JP5130819B2 - 電子打楽器用の打撃検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、打撃を検出し、楽音発生用の検出信号を得る電子打楽器用の打撃検出装置に関する。
従来、打撃を検出する打撃検出装置を備え、その検出出力に基づいて楽音を発生させる電子打楽器が知られている。
例えば、下記特許文献1の電子打楽器は、打面の下面に張り合わされた第1電極と、該第1電極の下面に張り合わされ、打撃強度に応じて抵抗値が変化する感圧抵抗素子と、該感圧抵抗素子の下部に設けられた抵抗面と、該抵抗面への打撃位置に応じて互いの抵抗値の比率が変化する第2、第3電極とを備える。
そして、打撃された打面の下方に位置している感圧抵抗素子の部分が上記抵抗面に接触することで、第2、第3電極間の抵抗値の比率が変化し、この変化を検出することによって打撃位置が検出される。また、打撃力に応じて感圧抵抗素子の抵抗値も変化し、この変化を検出することによって打撃強度が検出される。
特許第2944042号公報
しかしながら、上記特許文献1の電子打楽器では、特性のばらつきが小さい感圧抵抗素子を製造するのが困難であるため、コストを低く抑えながら、検出精度のばらつきを小さくすることが容易でないという問題があった。
また、打撃される領域に対応して、広い面積を有する感圧抵抗素子が必要であるため、材料費が高くなり、コストアップに繋がるだけでなく、感圧抵抗素子を打撃面全面に貼る必要があることから、構成が簡単でない。
ところで、上記特許文献1の電子打楽器では、打撃の有無だけでなく、打撃強さ及び打撃位置も検出できるが、打撃強さの情報と打撃位置の情報とを分離する処理に時間がかかるため、反応速度が遅く、高速の連続打撃を精度よく検出することが困難であった。
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、簡単且つ低コストの構成で、打撃の有無を高い精度で検出することができる電子打楽器用の打撃検出装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の請求項1の電子打楽器用の打撃検出装置は、ベース体(20)と、弾性材で構成され、前記ベース体の上側に配設されて打撃されるパッド部(30)と、楽音発生用の検出信号を出力するセンサ部(10)とを有し、前記ベース体及び前記パッド部の互いに対向する面の少なくとも一方に形成された凹部(23、30c、20a)により、前記ベース体及び前記パッド部の間に空間部(S)が画成され、前記パッド部が打撃された瞬間、前記パッド部の打撃部分が前記空間部側に撓むことによって該空間部の容積が一時的に減少するように構成され、前記ベース体には、前記空間部から外気側に通じる連通部(21)が形成され、前記センサ部は、前記連通部に配設され、前記空間部から前記連通部を通じて外気側に空気が瞬間的に流れたことを検出することを特徴とする。
上記目的を達成するために本発明の請求項2の電子打楽器用の打撃検出装置は、ベース体と、弾性材で構成され、前記ベース体の上側に配設されて打撃されるパッド部と、楽音発生用の検出信号を出力するセンサ部とを有し、前記ベース体及び前記パッド部の互いに対向する面の少なくとも一方に形成された凹部により、前記ベース体及び前記パッド部の間に、互いに連通部(27a)で通じる第1、第2の空間部(SA、SB)が画成され、前記パッド部が打撃された瞬間、前記パッド部の打撃部分が前記第1の空間部及び/又は前記第2の空間部の側に撓むことによって該パッド部が撓んだ側の空間部の容積が一時的に減少するように構成され、前記センサ部は、前記連通部に配設され、前記第1、第2の空間部の間で、前記連通部を通じて空気が瞬間的に流れたことを検出することを特徴とする。
上記目的を達成するために本発明の請求項3の電子打楽器用の打撃検出装置は、ベース体と、弾性材で構成され、前記ベース体の上側に配設されて打撃されるパッド部と、楽音発生用の検出信号を出力するセンサ部とを有し、前記ベース体及び前記パッド部の互いに対向する面の少なくとも一方に形成された凹部により、前記ベース体及び前記パッド部の間に空間部が画成され、前記パッド部が打撃された瞬間、前記パッド部の打撃部分が前記空間部側に撓むことによって該空間部の容積が一時的に減少するように構成され、前記センサ部は、前記空間部内に収容され、前記空間部の内圧が瞬間的に上昇したことを検出し、前記センサ部は、同一の空間部における互いに離間した位置に2つ設けられ、さらに、前記両センサ部から出力される検出信号の出力時間差に基づいて、前記パッド部における打撃位置を把握する位置把握手段を有することを特徴とする。
上記目的を達成するために本発明の請求項9の電子打楽器用の打撃検出装置は、ベース体と、弾性材で構成され、前記ベース体の上側に配設されて打撃されるパッド部と、楽音発生用の検出信号を出力するセンサ部とを有し、前記ベース体及び前記パッド部の互いに対向する面の少なくとも一方に形成された凹部により、前記ベース体及び前記パッド部の間に、互いに連通部で通じる第1、第2の空間部が画成され、前記パッド部が打撃された瞬間、前記パッド部の打撃部分が前記第1の空間部及び/又は前記第2の空間部の側に撓むことによって該パッド部が撓んだ側の空間部の容積が一時的に減少するように構成され、前記センサ部は、前記連通部に配設され、前記第1の空間部と前記第2の空間部との間で瞬間的な内圧差が生じたこと、または、前記第1、第2の空間部の間で、前記連通部を通じて空気が瞬間的に流れたことを検出し、前記第1、第2の空間部は複数組設けられると共に前記センサ部は各空間部の組毎に設けられ、さらに、前記各センサ部の検出結果に基づいて、前記パッド部における打撃位置を把握する位置把握手段を有することを特徴とする。
