JP5129463B2 - 水質異常検出法 - Google Patents

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本発明は、下水道や排水の各処理プロセスの水を対象として、水中の化学成分をモニタリングすること目的とした水質計測器、及び水質計測器を使用した水処理施設の異常時の運転管理に関連するものであり、バイオアッセイ応用水質計測器の水質異常検出法に関する。
下、排水の各処理プロセスの放流水又は河川水、湖沼水等の環境水の水質監視は、水道水源としての安全性、環境保全という観点から非常に重要である。その中で現在、水質監視を自動的に行う水質計測器が開発され、実際に適用され始めている。
このような水質計測器としては、pH計、伝導度計、遊離塩素計、濁度計、溶存酸素(DO)計、酸化還元電位(ORP)計、アンモニア計、硝酸イオン計、リン酸イオン計、全窒素/全リン(T−N/T−P)計、汚泥濃度(MLSS)計、UV式有機汚濁計、化学的酸素要求量(COD)計、生物学的酸素要求量(BOD)計、全有機炭素(TOC)計、揮発性有機化合物(VOC)計、(MLSS)計、水中の有害物質検出を目的としたバイオアッセイ応用水質計測器等を挙げることができる。
なお、バイオアッセイとは酵素や抗体等の生体機能性材料や微生物、細胞等生体そのものを利用し、水中に含まれる種々の化学物質の生体への毒性を判定する手法である。
近年、上下水道施設において、災害や事故、テロといった異常事態へのリスク対策を促進することが求められており、浄水処理施設の異常時運転管理法として、水質的な観点からは、雨天による河川水の濁度上昇時やpH異常時に取水を中断したり、薬剤の注入量を調整したりするが、熟練した職員の経験による運転管理であり、水質計測器を用いた自動制御は行われていない。
一方、下水処理施設の異常時運転管理方法としては、水質的な観点からは、処理水のアンモニア濃度、BOD、COD等の計測結果から、処理水質が悪化していると判断される場合に、生物処理槽のDO計やORP計の計測結果を監視しながら、曝気量の調整を行ったり、MLSS計の計測結果を監視しながら、返流汚泥量の調整を行ったりするといった方法が想定される。前述の浄水処理施設の異常時運転管理法と同様に、熟練した職員の経験による運転管理であり、水質計測器を用いた自動制御は行われていない。
有害物質の流入という異常事態が発生した場合、上水道施設においては、取水・給水停止を行い、取水源の水質調査による有害物質の特定と事故原因調査・対策後、経時的水質調査による取水再開のための安全確認を行う必要がある。
また、浄水処理施設においては、汚染物質の除去作業、処理水の経時的水質調査による給水再開のための安全確認を行う必要があり、多大な労力と時間を必要とする。
下水処理施設においては、下水の流入を停止することは困難であることから、悪質排水中の有害物質がそのまま施設内に流入し、下水処理場反応槽内の微生物の活性低下、又は死滅を引き起こしてしまい、処理機能の復元に多大な労力と時間を必要とする。また、有害物質の処理が不十分のまま処理水が放流され、下水処理場の放流先で水質事故を引き起こしたりする虞がある。
近年、上下水道施設での有害物質流入事故が増加しているため、水質計測器による自動連続監視を行い、夜間・休日等の人が対応できない時間帯においても処理施設の機能を保護するプラント自動制御システムが必要とされている。
上水道施設では上記事故に対応するため、魚類挙動監視装置や微生物呼吸活性監視センサのようなバイオアッセイ応用水質計測器による自動連続水質監視が始まっており、取水施設に上記水質計測器を設置し、水質異常時には取水停止の自動制御を行い、水処理施設の被害を最小限にする手法が有用と考えられている。
一方、下水道施設では流入水質の問題から上記水質計測器の適用について研究開発が行われている。もし、このような水質計測器を導入することが可能となった場合、ポンプ所、マンホール、又は下水処理場の流入渠といった上流地点に上記水質計測器を設置することが考えられる。そして、水質異常時には流入下水を雨水貯留槽や未使用の最初沈殿池へ待避する流路自動制御を行い、反応槽内の微生物への影響を回避する手法が有用と考えられる。この場合、貯留槽の容量制限や流入停止による処理阻害防止のため、待避可能時間は約3時間が上限であることから、有害物質流入終了後の復帰判定を迅速に行う必要がある。
