JP5131128B2 - 可撓性基板、可撓性基板の製造方法、及び製品 - Google Patents

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Description

本発明は、可撓性基板、この可撓性基板の製造方法、及びこの可撓性基板を用いた製品に関する。特に、太陽電池、液晶ディスプレイ、OLED(Organic light-emitting diode 有機発光ダイオード)ディスプレイ、及びOLED照明等の製品に利用できる可撓性基板及びその製造方法に関する。
液晶ディスプレイ、OLEDディスプレイ等に用いられる可撓性基板については、従来から研究開発が行われている。
特許文献1には、所望の可撓性が得られる厚みをもった金属基板層と、この金属基板層上に形成され、上面がディスプレイの構成要素を形成するために十分な平坦性をもった平坦化層と、この平坦化層上に形成され、上面の表面粗さが下面の表面粗さとほぼ等しく、上面に形成されるディスプレイの構成要素と前記金属基板層との間で十分な絶縁性を確保できる厚みをもった絶縁層と、の三層からなるディスプレイ用可撓性基板が紹介されている。そして、平坦化層については、一般にSOG(Spin On Glass)と呼ばれているコーティングガラスを液状材料として金属基板上に塗布し、これを固化させれば、上面が平坦なガラスからなる平坦化層を形成することができる、とのことである。
同文献によれば、金属基板層、平坦化層、絶縁層の三層構造を採るようにしたため、可撓性を有し、かつ、ディスプレイ用として利用するのに適した基板を実現できるとのことである。
また、特許文献2には、特定の環状ジハイドロジェンポリシロキサン、特定のハイドロジェンポリシロキサン、又は環状ジハイドロジェンポリシロキサンとハイドロジェンポリシロキサンの混合物を、必要に応じて120℃未満の硬化しない温度に保持して流動性を高めるか有機溶剤で希釈して、無機質基板上に被覆し、必要に応じて120℃未満の硬化しない温度に保持して該有機溶剤を揮発させ、ついで、環状ジハイドロジェンポリシロキサン、ハイドロジェンポリシロキサン、又は環状ジハイドロジェンポリシロキサンとハイドロジェンポリシロキサンの混合物を硬化させる、鉛筆硬度が2H〜9Hであるシリカ系ガラス薄層を有する無機質基板の製造方法が紹介されている。
同文献の製造方法の採用により、平坦でありクラックがなく、耐熱性、電気絶縁性、可撓性に優れ、鉛筆高度が2H〜9H、好ましくは4H〜9H、より好ましくは7H〜9Hであるシリカ系ガラス薄層を有する無機質基板を製造することができる、とのことである。また、無機質基板は、平坦さが10nm以下である、とのことである。
特開平10−293293号公報(請求項1、第0032段落、第0039段落) 特開2007−111645号公報(請求項1、第0034段落、第0039段落、第0054段落)
特許文献1では、ディスプレイ用可撓性基板の要求性能たる、(ア)可撓性、(イ)絶縁性、(ウ)平坦性、及び(エ)耐熱性を、金属基板層、平坦化層、及び絶縁層の三層構造で確保しており、一定の有用性がある。
しかしながら、近年のより高性能化の要求に伴い、平坦性、生産性、及び可撓性についてさらなる改善が必要になっている。具体的には、本発明者の検討によると、上記3層構造に類似する構成の採用を試みたところ、可撓性基板表面のRmaxが1000nm程度になる場合もあることがわかり、3層構造では平坦性につき未だ課題を有するものとなることがわかった。また、特許文献1では、金属基板の採用で耐熱性・可撓性を確保し、平坦化層の採用で平坦性を確保し、絶縁層の採用で絶縁性を確保するという手法を採用するがゆえに3層構造を用いているが、層の数を減らしてさらに生産効率を上げるという課題もある。また、平坦化層に用いるSOGは、堅い材料なので、金属基板の可撓性を十分に利用できないという課題を有している。
一方で、特許文献2では、特定の環状ジハイドロジェンポリシロキサン、及び特定のハイドロジェンポリシロキサンを用い、さらに特定の製造方法とすることにより、鉛筆高度がより好ましくは7H〜9Hであり、平坦さが10nm以下である、シリカ系ガラス薄層を有する無機質基板を製造している。実際に、実施例1では、Rmaxが6.1nmであり、鉛筆硬度が9Hとなっている。
しかしながら、本発明者の検討によれば、過度に平坦性を確保しすぎると、可撓性基板の使用用途によってはかえってその効用が発揮されにくくなる場合があることがわかった。具体的には、太陽電池を支持する基板として可撓性基板を採用することを考えると、可撓性基板に一定の表面粗さを付与すると、照射される太陽光を乱反射させることができるようになり太陽電池の吸収効率を上げることができるようになる。また、特許文献2では、特定の材料や製造方法を用いて鉛筆硬度が9H程度の非常に堅いシリカ系ガラス薄層を得ているが、このような非常に堅いシリカ系ガラス薄層では、金属基板の膨張収縮にシリカ系ガラス薄層が追従しにくくなり、シリカ系ガラス薄層が金属基板から剥がれやすくなるという課題もある。さらに、可撓性も不十分になりやすいという課題もある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、様々な用途に応用可能な所望の平坦性、可撓性、及び絶縁性を有し、金属基板の膨張・収縮への良好な追従が可能で、生産効率の高い、可撓性基板及びその製造方法並びにこの可撓性基板を用いた製品を提供することにある。
本発明者は、金属基板の上に設ける平坦化層にポリシロキサン重合体を用い、このポリシロキサン重合体の構造を制御することにより、平坦化層の堅さを制御して、所望の平坦性や可撓性を確保しつつも、金属基板の膨張・収縮への良好な追従が可能となることを見出した。そして、上記特定のポリシロキサン重合体の採用により、絶縁性及び平坦性を一層で確保することができるので、可撓性基板の生産効率を向上させることが可能となることを見出し、本発明を完成させた。
上記課題を解決するための本発明の可撓性基板は、可撓性を有する金属基板と、該金属基板の上に設けられた平坦化層と、を有する可撓性基板であって、前記平坦化層が、シロキサン化合物と、重合時に該シロキサン化合物が有する水酸基と反応しうる官能基を分子内に有し、珪素を分子内に有しない化合物Aと、から構成されるポリシロキサン重合体を含有することを特徴とする。
