JP5127151B2 - 通行規制ゲート装置 - Google Patents

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Description

本発明は、建造物の通路に開閉可能な扉体を該扉体の開閉領域の床面には障害物を設けることなく設置することによって前記通路の例えば乳幼児の通行を規制するバリアフリー型の通行規制ゲート装置に関する。
屋内における幼児の不慮の事故等を防止することを目的として建造物の通路に開閉可能な扉体を設置して乳幼児の通行規制を行う装置が種々提案されている。
このような乳幼児の通行規制装置の多くは、略倒立門形に形成されたフレームに扉体を開閉可能に取り付けるという構造である(例えば特許文献1参照)。これは、建造物における通路の両側の壁又は柱に傷をつけることなく突っ張りによってフレームを固定する必要から通路にフレームの一部が必要不可欠となるからである。
しかしながら、通路にフレームの一部が存在することにより、人が通行する際に蹴躓くことがあり、危険である。特に、幼児の不慮の事故防止目的でこのような通行規制ゲートを設ける家庭においては、乳幼児を抱っこして通行規制ゲートを開閉して通行することも多く、その際に蹴躓くことになると不慮の事故にもつながるという危険がある。
そこで、このような通路にフレームの一部が存在しない、いわゆるバリアフリー型の通行規制ゲートが要請される。
バリアフリー型の通行規制ゲートとしては、例えば以下のようなものがある。
保護枠を2つに分割して分割保護枠1,2を構成し、その一方の分割保護枠1は家屋の柱等に取付ける支持枠1aに対し主枠1bを蝶番1cを以って回動可能に取付け、他方の分割保護枠2は家屋の柱等に取付ける支持杆2aと主枠2bとより成り、該支持杆2aと主枠2bとをボルト、ナットにより着脱可能に結合し得るように構成し、上記分割保護枠1,2の何れか一方の主枠の上下の横桟に適宜長さの枠巾調節用横溝を設け、該横溝を介して締付けボルト及び締付けナットを以って、両分割保護枠1、2を締付け結合し得るように構成したことを特徴とする幼児用保護枠(特許文献2参照)。
特開2002−201873号公報 実開昭54−98754号のマイクロフィルム(実用新案登録請求の範囲、第1図参照)
しかしながら、特許文献等2に記載のものは、その第1図に示されるように、扉の開閉方向が一方向に限定される構造である。このため、例えば支持枠1aを通路の右側に固定した場合には扉を手前向けて回動させることになるが、支持枠1aを通路の左側に固定した場合には扉を進行方向に向けて回動させることになる。このため、例えば通行規制ゲートを階段の降り口に設置するような場合、扉が階段下へ向けて回動可能な状態で設置することになる。しかしながら、このような状態で設置するとすれば、扉のロックが外れた場合に扉が開放してしまう可能性があり、幼児の不慮の事故を完全に防止できない。
もっとも、特許文献2に記載のものにおいても、支持枠1aを通路の右側に設置するタイプと、通路の左側に設置するタイプとをそれぞれ別々に製造すれば問題はないが、その場合には需要者が予め設置場所を確認してから購入しなければならず煩雑であると共に製造コストもかかるという問題がある。
本発明は係る課題を解決するためになされたものであり、幼児の不慮の事項を可能な限りなくすることができる安全性に優れ、また汎用性にも優れた通行規制ゲート装置を得ることを目的としている。
(1)本発明に係る通行規制ゲート装置は、建造物の通路に扉体を該扉体の開閉領域の床面に障害物となる部材を設けることなく設置することによって前記通路の通行を規制するバリアフリー型の通行規制ゲート装置であって、