しかし、上記水質計測器は毒性の高い有害物質を検出すると魚類が斃死したり、微生物が活性低下、又は死滅したりするため、魚類や微生物の交換・補充といった保守を行わないと測定を再開できない。このことから、どの時点で有害物質の流入が終了し、生物への悪影響がないレベルまで水質が復帰したのか判定できず、上水道施設での取水再開や下水道施設での流入下水待避制御の終了判定、待避した流入下水の希釈処理開始といった事後対応を迅速に行えないという問題があった。
本発明者らは、特公平7−85072号公報(特許文献1)に示すようなバイオアッセイ応用水質計測器の一つである、有害物質検出用硝化細菌バイオセンサを開発し、実用化している。硝化細菌バイオセンサは生体材料としては有害物質に極めて弱い微生物である硝化細菌を生きたまま固定化して高分子多孔膜で封じ込めた微生物膜と、検出器として溶存酸素電極とを組合せた呼吸活性検知型バイオセンサを核として、送風/送液機構、流路切替機構と各機構の制御部を内蔵する装置である。
本装置では、1日1回程度、純水と、基質は含まず、必須栄養素を含んだ緩衝溶液(以下、校正液とも表記)を通水し、センサの自動校正を行いながら、測定時には試料水と、基質および必須栄養素を含んだ緩衝溶液(以下、フィード液と表記)を通水し、試料水中への有害物質混入検知を目的とした連続モニタリングを行う。
従来の硝化細菌バイオセンサの水質異常検出法では、異常判定閾値を所定時間超えた場合に、水質異常警報を出力する。水質異常検知後は、検出時に低下した硝化細菌の呼吸活性の把握と過度の活性低下を防止するため、測定を中断し、校正後に所定時間純水を通水して酸素消費率を導出し、測定再開していた。
しかし、この操作に最長75分間を要し、有害物質流入が短時間(例えば1時間)の場合、迅速な異常終了判定が困難であったり、毒性強度が比較的低く(例えば阻害率20%)、センサ保護を必要としない場合でも同様の操作を行うため、有害物質の濃度が漸減しながら異常終了する場合に欠測時間が長くなったりするという問題があった。
特公平7−85072号公報
本発明の目的は、水質異常検出時にバイオアッセイ応用水質計測器内の生物材料が有害物質の毒性による過度のダメージを受けることを回避し、かつ保守や校正による長時間の測定中断をすることなく、有害物質の流入終了時点を迅速に判定することが可能な水質異常検出法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、その基本構成で、有害物質の混入を自動連続監視するバイオアッセイ応用水質計測器で、有害物質混入時にセンサを保護するために、複数のセンサ保護閾値を含む判断パラメータを設定し、有害物質の毒性強度を該センサ保護閾値により判定して、有害物質流入時の試料水の、間欠通水制御をその毒性強度に応じて行い、有害物質との接触時間を短縮することにより、センサに用いる生物材料の過度な活性低下を防止することを特徴とする。
本発明に係る水質異常検出法は、上記基本構成を備えた一実施の形態で、校正モードで上記有害物質に関する上記複数のセンサ保護閾値を含む上記判断パラメータを設定し、センサ異常閾値を超えた時点で異常判定モードに移行する判断を行う測定モードを実行し、上記異常判定モードで設定時間以上異常状態を検知したときに水質異常モードに移行すると共に試料水の通水を止め、水質異常モードで上記センサ保護閾値を用いた比較操作を実行することにより、有害物質の毒性強度を2以上に区分し、該区分に応じてセンサの状態を表示し、かつ設定された時間経過後に検出されるセンサの状態に応じて上記センサへの試料水の通水を復帰するようにしている。
有害物質としては、シアン、フェノール類、水銀等の重金属類、農薬類を挙げることができる。
センサとは、硝化細菌バイオセンサといった微生物バイオセンサの他、魚類や藻類といった生物、あるいは、酵素や抗体といった生体機能性材料を用いたバイオアッセイ応用水質計測器を含む概念である。