上記目的を達成するために本発明の請求項11の電子打楽器用の打撃検出装置は、ベース体と、弾性材で構成され、前記ベース体の上側に配設されて打撃されるパッド部と、楽音発生用の検出信号を出力するセンサ部とを有し、前記ベース体及び前記パッド部の互いに対向する面の少なくとも一方に形成された凹部により、前記ベース体及び前記パッド部の間に空間部が画成され、前記パッド部が打撃された瞬間、前記パッド部の打撃部分が前記空間部側に撓むことによって該空間部の容積が一時的に減少するように構成され、前記ベース体には、前記空間部から外気側に通じる連通部が形成され、前記センサ部は、前記連通部に配設され、前記空間部の内圧が瞬間的に上昇したこと、または、前記空間部から前記連通部を通じて外気側に空気が瞬間的に流れたことを検出し、前記連通部は、同一の空間部における互いに離間した位置に2つ設けられると共に、前記センサ部も、前記両連通部に配設され、さらに、前記両連通部に配設された両センサ部から出力される検出信号の出力時間差に基づいて、前記パッド部における打撃位置を把握する位置把握手段を有することを特徴とする。
なお、上記括弧内の符号は例示である。
本発明の請求項1、2、3によれば、簡単且つ低コストの構成で、打撃の有無を高い精度で検出することができる。
請求項4、5、6、10、12によれば、打撃強さを検出することができる。
請求項7によれば、複雑な処理を要することなく、各空間部の配置に基づき打撃位置を把握することができる。
請求項8によれば、ベース体2の半径方向の打撃位置を把握することができる。
請求項9によれば、簡単且つ低コストの構成で、打撃の有無を高い精度で検出することができる。また、複雑な処理を要することなく、各空間部の配置に基づき打撃位置を把握することができる。
請求項13によれば、同じ強さの打撃による各空間部の容積の変化量を均一化して、打撃位置に関わらず均一な検出結果を得ることができる。
請求項11によれば、簡単且つ低コストの構成で、打撃の有無を高い精度で検出することができる。また、2つのセンサ部によって打撃位置を把握することができる。空間部の配設態様によっては、パッド部全面に亘って打撃位置を把握することも可能である。
請求項14によれば、空間部の長さを効率良く確保し、2つのセンサ部を離間配置容易にして、打撃位置の検出精度を高めることができる。また、パッド部全面に亘って打撃位置を把握することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る電子打楽器用の打撃検出装置が適用される1つのドラムパッドの平面図である。図1(b)は、図1(a)のA−A線に沿う断面図である。このドラムパッドは、電子ドラム用に構成される。ドラムパッドとして利用される対象としては、例えば、スネアドラム、タムタム、シンバル等が挙げられるが、これらに限られない。本電子打楽器の全体は図示しないが、同じ構成のドラムパッドが複数備えられる。各ドラムパッドが担当する音色を異ならせることで、同一構成のものでもドラムセットにおける種々のドラム音の発生を実現することができる。
図2は、本電子打楽器における打撃検出装置を含む制御機構のブロック図である。図2に示すように、この電子打楽器は、記憶装置2、ROM3、RAM4、操作入力部5、A/D変換器6、表示部7、楽音発生部8、タイマ17、及び各種インターフェイス9が、バス11を介してCPU1にそれぞれ接続されて構成される。タイマ17はCPU1にも接続される。また、A/D変換器6には、複数のセンサ部10(10−1〜10−6)からの信号が入力される。
CPU1は、本装置全体の制御を司る。ROM3は、CPU1が実行する制御プログラムや各種テーブルデータ等を記憶する。RAM4は、演奏データ、テキストデータ等の各種入力情報、各種フラグやバッファデータ及び演算結果等を一時的に記憶する。タイマ17は、タイマ割り込み処理における割り込み時間や各種時間を計時する。記憶装置2は、フラッシュメモリ等で構成され、自動演奏データ等を記憶するほか、上記制御プログラムを含む各種アプリケーションプログラムを記憶することもできる。
操作入力部5は、各種操作子を含む。表示部7は、LCD等で構成され、各種情報を表示する。楽音発生部8は、不図示のサウンドシステム及びスピーカを含み、A/D変換器6から入力されるセンサ部10からの検出信号に基づいてマニュアル演奏による楽音も発生させるほか、記憶装置2に記憶された自動演奏データに基づいて自動再生を行うことができる。各種インターフェイス9には、MIDII/F(インターフェイス)のほか、有線または無線用のネットワークI/F等が含まれる。
主に、CPU1、タイマ17、A/D変換器6、センサ部10、記憶装置2、ROM3及びRAM4が、本願発明における「打撃検出装置」として機能する。
図1に示すように、ドラムパッドは、アルミニウム等の金属で成り円盤状のベース体20と、ベース体20の上側に配設されてスティック16で打撃される円盤状のパッド部30とを含んでいる。パッド部30は、ベース体20よりも少し直径が小さく、ベース体20のパッド部30よりも外方に突出した周縁部には、不図示の枠体が装着される。ベース体20に対するパッド部30の水平方向の位置決めは、上記枠体によってなされるが、パッド部30に位置決め用の段差等を設けてもよい。ベース体20は、金属製に限られず、適当な剛性を有していればよく、硬質樹脂等で構成してもよい。一方、パッド部30は、打撃されるため、発泡ゴム等の弾性材で構成されるが、打撃に適した弾性乃至可撓性を有した素材であれば他の素材も採用可能である。
パッド部30は、上下面共に平坦で、厚みが一様の円形状に形成される。ベース体20の上面側には、複数の凹部23が形成されている。凹部23は、ベース体20の半径方向中心の1つは円形であるが、それ以外の5つは、同幅で同心円の環状に形成される。隣接する凹部23の間には、環状のリブ22が介在する。パッド部30は、各リブ22の上面を含むベース体20の上面に接着固定される。その接着は、不図示の両面テープを介してなされるが、接着剤で固定してもよい。
ベース体20に上側からパッド部30が接着されることで、各凹部23とパッド部30の下面30aとによって、閉所的な空気室である空間部S(S1〜S6)が画成される。凹部23の平面視形状に依存して、空間部S1の平面視形状は円形であり、空間部S2〜S6の平面視形状は同心円の環状(ドーナツ状)である。空間部Sの断面形状は矩形であるが、形状は問わない。ベース体20において、各凹部23の底部には、外気側に通じる貫通穴である連通部21(21−1〜21−6)が形成されており、ベース体20単体でみれば、空間部S1〜S6が、対応する連通部21−1〜21−6を介して外気に連通している。
