JP5128062B2 - 識別性に優れ不正防止機能を具備した機能性コインおよびそれに用いるオーステナイト系ステンレス鋼薄板、機能性コインの製造方法 - Google Patents

識別性に優れ不正防止機能を具備した機能性コインおよびそれに用いるオーステナイト系ステンレス鋼薄板、機能性コインの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、遊戯機械用として使用されるコインおよびその素材となるオーステナイト系ステンレス鋼薄板に関する。特にコインの不正使用を防止するための機能を具備した機能性コインおよびその製造方法に関する。
ゲームセンター等で使用されている遊戯機械に使用されるコインは、銅、洋白等のCu合金、真鍮,純Cu等にNiめっきを施したものや、アルミニウムやその合金、ステンレス鋼等の比較的安価な非磁性金属材によって形成されている。純Ni,白銅,洋白,Niめっき材等は、加工硬化が小さくコイン成形性に優れている。しかし、高価な材質であることに加え、製品コインが軟質のため疵が付き易く、変形し易い欠点がある。このような背景から近年、コイン、メダル等の素材としてのステンレス鋼の需要が増大している。
従来のコイン用ステンレス鋼としては、特開昭63−47353号公報(特許文献1)に開示されているような強磁性のフェライト系ステンレス鋼および特開平4−66651号公報(特許文献2)に開示されているような非磁性オーステナト系ステンレス鋼が知られている。しかし、磁性を用いてコイン識別を行うコイン選別装置を通るコイン用としては、強磁性フェライト系ステンレス鋼は不適である。特許文献2では、Ni:8〜16重量%及びCr:16〜20重量%を含むオーステナイト系ステンレス鋼において、C,Si,Mn,Ni,Cr,Cu,N等の間で成分バランスを図ることにより、従来のオーステナイト系ステンレス鋼では得られなかったHV130以下の低い硬度をもち、プレス加工後においても非磁性を呈する材料としている。また、成分的に積極的にCuを添加した非磁性オーステナイト系ステンレス鋼が、特開平8−53738号公報(特許文献3)に開示されている。Cr−Ni系ステンレス鋼にCuを含有させることにより、材料自体に抗菌性という新機能を具備したコイン用オーステナイト系ステンレス鋼である。
非磁性オーステナイト系ステンレス鋼をゲーム機用コイン、メダルの素材として用いると、白銅、真鍮等の非磁性材料を素材とするコインとの磁気による識別ができなくなるという問題が生じる。
ゲーム用コインが抱えているもう一つの問題は、多数のゲーム店それぞれが、自店特有のゲーム用コインを採用することを望むことにある。この場合、同じ非磁性オーステナイト系ステンレス鋼製だと自店のコインと他店のものとを磁気により識別することが困難である。識別するためには、コイン寸法を各ゲーム店毎に変えることにより差別をつけるしかないのが実情である。しかし、コイン寸法による差別化はマシンの規制もあり実用的ではない。以上より、ゲーム用コインでコインの種類を形状ではなく、磁気を活用して簡便にかつ低コストで精度良く識別する技術が求められている。
上述した問題を解決するため、磁石の強度(最大エネルギー積BHmax)によって吸着されたり、されなかったりするゲーム用コインとして、コインニング加工後に弱磁性を有するオーステナイト系ステンレス鋼が特開平7−70714号公報(特許文献4)に開示されている。このコインは、強磁性と非磁性の中間の適度の磁性を有する弱磁性材料であって、磁性の強さによって識別が可能である。このコイン用弱磁性材料は、非磁性材料製の通貨および強磁性材料製ゲーム用コイン等との差別化をする上で有用と考えられる。このような弱磁性材料としては、従来、真鍮に微小量の鉄粉を含有させた特殊な材料が用いられているが、均一な磁性品質を持つ材料の製造が難しいとしている。この発明ではオーステナイト安定度を変化させることにより、磁性の異なる弱磁性を有するオーステナイト系ステンレス鋼を容易に製造できるとしている。しかしながら、オーステナイト安定度を変えるためには、多くの成分系の鋼材が必要となることが実用上問題となる。
