JP5128248B2 - 難燃不織布 - Google Patents

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Description

本発明は難燃不織布に関する。より具体的には、電気製品や自動車の緩衝材として好適に使用できる難燃不織布に関する。
従来から電気製品や自動車の緩衝材として、接着剤によって繊維を接着した不織布が使用されている。このような不織布緩衝材には、その用途から高度の難燃性が要求される。そのため、不織布緩衝材に難燃性を付与するための工夫が様々なされている。
例えば、「燐系難燃剤を練り込んだ難燃性レーヨン繊維、通常のレーヨン繊維及び/又はポリアクリルニトリル繊維を部分的に炭化してなる耐炎化繊維を混紡したウェブに、アクリル樹脂40〜70重量部と燐系難燃剤60〜30重量部とを混合したエマルジョン樹脂を、ウェブ重量100に対して20〜150重量部を含浸してなることを特徴とする、難燃性レジンボンド不織布」が提案されている(特許文献1)。この難燃性レジンボンド不織布は難燃性に優れているものの、不織布生産時、粘着剤塗工や裁断等の後加工時、或いは緩衝材としての適用時に、引き裂かれやすく、取り扱い性の悪いものであった。このような傾向は、アクリルニトリル繊維を部分的に炭化してなる耐炎化繊維の混紡率が高い場合に顕著であった。
特開2002−4164号公報(特許請求の範囲)
そのため、本願発明者は難燃レーヨン繊維と難燃ポリエステル繊維からなる繊維ウエブを、難燃剤とバインダとを含む接着剤によって接着した不織布を緩衝材として使用することを考えた。この不織布は引き裂かれにくく、取り扱い性の優れるものであったが、90°以下の鋭角に屈曲した箇所に貼り合わせた場合に、不織布の層間剥離が使用条件によって、極稀に生じることがあった。
本発明は上述のような問題点を解決するためになされたものであり、難燃性、引き裂き強度に優れているのは勿論のこと、使用時に層間剥離することのない、難燃不織布を提供することを目的とする。
本発明の請求項1にかかる発明は、「ポリフェニレンサルファイド繊維を含む繊維ウエブが難燃剤とガラス転移温度が0℃〜−30℃のバインダを含む接着剤によって接着した難燃不織布であり、前記バインダは接着剤中35mass%以上を占めていることを特徴とする難燃不織布。」である。
本発明の請求項2にかかる発明は、「ポリフェニレンサルファイド繊維が繊維ウエブ中、20mass%以上を占めていることを特徴とする、請求項1記載の難燃不織布。」である。
本発明の請求項3にかかる発明は、「ポリフェニレンサルファイド繊維と難燃レーヨンにより繊維ウエブが構成されていることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の難燃不織布。」である。
本発明の請求項にかかる発明は、「見掛密度が0.25g/cm以下であることを特徴とする、請求項1〜請求項のいずれかに記載の難燃不織布。」である。
本発明の請求項1にかかる発明は、ポリフェニレンサルファイド繊維を含む繊維ウエブを、難燃剤と特定量のガラス転移温度が0℃〜−30℃であるバインダを含む接着剤で接着することによって、難燃性、引き裂き強度及び層間剥離強度の優れる、様々な形状の対象物に追従することができる難燃不織布を得ることができることを見出したものである。
本発明の請求項2にかかる発明は、ポリフェニレンサルファイド繊維が繊維ウエブ中、20mass%以上を占めていることによって、高次の難燃性(UL94 V0グレード等)を示す難燃不織布であることができる。
本発明の請求項3にかかる発明は、ポリフェニレンサルファイド繊維と難燃レーヨン繊維により繊維ウエブが構成されていることによって、高次の難燃性に優れている。
本発明の請求項にかかる発明は、見掛密度が0.25g/cm以下であることによって、粘着剤加工した場合に、対象物との接着性に優れている。
本発明の難燃不織布は難燃性に優れているように、ポリフェニレンサルファイド繊維(以下、「PPS繊維」と表記することがある)を含む繊維ウエブに由来している。