連通部21は、各空間部Sに対して各1つ設けられる。図1(a)に示すように、連通部21の配置は直線的である。隣接する空間部S毎に、連通部21の配置位置を、ベース体20の中心点を挟んで逆側としているのは、ベース体20の強度を確保するためである。ただし、連通部21は、空間部Sに対応していればよく、直線配置に限られず、水平方向における配置位置はこの例に限られない。また、図1(a)において、同図上下左右の、いずれの側をドラムパッドの奏者側としてもよい。
図3(a)は、図1(a)のA部の拡大図である。図3(b)は、図3(a)のB−B線に沿う断面図である。各連通部21周りの構成はいずれも同様であるので、図3(a)、(b)を参照し、代表して連通部21−4について主に説明する。
連通部21−4には、センサ部10−4が配設される。センサ部10−4は、ベース体20の下面に接着等で固定される固定材15によって保持されて、連通部21−4内の外気側(ベース体20の下面側)の出口近傍に位置している。この例では、連通部21−4は固定材15によって完全には塞がれておらず、連通部21−4と固定材15との間の間隙21aを通じて、空間部S4と外気側との間で空気が行き来できる構成となっている。センサ部10−4の信号を出力する配線の図示は省略されているが、例えば、連通部21−4のベース体20の下面側出口から導出される。
図3(c)は、センサ部10の構成を模式的に示す断面図である。各センサ部10の構成は同一である。センサ部10として、圧力センサであって、この例では、シリコンマイクを採用しており、市販のものでもよい。図3(c)に示すように、センサ部10は、筐体12内に第1室r1が形成され、第1室r1内に、第2室r2が形成されている。筐体12の底部から突設された壁部13の上部にシリコンのダイヤフラム14が張設され、四方の壁部13とダイヤフラム14とによって、上記第2室r2が画成される。
筐体12の上部には、第1室r1と空間部Sとを連通させる空気導入穴12aが形成されている。壁部13には、第1室r1と第2室r2とを連通させる微小な貫通穴13aが形成されている。貫通穴13aは、大気圧や外気温変化に対処するためのものであり、空気導入穴12aよりも十分に小さい。
このような構成のセンサ部10において、空間部S内の気圧が変化すると、それが空気導入穴12aを通じて第1室r1に伝わり、第1室r1の気圧も連動して変化する。一方、貫通穴13aの存在により、第2室r2内の気圧は、空間部Sの気圧が定常状態である初期状態では、第1室r1と同じである。従って、第2室r2の気圧が急激に変化すると、第1室r1とに生じる気圧差により、ダイヤフラム14が撓む(乃至振動する)。それを電気信号に変換して、空間部Sの圧力変化を示す検出信号として取り出すことができる。特に、センサ部10は、気圧変化の程度に応じた信号を出力することができる。この検出信号は、A/D変換器6でA/D変換されて、CPU1に供給される。
かかる構成において、打撃検出は次のようにしてなされる。図4(a)、(b)は、演奏時の状態を示すドラムパッドの部分拡大図である。パッド部30はあらゆる位置がスティック16によって打撃され得る。
まず、図4(a)に示すように、パッド部30の、いずれかの空間部S(例えば、空間部S4とする)の上方の部分が打撃されたときは、パッド部30の弾性により、打撃位置の下方に位置する空間部S4側にパッド部30が瞬間的に撓む。このパッド部30の下方に撓んだ撓み部30bの容積分だけ、空間部S4の容積が減少する。打撃は瞬間的であるので、空間部S4の内圧が瞬間的に上昇し、第1室r1の内圧上昇を通じてセンサ部10−4のダイヤフラム14(図3(c)参照)が撓む。これにより、打撃強さに応じた検出信号が、センサ部10−4から出力される。
図4(a)の例では、空間部S4に隣接する空間部S3、S5に対応するパッド部30の部分はほとんど撓まない。そのため、空間部S3、S5に対応するセンサ部10−3、10−5をはじめとした、他のセンサ部10からは検出信号が出力されないか、出力されたとしても、センサ部10−4の出力に比し十分に小さいレベルのものとなる。
また、図4(b)に示すように、ちょうどリブ22の上方で打撃がされた場合のように、2つの空間部S(例えば、空間部S3と空間部S4とする)を跨るような位置で打撃されたときは、空間部S3及び空間部S4側にパッド部30がそれぞれ瞬間的に撓む。空間部S3、S4は、それぞれの撓み部30bの容積分だけ容積が一時的に減少する。この場合は、空間部S3、S4に対応するセンサ部10−3、10−4(図1参照)から、それぞれ対応する撓み部30bの容積に依存する空間部S3、S4の圧力変化に応じた検出信号が出力される。他のセンサ部10からの検出信号は、無に等しいか、あるいはセンサ部10−3、10−4の出力に比し十分に小さいレベルである。
センサ部10の出力から、次のようにしてCPU1によって打撃の有無、ベース体20の半径方向における打撃位置及び打撃強さが把握される。まず、いずれかのセンサ部10から所定値以上のレベルの信号出力があったときに、「打撃有り」と把握される。
「打撃有り」の場合において、同じタイミングで所定値以上のレベルの信号を出力するセンサ部10が1つであるとき(図4(a)に例示したようなとき)は、当該センサ部10が配置されている空間部Sの位置から、半径方向における打撃位置が把握される。すなわち、各空間部Sは同心円配置であり、位置関係が既知であるので、どのセンサ部10からの出力であるかによって、打撃位置が把握できる。打撃強さは、当該センサ部10の出力信号レベルから把握される。