建造物に固定される固定部材と、該固定部材に閉止状態から逆方向にそれぞれ回転できる状態で回転自在に支持された第1扉体と、該第1扉体に幅方向調整可能に取り付けられた第2扉体と、該第2扉体の側辺に設けられたロック部材と、建造物における前記固定部材の対向側に取り付けられて前記第2扉体の一部に当接することによって扉体の一方向への回動を規制すると共に前記ロック部材に係止して扉の回動を規制するロック受けとを備え、
前記第1扉体を固定部材に回転自在に支持する回転支持機構は、固定部材側の固定側回転支持部と、第1扉体側の扉側回転支持部と、これら固定側回転支持部と扉側回転支持部の間に介装された付勢手段を備えてなり、
前記固定側回転支持部に設けた傾斜面と前記扉側回転支持部に設けた傾斜面とが当接しており第1扉体を回転させると前記傾斜面同士の当接位置が変化することにより第1扉体が上方に移動し、第1扉体の移動によって前記付勢手段に付勢力が付与され該付勢力が第1扉体を閉止する方向に作用するように構成されており、
前記ロック部材は、第2扉体の上部に設けられた上ロック部材と、第2扉体の下部に設けられた下ロック部材とからなり、ロック受けは前記上ロック部材に対向して設置される上ロック受けと、前記下ロック部材に対向して設けられる下ロック受けとからなり、
前記上ロック部材は出没自在に設けられると共に付勢手段によって出方向に付勢された上ロックピンと、該上ロックピンを強制的に没入させる操作レバーを備えてなり、
前記下ロック部材は出没自在に設けられると共に付勢手段によって出方向に付勢された下ロックピンを備えてなり、
前記上ロック受けは上ロックピンをガイドするガイド部と前記上ロックピンが挿入されるロック孔と、前記第2扉体の一部に当接して扉体の一方向への回動を規制する扉体当接部を備えてなり、
前記下ロック受けは前記下ロック部材の下ロックピンをガイドするガイド部と、前記下ロックピンが挿入されると共に扉開放側に逃がす開口部を有するロック溝と、前記第2扉体の一部に当接して扉体の一方向への回動を規制する扉体当接部を備えてなることを特徴とするものである。
なお、固定部材は棒状のフレーム部材を含む。
本発明の通行規制ゲート装置においては、建造物の通路に扉体を該扉体の開閉領域の床面に障害物となる部材を設けることなく設置できるバリアフリー型であることから、通行時に蹴躓く危険がなく、安全性に優れている。
また、建造物に固定される固定部材と、該固定部材に閉止状態から逆方向にそれぞれ回転できる状態で回転自在に支持された第1扉体と、該第1扉体に幅方向調整可能に取り付けられた第2扉体と、を備えることにより、固定部材を通路の左右いずれに取り付けても扉体を特定の方向に開くことができ、例えば通行規制ゲート装置を階段の降り口に設置した場合には扉体を階段と反対側にのみ開くようにすることができ、安全性に優れる。
図1は本発明の一実施の形態に係る通行規制ゲート装置の正面図(図1(a))、右側面図(図1(b))、左側面図(図1(c))、平面図(図1(d))、底面図(図1(e))、図2はその背面図である。
本実施の形態に係る通行規制ゲート装置は、主として図1及び図2に示すように、建造物に固定される固定フレーム1と、固定フレーム1に回転支持機構2を介して回転自在に支持された第1扉体3と、第1扉体3に幅方向調整可能に取り付けられた第2扉体5と、第2扉体5の側辺上部に設けられた上ロック部材7と、第2扉体5の側辺下部に設けられた下ロック部材9と、建造物における固定フレーム1の対向側に取り付けられて上ロック部材7と係合して扉体の回動を規制する上ロック受け11(図7参照)と、上ロック受け11の下方に設けられて下ロック部材9と係合して扉体の回動を規制する下ロック受け13(図8参照)と、を備えている。
以下、各構成を詳細に説明する。
<固定フレーム>
固定フレーム1は縦長の棒状部材からなり、建造物の柱などにタッピンネジなどで固定され、扉体を片持ち状態で支持する。このため、扉体の回動領域には通行の障害となる部材がなくバリアフリーを実現されている。