遊戯機械用コインへの識別性の付与や不正防止のための別の技術として、クラッドコインの表裏面の材質を替える技術が、特開2001−58280号(特許文献5)に開示されている。このコイン用クラッド材は、複数の層が積層形成され、隣接する層が互いに圧接されたコイン用クラッド材であって、一方の表面側の第1表層がZn45wt%以下、残部Cuを主成分とするCuZn合金あるいは純Cuで形成され、他方の表面側の第2表層が銀白色を呈する非磁性金属(オーステナイト系ステンレス鋼も含む)で形成される。したがって、第1表層は銅色ないし黄金色を呈し、第2表層は銀白色を呈するので、優れた識別性を備える。しかしながら、該先行技術は合金色による識別であり、磁気による識別はできない。
ステンレス鋼の特徴を活用する上記技術の他に、コインを識別、差別化する技術が特開平5−300805号公報(特許文献6)に開示されている。メダルの重量感を保持したままで、コンピューターチェックと各店、各商品の差別化等とが共に良好にできるような環状又は円弧状バーコードマークを有する高い強度のメダルを提供するものである。バーコード印刷部のデザイン等を変えることにより、遊技店ごとにあるいは使用機械に応じて異なったコインを容易に提供できるので、遊技店あるいは所属会社名やメダルの識別、差別化が容易であり、コンピューターチェックで不正防止に対応できるとしている。この発明のメダルは、樹脂に適合した印刷インクを使用し樹脂板上に直接環状バーコードマークを設けたものである。しかしながら、このようなメダルは、湿気、衝撃等に弱く、また摩耗が著しいため、長期間使用に供し得るメダルは未だ実用化されていない。
コインを識別、差別化する別の技術として、遊戯用コインを透磁率という特有の物性に基づいて真偽判定する技術が、特開2003−21620号公報(特許文献7)と特開2003−126535号公報(特許文献8)に開示されている。この遊戯用コインは、コイン内部に任意パターンが形成された磁束検知材を挿入し、当該コインを磁界中に配置されたホール素子上を通過させることにより、前記任意のパターンに応じたパルス状のホール電圧を発生させ、このホール電圧に基づいて当該コインを識別可能にすることを特徴とするものである。前記コイン内部に前記磁束検知材をリング状のパターンとして配置し、その径を変えることにより、または複数個配置することにより、コインが外観形態上は同じであっても情報のパターン化が図れることになり、複数の種類のコインが識別可能になる。任意パターンが形成された磁性材料は、アモルファス金属や磁気インクのいずれかで、ラミネートフィルムに張り付けたものである。該先行技術は非常に有用と思われるが、磁性材料としてアモルファス金属や磁気インクを使用するので、従来コイン材のプレスによる製造と異なり、製造工程が複雑になり製造コストが上昇する。また磁性材料も必ずしも安価ではない。
特開昭63−46353号公報 特開平4−66651号公報 特開平8−53738号公報 特開平7−70714号公報 特開2001−58280号公報 特開平5−300806号公報 特開2003−21620号公報 特開2003−126535号公報
以上説明したように、従来の遊戯用コインとしてのオーステナイト系ステンレス鋼は、不正防止のための簡便で安価な技術が未完成であり、多数のゲーム店間のコインを識別し、両替時等の不正を防止するための有効な対策が見あたらない。一方、特許文献7および8に見られる技術は有用と思われるが、従来コイン材のプレスによる製造と異なり、製造工程が複雑になり製造コストが上昇するとともに、磁性材料も必ずしも安価ではない。
