JP5130748B2 - 帯電性粒子分散液及びその製造方法、画像表示媒体、並びに、画像表示装置 - Google Patents

帯電性粒子分散液及びその製造方法、画像表示媒体、並びに、画像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、粒子分散液及びその製造方法、画像表示媒体、並びに、画像表示装置に関する。
従来から、繰り返し書き換えが可能なシート状の画像表示媒体として、Twisting Ball Display(2色塗り分け粒子回転表示)、電気泳動、磁気泳動、サーマルリライタブル媒体、メモリ性を有する液晶などの表示技術が提案されている。
上記表示技術の一つとして、導電性着色粒子と白色粒子を対向する電極基板間に封入し、非表示基板の電極内側表面に設けた電荷輸送層を介して導電性着色粒子へ電荷を注入し、電荷注入された導電性着色粒子が非表示基板に対向して位置する表示基板側へ、電極基板間の電界により移動し、導電性着色トナーが表示側の基板内側へ付着して導電性着色粒子と白色粒子とのコントラストにより画像表示する表示技術が提案されている。本表示技術は、画像表示媒体が全て固体で構成されており、白と黒(色)の表示を原理的に100%切り替えることができる点で優れている。
ところで、上記表示技術において、基板間を移動する粒子は、分散媒に分散された状態で基板間に封入されている。この分散媒としては、例えば、芳香族炭化水素溶媒、脂肪族炭化水素溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、シリコーンオイルの如くオイル状ポリシロキサン、又は、高純度石油などの絶縁性の高い溶媒を用いられている。これらの中でも、安全性が高く、化学的に安定で長期の信頼性の良いシリコーン系溶媒が望ましく、さらには抵抗率の高さの観点からストレートのジメチルシリコーンが望ましく適用されている(例えば、特許文献1乃至2)。
例えば、特許文献1では、シリコーンに分散するために、粒子作製後に乾燥・溶媒置換工程を経て、粒子をシリコーンオイルに分散させている。また、特許文献2では、塩酸水溶液を加えて反応生成物(粒子)を析出させ、反応溶媒を除去した後,さらに水洗浄・乾燥させた後、シリコーンオイルに再分散する工程を経て、粒子をシリコーンオイルに分散させている。
一方、乾燥工程を経ることなく、最終的に分散媒として用いるシリコーンオイル中で粒子を作製し、分散媒に粒子を分散させる例としては,特許文献3で提案されている。この特許文献3では、粒子を効率良く帯電させるために、粒子を、主として、顔料と、樹脂化合物と、非プロトン性溶媒(シリコーンオイル)に対する溶解性が5重量%以下の電荷調整剤とで構成している。
特開2003−015168 特開2003−096191 特開2004−279732
しかしながら、特許文献1及び2の如く、洗浄・乾燥工程を経てシリコーンオイルに粒子を分散させると、粒子が凝集してしまい、再分散しないといった問題がある。一方、特許文献3の如く、乾燥工程を経ることなく、最終的に分散媒として用いる溶媒中で粒子を作製する例もあるが、この文献の粒子の作製方法では、例えば、構成材料である帯電制御剤が、粒子に対して物理的に固定化されておらず、また分散溶媒に対して溶解性があることから、長期的な帯電特性の安定性が悪く、帯電量の大きな粒子を作製することが難しいのが現状である。なお、特許文献3では、帯電制御剤として、それ自体が着色しているニグロシン染料やモノアゾ染料が利用されていることから、帯電制御剤としての利用は事実上黒色を表示するための粒子に限定され、黒以外の色を表示するための粒子として用いることは困難である。
そこで、本発明の課題は、帯電量の大きな粒子が分散された粒子分散液を、洗浄・乾燥工程を経ることなく簡易に作製される粒子分散液の製造方法、及びそれにより得られる粒子分散液を提供することである。また、本発明の課題は、粒子分散液の製造方法を利用した、画像表示媒体、並びに、画像表示装置を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
イオン性高分子と、乳化剤と、着色剤と、シリコーンオイルからなる第1溶媒と、前記シリコーンオイルとは非相溶で、前記シリコーンオイルより沸点が低く且つイオン性高分子を溶解する第2溶媒とを含む混合溶液を攪拌し、乳化させる乳化工程と、
前記乳化させた混合溶液から前記第2溶媒を除去する除去工程と、
を有することを特徴とする帯電性粒子分散液の製造方法である。
請求項2に係る発明は、
前記乳化剤が、樹枝状構造を持つ高分子であることを特徴とする請求項1に記載の帯電性粒子分散液の製造方法である。
請求項3に係る発明は、
前記第2溶媒が、水であることを特徴とする請求項1又は2に記載の帯電性粒子分散液の製造方法である。
請求項4に係る発明は、
イオン性高分子と、乳化剤と、着色剤と、シリコーンオイルからなる第1溶媒と、前記シリコーンオイルとは非相溶で、前記シリコーンオイルより沸点が低く且つイオン性高分子を溶解する第2溶媒と、を含む混合溶液を攪拌し、乳化させる乳化工程と、
前記乳化させた混合溶液から前記第2溶媒を除去する除去工程と、
を少なくとも経て作製されたことを特徴とする帯電性粒子分散液である。
請求項5に係る発明は、
前記乳化剤が、樹枝状構造を持つ高分子であることを特徴とする請求項4に記載の帯電性粒子分散液である。
請求項6に係る発明は、
前記第2溶媒が、水であることを特徴とする請求項4又は5に記載の帯電性粒子分散液である。
請求項7に係る発明は、
少なくとも一方が透光性を有すると共に間隙をもって対向して配置された一対の基板と、
透光性を有する分散媒と前記分散媒中に分散され前記一対の基板間に形成される電界に応じて移動する粒子群とを含み、前記一対の基板間に封入される粒子分散液であって、イオン性高分子、乳化剤、着色剤、シリコーンオイルからなる第1溶媒、及び前記シリコーンオイルとは非相溶で前記シリコーンオイルより沸点が低く且つイオン性高分子を溶解する第2溶媒を含む混合溶液を攪拌し乳化させる乳化工程と、前記乳化させた混合溶液から前記第2溶媒を除去する除去工程と、を少なくとも経て作製される粒子分散液と、
を備えることを特徴とする画像表示媒体である。
請求項8に係る発明は、
前記乳化剤が、樹枝状構造を持つ高分子であることを特徴とする請求項7に記載の画像表示媒体である。
請求項9に係る発明は、
前記第2溶媒が、水であることを特徴とする請求項7又は8に記載の画像表示媒体である。
請求項10に係る発明は、
前記粒子分散液が複数種類有し、
当該複数種類の粒子分散液に含まれる粒子群が、互いに電界に応じて移動するために必要な電圧の絶対値が異なると共に、互いに異なる色に着色されていることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の画像表示媒体である。
請求項11に係る発明は、
前記複数種類の粒子分散液に含まれる粒子群が、電界に応じて移動するために必要な電圧範囲を有し、且つ互いに当該電圧範囲が異なることを特徴とする請求項10に記載の画像表示媒体である。
請求項12に係る発明は、
請求項7乃至11のいずれか1項に記載の画像表示媒体と、
前記画像表示媒体の前記一対の基板間に、電圧を印加する電圧印加手段と、
を有することを特徴とする画像表示装置である。
請求項1に係る発明によれば、帯電量の大きな粒子を安定性良く分散した粒子分散液が、洗浄・乾燥工程を経ることなく簡易に作製される、といった効果を奏する。
請求項2に係る発明によれば、粒子がより安定性良く分散した粒子分散液が作製される、といった効果を奏する。
請求項3に係る発明によれば、より帯電量の大きな粒子が分散した粒子分散液が作製される、といった効果を奏する。
請求項4に係る発明によれば、帯電量の大きな粒子が安定性良く分散される、といった効果を奏する。
請求項5に係る発明によれば、粒子がより安定性良く分散される、といった効果を奏する。
請求項6に係る発明によれば、より帯電量の大きな粒子が得られる、といった効果を奏する。
請求項7に係る発明によれば、表示性及び信頼性に優れる、といった効果を奏する。
請求項8に係る発明によれば、より表示性及び信頼性に優れる、といった効果を奏する。
請求項9に係る発明によれば、より表示性及び信頼性に優れる、といった効果を奏する。
請求項10に係る発明によれば、鮮明なカラー表示がされる、といった効果を奏する。
請求項11に係る発明によれば、混色を抑制し、カラー表示される、といった効果を奏する。
請求項12に係る発明によれば、表示性及び信頼性に優れる、といった効果を奏する。
以下、本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
第1実施形態に係る粒子の製造方法は、イオン性高分子、乳化剤、着色剤、シリコーンオイルからなる第1溶媒、及びシリコーンオイルとは非相溶でシリコーンオイルより沸点が低く且つイオン性高分子を溶解する第2溶媒を含む混合溶液を攪拌し、乳化させる乳化工程と、乳化させた混合溶液から第2溶媒を除去する除去工程と、有することを特徴としている。
但し、本実施形態に係る粒子とは、帯電性の粒子を示す。
本実施形態に係る粒子の製造方法では、上記工程を経ることで、シリコーンオイルを分散媒とし、帯電量の大きな粒子を安定性良く分散した粒子分散液が、洗浄・乾燥工程を経ることなく簡易に作製される。以下、工程別に説明する。
−乳化工程−
乳化工程では、イオン性高分子と、乳化剤と、着色剤と、シリコーンオイルからなる第1溶媒と、シリコーンオイルとは非相溶で、シリコーンオイルより沸点が低く且つイオン性高分子を溶解する第2溶媒と、を混合する。そして、得られた混合溶液を攪拌し、乳化させる。