本発明の水質異常検出法によれは、水質異常検出時にバイオアッセイ応用水質計測器内の生物材料が有害物質の毒性による過度のダメージを受けることを回避し、かつ保守や校正による長時間の測定中断をすることなく、有害物質の流入終了時点を迅速に判定することが可能である。このことから、バイオアッセイ応用水質計測器を用いた浄水処理施設や下水処理施設への有害物質流入を回避するプラント制御において、有害物質流入終了後の事後対応プラント制御を迅速に行うことが可能となった。
以下に、本発明に係る水質異常検出方法について、その実施の形態を参照しながらさらに詳細に説明する。
本発明に係る水質異常検出方法に用いることができる、微生物を固定化した膜(以下、固定化微生物膜という)と溶存酸素電極とから構成される硝化細菌バイオセンサとしては、例えば、図1に示すような構成のものを用いることができる。
図1に示すように、この硝化細菌バイオセンサ6は、試料流路5を有するフローセル4と、固定化微生物膜1と、測定溶液中の溶存酸素量を測定する溶存酸素電極2から構成されている。なお、溶存酸素電極2は、リード線3を備えている。
固定化微生物膜1は、試料流路5内を流れる測定溶液と接触できるように構成されており、溶存酸素電極2は、固定化微生物膜1の上に密着するように取付けられている。溶存酸素電極2内は電解液で満たされており、図示しない電極が設置されている。そして、電極に接続されるリード線3から、溶存酸素濃度に応じた電圧値又は電流値(以下、センサ出力値ともいう)が出力されるようになっている。このような溶存酸素電極としては従来公知のものが使用可能であり特に限定されない。
固定化微生物膜1に使用される微生物としては、硝化細菌が好ましく、特にアンモニア酸化細菌が好ましい。アンモニア酸化細菌としては、例えば、ニトロソモナス ユーロピア(Nitrosomonas europaea ATCC25978)を例示することができる。この固定化微生物膜1は、公知の方法にしたがって作製することができ、例えば、硝化細菌をアルギン酸ナトリウム水溶液に懸濁し、この懸濁液を多孔質のセルロース膜上に滴下してからもう1枚のセルロース膜で挟み、塩化カルシウム水溶液でアルギン酸ナトリウムをゲル化させて菌体を固定化することにより作製できる。
図2に、上記の硝化細菌バイオセンサ6を用いた、本発明に係る水質異常検出方法を実施するためのバイオアッセイ応用水質計測器の一例を示すフロー図を示す。
図2に示すように、このバイオアッセイ応用水質計測器には、送液部として、酸洗浄水、純水、試料水、緩衝溶液、フィード溶液の5種類の溶液タンクが設けられ、それぞれ、必要に応じて混合して送液可能なように配管が接続されている。そして、混合後の配管は、硝化細菌バイオセンサ6を含む測定部14に接続されるように構成されている。
上記の送液部のうち、酸洗浄水、純水、試料水、緩衝溶液、フィード溶液は、定流量ポンプ11によって送液可能となっている。なお、酸洗浄水、純水、試料水、フィード溶液のそれぞれの送液路には、それぞれの流路を制御するための電磁弁12a、12b、12c、12d、12eが設けられている。
これらの送液部からの配管は、エアポンプ10を介して、硝化細菌バイオセンサ6を備える測定部14に接続されている。測定部14は、熱交換器8と硝化細菌バイオセンサ6と恒温槽7とからなり、送液部からの測定溶液は、エアポンプ10でエアレーションされた後、熱交換器8を介して温度調整された後、恒温槽7中の硝化細菌バイオセンサ6内を通過して排水されるようになっている。なお、恒温槽7は、通常、硝化細菌バイオセンサの微生物の生育至適温度に調整されている。また、硝化細菌バイオセンサ6には、そのセンサ出力に応じてシステムの稼動モードを制御するため制御部9が接続されている。
次に、このバイオアッセイ応用水質計測器を用いた、本発明に係る水質異常検出法の実施をする手順について説明する。
硝化細菌バイオセンサの運転状態について、その指標である酸素消費率は、次のように規定される。
まず、校正液(電磁弁12dを介して供給される緩衝溶液)と純水を流したときのセンサ出力値A(単位mV)を酸素消費率0%とし、校正を行う。