本願発明は、この点を解決するため、磁性体を利用した不正防止機能を具備した全く新しいタイプのコインを提供することを課題とする。比較的安価なオーステナイト系ステンレス鋼薄板およびこれから構成されるコインを提案することにある。
本発明はかかる問題に鑑みなされたもので、識別性に優れ不正防止機能を具備したコインおよびその素材であるオーステナイト系ステンレス鋼薄板を提供することを目的とする。本願発明はこの目的のため、全く新しいタイプの磁性体を利用した識別機能付きコインにより実現できることを見出したものである。その要旨とするところは以下の通りである。すなわち、本発明の目的は、下記(1)〜(6)に記載の識別性に優れ不正防止機能を具備した機能性コインおよびコイン用オーステナイト系ステンレス鋼薄板により達成されるものである。
(1)強磁性体部と非磁性部とを有するオーステナイト系ステンレス鋼薄板により構成されたことを特徴とする識別性に優れ不正防止機能を具備した機能性コイン 。
(2)前記強磁性体部と非磁性部とを有するオーステナイト系ステンレス鋼薄板を、非磁性体からなる蓋の中空部分に装填したことを特徴とする(1)に記載の識別性に優れ不正防止機能を具備した機能性コイン 。
(3)前記強磁性体部は一周以上のリング状としたことを特徴とする(1)または(2)に記載の識別性に優れ不正防止機能を具備した機能性コイン 。
(4)(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の識別性に優れ不正防止機能を具備した機能性コインに用いるオーステナイト系ステンレス鋼薄板であって、準安定なオーステナイト相で、下記(A)式で表されるMd30が0℃以上、60℃以下となるように各成分の含有量を調整して、加工歪みを加えることにより部分的に強磁性体部を形成できる組成にしたことを特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼薄板。
Md30(℃)=551−462(C+N)−9.2Si−8.1Mn−13.7Cr−29(Ni+Cu)−18.5Mo・・・(A)
(5)(2)に記載の識別性に優れ不正防止機能を具備した機能性コインの蓋に用いる非磁性オーステナイト系ステンレス鋼薄板であって、下記(A)式で表されるMd30が−20℃以下、−200℃以上となるように各成分を調整し、プレス加工後非磁性安定である組成であることを特徴とする非磁性オーステナイト系ステンレス鋼薄板。
Md30(℃)=551−462(C+N)−9.2Si−8.1Mn−13.7Cr−29(Ni+Cu)−18.5Mo・・・(A)
(6)非磁性の状態にある請求項4に記載のオーステナイト系ステンレス鋼薄板をプレス加工し、一周以上からなるリング状に強磁性体部を形成させたことを特徴とする識別性に優れ不正防止機能を具備した機能性コインの製造方法。
(7)(4)に記載のオーステナイト系ステンレス鋼薄板に、一周以上のリング状に加工歪みを与えるプレス加工を施し、その部分を強磁性体化し、(5)に記載の非磁性オーステナイト系ステンレス鋼薄板からなる中空の蓋の内部に装填させたことを特徴とする識別性に優れ不正防止機能を具備した機能性コインの製造方法。
本発明によれば、オーステナイト系ステンレス鋼薄板には種々の強磁性体パターンを組み込めるので、優れた識別性を備え、不正防止機能を具備する。本発明ではリング状の強磁性体部を準安定オーステナイト系ステンレス鋼薄板を加工する技術によって構成するので、素材として非常に安価で、かつ必要な強磁性体の量をプレス加工の強さによって容易に調整することが可能である。また、一対の中空の蓋は非磁性安定なオーステナイト系ステンレス鋼薄板であるので、コインに加工して使用する場合に、内部のリング状の強磁性体部の磁気パターンを妨害するおそれがなくかつ電子機械等がコインによって誤動作するおそれがない。
本発明の限定理由を以下に詳細に説明する。
(機能性コイン)