このPPS繊維は単量体が主にフェニレンサルファイドから構成されている長鎖状合成高分子からなる繊維である。このPPS繊維はUL94 HF−1グレードの難燃性を有するためには、繊維ウエブ中、5mass%以上を占めているのが好ましく、10mass%以上を占めているのがより好ましい。また、UL94 V0グレードの難燃性とする場合には、繊維ウエブ中、20mass%以上を占めているのが好ましく、30mass%以上を占めているのがより好ましく、40mass%以上を占めているのが更に好ましい。
なお、PPS繊維の繊度、繊維長は特に限定するものではないが、繊度は0.5〜10dtexであるのが好ましく、1〜5dtexであるのがより好ましい。また、繊維長は10〜100mmであるのが好ましく、20〜80mmであるのがより好ましい。なお、繊維長及び/又は繊度の異なるPPS繊維を2種類以上含んでいても良い。
本発明の難燃不織布の基となる繊維ウエブは前述のようなPPS繊維を含むものであるが、高次の難燃性(UL94 V0グレード等)が必要な場合には、難燃繊維を混合するのが好ましい。
この混合可能な難燃繊維としては、例えば、難燃レーヨン繊維、難燃ポリエステル繊維、酸化アクリル繊維、セルロース系繊維、ポリイミド繊維、ポリアミドイミド繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維、ポリベンゾイミダゾール繊維、難燃アクリル繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維、パイロメックス(登録商標)繊維、ノボロイド繊維、塩化ビニル繊維を挙げることができる。これらの中でも、PPS繊維に難燃レーヨン繊維を組み合わせると、高次の難燃性を得やすいことに加え、優れた引裂き強度が得られやすいため特に好ましい。この場合、PPS繊維と難燃レーヨン繊維の繊維ウエブ中における質量割合は、(PPS繊維):(難燃レーヨン繊維)=20:80〜90:10であるのが好ましく、(PPS繊維):(難燃レーヨン繊維)=25:75〜85:15であるのが好ましく、(PPS繊維):(難燃レーヨン繊維)=30:70〜80:20であるのが更に好ましい。
なお、繊維ウエブは前述のPPS繊維を含んでいる限り、どのような方法によって形成したものであっても良い。例えば、カード法、エアレイ法などの乾式法、又は湿式法により形成することができる。場合によっては、メルトブロー法により形成することもできる。
この繊維ウエブの目付及び厚さは難燃不織布の適用用途によって異なるため、特に限定するものではないが、目付は5〜150g/mであるのが好ましく、10〜100g/mであるのがより好ましい。また、厚さは0.05〜2mmであるのが好ましく、0.1〜1.5mmであるのがより好ましい。なお、目付は1mあたりの質量であり、厚さは厚さ測定器(ダイヤルシックネスゲージ0.01mmタイプH型式(株)尾崎製作所製)により測定した値をいう。
本発明の難燃不織布は前述のような繊維ウエブが、難燃剤とバインダとを含む接着剤によって接着したものであり、接着剤中におけるバインダ量が35mass%以上を占めるものである。このように、接着剤中におけるバインダ量が35mass%以上であることによって、層間剥離という問題を生じない難燃不織布であることができる。
バインダは繊維ウエブ構成繊維同士を接着する作用を奏し、層間剥離の発生を防止する。このバインダは特に限定するものではないが、例えば、酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル酸エステル、ウレタンなどのエマルジョンを挙げることができる。これらの中でもアクリル酸エステルエマルジョンが好ましい。