この発明によれば、可撓性を有する金属基板と、この金属基板の上に設けられた平坦化層と、を有する可撓性基板であって、上記平坦化層が、シロキサン化合物と、重合時に該シロキサン化合物が有する水酸基と反応しうる官能基を分子内に有し、珪素を分子内に有しない化合物Aと、から構成されるポリシロキサン重合体を含有するので、ポリシロキサン重合体の構造を制御して平坦化層の物性を制御することができるようになるとともに平坦化層で平坦性と絶縁性とを確保することができるので、その結果、様々な用途に応用可能な所望の平坦性、可撓性、及び絶縁性を有し、金属基板の膨張・収縮への良好な追従が可能で、生産効率の高い、可撓性基板を提供することができる。
本発明の可撓性基板の好ましい他の態様においては、前記金属基板の厚さが、0.05mm以上、5mm以下である。
この発明によれば、金属基板の厚さが、0.05mm以上、5mm以下であるので、金属基板の可撓性が確実に確保され、かつ金属基板の耐屈曲性も確保されるようになり、その結果、可撓性基板の可撓性をより良好にしやすくなる。
本発明の可撓性基板の好ましい他の態様においては、前記平坦化層の上に絶縁層をさらに設ける。
この発明によれば、平坦化層の上に絶縁層をさらに設けるので、絶縁層に用いる材料を適宜選択することにより可撓性基板にさらなる機能を付与することができるようになり、その結果、種々の用途に適用可能な可撓性基板が得られるようになる。
本発明の可撓性基板の好ましい他の態様においては、前記平坦化層の上に放熱層をさらに設ける。
この発明によれば、平坦化層の上に放熱層をさらに設けるので、可撓性基板に良好な放熱性を付与することができるようになり、その結果、種々の用途に適用可能な可撓性基板が得られるようになる。
本発明の可撓性基板の好ましい他の態様においては、前記可撓性基板の表面の最大高低差(Rmax)が750nm以下である。
この発明によれば、可撓性基板の表面の最大高低差(Rmax)が750nm以下であるので、可撓性基板の表面粗さが過度に粗くなる又は過度に平坦になるということがなくなり、その結果、様々な用途に応用可能な可撓性基板が得られる。
上記課題を解決するための本発明の可撓性基板の製造方法は、本発明の可撓性基板の製造方法であって、シロキサン化合物と、重合時に該シロキサン化合物が有する水酸基と反応しうる官能基を分子内に有し、珪素を分子内に有しない化合物Aと、を重合させて得たポリシロキサン重合体を用いて平坦化層を成膜する平坦化層形成工程を有することを特徴とする。
この発明によれば、シロキサン化合物と、重合時にこのシロキサン化合物が有する水酸基と反応しうる官能基を分子内に有し、珪素を分子内に有しない化合物Aと、を重合させて得たポリシロキサン重合体を用いて平坦化層を成膜する平坦化層形成工程を有するので、ポリシロキサン重合体の構造を制御して平坦化層の物性を制御することができるようになるとともに平坦化層で平坦性と絶縁性とを確保することができるので、その結果、様々な用途に応用可能な所望の平坦性、可撓性、及び絶縁性を有し、金属基板の膨張・収縮への良好な追従が可能で、生産効率の高い、可撓性基板の製造方法を提供することができる。
上記課題を解決するための本発明の製品は、本発明の可撓性基板を用いた製品であって、該製品が、ディスプレイ、照明、又は太陽電池であることを特徴とする。
この発明によれば、本発明の可撓性基板を用いた製品であって、この製品が、ディスプレイ、照明、又は太陽電池であるので、より高いガスバリア性や所定の表面粗さが必要とされる製品に本発明の可撓性基板が用いられることになり、その結果、より高性能なディスプレイ、照明、及び太陽電池を提供することができる。
本発明によれば、様々な用途に応用可能な所望の平坦性、可撓性、及び絶縁性を有し、金属基板の膨張・収縮への良好な追従が可能で、生産効率の高い、可撓性基板を提供することができる。より具体的には、本発明によれば、金属基板及び所定の構造のポリシロキサン重合体を含有する平坦化層の二層構造を採るようにしたため、可撓性を有し、かつ、ディスプレイ用として利用するのに適した可撓性基板を実現できる。
本発明によれば、様々な用途に応用可能な所望の平坦性、可撓性、及び絶縁性を有し、金属基板の膨張・収縮への良好な追従が可能で、生産効率の高い、可撓性基板の製造方法を提供することができる。より具体的には、本発明によれば、金属基板及び所定の構造のポリシロキサン重合体を含有する平坦化層の二層構造を採るようにしたため、可撓性を有し、かつ、ディスプレイ用として利用するのに適した可撓性基板の製造方法を実現できる。
本発明によれば、様々な用途に応用可能な所望の平坦性、可撓性、及び絶縁性を有し、金属基板の膨張・収縮への良好な追従が可能で、生産効率の高い、可撓性基板を用いる製品を提供することができる。より具体的には、本発明によれば、金属基板及び所定の構造のポリシロキサン重合体を含有する平坦化層の二層構造を採るようにしたため、可撓性を有し、かつ、ディスプレイ用として利用するのに適した可撓性基板を用いた製品を実現できる。
次に、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
(可撓性基板)
図1は、本発明の可撓性基板の一例を示す模式的な断面図である。可撓性基板1Aは、可撓性を有する金属基板2と、金属基板2の上に設けられた平坦化層3と、を有する。そして、平坦化層3が、シロキサン化合物と、重合時にこのシロキサン化合物が有する水酸基と反応しうる官能基を分子内に有し、珪素を分子内に有しない化合物Aと、から構成されるポリシロキサン重合体を含有する。これにより、ポリシロキサン重合体の構造を制御して平坦化層3の物性を制御することができるようになるとともに平坦化層3で平坦性と絶縁性とを確保することができるので、その結果、様々な用途に応用可能な所望の平坦性、可撓性、及び絶縁性を有し、金属基板2の膨張・収縮への良好な追従が可能で、生産効率の高い、可撓性基板1Aを提供することができる。なお、可撓性基板1Aにおいては、金属基板2と平坦化層3とが接して設けられているが、必要に応じて、金属基板2と平坦化層3との間に適宜他の層を設けてもよい。
可撓性基板1Aは、ディスプレイ用途や太陽電池用途等に用いられ、種々の機能が求められるが、その中でも重要なのは、「耐熱性」、「可撓性」、「平坦性」、及び「絶縁性」の各種機能を具備することである。このような条件を満たすための可撓性基板1Aを実現するために、金属基板2をベースとして用いている。金属基板2は、厚みをある程度に抑えれば、所望の可撓性が得られ、十分な堅牢性を発揮する。このため、ガラス基板やシリコン基板と比較して、曲げ応力や衝撃によってクラックが入ったり破損したりするという現象が起きにくいという利点がある。また、金属基板2は、高温にも耐えられる耐熱性を有する。一般に、フィルム状の基板として、プラスチックやポリイミドなどの樹脂フィルムが電子回路に利用されているが、このような樹脂フィルムは十分な可撓性は有するものの、耐熱性に欠けているため、本発明に利用するには不適当である。このように、本発明では、ベースとして金属基板2を採用することにより、「可撓性」及び「耐熱性」の条件が満足されることになる。そして、この金属基板2をベースにしつつ、さらに「絶縁性」と「平坦性」という2条件を満足するために、特定の材料から構成されるポリシロキサン重合体を含有する平坦化層3を金属基板2の上に設けている。