固定フレーム1の上部および下部には、回転支持機構2の一部を構成する固定側回転支持部材15が設けられている。
なお、本実施の形態においては棒状部材からなる固定フレーム1を例に挙げたが、固定側回転支持部材15を有する固定部材を上下にそれぞれ分離して設置するようにしてもよい。
固定側回転支持部材15の構造の詳細は後述する。
<第1扉体>
第1扉体3は、上下水平方向に配置された第1上横枠材17及び第1下横枠材19と、第1横枠材の一端側を上下に連結する第1縦枠材21によって略コ字状の枠材が形成され、第1上横枠材17及び第1下横枠材19を連結するように複数の第1縦桟23が所定間隔で配置されている。
第1上横枠材17及び第1下横枠材19には扉体の幅調整を行うために用いる第1貫通孔25が所定間隔を空けて複数設けられている。
第1上横枠材17及び第1下横枠材19の一端には回転支持機構2の一部を構成する扉側回転支持部材27が設けられている。
扉側回転支持部材27の構造の詳細は後述する。
<回転支持機構>
図3は図1におけるA部の断面拡大図、図4は図1におけるB部の断面拡大図である。図3、図4に示されるように本実施の形態においては、回転支持機構2は第1扉体3の上下に2箇所設けられているが、これらは基本的に同一の機構である。以下、図4に基づいて回転支持機構2の構造を説明する。
回転支持機構2は、固定フレーム側に設けられた固定側回転支持部材15と、第1扉体側に設けられた扉側回転支持部材27から構成される。以下、固定側回転支持部材15と扉側回転支持部材27を個別に説明する。
固定側回転支持部材15は、図4に示されるように、取付回転支持部材29、軸部材31およびコイルバネ33を備えて構成されている。
図5(a)(b)は図4に示した取付回転支持部材29の説明図であり、図5(a)は平面図、図5(b)は図5(a)における矢視A−A線に沿う断面図である。
取付回転支持部材29は固定フレーム1に取り付けるための固定取付片部35と、扉側回転支持部部材を回転自在に支持する回転支持部37とから構成される。
固定取付片部35は断面U字の溝状に形成され、固定フレーム1の一部を溝に挿入して溝の両側からボルト接合する構造である。
回転支持部37は、扉側(固定フレーム1と反対側)を下方にして傾斜する傾斜底面39を有する外円筒部41と、外円筒部41の中央部に設けられた内円筒部43を備えている。内円筒部43は高さ方向の中程に段部45を有し、段部45より上方は縮径している。
内円筒部43には、図4に示されるように、上下にキノコ形の頭部47を有する軸部材31が挿入され、軸部材31の上端部は内円筒部43の上端よりも上方に延出している。そして、内円筒部43における縮径部および軸部材31にはコイルバネ33が挿入されている。
図6(a)(b)は図4に示した扉側回転支持部材27の説明図であり、図6(a)は図1における矢視B−B線に沿う断面図、図6(b)は図6(a)における矢視C−C線に沿う断面図である。
扉側回転支持部材27は第1扉体3の横枠に取り付けるための扉取付片部49と、固定側回転支持部材15の回転支持部37に回転自在に支持される筒状の回転筒部51から構成されている。
扉取付片部49は、図6に示されるように、上方が開口した溝形に形成されている。そして、両側壁には長孔53が設けられている。取付片部は、図1に示すように、溝内に第1下横枠材19の一部を挿入した状態で両側壁の長孔53及び第1下横枠材19を貫通して設けられた座付雄ネジ55および座付雌ネジ56によって第1下横枠材19に締付固定されている。
座付雄ネジ55と座付雌ネジ56の締結を緩めることで、扉側回転支持部材27は第1下横枠材19の長手方向に移動可能になっており、これによって扉体の幅を無段階で微調整できるようになっている。
なお、通行規制ゲート装置の設置完了状態においては、上側の扉側回転支持部材27は位置固定ボルト57(図1参照)によってその位置が固定される。