これは、固定化微生物膜1内の微生物は基質を与えないと活動できず、溶存酸素が消費されないという点を利用している。この操作では、電磁弁12a、12c、12eを閉じて、酸洗浄水、試料水、フィード溶液の送液を止めてから、電磁弁12b、12dを開けて、有害物質及び基質を含まない緩衝溶液(校正液)と純水とを、それぞれ定流量ポンプ11により送液し、硝化細菌バイオセンサ6の安定化した上記センサ出力値Aを得る。このセンサ出力値Aは制御部9に記憶されてゼロ点校正値となる。このセンサ出力値Aは水中の溶存酸素濃度に対応した値であり、上記したように酸素消費量(%)はこのとき0%である。
なお、上記校正液を構成する緩衝溶液としては、硝化細菌バイオセンサ6の微生物が安定して機能するpH付近に緩衝能を有する緩衝液が用いられ、例えば、アンモニア酸化細菌を使用した硝化細菌バイオセンサの場合は、pH8〜9付近に緩衝能を有するホウ酸緩衝溶液等を用いることができる。
そして、電磁弁12eを開いて、フィード液を流したときに、酸素消費率が100%となるような場合、すなわち微生物膜が水中の溶存酸素を全て消費する場合、センサ出力値は0mVとなる。このことから、センサ出力値B(単位mV)の絶対値が校正幅となる。
以上のことから、基質を含む緩衝溶液(フィード液)と試料水を流したときのセンサ出力値Bと校正時のセンサ出力値Aを用いて、測定中の任意の時点での酸素消費率は(1)式のように求められる。
酸素消費率(%)=(1−B/A)×100 (1)
例えば、Aが4mV、Bが0.4mVである場合、酸素消費率は(1−0.4/4)×100=90%となる。
また、センサの有害物質検出感度、すなわち呼吸阻害率は有害物質流入前の酸素消費率Xおよび有害物質流入時の酸素消費率Yを用いて(3)式のように求められる。
呼吸阻害率(%)=(1−Y/X)×100 (3)
例えば、Xが90%、Yが81%である場合、呼吸阻害率は(1−81/90)×100=10%となる。図3に以上のように説明したセンサ出力の推移の例を示す。
ここで、判断のためのパラメータとして、センサ警報閾値を呼吸阻害率10%、異常判定時間10分、センサ保護閾値VAを酸素消費率50%、センサ2次保護閾値VBを酸素消費率30%とした場合の本発明に係る水質異常検出法の一形態を、図4、図5のフローチャートを参照して説明する。なお、図4、図5は、一のフローチャートを二に分割して表示したものである。図4のIV−Aは図5のV−Aと、図4のIV−Bは図5のV−Bと、図4のIV−Cは図5のV−Cと、図4のIV−Dは図5のV−Dと、それぞれ接続する。
手順1: 電源をオン(ステップ100)とし、膜の初期活性をチェックする(ステップ102)。
「校正モード」104において、センサ保護閾値およびセンサ2次保護閾値に相当するセンサ出力値を設定する(図中106)。その後、「測定モード」108へ移行する。「測定モード」108では、酸素消費率の推移を常時監視する。
手順2: 「測定モード」108において、センサ異常閾値(例えば、酸素消費率の変動幅をマイナス3%/分等)を超えた時点(ステップ110)で「異常判定モード」112に移行し、「異常判定モード」112の有効時間(例えば60分)タイマー(ステップ116)を起動する。なお、モード移行後の呼吸阻害率は、モード移行直前の酸素消費率114を基準値として計算する。ここで、警報閾値以上であるかどうかを監視する(ステップ118)。
手順3: 「異常判定モード」112の有効時間内に呼吸阻害率10%以上を10分以上検知した場合(ステップ120)、「水質異常モード」122へ移行し、水質異常警報を出力すると同時に、試料水に替えて純水の通水を開始する(ステップ124)。
なお、「水質異常モード」122へ移行しないまま、上記有効時間を経過した場合は、有害物質以外の外乱と判定し、「測定モード」108に復帰する。
また、有害物質の毒性が高く、呼吸阻害率10%以上を10分以上検知する前に酸素消費率50%以下となった場合(ステップ126)は、その時点で「水質異常モード」122へ移行する。