また、同じタイミングで所定値以上のレベルの信号を出力するセンサ部10が複数存在するとき(図4(b)に例示したようなとき)は、まず、打撃位置については次のように処理される。例えば、最大レベルと2番目に大きいレベルの信号を出力する2つのセンサ部10のレベル比(またはレベル差、括弧内以下同様)が所定以上であれば、最大レベルを出力する1つのセンサ部10が配置されている空間部Sの位置から、半径方向における打撃位置が把握される。一方、上記レベル比(差)が所定以内であれば、上記2つのセンサ部10が配置されている空間部Sの中間位置、または上記レベル比(差)に応じた位置を、半径方向における打撃位置とする。
打撃強さについては、例えば、上記2つのセンサ部10のレベル比(差)が所定以上であれば、最大レベルを出力する1つのセンサ部10の出力のみに基づき把握される。一方、上記レベル比(差)が所定以内であれば、上記2つのセンサ部10の出力を加算した値に基づき把握される。
これらの処理は一例であり、これらに限定されるものではない。処理を簡単にするためには、一律に、最大レベルを出力した1つのセンサ部10の出力のみに基づき打撃位置及び打撃強さを把握してもよい。
ここで、リブ22の幅(肉厚)は、あまりに薄いとパッド部30との接着面のシール性が悪くなると共にパッド部30が損傷しやすい。一方、あまりに厚いと、隣接するいずれの空間部Sでもセンサ部10が十分に反応しない「不感帯」が大きくなる。そこで、両者を考慮した適切な値(例えば、数mm)に設定するのがよい。
CPU1は、把握した打撃位置、打撃強さに応じて、発音させるべき音色、音量の情報を生成し、それを楽音発生部8(図2参照)に伝える。楽音発生部8は、把握された打撃位置に応じた音色で、把握された打撃強さに応じた音量のドラム音を発生させる。なお、把握した打撃位置、打撃強さに応じて、どの楽音パラメータを制御するかは、この例に限られない。
ところで、上述のように、各連通部21は、外気に連通する間隙21a(図3(a)参照)を有するので、対応する空間部S内は、演奏がされない定常状態においては外気と同じ気圧となっている。その一方、間隙21aは、空間部S全体からみれば十分に小さいため、打撃による瞬間的な容積変化によって、明確な気圧の変化が生じる。それゆえ、空間部Sが完全な密閉室でなくても、センサ部10によって打撃検出が可能になるわけである。
間隙21aを設けて完全密閉しない構成は、大気圧や外気温変化により空間部Sと外圧との差圧が生じることを防止することだけでなく、検出時の感度が良すぎてノイズを拾いやすくなるといった不都合を解消するのに役立っているが、打撃有無検出の観点からは必須ではない。また、間隙21aに代えて、または間隙21aに加えて、ベース体20の凹部23の底部に、間隙21aと同等の機能を発揮する小さな貫通穴を設けてもよい。
従って、連通部21は、ベース体20単体でみたとき外気側に通じるものであればよく、断面形状や、センサ部10によって塞がれているかどうかは問わない。また、通路のような形態を呈する必要もない。一方、センサ部10は、「連通部21に配設」されていればよく、必ずしも図3(b)に例示されるように連通部21の内部に配置されなくてもよい。すなわち、センサ部10は、空間部Sから外気側への空気の流れや、空間部Sからの圧力を受けるような位置に配置されればよいので、連通部21の空間部S側の開口または外気側の開口(出口)付近に配設されてもよい。また、センサ部10の固定手段は問わず、固定材15に限られず、自身が単体でベース体20に接着固定されてもよい。
上記のように、連通部21(乃至センサ部10)の配置は、各空間部Sに対応していればよく、ベース体20におけるどの位置でもよい。実際の打撃位置とセンサ部10との距離が近い場合と遠い場合とが生じ得るが、空間部S内での音波の伝搬は非常に速いため、楽音発生の遅れにさほど悪影響を及ぼさない。従って、センサ部10の配置の自由度は高い。
本実施の形態によれば、パッド部30への打撃力を、ベース体20とパッド部30との間に設けた空間部Sの内圧変化に変換し、それを、圧力センサである複数のセンサ部10で検出することで打撃検出がなされる。各センサ部10は、廉価でありながら特性のばらつきが小さいので、検出精度を高く維持できる。しかも、センサ部10は、1つの空間部Sに1つ設ければ十分であるので、広い面積の感圧抵抗素子で打撃検出する構成に比し、構成が簡単で、コストを抑えることができる。
しかも、空間部Sの内圧変化は、打撃力に応じるので、打撃強さを検出することができる。また、検出信号が出力されたセンサ部10に対応する空間部Sの既知の位置から打撃位置が把握できるので、複雑な処理を要することがなく、高速の連続打撃を精度よく検出することが容易である。特に、各空間部Sが、空間部S1を除いて同心の環状であるので、演奏上の音色決定等に重要な半径方向の打撃位置を、簡単な構成にて把握することができる。
また、空間部S1を除いて、空間部S2〜S6は、平面視の幅が一様で、且つ各空間部Sの幅が共通であるので、同じ強さの打撃による空間部S2〜S6の容積の変化量を均一化して、打撃位置に関わらず均一な検出結果を得ることができる。なお、半径方向の同じ位置で打撃が同じ音色を発生させるので、同じ音色の発生に関して、同じ強さの打撃によって打撃位置に関わらず均一な検出結果を得るという観点からは、空間部Sの幅が一様であればよく、各空間部S間で共通化させなくてもよい。
本実施の形態では、空間部Sは、ベース体20に凹部23を形成することで設けたが、これに限られず、互いに対向する面の少なくとも一方に形成した凹部により設けてもよい。例えば、図5(a)に空間部Sの変形例を示すように、凹部23をベース体20に設けることなくパッド部30の下面30a側のみに設けてもよい。あるいは、図5(b)に空間部Sの別の変形例を示すように、パッド部30の下面側に設けた凹部30cとベース体20の上面側に設けた凹部20aとで空間部Sを画成してもよい。
上記のように、空間部Sの配置位置を手がかりに打撃位置を把握するので、空間部Sの形状、数、配置の自由度は高く、図6、図7に例示するように、各種の変形例が考えられる。
図6は、本実施の形態における第1変形例の打撃検出装置が適用される1つのドラムパッドの平面図である。同図に示すように、この第1変形例では、半径方向に十字状に延設された4つの仕切壁24を設けて、ドラムパッドの領域を、奏者側である前側、後側、左側、右側に4分割し、且つ、それぞれの領域の同心の空間部S同士が全体で平面視環状を呈するように構成される。