回転筒部51は、図3、図6(b)に示されるように、その下端が、扉側が下方となる斜めに形成されている。そして、筒の内壁面における上下方向中程には内側に突出する円形の凸部59が形成されている。このように形成された回転筒部51は、図3に示されるように、固定側回転支持部材15の回転支持部37(図5参照)に挿入設置される。この状態では回転筒部51の下端面が回転支持部37の底面に当接する。そして、コイルバネ33の下端面が回転円筒部の内面に形成された凸部59に接触可能になっている。
上記のように構成された回転支持機構2の動作について説明する。
扉体を閉止した状態では、図3に示すように、固定側回転支持部材15の傾斜底面39(図5参照)に扉側回転支持部材27における回転筒部51(図6参照)の下端全面が当接する状態になっている。この状態から第1扉体3を回動させると、回転筒部51が内円筒部43を回転軸として回動する。回転筒部51が回動すると、回転筒部51の下端面と回転支持部37の傾斜面との当接部が徐々に上方に移動する。そのため、回転筒部51が回転支持部37に対して上方に移動する。回転筒部51が回転支持部37に対して上方に移動すると、回転筒部51の内面に形成された凸部59がコイルバネ33の下端部を上方に押し上げることになり、コイルバネ33には回転筒部51の凸部59を下方に押し戻す付勢力が付与される。扉の開放動作を終え、扉から手を離すと、コイルバネ33の付勢力によって回転筒部51は下方に押され、回転筒部51の下端面が回転支持部37の傾斜面の下方に移動することになり、これによって第1扉体3が閉止方向に回動する。
なお、本実施の形態においては、同一の回転支持機構2を第1扉体3の第1上横枠材17及び第1下横枠材19の2箇所に設けているので、第1扉体3を閉止方向に付勢する力が強く、スムーズな扉閉止動作が実現されている。
また、上記のような構造であれば、扉を閉止した状態から逆方向に回動させることができる。このため、固定フレーム1を通路の左右いずれの側に取り付けたとしても、一方向(例えば手前側)への扉開放が可能になっている。
<第2扉体>
第2扉体5は、上下水平方向に配置された第2上横枠材61及び第2下横枠材63と、第2横枠材の一端側を上下に連結する第2縦枠材65によって略コ字状の枠材が形成され、第2上横枠材61及び第2下横枠材63を連結するように複数の第2縦桟67が所定間隔で配置されている。
第2上横枠材61及び第2下横枠材63には、第1扉体3と同様に、扉の幅調整に用いる第2貫通孔69が所定間隔を空けて複数設けられている。
第2扉体5はコ字の開口側を第1扉体3の開口側に対向させ、第1上横枠材17及び第1下横枠材19に第2上横枠材61及び第2下横枠材63の先端部を重ね合わせて、重畳部の貫通孔に雄ネジ71と雌ネジ73を挿入して両者を締結することによって、第1扉体3に連結固定されている。
第1上横枠材17及び第2上横枠材61、第1下横枠材19及び第2下横枠材63の貫通孔は複数設けられているので、第1扉体3と第2扉体5の重畳部の長さを変化させることで、扉体全体の幅を調整することができる。
なお、第2扉体5の貫通孔69のうち先端側(第1扉体3側)に配置されるもののピッチを他のピッチの半分にすることにより、扉体の全体幅を最も広く調整する場合により細かい幅調整ができる。換言すれば、第2扉体5の先端近くに貫通孔69を設けることができ、扉体の全体幅をより広く設定できる。
第2扉体5の上角部には上ロック部材7が設けられ、第2縦枠材65の下部には下ロック部材9が設けられている。
<上ロック部材>
図7は第2扉体5の上角部の断面図である。
