JP2014215407A - 表示媒体及びその製造方法、並びに表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】間隙部材が剥離し難く、かつ表示用粒子群が固着し難い表示媒体を提供する。【解決手段】少なくとも一方が透光性を有し、間隙をもって配置された一対の基板38,44と、一対の基板の対向面の少なくとも一方の面に設けられ、少なくともSi、N、O及びCを含む高分子化合物を含み、[C−C]結合、[C−O]結合、[C−N]結合、[O=C−O]結合及び[O=C−N]結合の合計数のうち60%以上が[C−C]結合である表面層42,48と、表面層上にアルカリ現像型の感光性樹脂を露光、現像して設けられ、一対の基板間の間隙を保持する間隙部材24と、表面層と間隙部材との間に設けられたSiO2層42,48と、一対の基板間の間隙に封入された分散媒50と、分散媒中に分散され、一対の基板間に形成された電界に応じて分散媒中を移動する表示用粒子群34と、を有する表示媒体12。【選択図】図1

Description

本発明は、表示媒体及びその製造方法、並びに表示装置に関する。
繰り返し書換えの可能な表示媒体として、電気泳動を用いた表示媒体(例えば、電気泳動式電子ペーパー)が提案されている。例えば、一対の基板間に、帯電した粒子からなる表示用粒子群(泳動粒子群)が分散した分散液を封入した構成の表示媒体が知られている。画像に応じた電圧を基板間に印加することにより、帯電した粒子を移動させて、粒子の色のコントラストとして画像の表示が行われる(例えば、特許文献1〜4参照)。
通常、基板の対向面にはそれぞれ電極が設けられ、さらに電極上には疎水性且つ電気的に絶縁性である薄膜(表面層)が形成され、表示用粒子のメモリー性に重要な働きをする。電界により表示用粒子が表示面側の表面層に貼り付いて文字等が表示され、電界により表示用粒子が移動して文字等の書き換えが行われる。
例えば、表示用粒子群が基板に固着することを抑制するため、シリコーン鎖を持つ高分子化合物を用いて形成した表面層を有する表示媒体が開示されている(例えば、特許文献5〜7参照)。
また、対向配置された基板間(電極間)の間隙を保持すると共に基板間を複数のセルに区画する間隙部材(リブ)が設けられる。
特開2004−333589号公報 特開2005−107146号公報 特開2005−128141号公報 特開2003−005228号公報 特許第4816703号公報 特開2012−68411号公報 特開2012−68412号公報
基板の対向面に設ける表面層として、シリコーン系の高分子化合物を用いて疎水性の表面層を設けた場合、表示用粒子群が表面層に固着し難く、電界に応じて基板間の移動が円滑になる反面、表面層上に、感光性ポリイミドワニス、感光性レジスト、感光性ドライフィルム等の樹脂材料を用いて間隙部材を形成することが困難である。具体的には、表面層に感光性レジストを均等に塗布したり、ドライフィルムを密着させることが難しく、これらの感光性材料によって間隙部材となる樹脂構造体を形成できたとしても現像時に剥がれ易い。
表面改質によって密着力を向上させる方法として、例えば表面層に対してプラズマ処理を行なうと、表面層と、間隙部材となる樹脂構造体との密着力が向上する。しかしながら、表面層にプラズマ処理を施すと表示用粒子が表面層に貼り付き易くなり、表示用粒子を反対の基板側に移動させる際に表面層から剥す力を強くする必要がある。
一方、電極上に間隙部材を形成した後、表面層を形成するための高分子材料を含む溶液をスピンコート又はスプレーコートによって表面層を塗布形成する方法がある。しかし、スピンコートでは間隙部材の根元に液が厚く溜まる、所謂メニスカスが生じ、膜厚の均一性が悪い表面層が形成され、電気泳動粒子の移動が均一に移動し難くなる。また、スプレーコートでは表面層が液滴状に形成され、表面層が形成されない部分が生じ易い。そのため、スプレーコートによって基板上の全面に表面層を設けるにはある程度厚く形成する必要があり、十分なメモリー性が得られ難くなる。
本発明は、間隙部材が剥離し難く、且つ、表示用粒子群が固着し難い表示媒体及びその製造方法並びに表示装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための具体的な手段は、以下の通りである。
<1> 少なくとも一方が透光性を有し、間隙をもって配置された一対の基板と、一対の基板の対向面の少なくとも一方の面に設けられ、少なくともSi、N、O及びCを含む高分子化合物を含み、[C−C]結合、[C−O]結合、[C−N]結合、[O=C−O]結合及び[O=C−N]結合の合計数のうち60%以上が[C−C]結合である表面層と、表面層上にアルカリ現像型の感光性樹脂を露光、現像して設けられ、一対の基板間の間隙を保持する間隙部材と、前記表面層と前記間隙部材との間に設けられたSiO層と、一対の基板間の間隙に封入された分散媒と、分散媒中に分散され、一対の基板間に形成された電界に応じて分散媒中を移動する表示用粒子群と、を有する表示媒体。
<2> 表面層に含まれるSi、N、C及びOの合計に対して、Siの含有量が7.0at%以上であり、且つNの含有量が3.0at%以下である<1>に記載の表示媒体。
<3> <1>又は<2>に記載の表示媒体と、一対の基板間に電界を形成する電界形成手段と、を備えた表示装置。
<4> 少なくともSi、N、O及びCを含む組成物を基板上に付与して表面層を形成する工程と、表面層の表面を窒素と酸素を含む雰囲気中でプラズマ処理することにより、表面層の接触角を40°以下に低下させる工程と、プラズマ処理された表面層の表面にアルカリ現像型の感光性樹脂層を設ける工程と、感光性樹脂層に対し、露光、アルカリ現像を順次施してパターニングすることにより、間隙部材を形成し、且つ露出した表面層の接触角を95°以上にする工程と、を有する表示媒体の製造方法。
本発明によれば、間隙部材が剥離し難く、且つ、表示用粒子群が固着し難い表示媒体及びその製造方法並びに表示装置が提供される。
本実施形態に係る表示装置の概略構成図である。 本実施形態に係る表示装置における、印加する電圧と表示用着色粒子の移動量(表示濃度)との関係を模式的に示す線図である。 本実施形態に係る表示装置の基板間へ印加する電圧態様と、表示用着色粒子の移動態様との粒子群の泳動態様を模式的に示す説明図である。 プラズマ処理時間と各処理後の表面層の接触角との関係を示す図である。 プラズマ処理雰囲気と表面層の接触角との関係を示す図である。 各処理におけるSiOとSiのピークを示すXPSスペクトルである。
本発明者は、表面層を形成する材料の組成比及び架橋剤比に着目し、以下のことを見出した。
表示用粒子(泳動粒子)の動きを円滑にする必要性からSi、N、O及びCを含む組成物を用いて疎水性である表面層を形成した後、窒素と酸素を含む雰囲気中でプラズマ処理を行なって表面層の表面、すなわち表面層と間隙部材(リブ)との界面にSiOを設けることによって、間隙部材(リブ)が密着する程度に表面層の接触角を40°以下に親水化させる。さらに、表面層上にアルカリ現像型の感光性樹脂層を形成し、露光、アルカリ現像(及び必要に応じ加熱)を施して表面層が露出する部分、すなわちリブが形成されていない部分の接触角が95°以上となるように疎水性に戻す。これにより、間隙部材が表面層から剥離し難く、かつ表示用粒子群が表面層に固着し難い表示媒体が得られる。
本発明者は、上記のようにして作製した表示媒体の表面層に対して、X線光電子分光分析法 (X-ray Photoelectron Spectroscopy:XPS)等によって分析を行なったところ、Si、N、O及びCを含む組成物を用いて疎水性である表面層を形成した後、窒素と酸素を含む雰囲気でプラズマ処理を行なうと、(1)表面層の最表面では特にSiが処理室内のOと結合し、SiOの状態に変化していること、(2)表面層上にアルカリ現像型の感光性樹脂層を形成し、フォトリソグラフィによって所定のパターンを露光し、現像(アルカリ)処理して間隙部材を形成する際、アルカリ液によって露出した表面層の表面に存在する薄膜のSiOは除去されていること、を見出した。さらに樹脂の硬化の為の加熱処理を行なうことで疎水化が促進されると考えられる。
さらに、本発明者は、表面層に含まれる[C−C]結合、[C−O]結合、[C−N]結合、[O=C−O]結合及び[O=C−N]結合の合計数のうち[C−C]結合が60%以上となっていることを見出した。
プラズマ処理では[C−C]結合が減少し、最表面でプラズマ処理時のガス成分(O、N)との結合と考えられる[C−O又はC−N]結合、[O=C−O又は=C−N]結合が増加し、アルカリ現像処理及び加熱処理では[C−O又はC−N]結合、[O=C−O又は=C−N]結合が減少し、[C−C]結合が増加したと考えられる。
また、本発明者は、Si、O、C、Nの元素に注目して分析を行なったところ、表面層に含まれるSi、N、C及びOの合計に対して、Siの含有量が7.0at%以上であり、且つNの含有量が3.0at%以下であることで表示用粒子が表面層に固着することがより効果的に抑制されることを見出した。
プラズマ処理で主としてOが増え、相対的にCが減り、Nの増加はプラズマ処理由来と考えられる。一方、アルカリ現像処理によって表面層の最表面に存在するSiOが除去され、SiとOが減少したと考えられる。
以下、本発明の表示媒体及びその製造方法について具体的に説明する。
<表示媒体、表示装置>
本実施形態に係る表示媒体は、少なくとも一方が透光性を有し、間隙をもって配置された一対の基板と、一対の基板の対向面の少なくとも一方の面に設けられ、少なくともSi、N、O及びCを含む高分子化合物を含み、[C−C]結合、[C−O]結合、[C−N]結合、[O=C−O]結合及び[O=C−N]結合の合計数のうち60%以上が[C−C]結合である表面層と、表面層上にアルカリ現像型の感光性樹脂を露光、現像して設けられ、一対の基板間の間隙を保持する間隙部材と、表面層と間隙部材との間に設けられたSiO層と、一対の基板間の間隙に封入された分散媒と、分散媒中に分散され、一対の基板間に形成された電界に応じて分散媒中を移動する表示用粒子群と、を有する。
図1は、本実施形態に係る表示媒体を備えた表示装置の一例を概略的に示している。なお、本実施形態では、説明を簡易化するために1つのセルに注目した図を用いて説明する。
本実施形態に係る表示装置10は、図1に示すように、表示媒体12と、表示媒体12に電圧を印加する電圧印加部(電圧印加手段)16と、制御部18と、を有している。制御部18は、電圧印加部16に信号授受可能に接続されている。
制御部18は、装置全体の動作を司るCPU(中央処理装置)と、各種データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、装置全体を制御する制御プログラムや処理ルーチンによって示されるプログラムを含む各種プログラムが予め記憶されたROM(Read Only Memory)と、を含むマイクロコンピュータとして構成されている。
電圧印加部16は、表面電極40及び背面電極46に電気的に接続されている。なお、本実施形態では、表面電極40及び背面電極46の双方が、電圧印加部16に電気的に接続されている場合を説明するが、表面電極40及び背面電極46の一方が接地されており、他方が電圧印加部16に接続されていてもよい。