空間部S1〜S6は、前後左右の各領域にそれぞれ存在する。空間部S1は扇状、空間部S2〜S6は円弧状である。センサ部10は、それぞれの空間部Sに設けられる。その他の構成は図1に示すものと同様である。パッド部30が打撃されると、打撃位置の下方に位置する空間部Sのセンサ部10が検出信号を出力するので、半径方向の位置だけでなく、前後左右の領域まで位置検出を行える。従って、演奏表現力が広がる。
図7(a)は、本実施の形態における第2変形例の打撃検出装置が適用される1つのドラムパッドの平面図である。同図に示すように、この第2変形例では、半径方向の4つの仕切壁26と、仕切壁26の、半径方向内側に連接する環状仕切壁28とで、5つの空間部S(S11〜S15)が画成される。すなわち、半径方向中央の空間部S11と、前後左右の空間部S12〜S15とが設けられる。センサ部10は、それぞれの空間部Sに設けられる。
また、この第2変形例では、各空間部Sが帯状でないので、パッド部30をたるまないように支持するための支持リブ25が、ベース体20の上面に突設される。仕切壁26、環状仕切壁28及び支持リブ25の上端位置は共通で、これらにパッド部30が接着される。その他の構成は図1に示すものと同様である。このようなおおまかな配置構成でも、打撃力及び位置検出が可能である。なお、支持リブ25は、1つの空間部Sを分断しない形状であればよく、支持リブ25に代えて同じ機能を発揮する支持ピンを多数設けてもよい。
図7(b)は、本実施の形態における第3変形例の打撃検出装置が適用される1つのドラムパッドの平面図である。同図に示すように、この第3変形例では、ドラムパッドが扇状に構成される。各空間部Sは、空間部S1を除いて円弧状である。センサ部10は、それぞれの空間部Sに設けられる。その他の構成は図1に示すものと同様である。
図6、図7(a)、(b)に例示したように、空間部Sの形状、大きさ、配置には自由度があるので、高精度な位置検出を行う製品だけでなく、簡単な玩具向けにも容易に対応できる。
なお、玩具等の廉価な製品用に、構成をより簡単にするためには、センサ部10には、打撃有無だけを検出できる簡素化したセンサ(例えば、瞬間的な圧力上昇だけを検出できるもの)を採用してもよい。さらに、最も簡単な構成例として、空間部S及びセンサ部10を各1つだけ設けるという構成としてもよい。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、連通部21は、空間部Sと外気とを連通させるものであったが、本発明の第2の実施の形態では、連通部が、2つの空間部Sを連通させるものであり、この連通部にセンサ部10を設ける。
図8(a)は、本発明の第2の実施の形態に係る電子打楽器用の打撃検出装置が適用される1つのドラムパッドの平面図である。図8(b)は、図8(a)のB部の拡大図である。
このドラムパッドでは、ベース体20には、複数の環状のリブ22に加えて、ベース体20の半径方向中心を貫く仕切壁27が設けられ、各リブ22が、半円状乃至半円弧状に2つに分割される。各空間部Sも、仕切壁27により、仕切壁27の一側の第1の空間部SA(SA1〜SA6)と他側の第2の空間部SB(SB1〜SB6)とに分割画成される。各1つの第1の空間部SA及び第2の空間部SBの組が、第1の実施の形態における環状の1つの空間部Sに相当する。ただし、図8(b)に示すように、仕切壁27の一側の各第1の空間部SAと他側の対応する第2の空間部SBとは、仕切壁27に形成された連通部27aで互いに通じている。
連通部27aには、第1の実施の形態における連通部21と同様に、固定材15によってセンサ部10が設けられている。固定材15の固定位置は、第1の空間部SA、第2の空間部SBのいずれの側でもよい。第1の空間部SA、第2の空間部SBにおいて、ベース体20の底部には、定常状態において内気圧を外気圧と等しくさせるための小さい間隙(図示せず)が形成されている。あるいは、連通部27aにおいて、第1の空間部SAと第2の空間部SBとが通じる間隙を設ければ、外気に通じる間隙は、第1の空間部SA、第2の空間部SBのいずれか一方のみに設ければ足りる。
かかる構成において、1つの組を例にとって説明すると、例えば、第1の空間部SA5の上方においてパッド部30が打撃されると、第1の空間部SA5の内圧が上昇し、第2の空間部SB5との間に内圧差が瞬間的に生じる。第1の空間部SA5及び第2の空間部SB5間に設けられたセンサ部10により、第1の空間部SA5の圧力変化に応じた検出信号が出力される。打撃位置は、第1の空間部SA5及び第2の空間部SB5の既知の位置から把握される。半径方向に隣接する空間部SA同士またはSB同士の間を打撃したときの打撃強さ及び打撃位置の把握処理は、第1の実施の形態と同様である。
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
図8(c)は、第2の実施の形態における変形例のドラムパッドの平面図である。図8(d)は、図8(c)のC部の拡大図である。図8(a)、(b)の例では、組となって連通部27aで連通する第1の空間部SA及び第2の空間部SBは、半円状乃至半円弧状で、曲率が同じもの同士であったが、図8(c)、(d)に示す変形例では、半径方向に隣接する円形乃至環状の空間部同士を1組とする。
例えば、図8(c)に示すように、円形の第1の空間部SA11とその外側の環状の第2の空間部SB11とが組となる。同様に、内側の第1の空間部SA12とその外側の第2の空間部SB12、内側の第1の空間部SA13とその外側の第2の空間部SB13とがそれぞれ組となる。
そして、図8(d)に示すように、組となった空間部SA、SB間において、リブ22に、連通部27a(図8(b)参照)に相当する連通部22aが形成される。連通部22aには、固定材15によってセンサ部10が設けられている。固定材15の固定位置は、第1の空間部SA、第2の空間部SBのいずれの側でもよい。第1の空間部SA、第2の空間部SBの内気圧を外気圧と等しくさせるための間隙の設け方は、図8(a)、(b)の例と同様である。