特に、ガラス転移温度が40℃以下のバインダは層間剥離を生じることなく、様々な形状の対象物に追従することができる難燃不織布を製造しやすいため好適である。より好ましくは30℃以下であり、更に好ましくは20℃以下である。バインダのガラス転移温度の下限は特に限定するものではないが、機械的強度が優れているように、−30℃以上であるのが好ましく、−20℃以上であるのがより好ましく、−15℃以上であるのが更に好ましい。なお、「ガラス転移温度」は非晶質固体状態にガラス転移を起こす温度であり、JIS K7121−1987に則って描いたDSC曲線から読み取った中間点ガラス転移温度(Tmg)をいう。
なお、ガラス転移温度が低いバインダを使用した場合には、難燃不織布の機械的強度が低くなる場合があるが、その場合には架橋剤(例えば、メラミン系、オキサゾリン系、イソシアネート系等)を併用すれば、機械的強度を向上させることができる。
このようなバインダは層間剥離という問題が生じないように、接着剤中35mass%以上を占めているが、バインダ量が多ければ多いほど接着力に優れ、層間剥離を防止できるため、接着剤中40mass%以上を占めているのが好ましく、45mass%以上を占めているのがより好ましく、50mass%以上を占めているのが更に好ましい。他方で、バインダ量が多くなると難燃性が低下する傾向があるため、90mass%以下であるのが好ましく、80mass%以下であるのがより好ましい。なお、バインダ量は接着剤乾燥時における質量をいう。
本発明の接着剤は前述のようなバインダに加えて、難燃剤を含んでいる。難燃剤は文字通り難燃不織布に難燃性を付与する作用をする。この難燃剤は特に限定するものではないが、例えば、リン系難燃剤、臭素系難燃剤、無機系難燃剤を使用できる。より具体的には、リン系難燃剤として、リン酸アンモニウム、トリクレジルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリス(β−クロロエチル)ホスフェート、トリスクロロエチルホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、酸性リン酸エステル、含窒素リン化合物などを使用できる。また、臭素系難燃剤として、テトラブロモビスフェノールA、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、ペンタブロモベンゼン、ヘキサブロモベンゼン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、デカブロモジフェニルオキサイドなどを使用できる。更に、無機系難燃剤として、赤燐、酸化スズ、三酸化アンチモン、水酸化ジルコニウム、メタホウ酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどを使用できる。これら難燃剤は1種類、又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも難燃性の付与効率に優れ、しかも環境適応性に優れるリン系難燃剤が好適である。
このような難燃剤は難燃不織布の難燃性を損なわないように、接着剤中5mass%以上を占めているのが好ましく、難燃剤量が多ければ多いほど難燃性に優れるため、接着剤中10mass%以上を占めているのがより好ましく、20mass%以上を占めているのが更に好ましい。他方で、難燃剤量が多くなると接着力が低下し、層間剥離は生じやすくなる傾向があるため、65mass%以下であるのが好ましく、60mass%以下であるのがより好ましい。なお、難燃剤量は接着剤乾燥時における質量をいう。
本発明で使用する接着剤は前述のように難燃剤とバインダとを含むものであるが、難燃性及び接着性を阻害しない範囲内で、界面活性剤、撥水・撥油剤、浸透剤、顔料、ホルマリン吸着剤等を含むことができる。
本発明の難燃不織布は前述のような繊維ウエブが前述のような接着剤によって接着したものである。そのため、ポリフェニレンサルファイド繊維及び難燃剤を含んでいることによって難燃性に優れるものである。また、接着剤中におけるバインダ量が接着剤中35mass%以上を占めていることによって、引き裂き強度及び層間剥離強度の優れる難燃不織布である。
