JP5126714B2 - 架橋構造を有する高分子でシェル部分を構成したコアシェル型金属酸化物微粒子及びその用途 - Google Patents

架橋構造を有する高分子でシェル部分を構成したコアシェル型金属酸化物微粒子及びその用途 Download PDF

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本発明は、高分子の構造に特徴を有するコアシェル型金属酸化物微粒子及びその用途に関するものであり、架橋構造を有する高分子でシェル部分を構成したコアシェル型金属酸化物微粒子及びその用途に関するものである。本発明は、触媒、フォトニック結晶、ガスセンサ、化学的機械的研磨剤、紫外線遮蔽剤などに適用可能な、シェル部分が架橋構造を持つ高分子で構成したコアシェル型金属酸化物微粒子を提供するものである。
最近、微粒子を用いたフォトニック結晶が注目されているが(非特許文献1)、それは、微粒子により発光や光の伝搬を人工的に制御できるためである。フォトニック結晶用の微粒子として必要な性能条件は、球状、粒径が50〜200nm程度、粒径分布(粒径の標準偏差)が小さい、高屈折率(n>2)、液中での良好な分散性、である。これまで、これらの条件を満たす微粒子については、報告されていなかった。しかるに、酸化セリウムは、屈折率が2.1と高く(非特許文献2、3)、フォトニック結晶として好適な材料である。
また、酸化セリウムは、紫外線遮蔽剤としても有名な材料であり、例えば、先行文献には、酸化セリウムを使った紫外線遮蔽剤について開示されている(特許文献1)。紫外線遮蔽剤は、化粧品に使われ、人の皮膚に触れるものである。従って、その成分は、化学的に不活性であることが望まれる。酸化セリウムの化学的な活性を抑制するために、シリカを被覆させたものが、これまでに報告されている。このように、酸化セリウム微粒子表面に、化学的に不活性な無機物や有機物を被覆させたものは、紫外線遮蔽剤として有望な候補となり得る。
これまで、酸化セリウムのナノ粒子の合成については、幾つか報告されているが(非特許文献4−7、特許文献2)、液中での分散性に関する記述及び微粒子の粒径のばらつきに関する記述は見当たらない。すなわち、粒径は30〜200nm程度、粒径分布(粒径の標準偏差)が小さく、球状、液中での分散性が良好である、と云う条件を満たす酸化セリウム微粒子、又は酸化セリウム微粒子分散液に関する報告は見当たらない。
上記用途に用いるための酸化セリウム微粒子分散液を作製する場合、通常の方法により、単に乾燥した酸化セリウム微粒子を分散媒に分散させるだけでは、安定した分散液を得ることができない。これは、安定した分散液を得るためには、一度凝集した酸化セリウム微粒子の凝集を解く必要があるためである。ナノ粒子の合成方法が、気相プロセス、液相プロセスのいずれの場合であっても、ナノ粒子が生成した後、凝集を抑制しない限り、一般に、強固に凝集してしまう。一度、ナノ粒子が強固に凝集すると、凝集を解くための処理を行っても、凝集を解くことは、一般に、困難である。
先行文献には、セラミックビーズを使って機械的に凝集を解く技術が開示されているが(特許文献3)、この場合、問題点として、不純物の混入が考えられる。また、溶媒に、分散剤を添加する必要が有る。以上のことから、凝集を解く方法が、機械的な手法でなく、また、分散剤の添加を必要としないで、分散しやすい(凝集しにくい)酸化セリウム微粒子を合成する必要がある。
このときに重要なポイントは、以下の2点である。すなわち、ポイント1として、ナノ粒子が一度凝集してしまうと、乖離が困難であることから、凝集する前、すなわち、ナノ粒子の生成と同時に、凝集を抑制する処理を施せば、分散しやすい酸化セリウム微粒子が得られるはずである。このとき、高分子が溶解した分散媒を反応場として使用すれば、酸化セリウム微粒子の生成と同時に凝集を抑制でき、それにより、安定な酸化セリウム微粒子分散液が得られることが予想される。また、酸化セリウム微粒子分散液を乾燥させたとしても、凝集抑制処理を行っているため、それを再度分散媒に再分散させれば、容易に分散することが予想される。