手順4: 「水質異常モード」122移行15分後(ステップ127でカウント)の酸素消費率128と2種のセンサ保護閾値とを比較すること(ステップ130、132)により、有害物質の毒性強度を3種に区分し、下記の各モードへ移行する。ただし、有害物質の毒性が低い、あるいは流入時間が非常に短時間なため、「水質異常モード」移行後15分以内に呼吸阻害率が10%以下(ステップ134)を5分以上検知した場合(ステップ136)、その時点で警報を解除し、「測定モード」108に復帰する。
モード4−1: 「活性チェックモード」(酸素消費率≧50%)138
毒性が比較的低い場合に相当する。純水を継続して通水し、呼吸阻害率が10%未満になった時点で(ステップ140で判断)、「異常終了判定モード」142へ移行し、試料水の通水を再開する(ステップ144)。なお、モード移行後の呼吸阻害率は、「異常判定モード」112で設定した酸素消費率の基準値をリセットし、「異常終了判定モード」142移行直前の酸素消費率を基準値として再設定して計算する。モード142移行後15分間、酸素消費率を監視し(ステップ146、148)、呼吸阻害率10%未満であった場合、警報を解除し(ステップ150)、「測定モード」108へ復帰する。モード移行後15分間維持できなかった場合は、警報を維持し(ステップ152)、異常判定モード112に戻る。再度、呼吸阻害率10%以上を検知した場合は「水質異常モード」122への移行判定を行う。
なお、所定時間(例えば60分)を経過しても呼吸阻害率が10%以上の場合(ステップ140、154)は、「活性低下」の表示を行い(ステップ156)、強制的に「異常終了判定モード」142へ移行する。
モード4−2: 「センサ保護モードA」(30%≦酸素消費率<50%)158
毒性が比較的高い場合に相当する。純水を継続して通水し、酸素消費率が50%以上になった時点(ステップ160で判断)で「異常終了判定モード」142へ移行し、試料水の通水を再開する(ステップ144)。モード142移行後15分間、酸素消費率を監視し(ステップ146、148)、呼吸阻害率10%未満であった場合、警報を解除し(ステップ150)、「測定モード」108へ復帰する。モード移行後15分間維持できなかった場合は、警報を維持し(ステップ152)、異常判定モード112に戻る。再度、呼吸阻害率10%以上を検知した場合は「水質異常モード」122への移行判定を行う。
なお、所定時間(例えば60分)を経過しても酸素消費率が50%未満の場合(ステップ160、162)は、「活性低下大」の表示を行い(ステップ164)、強制的に「異常終了判定モード」142へ移行する。
モード4−3: 「センサ保護モードB」(酸素消費率<30%)166
毒性が極めて高い場合に相当する。純水を継続して通水し、酸素消費率が30%以上になった時点(ステップ168で判断)で「異常終了判定モード」142へ移行し、試料水の通水を再開する(ステップ144)。モード142移行後15分間、酸素消費率を監視し(ステップ146、148)、呼吸阻害率10%未満であった場合、警報を解除し(ステップ150)、「測定モード」108へ復帰する。モード移行後15分間維持できなかった場合は、警報を維持し(ステップ152)、異常判定モード112に戻る。再度、呼吸阻害率10%以上を検知した場合は「水質異常モード」122への移行判定を行う。
なお、所定時間(例えば60分)を経過しても酸素消費率が30%未満の場合(ステップ168、170)は、「活性異常」の表示を行い(ステップ172)、警報を出力して測定を中断し(ステップ174)、保守(微生物膜交換)ガイダンスを行う(ステップ176)。
次に、本発明に係る水質異常検出方法を採用したバイオアッセイ応用水質計測器のうち、硝化細菌バイオセンサを下水処理施設に適用した場合の実施の形態について説明する。
図6に従来の下水処理施設に、このような硝化細菌バイオセンサを設置した、有害物質流入回避制御システムを示す。
下水処理施設21において、流入下水は沈砂池22、最初沈殿池23の順に入り、大きな塵埃が重力沈降によって取り除かれる。沈殿下水は反応槽24に入り、有機物や無機態窒素、リンが活性汚泥によって取り除かれる。処理水は最終沈殿池25において重力沈降により活性汚泥と分離され、塩素混和池26で塩素殺菌処理した後に放流される。