本発明の難燃不織布は前述のような繊維ウエブが前述のような接着剤によって接着したものであるが、繊維ウエブと接着剤(固形分)との質量比率は80:20〜30:70であるのが好ましい。繊維ウエブに80対して接着剤が20よりも少ないと、層間剥離が生じやすい傾向があり、繊維ウエブ30に対して接着剤が70よりも多いと、複雑な形状を有する対象物への難燃不織布の追随性が悪くなり、また、難燃不織布の生産性が悪くなる傾向があるためで、より好ましい繊維ウエブと接着剤(固形分)との質量比率は70:30〜35:65であり、更に好ましい繊維ウエブと接着剤(固形分)との質量比率は60:40〜40:60である。
なお、繊維ウエブの接着剤による接着は引き裂き強度及び層間剥離強度が優れるように、繊維ウエブ全体(表面及び内部)を接着するのが好ましい。このように繊維ウエブ全体を接着するために、例えば、繊維ウエブを接着剤浴中に浸漬する方法、繊維ウエブに接着剤を塗布する方法、繊維ウエブに接着剤を散布する方法、により繊維ウエブに接着剤を付与した後、乾燥するのが好ましい。
本発明の難燃不織布は上述のような構成からなるが、粘着剤加工した場合に、対象物との接着性に優れているように、見掛密度が0.25g/cm以下であるのが好ましい。つまり、見掛密度が0.25g/cmよりも高くなると、粘着剤や接着剤が難燃不織布の内部空隙に浸入しにくく、難燃不織布と対象物との界面で剥離しやすくなるためで、0.24g/cm以下であるのがより好ましく、0.23g/cm以下であるのがより好ましい。他方で、難燃不織布の見掛密度が0.10g/cmよりも低くなると、不織布の層間で剥離しやすくなる傾向があるため、0.11g/cm以上であるのが好ましく、0.12g/cm以上であるのがより好ましい。
この見掛密度は目付(g/cm)を厚さ(cm)で除した値であり、目付は1mあたりの質量から1cmあたりの質量に換算した値であり、厚さは厚さ測定器(ダイヤルシックネスゲージ0.01mmタイプH型式(株)尾崎製作所製)により測定した値である。なお、難燃不織布の目付及び厚さは難燃不織布の適用用途によって異なるため、特に限定するものではないが、目付は10〜300g/mであるのが好ましく、20〜250g/mであるのがより好ましい。また、厚さは0.05〜2mmであるのが好ましく、0.1〜1.5mmであるのがより好ましい。
このように、本発明の難燃不織布は難燃性、引き裂き強度及び層間剥離強度の優れるものであるため、緩衝材として好適に使用することができ、特に、電気製品や自動車の緩衝材として好適に使用することができる。
このような本発明の難燃不織布は、例えば、ポリフェニレンサルファイド繊維を含む繊維ウエブを形成した後、難燃剤と35mass%以上のバインダとを含む接着剤によって接着して製造することができる。
なお、繊維ウエブは前述の通り、カード法、エアレイ法などの乾式法、湿式法、メルトブロー法により形成することができる。繊維ウエブを形成した後に、水流などの流体流及び/又はニードルによって繊維同士を絡合させると、層間剥離が生じにくく、剥離強度も向上するため好適である。
また、接着剤による接着は前述の通り、繊維ウエブを接着剤浴中に浸漬する方法、繊維ウエブに接着剤を塗布する方法、繊維ウエブに接着剤を散布する方法、により繊維ウエブに接着剤を付与した後、乾燥して実施できる。
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜2、比較例1)
繊度2.2dtex、繊維長51mmのPPS繊維、及び繊度2.2dtex、繊維長51mmの難燃レーヨン繊維を用意した。
次いで、このPPS繊維30mass%と難燃レーヨン繊維70mass%とを混合し、カード機により開繊して繊維ウエブを形成した後、針密度15本/cmでニードルパンチし、目付85g/m、厚さ0.9mmのニードルパンチ繊維ウエブを製造した。
他方、難燃剤としてリン系難燃剤、バインダとしてアクリル酸エステル共重合体エマルジョン(ガラス転移温度:−5℃)を用意し、難燃剤:バインダの質量比率が50:50(実施例1)、60:40(実施例2)、70:30(比較例1)となるように混合し、接着剤を調製した。