次に、ポイント2として、高分子による再分散を容易にする凝集抑制処理を施された微粒子を、分散媒中に分散させる場合、高分子が分散媒中に溶解すると凝集抑制機能が失われ、微粒子は徐々に凝集し、最終的には沈殿する恐れがある。また、シェル部分の高分子が分散媒に溶解すると、分散系の粘度を増大させることになり、分散体の経時変化の原因となる。更に、場合によっては、分散媒中に溶解した高分子が不純物として分散体の性能を劣化させる原因となる。従って、長期間安定した分散状態を実現する微粒子では、高分子が分散媒に溶解せず、安定に存在する必要がある。例えば、高分子を架橋構造にして、分散媒への溶解性を抑制すれば、安定な分散状態を実現する微粒子となるものと想定される。
酸化セリウムに関する報告ではないが、上記ポイント1のコンセプトをゾルゲル法、あるいは加水分解法に適用した例が報告されている(非特許文献8−11、特許文献4)。しかしながら、これまで、上記ポイント1のコンセプトを酸化セリウム微粒子などを析出させる還流法に適用した事例は見当たらない。更に、上記ポイント2のコンセプトによる微粒子の分散状態の安定化について報告された例は見当たらない。
また、先行文献には、それぞれ、金属酸化物超微粒子とその製造方法、及び金属酸化物微粒子が開示されている(特許文献5、6)。しかし、上記先行文献には、例えば、粒径が30〜200nm程度で、金属酸化物の粒径分布(粒径の標準偏差)が小さく、1から3nm程度の金属酸化物の一次粒子が集合した球状二次粒子であり、その二次粒子表面にシェル部分となる高分子の層が存在するコアシェル型酸化セリウム微粒子であって、当該高分子が架橋構造を有する高分子で構成されていることを特徴とするコアシェル型酸化セリウム微粒子に関する事項については何も示されていない。
特開2004−35632号公報 特開2002−255515号公報 特開2004−35632号公報 特開平2−92810号公報 特開平6−218276号公報 特開2006−8629号公報 柴田修一、セラミックス41(2006)334 M.G.Krishna,A.Hartridge,A.K.Bhattacharya,Materials Science and Engineering B55(1998)14 M.Mogensen,N.M.Sammes,G.A.Tompsett,Solid State Ionics129(2000)63 C.Ho,J.C.Yu,T.Kwong,A.C.Mak,S. Lai,Chem.Mater.,17(2005)4514 N.Uekawa,M.Ueta,Y.J.Wu,K.Kakegawa,J.Mater.Res.,19(2004)1087 X.Chu,W.Chung,L.D.Scmidt,J.Am.Ceram.Soc.,76(1993)2115 W.P.Hsu,L.Ronnquist,E.Matijevic,Langmuir,4(1988)31 H.Yang,C.Huang,X.Su,Materials Letters,60(2006)3714 Z.T.Zhang,B.Zhao,L.M.Hu,J.Solid State Chem.,121(1996)105 D.L.Tao,F.Wei,Mater.Lett.58(2004)3226 G.C.Xi,Y.Y.Peng,L.Q.Xu,M.Zhang,W.C.Yu,Y.T.Qian Inorg.Chem.Commun.7(2004)607