金属基板2は、可撓性基板1Aのベースとなる層であり、所望の可撓性が得られる厚みをもった金属の板によって構成されている。この金属基板2の上面(実際には下面も)の表面粗さは、ごく一般的な金属板の表面粗さ(Rmaxが数μm程度)でもかまわない。なお、平坦化層3を用いない場合には、金属基板2の表面粗さをガラス基板並(Rmax=50nm程度)にする必要があり、このため金属基板2の表面を研磨する必要がある。具体的には、数μm程度のRmaxが50nm程度になるまで金属基板2の表面を研磨しなければならない。しかしながら、このような金属基板2の表面研磨加工は、電解研磨などの手法で行うことが可能であるが、可撓性基板の量産を前提とすると、生産効率やコスト面において現実的な手法とは言い難い。そこで、本発明では、所定のポリシロキサン重合体を含有する平坦化層3を用いるのである。
金属基板2は、金属、合金等の材料からなる。こうした材料としては、所定の可撓性を実現できるようなものであればよく特に制限されないが、例えば、ステンレス鋼(SUS)、インバー材(インバール材、アンバー材、Fe−Ni合金)、コバール材(Fe−Co−Niの合金)、ジュラルミン、及び珪素鋼等を挙げることができる。
金属基板2は、その厚さが、0.05mm以上、5mm以下であることが好ましい。これにより、金属基板2の可撓性が確実に確保され、かつ金属基板2の耐屈曲性も確保されるようになり、その結果、可撓性基板1Aの可撓性をより良好にしやすくなる。金属基板2の厚さは、より好ましくは0.08mm以上、さらに好ましくは0.1mm以上、また、より好ましくは3mm以下、さらに好ましくは1mm以下とする。
金属基板2は、従来公知の製造方法で得ることができる。例えば、圧延により所望の大きさや厚さに加工すればよい。
平坦化層3は、金属基板2の上面の表面粗さを平坦化する機能をもった層である。そして、可撓性基板1Aの上にディスプレイ等の構成要素を形成するために、平坦化層3の表面は、所定の平坦性を有するものとなっている。
平坦化層3は、シロキサン化合物と、重合時にこのシロキサン化合物が有する水酸基と反応しうる官能基を分子内に有し、珪素を分子内に有しない化合物Aと、から構成されるポリシロキサン重合体を含有する。より具体的には、ポリシロキサン重合体は、シロキサン化合物と化合物Aとを重合させることによって得られるものである。これにより、ポリシロキサン重合体の構造を制御して平坦化層3の物性を制御することができるようになるとともに平坦化層3で平坦性と絶縁性とを確保することができるようになる。従来、平坦化層は、SOG(Spin On Glass)と呼ばれているコーティングガラスを用いて形成されるのが通常であった。具体的には、金属基板上に液状のコーティングガラスをスピンコート法などで塗布・固化させて平坦化層が形成され、所定の平坦性を確保していた。しかしながら、現在入手可能なコーティングガラスは絶縁性が不十分であるため、可撓性を確保できる厚さで平坦化層を形成した場合には、平坦化層の上に形成されることがあるTFT素子(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ素子)やMIM素子(Metal Insulator Metal:金属/絶縁体/金属なるサンドイッチ構造をもった素子)と、ベースとなる金属基板と、の間の絶縁性を確保できないという課題があった。また、絶縁性を確保できるような厚さとすると、平坦化層が堅くなり過ぎて、金属基板の可撓性が失われてしまうという課題があった。そこで、本発明においては、従来のSOGに代えて、絶縁性に優れる特定のポリシロキサン重合体を採用し、厚さを厚くすることなく「絶縁性」と「平坦性」とを確保することができるようにしている。
平坦化層3においては、上述のとおり、ポリシロキサン重合体の構造を制御して平坦化層3の物性を制御することができるようになるとともに平坦化層3で平坦性と絶縁性とを確保することができるようになる。より具体的には、シロキサン化合物の重合度や架橋度を化合物Aによって制御したポリシロキサン重合体を得ることができる。このため、ポリシロキサン重合体が有するSi−O結合の比率を調整して平坦化層3の堅さを制御することができるので、平坦化層3が金属基板2の膨張・収縮に追従しやすくなり、平坦化層3と金属基板2との接着性を確保しやすくなる。加えて、平坦化層3においては、平坦化層3中のSiが金属基板2との相互作用を良好にする傾向となる。その結果、金属基板2と平坦化層3との接着性をさらに確保しやすくなる。
平坦化層3に含有させるポリシロキサン重合体における、シロキサン化合物と化合物Aとの重合は、シロキサン化合物が水酸基を有する場合には、この水酸基を化合物Aの官能基とを反応させることによって行われる。シロキサン化合物が水酸基を有するものでない場合には、シロキサン化合物をアルコール溶液等中に存在させることで置換基交換を行い、シロキサン化合物に形成される水酸基を利用する。このように、少なくとも重合時にはシロキサン化合物は水酸基を有することとなるので、この水酸基を化合物Aの官能基と反応させて重合を進行させればよい。すなわち、「シロキサン化合物が有する水酸基」とは、シロキサン化合物が元々有する水酸基か、又は重合時にシロキサン化合物に形成される水酸基のことと考えればよい。
シロキサン化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジイソプロポキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジイソプロポキシシラン、ジエチルジブトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン類、ヘキサメチルジシラザン、テトラメチルジシラザン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシラザン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン等のシラザン類、またこれらの錯体化合物、メチルトリアセトキシシラン、トリメチルシラノール等、またはこれらの化合物を含む高分子有機化合物類が挙げられる。