乳化工程では、上記混合液を攪拌することで、第1溶媒(シリコーンオイル)が貧溶媒として連続相中に、第2溶媒が良溶媒として分散相を形成して乳化される。なお、連続相中に乳化剤が溶解又は分散され、分散相にイオン性高分子、及び着色剤が溶解又は分散されることになる。
この乳化させるための攪拌は、例えば、自体公知の攪拌装置(例えば、ホモジナイザー、ミキサー、超音波破砕機等)を用いて行われる。乳化時の温度上昇を抑制するために、乳化時の混合液の温度は0℃以上25℃以下に保つことが望ましい。例えば、乳化させるためのホモジナイザーやミキサーの攪拌速度、超音波破砕機の出力強度および乳化時間は,所望の粒子径に応じて設定される。
以下、各材料について説明する。まず、イオン性高分子について説明する。
イオン性高分子は、イオン性基を有する高分子であり、第2溶媒(良溶媒)に溶解される得るものである。イオン性高分子として具体的には、例えば、イオン性単量体と非イオン性単量体との共重合体が挙げられる。また、イオン性高分子は、当該共重合体の塩であってもよい。
イオン性単量体としては、カチオン性単量体、アニオン性単量体のいずれも用いられる。カチオン性単量体としては、化合物中に水酸基や四級化されたアミン基を有する単量体が用いられる。このような単量体の例としては、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアクリルアミド、エチレンイミン、アクリルアミン、ビニルピリジンなどが挙げられる。
一方、アニオン性単量体としては、化合物中にカルボキシル基、スルフォン酸基、ホスホン酸基のようなアニオン性基を有する単量体が用いられる。このような単量体の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ポリビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸などが挙げられる。
また、非イオン性単量体としては、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキルエステル、(メタ)アクリルアミド、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、イソブチレン、N−ジアルキル置換(メタ)アクリルアミド、スチレン、ビニルカルバゾール、スチレン、スチレン誘導体、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、メチレンビスアクリルアミド、イソプレン、ブタジエン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メ30タ)アクリレート、ビニルピロリドンなどが挙げられる。
ここで、イオン性単量体と非イオン性単量体との共重合体において、イオン性単量体と非イオン性単量体との共重合比は、所望の粒子の帯電量に応じて適宜変更される。
イオン性高分子の重量平均分子量としては、1000以上100万以下が望ましく、より望ましくは1万以上20万以下である。
次に、乳化剤について説明する。乳化剤としては、シリコーン変性樹脂、変性シリコーンオイルが好適に挙げられる。
シリコーン変性樹脂としては、シリコーン変性アクリル樹脂、シリコーン変性ポリウレタン樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でも、得られる粒子の分散安定性向上の点から、シリコーン変性樹脂としては、シリコーン変性アクリル樹脂が好適である。
上記シリコーン変性アクリル樹脂は、例えば、アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸、アクリル酸アルキル等)、メタクリル酸エステル類(アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸アルキル等)、メタクリルアミド、及びメタクリロニトリルから選択される単量体の単独重合体又は2種以上の共重合体に対し、シリコーンを変性させたものが挙げられる。
シリコーン変性アクリル樹脂として具体的には、例えば、「KP545:信越シリコーン社製」、「FA−4001CM:東レダウシリコーン社製」、「サイマック:東亜合成社製」等が挙げられる。
一方、変性シリコーンオイルとしては、カルボキシル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、アミン変性シリコーンオイル等が挙げられる。これらの中でも、これらの中でも、得られる粒子の分散安定性向上の点から、変性シリコーンオイルとしては、アミン変性シリコーンオイルが好適である。
変性シリコーンオイルとして具体的には、例えば、「TSF4708:GE東芝シリコーン社製」、「TSF4709:GE東芝シリコーン社製」等が挙げられる。
ここで、乳化剤として、樹枝状構造を持つ高分子を適用することが特に好適である。樹枝状構造を持つ高分子を乳化剤として適用することで、得られる粒子の分散安定性が特に向上される。この樹枝状構造を持つ高分子とは、主鎖に対し連結される側鎖が規則的な枝分かれした分子構造(デンドマリー構造と呼ばれる分子構造)を持つ高分子である。この如く、樹枝状構造を持つ高分子としては、「FA−4001CM:東レダウシリコーン社製」に代表されるシリコーン変性アクリル樹脂(例えば、「FA−4001CM:東レダウシリコーン社製」)が好適に挙げられる。このシリコーン変性アクリル樹脂は、アクリル主鎖に対して連結される側鎖シリコーンが、多数のトリメチルシロキサン基が規則的に枝分かれして球状に構成されたオリゴマーで構成されたものである。無論、樹枝状構造を持つ高分子としては、これに限定されるわけではない。
乳化剤の配合量としては、第1溶媒に対し3重量%以上40重量%以下が望ましく、望ましくは5重量%以上20重量%以下である。
次に、着色剤について説明する。着色剤としては、第2溶媒(良溶媒)に分散され得るものが使用され、有機顔料、無機顔料、染料等の各種いずれ着色剤も使用される。着色剤としては、例えば、マグネタイト、フェライト等の磁性紛、カーボンブラック、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、フタロシアニン銅系シアン色材、アゾ系イエロー色材、アゾ系マゼンタ色材、キナクリドン系マゼンタ色材、レッド色材、グリーン色材、ブルー色材等の公知の着色剤が挙げられる。着色剤として具体的には、例えば、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3、等が代表的なものとして例示される。また、着色剤としては、空気を内包した多孔質のスポンジ状粒子や中空粒子も白色の着色剤として利用し得る。
着色剤の配合量としては、樹脂(イオン性高分子)に対し10重量%以上99重量%以下が望ましく、望ましくは30重量%以上99重量%以下である。なお、着色剤は、第2溶媒(良溶媒)に分散された状態で、混合溶液に配合させることがよい。
次に、第1溶媒としてのシリコーンオイルについて説明する。
シリコーンオイルは、混合溶液中で連続相を形成し得る貧溶媒として用いられる。シリコーンオイルとして具体的には、シロキサン結合に炭化水素基が結合したシリコーンオイル(例えば、ジメチルシリコーンオイル、ジエチルシリコーンオイル、メチルエチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、ジフェニルシリコーンオイル等)、変性シリコーンオイル(例えば、フッ素変性シリコーンオイル、アミン変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイルなど)が挙げられる。これらの中も、安全性が高く、化学的に安定で長期の信頼性が良く、且つ抵抗率が高いといった観点から、ジメチルシリコーンが特に望ましい。
シリコーンオイルの粘度は、温度20℃の環境下において、0.1mPa・s以上20mPa・s以下であることが望ましく、より望ましくは0.1mPa・s以上2mPa・s以下である。粘度を上記範囲とすることで、粒子の移動速度、すなわち、表示速度の向上が図れる。なお、この粘度の測定には、東京計器製B−8L型粘度計を用いる。
次に、第2溶媒について説明する。
第2溶媒は、混合溶液中で分散相を形成し得る良溶媒として用いられる。また、シリコーンオイルとは非相溶で、シリコーンオイルより沸点が低く且つイオン性高分子を溶解するものが選択される。ここで、非相溶とは、複数の物質系が混じりあわずにそれぞれ独立した相で存在する状態を示す。また、溶解とは、溶解物の残存が目視にて確認でない状態を示す。
第2溶媒として具体的には、例えば、水、炭素数5以下(望ましくは以上以下)の低級アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール等)、テトラヒドロフラン、アセトンが挙げられる。これらの中でも、より帯電量の大きな粒子が得られるとった観点から、水が特に望ましい。
第2溶媒は、例えば加熱減圧により混合溶液の系から除去され得ることからシリコーンオイルよりも沸点が低いものから選択されるが、当該沸点としては、例えば50℃以上150℃以下であることが望ましく、より望ましくは50℃以上100℃以下である。
次に、その他の配合材料について説明する。上記乳化させる混合溶液中には、必要に応じて、上記材料以外の他の配合材料を配合してもよい。
