化物に添加物を含有しない前記層を前記添加物を含有する前記層上に形成する工程とを含み、二層以上の高誘電率酸化物の積層構造を形成することを特徴とする光学素子の製造方法。
  17. 請求項16に記載の光学素子の製造方法において、前記クラッド層を形成する工程は、
    前記添加物を含有した前記高誘電率酸化物をターゲットとしたスパッタ法により、前記高誘電率酸化物に前記添加物を含む前記層を前記シリコン絶縁膜上に形成する工程と、
    続いて、前記添加物を含有しない前記高誘電率酸化物をターゲットしたスパッタ法により、前記高誘電率酸化物に添加物を含有しない前記層を形成する工程とを含むことを特徴とする光学素子の製造方法。
  18. 請求項16に記載の光学素子の製造方法において、前記高誘電率酸化物はチタン酸ストロンチウム(SrTiO )であることを特徴とする光学素子の製造方法。
  19. 請求項18に記載の光学素子の製造方法において、チタン酸ストロンチウム(SrTiO )への添加物はマンガン(Mn)であることを特徴とする光学素子の製造方法。
  20. 請求項16に記載の光学素子の製造方法において、前記クラッド層を形成する工程は、
    Sr、Ti、Mnの有機金属化合物を原料とするCVD法により、SrTiO にMnを含む層を前記シリコン絶縁膜上に形成する工程と、
    続いて、Sr、Tiの有機金属化合物のみを原料とするCVD法により、SrTiO にMnを含有しない層を形成する工程とを含むことを特徴とする光学素子の製造方法。
  21. 請求項19に記載の光学素子の製造方法において、チタン酸ストロンチウム(SrTiO )へのMn含有量が、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)に対するMnのモル比として0.5%以上、5%以下であることを特徴とする光学素子の製造方法。
  22. 請求項19乃至21のいずれか一項に記載の光学素子の製造方法において、前記Mnを含有したSrTiO層の膜厚は30nm以上であることを特徴とする光学素子の製造方法。
  23. 請求項15乃至22のいずれか一項に記載の光学素子の製造方法において、前記下部電極は透明電極から構成される一方、前記上部電極は透明電極と金属電極から構成され、前記クラッド層には、前記透明電極が接するように形成されることを特徴とする光学素子の製造方法。
  24. 請求項15乃至23のいずれか一項に記載の光学素子の製造方法において、前記クラッド層の前記高誘電率酸化物に前記添加物を含有し、前記シリコン絶縁膜に接する前記層は、前記下部電極と接するように形成されることを特徴とする光学素子の製造方法。
  25. 請求項15乃至24のいずれか一項に記載の光学素子の製造方法において、前記コア層が、超微粒子脆性材料に機械的衝撃力を負荷して前記超微粒子脆性材料を接合させ成形体を形成されることを特徴とする光学素子の製造方法。
  26. 請求項25に記載の光学素子の製造方法において、前記超微粒子脆性材料がチタン酸ジルコン酸鉛、或いはLaを含有するチタン酸ジルコン酸鉛を主たる成分とすることを特徴とする光学素子の製造方法。
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