上記のシロキサン化合物のうち、重合の際の反応性を制御する観点から、ヘキサメチルジシラザン、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、及びテトラブトキシシランの少なくとも1つを用いるのが好ましく、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシランの少なくとも1つを用いるのがより好ましい。
重合時にシロキサン化合物が有する水酸基と反応しうる官能基を分子内に有し、珪素を分子内に有しない化合物Aは、上記シロキサン化合物の重合度を制御するために用いられるものである。化合物Aを用いることにより、平坦化層3の堅さ等の物性を制御しやすくなる。
こうした化合物Aは、重合時にシロキサン化合物中の水酸基と反応しうる官能基を分子内に有する化合物であるが、化合物Aは珪素を分子内に有することはない。これは、化合物Aが珪素を含むと、ポリシロキサン重合体の物性の制御がしにくくなるからである。上記官能基は、特に限定されないが、例えば、エポキシ基、カルボキシル基、イソシアネート基、オキサゾリニル基、これら官能基から誘導される基等を挙げることができる。
化合物Aは、特に制限はないが、カルボン酸エステルを用いることが好ましく、低級のカルボン酸エステルを用いることがより好ましく、分子内のカルボン酸エステル(−COOR:Rは1価の有機基)の数が1以上、3以下のカルボン酸エステルを用いることがさらに好ましい。こうしたカルボン酸エステルを用いることによりポリシロキサン重合体を重合する際の重合スピードの調節がしやすくなる。例えば、化合物Aに酸性の強いものを用いると重合のスピードが速くなりすぎてポリシロキサン重合体が析出する等の現象が起きやすくなり、また、化合物Aに脂肪酸エステルを用いると、ポリシロキサン重合体の重合スピードが確保できず良好な成膜が難しくなる場合がある。
化合物Aとしては、例えば、蟻酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、酪酸メチル、吉草酸メチル、蓚酸ジメチル、マロン酸ジメチル、琥珀酸ジメチル、蟻酸エチル、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、酪酸エチル、吉草酸エチル、蓚酸ジエチル、マロン酸ジエチル、及び琥珀酸ジエチル等を挙げることができる。これら化合物Aのうち、ポリシロキサン重合体を含有する塗布液を用いて平坦化層3を形成する方法を用いる場合に、反応進行に伴って発生する塗布液の塗布性の不良を抑制する観点から、蟻酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、マロン酸ジメチル、及び蓚酸ジメチルの少なくとも1つを用いるのが好ましく、蟻酸メチル、酢酸メチル、マロン酸ジメチル、及び蓚酸ジメチルの少なくとも1つを用いるのがより好ましい。
平坦化層3には、ポリシロキサン重合体以外の材料を適宜含有させてもよい。例えば、ポリシロキサン重合体を含有する塗布液を用いて平坦化層3を形成する方法を用いる場合に、この塗布液の分散性を向上・確保する観点から、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、及びポリエチレングリコール等の界面活性剤をさらに含有させてもよい。ポリシロキサン重合体以外の材料を含有させる場合には、その含有量は、通常、3重量%以上、15重量%以下とする。
平坦化層3は、その組成が、Si:O:N:C=1:0.5〜2:0〜0.5:0.1〜1であることが好ましい。これにより、平坦化層3の柔軟性と剛直性とが両立しやすくなり、その結果、平坦性、可撓性、金属基板の熱膨張・収縮への追従がより良好となりやすい。上記元素のうち、Si、O、N、Cは、主としてポリシロキサン重合体に由来するものとなる。O(酸素)の組成比は、より好ましくは1以上、さらに好ましくは1.5以上とする。N(窒素)の組成比は、より好ましくは0.3以下、さらに好ましくは0.2以下とする。C(炭素)の組成比は、より好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.3以上、また、より好ましくは0.9以下、さらに好ましくは0.8以下とする。
平坦化層3の組成が、上記範囲となっているかは、従来公知の分析法を用いて分析することができる。こうした分析法としては、例えば、XPS(X線光電子分析装置)法を挙げることができる。本発明においては、XPSの測定は、XPS(VG Scientific社製ESCA LAB220i−XL装置)により測定している。X線源としては、Ag−3d−5/2ピーク強度が300Kcps〜1McpsとなるX線源であるMgKα線を用い、直径約1mmのスリットを使用している。測定は、測定に供した試料面の法線上に検出器をセットした状態で行い、適正な帯電補正を行っている。測定後の解析は、上述のXPS装置に付属されたソフトウエアEclipseバージョン2.1を使用し、Si:2p、C:1s、N:1s、O:1sのバインディングエネルギーに相当するピークを用いて行っている。このとき、C:1sのピークのうち、炭化水素に該当するピークを基準として、各ピークシフトを修正し、ピークの結合状態を帰属させる。そして、各ピークに対して、シャーリーのバックグラウンド除去を行い、ピーク面積に各元素の感度係数補正(C=1.0に対して、Si=0.87、N=1.77、O=2.85)を行い、原子数比を求めている。得られた原子数比について、Si原子数を1とし、他の成分である、C、N、及びOの原子数を算出して成分割合としている。
平坦化層3の厚さは、通常0.1μm以上、好ましくは0.3μm以上、より好ましくは0.5μm以上とする。平坦化層3の厚さを上記範囲とすれば、可撓性基板1の平坦性を確保しやすくなる。また、平坦化層3の厚さは、通常10μm以下、好ましくは5μm以下とする。平坦化層3の厚さを上記範囲とすれば、平坦性を確保しつつも金属基板2の可撓性を損ないにくい。
平坦化層3の形成方法は、適宜選択することができる。こうした方法としては、例えば、ポリシロキサン重合体等を含有する塗布液を金属基板2上に塗布した後、これを乾燥(熱処理)することにより得る方法を挙げることができる。
ポリシロキサン重合体の塗布液は、通常、適当な溶媒を調整して、その溶媒中にシロキサン化合物と化合物Aと所定の割合で投入しポリシロキサン重合体を重合し、さらに必要に応じてポリシロキサン重合体以外の材料を添加することによって得ることができる。溶媒は1種類であってもよいし、2種類以上の混合溶媒であってもよい。混合溶媒を用いる場合には、主溶媒として、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、及びt−ブタノール等を用いることができる。そして、塗布面の均一性を上げる観点から、副溶媒として、例えば、蟻酸等の低沸点溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、及びジメチルスルホキシド等の高沸点溶媒を1種類以上用いることができる。混合溶媒における主溶媒の含有量は、通常60重量%以上、90重量%以下とする。但し、金属基板2の表面形状及び親疎水性によって、溶媒の配合は調整される。例えば、接触角が高角度である撥水性の金属基板2に対しては、疎水基を多く有するエーテル及び飽和炭化水素を主溶媒とする場合もある。