この変形例では、図8(a)の例に比し、組となる空間部の数が少ないため、打撃位置の検出がおおまかとなるが、その他の点では、図8(a)の例と同様の効果を奏することができる。また、図8(a)の例に比し、空間部Sを設けるための加工が容易である。
なお、第1、第2の実施の形態において、センサ部10は、風圧、音波乃至空気振動としての概念の圧力も含めたものを検知できるものであればよく、図3(c)に示した構成に限られず、例えば、ピエゾ素子等も代用可能である。特に、センサ部10が連通部21、27a、22aに配設されることから、センサ部10は、第1の実施の形態では空間部Sと外気、第2の実施の形態では組となっている空間部S同士に生じる瞬間的で相対的な圧力差に起因して信号を出力する構成としてもよい。例えば、センサ部10は、検出時の基準圧力用の独立室である第2室r2(図3(c)参照)を有しない構成とし、ダイヤフラム14が、上記相対的な圧力差によって撓むように構成してもよい。
また、第1、第2の実施の形態において、センサ部10が連通部21、27a、22aに配設されることから、センサ部10には、圧力センサではなく流量センサを採用してもよい。その場合は、連通部は完全に塞ぐことなく、空気が自由に流通できるように構成する必要がある。採用する流量センサとしては、電気式(電磁式等)、機械式(カルマン式等)を問わない。流量センサを採用する場合において、構成をより簡単にするためには、センサ部10には、打撃有無だけを検出できる簡素化したセンサ(例えば、連通部を通じて空気が瞬間的に流れたことを検出できるもの)を採用してもよい。
(第3の実施の形態)
第1、第2の実施の形態では、センサ部10を連通部に設けたが、本発明の第3の実施の形態では、連通部を廃止し、センサ部10を空間部Sの内部に収容する。
図9(a)は、本発明の第3の実施の形態に係る電子打楽器用の打撃検出装置が適用される1つのドラムパッドの平面図である。図9(b)は、図9(a)のC−C線に沿う断面図である。
このドラムパッドでは、ベース体20に設けた複数の凹部23とパッド部30とによって空間部S(S1〜S6)が画成される点では第1の実施の形態(図1参照)と同様である。ただし、連通部21(図1参照)は設けられない。図9(b)に示すように、センサ部10は、ベース体20における凹部23の底部に固定的に配設されるが、凹部23内であればよく、例えば、リブ22の側面に固定されてもよい。その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
かかる構成において、センサ部10は、上述したように、独立室である第2室r2を有しているので(図3(c)参照)、第2室r2の圧力を基準として空間部Sの圧力変化を検出することができる。なお、空間部Sの形状については、図6、図7に例示したような変形が適宜採用可能であることはいうまでもない。
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
なお、本第3の実施の形態においても、センサ部10は、風圧、音波乃至空気振動としての概念の圧力も含めたものを検知できるものであればよく、図3(c)に示した構成に限られない、ただし、外気圧等との相対的な圧力差を検出対象にはできないので、空間部S自身の圧力変化を検出できる構成である必要がある。そのため、ベース体20においては、基準圧力用の独立室である第2室r2(図3(c)参照)は必須となる。
(第4の実施の形態)
第1〜第3の実施の形態では、空間部Sの既知の配置位置から打撃位置を把握する構成であった。これに対し、本発明の第4の実施の形態では、空間部Sをあえて長尺に構成してその両端部にセンサ部10を配設し、両センサ部10の信号出力時間差から打撃位置を把握する。
図10は、本発明の第4の実施の形態に係る電子打楽器用の打撃検出装置が適用される1つのドラムパッドの平面図である。このドラムパッドでは、ベース体20に設けた1つの凹部23とパッド部30とによって1つの空間部Sが画成される。リブ22と共に、凹部23乃至空間部Sが、平面視渦巻き状に形成される。空間部Sの外側の第1端部Saと内側の第2端部Sbとに、それぞれ連通部21が設けられ、各連通部21にセンサ部10が配設される。空間部Sの平面視の幅は一様である。その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
空間部Sの全長は、約4mである。打撃時の、空間部S内での音波の伝搬は非常に速いものの、空間部Sが長尺であるため、打撃位置によっては、音波が空間部Sの両端に到達するタイミングに、有意な差異が生じ得る。
図11は、本実施の形態における打撃位置検出手法を示す概念図である。この手法では、打撃位置は、各打撃に対応して、2つのセンサ部10のうち最初に検出信号が出力されたものからの距離として把握される。各センサ部10の位置は既知であるので、センサ部10からの距離がわかれば、パッド部30上における打撃位置の平面座標も把握できる。座標把握の処理はCPU1によってなされる。
図11において、空間部Sの延設方向に沿った打撃位置Pが打撃されたとき、両端のセンサ部10のうち打撃位置Pに近い側のものをセンサ部10A、遠い側のものをセンサ部10Bと記す。空間部Sの延設方向に沿ったセンサ部10A、10B間の距離を「R0」、打撃位置Pからセンサ部10Aまでの距離を「Rx」とする。また、打撃による音波が距離R0を伝わるのに要する時間を「T0」とする。距離R0及び時間T0は既知である。
打撃位置Pで打撃されると、それによる音波は空間部Sの延設方向両側に伝搬し、時間T1経過後には、センサ部10Aの位置及び打撃位置Pからセンサ部10B側に距離Rxだけ離れた途中位置Pxに到達する。この時点で、センサ部10Aでは検出信号が出力される。さらにそれから時間T2経過後に、音波はセンサ部10Bに到達し、その時点でセンサ部10Bから検出信号が出力される。
最初に信号を出力したセンサ部10Aから打撃位置Pまでの距離Rxは、下記数式1で演算される。
[数1]