他の配合材料としては、例えば、得られる粒子の帯電量を調整する目的で、帯電制御剤が用いられる。帯電制御剤としては、電子写真用トナー材料に使用される公知のものが使用でき、例えば、セチルピリジルクロライド、BONTRON P−51、BONTRON P−53、BONTRON E−84、BONTRON E−81(以上、オリエント化学工業社製)等の第4級アンモニウム塩、サリチル酸系金属錯体、フェノール系縮合物、テトラフェニル系化合物、酸化金属微粒子、各種カップリング剤により表面処理された酸化金属微粒子を挙げられる。なお、本実施形態では、帯電性制御剤を用いなくとも、帯電量が制御された粒子が得られるが、例えば、帯電特性の調整等を目的して用いてよい。
粒子の内部や表面には、必要に応じて、磁性材料を混合してもよい。磁性材料は必要に応じてカラーコートした無機磁性材料や有機磁性材料を使用する。また、透明な磁性材料、特に、透明有機磁性材料は着色顔料の発色を阻害せず、比重も無機磁性材料に比べて小さく、より望ましい。
着色した磁性粉として、例えば、特開2003−131420公報記載の小径着色磁性粉を用いる。核となる磁性粒子と該磁性粒子表面上に積層された着色層とを備えたものが用いられる。そして、着色層としては、顔料等により磁性粉を不透過に着色する等適宜選定して差し支えないが、例えば光干渉薄膜を用いるのが好ましい。この光干渉薄膜とは、SiO2やTiO2等の無彩色材料を光の波長と同等な厚みを有する薄膜にしたものであり、薄膜内の光干渉により光を波長選択的に反射するものである。
また、他の配合材料としては、例えば、得られる粒子の表面付着させる目的で、外添剤を用いてもよい。外添剤の色は、粒子の色に影響を与えないように、透明であることが好ましい。
外添剤としては、酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン、アルミナのような金属酸化物等の無機微粒子が用いられる。微粒子の帯電性、流動性、及び環境依存性等を調整するために、これらをカップリング剤やシリコーンオイルで表面処理してもよい。
カップリング剤には、アミノシラン系カップリング剤、アミノチタン系カップリング剤、ニトリル系カップリング剤等の正帯電性のものと、窒素原子を含まない(窒素以外の原子で構成される)シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、エポキシシランカップリング剤、アクリルシランカップリング剤等の負帯電性のものがある。同様に、シリコーンオイルには、アミノ変性シリコーンオイル等の正帯電性のものと、ジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、α−メチルスルホン変性シリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等の負帯電性のものが挙げられる。これらは外添剤の所望の抵抗に応じて選択される。
このような外添剤の中では、よく知られている疎水性シリカや疎水性酸化チタンが好ましく、特に特開平10−3177記載のTiO(OH)2と、シランカップリング剤のようなシラン化合物との反応で得られるチタン化合物が好適である。シラン化合物としてはクロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤のいずれのタイプを使用することも可能である。このチタン化合物は、湿式工程の中で作製されるTiO(OH)2にシラン化合物あるいはシリコーンオイルを反応、乾燥させて作製される。数百度という焼成工程を通らないため、Ti同士の強い結合が形成されず、凝集が全くなく、微粒子はほぼ一次粒子の状態である。さらに、TiO(OH)2にシラン化合物あるいはシリコーンオイルを直接反応させるため、シラン化合物やシリコーンオイルの処理量が多され、シラン化合物の処理量等を調整することにより帯電特性が制御され、且つ付与される帯電能も従来の酸化チタンのそれより顕著に改善される。
外添剤の一次粒子は、一般的には5nm以上100nm以下であり、好ましくは10nm以上50nm以下であるが、これに限定されない。
外添剤と粒子の配合比は粒子の粒径と外添剤の粒径の兼ね合いから適宜調整される。外添剤の添加量が多すぎると粒子表面から該外添剤の一部が遊離し、これが他方の粒子の表面に付着して、所望の帯電特性が得られなくなる。一般的には、外添剤の量は、粒子100重量部に対して、0.01重量部以上3重量部以下、より好ましくは0.05重量部以上1重量部以下である。
−除去工程−
次に、除去固定では、乳化工程において乳化させた混合溶液から第2溶媒(良溶媒)を除去する。この第2溶媒を除去することで、当該第2溶媒により形成された分散相内で、イオン性高分子が、他の材料を内容或いは表面に付着させつつ析出されて粒子化され、目的の粒子が得られる。
ここで、第2溶媒を除去する方法としては、例えば、混合溶液を加熱する方法、混合溶液を減圧する方法が挙げられ、これら方法を組み合わせて実施してもよい。
混合溶液を加熱して第2溶媒をする場合、当該加熱温度としては、例えば60℃以上200℃以下が望ましく、より望ましくは60℃以上180℃以下である。
一方、混合溶液を減圧して第2溶媒を除去する場合、当該減圧圧力としては、0.01mPa以上200mPa以下が望ましく、より望ましくは0.01mPa以上20mPa以下である。
以上のようにして、シリコーンオイルを分散媒として粒子が分散された粒子分散液が得れる。なお、得られた粒子分散液に対し、必要に応じて、酸、アルカリ、塩、分散安定剤、酸化防止や紫外線吸収などを目的とした安定剤、抗菌剤、防腐剤などを添加してもよい。
得られた粒子分散液に対し、帯電制御剤として、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、金属石鹸、アルキルリン酸エステル類、コハク酸イミド類等を添加してもよい。
帯電制御剤としては、イオン性若しくは非イオン性の界面活性剤、親油性部と親水性部からなるブロック若しくはグラフト共重合体類、環状、星状若しくは樹状高分子(デンドリマー)等の高分子鎖骨格をもった化合物、サリチル酸の金属錯体、カテコールの金属錯体、含金属ビスアゾ染料、テトラフェニルボレート誘導体等が挙げられる。
イオン性及び非イオン性の界面活性剤としては、より具体的には以下があげられる。ノニオン活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド等が挙げられる。アニオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタリンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸等がある。カチオン界面活性剤としては、第一級ないし第三級のアミン塩、第四級アンモニウム塩等があげられる。これら帯電制御剤は、粒子固形分に対して0.01重量%以上、20重量%以下が好ましく、特に0.05重量%以上10重量%以下の範囲が望ましい。
また、得られた粒子分散液に対し、必要に応じて、例えば、第1溶媒(必要に応じて乳剤剤を含む第1溶媒)で希釈したり、添加剤(例えば乳化剤)を添加してもよい。
本実施形態に係る粒子分散液の製造方法により得られた粒子分散液は、電気泳動方式の画像表示媒体、液体現像方式電子写真システムの液体トナーなどに利用される。特に、得られた粒子分散液は、安全性が高く、化学的に安定で長期の信頼性の良いシリコーンオイルを分散媒としていることから、他の分散媒に代えることなく、そのまま利用することができ、粒子の分散安定性が良好なまま各分野に適応され得る。
(第2実施形態)
図1は、本発明の第2実施形態に係る画像表示装置を示す概略構成図である。第2実施形態に係る画像表示装置10は、その画像表示媒体12の分散媒50と粒子群34とを含む粒子分散液として、上記第1実施形態に係る粒子分散液の製造方法により得られた粒子分散液を適用する形態である。このため、第2実施形態に係る画像表示装置(画像表示媒体)では、表示性及び信頼性に優れるものとなる。また、特に、上記第1実施形態に係る粒子分散液の製造方法において、乳化剤として樹枝状構造を持つ高分子を適用したり、第2溶媒として水を適用することで、第2実施形態に係る画像表示装置(画像表示媒体)は表示性及び信頼性に優れるものとなる。
第2実施形態に係る画像表示装置10は、図1に示すように、画像表示媒体12と、電圧印加部16と、制御部18とを含んで構成されている。制御部18は、電圧印加部16に信号授受可能に接続されている。
制御部18は、装置全体の動作を司るCPU(中央処理装置)と、各種データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、装置全体を制御する制御プログラムや処理ルーチンによって示されるプログラムを含む各種プログラムが予め記憶されたROM(Read Only Memory)と、を含むマイクロコンピュータとして構成されている。
なお、画像表示媒体12が本発明の画像表示媒体に相当し、画像表示装置10が本発明の画像表示装置に相当し、電圧印加部16が、本発明の画像表示装置の電圧印加手段に相当する。
電圧印加部16は、表面電極40及び背面電極46に電気的に接続されている。なお、本実施の形態では、表面電極40及び背面電極46の双方が、電圧印加部16に電気的に接続されている場合を説明するが、表面電極40及び背面電極46の一方が接地されており、他方が電圧印加部16に接続されていてもよい。
電圧印加部16は、表面電極40及び背面電極46に電圧を印加するための電圧印加装置であり、制御部18の制御に応じた電圧を表面電極40及び背面電極46間に印加する。
以下、画像表示媒体12について詳細に説明する。
画像表示媒体12は、図1に示すように、画像表示面とされる表示基板20、表示基板20に間隙をもって対向する背面基板22、これらの基板間を所定間隔に保持すると共に、表示基板20と背面基板22との間を複数のセルに区画する間隙部材24、及び各セル内に封入された粒子群34を含んで構成されている。