シロキサン化合物と化合物Aとを重合する際には、シロキサン化合物及び化合物Aの投入比率、投入方法、温度、雰囲気等を適宜制御すればよい。具体的には、投入比率は、シロキサン化合物及び化合物Aにおいて、上述した所望の重合比を考慮して適宜制御すればよい。また投入方法は、ポリシロキサン重合体をスムースに重合するために、シロキサン化合物及び化合物Aを一度に投入せずに、投入量を制御して徐々に投入することが好ましい。さらに温度も、通常−20℃以上、60℃以下とすればよい。そして、重合の際の雰囲気は、酸化等を防止するために不活性雰囲気下で行うことが好ましい。不活性雰囲気としては、例えば、アルゴン雰囲気や窒素雰囲気を挙げることができる。このほか、所望のポリシロキサン重合体を得るために従来公知の制御を適宜行ってもよい。
また、ポリシロキサン重合体を重合した後に、平坦化層3の厚さを制御する観点から、追加で溶媒を添加して固形分濃度を調整してもよい。このときの溶媒の少なくとも一部は重合時と同様の溶媒を用いることが好ましく、例えば混合溶媒を用いた場合には主溶媒と同様の溶媒を用いてもよい。
こうして得たポリシロキサン重合体の塗布液を、例えば、スクリーン印刷法、ロールコート法、ミヤバーコート法、グラビアコート法、スピンコート法、及びダイコート法等を用いて基材2上に塗布し、乾燥させることにより平坦化層3を得ることができる。上記塗布方法のうち、工業生産性や厚さ制御の容易性から、ダイコート法、スピンコート法を用いることが好ましい。また、乾燥(熱処理)は、用いる溶媒の沸点を考慮して乾燥(熱処理)温度・時間の制御を適宜行えばよい。
図2は、本発明の可撓性基板の他の一例を示す模式的な断面図である。可撓性基板1Bは、可撓性を有する金属基板2と、金属基板2の上に設けられた平坦化層3と、平坦化層3の上に設けられた絶縁層4と、を有する。より具体的には、可撓性基板1Bは、図1に示す可撓性基板1Aにおいて、平坦化層3の上に絶縁層4をさらに設けたものである。これにより、絶縁層4に用いる材料を適宜選択することにより可撓性基板1Bにさらなる機能を付与することができるようになり、その結果、種々の用途に適用可能な可撓性基板1Bが得られるようになる。なお、可撓性基板1Bにおいては、金属基板2と平坦化層3とが接して設けられているが、必要に応じて、金属基板2と平坦化層3との間に適宜他の層を設けてもよい。同様に、可撓性基板1Bにおいては、平坦化層3と絶縁層4とが接して設けられているが、必要に応じて、平坦化層3と絶縁層4との間に適宜他の層を設けてもよい。
可撓性基板1Bにおいて、金属基板2及び平坦化層3については、図1に示す可撓性基板1Aと同様であるので、説明の重複を避けるため、ここでの説明は省略する。なお、絶縁層4は、後述するように、通常、真空成膜法によって材料を堆積させることにより形成されるが、金属基板2上に絶縁層4を直接堆積形成した場合には、「平坦性」の条件を満足できなくなる。上述のとおり、金属基板2の表面粗さは、ガラス基板の表面粗さに比べて極めて粗くなっている。すなわち、ガラス基板では、表面の曲率半径の最大値Rmaxは、通常50nm以下であるのに対し、金属基板2でのRmaxは、通常数μm程度となり、両者のRmaxのオーダには大きな差がある。このように、表面の粗い金属基板2上に真空成膜法で絶縁層4を直接堆積させると、金属基板2表面の凹凸状態は、絶縁層4の上面にも反映され、形成される絶縁層4の表面粗さも非常に粗いものとなる。そして、例えば、こうした可撓性基板上にディスプレイを構成する素子を形成すると、TFT素子やMIM素子などの電極や配線間での断線や絶縁不良などが生じ、満足なディスプレイを実現することはできない。そこで、本発明においては、金属基板2と絶縁層4との間に平坦化層3を設けるのである。
絶縁層4は、上面の表面粗さが下面の表面粗さとほぼ等しくなるように形成されることが好ましい。これにより、絶縁層4の表面の平坦性は、平坦化層3の表面の平坦性とほぼ同じになるため、金属基板2/平坦化層3/絶縁層4の三層から構成される可撓性基板1Bの表面は、十分な平坦性を有することになる。
絶縁層4は、絶縁性を有するものであれば特に制限はなく、可撓性基板1Bに求められる機能に応じて適宜その材料を選択すればよい。可撓性基板1Bに求められる上記機能としては、例えばガスバリア性を挙げることができ、この場合には、絶縁性4をガスバリア層として用いる。
絶縁層4をガスバリア層として用いる場合には、絶縁層4をガスバリア機能を有する材料で形成すればよい。こうした材料としては、例えば、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化インジウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ホウ素、酸化ハフニウム、酸化バリウム、酸化錫、酸化亜鉛等の酸化物;窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化マグネシウム等の窒化物;炭化珪素等の炭化物、硫化物等を挙げることができる。また、それらから選ばれた二種以上の複合体を用いてもよい。こうした複合体としては、例えば、2種以上の酸化物を用いる複合酸化物、2種以上の酸化物及び窒化物を用いる複合金属酸窒化物、酸素と窒素を含有する無機酸化窒化物、さらに炭素を含有してなる無機酸化炭化物、無機窒化炭化物、無機酸化窒化炭化物等を挙げることができる。より具体的には、無機酸化物(MO)、無機窒化物(MN)、無機炭化物(MC)、無機酸化炭化物(MO)、無機窒化炭化物(MN)、無機酸化窒化物(MO)、無機酸化窒化炭化物(MO)で、好ましいMは、Si、Al、Ti等の金属元素である。なかでも、MをSiとし、酸化珪素からなる膜は、透明性が高くかつガスバリア性も良好となり、一方、窒化珪素はさらに高いガスバリア性を発揮するので好ましく用いられる。特に好ましくは、酸化珪素と窒化珪素の複合体(無機酸化窒化物(SiO))である。酸化珪素の含有量が多いと透明性が向上し、窒化珪素の含有量が多いとガスバリア性が向上する。その他、2種以上の酸化物を用いる複合酸化物として、例えば、MaMbO、MaMbMcO等を挙げることができる。さらに、2種以上の酸化物及び窒化物を用いる複合金属酸窒化物として、例えば、MaMbOや、MaMbMcO等を挙げることができる。ここで、Ma、Mb、及びMcは異なる金属元素を表し、それぞれ、例えば、Sn、Zn、Si、Al、Ti等を挙げることができる。また、絶縁層4には、上述の材料の他所定の添加剤や不純物が所定量含有されていてもよい。