本願発明の機能性コインは、コイン内部に磁気検知可能な部分的に強磁性体部を有するオーステナイト系ステンレス鋼薄板を装填した、識別機能付きコインのことを意味する。非磁性オーステナイト系ステンレス鋼薄板を蓋状にプレス成形し、二枚を組み合わせて中空のコインとする。さらに中空部に部分的に強磁性体部を有するオーステナイト系ステンレス鋼薄板を装填したものが機能性コインの基本構造である。そして、表皮の非磁性オーステナイト系ステンレス鋼薄板を透して中空部の強磁性体部を検知し、磁気情報を識別する機能を持つものである。すなわち、強磁性体部特有の強磁性体パターン信号をコンピューターに記憶させて判別し、他店のメダルの混入を防止し、各店、各会社ごとに特有の機能を加えたりすることにより、遊技場の健全経営あるいは自動販売機の不正防止に寄与するものである。
また、本発明における蓋を構成する材料は、非磁性体であれば非磁性オーステナイト系ステンレス鋼薄板に限られるものではなく、樹脂やガラスなどを用いてもよい。
(リング状の強磁性体部)
本願発明における部分的に強磁性体部を含むオーステナイト系ステンレス鋼薄板は、一対の非磁性オーステナイト系ステンレス鋼薄板からなる蓋の中空部分に装填可能なものであれば、強磁性体部の磁気パターンを問わない。本願発明においては、部分的な強磁性体部は、1周以上のリング状の強磁性体部であることが望ましい。最内周から最外周まで最大n周のリング状強磁性体部が形成可能な場合、識別可能な磁気信号は2のn乗通りとなる。さらに、リング状強磁性体部の太さやその間隔を変えることにより、遊技店ごとにあるいは使用する遊戯機械等の各種機械に応じて異なった機能性コインを提供できるので、遊技店やコインの識別、差別化が容易である。なお、強磁性体部はリング状の構造でなくても、円盤状であってもよい。強磁性体部を形成しない場合には、従来の非磁性オーステナイト系ステンレス鋼と同様のものとなり、識別性が確保されず、不正防止機能を持たない。
(準安定オーステナイト系ステンレス鋼薄板)
本願発明においては、部分的に強磁性体部を含むオーステナイト系ステンレス鋼薄板として好ましいのは準安定オーステナイト系ステンレス鋼薄板である。本願発明の準安定オーステナイト系ステンレス鋼薄板は、一般的な定義の通り、加工により加工誘起マルテンサイトを生成するいわゆるオーステナイト不安定系成分のステンレス鋼である。代表的な成分系はCr−Ni系ではJIS―SUS304やJIS−SUS301、Cuを添加した成分系ではJIS−SUS304J1、そのほか多くの鋼種がある。
(プレス加工)
本願発明においては、準安定オーステナイト系ステンレス鋼薄板にリング状の強磁性体部を付与する方法として好ましいのは、プレス加工による方法である。未加工の準安定オーステナイト系ステンレス鋼薄板の非磁性部の中に、プレス加工により加工誘起マルテンサイトを生成させ強磁性体部をリング状に形成する。これにより、非磁性部と強磁性体部が交互にリング状に配置する構造が形成される。
加工誘起マルテンサイト発生量には変形様式依存性があり、等2軸変形や単軸引張はマルテンサイト生成に有利な変形様式であり、圧縮変形よりも小さい加工歪みで多量のマルテンサイトを生成することが可能である(塑性と加工、vol.18(1977)938頁)。本願発明においては同心円状にプレス加工することから、ビード形状は半径方向にRを持つものが好ましい。図1にビードプレス加工したイメージ図を示す。この場合、円周方向には変形せず、半径方向の単軸引張となる変形様式である。
(準安定オーステナイト系ステンレス鋼薄板のオーステナイト安定度:Md30が0℃以上60℃以下)
このMd30値は、本発明においては、準安定オーステナイト系ステンレス鋼薄板の加工により強磁性体部を発現するように成分調整する基準を与える。即ち、強磁性体部発現のために必要な加工誘起マルテンサイト量は、鋼のオーステナイト安定度と密接に関係するので、そのオーステナイト安定化指数を明確化すれば強磁性体部発現の程度をコントロールできる。その指標として、下記 (A)式を用いる。