上ロック部材7は、図7に示されるように、第2扉体5の上角部に取り付けられて各部品を収納するケーシング75と、ケーシング内を第2上横枠材61の軸方向にスライドする操作レバー77と、操作レバー77の動きに従動してケーシング内を摺動する摺動部材79と、摺動部材79を常時第2上横枠材61の端部方向に付勢する摺動バネ81と、摺動部材79に第2横枠材の軸方向に移動可能に設置された上ロックピン83と、上ロックピン83を常時第2上横枠材61の端部方向に付勢する上ロックピンバネ85とを備えている。
上記のように構成された上ロック部材7は、操作をしていない通常時においては、図7に示されるように、上ロックピン83が第2縦枠材65より外方に突出している。この状態では、上ロックピン83は上ロックピンバネ85によって突出方向に付勢されている。図7には、上ロックピン83が上ロック受け11の孔部95に挿入されている状態が示されている。
図7に示す状態から、操作レバー77を図中の矢印の方向に操作すると、摺動部材79が操作レバー77に従動して矢印の方向に移動する。摺動部材79が矢印の方向に移動すると上ロックピン83も同時に移動するので、上ロックピン83が第2縦枠材65内に没入し、ロック受けとの係合が外れる。
<下ロック部材>
図8は第2縦枠材65と下ロック受け13の下部の断面図である。
下ロック部材9は、第2縦枠材65に出没自在に設置された下ロックピン87と、下ロックピン87を常時突出方向に付勢する下ロックピンバネ89を備えている。
下ロック部材9は、図8に示されるように、常時は下ロックピン87が第2縦枠材65から突出した状態になっている。図8においては、下ロックピン87が下ロック受け13に係合している状態が示されている。
<上ロック受け>
図9は上ロック受け11の説明図である。
図9に示されるように、上ロック受け11は建造物における上ロック部材7に対向する位置に設置される。
上ロック受け11は、矩形状の座部91と、座部91から傾斜して隆起するガイド部93と、ガイド部93の上端に設けられたロック孔95と、ロック孔95を挟んでガイド部93と反対側に設けられて第2扉体5の一部が当接する突起部97とを備えている。
上ロック受け11は上下線対称に形成されている。
上記のように構成された上ロック受け11においては、扉を閉める動作をしたときに、上ロックピン83の先端がガイド部93に当接し、さらに閉止方向に扉が移動すると、上ロックピン83がガイド部93に押されて没入しながら扉が閉止方向にさらに移動する。上ロックピン83がガイド部93を超えてロック孔95の位置にくると、ロックピンがロック孔95に挿入されて、扉のロックが行われる。このようにして自動ロックが実現される。
扉を開放する際には、前述のように操作レバー77を操作して上ロックピン83を第2縦枠材65側に後退させてロック孔95から抜け出させればよい。
なお、上ロック受け11は上下線対称に形成されているので、扉が右開きの場合と左開きの場合で、上下を逆にすることでいずれの場合にも適用できる。
<下ロック受け>
図10は下ロック受け13の説明図である。
図10に示されるように、下ロック受け13は建造物における下ロック部材9に対向する位置に設置される。
下ロック受け13は、矩形状の座部99と、座部99から傾斜して隆起するガイド部101と、ガイド部101の上端に設けられたロック溝103と、ロック溝103を挟んでガイド部101と反対側に設けられて第2扉体5の一部が当接する突起部105とを備えている。
ロック溝103はその上部の壁が開放されており、下ロックピン87が抜け出ることができるようになっている。
上記のように構成された下ロック受け13においては、扉を閉める動作をしたときに、下ロックピン87の先端がガイド部101に当接し、さらに閉止方向に扉が移動すると、下ロックピン87がガイド部101に押されて没入しながら扉が閉止方向にさらに移動する。下ロックピン87がガイド部101を超えてロック溝103の位置にくると、下ロックピン87がロック溝103に挿入されて、扉のロックが行われる。このようにして自動ロックが実現される。