上記セルとは、表示基板20と、背面基板22と、間隙部材24と、によって囲まれた領域を示している。このセル中には、分散媒50が封入されている。粒子群34(詳細後述)は、この分散媒50中に分散され、セル内に形成された電界強度に応じて表示基板20と背面基板22との間を移動する。
なお、この画像表示媒体12に画像を表示したときの各画素に対応するように間隙部材24を設け、各画素に対応するようにセルを形成することで、画像表示媒体12を、画素毎の色表示が可能となるように構成してもよい。
そして、画像表示媒体12の分散媒50中には、互いに色が異なる複数種類の粒子群34が分散されている。複数種類の粒子群34は、基板間を電気泳動する粒子であり、電界に応じて移動するために必要な電圧の絶対値が各色の粒子群でそれぞれ異なる。
このような、電界に応じて移動するために必要な電圧の絶対値が異なる複数種の粒子群34の各粒子としては、上記第1実施形態に係る粒子分散液の製造方法において、例えば、「イオン性高分子」の種類を変える等して、帯電量の異なる粒子を含む粒子分散液をそれぞれ作製し、これを混合することで得られる。
ここで、上記セル中の全質量に対する粒子群34の含有量(質量%)としては、所望の色相が得られる濃度であれば特に限定されるものではなく、セルの厚さにより含有量を調整することが、画像表示媒体12としては有効である。即ち、所望の色相を得るために、セルが厚い場合には含有量は少なく、セルが薄い場合には含有量を多くしてもよい。一般的には、0.01質量%以上50質量%以下である。
以下、画像表示媒体12の各構成部材について説明する。
表示基板20は、支持基板38上に、表面電極40及び表面層42を順に積層した構成となっている。背面基板22は、支持基板44上に、背面電極46及び表面層48を順に積層した構成となっている。
上記支持基板38及び支持基板44としては、ガラスや、プラスチック、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂等が挙げられる。
背面電極46及び表面電極40には、インジウム、スズ、カドミウム、アンチモン等の酸化物、ITO等の複合酸化物、金、銀、銅、ニッケル等の金属、ポリピロールやポリチオフェン等の有機導電性材料等を使用してもよい。これらは単層膜、混合膜あるいは複合膜として使用でき、蒸着法、スパッタリング法、塗布法等で形成される。また、その厚さは、蒸着法、スパッタリング法によれば、通常100オングストローム以上2000オングストローム以下である。背面電極46及び表面電極40は、従来の液晶表示素子あるいはプリント基板のエッチング等従来公知の手段により、所望のパターン、例えば、マトリックス状、あるいはパッシブマトリックス駆動を可能とするストライプ状に形成される。
また、表面電極40を支持基板38に埋め込んでもよい。同様に、背面電極46を支持基板44に埋め込んでもよい。この場合、支持基板38及び支持基板44の材料が粒子群34の各粒子の帯電特性や流動性に影響を及ぼすことがあるので、粒子群34の各粒子の組成等に応じて適宜選択する。
なお、背面電極46及び表面電極40各々を表示基板20及び背面基板22と分離させ、画像表示媒体12の外部に配置してもよい。この場合、背面電極46と表面電極40との間に画像表示媒体12が挟まれる構成となるため、背面電極46と表面電極40との間の電極間距離が大きくなって電界強度が小さくなるため、所望の電界強度が得られるように画像表示媒体12の支持基板38及び支持基板44の厚みや、支持基板38と支持基板44との基板間距離を小さくする等の工夫が必要である。
なお、上記では、表示基板20と背面基板22の双方に電極(表面電極40及び背面電極46)を備える場合を説明したが、何れか一方にのみ設けるようにしてもよい。
また、アクティブマトリックス駆動を可能にするために、支持基板38及び支持基板44は、画素毎にTFT(薄膜トランジスタ)を備えていてもよい。配線の積層化及び部品実装が容易であることから、TFTは表示基板ではなく背面基板22に形成することが好ましい。
なお、画像表示媒体12を単純マトリクス駆動とすると、画像表示媒体12をそなえた後述する画像表示装置10の構成を簡易な構成とすることができ、TFTを用いたアクティブマトリックス駆動とすると、単純マトリクス駆動に比べて表示速度が速される。
上記表面電極40及び背面電極46が、各々支持基板38及び支持基板44上に形成されている場合、表面電極40及び背面電極46の破損や、粒子群34の各粒子の固着を招く電極間のリークの発生を防止するため、必要に応じて表面電極40及び背面電極46各々上に誘電体膜としての表面層42、及び、あるいは表面層48を形成することが好ましい。
この表面層42、及び、あるいは表面層48を形成する材料としては、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリイミド、エポキシ、ポリイソシアネート、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリブタジエン、ポリメチルメタクリレート、共重合ナイロン、紫外線硬化アクリル樹脂、フッ素樹脂等を用いてもよい。
また、上記した絶縁材料の他に、絶縁性材料中に電荷輸送物質を含有させたものも使用され得る。電荷輸送物質を含有させることにより、粒子への電荷注入による粒子帯電性の向上や、粒子の帯電量が極度に大きくなった場合に粒子の電荷を漏洩させ、粒子の帯電量を安定させるなどの効果が得られる。
電荷輸送物質としては、例えば、正孔輸送物質であるヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、アリールアミン化合物等が挙げられる。また、電子輸送物質であるフルオレノン化合物、ジフェノキノン誘導体、ピラン化合物、酸化亜鉛等も使用してもよい。さらに、電荷輸送性を有する自己支持性の樹脂を用いてもよい。
具体的には、ポリビニルカルバゾール、米国特許第4806443号に記載の特定のジヒドロキシアリールアミンとビスクロロホルメートとの重合によるポリカーボネート等が挙げられる。誘電体膜は、粒子の帯電特性や流動性に影響を及ぼすことがあるので、粒子の組成等に応じて適宜選択する。基板の一方である表示基板は光を透過する必要があるので、上記各材料のうち透明のものを使用することが好ましい。
表示基板20と背面基板22との間隙を保持するための間隙部材24は、表示基板20の透明性を損なわないように形成され、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化樹脂、光硬化樹脂、ゴム、金属等で形成される。
間隙部材24には、セル状のものと、粒子状のものがある。セル状のものとしては、例えば、網がある。網は入手が容易で安価であり、厚さも比較的均一であることから、安価な画像表示媒体12を製造する場合に有益である。網は微細な画像の表示には不向きであり、高い解像度が必要とされない大型の画像表示装置に使用することが好ましい。また、他のセル状のスペーサとしては、エッチングやレーザー加工等によりマトリックス状に穴を開けたシートが挙げられ、このシートでは、網に比べ、厚さ、穴の形状、穴の大きさなどを容易に調整される。このため、シートは微細な画像を表示するための画像表示媒体に使用し、コントラストをより向上させるのに効果的である。
間隙部材24は表示基板20及び背面基板22の何れか一方と一体化されてもよく、支持基板38又は支持基板44をエッチング処理、レーザー加工したり、予め作製した型を使用し、プレス加工、印刷等によって、任意のサイズのセルパターンを有する支持基板38又は支持基板44、及び間隙部材24が作製される。
この場合、間隙部材24は、表示基板20側、背面基板22側のいずれか、又は双方に作製し得る。
間隙部材24は有色でも無色でもよいが、画像表示媒体12に表示される表示画像に悪影響を及ぼさないように無色透明であることが好ましく、その場合には、例えば、ポリスチレンやポリエステルやアクリルなどの透明樹脂等を使用してもよい。
また、粒子状の間隙部材24は、透明であることが好ましく、ポリスチレン、ポリエステル又はアクリル等の透明樹脂粒子の他、ガラス粒子も使用される。
画像表示媒体12においては、各セル中に絶縁性粒子36が封入されている。絶縁性粒子36は、同一のセル内に封入されている粒子群34とは異なる色で且つ絶縁性の粒子であり、粒子群34の各粒子各々が通過可能な間隙を持って、背面基板22と表示基板20との対向方向に略直交する方向に添って配列されている。また、この絶縁性粒子36と背面基板22との間、及び表示基板20と絶縁性粒子36との間には、同一セルに含まれる粒子群34の各粒子を背面基板22と表示基板20との対向方向に複数積層可能な程度の間隔が設けられている。
すなわち、絶縁性粒子36の間隙を通って、背面基板22側から表示基板20側、又は表示基板20側から背面基板22側へ粒子群34の各粒子は移動される。この絶縁性粒子36の色としては、例えば、背景色となるように白色又は黒色を選択することが好ましい。