電圧印加部16は、表面電極40及び背面電極46に電圧を印加するための電圧印加装置であり、制御部18の制御に応じた電圧を表面電極40及び背面電極46間に印加する。
表示媒体12は、表示面とされる表示基板20、表示基板20に間隙をもって対向する背面基板22、これらの基板間を所定間隔に保持すると共に、表示基板20と背面基板22との間を複数のセルに区画する間隙部材24、及び各セル内に封入された粒子群34を含んでいる。
上記セルとは、表示基板20と、背面基板22と、間隙部材24と、によって囲まれた領域を示している。このセル中には、分散媒50が封入されている。粒子群34は、この分散媒50中に分散され、セル内に形成された電界強度に応じて表示基板20と背面基板22との間を移動する。
なお、この表示媒体12に画像を表示したときの各画素に対応するように間隙部材24を設け、各画素に対応するようにセルを形成することで、表示媒体12を、画素毎の色表示が可能となるように構成してもよい。
表示媒体12の分散媒50中には、互いに色が異なる複数種類の粒子群34(34C,34M,34Y)が分散されている。複数種類の粒子群34は、基板間を電気泳動する粒子であり、電界に応じて移動するために必要な電圧の絶対値が各色の粒子群でそれぞれ異なる。
ここで、上記セル中の全質量に対する粒子群34の含有量(質量%)としては、所望の色相が得られる濃度であれば特に限定されるものではなく、セルの厚さにより含有量を調整することが、表示媒体12としては有効である。即ち、所望の色相を得るために、セルが厚い場合には含有量は少なく、セルが薄い場合には含有量を多くしてもよい。一般的には、0.01質量%以上50質量%以下である。
以下、表示媒体12の各構成部材について説明する。
(表示基板、背面基板)
表示基板20は、支持基板38上に、表面電極40及び表面層42を順に積層した構成となっている。背面基板22は、支持基板44上に、背面電極46及び表面層48を順に積層した構成となっている。
支持基板38及び支持基板44を構成する材料としては、ガラス、プラスチック、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂等が挙げられる。
(電極)
背面電極46及び表面電極40には、インジウム、スズ、カドミウム、アンチモン等の酸化物、ITO等の複合酸化物、金、銀、銅、ニッケル等の金属薄膜や金属繊維、ポリピロールやポリチオフェン等の有機導電性材料等を使用してもよい。これらは単層膜、混合膜あるいは複合膜として使用でき、蒸着法、スパッタリング法、塗布法等で形成される。
各電極40,46の膜厚は所望の導電率が得られるように適宜調整されるが、一般には、10nm以上1μm以下である。背面電極46及び表面電極40は、従来の液晶表示素子あるいはプリント基板のエッチング等公知の手段により、所望のパターン、例えば、マトリックス状、あるいはパッシブマトリックス駆動を可能とするストライプ状に形成される。
表面電極40を支持基板38に埋め込んでもよい。同様に、背面電極46を支持基板44に埋め込んでもよい。また、背面電極46及び表面電極40各々を表示基板20及び背面基板22から分離させ、表示媒体12の外部に配置してもよい。
なお、上記では、表示基板20と背面基板22の双方に電極(表面電極40及び背面電極46)を備える場合を説明したが、何れか一方にのみ設けるようにしてもよい。
また、アクティブマトリックス駆動を可能にするために、支持基板38及び支持基板44は、画素毎にTFT(薄膜トランジスタ)、TFD(薄膜ダイオード)、MIM(Metal−Insulator−Metal)素子、バリスタなどの能動素子を備えていてもよい。配線の積層化及び部品実装が容易であることから、能動素子は表示基板ではなく背面基板22に形成することが好ましい。
(表面層)
表示基板20と背面基板22の対向面(電極40,46上)には、各々、表面層42及び表面層48が設けられている。
本実施形態では、表示基板20と背面基板22の対向面の双方に表面層(表面層42及び表面層48各々)が設けられている場合を説明するが、表示基板20と背面基板22の対向面の何れか一方にのみ設けられた構成であってもよい。
本実施形態に係る表面層42,48は、少なくともSi、N、O及びCを含む高分子化合物を含んで形成され、[C−C]結合、[C−O]結合、[C−N]結合、[O=C−O]結合及び[O=C−N]結合の合計数のうち60%以上が[C−C]結合となっている。
[C−C]結合の上記比率は、表示用粒子の固着を抑制する観点から60%以上70%以下であることが好ましく、65%以上70%以下であることがより好ましい。
本実施形態に係る表面層42,48は、Si、N、O及びCを全て含む化合物を重合させた高分子化合物により形成してもよいし、2種以上の化合物を用い共重合又は架橋によりSi、N、O及びCを含む高分子化合物を生成して表面層42,48を形成してもよい。
また、表示用粒子の固着を抑制する観点から、表面層42,48に含まれるSi、N、C及びOの合計に対して、Siの含有量が7.0at%以上であり、且つNの含有量が3.0at%以下であることが好ましく、Siの含有量が8.0at%以上であり、且つNの含有量が2.5at%以下であることがより好ましい。
表面層42,48を形成するための材料として、粒子の固着防止の観点から、例えば、シリコーン鎖を有する高分子化合物が挙げられる。
シリコーン鎖を持つ高分子化合物としては、例えば、下記構成単位(A)と下記構成単位(B)とを含む共重合体が適用できる。
構成単位(A)及び(B)中、Xは、シリコーン鎖を含む基を表す。
Ra、及びRaは、それぞれ独立に水素原子、又はメチル基を表す。
Rbは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シアノ基、芳香族基、複素環基、又は−C(=O)−O−Rc(但し、Rcは、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、ポリオキシアルキル基(−(C2x−O)−H[x,n=1以上の整数])、アミノ基、モノアルキルアミノ基、又はジアルキルアミノ基を表す。)
n1、及びn2は、共重合体全体に対するそれぞれの構成単位のモル%を示し、0<n1<50、0<n2<80を表す。nは、1以上3以下の自然数を表す。
構成単位(A)中、Xが表すシリコーン鎖を含む基は、例えば、直鎖状、又は分枝状のシリコーン鎖(Si−O結合が2つ以上連なったシロキサン鎖)を含む基であり、好適には、ジメチルシロキサン構造(−Si(CH−O−)が2以上連なった、置換基で一部(−CHの一部)が置換されていてもよいジメチルシロキサン鎖を含む基である。 Xが表すシリコーン鎖を含む基として具体的には、例えば、下記構造式(X1)、又は(X2)で示される基が挙げられる。
構造式(X1)及び(X2)中、Rは、水酸基、水素原子又は炭素数1以上10以下のアルキル基を表す。nは、1以上10以下の整数を表す。
シリコーン鎖を持つ高分子化合物において、構成単位(A)を構成する単量体として具体的には、例えば、片末端に(メタ)アクリレート基を持ったジメチルシリコーンモノマー(例えば、JNC社製:サイラプレーン:FM−0711,FM−0721,FM−0725等、信越化学工業(株):X−22−174DX,X−22−2426,X−22−2475等)等が挙げられる。これらの中でも、サイラプレーン:FM−0711、FM−0721、FM−0725等が望ましい。
構成単位(B)を構成する単量体としては、例えば、(メタ)アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリルアミド、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、イソブチレン、N−ジアルキル置換(メタ)アクリルアミド、スチレン、ビニルカルバゾール、スチレン、スチレン誘導体、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、イソプレン、ブタジエン、ビニルピロリドン、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。なお、これらの表記において、「(メタ)アクリレート」等の記述は、「アクリレート」および「メタクリレート」等のいずれをも含む表現である。
シリコーン鎖を持つ高分子化合物は、構成単位(A)、(B)以外に架橋単位を含んでもよい。架橋単位としては、例えば、エポキシ基、オキサゾリン基、イソシアネート基などを含む単量体が利用できる。
シリコーン鎖を持つ高分子化合物の重量平均分子量としては、100以上100万以下が望ましく、より望ましくは400以上100万以下である。なお、重量平均分子量は静的光散乱法又はサイズ排除カラムクロマトグラフィーにより測定され、本明細書に記載の数値は当該方法によって測定されたものである。
シリコーン鎖を持つ高分子化合物で構成される表面層(表面層42及び表面層48)の厚みは、例えば、0.001μm以上10μm以下であり、望ましくは0.01μm以上1μm以下である。
表面層42及び表面層48は、上記したシリコーン鎖を持つ高分子化合物の他に、電荷輸送物質を含有させたものも使用され得る。電荷輸送物質を含有させることにより、粒子への電荷注入による粒子帯電性の向上や、粒子の帯電量が極度に大きくなった場合に粒子の電荷を漏洩させ、粒子の帯電量を安定させるなどの効果が得られる。
電荷輸送物質としては、例えば、正孔輸送物質であるヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、アリールアミン化合物等や、電子輸送物質であるフルオレノン化合物、ジフェノキノン誘導体、ピラン化合物、酸化亜鉛等や、ポリビニルカルバゾールなどの電荷輸送性を有する樹脂を用いてもよい。
(間隙部材)
表示基板20と背面基板22との間隙を保持するための間隙部材24は各基板20,22の表面層42,48上に形成されている。
間隙部材24は、アルカリ現像型の感光性樹脂を含んで形成されている。アルカリ現像型の感光性樹脂を含む塗布液を塗布するか、アルカリ現像型の感光性樹脂フィルムを貼り付けて樹脂層を形成し、露光、アルカリ現像及び加熱を順次施すことにより任意のサイズのセルパターンを有する間隙部材24を作製することができる。
間隙部材24は、表示基板20側、背面基板22側のいずれか、又は双方に作製し得る。また、間隙部材24は有色でもよいが、表示媒体12に表示される表示画像に悪影響を及ぼさないように無色透明であることが好ましい。なお、「透明」とは、可視光に対して、透過率60%以上有することを示している。
(SiO層)
表面層と間隙部材との間には、SiO層を有している。SiO層は、表面層の表面をプラズマ処理することにより形成することができる。
ここで、表面層42,48及び間隙部材24を形成する方法について、具体的に説明する。