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、ナノ粒子の凝集を抑制して、分散状態の長期安定性を保持したナノサイズの酸化セリウム微粒子を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、還流法を用いることで、有機溶媒が使え、反応開始剤を必要としない場合があるなど、有利な点が多いこと、原料としては、高価なアルコキシドでなく、安価な硝酸塩が好適に使用できること、それにより、ナノ粒子の凝集を抑制したコアシェル型酸化セリウム微粒子及びその分散液を調製できること、シェル部を架橋構造を有する高分子で構成すること、それにより、長期安定性に優れた高分散性が実現可能となること、などの新規知見を見出し、更に研究を重ねて、本発明を完成するに至った。
本発明は、酸化セリウムの一次粒子が球状に集合した二次粒子がコア部分であり、その二次粒子表面にシェル部分となる高分子の層が存在するコアシェル型酸化セリウム微粒子であって、前記高分子が架橋構造を有する高分子であることを特徴とするコアシェル型酸化セリウム微粒子、その製造方法及び用途を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)金属酸化物の一次粒子が球状に集合した二次粒子がコア部分であり、その二次粒子表面にシェル部分となる高分子の層が存在するコアシェル型金属酸化物微粒子であって、前記シェル部分が架橋構造を有する高分子で構成されていることを特徴とするコアシェル型金属酸化物微粒子。
(2)架橋構造を有する高分子が、ポリビニルピロリドンが架橋した高分子である、前記(1)に記載のコアシェル型金属酸化物微粒子。
(3)ピロリドン環が開環し、他の開環したピロリドン環とアミド結合を形成することで架橋構造が形成された、前記(2)に記載のコアシェル型金属酸化物微粒子。
(4)2つのピロリドン環が開環し、同じグリコール分子とエステル結合を形成することで架橋構造が形成された、前記(2)に記載のコアシェル型金属酸化物微粒子。
(5)架橋構造を形成するグリコールが、エチレングリコールである、前記(4)に記載のコアシェル型金属酸化物微粒子。
(6)架橋構造を有する高分子が、水あるいはアルコールに難溶性である、前記(1)から(5)のいずれか1項に記載のコアシェル型金属酸化物微粒子。
(7)金属酸化物が、酸化セリウムである、前記(1)から(6)のいずれか1項に記載のコアシェル型金属酸化物微粒子。
(8)微粒子の粒径の平均が30nmから200nmであり、該微粒子の粒径の変動係数が0.25より小であり、コア部分の二次粒子径が揃っており、シェル部分は洗浄してもコア部分の二次粒子から分離することがなく、シェル部分は5wt%から25wt%の割合で存在している、前記(1)から(7)のいずれか1項に記載のコアシェル型金属酸化物微粒子。
(9)前記(1)から(8)のいずれかに記載のコアシェル型金属酸化物微粒子を含有する乾燥粉体であって、1)分散剤を添加していない分散媒に良好に分散する性質を有する、2)分散媒中で1日以上静置させても沈降が認められない、3)熱処理を加えても分散性が良好である、ことを特徴とするコアシェル型金属酸化物微粒子粉体。
(10)前記(9)に記載のコアシェル型金属酸化物微粒子粉体に、300℃から500℃の温度で熱処理を加えてなる金属酸化物微粒子粉体であって、1)分散剤を添加していない分散媒に良好に分散する性質を有すること、2)分散媒中で1日以上静置させても沈降が認められないこと、を特徴とする金属酸化物微粒子粉体。
(11)前記(1)から(10)のいずれかに記載のコアシェル型金属酸化物微粒子又はコアシェル型金属酸化物微粒子粉体を、分散媒中に分散したことを特徴とするコアシェル型金属酸化物微粒子分散液。
(12)前記(10)に記載の金属酸化物微粒子粉体を、分散媒に再分散した、前記(11)に記載の金属酸化物微粒子分散液。
(13)前記分散媒が、水、アルコール系有機溶媒のいずれか一つ、あるいは、複数混合している混合溶液である、前記(9)又は(10)に記載のコアシェル型金属酸化物微粒子粉体又は金属酸化物微粒子分散液。