絶縁性粒子36としては、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合物の球状粒子、ベンゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒド縮合物の球状粒子、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物の球状粒子、((株)日本触媒製エポスター)、酸化チタン含有架橋ポリメチルメタクリレートの球状微粒子(積水化成品工業(株)製MBX−ホワイト)、架橋ポリメチルメタクリレートの球状微粒子(綜研化学製ケミスノーMX)、ポリテトラフルオロエチレンの微粒子(ダイキン工業(株)製ルブロンL、 Shamrock TechnologiesInc.製 SST-2 )、フッ化炭素の微粒子(日本カーボン製CF-100、ダイキン工業製CFGL,CFGM)、シリコーン樹脂微粒子(東芝シリコーン(株)製トスパール)、酸化チタン含有ポリエステルの微粒子(日本ペイント製ビリューシア PL1000ホワイトT)、酸化チタン含有ポリエステル・アクリルの微粒子(日本油脂製コナックNo181000ホワイト)、シリカの球状微粒子(宇部日東化成製ハイプレシカ)等が挙げられる。上記に限定せずに、酸化チタン等の白色顔料を樹脂に混合分散したのち、所望の粒子径に粉砕、分級したものでもよい。
これらの絶縁性粒子36は、上述のように表示基板20と背面基板22との間に設けるために、セルの表示基板20と背面基板22との対向方向の長さに対して、1/5乃至1/50となるような体積平均一次粒子径であり、このセルの体積に対して含有量が1体積%乃至50体積%であることがよい。
画像表示媒体12における上記セルの大きさとしては、画像表示媒体12の解像度と密接な関係にあり、セルが小さいほど高解像度な表示媒体を作製することができ、通常、10μm以上1mm以下程度である。
上記表示基板20及び背面基板22を固定するには、ボルトとナットの組み合わせ、クランプ、クリップ、基板固定用の枠等の固定手段を使用することができる。また、接着剤、熱溶融、超音波接合等の固定手段も使用することができる。
以上の画像表示媒体12は、画像の保存及び書換えが可能な掲示板、回覧版、電子黒板、広告、看板、点滅標識、電子ペーパー、電子新聞、電子書籍、及び複写機・プリンタと共用できるドキュメントシート等に使用することができる。
この画像表示媒体12では、表示基板20と背面基板22との間に印加する印加電圧(V)を変えることによって、異なる色を表示する。
画像表示媒体12では、表示基板20と背面基板22との間に形成された電界に応じて移動することによって、画像表示媒体12の各画素に対応するセル毎に、画像データの各画素に応じた色を表示することができる。
ここで、画像表示媒体12において、上述のように、図2に示すように、粒子群34においては、各色毎に、粒子群34が基板間を電気泳動する際の電界に応じて移動するために必要な電圧の絶対値がそれぞれ異なる。そして、各色の粒子群34は、各色毎に各色の粒子群34を移動させるために必要な電圧範囲を有し、当該電圧範囲がそれぞれ異なる。言い換えれば、当該電圧の絶対値は、当該電圧範囲を有し、粒子群34の各色毎に当該電圧範囲がそれぞれ異なる。
なお、本実施の形態では、画像表示媒体12の同一セル内に封入されている粒子群34としては、図1に示すように、マゼンタ色のマゼンタ粒子群34M、シアン色のシアン粒子群34C、及びイエロー色のイエロー粒子群34Yの3色の粒子群34が封入されているとして説明する。
また、マゼンタ色のマゼンタ粒子群34M、シアン色のシアン粒子群34C、及びイエロー色のイエロー粒子群34Yの3色の粒子群各々が移動を開始するときの電圧の絶対値として、マゼンタ色のマゼンタ粒子群34Mが|Vtm|、シアン色のシアン粒子群34Cが|Vtc|、イエロー色のイエロー粒子群34Yが|Vty|であるとして説明する。また、各色粒子群34のゼンタ色のマゼンタ粒子群34M、シアン色のシアン粒子群34C、及びイエロー色のイエロー粒子群34Yの3色の粒子群各々をほぼ全て移動させるための最大電圧の絶対値として、マゼンタ色のマゼンタ粒子群34Mが|Vdm|、シアン色のシアン粒子群34Cが|Vdc|、イエロー色のイエロー粒子群34Yが|Vdy|であるとして説明する。
なお、以下で説明するVtc、−Vtc、Vdc、−Vdc、Vtm、−Vtm、Vdm、−Vdm、Vty、−Vty、Vdy、及び−Vdyの絶対値は、|Vtc|<|Vdc|<|Vtm|<|Vdm|<|Vty|<|Vdy|の関係であるとして説明する。
具体的には、図2に示すように、例えば、粒子群34はすべて同極性に帯電され、シアン粒子群34Cを移動させるために必要な電圧範囲の絶対値|Vtc≦Vc≦Vdc|(VtcからVdcの間の値の絶対値)、マゼンタ粒子群34Mを移動させるために必要な電圧範囲の絶対値|Vtm≦Vm≦Vdm|(VtmからVdmの間の値の絶対値)、及びイエロー粒子群34Mを移動させるために必要な電圧範囲の絶対値|Vty≦Vy≦Vdy|(VtyからVdyの間の値の絶対値)が、この順で重複することなく、大きくなるように設定されている。
また、各色の粒子群34を独立駆動するために、シアン粒子群34Mをほぼ全て移動させるための最大電圧の絶対値|Vdc|が、マゼンタ粒子群34Mを移動させるために必要な電圧範囲の絶対値|Vtm≦Vm≦Vdm|(VtmからVdmの間の値の絶対値)、及びイエロー粒子群34Mを移動させるために必要な電圧範囲の絶対値|Vty≦Vy≦Vdy|(VtyからVdyの間の値の絶対値)よりも小さく設定されている。また、マゼンタ粒子群34Mをほぼ全て移動させるための最大電圧の絶対値|Vdm|が、イエロー粒子群34Mを移動させるために必要な電圧範囲の絶対値|Vty≦Vy≦Vdy|(VtyからVdyの間の値の絶対値)よりも小さく設定されている。
即ち、本実施形態では、各色の粒子群34を移動させるために必要な電圧範囲が重ならないように設定することによって、各色の粒子群34が独立駆動されるようにしている。
なお、「粒子群34を移動させるために必要な電圧範囲」とは、粒子が移動開始するために必要な電圧と移動開始からさらに電圧及び電圧印加時間を増加させても、表示濃度の変化が生じなくなり、表示濃度が飽和するまでの電圧範囲を示す。
また、「粒子群34をほぼ全て移動させるために必要な最大電圧」とは上記の移動開始からさらに電圧及び電圧印加時間を増加させても、表示濃度の変化が生じなくなり、表示濃度が飽和する電圧を示す。
また、「ほぼ全て」とは、各色の粒子群34の特性ばらつきがあるため、一部の粒子群34の特性が表示特性に寄与しない程度異なるものがあることを表す。すなわち上述した移動開始からさらに電圧及び電圧印加時間を増加させても、表示濃度の変化が生じなくなり、表示濃度が飽和した状態である。
また、「表示濃度」は、表示面側における色濃度を光学濃度(Optical Density=0D)の反射濃度計X-rite社の反射濃度計で測定しながら、表示面側と背面側との間に電圧を印加して且つこの電圧を測定濃度が増加する方向に徐々に変化(印加電圧を増加又は減少)させて、単位電圧あたりの濃度変化が飽和し、且つその状態で電圧及び電圧印加時間を増加させても濃度変化が生じず、濃度が飽和したときの濃度を示している。
そして、本実施形態に係る画像表示媒体12では、表面基板20と背面基板22との基板間に0Vから電圧を印加して除々に印加電圧の電圧値を上昇させて、基板間に印加された電圧が+Vtcを超えると、画像表示媒体12においてシアン粒子群34Cの移動により表示濃度に変化が現れ始める。さらに、電圧値を上昇させて、基板間に印加された電圧が+Vdcとなると、画像表示媒体12においてシアン粒子群34の移動による表示濃度の変化が止まる。
さらに電圧値を上昇させて、表面基板20と背面基板22との基板間に印加された電圧が+Vtmを超えると、画像表示媒体12においてマゼンタ粒子群34Mの移動による表示濃度の変化が現れ始める。さらに電圧値を上昇させて、表面基板20と背面基板22との基板間に印加された電圧が+Vdmとなると、画像表示媒体12においてマゼンタ粒子群34Mの移動による表示濃度の変化が止まる。
さらに、電圧値を上昇させて、基板間に印加された電圧が+Vtyを超えると、画像表示媒体12においてイエロー粒子群34Yの移動による表示濃度の変化が現れ始める。さらに電圧値を上昇させて、基板間に印加された電圧が+Vdyとなると、画像表示媒体12においてイエロー粒子群34Yの移動による表示濃度の変化が止まる。
反対に、表面基板20と背面基板22との基板間に0Vからマイナス極の電圧を印加して除々に電圧の絶対値を上昇させ、基板間に印加された電圧−Vtcの絶対値を超えると、画像表示媒体12においてイエロー粒子群34Cの基板間の移動により表示濃度に変化が現れ始める。さらに、電圧値の絶対値を上昇させ、表面基板20と背面基板22との基板間に印加された電圧が−Vdc以上となると、画像表示媒体12においてシアン粒子群34Cの移動による表示濃度の変化が止まる。
さらに電圧値の絶対値を上昇させてマイナス極の電圧を印加し、表面基板20と背面基板22との基板間に印加される電圧が−Vtmの絶対値を超えると、画像表示媒体12においてマゼンタ粒子群34Mの移動による表示濃度の変化が現れ始める。さらに電圧値の絶対値を上昇させて、表面基板20と背面基板22との基板間に印加された電圧が−Vdmとなると、画像表示媒体12においてマゼンタ粒子群34Mの移動による表示濃度の変化が止まる。
さらに電圧値の絶対値を上昇させてマイナス極の電圧を印加し、表面基板20と背面基板22との基板間に印加される電圧が−Vtyの絶対値を超えると、画像表示媒体12においてイエロー粒子群34Yの移動により表示濃度に変化が現れ始める。さらに電圧値の絶対値を上昇させて、基板間に印加された電圧が−Vdyとなると、画像表示媒体12においてイエロー粒子群34Cの移動による表示濃度の変化が止まる。
すなわち、本実施の形態では、図2に示すように、基板間に印加される電圧が−VtcからVtcの範囲内(電圧範囲|Vtc|以下)となるような電圧が表面基板20と背面基板22との基板間に印加された場合には、画像表示媒体12の表示濃度に変化が発生する程度の粒子群34(シアン粒子群34C、マゼンタ粒子群34M、及びイエロー粒子群34Y)の粒子の移動は生じていないといえる。そして、基板間に、電圧+Vtc及び電圧−Vtcの絶対値以上の電圧が印加されると、3色の粒子群34の内のシアン粒子群34Cについて画像表示媒体12の表示濃度に変化が発生する程度の粒子の移動が生じはじめて表示濃度に変化が生じはじめ、電圧−Vdc及び電圧Vdcの絶対値|Vdc|以上の電圧が印加されると、単位電圧あたりの表示濃度に変化は生じなくなる。