本実施形態に係る表面層42,48及び間隙部材24は、少なくともSi、N、O及びCを含む組成物を基板上に付与して表面層を形成する工程と、表面層の表面を窒素と酸素を含む雰囲気中でプラズマ処理することにより表面層の接触角を40°以下に低下させる工程と、プラズマ処理された表面層の表面にアルカリ現像型の感光性樹脂層を設ける工程と、感光性樹脂層に対し、露光、アルカリ現像及び加熱を順次施してパターニングすることにより、間隙部材を形成し、且つ露出した表面層の接触角を95°以上にする工程と、を含む方法によって好適に形成することができる。
−表面層の形成−
まず、電極付きの基板を用意し、電極上に、少なくともSi、N、O及びCを含む組成物を付与して表面層42,48を形成する。
表面層42,48を形成するための少なくともSi、N、O及びCを含む組成物としては、前記したシリコーン鎖を有する高分子化合物、必要に応じて、架橋剤、電荷輸送物質等を溶媒に溶解した塗布液(表面層形成用塗布液)を好適に用いることができる。
基板の電極上に表面層形成用塗布液を付与する方法は特に限定されず、例えば、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法などが挙げられる。このとき、電極上には間隙部材が形成されていないため、厚さ均一性の高い塗布膜を形成することができる。
塗布後、加熱乾燥により硬化させることで電極上に表面層42,48が形成される。
−表面層へのプラズマ処理−
表面層を形成した後、表面層の表面を窒素と酸素を含む雰囲気中でプラズマ処理して、表面層の接触角を40°以下に低下させる。
表面層の最表面において、SiがSiOの状態に変化することで、SiO層を形成される。これにより、表面層と間隙部材との界面においてSiO層を存在させることができる。
なお、本明細書において、表面層の接触角は以下の方法によって測定した値である。
接触角計Drop Master 300(協和界面化学株式会社製)を用いて、θ/2法により算出した。液滴量は、1μlとした。
表面層の表面状態は主にプラズマ処理の時間に依存する。表面層と間隙部材24との密着性をより高くする観点から、表面層の接触角は、プラズマ処理によって30°以下に低下させることが好ましく、10°以下に低下させることが好ましい。
プラズマ処理中の窒素と酸素の比(体積比)は、保管持続性の観点から、30:70〜90:10の範囲とすることが好ましい。
−間隙部材の形成−
プラズマ処理によって表面層の接触角を40°以下に低下させた後、表面層上に間隙部材を形成するためアルカリ現像型の感光性樹脂層を設ける。
プラズマ処理によって接触角が40°以下に低下した表面層に対し、例えば、アルカリ現像型の感光性ドライフィルム(以下、単に「ドライフィルム」という場合がある。)を貼り付ける方法、アルカリ現像型の感光性樹脂を含む溶液を塗布する方法が挙げられる。
ドライフィルムであれば、ロールラミネータ等を用いて表面層に貼り合せることで厚みが均一な樹脂層を設けることができる。また、ドライフィルムは、表面層に貼り合せた後、直接感光してパターンを形成することができ、次いで、アルカリ現像によって表面層の一部を除去する際、先のプラズマ処理によって形成されていると考えられる[Si−O]結合層をアルカリ現像液で除去できる点でも好ましい。
間隙部材を形成するためのドライフィルムとしては、例えば、アクリル系ポリマー、光重合成アクリル系モノマー、及び添加剤を含むものが挙げられ、市販品としては、例えば、ALPHO(ニチゴー・モートン社製)を使用することができる。
−露光−
表面層上に間隙部材を形成するためアルカリ現像型の感光性樹脂層を設けた後、所定のパターンマスクを上記感光性樹脂層上に設置し、紫外線(UV光)を照射することで所定のパターンで感光させる。
表面層上に形成した感光性樹脂層の感度等に応じてパターニングできるように露光すればよい。例えば80mJ/cm〜160mJ/cmの範囲の露光量で、8秒間〜16秒間露光する。
−アルカリ現像−
感光性樹脂層を露光した後、アルカリ現像を行なう。アルカリ現像により、パターン露光された感光性樹脂層のうち間隙部材以外の部分を除去し、表面層が露出した部分はプラズマ処理によって親水性となっているが、所定時間以上アルカリ現像液に曝すことにより、表面層の表層部分を除去することで疎水性に戻す(接触角を高める)ことができる。
アルカリ現像液としては、NaCO、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)等から選ばれるアルカリ成分を純水に希釈して使用することができる。希釈濃度としてはアルカリ濃度が高過ぎると、ドライフィルムの溶解が促進され、表面層とドライフィルムの界面にも液が侵入し、ドライフィルムの剥がれが発生する可能性がある。そのため、アルカリ成分の濃度は、純水に対して、好ましくは0.1質量%以上2質量%以下、より好ましくは0.1質量%以上1質量%以下である。
また、現像処理時間が長過ぎると、アルカリ濃度が高過ぎる場合と同様、ドライフィルムの溶解促進により間隙部材として残すパターン部分の細りや剥がれの原因となる。一方、現像処理時間が短過ぎると露出した表面層における親水性から疎水性への戻りが不十分となる恐れがある。表面層の表面に形成されていると考えられる[Si−O]結合層を確実に除去する観点から、アルカリ現像の処理時間は、ドライフィルムの現像完了(表面層の露出)後、10秒以上60秒以下が好ましく、10秒以上30秒以下とすることがより好ましい。
なお、本発明者の実験によれば、プラズマ処理によって表面層の表面に形成されたと考えられる[Si−O]結合層に関しては、アルカリ現像による表面層の露出後、15秒以上のアルカリ現像処理を続けることでほぼ除去することができる。
アルカリ現像によって露出した表面層の接触角を50°以上にすることが好ましい。
次いで、アルカリ現像後、純水を用いて流水で60秒間基板をリンスした後、エアーガンにて水分をブローする。
−アッシング−
なお、アルカリ現像後、必要に応じてアッシングを行ってもよい。ドライフィルムをフォトリソグラフィによってパターニングする際、現像によって除去された部分に薄皮状の残渣が表面層上に残る場合があるが、アッシングを行なうことで薄皮状の残渣を除去することができる。例えば、プラズマアッシング装置を使用し、処理室内に酸素ガス(例えば70ml/min)を導入し、80Wにて、残渣の厚さに応じて適宜時間を調整してアッシング処理する。
次いで、アルカリ処理によって表面層最表面のSiO層を除去する。ここでのアルカリ処理は例えばNaCO(1質量%)水溶液に30秒浸漬させる。
−加熱−
アルカリ現像後、必要に応じてアッシングを行なった後、加熱を行なう。アルカリ現像後の加熱処理によって表面層の接触角をさらに向上させることができる。本実施形態では、加熱処理によって表面層の接触角を95°以上にする。
加熱処理は減圧下で行なうことが好ましいが、大気中で行ってもよい。
加熱温度は120℃以上が好ましい。120℃以上で加熱すれば表面層の表面(露出面)がさらに疎水性となり、表面層の接触角をより確実に高めることができる。なお、加熱温度が高すぎると表面層や間隙部材が変形する恐れがあるため、表面層と間隙部材の各構成材料に応じて変形が生じない温度以下で加熱を行なう。
加熱時間は、好ましくは10分以上、より好ましくは30分以上である。なお、加熱時間は一定時間を超えると表面層の接触角はほぼ一定となるため、60分以下とすることが好ましい。
また、例えば、加熱温度が120℃未満の場合は加熱時間は30分以上60分以下とすることが好ましい。
−分散液の封入−
上記工程を経て、基板の電極上に表面層が形成され、表面層上に間隙部材が形成された部材を得ることができる。
このように作製した基板20,22を2枚用いて表面層42,48が対向し、間隙部材24によって間隙が保持されるように配置し、2枚の基板20,22と間隙部材24によって形成されるセル(間隙)に後述する表示用粒子分散液を封入することで本実施形態の表示媒体12が得られる。
(表示用粒子分散液)
本実施形態に係る表示用粒子分散液は、電界に応じて移動する表示用粒子を含む粒子群と、白色粒子と、粒子群を分散するための分散媒と、を有する。
(表示用粒子分散媒)
分散媒50について説明する。
表示用粒子が分散される分散媒50としては、絶縁性液体であることが望ましい。ここで、「絶縁性」とは、体積固有抵抗が1011Ωcm以上であることを示している。
絶縁性液体として具体的には、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、デカン、ヘキサデカン、ケロセン、パラフィン、イソパラフィン、シリコーンオイル、高純度石油、エチレングリコール、アルコール類、エーテル類、エステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1−メチル−2−ピロリドン、N−メチルホルムアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ベンジン、ジイソプロピルナフタレン、オリーブ油、トリクロロトリフルオロエタン、テトラクロロエタン、ジブロモテトラフルオロエタンなどや、それらの混合物が好適に使用される。これらの中でも、シリコーンオイルを適用することがよい。シリコーンオイルを用いることで、表面層42,48を構成する高分子化合物のシリコーン鎖が分散媒へ存在し易くなることから、基板20,22に付着した表示用粒子の泳動開始電圧制御性と共に、粒子固着抑制効果が向上される。
シリコーンオイルとして具体的には、シロキサン結合に炭化水素基が結合したシリコーンオイル(例えば、ジメチルシリコーンオイル、ジエチルシリコーンオイル、メチルエチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、ジフェニルシリコーンオイル等)が挙げられる。これらの中も、ジメチルシリコーンが特に望ましい。
なお、絶縁性液体には、必要に応じて、酸、アルカリ、塩、分散安定剤、酸化防止や紫外線吸収などを目的とした安定剤、抗菌剤、防腐剤などを添加してもよいが、上記で示した特定の体積抵抗値の範囲となるように添加することが望ましい。
また、絶縁性液体には、帯電制御剤として陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、金属石鹸、アルキルリン酸エステル類、コハク酸イミド類等を添加して使用してもよい。
また、分散媒に下記着色剤を混合することで、表示媒体に表示用粒子の色とは異なる色を表示させる。例えば、着色剤として白色を示す着色剤を混合することにより、表示用粒子の色が黒色の場合には、表示媒体において白色と黒色とを表示する。
分散媒に混合する着色剤としては、カーボンブラック、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、フタロシアニン銅系シアン色材、アゾ系イエロー色材、アゾ系マゼンタ色材、キナクリドン系マゼンタ色材、レッド色材、グリーン色材、ブルー色材等の公知の着色剤が挙げられる。具体的には、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3、等が代表的なものとして挙げられる。
分散媒50はその中で表示用粒子34が移動することから、分散媒の粘度が高すぎると、背面基板及び表示基板への力のばらつきが大きく、電界に対する粒子移動(粒子泳動)の閾値がとれないことから、分散媒の粘度についても、調整することがよい。