次いで、前記ニードルパンチ繊維ウエブを前記接着剤浴中に浸漬した後に、170℃に設定したドライヤーにより乾燥して、繊維ウエブ全体を接着剤で接着した難燃不織布(接着剤量:110g/m、目付:195g/m、厚さ:0.9mm、見掛密度:0.22g/cm)を製造した。
(性能評価)
(1)難燃性;
UL94 V0およびHF−1に則って、各難燃不織布の難燃性を評価した。この結果は表1に示す通りであった。
(2)引き裂き強度;
JIS L−1096:1999 8.15.1 A−1法(シングルタング法)に則って、各難燃不織布の引き裂き強度を測定した。この結果は表1に示す通りであった。
(3)層間剥離;
次の手順により評価した。この結果は表1に示す通りであった。
(i)接着機(アサヒ繊維機械(株)製、品番:JR−600)を用い、温度60℃、圧力0.29MPa、接着時間10秒の条件で、各難燃不織布の片面に両面テープを貼り合わせた。
(ii)得られた複合物をたて60mm、よこ12mmの短冊状に裁断し、評価用試料を調製した。
(iii)2枚の長方形状アルミ板をその端部で当接させ、この2枚のアルミ板を跨いで前記評価用試料を、アルミ板の境界に評価用試料の長手方向が直交するように粘着させた。なお、一方のアルミ板には3mmを粘着させ、他方のアルミ板には57mmを粘着させた(図1(a)参照)。
(iv)アルミ板の境界で、評価用試料が伸ばされる方向に一方のアルミ板を折り曲げ、アルミ板同士のなす角度を90°とした(図1(b)参照)。
(v)この時に、評価用試料を粘着させたアルミ板における、評価用試料の長手方向端部(3mm粘着側)の状態を観察し、層間剥離が生じているかどうかを確認した。
Figure 0005128248
表1の結果から、バインダが接着剤中35mass%以上を占めていることによって、層間剥離が生じなくなることがわかった。
(実施例3)
PPS繊維(繊度2.2dtex、繊維長51mm)30mass%と、難燃ポリエステル繊維(繊度1.7dtex、繊維長51mm)70mass%とを混合し、カード機により開繊して繊維ウエブを形成したこと以外は、実施例1と全く同様にして、不織布(接着剤量:110g/m、目付:195g/m、厚さ:0.9mm、見掛密度:0.22g/cm)を製造した。
(比較例2)
難燃レーヨン繊維(繊度2.2dtex、繊維長51mm)65mass%と、難燃ポリエステル繊維(繊度1.7dtex、繊維長51mm)35mass%とを混合し、カード機により開繊して繊維ウエブを形成したこと以外は、実施例1と全く同様にして、不織布(接着剤量:110g/m、目付:195g/m、厚さ:0.9mm、見掛密度:0.22g/cm)を製造した。
(比較例3)
難燃レーヨン繊維(繊度2.2dtex、繊維長51mm)30mass%と、酸化アクリル繊維(繊度2.2dtex、繊維長51mm)70mass%とを混合し、カード機により開繊して繊維ウエブを形成したこと以外は、実施例1と全く同様にして、不織布(接着剤量:110g/m、目付:195g/m、厚さ:0.9mm、見掛密度:0.22g/cm)を製造した。
(比較例4)
酸化アクリル繊維(繊度2.2dtex、繊維長51mm)30mass%と、難燃ポリエステル繊維(繊度1.7dtex、繊維長51mm)70mass%とを混合し、カード機により開繊して繊維ウエブを形成したこと以外は、実施例1と全く同様にして、不織布(接着剤量:110g/m、目付:195g/m、厚さ:0.9mm、見掛密度:0.22g/cm)を製造した。
(性能評価)
実施例1と同様にして、難燃性、引き裂き強度及び層間剥離について評価した。この結果は表2に示す通りであった。なお、表2においては、参考のために実施例1の結果も併せて示す。
Figure 0005128248
#1:PPS・・ポリフェニレンサルファイド繊維、RE・・難燃レーヨン繊維、PET・・難燃ポリエステル繊維、AC・・酸化アクリル繊維