さらに、基板間に印加される電圧が−VtmからVtmの範囲内(電圧範囲|Vtm|以下)となるような電圧が表面基板20と背面基板22との基板間に印加された場合には、画像表示媒体12の表示濃度に変化が発生する程度のマゼンタ粒子群34M及びイエロー粒子群34Yの粒子の移動は生じていないといえる。そして、基板間に、電圧+Vtm及び電圧−Vtmの絶対値以上の電圧が印加されると、マゼンタ粒子群34M及びイエロー粒子群34Yの内のマゼンタ粒子群34Mについて、画像表示媒体12の表示濃度に変化が発生する程度の粒子の移動が生じはじめて単位電圧あたりの表示濃度に変化が生じはじめ、電圧−Vdm及び電圧Vdmの絶対値|Vdm|以上の電圧が印加されると、表示濃度に変化は生じなくなる。
さらに、基板間に印加する電圧が−VtyからVtyの範囲内(電圧範囲|Vty|以下)となるような電圧が表面基板20と背面基板22との基板間に印加された場合には、画像表示媒体12の表示濃度に変化が発生する程度のイエロー粒子群34Yの粒子の移動は生じていないといえる。そして、基板間に、電圧+Vty及び電圧−Vtyの絶対値以上の電圧が印加されると、イエロー粒子群34Yについて、画像表示媒体12の表示濃度に変化が発生する程度の粒子の移動が生じ始めて表示濃度に変化が生じはじめ、電圧−Vdy及び電圧Vdyの絶対値|Vdy|以上の電圧が印加されると、表示濃度に変化は生じなくなる。
次に、図3を参照して、本発明の画像表示媒体12に画像を表示するときの粒子移動のメカニズムを説明する。
例えば、画像表示媒体12に、複数種類の粒子群34として、図2を用いて説明したイエロー粒子群34Y、マゼンタ粒子群34M、シアン粒子群34Cが封入されているとして説明する。
また、以下では、イエロー粒子群34Yを構成する粒子が移動開始するために必要な電圧の絶対値より大きく、且つイエロー粒子群34Yの上記最大電圧以下で基板間に印加する電圧を「大電圧」と称し、マゼンタ粒子群34Mを構成する粒子が移動開始するために必要な電圧の絶対値より大きく、且つマゼンタ粒子群34Mの上記最大電圧以下で基板間に印加する電圧を「中電圧」と称し、シアン粒子群34Cを構成する粒子が移動開始するために必要な電圧の絶対値より大きく、且つシアン粒子群34Cの上記最大電圧以下で基板間に印加する電圧を「小電圧」と称して説明する。
また、表示基板20側に背面基板22側より高い電圧を基板間に印加する場合には、各々の電圧を、「+大電圧」、「+中電圧」、及び「+小電圧」各々と称する。また、背面基板22側に表示基板20側より高い電圧を基板間に印加する場合には、各々の電圧を、「−大電圧」、「−中電圧」、及び「−小電圧」各々と称して説明する。
図3(A)に示すように、初期状態では全ての粒子群としてのマゼンタ粒子群34M、シアン粒子群34C、及びイエロー粒子群34Yの全てが背面基板22側に位置されるとすると、この初期状態から、表示基板20と背面基板22との間に「+大電圧」を印加させると、全ての粒子群として、マゼンタ粒子群34M、シアン粒子群34C、及びイエロー粒子群34Yが表示基板20側に移動する。この状態で、電圧印加を解除しても、各粒子群各々は表示基板20側に付着したまま移動せずに、マゼンタ粒子群34M、シアン粒子群34C、及びイエロー粒子群34Yによる減色混合(マゼンタと、シアンと、イエロー色の減色混合)により黒色を表示したままの状態となる。(図3(B)参照)。
次に、図3(B)の状態から、表示基板20と背面基板22との間に「−中電圧」を印加させると、全ての色の粒子群34の内、マゼンタ粒子群34Mと、シアン粒子群34Cと、が背面基板22側に移動する。このため、表示基板20側にはイエロー粒子群34Yのみが付着した状態となることから、イエロー色表示がなされる(図3(C)参照)。
さらに、図3(C)の状態から、表示基板20と背面基板22との間に「+小電圧」を印加させると、背面基板22側に移動したマゼンタ粒子群34M及びシアン粒子群34Cの内、シアン粒子群34Cが表示基板20側に移動する。このため、表示基板20側には、イエロー粒子群34Y及びシアン粒子群34Cが付着した状態となり、イエローとシアンとの減色混合による緑色が表示される(図3(D)参照)。
また、上記図3(B)の状態から、表示基板20と背面基板22との間に「−小電圧」を印加させると、全ての粒子群34のシアン粒子群34Cが背面基板22側に移動する。このため、表示基板20側にはイエロー粒子群34Yとマゼンタ粒子群34Mが付着した状態となることから、シアンとマゼンタの加色混合による赤色表示がなされる(図3(I)参照)。
一方、図3(A)に示す上記初期状態から、表示基板20と背面基板22との間に「+中電圧」を印加させると、全ての粒子群34(マゼンタ粒子群34M、シアン粒子群34C、及びイエロー粒子群34Y)の内、マゼンタ粒子群34Mとシアン粒子群34Cとが表示基板20側に移動する。このため、表示基板20側には、マゼンタ粒子群34Mとシアン粒子群34Cとが付着するので、マゼンタとシアンの減色混合による青色が表示される(図3(E)参照)。
この図3(E)の状態から、表示基板20と背面基板22との間に「−小電圧」を印加させると、表示基板20側に付着しているマゼンタ粒子群34Mとシアン粒子群34Cの内の、シアン粒子群34Cが背面基板22側に移動する。
このため、表示基板20側には、マゼンタ粒子群34Mのみが付着した状態となるので、マゼンタ色が表示される(図3(F)参照)。
この図3(F)の状態から、表示基板20と背面基板22との間に「−大電圧」を印加させると、表示基板20側に付着しているマゼンタ粒子群34Mが背面基板22側に移動する。
このため、表示基板20側には、何も付着しない状態となるため、絶縁性粒子36の色としての白色が表示される(図3(G)参照)。
また、上記図3(A)に示す上記初期状態から、表示基板20と背面基板22との間に「+小電圧」を印加させると、全ての粒子群34(マゼンタ粒子群34M、シアン粒子群34C、及びイエロー粒子群34Y)の内、シアン粒子群34Cが表示基板20側に移動する。このため、表示基板20側には、シアン粒子群34Cが付着するので、シアン色が表示される(図3(H)参照)。
さらに、上記図3(I)に示す状態から、表示基板20と背面基板22との間に「−大電圧」を印加させると、図3(G)に示すように全ての粒子群34が背面基板22側に移動して白色表示がなされる。
同様に、上記図3(D)に示す状態から、表示基板20と背面基板22との間に「−大電圧」を印加させると、図3(G)に示すように全ての粒子群34が背面基板22側に移動して白色表示がなされる。
このように、本実施形態では、各粒子群34に応じた電圧を基板間に印加することで、当該電圧による電界に応じて選択的に所望の粒子を移動させるので、所望の色以外の色の粒子が分散媒50中を移動することを抑制することができ、所望の色以外の色が混じる混色を抑制され、画像表示媒体12の画質劣化を抑制しつつ、カラー表示がなされる。なお、各粒子群34は、互いに電界に応じて移動するために必要な電圧の絶対値が異なれば、互いに電界に応じて移動するために必要な電圧範囲が重なっていても、鮮明なカラー表示が実現できるが、当該電圧範囲が互いに異なるほうが、より混色を抑制してカラー表示が実現される。
また、シアン、マゼンタ、イエローの3色の粒子群34を分散媒50中に分散することによって、シアン、マゼンタ、イエロー、青色、赤色、緑色、及び黒色を表示することができるとともに、白色の絶縁性粒子36によって白色を表示することができ、所望のカラー表示を行うことが可能となる。
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。
[実施例A]
(実施例A1)
乳化剤としてのシリコーン変性アクリルポリマー(信越シリコーン社製KP545)5重量部を、貧溶媒としてのジメチルシリコーンオイル(信越シリコーン社製KF−96−2CS)95重量部に溶解して溶液A(連続相)を調整した。次に、イオン性高分子としてのカチオン化ポリビニルアルコール「日本合成化学社製K−210」7重量部、着色剤としてのシアン顔料分散液(山陽色素社製エマコール:顔料固形分20重量部相当)3重量部、及び良溶媒としての水63重量部を混合して溶液B(分散相)を調整した。溶液A80重量部と溶液B20重量部とを混合して乳化を行い、乳化液を調製した。乳化は、超音波破砕機(エスエムテー社製UH−600S)にて10分間行った。
次に、得られた乳化液をナスフラスコに入れ,撹拌しながらエバポレーターにて加熱(65℃)/減圧(10mPa)することで水分(良溶媒)を除去し、シアン顔料含有電気泳動粒子がシリコーンオイルに分散された粒子分散液を得た。
作製したシアン顔料含有泳動粒子を光学顕微鏡で観察したが,1mm以上の粒子は観察されず,また凝集塊も確認することはできないことから、電気泳動粒子は分散安定性に優れていることがわかった。走査型電子顕微鏡(日立製FE−SEM S−5500)観察したところ、球形粒子が観察された。また、HORIBA LB−550(動的光散乱式粒径分布測定装置)に測定したところ、平均粒子径330nmであった。
(実施例A2)