扉を開放する際には、上述したように上ロックピン83をロック孔95から抜いた状態で、第2扉体5を上方に持ち上げて下ロックピン87がロック溝103の開放部の位置にきた状態で扉を開放すればよい。
なお、上記の例では下ロックピン87をロック溝103から外すための手段としてロック溝の上部に開放部を設けたが、ロック溝103の底面が上方に向かうに従って溝浅となるように傾斜させて第2扉体5を上方に持ち上げることで下ロックピン87が底面に押されて没入するようにしてもよい。
下ロック受け13は上ロック受け11と同様に上下線対称に形成されているので、扉が右開きの場合と左開きの場合で、上下を逆にすることでいずれの場合にも適用できる。
次に上記のように構成された本実施の形態の通行規制ゲート装置の設置方法及び操作方法を図11〜図14に基づいて説明する。
通行規制ゲート装置を設置する場所が決まったら、設置場所との関係で、図11に示すように左開きにするか、右開きにするかを決定する。このとき、設置場所が例えば階段の降り口のような場合であれば、必ず図11に示すように扉を手前に開けるようにする。扉を奥側すなわち階段側に開けるようにすると、何かの原因でロックが解除された場合に幼児が階段に落ちる危険性があるからである。
この点、本実施の形態においては、扉の開閉動作が扉を閉止した状態から逆方向にそれぞれ回動できるので、左開き又は右開きのいずれを選択しても、図11に示すように扉が手前に開くように設置することができる。
次に、設置場所の通路の幅に応じて扉体の幅を設定する。扉体の幅の設定については、前述したように、第1扉体3と第2扉体5の重畳部の長さを変化させることで、扉体全体の幅を調整する。重畳部の長さが決まると、図12に示すように、第1扉体3と第2扉体5に設けた貫通孔に雄ネジ71と雄ネジ71に螺合する雌ネジ73を挿入して両扉体を強固に連結する。
このように、第1扉体3と第2扉体5をネジによって強固に固定しているので、幼児のいたずらによって固定が外れる心配がなく安全である。
次に固定フレーム1を壁面にネジにて固定する。固定フレーム1を設置した壁面に対向する壁面に上ロック受け11、下ロック受け13をそれぞれ上ロック部材7、下ロック部材9の位置に対応させて固定する。
上下の回転支持部材の幅調整用の座付雄ネジ55と座付雌ネジ56を緩めて、図13に示すように、扉側回転支持部材27を扉幅方向に移動させて上ロック部材7と下ロック部材9及び上ロック受け11と下ロック受け13の位置調整をそれぞれ行う。位置調整が終わると、座付ボルト55を締付けると共に扉側回転支持部材27を上横枠材に位置固定ボルト57によって固定して取り付けを完了する。
上記のように設置された通行規制ゲート装置の扉を閉止した状態においては、上ロック受け11及び下ロック受け13の突起部97、105によって扉の奥側への回動が規制され、手前にしか回動しない(図11参照)。このため、通行規制ゲート装置を階段の降口に設置した場合において、幼児のいたずらなどによって、不意に扉が階段側に開くことがなく安全性に優れている。
通行に際して扉を開放する場合は、図14に示すように、操作レバー77を図中矢印(1)で示す方向に操作して上ロック部材7によるロックを外す。その後、図中矢印(2)で示すように上方に第2扉体5を持ち上げることによって下ロック部材9のロックを外し、扉開放を行う。このように、ロック解除と扉開放操作を片手でしかも屈んだりすることなく行うことができる。したがって、幼児を抱っこして操作する際などに、操作性に優れ非常に便利であると共に、屈んだりする動作が必要な場合には幼児の不意の動きによって幼児を落下させて不慮の事故を起こす危険もあるが、本実施形態のものでは屈むという動作を必要としないので、この意味でも安全性に優れているとも言える。