(14)前記(1)から(13)のいずれかに記載のコアシェル型金属酸化物微粒子、金属酸化物微粒子粉体又は金属酸化物微粒子分散液を製造する方法であって、金属塩とポリビニルピロリドンをアルコール系高沸点有機溶媒に混合して混合物を得る工程と、その混合物を110℃以上の温度で加熱・還流して金属酸化物微粒子を析出する工程と、シェル部の高分子のピロリドン環が開環して、他の開環したピロリドン環とのアミド結合、もしくは、グリコール分子とのエスエル結合の形成を促進させることで架橋構造とする工程を有することを特徴とする、コアシェル型金属酸化物微粒子、金属酸化物微粒子粉体又は金属酸化物微粒子分散液の製造方法。
(15)前記高分子の濃度(単位有機溶媒体積当たりに添加した高分子重量)が、80kg/mから120kg/mであり、シェル部の高分子を架橋構造とする、前記(14)に記載のコアシェル型金属酸化物微粒子、金属酸化物微粒子粉体又は金属酸化物微粒子分散液の製造方法。
(16)前記(1)から(13)の何れかに記載のコアシェル型金属酸化物微粒子、金属酸化物微粒子粉体又は金属酸化物微粒子分散液を構成要素として含むことを特徴とする化粧品用剤。
(17)前記(1)から(13)の何れかに記載のコアシェル型金属酸化物微粒子、金属酸化物微粒子粉体又は金属酸化物微粒子分散液を構成要素として含むことを特徴とするドラッグデリバリー用剤。
(18)前記(1)から(13)の何れかに記載のコアシェル型金属酸化物微粒子、金属酸化物微粒子粉体又は金属酸化物微粒子分散液を構成要素として含むことを特徴とする反射防止膜用剤。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明で云うコアシェル型金属酸化物微粒子とは、金属酸化物の一次粒子が球状に集合した二次粒子がコア部分であり、その二次粒子表面にシェル部分となる高分子の層が存在するコアシェル型酸化セリウム微粒子であって、前記シェル部分が架橋構造を有する高分子で構成されていることを特徴とするコアシェル型酸化セリウム微粒子を意味するものとして定義されるものであり、一次粒子又は一次粒子が不規則に凝集した二次粒子の表面に高分子が存在するものとは本質的に異なる。
先行文献(特許文献6)には、一次粒子又は凝集体の表面に高分子化合物が被覆した複合粒子が開示されているが、この一次粒子又は凝集体は、球状ではなく、不均一な形状をしている。それと云うのも、上記文献に開示されている製造方法では、予め合成された金属酸化物微粒子をビーズミルなどの分散機を使って分散及び解砕する分散工程を採用しているためである。本発明では、上記コアシェル型金属酸化物微粒子が有する金属酸化物として、好適には、酸化セリウムを主成分とする金属酸化物が使用されるが、これに制限されるものではなく、金属酸化物微粒子であれば、同様に適用することができる。
上述の分散工程では、金属酸化物微粒子は、一次粒子あるいは一次粒子の凝集粒子に解砕されるが、解砕後の一次粒子の凝集粒子は、球状で、かつ大きさが揃うこと、は有り得ない。更に、被覆する高分子の割合は、25wt%以上であることが、上記文献に記載されているが、本発明では、後述するように、高分子の割合は、5から25wt%であって、高分子の層が25wt%より少ない。これは、遊離しやすい高分子は、洗浄により取り除かれているためである。このことも、上記文献の複合粒子とは大きく異なる点である。コア部分の直径が85nmのとき、シェル部分の層の厚さは約10nmである。
以下、コアシェル型酸化セリウム微粒子を例に説明すると、本発明は、コアシェル型酸化セリウム微粒子の粒径の平均が30nmから200nmであるコアシェル型酸化セリウム微粒子であって、コアシェル型酸化セリウム微粒子の変動係数が0.25以下であり、かつ、コア部分である二次粒子の形状が球状であること、その二次粒子の形状は、大きさが揃っていること、酸化セリウム二次粒子表面に、シェル部分である高分子が付着していること、前記シェル部分が架橋構造を有する高分子で構成されていること、を特徴とするものである。また、本発明は、コアシェル型酸化セリウム微粒子分散液であって、上記のコアシェル型酸化セリウム微粒子が分散媒中に分散したこと、を特徴とするものである。