乳化剤としてのシリコーン変性アクリルポリマー(東レダウコーニング社製FA−4001CM)5重量部を、貧溶媒としてのジメチルシリコーンオイル(信越シリコーン社製KF−96−2CS)95重量部に溶解して溶液A(連続相)を調製した。イオン性高分子としてアクリル樹脂(東亜合成社製UC−3000:酸価74)7重量部、着色剤としてのシアン顔料分散液(山陽色素社製エマコール:顔料固形分20重量部相当)3重量部、及び良溶媒としての水63重量部を混合して溶液B(分散相)を調製した。溶液A80重量部と溶液B20重量部とを混合して乳化を行い、乳化液を調製した。乳化は、超音波破砕機(エスエムテー社製UH−600S)にて10分間行った。
得られた乳化液をナスフラスコに入れ、撹拌しながらエバポレーターにて加熱(65℃)/減圧(10mPa)することで水分(良溶媒)を除去し、シアン顔料含有電気泳動粒子がシリコーンオイルに分散された粒子分散液を得た。
作製したシアン顔料含有泳動粒子を光学顕微鏡で観察したが,1mm以上の粒子は観察されず、また凝集塊も確認することはできないことから、電気泳動粒子は分散安定性に優れていることが分かった。走査型電子顕微鏡(日立製FE−SEM S−5500)観察したところ、球形粒子が観察された。HORIBA LB−550(動的光散乱式粒径分布測定装置)に測定したところ、平均粒子径160nmであった。
(実施例A3)
イオン性高分子として実施例1で用いたカチオン化ポリビニルアルコール(日本合成化学社製K−210,7重量部)を用いた以外は、実施例A2と同様にて、シアン顔料含有電気泳動粒子がシリコーンオイルに分散された粒子分散液を得た。
作製したシアン顔料含有泳動粒子を光学顕微鏡で観察したが,1mm以上の粒子は観察されず,また凝集塊も確認することはできないことから、電気泳動粒子は分散安定性に優れていることが分かった。走査型電子顕微鏡(日立製FE−SEM S−5500)観察したところ、球形粒子が観察された。HORIBA LB−550(動的光散乱式粒径分布測定装置)に測定したところ、平均粒子径148nmであった。
(実施例A4)
良溶媒として水の代わりにメタノールを用いた以外は、実施例A2と同様にて、シアン顔料含有電気泳動粒子がシリコーンオイルに分散された粒子分散液を得た。
作製したシアン顔料含有泳動粒子を光学顕微鏡で観察したが,1mm以上の粒子は観察されず,また凝集塊も確認することはできないことから、電気泳動粒子は分散安定性に優れていることが分かった。走査型電子顕微鏡(日立製FE−SEM S−5500)観察したところ、球形粒子が観察された。HORIBA LB−550(動的光散乱式粒径分布測定装置)に測定したところ、平均粒子径170nmであった。
(比較例A1)
下記の成分を混合し、溶液を調整した。
・ブチルメタクリレート:16.0重量部
・ラウリルメタクリレート:10.0重量部
・スチレン:35.0重量部
・メタクリル酸:7.0重量部
・グリシジルメタクリレート:12.0重量部
・X−22−174DX(信越化学社製):20.0重量部
・パーブチルO(日本油脂社製)8.0部
窒素導入管を備えつけた反応容器にメチルエチルケトン100部を計り込み、窒素シールをしながら温度を80℃に固定し、上記溶液を2時間にわたって滴下し、滴下終了後還流しながら6時間反応させた。不揮発分50.7%、数平均分子量7300の高分子樹脂化合物(カルボキシル基含有シリコーングラフトアクリル樹脂化合物)を合成した。
100ccのプラスチック製ビンに、下記の〈成分(I)〉を計り取り、これをペイントシェーカー(東洋精機製)で2時間分散した後、これに下記の〈成分(II)〉を追加して混合し、分散スラリーを得た。
〈成分(I)〉
・カルボキシル基含有シリコーングラフトアクリル樹脂化合物:12.0部(上記で合成した数平均分子量7300の高分子樹脂化合物)
・カーボンブラック(顔料):6.0重量部(デグサヒュルス社製;Printex85)
・分散剤(ゼネカ社製;ソルスパース5000):0.3重量部
・ニグロシン化合物(電荷調整剤):0.3重量部(中央化学社製;CHUO CCA−2)
・メチルエチルケトン(MEK:良溶媒):12.0重量部
〈成分(II)〉
・メチルエチルケトン(良溶媒):15.0重量部
・シリコーンオイル(分散媒):15.0重量部(商品名:KF−96L−2)
次に、分散媒としてのシリコーンオイル(信越シリコーン社製KF−96L−2)中に、前記分散スラリーをゆっくりと滴下し、顔料表面に樹脂化合物を析出させた。滴下後、メチルエチルケトンを減圧蒸留にて除去し、シリコーンオイルに顔料表面に樹脂化合物を析出させた粒子分散液を得た。
(比較例A2)
撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応容器に、ジメチルスルホキシド50重量部、キシレン50重量部、カリウム−tert−ブトキシド2.2重量部、キナクリドン6.2重量部を採り、60℃に加熱した。この中に変性シリコーン(信越シリコーン社製X−22−174DX)20重量部、を1時間にわたって滴下した。滴下後さらにこの温度で6時間撹拌し、反応を行なった。反応終了後1.0mol/Lの塩酸水溶液20部を加えて反応生成物を析出さ せ、反応溶媒を除去した。さらに水で洗浄を行なった後、乾燥し油状の生成物を得た。
ジメチルシリコーンオイル(信越シリコーン社製KF−96−1CS)97重量部に上記で得られたマゼンタ粒子2重量部、ラウリン酸エチル1重量部を加え、ホモジナイザーで30分間分散し、シリコーンオイルにマゼンタ粒子が分散された粒子分散液を作製した。得られたマゼンタ粒子を光学顕微鏡で観察したところ、一部のマゼンタ粒子が数個凝集した凝集塊が散見された。さらに30分間ホモジナイザー処理を行ったが,この凝集塊はほぐれなかった.
(評価)
−ゼータ電位の測定−
上記実施例及び比較例で得られた粒子分散液における粒子のゼータ電位を測定した。結果を以下に示す。
・実施例A1 ゼータ電位:+82.2mV
・実施例A2 ゼータ電位:+94.6mV
・実施例A3 ゼータ電位:+75.4mV
・実施例A4 ゼータ電位:+72.1mV
・比較例A1 ゼータ電位:+70.5mV
・比較例A2 ゼータ電位:+60.1mV
上記結果から、本実施例は、比較例に比べ、得られた粒子のゼータ電位が大きく、帯電量が大きいことがわかる。また、実施例A1乃至A4では、帯電制御剤を添加しなくても、比較例A1の如く帯電制御剤して作製した粒子よりもゼータ電位の値が大きい電気泳動粒子が得られることがわかる。また、実施例A2に示すように、樹脂材料を変えることによって帯電特性の異なる電気泳動粒子も、帯電制御剤を添加することなく得られることがわかる。また、実施例A2と実施例A4との比較から、いずれも比較例に比べ優れたゼータ電位が得られているが、良溶媒としてメタノールを用いた実施例A4に比べ、良溶媒といて水を用いた実施例A2の方がゼータ電位が向上していることもわかる。
なお、ゼータ電位は、得られた粒子分散液においては、これを構成している分散媒と粒子との界面に電位差、つまりゼータ電位が生じ、粒子の帯電量(電気量)が多いほどゼータ電位の値も大きくなる。ゼータ電位は大塚電子社製レーザーゼータ電位計ELS−8000を用いて測定した。
−分散安定性−
上記実施例及び比較例で得られた粒子分散液に対して、分散安定性につき評価した。分散安定し得は、遠心分離機(トミー精工社製卓上遠心機LC−200)を用い、50mlのコニカルチューブに粒子分散液を入れ、4000rpm/30分間遠心分離を行なった後、目視にて観察した。結果を以下に示す。
・実施例A1 ほとんど変化が見られなかった。
・実施例A2 ほとんど変化が見られなかった。
・実施例A3 ほとんど変化が見られなかった。
・実施例A4 ほとんど変化が見られなかった。
・比較例A1 粒子が沈降し、液面から3分の2までが透明になっていた。
・比較例A2 粒子が沈降し、液面から3分の2までが透明になっていた。
次に、遠心分離の条件を、4000rpm/60分間に変えて評価を行った。結果を以下に示す。
・実施例A1 粒子が沈降し、液面から3分の2までが透明になっていた。
・実施例A2 ほとんど変化が見られなかった。
・実施例A3 粒子が沈降し、液面から3分の2までが透明になっていた。
・実施例A4 ほとんど変化が見られなかった。
・比較例A1 粒子が沈降した。
・比較例A2 粒子が沈降した。
上記結果から、本実施例では、比較例に比べ、分散安定性が優れることがわかる。特に、乳化剤として、樹枝状構造を持つ高分子を使用した実施例A2、A4は、実施例A1、A3に比べ、さらに分散安定性が優れることがわかった。
[実施例B]
以下に示すように上記第2実施形態に係る画像表示装置と同様な構成の画像表示装置を作製した(図1参照)
−イエロー粒子群34の粒子分散液の作製−
イオン性高分子としてカチオン性ポリマー(四日市合成社製PD−7)90重量部とポリアクリルアミド10重量部とを混合したものを用いた以外は、実施例A2と同様にして、シリコーンオイルにイエロー粒子群34が分散した粒子分散液を作製した。得られた粒子のゼータ電位測定を行ったところ、73.1mVであった。
−マゼンタ粒子群34Mの粒子分散液の作製−
イオン性高分子としてカチオン性ポリマー(四日市合成社製PD−7)を用いた以外は、実施例A2と同様にして、シリコーンオイルにマゼンタ粒子群34Mが分散した粒子分散液を作製した。得られた粒子のゼータ電位測定を行ったところ、83.5mVであった。
−シアン粒子群34Cの作製−
イオン性高分子としてカチオン化ポリビニルアルコール(日本成化学社製K−210)を用いた以外は、実施例A2と同様にして、シリコーンオイルにシアン粒子群34Cが分散した粒子分散液を作製した。得られた粒子のゼータ電位測定を行ったところ、96.2mV であった。
−絶縁性粒子36の作製−
絶縁性粒子36としては、次のように作成した粒子を用いた。