分散媒50の粘度は、温度20℃の環境下において、0.1mPa・s以上100mPa・s以下であることが表示用粒子の移動速度(泳動速度)、すなわち、表示速度の観点から必須であり、0.1mPa・s以上50mPa・s以下であることが望ましく、0.1mPa・s以上20mPa・s以下であることが更に望ましい。
分散媒50の粘度の調整は、例えば、分散媒の分子量、構造、組成等を調整することによって行なうことができる。なお、この粘度の測定には、東京計器製B−8L型粘度計を用いる。
(表示用粒子)
次に、表示用粒子群について説明する。表示用粒子は、電界に応じて移動する粒子(泳動粒子)であり、分散媒50に分散された状態において帯電特性を有し、形成された電界に応じて分散媒内を移動する。
表示用粒子群34は、複数の表示用粒子から構成され、各表示用粒子は正又は負に帯電されており、表面電極と背面電極との電極間に(すなわち、表示基板と背面基板との基板間に)予め定められた電圧が印加され、表示基板と背面基板との基板間に予め定められた電界強度以上の電界が形成されることで分散媒中を移動するものである。
表示媒体12における表示色の変化は、この表示用粒子を構成する各表示用粒子の分散媒中の移動によって生じる。
この表示用粒子としては、ガラスビーズ、アルミナ、酸化チタン等の絶縁性の金属酸化物粒子等、熱可塑性若しくは熱硬化性樹脂粒子、これらの樹脂粒子の表面に着色剤を固定したもの、熱可塑性若しくは熱硬化性樹脂中に着色剤を含有する粒子、及びプラズモン発色機能を有する金属コロイド粒子等が挙げられる。
表示用粒子の製造に使用される熱可塑性樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類の単独重合体あるいは共重合体が例示される。
また、表示用粒子の製造に使用される熱硬化性樹脂としては、ジビニルベンゼンを主成分とする架橋共重合体や架橋ポリメチルメタクリレート等の架橋樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等が挙げられる。
表示用粒子に使用される樹脂は、粒子に帯電を持たせるために帯電基を有する高分子が好ましく用いられる。カチオン性基又はアニオン性基を有する高分子である。帯電基としてのカチオン性基は、例えば、アミン基、4級アンモニウム基が挙げられ(これら基の塩も含む)、このカチオン基により粒子に正帯電極性が付与される。一方、帯電基としてのアニオン性基としては、例えば、カルボキシル基、カルボン酸塩基、スルホン酸基、スルホン酸塩基、リン酸基、及びリン酸塩基が挙げられ(これら基の塩も含む)、このアニオン性基により粒子に負帯電極性が付与される。
帯電基を有する単量体としては、カチオン性基を有する単量体(以下、カチオン性単量体)、アニオン性基を有する単量体(以下、アニオン性単量体)が挙げられる。
カチオン性単量体としては、例えば、以下のものが挙げられる。具体的には、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ヒドロキシエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−オ クチル−N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジヘキシルアミノエチル(メタ)アクリレート等の脂肪族アミノ基を有する(メタ)アクリレート類、N−メチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、N−フェニルメチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−p−メトキシ−フェニルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、N−メチル−N−フェニルアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、ジメチルアミノスチレン、ジエチルアミノスチレン、ジメチルアミノメチルスチレン、ジオクチルアミノスチレン等の含窒素基を有する芳香族置換エチレン系単量体類、
ビニル−N−エチル −N−フェニルアミノエチルエーテル、ビニル−N−ブチル−N−フェニルアミノエチルエーテル、トリエタノールアミンジビニルエーテル、ビニルジフェニルアミノエチルエーテル、N−ビニルヒドロキシエチルベンズアミド、m−アミノフェニルビニルエーテル等の含窒素ビニルエーテル単量体類等が挙げられる。
また、カチオン単量体としては、含窒素複素環式化合物類が好適に挙げられるが、このうちN−ビニルピロール等のピロール類、N−ビニル−2−ピロリン、N−ビニル−3−ピロリン等のピロリン類、N−ビニルピロリジン、ビニルピロリジンアミノエーテル、N−ビニル−2−ピロリドン等のピロリジン類、N−ビニル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、N−ビニルイミダゾリン等のイミダゾリン類、N−ビニルインドール等のインドール類、N−ビニルインドリン等のインドリン類、N−ビニルカルバゾール、3,6−ジブロム−N−ビニルカルバゾール等のカルバゾール類、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−メチル−5−ビニルピロジン等のピリジン類、(メタ)アクリルピペリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピペラジン等のピペリジン類、2−ビニルキノリン、4−ビニルキノリン等のキノリン類、N−ビニルピラゾール、N−ビニルピラゾリン等のピラゾール類、2−ビニルオキサゾール等のオキサゾール類、4−ビニルオキサジン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート等のオキサジン類などが特に好ましい。
一方、アニオン性単量体としては、例えば、以下のものが挙げられる。
具体的には、アニオン性単量体のうち、カルボン酸モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、又はそれらの無水物及びそのモノアルキルエステルやカルボキシエチルビニルエーテル、カルボキシプロピルビニルエーテルの如きカルボキシル基を有するビニルエーテル類等がある。
スルホン酸モノマーとしては、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホニックアシッド、3−スルホプロピル(メタ)アクリックアシッドエステル、ビス−(3−スルホプロピル)−イタコニックアシッドエステル等及びその塩がある。また、その他2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸の硫酸モノエステル及びその塩がある。
リン酸モノマーとしては、ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、アシッドホスホキシエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホキシプロピル(メタ)アクリレート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジオクチル−2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート等がある。
また、他の単量体としては、例えば、水溶性単量体(例えばヒドロキシル基を有する単量体等)が挙げられ、具体的には、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、エチレンオキシドユニットを持つモノマ(例えばテトラエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレートなどのアルキルオキシオリゴエチレングリコールの(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールの片末端(メタ)アクリレート)、(メタ)アクリル酸及びその塩、マレイン酸、(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びその塩、ビニルスルホン酸及びその塩。ビニルピロリドンなどが挙げられる。また、他の単量体としては、その他周知の非イオン性の単量体が挙げられる。
着色剤としては、有機若しくは無機の顔料や、油溶性染料等を使用することができ、マグネタイト、フェライト等の磁性紛、カーボンブラック、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、フタロシアニン銅系シアン色材、アゾ系イエロー色材、アゾ系マゼンタ色材、キナクリドン系マゼンタ色材、レッド色材、グリーン色材、ブルー色材等の公知の着色剤が挙げられる。具体的には、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3、等が代表的なものとして例示される。
着色剤の配合量としては、帯電基を持つ高分子に対し10質量%以上99質量%以下が望ましく、望ましくは30質量%以上99質量%以下である。
表示用粒子の樹脂には、必要に応じて、帯電制御剤を混合してもよい。帯電制御剤としては、電子写真用トナー材料に使用される公知のものが使用でき、例えば、セチルピリジルクロライド、BONTRON P−51、BONTRON P−53、BONTRONE−84、BONTRON E−81(以上、オリエント化学工業社製)等の第4級アンモニウム塩、サリチル酸系金属錯体、フェノール系縮合物、テトラフェニル系化合物、酸化金属粒子、各種カップリング剤により表面処理された酸化金属粒子が挙げられる。
表示用粒子の表面には、必要に応じて、外添剤を付着させてもよい。外添剤の色は、表示用粒子の色に影響を与えないように、透明であることが望ましい。
外添剤としては、酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン、アルミナ等の金属酸化物等の無機粒子が用いられる。粒子の帯電性、流動性、及び環境依存性等を調整するために、これらをカップリング剤やシリコーンオイルで表面処理してもよい。
カップリング剤には、アミノシラン系カップリング剤、アミノチタン系カップリング剤、ニトリル系カップリング剤等の正帯電性のものと、窒素原子を含まない(窒素以外の原子で構成される)シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、エポキシシランカップリング剤、アクリルシランカップリング剤等の負帯電性のものがある。また、シリコーンオイルには、アミノ変性シリコーンオイル等の正帯電性のものと、ジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、α−メチルスルホン変性シリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等の負帯電性のものが挙げられる。これらは外添剤の所望の抵抗に応じて選択される。