硝化細菌バイオセンサ31を沈砂池22の入口、又は最初沈殿地23の入口に設置し、上記センサ31の信号を有害物質流入回避システム制御装置33へ常時伝送する。
下水処理場に適用する場合、水中ポンプで採水した試料水の濁質を前処理装置32で除去した後、センサへ通水する。上記センサで水質異常を検知した場合、警報信号を上記制御装置33へ伝送し、有害物質を含んだ流入下水を貯留槽27へ導水するよう、機器制御を行う。貯留槽がない下水処理施設では予備の沈砂池22、最初沈殿池23、又は反応槽24へ導水する。有害物質の流入が終了し、上記センサ31が警報信号を解除した場合、上記制御装置33は有害物質を含まない流入下水を従前の処理系へ導水するよう機器制御を行う。
以下、図4〜図6の形態を適用した実施例、及びこれを採用しない参考例の、水質異常検出法による有害物質流入回避に関する実施結果について説明する。
下水処理ミニプラント[最初沈殿池50L(HRT約4時間)、反応槽100L(HRT約8時間)、最終沈殿池50L(HRT約4時間)、貯留槽50L(4時間分の流入下水貯留可能)]2系列(HRT:水理学的滞留時間)のうち1系列(実施例)に硝化細菌バイオセンサ31、前処理装置32及び有害物質流入回避システム制御装置33を設置した。他方の系列は非制御の参照例とした。なお、実施例において、下水を貯留槽へ回避することに伴い、反応槽への流入が停止することによる処理阻害を防止するため、回避時間の上限を3時間とした。また、有害物質として毒性の高いシアンを選定し、流入下水中の濃度が2.2mg/Lとなるように流入水への混入量を調整し、2時間連続でシアンを通水させた。この時の反応槽内のシアン濃度は約0.3mg/Lであり、反応槽の硝化速度が約50%低下する濃度であった。
図7に実験中のセンサ挙動推移を示す。
(1)「水質異常モード」(シアン通水開始16分後)
試料水がセンサに到達すると同時に、酸素消費率が急激に低下し、50%以下となったため、「水質異常モード」へ移行し、水質異常警報を出力し、試料水に替えて純水通水を開始した。水質異常警報は有害物質流入回避システム制御装置33に伝送され、左記装置は最初沈殿池23から貯留槽27への流路切替制御を行い、流入下水の貯留を開始した。
(2)「活性チェックモード」(シアン通水開始31分後)
「水質異常モード」移行15分後の酸素消費率は80%であったことから、「活性チェックモード」へ移行した。
(3)「異常終了判定モード」(シアン通水開始34分後)
「活性チェックモード」移行3分後に呼吸阻害率10%未満となったことから、「異常終了判定モード」へ移行し、純水に替えて試料水通水を再開した。
(4)「水質異常モード」(シアン通水開始46分後)
「異常終了判定モード」移行12分後に、再び酸素消費率が急激に低下し、50%以下となったため、異常警報を維持したまま「水質異常モード」へ移行し、試料水に替えて純水通水を開始した。
(5)「センサ保護モードA」(シアン通水開始61分後)
「水質異常モード」移行15分後の酸素消費率は36%であったことから、「センサ保護モードA」へ移行した。
(6)「異常終了判定モード」(シアン通水開始65分後)
「センサ保護モードA」移行4分後に酸素消費率が50%以上となったことから、「異常終了判定モード」へ移行し、純水に替えて試料水通水を再開した。
(7)「水質異常モード」(シアン通水開始77分後)
「異常終了判定モード」移行12分後に、再び酸素消費率が急激に低下し、50%以下となったため、異常警報を維持したまま「水質異常モード」へ移行し、試料水に替えて純水通水を開始した。
(8)「センサ保護モードA」(シアン通水開始92分後)
「水質異常モード」移行15分後の酸素消費率は42%であったことから、「センサ保護モードA」へ移行した。
(9)「異常終了判定モード」(シアン通水開始96分後)
「センサ保護モードA」移行4分後に酸素消費率が50%以上となったことから、「異常終了判定モード」へ移行し、純水に替えて試料水通水を再開した。
(10)「水質異常モード」(シアン通水開始108分後)