Md30(℃)=551−462(C+N)−9.2Si−8.1Mn−13.7Cr−29(Ni+Cu)−18.5Mo・・・(A)
プレス加工によって発現する磁性, 即ち加工誘起マルテンサイト量とMd30値との間には良い相関が認められるからである。このMd30値が0℃以上では、加工した部位には多量の加工誘起マルテンサイトを形成して、強磁性ステンレス鋼となる。プレス加工した場合にはリング状に強磁性体部を形成する。一方、このMd30値が0℃未満では、加工誘起マルテンサイトの析出が阻止され、コインの状態でセンサーに感知されるに十分な磁性を具備することが困難である。したがって、本発明において必要な強磁性を確保するために、このMd30値を0℃以上とした。また本願発明においてはMd30値の上限は60℃とした。60℃超では、加工誘起マルテンサイトは多く形成するものの、オーステナイトが不安定となり、時期割れが発生する危険が高くなる。したがって、Md30値は0℃以上60℃以下とした。より好ましくは、Md30値が15℃以上、50℃以下でより少ない加工歪みで目標のマルテンサイト量を形成することができる。
(オーステナイト系ステンレス鋼薄板からなる中空の蓋)
本願発明においては、非磁性オーステナイト系ステンレス鋼薄板からなる中空の蓋は、プレス加工後非磁性安定となる組成とする。非磁性のオーステナイト系ステンレス鋼としては、Cr:14〜20質量%、Ni:7〜15質量%、残部不可避的不純物とFeを主成分とするオーステナイト系ステンレス鋼が、非磁性であり比較的入手容易であるため好ましい。特に、Cr:16〜19質量%、Ni:9〜14質量%、残部不可避的不純物とFeを主成分とするオーステナイト系ステンレス鋼は、非磁性であることはもちろん、硬度が比較的低く打抜き加工性に優れ、また刻印性にも優れるため好適である。
また、非磁性ステンレス鋼としてMnを含有するNi節約型の200系のステンレス鋼も好ましい。特にJIS−SUS202(5Ni、8Mn)に代表される鋼は、300系の非磁性ステンレス鋼の特性を安価に達成する鋼でありコイン用材料として好適である。
さらに、Cuを添加した極低C,Nの成分系のオーステナイト系ステンレス鋼薄板もコイン用材料として適している。プレス加工時には非常に軟質であり、刻印加圧力が通常のオーステナイト系ステンレス鋼薄板に比較して2/3程度と低いため、金型寿命の点で優れている。プレス加工後には適度な硬度を維持し耐摩耗性に優れる特徴を有する。
(中空の蓋のMd30が−20℃以下、−200℃以上)
(A)式で表されるMd30値が−20℃以下では、加工誘起マルテンサイトの析出が阻止され、コインの状態で非磁性ステンレス鋼となる。本願発明における非磁性安定というのは、リング状の強磁性体パターンの検知を妨害しない程度の磁性を意味する。Md30値が−200℃以下ではNi等の鋼の含有量が多くなり経済的でない。以上より本願発明においては、Md30値を−20℃以下、−200℃以上とした。好ましくは、加工歪みが高くても完全非磁性である−70以下、−200℃以上である。さらに好ましくはー100℃以下、−200℃以上である。
Md30値が−20℃以下、−70℃以上のステンレス鋼もプレス加工性(刻印加圧力が通常の2/3)の観点から有用である。本願発明においては、プレス加工時に中空の蓋状に加工するので、縁部が最も加工度が高い。組成によってはプレス加工後僅かに磁性を呈する場合があるが、磁気信号の検知に殆ど影響しない程度の弱い磁性でありかつリング状強磁性体の磁気信号に重複しない。
低Cr低Niの高Mn成分の200系のステンレス鋼薄板の場合には、Md30値と磁性との相関関係が高Md30値側にシフトするので、−20℃以上であっても、組成によっては加工後完全非磁性を示すので、好ましい。
前記中空の蓋とリング状強磁性体部の厚さは、要求されるコインの厚さによって適宜決定される。