絶縁層4の厚さは、通常10nm以上、好ましくは30nm以上、また、通常200nm以下、好ましくは150nm以下とする。絶縁層4の厚さを上記範囲とすれば、絶縁層4としての機能を確保しやすくなる。
絶縁層4の形成方法は特に制限はないが、通常、真空成膜法が用いられる。真空成膜法を用いることにより、平坦化層3の表面の粗さと、絶縁層4の表面の粗さと、をほぼ等しくしやすくなる。こうした真空成膜法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、Cat−CVD法、プラズマCVD法、大気圧プラズマCVD法等を用いればよい。こうした形成方法は、成膜材料の種類、成膜のしやすさ、工程効率等を考慮して選択すればよい。こうした形成方法のいくつかにつき以下説明する。
真空蒸着法とは、抵抗加熱、高周波誘導加熱、電子線やイオンビーム等のビーム加熱等により、るつぼに入った材料を加熱、蒸発させて平坦化層3に付着させ、絶縁層4を得る方法である。その際、絶縁層4の組成等により加熱温度、加熱方法を変化させることができ、成膜時に酸化反応等を起こさせる反応性蒸着法も使用できる。
スパッタリング法とは、真空チャンバー内にターゲットを設置し、高電圧をかけてイオン化した希ガス元素(通常はアルゴン)をターゲットに衝突させて、ターゲット表面の原子をはじき出し、平坦化層3に付着させ、絶縁層4を得る方法である。このとき、チャンバー内に窒素ガスや酸素ガスを流すことにより、ターゲットからはじき出された元素と、窒素や酸素とを反応させて絶縁層4を形成する、反応性スパッタリング法を用いてもよい。スパッタリング法としては、例えば、DC2極スパッタリング、RF2極スパッタリング、3極・4極スパッタリング、ECRスパッタリング、イオンビームスパッタリング、及びマグネトロンスパッタリング等を挙げることができるが、工業的にはマグネトロンスパッタリングを用いることが好ましい。
イオンプレーティング法とは、真空蒸着とプラズマの複合技術であり、原則としてガスプラズマを利用して、蒸発粒子の一部をイオンもしくは励起粒子とし、活性化して薄膜を形成する方法である。イオンプレーティング法においては、反応ガスのプラズマを利用して蒸発粒子と結合させ、化合物膜を合成させる反応性イオンプレーティングが有効である。プラズマ中の操作であるため、安定なプラズマを得るのが第1条件であり、低ガス圧の領域での弱電離プラズマによる低温プラズマを用いる場合が多い。このため、混合物や複合酸化物を形成する場合に好ましく用いられる。放電を起こす手段から、直流励起型と高周波励起型に大別されるが、ほかに蒸発機構にホローカソード、イオンビームを用いる場合もある。
プラズマCVD法とは、化学気相成長法の一種である。プラズマCVD法においては、プラズマ放電中に原料を気化して供給し、系内のガスを衝突により相互に活性化してラジカル化するため、熱的励起のみによっては不可能な低温下での反応が可能となる。金属基材2/平坦化層3の積層体は、背後からヒータによって加熱され、電極間の放電中での反応により膜が形成される。プラズマの発生に用いる周波数により、HF(数十〜数百kHz)、RF(13.56MHz)、及びマイクロ波(2.45GHz)に分類される。マイクロ波を用いる場合は、反応ガスを励起し、アフターグロー中で成膜する方法と、ECR条件を満たす磁場(875Gauss)中にマイクロ波導入するECRプラズマCVDに大別される。また、プラズマ発生方法で分類すると、容量結合方式(平行平板型)と誘導結合方式(コイル方式)に分類される。
絶縁層4の組成の制御は、上記紹介した製造方法を適宜用いつつ、製造条件を適宜変化させることにより行うことができる。
図3は、本発明の可撓性基板のさらに他の一例を示す模式的な断面図である。可撓性基板1Cは、可撓性を有する金属基板2と、金属基板2の上に設けられた平坦化層3と、平坦化層3の上に設けられた放熱層5と、を有する。より具体的には、可撓性基板1Cは、図1に示す可撓性基板1Aにおいて、平坦化層3の上に放熱層5をさらに設けたものである。これにより、可撓性基板1Cに良好な放熱性を付与することができるようになり、その結果、種々の用途に適用可能な可撓性基板1Cが得られるようになる。なお、可撓性基板1Cにおいては、金属基板2と平坦化層3とが接して設けられているが、必要に応じて、金属基板2と平坦化層3との間に適宜他の層を設けてもよい。同様に、可撓性基板1Cにおいては、平坦化層3と放熱層5とが接して設けられているが、必要に応じて、平坦化層3と放熱層5との間に適宜他の層を設けてもよい。
可撓性基板1Cにおいて、金属基板2及び平坦化層3については、図1に示す可撓性基板1Aと同様であるので、説明の重複を避けるため、ここでの説明は省略する。
放熱層5に用いる材料は、所望の放熱性を有するものであればよいが、放熱性が確保しやすくなるという観点から、金属化合物、アモルファスカーボン、ダイヤモンドライクカーボンを用いることが好ましい。金属化合物としては、例えば、窒化アルミ、窒化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、及び窒化硼素等を挙げることができ、好ましくは窒化アルミ、窒化チタンを挙げることができる。
放熱層5の熱伝導率は、通常20W/mK以上とするが、好ましくは25W/mK以上とする。熱伝導率を上記範囲とすることにより、可撓性基板1Cの放熱性がより確保されやすくなる。熱伝導率は、高ければ高いほど放熱性に優れるので好ましいが、通常2000W/mK以下となる。
放熱層5の熱伝導率は、光交流法を用いて測定することができる。より具体的には、本発明においては、アルバック理工社製の光交流法熱拡散率測定装置 LaserPIT−1を用い、熱源にダイオードレーザ、測定環境を大気圧(20℃)として熱伝導率を測定することができる。
放熱層5の厚さは、通常2nm以上、好ましくは5nm以上、さらに好ましくは10nm以上、また、通常500nm以下、好ましくは400nm以下、さらに好ましくは300nm以下とする。上記範囲とすれば、放熱性を確保しつつ、クラックが入りにくく生産性を高くしやすくなる。
放熱層5の形成方法は、適宜選択することができる。こうした方法としては、例えば、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、及びプラズマCVD法等を挙げることができる。こうした製造方法は、成膜材料の種類、成膜のしやすさ、工程効率等を考慮して選択すればよい。