Rx=R0×{(T0−T2)/2}/T0
このようにして、空間部Sの延設方向における打撃位置Pが演算される。そして、打撃位置Pから、パッド部30上における打撃位置の平面座標(乃至半径方向の位置)が把握される。打撃強さについては、例えば、両センサ部10の出力を加算して把握するが、いずれか一方の出力のみを用いて把握してもよい。
ところで、パッド部30のリブ22のちょうど上方部分が打撃された場合、半径方向に隣接する空間部Sの2カ所の部分が撓むため、1回の打撃により、同じセンサ部10から2つの検出信号が非常に短い時間差(空間部Sの一周分の時間間隔)で連続して出力され得る。この場合に対処するため、例えば、位置把握の処理に限って言えば、最初に出力された信号のみによって位置演算処理を行うようにする。打撃強さについては、非常に短い時間差(空間部Sの一周分の時間間隔)の出力は加算する。
なお、本実施の形態において、打撃位置及び打撃強さの把握のための処理は一例であり、これに限るものではなく、最適な処理方法は、空間部Sの形状によっても異なり得るものである。
本実施の形態によれば、2つのセンサ部10の出力に基づいて、比較的簡単な処理にて打撃位置を検出でき、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
また、空間部Sが渦巻き状であるので、ベース体20の限られた面積内で、空間部Sの長さを効率良く確保し、2つのセンサ部10を離間配置容易にして、打撃位置の検出精度を高めることができる。また、パッド部30全面に亘って打撃位置(座標)を把握することができる。
ところで、2つのセンサ部10は離間配置されていればよく、必ずしも空間部Sの端部に配置されなくてもよい。2つのセンサ部10の間隔は、検出遅れを小さくする観点からは短い方がよいが、位置検出精度の観点からは遠い方がよく、両者を考慮して、上記のように、4m程度としたが、これに限るものではない。また、空間部Sは、帯状でなくてもよい。
本実施の形態においては、空間部Sを渦巻き状としたが、適切な長さを確保するための形状は渦巻き状に限られず、図12(a)、(b)に示す変形例のような形状としてもよい。図12(a)、(b)は、変形例の空間部Sの平面視形状を模式的に示す図である。連通部21及びセンサ部10が、各空間部Sの両端部に配置されている。このように、1筆書きのような形態でパッド部30のほぼ全領域に亘って空間部Sを形成すれば、打撃位置の座標を広範囲に把握可能である。空間部Sの形状は、これら例示したものに限られない。
なお、第4の実施の形態(図10、図12)においては、センサ部10の構成は、図3(c)に示す通りである。しかし、センサ部10を、連通部21を通じて、空間部Sと外気の間に生じる圧力差に起因して信号を出力する構成とするならば、第2室r2(図3(c)参照)を有しない構成としてもよい。あるいは、第2室r2付きのセンサ部10を採用すると共に、第3の実施の形態(図9参照)と同様に、連通部21を廃止してもよい。あるいは、空間部Sに設けられる両センサ部10のうち片方だけを、第2室r2付きの構成とすると共に、当該センサ部10に対応する連通部21を廃止してもよい。
なお、図5(a)、(b)に示すような、凹部23をベース体20及びパッド部30、またはパッド部30のみに設けて空間部Sを画成する構成は、上記第2〜第4の各実施の形態においても適用可能である。第3の実施の形態(図8(a)〜(d))において、空間部SA、SBを画成するに際し、図5(a)、(b)に示す変形例を適用する場合は、連通部27a、22aも、ベース体20及びパッド部30、または、パッド部30のみに形成されることになる。
本発明の第1の実施の形態に係る電子打楽器用の打撃検出装置が適用される1つのドラムパッドの平面図(図(a))、同図(a)のA−A線に沿う断面図(図(b))である。 本電子打楽器における打撃検出装置を含む制御機構のブロック図である。 図1(a)のA部の拡大図(図(a))、図3(a)のB−B線に沿う断面図(図(b))、センサ部の構成を模式的に示す断面図(図(c))である。 演奏時の状態を示すドラムパッドの部分拡大図(図(a)、(b))である。 空間部の変形例を示すドラムパッドの部分断面図(図(a)、(b))である。 本実施の形態における第1変形例の打撃検出装置が適用される1つのドラムパッドの平面図である。 本実施の形態における第2、第3変形例の打撃検出装置が適用される1つのドラムパッドの平面図(図(a)、(b))である。 本発明の第2の実施の形態に係る電子打楽器用の打撃検出装置が適用される1つのドラムパッドの平面図(図(a))、同図(a)のB部の拡大図(図(b))、変形例のドラムパッドの平面図(図(c))、同図(c)のC部の拡大図である(図(d))。 本発明の第3の実施の形態に係る電子打楽器用の打撃検出装置が適用される1つのドラムパッドの平面図(図(a))、同図(a)のC−C線に沿う断面図(図(b))である。 本発明の第4の実施の形態に係る電子打楽器用の打撃検出装置が適用される1つのドラムパッドの平面図である。 本実施の形態における打撃位置検出手法を示す概念図である。 変形例の空間部の平面視形状を模式的に示す図(図(a)、(b))である。
符号の説明
1 CPU(位置把握手段)、 10 センサ部、 20 ベース体、 21、27a 連通部、 30 パッド部、 23、20a、30c 凹部、 S 空間部、 SA 第1の空間部、 SB 第2の空間部

Claims (14)

  1. ベース体と、
    弾性材で構成され、前記ベース体の上側に配設されて打撃されるパッド部と、
    楽音発生用の検出信号を出力するセンサ部とを有し、
    前記ベース体及び前記パッド部の互いに対向する面の少なくとも一方に形成された凹部により、前記ベース体及び前記パッド部の間に空間部が画成され、
    前記パッド部が打撃された瞬間、前記パッド部の打撃部分が前記空間部側に撓むことによって該空間部の容積が一時的に減少するように構成され、
    前記ベース体には、前記空間部から外気側に通じる連通部が形成され、