メタクリル酸シクロヘキシル:53重量部、酸化チタン:(タイペークCR63:石原産業社製):45重量部、及びシクロヘキサン:5重量部を直径10mmのジルコニアボールを使用し、ボールミル粉砕を20時間実施することにより、分散液Aを作成する。
炭酸カルシウム:40重量部及び水:60重量部をボールミルにて微粉砕することにより、炭カル分散液Bを作成する。2%セロゲン水溶液:4.3g、炭カル分散液8.5g、及び20%食塩水:50gを混合し、超音波機で脱気を10分間行い、乳化機で攪拌することにより、混合液Cを作成する。分散液A35gとジビニルベンゼン1g、重合開始剤AIBN:0.35gを、充分混合し、超音波機で脱気を10分行う。これを混合液Cの中にいれ、乳化機で乳化を実施する。
次にこの乳化液をビンにいれ、シリコン詮をし、注射針を使用し、減圧脱気を充分行い、窒素ガスで封入する。次に60℃で10時間反応させ粒子を作成する。冷却後、この分散液を、凍結乾燥機により−35℃、0.1Paの下で2日間シクロヘキサンを除く。得られた粒子粉をイオン交換水中に分散させ、塩酸水で炭酸カルシウムを分解させ、ろ過を行う。その後充分な蒸留水で洗浄し、粒度を揃え、これを乾燥させる。なお、この絶縁性粒子36の色は、白色であり、体積平均一次粒子径は、20μmであった。なお、体積平均一次粒子径の測定は、上述の方法を用いて行った。
―画像表示媒体及び画像表示装置の作製―
上記画像表示媒体12は、支持基板38として、本実施例では70mm×50mm×1.1mmの透明な導電性のITO支持基板を使用し、エッチングによってこの支持基板38上に幅0.234mm、間隔0.02mmのライン状の表面電極40を複数作成した。
また、支持基板44も同様に70mm×50mm×1.1mmのITO支持基板を使用し、エッチングによってこの支持基板44上に幅0.234mm、間隔0.02mmのライン状の背面電極46を複数作成した。
そして、表面電極40及び背面電極46各々上には、ポリカーボネート樹脂を厚さ約0.5μmとなるように塗布することによって、表面層42及び表面層48各々を形成した。
この表面層42及び表面層48の平均表面粗さをOLYMPUS社製、商品名:レーザー変位顕微鏡OLS1100により測定したところ、Ra0.2μmであった。
以上のようにして、表面基板20及び背面基板22各々を作製した。
次に、背面基板22上に、間隙部材24を設け、高さ100μmとなるように形成した。この間隙部材24は、画像表示媒体12に画像を表示したときの各画素に対応するセル(間隙部材24と表示基板20と背面基板22とによって囲まれた領域)が設けられるように形成した。
なお、間隙部材24は、背面基板22にフォトレジストフィルムを用いたフォトリソグラフィ法によって所望のパターン形状に形成した。間隙部材24によって形成されるセルのパターンとしては、縦横0.254mmの正方形のセルを画素に略合わせて形成した。また、間隙部材24は、背面基板22に熱硬化性エポキシ樹脂をスクリーン印刷によって所望のパターン形状に塗布し、これを加熱硬化させ、さらに必要な高さになるまでこの工程を繰返すことによって形成することもできる。また、間隙部材24は、射出圧縮成形やエンボス加工、熱プレス加工等によって所望の表面形状に形成した熱可塑性フィルムを背面基板22に接着することで形成することもできる。また、エンボス加工や熱プレス加工によれば、間隙部材24を背面基板22と一体成形とすることも可能である。もちろん、透明性を損なわなければ表示基板20側に間隙部材24を形成してもよいし、表示基板20と一体成形してもよい。
ここで、分散媒50としては、信越化学社製シリコーンオイルを用いた。
上述のようにして作製したイエロー粒子群34Y、マゼンタ粒子群34M、及びシアン粒子群34Cの粒子分散液を、各粒子群の体積比が1対1対1の割合となるように混合し、これに、上記絶縁性粒子36を10重量部で分散した後、当該混合した粒子分散液を上記間隙部材24が形成された背面基板22上に充填することにより、各セル内(間隙部材24によって区画化された各領域)に充填した。
なお、絶縁性粒子36は、分散媒50に対して1/10の割合で混合することによって、表示基板20と背面基板22との対向方向に直交する方向に添って粒子群34の各粒子が通過可能な間隙をもって配列させると共に、絶縁性粒子36と表示基板20及び背面基板22までの距離が、略等距離となるようにセル内に設けた。
画像表示媒体12は、間隙部材24が設けられた背面基板22に、上述のように複数種類の粒子群34及び絶縁性粒子36が含有した粒子分散液を各セルに入れ、その後に、上記表示基板20を配置して、クランプ等で背面基板22と表示基板20とを固定することにより製造することができる。
基板間の空隙体積(セルの体積に相当)に対する粒子群34の総体積比は、約3%とし
た。また、基板間の空隙体積に対する絶縁性粒子36の総体積比は、約10%とした。
次に、得られた画像表示媒体12の表面基板の電極を電圧印加部16としてのトレック社製、商品名トレック610Cに接続し、背面基板の電極を接地した。また、この電圧印加部16に、制御部18の機能を有する機械としてパーソナルコンピュータ(パナソニック社製、商品名 CF−R1)を接続した。
以上のようにして画像表示装置を作製した。
ここで、イエロー粒子群34Yが移動を開始するときの電圧の絶対値|Vty|は、50V、イエロー粒子群34Yをほぼ全て移動させるための最大電圧の絶対値|Vdy|は、53Vであった。
また、マゼンタ粒子群34Mが移動を開始するときの電圧の絶対値|Vtm|は、34V、マゼンタ粒子群34Yをほぼ全て移動させるための最大電圧の絶対値|Vdm|は、38Vであった。
また、シアン粒子群34Cが移動を開始するときの電圧の絶対値|Vtc|は、20V、シアン粒子群34Cをほぼ全て移動させるための最大電圧の絶対値|Vdc|は、24Vであった。
そして、図3を用いて説明したように、基板間に印加する電圧を制御したところ、表示する色に応じて各色の粒子群34を選択的に移動され、所望の色を表示することができた。
第2実施の形態に係る画像表示装置の概略構成図である。 印加する電圧と粒子の移動量(表示濃度)との関係を模式的に示す線図である。 画像表示媒体の基板間へ印加する電圧態様と、粒子の移動態様との関係を模式的に示す説明図である。
符号の説明
10 画像表示装置
12 画像表示媒体
16 電圧印加部
20 表示基板
22 背面基板
24 間隙部材
34 粒子群
34C シアン粒子群
34Y イエロー粒子群
34M マゼンタ粒子群
36 絶縁性粒子
38 支持基板
40 表面電極
42 表面層
44 支持基板
46 背面電極
48 表面層
50 分散媒

Claims (12)

  1. イオン性高分子と、乳化剤と、着色剤と、シリコーンオイルからなる第1溶媒と、前記シリコーンオイルとは非相溶で、前記シリコーンオイルより沸点が低く且つイオン性高分子を溶解する第2溶媒、とを含む混合溶液を攪拌し、乳化させる乳化工程と、
    前記乳化させた混合溶液から前記第2溶媒を除去する除去工程と、
    を有することを特徴とする帯電性粒子分散液の製造方法。
  2. 前記乳化剤が、樹枝状構造を持つ高分子であることを特徴とする請求項1に記載の帯電性粒子分散液の製造方法。
  3. 前記第2溶媒が、水であることを特徴とする請求項1又は2に記載の帯電性粒子分散液の製造方法。
  4. イオン性高分子と、乳化剤と、着色剤と、シリコーンオイルからなる第1溶媒と、前記シリコーンオイルとは非相溶で、前記シリコーンオイルより沸点が低く且つイオン性高分子を溶解する第2溶媒と、を含む混合溶液を攪拌し、乳化させる乳化工程と、
    前記乳化させた混合溶液から前記第2溶媒を除去する除去工程と、
    を少なくとも経て作製されたことを特徴とする帯電性粒子分散液。
  5. 前記乳化剤が、樹枝状構造を持つ高分子であることを特徴とする請求項4に記載の帯電性粒子分散液。
  6. 前記第2溶媒が、水であることを特徴とする請求項4又は5に記載の帯電性粒子分散液。
  7. 少なくとも一方が透光性を有すると共に間隙をもって対向して配置された一対の基板と、
    透光性を有する分散媒と前記分散媒中に分散され前記一対の基板間に形成される電界に応じて移動する粒子群とを含み、前記一対の基板間に封入される粒子分散液であって、イオン性高分子、乳化剤、着色剤、シリコーンオイルからなる第1溶媒、及び前記シリコーンオイルとは非相溶で前記シリコーンオイルより沸点が低く且つイオン性高分子を溶解する第2溶媒を含む混合溶液を攪拌し乳化させる乳化工程と、前記乳化させた混合溶液から前記第2溶媒を除去する除去工程と、を少なくとも経て作製される粒子分散液と、
    を備えることを特徴とする画像表示媒体。
  8. 前記乳化剤が、樹枝状構造を持つ高分子であることを特徴とする請求項7に記載の画像表示媒体。
  9. 前記第2溶媒が、水であることを特徴とする請求項7又は8に記載の画像表示媒体。
  10. 前記粒子分散液が複数種類有し、
    当該複数種類の粒子分散液に含まれる粒子群が、互いに電界に応じて移動するために必要な電圧の絶対値が異なると共に、互いに異なる色に着色されていることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の画像表示媒体。
  11. 前記複数種類の粒子分散液に含まれる粒子群が、電界に応じて移動するために必要な電圧範囲を有し、且つ互いに当該電圧範囲が異なることを特徴とする請求項10に記載の画像表示媒体。
  12. 請求項7乃至11のいずれか1項に記載の画像表示媒体と、
    前記画像表示媒体の前記一対の基板間に、電圧を印加する電圧印加手段と、
    を有することを特徴とする画像表示装置。
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