前記中空の蓋用のオーステナイト系ステンレス鋼薄板は、プレスにて適宜の大きさに打ち抜かれてコイン素材とされ、縁部に蓋状の加工を施し、その表面に凹凸模様が刻印されて、機能性コインの外層を構成する。本願発明のオーステナイト系ステンレス鋼薄板であれば、刻印による磁性等の影響は殆ど生じない。なお、刻印後、必要に応じてコインにバレル研磨等を施してもよい。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明は上記実施形態や下記の実施例に限定されるものではない。
以下、実施例で本発明を具体的に説明する。
Figure 0005128062
(実施例1)
表1に、本願発明例の化学組成と、前記(A)式により計算されたオーステナイト系ステンレス鋼のMd30値を併せて示す。記号A〜Eは機能性コインの中空部分に装填される準安定オーステナイト系ステンレス鋼、記号F〜Pは一対の中空の蓋を構成する非磁性オーステナイト系ステンレス鋼である。
表1に記載した記号Aの準安定オーステナイト系ステンレス鋼(SUS301)からなる2B薄板(板厚0.3mm)を直径23.5mmΦに打ち抜いた後、4周の同心円状のビードを持つ金型でプレス加工した。その際、ビードの幅0.85mmに対して、ビードの高さDをビード幅の0.25倍および0.44倍の2種類とした。強磁性体の量
は、プレス加工時の加圧力を変化させることにより調整した。プレス加工による強磁性体部と非磁性部の間隔を各々0.85mmのピッチとした。図2および図3に強磁性体部の分布のイメージを示す。その後、平滑化のため平金型でプレス加工を追加し、リング状強磁性体とした。加圧力はビード金型での加工と同じとした。
例えば、図3−1に示すようにリング状強磁性体を6周とする場合、図3−2に示すように、上下中空蓋の形状は同一でない場合、図3−3に示すように、中空蓋が3つの別体で構成されている場合、図3−4に示すように、中空蓋が外蓋で構成されている場合、図3−5に示すように、中空蓋がない場合のいずれでもよく、本発明の範囲に含まれる。
表1に記載した記号Nの非磁性オーステナイト系ステンレス鋼からなる2B薄板(板厚0.5mm)を準備し、直径25mmΦの円板状にプレスにて打ち抜いてコイン素材とした。その後、圧下率約20%に相当するプレス加工を施し、その表面に凹凸模様が刻印された。その後、これらにバレル研磨を施して光沢仕上げとし、一対の中空の蓋とした。
リング状強磁性体を一対の中空の蓋に装填して、機能性コインとした。
図4にプレス加工した記号Aの準安定オーステナイト系ステンレス鋼薄板の、加圧力と磁性体体積率(マルテンサイト量)の関係を示す。加圧力が高いほど、金型のビード高さが高いほど、磁性体体積率が多いことを示す。なお、磁性体体積率は測定された最高値を示している。
図5にプレス加工した記号Aのリング状強磁性体部を記号Nの非磁性オーステナイト系ステンレス鋼薄板の蓋の中に装填した機能性コインのコイン構造体としての、加圧力と磁性体体積率(マルテンサイト量)の関係を示す。加圧力が高いほど、金型のビード高さが高いほど、磁性体体積率が多いことを示す。この傾向は薄板の場合と同様であるが、蓋の非磁性部を透して測定しているため磁性体体積率が少なく計測される。
図6にプレス加工した記号Aの準安定オーステナイト系ステンレス鋼薄板の、板厚変化率(加工率)と磁性体体積率(マルテンサイト量)の関係を示す。加工率が高いほど、磁性体体積率が多いことを示す。
図7にプレス加工した記号Aのリング状強磁性体部を記号Nの非磁性オーステナイト系ステンレス鋼薄板の蓋の中に装填した機能性コインのセンサー機能評価の一例を示す。
図7において、a)は中空の蓋のみ、b)は中空の蓋+リング状強磁性体(プレス加工した記号Aの鋼)を示す。実線は、磁性強度、破線は磁性の変化率を示し、同心円状6周の強磁性体部に対応した磁気検出波とそれの変化を示すパターンを示している。磁気検出波の強度は測定装置の感度に依存するものである。中空の蓋のみのa)の場合には、磁気信号が検出されない。