また、本発明は、上記のコアシェル型酸化セリウム微粒子粉体であって、分散媒中で1日以上静置させても沈降が認められないこと、分散剤を添加していない分散媒に良好に分散する性質を有すること、熱処理を加えても分散性が良好であること、を特徴とするものである。更に、本発明は、コアシェル型酸化セリウム微粒子の製造方法であって、セリウムの塩と高分子を高沸点有機溶媒に混合して混合物を得る工程と、その混合物を110℃以上の温度で加熱・還流して酸化セリウム微粒子を析出する工程とを有する、酸化セリウム微粒子又は酸化セリウム微粒子分散液の製造方法であること、前記セリウムの塩が、硝酸セリウムであり、かつ前記高分子が架橋構造を有する高分子であること、を特徴とするものである。
ここで、コアシェル型酸化セリウム微粒子分散液とは、分散質であるコアシェル型酸化セリウム微粒子が分散媒に分散したものであり、当該分散液は、懸濁液、ゾル、サスペンジョンとも云うことが可能である。また、粘度が高い場合は、ペーストとも云う。ここで、まず、本発明のコアシェル型酸化セリウム微粒子分散液の製造方法について説明すると、出発原料となるのは、硝酸セリウム、高沸点有機溶媒、及び高分子である。これらのうち、硝酸セリウムは、市販されているものでよく、一般には、水和物である。
金属イオンを添加した酸化セリウム微粒子を得る場合は、硝酸セリウムの他に、金属硝酸塩を添加する。また、高沸点有機溶媒としては、好適には、エチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール、グリセリンなどであり、より好ましくはエチレングリコールである。更に、高分子としては、有機溶媒に溶解するものが好ましく、例えば、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリエチレングリコール(PEG)などであり、より好ましくは、ポリビニルピロリドン(PVP)である。
これらの原料を混合し、溶解させる。これが、セリウムの塩と高分子を高沸点有機溶媒に混合して混合物を得る工程である。このとき、硝酸セリウムの濃度は、0.4kmol/m以上であることが好ましい。これは、得られる分散液に含まれる酸化物の割合が増えるためであり、これにより、歩留まりが向上することとなる。高分子の濃度は、80kg/mから120kg/mであることが好ましい。ここで、高分子の濃度とは、単位溶媒体積当たりに添加した高分子の重量と定義される。高分子の濃度が、80kg/mから120kg/mの範囲である理由は、これより少な過ぎると、酸化セリウム微粒子が凝集し易くなるためであり、コアシェル型でないためであり、また、上記範囲より多過ぎると、酸化セリウムの核生成反応が進行しないためである。
次に、上記混合物を110から190℃までの温度で加熱・還流する。これが、所定の温度で加熱・還流して酸化セリウムを析出する工程である。一般に、酸化物を析出させる場合、水酸化ナトリウム、アンモニアなどのアルカリなどを加えるが、本発明は、それを必要としないことが特徴である。水酸化ナトリウムなど加えると、最終的に得られるナノ粒子にナトリウムなどが混入する恐れがあるが、本発明では、アルカリなどを必要としないため、そのような不純物の混入は有り得ない。
加熱・還流時間は、10分から120分ほどである。加熱・還流時間が短いと、未反応のセリウムイオンが多く残留する可能性があり、逆に長過ぎると、セリウムの有機化合物が生成する可能性がある。このため、10分から120分間ほどの加熱・還流時間が好ましく、より好ましくは、30〜120分間である。加熱・還流中に、混合液は、濁りを増す。所定の時間加熱・還流を行い、冷却する。こうして、高分子が溶解した有機溶媒に、コアシェル型酸化セリウム微粒子が分散した、コアシェル型酸化セリウム微粒子分散液が得られる。
コアシェル型金属酸化物微粒子の生成メカニズムは、以下のように考えられる。