以上、可撓性基板1の具体例として、可撓性基板1A,1B,1Cについて説明したが、可撓性基板1の層構成はこれら具体例に限られず、積層に関するバリエーションは、本発明の要旨の範囲内において適宜行うことができる。具体的には、金属基板2、平坦化層3、絶縁層4、及び放熱層5の他にも、例えば、電極等として機能する透明導電層、キズ等に対して保護機能を有するハードコート層、水分を吸着する機能を有する吸湿層、反射防止層、帯電防止層、及び防汚層等を挙げることができる。これらのうち、反射防止層、帯電防止層、及び防汚層は、粘着剤を介して可撓性基板1と貼り合わせるようにしてもよい。また、可撓性基板1を、金属基板2/平坦化層3/絶縁層4/放熱層5という層構成にしてもよい。
可撓性基板1は、その表面の最大高低差(Rmax)が750nm以下であることが好ましい。これにより、可撓性基板1の表面粗さが過度に粗くなる、又は過度に平坦になるということがなくなり、その結果、様々な用途に応用可能な可撓性基板1が得られる。Rmaxは、より好ましくは500nm以下、さらに好ましくは400nm以下である。一方、太陽電池等を支持するために可撓性基板1を用いる場合には、乱反射を用いて光の吸収率を確保するために、可撓性基板1の表面のRmaxは、50nm以上とすることが好ましく、100nm以上とすることがより好ましい。
可撓性基板1の表面のRmaxの測定は、従来公知の方法を適宜用いればよい。本発明においては、原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)として、セイコーインスツルメンツ社製のNanopics−1000を用い、JIS B0601に準拠して、4μmの範囲にて最大突起長(Rmax)を測定することにより評価を行っている。
可撓性基板1では、平坦化層3に所定の構造を有するポリシロキサン重合体を含有させるので、平坦化層3の物性(より具体的には堅さ)を適度に制御することができ、金属基板2の膨張・収縮に対する平坦化層3の追従がしやすくなる。こうした物性を有する平坦化層3の表面硬度は、鉛筆硬度で通常3H〜4H程度となる。なお、鉛筆硬度は、一般的には、可撓性基板1の表面をJIS K5400の8.4.2に従い各種硬度の鉛筆でひっかき、傷が発生しない最大硬度の鉛筆の硬度で示されるものである。
可撓性基板1は、種々のデバイスを支持する基材として用いることができる。こうしたデバイスの例としては、太陽電池、液晶ディスプレイ、OLED(Organic light-emitting diode 有機発光ダイオード)ディスプレイ、及びOLED照明を挙げることができる。
可撓性基板1は、所定の絶縁性を有する。絶縁性は、従来公知の方法を用いて評価することができるが、本発明では可撓性基板1の帯電圧を測定することによって絶縁性を評価することができる。具体的には、耐電圧測定器(製造元:日本テクノナート、型式:MODEL A−4400、最高出力:50kV、対応規格:JIS K 6911)を用いて測定すればよい。耐電圧は、通常20V以上、好ましくは25V以上とする。一方帯電圧は高ければ高いほど絶縁性が高いので好ましいが、通常10,000V以下となる。
(可撓性基板の製造方法)
可撓性基板1の製造方法は、シロキサン化合物と、重合時にこのシロキサン化合物が有する水酸基と反応しうる官能基を分子内に有し、珪素を分子内に有しない化合物Aと、を重合させて得たポリシロキサン重合体を用いて平坦化層3を成膜する平坦化層形成工程を有する。これにより、ポリシロキサン重合体の構造を制御して平坦化層3の物性を制御することができるようになるとともに平坦化層3で平坦性と絶縁性とを確保することができる。
平坦化層3の形成方法(平坦化層形成工程)については、平坦化層3について詳細に説明した際にすでに説明を行ったとおりである。また、可撓性基板1の製造方法では、平坦化層形成工程以外の工程を適宜行ってもよい。こうした他の工程としては、例えば、金属基板2を準備する金属基板準備工程、絶縁層4を形成(成膜)する絶縁層形成工程、及び放熱層5を形成(成膜)する放熱層形成工程等を挙げることができる。そして、金属基板2の準備方法(金属基板準備工程)は、金属基板2について詳細に説明した際にすでに説明したとおりである。同様に、絶縁層4の形成方法(絶縁層形成工程)は、絶縁層4について詳細に説明した際にすでに説明したとおりである。また、放熱層5の形成方法(放熱層形成工程)は放熱層5について詳細に説明した際にすでに説明したとおりである。そこで、各工程については説明の重複を避けるため、ここでの説明は省略する。その他、必要に応じて、さらに他の工程として従来公知のものを適宜行ってもよい。
以上説明したように、本発明の可撓性基板の製造方法によれば、様々な用途に応用可能な所望の平坦性、可撓性、及び絶縁性を有し、金属基板の膨張・収縮への良好な追従が可能で、生産効率の高い、可撓性基板の製造方法を提供することができる。
(製品)
本発明の製品は、本発明の可撓性基板を用いた製品であって、該製品が、ディスプレイ、照明、又は太陽電池である。これにより、より高いガスバリア性や所定の表面粗さが必要とされる製品に本発明の可撓性基板が用いられることになり、その結果、より高性能なディスプレイ、照明、及び太陽電池を提供することができる。
本発明の可撓性基板は、一般には、上記製品の基板として用いられる。そして、ディスプレイとしては、例えば、有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイ等を挙げることができる。また、照明としては、例えば、有機EL照明等を挙げることができる。そして、太陽電池としては、例えば、シリコン太陽電池や化合物半導体を用いた太陽電池等を挙げることができる。このように、ディスプレイ、照明、及び太陽電池は、本発明の可撓性基板を用いること以外は、従来公知の部材を適宜用いて形成することができる。
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
[実施例1]
(金属基板準備工程)
厚さ0.2mmのSUS304基板を金属基板として用意した。金属基板の表面粗さ(Rmax)を測定したところ、2.0μmであった。Rmaxは、触針式表面形状測定器 Dektak 150を用いて測定長さ0.1mmの条件で測定した。
(平坦化層形成工程)