Figure 0005128062
表2に機能性コインの評価結果を示す。
中空の蓋の加工性は概ね良好であり、○で示す。
磁気ノイズについては、加工時に強磁性体部が生じない場合を○、わずかに強磁性体部が生じる場合を△、リング状の強磁性体部より加工部の強磁性体量が多くなる場合を××で示す。リング状の強磁性体量が適度な場合を○、少ない場合を×、多すぎる場合を××で示す。ここで、適度な強磁性体量とは、磁気センサーにコインを投入した時に、コインの強磁性体量部を検知できかつ磁気センサー内をスムーズに移動できることを言う。
本発明例No.1〜No.3は、強磁性体部のマルテンサイト発生量が適度であった。中空の蓋部は、縁部の加工性、刻印性ともに良好であり、かつ加工後非磁性で、縁部の磁気ノイズの発生は認められなかった。以上より、機能性コインとしての識別性が優れている。比較例No.1は、マルテンサイトの発生量が少なくて強磁性体部を検出できず、比較例No.2は逆にマルテンサイト発生量が多く、磁気センサー内の移動が不良であった。
なお、強磁性体部の準安定オーステナイト系ステンレス鋼薄板は、記号A以外の記号B〜Eにおいても同様に優れた特性を示した。蓋部の非磁性オーステナイト系ステンレス鋼薄板は、記号N以外の記号L〜Pにおいても同様に良好な特性を示した。
(実施例2)
本願発明の中空部分に装填される準安定オーステナイト系ステンレス鋼薄板の強磁性体部は、実施例1のようにリング状の強磁性体部の他、円盤状であってもよいし、円盤状の強磁性体部にリング状強磁性体部を組み合わせたものであっても良い。表3に本願発明例を示す。
Figure 0005128062
(実施例3)
表1に記載した記号F,Kの非磁性オーステナイト系ステンレス鋼薄板を用いて、一対の中空の蓋とした。その他は実施例1と同様にして、機能性コインとした。表4に評価結果を示す。Md30値がー29℃の記号Fの蓋の鋼材の場合は、プレス加工時の刻印加圧力が小さくても可能であり加工性が非常に良好であった(◎で示す。)。記号F、Kの薄板の蓋の縁部に磁気ノイズがわずかに発生したが、この磁気ノイズは強磁性体部の磁気センサー強度よりも小さいため、機能性に影響なく、良好な結果が得られた。比較例5では、蓋部の鋼材のMd30値が8℃の記号Eの材料で、縁部の磁気ノイズが強磁性体部の磁気センサー強度より強いため、機能性コインとして不適であった。なお、蓋部の非磁性オーステナイト系ステンレス鋼薄板は、記号F、K以外の記号G〜Jにおいても同様に良好な特性を示した。
Figure 0005128062
(実施例4)
表5に本願発明の中空の蓋を構成する非磁性オーステナイト系ステンレス鋼(記号S)の化学組成を示す。
表6に中空の蓋は記号Sの薄板で、その他は実施例1と同様である機能性コインの評価結果を示す。Md30値が−20℃以上の2℃であってもマルテンサイトは生成せず、完全非磁性であり、機能性コインとして良好な結果であった。Md30値が大きいのは、低Niで高Mnの組成であることに起因すると思われる。
Figure 0005128062
Figure 0005128062
マルテンサイト量はフィッシャー式フェライトメーターを用いて、磁性体体積率を測定することにより求めた。磁気センサーの強度とマルテンサイト量との間には比例関係があるので、磁性評価簡易手法として、フェライトメーターによる測定を実施した。フェライトメーターで磁性体体積率を測定すると、被測定材に発生する磁束は一般に1.5mm以上の深さに達する。したがって、一般的に薄い材料の場合には真の磁性体体積率すなわちマルテンサイト量に換算するために板厚補正が必要であるが、本発明においては板厚補正を実施しなかった。各試料間の相対的な比較をするには特に問題ないからである。