    前記センサ部は、前記連通部に配設され、前記空間部から前記連通部を通じて外気側に空気が瞬間的に流れたことを検出することを特徴とする電子打楽器用の打撃検出装置。
  2. ベース体と、
    弾性材で構成され、前記ベース体の上側に配設されて打撃されるパッド部と、
    楽音発生用の検出信号を出力するセンサ部とを有し、
    前記ベース体及び前記パッド部の互いに対向する面の少なくとも一方に形成された凹部により、前記ベース体及び前記パッド部の間に、互いに連通部のみで通じる第1、第2の空間部が画成され、
    前記パッド部が打撃された瞬間、前記パッド部の打撃部分が前記第1の空間部及び/又は前記第2の空間部の側に撓むことによって該パッド部が撓んだ側の空間部の容積が一時的に減少するように構成され、
    前記センサ部は、前記連通部に配設され、前記第1、第2の空間部の間で、前記連通部を通じて空気が瞬間的に流れたことを検出することを特徴とする電子打楽器用の打撃検出装置。
  3. ベース体と、
    弾性材で構成され、前記ベース体の上側に配設されて打撃されるパッド部と、
    楽音発生用の検出信号を出力するセンサ部とを有し、
    前記ベース体及び前記パッド部の互いに対向する面の少なくとも一方に形成された凹部により、前記ベース体及び前記パッド部の間に空間部が画成され、
    前記パッド部が打撃された瞬間、前記パッド部の打撃部分が前記空間部側に撓むことによって該空間部の容積が一時的に減少するように構成され、
    前記センサ部は、前記空間部内に収容され、前記空間部の内圧が瞬間的に上昇したことを検出し、
    前記センサ部は、同一の空間部における互いに離間した位置に2つ設けられ、
    さらに、前記両センサ部から出力される検出信号の出力時間差に基づいて、前記パッド部における打撃位置を把握する位置把握手段を有することを特徴とする電子打楽器用の打撃検出装置。
  4. 前記センサ部は、前記空間部から前記連通部を通じて外気側に流れた空気の流量を検出することを特徴とする請求項1記載の電子打楽器用の打撃検出装置。
  5. 前記センサ部は、前記第1、第2の空間部の間で、前記連通部を通じて流れた空気の流量を検出することを特徴とする請求項2記載の電子打楽器用の打撃検出装置。
  6. 前記センサ部は、前記空間部の内圧変化量を検出することを特徴とする請求項3記載の電子打楽器用の打撃検出装置。
  7. 前記空間部は複数設けられると共に前記センサ部は各空間部毎に設けられ、さらに、前記各センサ部の検出結果に基づいて、前記パッド部における打撃位置を把握する位置把握手段を有することを特徴とする請求項1、4または6記載の電子打楽器用の打撃検出装置。
  8. 前記各空間部は、半径の異なる同心円の環状に画成されたことを特徴とする請求項7記載の電子打楽器用の打撃検出装置。
  9. ベース体と、
    弾性材で構成され、前記ベース体の上側に配設されて打撃されるパッド部と、
    楽音発生用の検出信号を出力するセンサ部とを有し、
    前記ベース体及び前記パッド部の互いに対向する面の少なくとも一方に形成された凹部により、前記ベース体及び前記パッド部の間に、互いに連通部で通じる第1、第2の空間部が画成され、
    前記パッド部が打撃された瞬間、前記パッド部の打撃部分が前記第1の空間部及び/又は前記第2の空間部の側に撓むことによって該パッド部が撓んだ側の空間部の容積が一時的に減少するように構成され、
    前記センサ部は、前記連通部に配設され、前記第1の空間部と前記第2の空間部との間で瞬間的な内圧差が生じたこと、または、前記第1、第2の空間部の間で、前記連通部を通じて空気が瞬間的に流れたことを検出し、
    前記第1、第2の空間部は複数組設けられると共に前記センサ部は各空間部の組毎に設けられ、さらに、前記各センサ部の検出結果に基づいて、前記パッド部における打撃位置を把握する位置把握手段を有することを特徴とする電子打楽器用の打撃検出装置。
  10. 前記センサ部は、前記第1の空間部と前記第2の空間部との内圧差の変化量、または、前記第1、第2の空間部の間で、前記連通部を通じて流れた空気の流量を検出することを特徴とする請求項9記載の電子打楽器用の打撃検出装置。
  11. ベース体と、
    弾性材で構成され、前記ベース体の上側に配設されて打撃されるパッド部と、
    楽音発生用の検出信号を出力するセンサ部とを有し、
    前記ベース体及び前記パッド部の互いに対向する面の少なくとも一方に形成された凹部により、前記ベース体及び前記パッド部の間に空間部が画成され、
    前記パッド部が打撃された瞬間、前記パッド部の打撃部分が前記空間部側に撓むことによって該空間部の容積が一時的に減少するように構成され、
    前記ベース体には、前記空間部から外気側に通じる連通部が形成され、
    前記センサ部は、前記連通部に配設され、前記空間部の内圧が瞬間的に上昇したこと、または、前記空間部から前記連通部を通じて外気側に空気が瞬間的に流れたことを検出し、
    前記連通部は、同一の空間部における互いに離間した位置に2つ設けられると共に、前記センサ部も、前記両連通部に配設され、さらに、前記両連通部に配設された両センサ部から出力される検出信号の出力時間差に基づいて、前記パッド部における打撃位置を把握する位置把握手段を有することを特徴とする電子打楽器用の打撃検出装置。
  12. 前記センサ部は、前記空間部の内圧変化量、または、前記空間部から前記連通部を通じて外気側に流れた空気の流量を検出することを特徴とする請求項11記載の電子打楽器用の打撃検出装置。
  13. 前記各空間部は、平面視の幅が一様で、且つ各空間部の幅が共通であることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の電子打楽器用の打撃検出装置。
  14. 前記空間部は、平面視において渦巻き状に形成されていることを特徴とする請求項3、6、11または12記載の電子打楽器用の打撃検出装置。
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