1.高分子が均一に溶解している高沸点有機溶媒(ポリオール)中に酸化セリウムの一次粒子が核生成する。
2.一次粒子が球状に凝集する。このときも、絶えず一次粒子が核生成する。
3.凝集粒子(二次粒子)の表面に核生成した一次粒子が球状に集まってくる。
4.このとき、二次粒子の表面で酸化セリウムなどの金属酸化物が触媒として働き、高分子及び/又は有機溶媒が、架橋反応を生じて強固な高分子層が形成される。
5.強固な高分子層が十分発達すると、凝集ができなくなり、コアシェル型酸化セリウム微粒子などのコアシェル型金属酸化物微粒子となる。
本発明において、コアシェル型酸化セリウム微粒子は、1)そのコア部分は、酸化セリウムの一次粒子が球状に集合した二次粒子であり、2)その二次粒子の形状は、揃っており、3)その二次粒子表面にシェル部分となる高分子の層が存在し、4)その高分子が、架橋構造を有する高分子であり、5)該微粒子の粒径の平均が30nmから200nmであり、6)該微粒子の粒径の変動係数が0.25より小である、ことで特徴付けられるものとして定義される。シェル部分の高分子層は、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)及びこれらの関連高分子で構成されたものである。関連高分子とは、PVP同士で架橋した高分子、HPC同士で架橋した高分子、PVPやHPCとポリオールとが架橋した高分子、ポリオール同士が架橋した高分子などであり、このような架橋構造を有する高分子が種々含まれたものである。
酸化セリウムが触媒作用を引き起こすには、熱が必要であると考えられ、このために、110℃以上の温度での加熱・還流が必要となる。加熱・還流温度が低い場合、例え、一次粒子が生成したとしても、コアシェル型とはならない。一次粒子が凝集しなければ、本発明で云うコアシェル型酸化セリウム微粒子とならない。この場合、未反応の高分子が多く存在するため、溶媒を揮発させると、高分子マトリックス中に一次粒子が取り残された酸化セリウム高分子複合組成物となるが、これは、明らかに、コアシェル型酸化セリウム微粒子とは異なる。
また、例え、凝集が生じても、酸化セリウム表面での触媒反応が無いため、高分子層が形成できず、形態が不均一な凝集粒子となる。先行文献(特許文献5)には、このような金属酸化物高分子複合組成物が開示されているが、これと、本発明とは、本質的に異なる。後記する実施例で示すように、ある臨界となる温度より低いと、コアシェル型酸化セリウム微粒子が生成しないため、高温での加熱・還流が不可欠である。
上記加熱・還流の直後に得られる、コアシェル型酸化セリウム微粒子分散液では、分散媒は、加熱・還流に用いた有機溶媒となる。すなわち、エチレングリコール(EG)で加熱・還流を行えば、分散媒は、エチレングリコール(EG)である。分散媒を任意の分散媒に変更したい場合は、分散媒の置換を行えばよい。例えば、遠心分離などで、分散媒と分散質とを分離し、分散媒を取り除き、所望の分散媒を加えることにより、分散媒の置換を行うことが可能である。このとき、架橋構造を有するシェル部分の高分子は、分散媒に難溶性であるため、洗浄によって、分離するものではなく、コアと不可分のものである。
上記加熱・還流で用いた高分子は、分散媒中に残留しており、また、未反応のCeイオンも残っていることが考えられる。このため、余分な高分子などは、遠心分離を施し、溶媒置換を繰り返すことで、除去することが可能である。上記方法により得られる分散液の分散質であるコアシェル型酸化セリウム微粒子は、球状であり、粒径は、ほぼそろっている。ここで云う粒径とは、コアシェル型酸化セリウム微粒子の粒子径であり、走査電子顕微鏡(SEM)観察で求められる粒径である。コア部分の二次粒子は、一次粒子の集合体であり、一次凝集体と云う場合もある。一次粒子径は、3nm以下である。コア部分の球状の酸化セリウム微粒子の1つ1つの粒子は、二次粒子であり、一次粒子ではない。また、酸化セリウム微粒子は、1価〜5価の金属イオンが添加されたものであってもよく、例えば、Na、Ca、Y、Gd、Zr、Hf、Nbなどである。