外添剤の一次粒子は、一般的には1nm以上100nm以下であり、5nm以上50nm以下であることがよりよいが、これに限定されない。
外添剤と表示用粒子の配合比は表示用粒子の粒径と外添剤の粒径の兼ね合いから調整される。外添剤の添加量が多すぎると表示用粒子表面から該外添剤の少なくとも一部が遊離し、これが他方の表示用粒子の表面に付着して、所望の帯電特性が得られなくなる。一般的には、外添剤の量は、表示用粒子100質量部に対して、0.01質量部以上3質量部以下、また0.05質量部以上1質量部以下であることがよりよい。
外添剤は、複数種類の表示用粒子の何れか1種にだけ添加してもよいし、複数種又は全種類の表示用粒子へ添加してもよい。全表示用粒子の表面に外添剤を添加する場合は、表示用粒子表面に外添剤を衝撃力で打込んだり、表示用粒子表面を加熱して外添剤を表示用粒子表面に強固に固着させたりすることが望ましい。これにより、外添剤が表示用粒子から遊離し、異極性の外添剤が強固に凝集して、電界で解離させることが困難な外添剤の凝集体を形成することが防止され、ひいては画質劣化が防止される。
表示用粒子を作製する方法としては、公知の方法を用いてよい。例えば、特開平7−325434公報記載のように、樹脂、顔料及び帯電制御剤を目的とする混合比になるように計量し、樹脂を加熱溶融させた後に顔料を添加して混合、分散させ、冷却した後、ジェットミル、ハンマーミル、ターボミル等の粉砕機を用いて粒子を調製し、得られた粒子をその後分散媒に分散する方法が使用される。また、懸濁重合、乳化重合、分散重合等の重合法やコアセルベーション、メルトディスパージョン、エマルジョン凝集法で帯電制御剤を粒子中に含有させた粒子を調製し、その後分散媒に分散して粒子分散媒を作製してもよい。さらにまた、樹脂が可塑性を有しており、分散媒が沸騰せず、かつ、樹脂、帯電制御剤及び着色剤の少なくとも一方の分解点よりも低温で、前記の樹脂、着色剤、帯電制御剤及び分散媒の原材料を分散及び混錬する適当な装置を用いる方法がある。具体的には、流星型ミキサー、ニーダー等で顔料と樹脂、帯電制御剤を分散媒中で加熱溶融し、樹脂の溶媒溶解度の温度依存性を利用して、溶融混合物を撹拌しながら冷却し、凝固/析出させて粒子を作製する。
さらにまた、分散及び混練のための粒状メデイアを装備した容器、例えばアトライター、加熱したボールミル等の加熱された振動ミル中に上記の原材料を投入し、この容器を望ましい温度範囲、例えば80℃以上160℃以下で分散及び混練する方法を使用してもよい。粒状メデイアとしては、ステンレス鋼、炭素鋼等の鋼、アルミナ、ジルコニア、シリカ等が望ましく用いられる。この方法によって表示用粒子を作製するには、あらかじめ流動状態にした原材料をさらに粒状メデイアによって容器内に分散させた後、分散媒を冷却して分散媒から着色剤を含む樹脂を沈殿させる。粒状メデイアは冷却中及び冷却後にも引き続き運動状態を保ちながら、剪断及び/又は、衝撃を発生させ粒子径を小さくする。
本実施形態で用いる表示用粒子の大きさについては特に制限はなく、用途に応じて、好ましい範囲を決定することができる。表示媒体に用いる粒子として、平均粒径は0.05〜20μmであるのが好ましく、0.1〜1μmであることがより好ましい。なお、平均粒径は、透過型電子顕微鏡での測定を用いる方法、市販の超遠心式自動粒度分布測定装置、光散乱粒度分布測定装置により適当な濃度の顔料分散液を測定する方法等の公知の方法で測定することができる。
表示用粒子の含有量(セル中の全質量に対する含有量(質量%))は、所望の色相が得られる濃度であれば特に限定されるものではなく、セルの厚さ(すなわち、表示基板20と背面基板22との基板間の距離)により含有量を調整することが、表示媒体12としては有効である。即ち、所望の色相を得るために、セルが厚くなるほど含有量は少なくなり、セルが薄くなるほど含有量を多くなる。一般的には、0.01質量%以上50質量%以下である。
(白色粒子)
図1に示す表示媒体12においては、各セル中に白色粒子36が封入されている。良好な表示コントラストを得るために、白色粒子36は表示用粒子34と逆極性を有するか、あるいは、電界に対する移動度が、表示用粒子34より十分に低いことが好ましい。後者の場合、電気泳動移動度は表示用粒子の1/5以下、より好ましくは1/10以下であることが望ましい。
高反射率を得るために、白色粒子36を構成する材料の屈折率は、分散媒の屈折率との屈折率差が大きいほうが好ましく、屈折率差としては少なくとも0.1以上、好ましくは0.3以上あることが望ましい。白色粒子36の屈折率は、分散媒の屈折率より大きくても、小さくてもよい。
白色粒子36の平均粒径は0.05〜20μmであることが好ましく、0.1〜1μmであることがより好ましい。0.05μmでは反射率が不十分となる。20μm以上では沈降防止が困難となる。分散媒中の白色粒子の濃度は、低すぎると十分な反射率が得られず、高すぎると粘度が上昇して表従応答速度が低下することから、一般的には、1体積%以上50体積%以下である。
白色粒子としては、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合物の球状粒子、ベンゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒド縮合物の球状粒子、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物の球状粒子((株)日本触媒製 エポスター)、酸化チタン含有架橋ポリメチルメタクリレートの球状微粒子(積水化成品工業(株)製 MBX−ホワイト)、架橋ポリメチルメタクリレートの球状微粒子(綜研化学社製 ケミスノーMX)、ポリテトラフルオロエチレンの微粒子(ダイキン工業(株)製 ルブロンL、Shamrock TechnologiesInc.製 SST−2)、フッ化炭素の微粒子(日本カーボン社製 CF−100、ダイキン工業社製 CFGL,CFGM)、シリコーン樹脂微粒子(東芝シリコーン(株)製 トスパール)、酸化チタン含有ポリエステルの微粒子(日本ペイント社製 ビリューシア PL1000ホワイトT)、酸化チタン含有ポリエステル・アクリルの微粒子(日油社製 コナックNo181000ホワイト)、シリカの球状微粒子(宇部日東化成社製 ハイプレシカ)等が挙げられる。
上記に限定せずに、酸化チタン等の白色顔料を樹脂で被覆した白色粒子を用いることは、反射率を上げる観点から好ましい。
白色顔料酸化チタン粒子は、硫酸法、塩素法、気相法等いずれの方法により潜像されたものでも良く、酸化チタンの結晶系はアナターゼ型、ルチル型、あるいはプルカイト型いずれの結晶形のものでも使用可能であるが、ルチル型が好ましい。また、酸化チタン粒子は、光触媒性を抑制する観点から、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化ケイ素などを含有していることが好ましい。
(カプセル)
本発明の表示用粒子、白粒子、分散媒を含む表示用分散液は、例えば特開2011−2844号、特許第4460149号などに記載されるようなカプセル粒子中に含有されていてもよい。
(駆動方法)
図1に示す表示媒体12(表示装置10)は、表示基板20と背面基板22との間に印加する印加電圧(V)を変えることによって、異なる色を表示する。
表示媒体12は、表示基板20と背面基板22との間に形成された電界に応じて表示用粒子群34が移動することによって、表示媒体12の各画素に対応するセル毎に、画像データの各画素に応じた色を表示することができる。
ここで、表示媒体12において粒子群34は、各色毎に、粒子群34が基板間を電気泳動する際の電界に応じて移動するために必要な電圧の絶対値がそれぞれ異なる。そして、各色の粒子群34は、各色毎に各色の粒子群34を移動させるために必要な電圧範囲を有し、当該電圧範囲がそれぞれ異なる。言い換えれば、当該電圧の絶対値は、当該電圧範囲を有し、粒子群34の各色毎に当該電圧範囲がそれぞれ異なる。
本実施形態では、表示媒体12の同一セル内に封入されている粒子群34として、図1に示すように、マゼンタ色のマゼンタ粒子群34M、シアン色のシアン粒子群34C、及びイエロー色のイエロー粒子群34Yの3色の粒子群34が封入されている場合について説明する。
また、マゼンタ色のマゼンタ粒子群34M、シアン色のシアン粒子群34C、及びイエロー色のイエロー粒子群34Yの3色の粒子群各々が移動を開始するときの電圧の絶対値として、マゼンタ色のマゼンタ粒子群34Mが|Vtm|、シアン色のシアン粒子群34Cが|Vtc|、イエロー色のイエロー粒子群34Yが|Vty|であるとして説明する。また、各色粒子群34のゼンタ色のマゼンタ粒子群34M、シアン色のシアン粒子群34C、及びイエロー色のイエロー粒子群34Yの3色の粒子群各々をほぼ全て移動させるための最大電圧の絶対値として、マゼンタ色のマゼンタ粒子群34Mが|Vdm|、シアン色のシアン粒子群34Cが|Vdc|、イエロー色のイエロー粒子群34Yが|Vdy|であるとして説明する。
なお、以下で説明するVtc、−Vtc、Vdc、−Vdc、Vtm、−Vtm、Vdm、−Vdm、Vty、−Vty、Vdy、及び−Vdyの絶対値は、|Vtc|<|Vdc|<|Vtm|<|Vdm|<|Vty|<|Vdy|の関係であるとして説明する。
具体的には、図2に示すように、例えば、粒子群34はすべて同極性に帯電され、シアン粒子群34Cを移動させるために必要な電圧範囲の絶対値|Vtc≦Vc≦Vdc|(VtcからVdcの間の値の絶対値)、マゼンタ粒子群34Mを移動させるために必要な電圧範囲の絶対値|Vtm≦Vm≦Vdm|(VtmからVdmの間の値の絶対値)、及びイエロー粒子群34Mを移動させるために必要な電圧範囲の絶対値|Vty≦Vy≦Vdy|(VtyからVdyの間の値の絶対値)が、この順で重複することなく、大きくなるように設定されている。
また、各色の粒子群34を独立駆動するために、シアン粒子群34Mをほぼ全て移動させるための最大電圧の絶対値|Vdc|が、マゼンタ粒子群34Mを移動させるために必要な電圧範囲の絶対値|Vtm≦Vm≦Vdm|(VtmからVdmの間の値の絶対値)、及びイエロー粒子群34Mを移動させるために必要な電圧範囲の絶対値|Vty≦Vy≦Vdy|(VtyからVdyの間の値の絶対値)よりも小さく設定されている。また、マゼンタ粒子群34Mをほぼ全て移動させるための最大電圧の絶対値|Vdm|が、イエロー粒子群34Mを移動させるために必要な電圧範囲の絶対値|Vty≦Vy≦Vdy|(VtyからVdyの間の値の絶対値)よりも小さく設定されている。
即ち、本実施形態では、各色の粒子群34を移動させるために必要な電圧範囲が重ならないように設定することによって、各色の粒子群34が独立駆動されるようにしている。
なお、「粒子群34を移動させるために必要な電圧範囲」とは、粒子が移動開始するために必要な電圧と移動開始からさらに電圧及び電圧印加時間を増加させても、表示濃度の変化が生じなくなり、表示濃度が飽和するまでの電圧範囲を示す。
また、「粒子群34をほぼ全て移動させるために必要な最大電圧」とは上記の移動開始からさらに電圧及び電圧印加時間を増加させても、表示濃度の変化が生じなくなり、表示濃度が飽和する電圧を示す。