「異常終了判定モード」移行12分後に、再び酸素消費率が急激に低下し、50%以下となったため、異常警報を維持したまま「水質異常モード」へ移行し、試料水に替えて純水通水を開始した。
(11)「センサ保護モードA」(シアン通水終了3分後)
「水質異常モード」移行15分後の酸素消費率は37%であったことから、「センサ保護モードA」へ移行した。
(12)「異常終了判定モード」(シアン通水終了9分後)
「センサ保護モードA」移行6分後に酸素消費率が50%以上となったことから、「異常終了判定モード」へ移行し、純水に替えて試料水通水を再開した。
(13)「測定モード」(シアン通水終了24分後)
「異常終了判定モード」移行15分間、呼吸阻害率10%未満であったため、警報を解除し、「測定モード」へ復帰した。水質異常警報解除に伴い、有害物質流入回避システム制御装置33は貯留槽27から最初沈殿池23への流路切替制御を行い、流入下水の貯留を終了した。
以上の実施例より、本発明に係る水質異常検出方法よって有害物質流入終了後の迅速な復帰判定が可能であることが実証された。また、流入水の貯留槽への回避時間は約2時間であったことから、反応槽への流入停止による処理阻害は認められなかった。
図8に放流水の無機態窒素濃度の推移を示す。実施例[図8の(b)]においては、シアンを貯留槽へ回避したことにより、硝化反応を維持することができたが、参考例[図8の(a)]においては、シアンが反応槽へ流入したため、明瞭な硝化阻害(アンモニア濃度の上昇)が確認されたことから、本発明に係る水質異常検出方法を採用した有害物質の流入回避制御システムの有効性が実証された。
呼吸活性検知型バイオセンサの一実施の形態を説明する概念的断面図である。 硝化細菌バイオセンサの一実施の形態を説明する構成図である。 硝化細菌バイオセンサの出力推移の一例を説明するグラフである。 本発明に係る水質異常検出法の一実施の形態を説明するフロー図である。 本発明に係る水質異常検出法の一実施の形態を説明するフロー図である。 硝化細菌バイオセンサを用いた有害物質流入回避制御システムの一実施の形態を説明するシステム構成図である。 シアン流入時のセンサ出力推移を説明するグラフである。 放流水の無機態窒素濃度の推移を説明するグラフである。
符号の説明
1 微生膜
2 溶存酸素電極
3 リード線
4 フローセル
5 試料流路
6 バイオセンサ
7 恒温槽
8 熱交換器
9 制御部
10 エアポンプ
11 定流量ポンプ
12 電磁弁
22 沈砂池
23 最初沈殿池
24 反応槽
25 最終沈殿池
26 塩素混和池
27 貯留槽
31 硝化細菌バイオセンサ
32 前処理装置
33 有害物質流入回避制御装置

Claims (2)

  1. 有害物質の混入を自動連続監視するバイオアッセイ応用水質計測器で、有害物質混入時にセンサを保護するために、複数のセンサ保護閾値を含む判断パラメータを設定し、有害物質の毒性強度を該センサ保護閾値により判定して、有害物質流入時の試料水の、間欠通水制御をその毒性強度に応じて行い、有害物質との接触時間を短縮することにより、センサに用いる生物材料の過度な活性低下を防止することを特徴とする記載のバイオアッセイ応用水質計測器の水質異常検出法。
  2. 校正モードで上記有害物質に関する上記複数のセンサ保護閾値を含む上記判断パラメータを設定し、
    センサ異常閾値を超えた時点で異常判定モードに移行する判断を行う測定モードを実行し、
    上記異常判定モードで設定時間以上異常状態を検知したときに水質異常モードに移行すると共に試料水の通水を止め、
    水質異常モードで上記センサ保護閾値を用いた比較操作を実行することにより、有害物質の毒性強度を2以上に区分し、
    該区分に応じてセンサの状態を表示し、
    かつ設定された時間経過後に検出されるセンサの状態に応じて上記センサへの試料水の通水を復帰するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のバイオアッセイ応用水質計測器の水質異常検出法。
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