また、階段の下側に通行規制ゲート装置を設置する場合は、上ロック受け11及び下ロック受け13を上述の場合と上下を逆にして設置することにより、扉の開放方向は階段から離れる方向となり、扉体が階段に衝突するのを防止できる。
本発明の一実施の形態に係る通行規制ゲート装置の正面図、左右側面図、平面図、底面図である。 本実施の形態に係る通行規制ゲート装置の背面図である。 図1におけるA部の断面図である。 図1におけるB部の断面図である 本実施の形態に係る取付回転支持部材の説明図である。 本実施の形態に係る扉側回転支持部材の説明図である。 本実施の形態に係る上ロック部材の説明図である。 本実施の形態に係る下ロック部材の説明図である。 本実施の形態に係る上ロック受けの説明図である。 本実施の形態に係る下ロック受けの説明図である。 本実施の形態に係る通行規制ゲート装置の設置方法の説明図である(その1)。 本実施の形態に係る通行規制ゲート装置の設置方法の説明図である(その2)。 本実施の形態に係る通行規制ゲート装置の設置方法の説明図である(その3)。 本実施の形態に係る通行規制ゲート装置の操作方法の説明図である。
符号の説明
1 固定フレーム、2 回転支持機構、3 第1扉体、5 第2扉体、7 上ロック部材、9 下ロック部材、11 上ロック受け、13 下ロック受け、15 固定側回転支持部材、27 扉側回転支持部材。

Claims (1)

  1. 建造物の通路に扉体を該扉体の開閉領域の床面に障害物となる部材を設けることなく設置することによって前記通路の通行を規制するバリアフリー型の通行規制ゲート装置であって、
    建造物に固定される固定部材と、該固定部材に閉止状態から逆方向にそれぞれ回転できる状態で回転自在に支持された第1扉体と、該第1扉体に幅方向調整可能に取り付けられた第2扉体と、該第2扉体の側辺に設けられたロック部材と、建造物における前記固定部材の対向側に取り付けられて前記第2扉体の一部に当接することによって扉体の一方向への回動を規制すると共に前記ロック部材に係止して扉の回動を規制するロック受けとを備え、
    前記第1扉体を固定部材に回転自在に支持する回転支持機構は、固定部材側の固定側回転支持部と、第1扉体側の扉側回転支持部と、これら固定側回転支持部と扉側回転支持部の間に介装された付勢手段を備えてなり、
    前記固定側回転支持部に設けた傾斜面と前記扉側回転支持部に設けた傾斜面とが当接しており第1扉体を回転させると前記傾斜面同士の当接位置が変化することにより第1扉体が上方に移動し、第1扉体の移動によって前記付勢手段に付勢力が付与され該付勢力が第1扉体を閉止する方向に作用するように構成されており、
    前記ロック部材は、第2扉体の上部に設けられた上ロック部材と、第2扉体の下部に設けられた下ロック部材とからなり、ロック受けは前記上ロック部材に対向して設置される上ロック受けと、前記下ロック部材に対向して設けられる下ロック受けとからなり、
    前記上ロック部材は出没自在に設けられると共に付勢手段によって出方向に付勢された上ロックピンと、該上ロックピンを強制的に没入させる操作レバーを備えてなり、
    前記下ロック部材は出没自在に設けられると共に付勢手段によって出方向に付勢された下ロックピンを備えてなり、
    前記上ロック受けは上ロックピンをガイドするガイド部と前記上ロックピンが挿入されるロック孔と、前記第2扉体の一部に当接して扉体の一方向への回動を規制する扉体当接部を備えてなり、
    前記下ロック受けは前記下ロック部材の下ロックピンをガイドするガイド部と、前記下ロックピンが挿入されると共に扉開放側に逃がす開口部を有するロック溝と、前記第2扉体の一部に当接して扉体の一方向への回動を規制する扉体当接部を備えてなることを特徴とする通行規制ゲート装置。
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