また、「ほぼ全て」とは、各色の粒子群34の特性ばらつきがあるため、一部の粒子群34の特性が表示特性に寄与しない程度異なるものがあることを表す。すなわち上述した移動開始からさらに電圧及び電圧印加時間を増加させても、表示濃度の変化が生じなくなり、表示濃度が飽和した状態である。
また、「表示濃度」は、表示面側における色濃度を光学濃度(Optical Density=0D)の反射濃度計X-rite社の反射濃度計で測定しながら、表示面側と背面側との間に電圧を印加して且つこの電圧を測定濃度が増加する方向に徐々に変化(印加電圧を増加又は減少)させて、単位電圧あたりの濃度変化が飽和し、且つその状態で電圧及び電圧印加時間を増加させても濃度変化が生じず、濃度が飽和したときの濃度を示している。
そして、本実施形態に係る表示媒体12では、表面基板20と背面基板22との基板間に0Vから電圧を印加して除々に印加電圧の電圧値を上昇させて、基板間に印加された電圧が+Vtcを超えると、表示媒体12においてシアン粒子群34Cの移動により表示濃度に変化が現れ始める。さらに、電圧値を上昇させて、基板間に印加された電圧が+Vdcとなると、表示媒体12においてシアン粒子群34の移動による表示濃度の変化が止まる。
さらに電圧値を上昇させて、表面基板20と背面基板22との基板間に印加された電圧が+Vtmを超えると、表示媒体12においてマゼンタ粒子群34Mの移動による表示濃度の変化が現れ始める。さらに電圧値を上昇させて、表面基板20と背面基板22との基板間に印加された電圧が+Vdmとなると、表示媒体12においてマゼンタ粒子群34Mの移動による表示濃度の変化が止まる。
さらに、電圧値を上昇させて、基板間に印加された電圧が+Vtyを超えると、表示媒体12においてイエロー粒子群34Yの移動による表示濃度の変化が現れ始める。さらに電圧値を上昇させて、基板間に印加された電圧が+Vdyとなると、表示媒体12においてイエロー粒子群34Yの移動による表示濃度の変化が止まる。
反対に、表面基板20と背面基板22との基板間に0Vからマイナス極の電圧を印加して除々に電圧の絶対値を上昇させ、基板間に印加された電圧−Vtcの絶対値を超えると、表示媒体12においてイエロー粒子群34Cの基板間の移動により表示濃度に変化が現れ始める。さらに、電圧値の絶対値を上昇させ、表面基板20と背面基板22との基板間に印加された電圧が−Vdc以上となると、表示媒体12においてシアン粒子群34Cの移動による表示濃度の変化が止まる。
さらに電圧値の絶対値を上昇させてマイナス極の電圧を印加し、表面基板20と背面基板22との基板間に印加される電圧が−Vtmの絶対値を超えると、表示媒体12においてマゼンタ粒子群34Mの移動による表示濃度の変化が現れ始める。さらに電圧値の絶対値を上昇させて、表面基板20と背面基板22との基板間に印加された電圧が−Vdmとなると、表示媒体12においてマゼンタ粒子群34Mの移動による表示濃度の変化が止まる。
さらに電圧値の絶対値を上昇させてマイナス極の電圧を印加し、表面基板20と背面基板22との基板間に印加される電圧が−Vtyの絶対値を超えると、表示媒体12においてイエロー粒子群34Yの移動により表示濃度に変化が現れ始める。さらに電圧値の絶対値を上昇させて、基板間に印加された電圧が−Vdyとなると、表示媒体12においてイエロー粒子群34Cの移動による表示濃度の変化が止まる。
すなわち、本実施形態では、図2に示すように、基板間に印加される電圧が−VtcからVtcの範囲内(電圧範囲|Vtc|以下)となるような電圧が表面基板20と背面基板22との基板間に印加された場合には、表示媒体12の表示濃度に変化が発生する程度の粒子群34(シアン粒子群34C、マゼンタ粒子群34M、及びイエロー粒子群34Y)の粒子の移動は生じていないといえる。そして、基板間に、電圧+Vtc及び電圧−Vtcの絶対値以上の電圧が印加されると、3色の粒子群34の内のシアン粒子群34Cについて表示媒体12の表示濃度に変化が発生する程度の粒子の移動が生じはじめて表示濃度に変化が生じはじめ、電圧−Vdc及び電圧Vdcの絶対値|Vdc|以上の電圧が印加されると、単位電圧あたりの表示濃度に変化は生じなくなる。
さらに、基板間に印加される電圧が−VtmからVtmの範囲内(電圧範囲|Vtm|以下)となるような電圧が表面基板20と背面基板22との基板間に印加された場合には、表示媒体12の表示濃度に変化が発生する程度のマゼンタ粒子群34M及びイエロー粒子群34Yの粒子の移動は生じていないといえる。そして、基板間に、電圧+Vtm及び電圧−Vtmの絶対値以上の電圧が印加されると、マゼンタ粒子群34M及びイエロー粒子群34Yの内のマゼンタ粒子群34Mについて、表示媒体12の表示濃度に変化が発生する程度の粒子の移動が生じはじめて単位電圧あたりの表示濃度に変化が生じはじめ、電圧−Vdm及び電圧Vdmの絶対値|Vdm|以上の電圧が印加されると、表示濃度に変化は生じなくなる。
さらに、基板間に印加する電圧が−VtyからVtyの範囲内(電圧範囲|Vty|以下)となるような電圧が表面基板20と背面基板22との基板間に印加された場合には、表示媒体12の表示濃度に変化が発生する程度のイエロー粒子群34Yの粒子の移動は生じていないといえる。そして、基板間に、電圧+Vty及び電圧−Vtyの絶対値以上の電圧が印加されると、イエロー粒子群34Yについて、表示媒体12の表示濃度に変化が発生する程度の粒子の移動が生じ始めて表示濃度に変化が生じはじめ、電圧−Vdy及び電圧Vdyの絶対値|Vdy|以上の電圧が印加されると、表示濃度に変化は生じなくなる。
次に、図3を参照して、本発明の表示媒体12に画像を表示するときの駆動方法を説明する。
はじめに、表示基板20と背面基板22との間に電圧−Vdyを印加する。これにより、マゼンタ粒子群34M、シアン粒子群34C、及びイエロー粒子群34Yの全てが背面基板22側に位置される(図3(A)参照)。
つぎに、もっとも移動開始電圧が高いイエロー粒子群34Yを移動させるか、そのままの状態とするかを選択する。電圧+Vdyを印加した場合は、マゼンタ粒子群34M、シアン粒子群34C、及びイエロー粒子群34Yの全てが表示基板20側に移動して黒(K)表示となる(図3(B)参照)。一方、電圧+Vtyを印加した場合は、マゼンタ粒子群34M、シアン粒子群34Cは表示基板20側に移動するが、イエロー粒子群34Yはそのままの状態となり青色(B)表示となる(図3(C)参照)。電圧が+Vty以上、+Vdy以下の場合には、イエロー粒子群34Yの一部が移動するので、中間調を得ることができる。
つぎに、2番目に移動開始電圧が高いマゼンタ粒子群34Mを移動させるか、そのままの状態とするかを選択する。電圧−Vdmを印加した場合は、マゼンタ粒子群34Mは背面基板22側へ移動し、一方、電圧−Vtmを印加した場合は、マゼンタ粒子群34Mは表示基板20側に残る。移動開始電圧がマゼンタ粒子34Mより低いシアン粒子34Cは、いずれの場合も背面基板22側へ移動する。一方、移動開始電圧がマゼンタ粒子34Mより高いイエロー粒子34Yは、いずれの場合もそれ以前の状態を維持する。電圧が−Vtm以上、−Vdm以下の場合には、マゼンタ粒子群34Mの一部が移動するので、中間調を得ることができる。
したがって、図3(B)の状態で電圧−Vdmを印加した場合は、イエロー粒子34Yは表示基板20側に残ったままで、マゼンタ粒子34Mとシアン粒子34Cが背面電極22側へ移動して、結果として黄色(Y)表示となる(図3(D)参照)。
図3(B)の状態で電圧−Vtmを印加した場合は、イエロー粒子34Yとマゼンタ粒子34Mが表示基板20側に残ったままで、シアン粒子34Cが背面電極22側へ移動して、結果として赤色(R)表示となる(図3(E)参照)。
図3(C)の状態で電圧−Vdmを印加した場合は、イエロー粒子34Yは背面基板22側に残ったままで、マゼンタ粒子34Mとシアン粒子34Cが背面電極22側へ移動して、結果として白色(W)表示となる(図3(F)参照)。
図3(C)の状態で電圧−Vtmを印加した場合は、イエロー粒子34Yは背面基板22側に残ったまま、マゼンタ粒子34Mは表示基板20側に残ったままで、とシアン粒子34Cが背面電極22側へ移動して、結果としてマゼンタ(M)表示となる(図3(G)参照)。
最後に、移動開始電圧がもっとも低いシアン粒子34Cを移動させるか、そのままの状態とするかを選択する。電圧+Vdcを印加した場合は、シアン粒子群34Cは表示基板20側へ移動し、一方、電圧Vtcを印加した場合は、シアン粒子群34Cは背面基板22側に残る。移動開始電圧がシアン粒子群34Cよりも高いマゼンタ粒子34Mとイエロー粒子34Yは、いずれの場合もそれ以前の状態を維持する。それゆえ、電圧Vtcを印加した場合は、それ以前の表示色を維持する。電圧が+Vtc以上、+Vdc以下の場合には、シアン粒子群34Cの一部が移動するので、中間調を得ることができる。
したがって、図3(D)の状態で電圧Vdcを印加した場合は、シアン粒子群34Cは表示基板20側へ移動し、イエロー粒子34Yは表示基板20側に、マゼンタ粒子34Mが背面電極22側に残ったままで、結果として緑色(G)表示となる(図3(H)参照)。
図3(E)の状態で電圧Vdcを印加した場合は、シアン粒子群34Cは表示基板20側へ移動し、イエロー粒子34Yとマゼンタ粒子34Mは表示基板20側に残ったままで、結果として黒色(K)表示となる(図3(I)参照)。
図3(F)の状態で電圧Vdcを印加した場合は、シアン粒子群34Cは表示基板20側へ移動し、イエロー粒子34Yはとマゼンタ粒子34Mは面電極22側に残ったままで、結果としてシアン(C)表示となる(図3(J)参照)。
図3(G)の状態で電圧Vdcを印加した場合は、シアン粒子群34Cは表示基板20側へ移動し、イエロー粒子34Yは背面電極22側に、とマゼンタ粒子34Mは表示基板20側に残ったままで、結果として青色(B)表示となる(図3(K)参照)。
このように、移動開始電圧が高い各粒子群34から順に、その粒子群に応じた電圧を基板間に印加することで、所望の粒子を選択的に移動させて、任意のカラー表示が可能となる。
本発明の表示媒体は、画像の保存及び書換えが可能な掲示板、回覧版、電子黒板、広告、看板、点滅標識、電子ペーパー、電子新聞、電子書籍、及び複写機・プリンタと共用できるドキュメントシート等に使用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。以下において「%」は特に断りのない限り質量基準である。
[比較例1]
(表面層形成用化合物の合成)
−高分子化合物Aの合成−
下記成分を用い、窒素雰囲気下、60℃で、6時間重合を行なった。
・サイラプレーンFM−0711(JNC社製、重量平均分子量Mw=1000):20g
・メタクリル酸メチル(MMA)(和光純薬工業社製):19g
・ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(和光純薬工業社製):27g
・イソプロピルアルコール(IPA):200g
・AIBN(2,2−アゾビスイソブチルニトリル):0.5g
得られた生成物を、ヘキサンを再沈殿溶媒として精製、乾燥し高分子化合物Aを得た。
<評価用セルの作製>
−表面層形成用溶液の調製−