機能性コインのセンサー機能の評価は、ホール素子利用の磁気センサーを用い、コインをセンサー部分に通過させることにより、強磁性体パターンを検出し評価した。
ビードプレス加工したイメージ図、リング状の強磁性体部が8周の場合 リング状強磁性体部のコイン表面からみた模式図、リング状強磁性体が6周の場合 機能性コインの構造を断面からみた模式図、リング状強磁性体が6周の場合 機能性コインの構造を断面からみた模式図、上下中空蓋の形状が同一でない場合 機能性コインの構造を断面からみた模式図、中空蓋が3つの別体で構成されている場合 機能性コインの構造を断面からみた模式図、中空蓋が外蓋で構成されている場合 機能性コインの構造を断面からみた模式図、中空蓋がない場合 プレス加工+平滑化した記号Aの鋼/0.3mmのプレス加工強磁性体部の加圧力と磁性体体積率の関係 コイン構造体(記号Aの鋼/0.3mmのプレス加工強磁性体)の加圧力と磁性体体積率の関係を示す図 記号Aの鋼/0.3mmのプレス加工による板厚変化率と磁性体体積率の関係を示す図 機能性コインの磁気特性の評価結果の一例/記号Nの鋼からなる中空の蓋a)中空の蓋のみ、b)中空の蓋+リング状強磁性体(プレス加工した記号Aの鋼)
符号の説明
1 リング状強磁性体
2 強磁性体部
3 非磁性部
4 中空の蓋

Claims (7)

  1. 強磁性体部と非磁性部とを有するオーステナイト系ステンレス鋼薄板により構成され たことを特徴とする識別性に優れ不正防止機能を具備した機能性コイン 。
  2. 前記強磁性体部と非磁性部とを有するオーステナイト系ステンレス鋼薄板を、非磁性 体からなる蓋の中空部分に装填したことを特徴とする請求項1に記載の識別性に優れ不 正防止機能を具備した機能性コイン 。
  3. 前記強磁性体部は一周以上のリング状としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の識別性に優れ不正防止機能を具備した機能性コイン 。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の識別性に優れ不正防止機能を具備した機能性コインに用いるオーステナイト系ステンレス鋼薄板であって、準安定なオーステナイト相で、下記(A)式で表されるMd30が0℃以上、60℃以下となるように各成分の含有量を調整して、加工歪みを加えることにより部分的に強磁性体部を形成できる組成にしたことを特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼薄板。
    Md30(℃)=551−462(C+N)−9.2Si−8.1Mn−13.7Cr−29(Ni+Cu)−18.5Mo・・・(A)
  5. 請求項2に記載の識別性に優れ不正防止機能を具備した機能性コインの蓋に用いる非磁性オーステナイト系ステンレス鋼薄板であって、下記(A)式で表されるMd30が−20℃以下、−200℃以上となるように各成分を調整し、プレス加工後非磁性安定である組成であることを特徴とする非磁性オーステナイト系ステンレス鋼薄板。
    Md30(℃)=551−462(C+N)−9.2Si−8.1Mn−13.7Cr−29(Ni+Cu)−18.5Mo・・・(A)
  6. 非磁性の状態にある請求項4に記載のオーステナイト系ステンレス鋼薄板をプレス加工し、一周以上からなるリング状に強磁性体部を形成させたことを特徴とする識別性に優れ不正防止機能を具備した機能性コインの製造方法。
  7. 請求項4に記載のオーステナイト系ステンレス鋼薄板に、一周以上のリング状に加工歪みを与えるプレス加工を施し、その部分を強磁性体化し、請求項5に記載の非磁性オーステナイト系ステンレス鋼薄板からなる中空の蓋の内部に装填させたことを特徴とする識別性に優れ不正防止機能を具備した機能性コインの製造方法。

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