#2:炎に対する不織布の収縮が大き過ぎ、燃焼基準を満たさない
表2の結果から、PPS繊維を含む難燃不織布は引き裂き強度及び層間剥離強度の優れるものあること、及びUL94 HF−1グレードの難燃性を有することがわかった。また、PPS繊維と難燃レーヨンとの組み合わせからなる難燃不織布は優れた引裂き強度、層間剥離強度を有するとともに、UL94 V0グレードに合格する程に高次の難燃性をもつものであることが判明した。
(実施例4)
PPS繊維40mass%と難燃レーヨン繊維60mass%とを混合し、カード機により開繊して繊維ウエブを形成したこと以外は、実施例1と全く同様にして、難燃不織布(接着剤量:110g/m、目付:195g/m、厚さ:0.93mm、見掛密度:0.21g/cm)を製造した。
(実施例5)
PPS繊維50mass%と難燃レーヨン繊維50mass%とを混合し、カード機により開繊して繊維ウエブを形成したこと以外は、実施例1と全く同様にして、難燃不織布(接着剤量:110g/m、目付:195g/m、厚さ:0.98mm、見掛密度:0.20g/cm)を製造した。
(実施例6)
PPS繊維20mass%と難燃レーヨン繊維80mass%とを混合し、カード機により開繊して繊維ウエブを形成したこと以外は、実施例1と全く同様にして、難燃不織布(接着剤量:110g/m、目付:195g/m、厚さ:0.88mm、見掛密度:0.22g/cm)を製造した。
(実施例7)
PPS繊維10mass%と難燃レーヨン繊維90mass%とを混合し、カード機により開繊して繊維ウエブを形成したこと以外は、実施例1と全く同様にして、難燃不織布(接着剤量:110g/m、目付:195g/m、厚さ:0.83mm、見掛密度:0.24g/cm)を製造した。
(性能評価)
実施例1と同様にして、難燃性、引き裂き強度及び層間剥離について評価した。この結果は表3に示す通りであった。なお、表3においては、参考のために実施例1の結果も併せて示す。
Figure 0005128248
表3の結果から、PPS繊維と難燃レーヨン繊維とを含む場合、繊維ウエブ中、PPS繊維が20mass%以上含まれていると、V0に合格する程に高次の難燃性に優れていることがわかった。
(実施例8)
難燃剤として、リン系難燃剤、バインダとしてアクリル酸エステル共重合体エマルジョン(ガラス転移温度:0℃)を用意し、難燃剤:バインダの質量比率が50:50となるように混合し、接着剤を調製した。この接着剤を使用したこと以外は、実施例1と全く同様にして、難燃不織布(接着剤量:110g/m、目付:195g/m、厚さ:0.9mm、見掛密度:0.22g/cm)を製造した。
参考例1
難燃剤として、リン系難燃剤、バインダとしてアクリル酸エステル共重合体エマルジョン(ガラス転移温度:20℃)を用意し、難燃剤:バインダの質量比率が50:50となるように混合し、接着剤を調製した。この接着剤を使用したこと以外は、実施例1と全く同様にして、難燃不織布(接着剤量:110g/m、目付:195g/m、厚さ:0.9mm、見掛密度:0.22g/cm)を製造した。
参考例2
難燃剤として、リン系難燃剤、バインダとしてアクリル酸エステル共重合体エマルジョン(ガラス転移温度:40℃)を用意し、難燃剤:バインダの質量比率が50:50となるように混合し、接着剤を調製した。この接着剤を使用したこと以外は、実施例1と全く同様にして、難燃不織布(接着剤量:110g/m、目付:195g/m、厚さ:0.9mm、見掛密度:0.22g/cm)を製造した。
参考例3
難燃剤として、リン系難燃剤、バインダとしてアクリル酸エステル共重合体エマルジョン(ガラス転移温度:50℃)を用意し、難燃剤:バインダの質量比率が50:50となるように混合し、接着剤を調製した。この接着剤を使用したこと以外は、実施例1と全く同様にして、難燃不織布(接着剤量:110g/m、目付:195g/m、厚さ:0.9mm、見掛密度:0.22g/cm)を製造した。
(性能評価)