酸化セリウム微粒子の形状及び粒径などは、以下の方法で確認できる。加熱・還流直後の分散液について、動的光散乱(DLS)法により、粒径を求めることができる。この粒径は、分散媒の中で独立して存在する粒子の粒径である。この粒径は、一般には、SEMなどで観察される微粒子の粒子径とは異なるが、その理由は、分散媒中で微粒子が更に凝集していることが多く、この場合、微粒子が凝集した粒子の大きさが、結果として現れるからである。
二次粒子(微粒子)が凝集したものを二次凝集体と云う場合もある。DLS法では、分散媒の屈折率と分散媒の粘度が必要であるが、分散媒の屈折率は、文献値を用いることができる。また、分散媒の粘度は、分散液の粘度と同一として、分散液の粘度を測定し、それを使用する。このようにして、平均粒径(daverage)及び標準偏差(s)を求め、変動係数c(=s/daverage)を計算する。また、上記方法により得られる分散液を遠心分離と水やエタノールへの再分散を3回程度行い、例えば、80℃で乾燥させることで、乾燥粉体が得られる。これについて、SEMで観察し、形状、平均粒径、標準偏差を求める。
コアシェル型酸化セリウム微粒子の平均粒径は、30nmから200nmであり、その変動係数は0.25以下、好ましくは0.16以下である。これは、乾燥粉体のSEM観察で確認することができる。また、分散媒中での粒径は、コアシェル型酸化セリウム微粒子の2倍以下であり、好ましくは1.5倍以下、より好ましくは、1.3倍以下である。分散媒中では、コアシェル型酸化セリウム微粒子は、ほとんど凝集せずに存在することが示される。
また、コアシェル型酸化セリウム微粒子の表面には、当然ながらシェル部分に高分子層が存在している。これは、上記乾燥粉体について、フーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)分析及び熱重量(TG)分析で調査し、確認することができる。上記乾燥粉体は、遠心分離と水やエタノールへの再分散を3回程度行っていることから、コアシェル型酸化セリウム微粒子と無関係な、余分な高分子は除去されている。また、乾燥を行っていることから、分散媒も十分除去されている。高分子層の割合は、15から25wt%が好ましく、より好ましくは、19から22wt%である。
フーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)で観察される酸化セリウム以外の吸収ピークは、酸化セリウム微粒子表面に存在するものに起因するものであり、それは、高分子の吸収と似ていること、及び、分散媒の沸点よりも高温で重量変化が存在することにより、酸化セリウム微粒子の表面に高分子が付着しているとの結論が導かれる。また、その構造は、固体核磁気共鳴(NMR)スペクトルで調査し、確認することができる。ここで、高分子としては、例えば、PVP、HPC、PVP同士で架橋した高分子、HPC同士で架橋した高分子、PVPやHPCとポリオールとが架橋した高分子、ポリオール同士が架橋した高分子又はそれらと酸化セリウムとが反応したものが好ましい。微粒子表面の架橋構造を持つ高分子は、透過電子顕微鏡(TEM)でも確認できることがある。
架橋構造を持つ高分子が、酸化セリウム表面に付着していることにより、本発明で得られる酸化セリウム微粒子は、化学的に不活性であると云える。紫外線遮蔽剤としては、直接、人間等の皮膚に触れるため、微粒子は、化学的に不活性であることが望まれる。従って、本発明で得られる酸化セリウム微粒子は、紫外線遮蔽剤として優れていると云える。特に、架橋構造を持つPVPは、人体に対して安全無害であることが知られており、架橋構造を持つPVPを表面に被覆した酸化セリウム微粒子分散液は、紫外線遮蔽剤として好適であると云える。更に、架橋構造を持つPVPは、特異的にポリフェノールを吸着すると云う特徴があり、また、微粒子の粒径は、血管中を容易に移動するために好適であるため、シェル部に各種薬効成分を吸着させた微粒子は、ドラッグデリバリー用剤としても好適である。