金属基板上に、ポリシロキサン重合体の塗工液を約3000nmの厚さになるようにスピンコート法で塗布し、その後熱処理して平坦化層を得た。ポリシロキサン重合体の塗布液は、以下のようにして製造した。まず、エタノール61.16gの攪拌下に蟻酸10.01gを少量ずつ添加して、蟻酸のエタノール溶液を調製した。次いで、この溶液を窒素雰囲気下で40℃に加熱し、還流下でテトラエトキシシラン(TEOS)20.83gと、蓚酸ジメチル(化合物A)3.03gと、を滴下して、TEOSと化合物Aとを重合させた。滴下後、室温まで放冷してポリシロキサン重合体の塗布液を調製した。そして、この塗布液に、メタノール溶液を添加し、重量比が1:1(固形分濃度5重量%)となるように希釈した。そして、この塗布液をスピンコート法にて基材上に塗布し、約3000nmの塗膜を形成し、加熱条件を150℃/30分として、平坦化層を形成した。
(平坦化層の組成分析)
平坦化層の組成を、XPS(X線光電子分析装置)法で分析した。XPSの測定は、XPS(VG Scientific社製ESCA LAB220i−XL装置)により測定した。X線源としては、Ag−3d−5/2ピーク強度が300Kcps〜1McpsとなるX線源であるMgKα線を用い、直径約1mmのスリットを使用した。測定は、測定に供した試料面の法線上に検出器をセットした状態で行い、適正な帯電補正を行った。測定後の解析は、上述のXPS装置に付属されたソフトウエアEclipseバージョン2.1を使用し、Si:2p、C:1s、N:1s、O:1sのバインディングエネルギーに相当するピークを用いて行った。このとき、C:1sのピークのうち、炭化水素に該当するピークを基準として、各ピークシフトを修正し、ピークの結合状態を帰属させた。そして、各ピークに対して、シャーリーのバックグラウンド除去を行い、ピーク面積に各元素の感度係数補正(C=1.0に対して、Si=0.87、N=1.77、O=2.85)を行い、原子数比を求めた。そして、得られた原子数比について、Si原子数を1とし、他の成分である、C、N、及びOの原子数を算出して成分割合とした。その結果、Si:O:N:C=1:1.9:0:0.5であった。
(可撓性基板の表面粗さの測定)
以上のようにして得た可撓性基板の表面粗さ(Rmax)を測定した。測定は、原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)として、セイコーインスツルメンツ社製のNanopics−1000を用い、JIS B0601に準拠して、4μmの範囲にて最大突起長(Rmax)を測定することにより評価を行った。その結果、Rmaxは、300nmとなった。
(可撓性基板の耐電圧の測定)
可撓性基板の耐電圧は、耐電圧測定器(製造元:日本テクノナート、型式:MODEL A−4400、最高出力:50kV、対応規格:JIS K 6911)を用いて測定した。その結果、耐電圧は30Vであった。
[実施例2]
実施例1の可撓性基板の平坦化層上に、厚さが100nmの絶縁層(窒化珪素)をスパッタリング法に形成することにより、可撓性基板を製造した。絶縁層の成膜条件は以下のとおりである。
ターゲット:Si
電源:RF
電力:3kW
Ar:80sccm、窒素:20sccm
実施例1と同様にして可撓性基板の表面粗さの測定をしたところ、Rmax=250nmであった。また、実施例1と同様にして耐電圧を測定したところ、50Vであった。
[実施例3]
実施例1の可撓性基板の平坦化層上に、厚さが50nmの放熱層(アモルファスカーボン)をイオンプレーティグ法にて形成することにより、可撓性基板を製造した。放熱層の成膜条件は以下のとおりである。
ターゲット:カーボン
電力:10kW
Ar:80sccm
実施例1と同様にして可撓性基板の表面粗さの測定をしたところ、Rmax=300nmであった。また、実施例1と同様にして耐電圧を測定したところ、30Vであった。また、可撓性基板の放熱層の熱伝導率を測定したところ、30W/mKであった。熱伝導率の測定は、アルバック理工社製の光交流法熱拡散率測定装置 LaserPIT−1を用い、熱源にダイオードレーザ、測定環境を大気圧(20℃)として行った。
[比較例1]
実施例1で用いた金属基板上に、下記組成物をスピンコーターにて、500rpmで塗布し、約1μmの塗工膜を形成し、これを乾燥させることにより平坦化層を形成した。そして、平坦化層上に、実施例2と同様の製造方法で、絶縁層を形成した。
組成物は以下のようにして準備した。すなわち、ポリエチレンイミン6.98g、γーグリシドキシプロピルトリメトキシシラン9.25g、メタノール25.1gを混合して、65℃で窒素雰囲気下3時間撹拌して反応溶液を得た。そして、この反応溶液にテトラメトキシシラン72.0gとメタノール11.1gの混合液を加え2時間撹拌して組成物を得た。
こうして得た可撓性基板の表面粗さを実施例1と同様にして測定したところ、Rmax:1μmであった。また、耐電圧を実施例1と同様にして測定したところ、40Vであった。
本発明の可撓性基板の一例を示す模式的な断面図である。 本発明の可撓性基板の他の一例を示す模式的な断面図である。 本発明の可撓性基板のさらに他の一例を示す模式的な断面図である。
符号の説明
1,1A,1B,1C 可撓性基板
2 金属基板
3 平坦化層
4 絶縁層(ガスバリア層)
5 放熱層

Claims (7)

  1. 可撓性を有する金属基板と、該金属基板の上に設けられた平坦化層と、を有する可撓性基板であって、
    前記平坦化層が、シロキサン化合物と、カルボン酸エステルである化合物Aと、から構成されるポリシロキサン重合体を含有し、
    前記平坦化層の組成が、Si:O:N:C=1:0.5〜2:0〜0.5:0.1〜1であることを特徴とする可撓性基板。
  2. 前記金属基板の厚さが、0.05mm以上、5mm以下である、請求項1に記載の可撓性基板。
  3. 前記平坦化層の上に絶縁層をさらに設ける、請求項1又は2に記載の可撓性基板。
  4. 前記平坦化層の上に放熱層をさらに設ける、請求項1又は2に記載の可撓性基板。
  5. 前記可撓性基板の表面の最大高低差(Rmax)が750nm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の可撓性基板。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の可撓性基板の製造方法であって、
    シロキサン化合物と、カルボン酸エステルである化合物Aと、を重合させて得たポリシロキサン重合体を用いて平坦化層を成膜する平坦化層形成工程を有することを特徴とする可撓性基板の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の可撓性基板を用いた製品であって、該製品が、ディスプレイ、照明、又は太陽電池であることを特徴とする製品。
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