上記高分子化合物Aを固形分濃度が4質量%になるようにIPA(イソプロピルアルコール)に溶解した。次いで、高分子化合物Aの固形分比が50質量%となる割合で架橋剤(タケネートD160N、三井化学株式会社製)を混合し、表面層形成用溶液Aを調製した。
−表面層の形成−
電極として厚さ50nmのITO(酸化スズインジウム)をスパッタリング法で成膜したガラス基板のITO電極上に、表面層形成用溶液Aをスピンコートした。これを130℃で1時間乾燥させて、膜厚が100nmの表面層を形成した。
−表面層へのプラズマ処理−
表面層を形成した基板をプラズマ・ドライ表面処理装置(神鋼精機社製)の真空処理室内に設置し、窒素ガス70ml/minと酸素ガス30ml/minの混合気体を導入し、80Wにて、表面層にプラズマ処理を60秒間行なった。
−間隙部材(リブ)形成用樹脂層の形成(ドライフィルムの貼り付け)−
プラズマ処理した表面層上に、ドライフィルム(ニチゴー・モートン社製、製品名「ALPHO」、厚さ30μm)を設置し、プレス圧0.1MPa、ロール搬送速度0.1m/秒で貼りあわせを行なった。
−露光−
所定のパターンマスクをドライフィルム上に設置し、紫外線(UV光)を照射(露光量:120mJ/cm、照射時間:12sec)することで、ドライフィルムに所定のパターンを感光させた。
−アルカリ現像−
ドライフィルムをパターン露光した後の基板を、アルカリ現像液としてNaCO水溶液(1質量%、40℃)に30秒間浸漬させた。
次いで、純水を用いて流水で60秒間リンスした後、エアーガンにて水分を除去した。
−加熱−
アルカリ現像及びリンスを行なった後の基板に対し、大気中、オーブンにて120℃で1時間加熱処理を行なった。
これにより、ガラス基板上にITO電極、表面層、および間隙部材(リブ)が形成された基板を作製した。
[実施例1、2及び比較例2〜5]
比較例1において表面層の形成に用いた高分子化合物Aの構成成分の配合量(モル%)及びこれらの構成成分の総量に対する架橋剤の配合量(質量%)をそれぞれ下記表1に示す割合に変更したこと以外は、比較例1と同様にして、表面層を形成すると共に、基板を作製した。
[比較例6]
比較例1において、表面層の形成後にプラズマ処理を行わず、かつ下記のようにして間隙部材(リブ)を形成したこと以外は、比較例1と同様にして、ガラス基板上にITO電極、表面層、および間隙部材(リブ)が形成された基板の作製を試みた。
この場合、表面層に対してプラズマ処理を行わなかったため、表面層からリブが剥がれてしまい、表面層上にリブを形成することは不可能であった。そのため、比較例1で行なった間隙部材(リブ)形成用樹脂層の形成、露光、アルカリ現像、及び加熱に代えて、厚さ30μmのテフロンシートを基板間に配置し、クリップにて固定することで、間隙部材(リブ)を形成した。

表1中の略称等の詳細は、以下の通りである。
・MMA:メタクリル酸メチル(和光純薬工業社製)
・HEMA:ヒドロキシエチルメタクリレート(和光純薬工業社製)
・FM0711:サイラプレーンFM−0711(JNC社製)
・D160N:タケネートD160N(三井化学株式会社製、トリイソシアネート化合物)
[評価]
(接触角の測定)
実施例及び比較例で作製した表面層について、成膜後、プラズマ処理後、アルカリ処理後、熱処理後の各段階で接触角を測定し、接触角の変化を調べた。表面層の接触角は、以下の方法によって測定した。
−接触角の測定−
接触角計Drop Master 300(協和界面化学株式会社製)を用いて、θ/2法により算出した。結果を下記表2に示す。

HEMA量が多い場合(比較例3)−OHが多くなり、プラズマ処理(窒素と酸素の混合ガス)から現像処理、熱処理に至る過程でSiが減り、CとO又はNとの結合が増えることにより、接触角が低くなると考えられる。また、架橋剤が多い場合(比較例4、5)も、相対的にSiが少ないことと、同処理過程で同様の現象が起こると考えられる。
(接触角とリブ形成の関係)
比較例1と同様にして形成した表面層に対し、プラズマ処理の時間を変更して表面層の接触角を段階的に変更したサンプルを作製した。
これらのサンプルに対して、比較例1と同様にしてドライフィルムを用いてリブの形成を試みた。結果を以下の表3に示す。

表3に示すように、表面層の接触角が61°以上ではリブを形成することができなかった。
(表面層の接触角の組成依存性)
図4は、比較例5で形成した表面層に対し、プラズマ処理(▲)、アルカリ現像(◆)、加熱(■)の各処理を施した後の表面層の接触角を示している。
成膜後(○)の接触角が約100°である表面層に対し、プラズマ処理の時間を変更することで、処理時間とともに表面層の接触角の値が約70°、42°、20°、10°へと徐々に低下し、40秒を過ぎると接触角は約10°でほぼ一定となっている。
プラズマ処理後、アルカリ現像処理はNaCO(1質量%)水溶液を用いて60秒間の浸漬処理により行ない、加熱処理は大気中120°で1時間行なった。アルカリ現像を行なった後、加熱を行なった後の表面層の接触角の変化については、図4に示す結果が得られた。アルカリ現像処理、加熱処理共に、プラズマ処理後の接触角値に依存せず、アルカリ現像処理後(◆)ではおよそ50°、さらに熱処理後(■)ではおよそ70°と、それぞれほぼ一定の接触角値となることがわかった。従って、表面層の接触角は、プラズマ処理の条件よりも、表面層自身の組成の影響が大きいと考えられる。
(表面層の接触角のプラズマ処理雰囲気依存性)
図5は、比較例5で形成した表面層に対し、酸素雰囲気でプラズマ処理を行なった場合の表面層の接触角(●)の変化と、窒素と 酸素(70:30)の混合雰囲気でプラズマ処理を行なった場合の表面層の接触角の変化(○)を示している。プラズマ処理雰囲気として窒素ガスを導入することで接触角の上昇が抑制され、保管持続性が向上することがわかる。
(表面層におけるSi,Nの原子比率)
実施例、比較例で作製した加熱処理後の表面層におけるSi,Nの原子比率を以下の方法によって測定した。
−原子比率の測定−
X線光電子分光分析法(XPS)において、PHI社製のQuanteraSXMと、X線源として15kV-25Wの単色化したAl-Kα線と、を使用し、下記条件にてワイドスペクトル(定性分析)を行ない、C、O、N、Siの合計に対する原子比率として算出した。結果を表4に示す。
<条件>
・X線照射範囲及び分析範囲:100μmφ
・Pass Energy:55eV
・Step:0.1eV
・帯電補正:あり(電子銃・低速イオン銃併用)
・光電子取り出し角度:45deg
(表面層におけるCの結合比率)
実施例、比較例で作製した加熱処理後の表面層におけるCの結合比率を以下の方法によって測定した。
−結合比率の測定−
上記の原子比率の測定と同様に、X線光電子分光分析法(測定条件は同じ)にて行ない、C1sに対してナロースペクトル(化学結合状態分析)を行ない、結合比率を算出した。結果を表4に示す。
<表示用粒子の作製>
(シアン粒子の作製)
1)コア粒子の作製
−分散相の調製−
下記成分を60℃に加温しながら混合し、インク固形分濃度が15%、乾燥後の顔料濃度が50%となるように分散相を調製した。
スチレンアクリル系ポリマーX345(星光PMC社製):7.2g
シアン顔料PB15:3の水分散液Emacol SF Blue H524F (山陽色素社製、固形分26重量%):18.8g
蒸留水:24.1g
−連続相の調製−
下記成分を混合して連続相を準備した。
界面活性剤KF−6028(信越化学工業社製):3.5g
シリコーンオイルKF−96−2cs(信越化学工業社製):346.5g
−粒子作製−
上記分散相50gと、上記連続相350gとを混合し、内歯式卓上分散機ROBOMICS(特殊機化工業社製)を用い回転数10,000rpm、温度30℃で10分間乳化を行なった。その結果、乳化液滴径が約2μmの乳化液を得た。これをロータリーエバポレーターを用いて真空度20mbar、水浴温度40℃で18時間乾燥を行なった。
得られた粒子懸濁液を6,000rpmで15分間遠心分離し,上澄み液を除去した後,シリコーンオイルKF−96−2CSを用いて再分散させる洗浄工程を3回繰り返した。このようにしてコア粒子6gを得た。SEM画像解析した結果、平均粒径は0.6μmであった。
2)シェル形成(コアセルベーション法)
−シェル樹脂の合成−
下記成分を混合し、窒素下で70℃、6時間重合を行なった。
サイラプレーンFM−0721(JNC社製):50g
ヒドロキシエチルメタクリレート(アルドリッチ社製):32g
フェノキシ基を含むモノマーAMP−10G(新中村化学社製):18g
ブロックイソシアネート基を含むモノマー・カレンズMOI−BP(昭和電工社製):2g
イソプロピルアルコール(関東化学社製):200g
重合開始剤AIBN(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、アルドリッチ社製):0.2g
生成物をシクロヘキサンを再沈殿溶媒として精製、乾燥しシェル樹脂を得た。このシェル樹脂2gをt−ブタノール溶媒20gに溶解し、シェル樹脂溶液を作製した。
−シェル樹脂による粒子被覆−
上記コア粒子1gを200mLのナスフラスコに取り、シリコーンオイルKF−96−2csを15g加え、超音波を加えながら撹拌分散した。これに、t−ブタノール7.5g、上記シェル樹脂溶液22g、シリコーンオイルKF−96−2cs 12.5gを順次加えた。投入速度は全て2mL/sとした。上記ナスフラスコをロータリーエバポレーターに接続し、真空度20mbar、水浴温度50℃で1時間、t−ブタノール除去を行なった。
これをさらに撹拌しながらオイルバス中で加温した。まず100℃で1時間加温し、残留水分と残留するt−ブタノールを除いた後、続けて130℃で1.5時間の加熱を行ない、ブロックイソシアネート基のブロック基を脱離させ、シェル材料の架橋反応を行なった。
冷却後、得られた粒子懸濁液を6,000rpmで15分間遠心分離し,上澄み液を除去した後、シリコーンオイルKF−96−2CSを用いて再分散させる洗浄工程を3回繰り返した。このようにしてシアン粒子(C粒子)0.6gを得た。
(黄色粒子の作製)
−分散液A−1Aの調製−
下記成分を混合し、10mmΦのジルコニアボールにてボールミル粉砕を20時間実施
して分散液A−1Aを調製した。
メタクリル酸メチル 53質量部
メタクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチル 0.3質量部
黄色顔料(FY7416:山陽色素社製) 1.5質量部
−分散液A−1Bの調製−
下記成分を混合し、上記と同様にボールミルにて微粉砕して炭酸カルシウム分散液A−
1Bを調製した。
炭酸カルシウム 40質量部
水 60質量部
−混合液A−1Cの調製−
下記成分を混合し、超音波機で脱気を10分間おこない、ついで乳化機で攪拌して混合
液A−1Cを調製した。
炭酸カルシウム分散液A−1B 4g
20%食塩水 60g
−着色粒子の調製−
下記成分を混合後、超音波機で脱気を10分おこなった。
分散液A−1A:20g
ジメタクリル酸エチレングリコール:0.6g
重合開始剤V601(Dimethyl 2,2’−azobis(2−methylpropionate):和光純薬工業社製):0.2g