実施例1と同様にして、難燃性、引き裂き強度及び層間剥離について評価した。また、層間剥離を観察した際に、難燃不織布の長手方向端部(3mm粘着側)において、対象物(アルミ板)との剥離が生じているかどうかも確認し、次の基準により評価した。この結果は表4に示す通りであった。なお、表4においては、参考のために実施例1の結果も併せて示す。
○: 対象物との剥離なし
△: 難燃不織布のよこ方向に1/2未満の剥離がみられる
×: 難燃不織布のよこ方向に1/2以上の剥離がみられる











Figure 0005128248


表4の結果から、バインダのガラス転移温度が40℃以下であると、対象物に追随し、対象物から剥離しにくいことがわかった。
(実施例12)
PPS繊維(繊度:2.2dtex、繊維長:51mm)80mass%と難燃レーヨン繊維(繊度:2.2dtex、繊維長:51mm)20mass%とを混合し、カード機により開繊して繊維ウエブを形成したこと以外は、実施例1と全く同様にして、難燃不織布(接着剤量:90g/m、目付:160g/m、厚さ:0.9mm、見掛密度:0.18g/cm)を製造した。
(実施例13)
PPS繊維(繊度:2.2dtex、繊維長:51mm)50mass%と難燃レーヨン繊維(繊度:2.2dtex、繊維長:51mm)50mass%とを混合し、カード機により開繊して繊維ウエブを形成したこと以外は、実施例1と全く同様にして、難燃不織布(接着剤量:100g/m、目付:180g/m、厚さ:0.9mm、見掛密度:0.20g/cm)を製造した。
(実施例14)
PPS繊維(繊度:2.2dtex、繊維長:51mm)10mass%と難燃レーヨン繊維(繊度:2.2dtex、繊維長:51mm)90mass%とを混合し、カード機により開繊して繊維ウエブを形成したこと以外は、実施例1と全く同様にして、難燃不織布(接着剤量:120g/m、目付:210g/m、厚さ:0.9mm、見掛密度:0.23g/cm)を製造した。
(実施例15)
PPS繊維(繊度:2.2dtex、繊維長:51mm)10mass%と難燃レーヨン繊維(繊度:1.7dtex、繊維長:51mm)90mass%とを混合し、カード機により開繊して繊維ウエブを形成したこと以外は、実施例1と全く同様にして、難燃不織布(接着剤量:130g/m、目付:235g/m、厚さ:0.9mm、見掛密度:0.26g/cm)を製造した。
(性能評価)
実施例1と同様にして、難燃性、引き裂き強度及び層間剥離について評価した。また、層間剥離を観察した際に、対象物(アルミ板)との剥離が生じているかどうかも実施例8と同様に確認した。この結果は表5に示す通りであった。なお、表5においては、参考のために実施例1の結果も併せて示す。
Figure 0005128248
表5の結果から、難燃不織布の見掛密度が0.25g/cm以下であることによって、対象物との接着性に優れ、対象物から剥離しにくいことがわかった。
(a) 2枚のアルミ板を跨ぐように難燃性不織布を粘着させた状態を示す斜視模式図 (b) 一方のアルミ板を折り曲げ、アルミ板同士のなす角度を90°とした状態を示す斜視模式図
符号の説明
AL1、AL2:アルミ板
S:評価用試料

Claims (4)

  1. ポリフェニレンサルファイド繊維を含む繊維ウエブが難燃剤とガラス転移温度が0℃〜−30℃のバインダを含む接着剤によって接着した難燃不織布であり、前記バインダは接着剤中35mass%以上を占めていることを特徴とする難燃不織布。
  2. ポリフェニレンサルファイド繊維が繊維ウエブ中、20mass%以上を占めていることを特徴とする、請求項1記載の難燃不織布。
  3. ポリフェニレンサルファイド繊維と難燃レーヨンにより繊維ウエブが構成されていることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の難燃不織布。
  4. 見掛密度が0.25g/cm以下であることを特徴とする、請求項1〜請求項のいずれかに記載の難燃不織布。
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