これを混合液A−1Cに加え、乳化機で乳化を実施した。次にこの乳化液をフラスコにいれ、減圧脱気を充分行ない、窒素ガスで封入した。次に65℃で15時間反応させ粒子を調製した。冷却後、粒子を濾過し、得られた粒子粉をイオン交換水中に分散させ、塩酸水で炭酸カルシウムを分解させ、ろ過を行なった。充分な蒸留水で洗浄し、目開き:15μm、10μmのナイロン篩にかけ、粒度を揃えた。得られた粒子は、体積平均一次粒径13μmであった。
−4級アンモニウム化処理−
得られた粒子をシリコーンオイルKF96−1cs(信越化学工業社製)に分散し、臭化ドデシル(4級化剤)を、粒子の調整に用いたメタクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチルと等モル量加え、90℃で6時間加熱した。
冷却後、この分散液を多量のシリコーンオイルにて洗浄し、減圧乾燥させることにより
黄色粒子(Y粒子)を得た。この粒子に含まれる樹脂のガラス転移温度は145℃であった。
(マゼンタ粒子の作製)
1)コア粒子の作製
−分散相の調製−
下記成分を60℃に加温しながら混合し、インク固形分濃度が15%、乾燥後の顔料濃度が50%となるように分散相を調製した。
スチレンアクリル系ポリマーX345(星光PMC社製):7.2g
マゼンタ顔料PR122の水分散液Emacol SF Blue H502F (山陽色素社製、固形分21重量%):20g
蒸留水:22.8g
−連続相の調製−
下記成分を混合して連続相を準備した。
界面活性剤KF−6028(信越化学工業社製):3.5g
シリコーンオイルKF−96−2cs (信越化学工業社製):346.5g
−粒子作製−
上記分散相50gと、上記連続相350gとを混合し、内歯式卓上分散機ROBOMICS(特殊機化工業社製)を用い回転数10,000rpm、温度30℃で10分間乳化を行なった。その結果、乳化液滴径が約2μmの乳化液を得た。これをロータリーエバポレーターを用いて真空度20mbar、水浴温度40℃で18時間乾燥を行なった。
得られた粒子懸濁液を6,000rpmで15分間遠心分離し,上澄み液を除去した後,シリコーンオイルKF−96−2CSを用いて再分散させる洗浄工程を3回繰り返した。このようにしてコア粒子6gを得た。SEM画像解析した結果、平均粒径は0.6μmであった。
2)シェル形成(コアセルベーション法)
−シェル樹脂の合成−
下記成分を混合し、窒素下で70℃、6時間重合を行なった。
サイラプレーンFM−0721(JNC社製):50g
ヒドロキシエチルメタクリレート(アルドリッチ社製):32g
メタクリル酸(アルドリッチ社製):14g
1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタクリレート(アルドリッチ社製):4g
ブロックイソシアネート基を含むモノマー・カレンズMOI−BP(昭和電工社製):2g
イソプロピルアルコール(関東化学社製):200g
重合開始剤AIBN(2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル))(アルドリッチ社製):0.2g
生成物をシクロヘキサンを再沈殿溶媒として精製、乾燥しシェル樹脂を得た。このシェル樹脂2gをt−ブタノール溶媒20gに溶解し、シェル樹脂溶液を作製した。
−シェル樹脂による粒子被覆−
上記コア粒子1gを200mLのナスフラスコに取り、シリコーンオイルKF−96−2csを15g加え、超音波を加えながら撹拌分散した。これに、t−ブタノール7.5g、上記シェル樹脂溶液22g、シリコーンオイルKF−96−2csを12.5gを順次加えた。投入速度は全て2mL/sとした。上記ナスフラスコをロータリーエバポレーターに接続し、真空度20mbar、水浴温度50℃で1時間、t−ブタノール除去を行なった。
これをさらに撹拌しながらオイルバス中で加温した。まず100℃で1時間加温し、残留水分と残留するt−ブタノールを除いた後、続けて130℃で1.5時間の加熱を行ない、ブロックイソシアネート基のブロック基を脱離させ、シェル材料の架橋反応を行なった。
冷却後、得られた粒子懸濁液を6,000rpmで15分間遠心分離し,上澄み液を除去した後,シリコーンオイルKF−96−2CSを用いて再分散させる洗浄工程を3回繰り返した。このようにしてマゼンタ粒子(M粒子)0.6gを得た。
(白色粒子の作製)
還流冷却管を取り付けた500ml三口フラスコに、2−ビニルナフタレン(新日鐵化学社製)を45g、サイラプレーンFM−0721(JNC社製)を45g、シリコーンオイルKF−96L−1CS(信越化学工業社製)を240g加えた。65℃に昇温した後,窒素ガスによるバブリングを15分間行ない,開始剤として過酸化ラウロイル(アルドリッチ社製)を2.3gを投入した。窒素雰囲気下にて65℃、24時間の重合を行なった。
得られた粒子懸濁液を8,000rpmで10分間遠心分離し,上澄み液を除去した後尾,シリコーンオイルKF−96−2CS(信越化学工業社製)を用いて再分散させる洗浄工程を3回繰り返した。最後にシリコーンオイルにて粒子固形分濃度40質量%に調製して、白色粒子(W粒子)の分散液を得た。粒子径は450nmであった。
(CMYW混合液の調製)
上記C粒子とM粒子とY粒子とW粒子とを、固形分でC粒子が0.1g、M粒子が0.1g、Y粒子が1.3g、W粒子が2.0gとなるように秤量・混合し、液量が10gとなるようにシリコーンオイルKF−96L−2cs(信越化学工業社製)を加え、超音波撹拌して表示用の粒子分散液として使用した。
<評価用表示媒体セルの作製>
実施例、比較例でそれぞれ作製した表面層及びリブ付きITO基板(表示基板)と、リブを形成しなかった表面層付きITO基板(背面基板)を用意し、互いの表面層を対向させて背面基板上に表示基板を重ね合わせて、クリップにて固定した。このようにして作製した評価用の空セルに表示用の粒子分散液を注入して評価セルとして使用した。
(粒子の固着)
作製した評価用表示媒体セルを用い、以下の方法により表面層に対する粒子の固着を評価した。
表示用粒子分散液にはシアンと白の粒子を使用し、±30V、0.2Hzの矩形波駆動を5分間行なった後、白表示にし、50μmで区切ったリブ内におけるシアン粒子の付着率(付着粒子数)を光学顕微鏡で観察し、下記評価基準に従って評価した。結果を表4に示す。
<評価基準>
A:粒子の付着率が5%(シアン粒子数125個)未満である。
B:粒子の付着率が5%(シアン粒子数125個)以上であり、多量の付着がみられ、目視でもはっきりわかる程度である。

(考察)
表面層を形成する材料のうち、HEMAの量を変えてもプラズマ処理前のSi,O,C,Nの元素比、及びCの結合比に大きな有意差がなく、また接触角にも有意差がない。
しかし、プロセス処理(プラズマ処理から加熱処理)後にはHEMA量によってSi、Cに依存性が見られ、Cの結合状態においては[C−C]結合に依存性が発現した。いずれもHEMA量が少ない方が、プロセス処理前後の変化量が少なく、接触角もHEMAが少ない方が高く、逆に多い方が低い結果となった。
ここで、表面層(比較例5)に対し、処理なし(塗布/乾燥のみ)の状態から、N+Oプラズマ処理、アルカリ現像処理、熱処理をこの順に行なった後における、それぞれのX線光電子分光法(XPS)のナロースペクトル(化学結合状態分析)を図6に示す。図6から明らかなように、N+Oプラズマ処理により表面層の最表面において、SiがSiOの状態に変化していることが明らかである。また、その後のアルカリ処理後には、SiOのピークがなくなってSiの状態に戻っていることから、アルカリ処理によりSiOが除去されていることがわかる。このことから、N+Oプラズマ処理された表面層とリブとの界面において、SiO層が存在していることが確認された。
また、高分子材料を架橋させる為に使用する架橋剤トリイソシアネート化合物(D160N)を変化させた場合、上記プロセス前の状態では、高分子材料の量に対してD160Nを変化させているため、D160N由来のNの依存性が元素比、C結合状態共に発現している。接触角については、この程度の依存性では有意差はなかった。しかし、プロセス前のSiとNの元素比が、プロセス後にさらに大きく変化し、架橋剤が多いとよりプラズマ処理由来のNが多くなり、相対的にSiが減少した。またC結合状態でも同様に、プラズマ処理由来のNが増加し、[C−C]結合が大きく減少した。プロセス処理後の接触角は架橋剤量に依存し、架橋剤が少ないと接触角は高く、多いと接触角は低い結果となった。
以上から、HEMAを少なく、架橋剤も少なくすることが、表面層上にリブを形成でき、且つ電子ペーパー等の表面層として十分な機能を満たすと考えられる。
10 表示装置、12 表示媒体、16 電圧印加部、18 制御部、20 表示基板、22 背面基板、24 間隙部材、34(34Y、34C、34M) 粒子群、36 反射粒子群、38 支持基板、40 表面電極、42 表面層、44 支持基板、46 背面電極、48 表面層、50 分散媒

Claims (4)

  1. 少なくとも一方が透光性を有し、間隙をもって配置された一対の基板と、
    前記一対の基板の対向面の少なくとも一方の面に設けられ、少なくともSi、N、O及びCを含む高分子化合物を含み、[C−C]結合、[C−O]結合、[C−N]結合、[O=C−O]結合及び[O=C−N]結合の合計数のうち60%以上が[C−C]結合である表面層と、
    前記表面層上にアルカリ現像型の感光性樹脂を露光、現像して設けられ、前記一対の基板間の間隙を保持する間隙部材と、
    前記表面層と前記間隙部材との間に設けられたSiO層と、
    前記一対の基板間の間隙に封入された分散媒と、
    前記分散媒中に分散され、前記一対の基板間に形成された電界に応じて前記分散媒中を移動する表示用粒子群と、
    を有する表示媒体。
  2. 前記表面層に含まれるSi、N、C及びOの合計に対して、Siの含有量が7.0at%以上であり、且つNの含有量が3.0at%以下である請求項1に記載の表示媒体。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の表示媒体と、
    一対の基板間に電界を形成する電界形成手段と、
    を備えた表示装置。
  4. 少なくともSi、N、O及びCを含む組成物を基板上に付与して表面層を形成する工程と、
    前記表面層の表面を窒素と酸素を含む雰囲気中でプラズマ処理することにより、前記表面層の接触角を40°以下に低下させる工程と、
    前記プラズマ処理された前記表面層の表面にアルカリ現像型の感光性樹脂層を設ける工程と、
    前記感光性樹脂層に対し、露光、アルカリ現像を順次施してパターニングすることにより、間隙部材を形成し、且つ露出した前記表面層の接触角を95°以上にする工程と、
    を有する表示媒体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022138173A1 (ja) * 2020-12-24 2022-06-30 昭和電工株式会社 共重合体およびその共重合体の製造方法

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