紫外線遮蔽効果のある酸化セリウム微粒子を樹脂などに分散させ、繊維状、バルク状など任意に成形したものなども紫外線遮蔽の効果が期待される。酸化セリウム微粒子分散液は、非常に安定であるので、それから容易に酸化セリウム多孔質厚膜が形成し易く、しかも、その厚膜は、粒径の揃った球状微粒子から構成されたものが得られる。上記酸化セリウム多孔質厚膜は、この微細構造により、ガスセンサとして有効に機能する。
本発明の乾燥粉体を、分散媒に再分散しても、容易に分散するが、これは、一般の粉体と異なる特性である。一般には、粉体を一度乾燥させると、強固に凝集するため、粉体を再分散させようとしても容易に分散しない。しかし、本発明の乾燥粉体は、例えば、超音波ホモジナイザーを使うだけで、分散剤を必要とすることなく、容易に分散させることができ。
このときの分散媒は、任意であり、好適には、例えば、水、エタノール、テルピネオール、エチレングリコールのいずれか一つ、あるいは、複数混合している混合溶液、である。これらの分散媒に、上記コアシェル型酸化セリウム微粒子を再分散させても、分散媒中での粒径は、SEM観察で求めた粒子径の2倍以下、好ましくは1.5倍以下、より好ましくは、1.3倍以下であり、コアシェル型酸化セリウム微粒子は、凝集せずに存在する。このような、再分散容易性は、コアシェル型酸化セリウム微粒子のシェル部分に架橋構造を持つ高分子が存在していることに起因すると考えられる。また、乾燥粉体に、300℃から500℃で熱処理を加えても、良好な分散性は保持される。これは、熱処理を加えても、酸化セリウム微粒子の表面に、架橋構造を持つ高分子又は有機化合物がわずかに存在していることに起因するものと考えられる。本発明では、同様にして、コアシェル型金属酸化物微粒子分散液を製造し、提供することができる。
本発明により、次のような効果が奏される。
(1)シェル部分が架橋構造を有する高分子で構成されているコアシェル型金属酸化物微粒子、その分散液及びそれらの用途を提供することができる。
(2)粒径が50nmから200nm程度で、粒径分布(粒径の標準偏差)が小さく、球状で、液中での分散性が良好である、コアシェル型酸化セリウム微粒子及びその分散液を提供することができる。
(3)容易に再分散する、コアシェル型酸化セリウム微粒子の乾燥粉体を提供することができる。
(4)本発明のコアシェル型酸化セリウム微粒子分散液は、熱処理を加えても、良好な分散性が保持される。
(5)任意の分散媒に分散したコアシェル型酸化セリウム微粒子分散液を提供することができる。
(6)長期間にわたり粘度や性質に変化がない、安定性に優れたコアシェル型酸化セリウム微粒子分散液を提供することができる。
(7)高粘度であるコアシェル型酸化セリウム微粒子分散液、すなわち、コアシェル型酸化セリウム微粒子ペーストを提供することができる。
(8)コアシェル型酸化セリウム微粒子及び当該酸化セリウム微粒子の分散液の簡便な製造方法を提供することができる。
(9)高濃度の酸化セリウム微粒子分散液が得られる。
(10)上記コアシェル型酸化セリウム微粒子を焼成して、高分子を酸化除去することにより、球状の酸化セリウム微粒子が得られる。
(11)上記コアシェル型金属酸化物微粒子、その分散液からなる化粧品用剤、ドラッグデリバリー用剤、反射防止膜用剤を提供することができる。
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
30cmのエチレングリコール(EG)(和光純薬製)に、ポリビニルピロリドン(PVP)及びCeの塩を加え、撹拌した。加えたPVPの濃度は、16kg/m又は120kg/mとした。平均分子量がカタログ値で10000、ゲルパーミッションクロマトグラフィー(GPC)による分析値で4350(ポリエチレングリコール換算)のPVP(シグマアルドリッチ製)を用いた。Ceの塩は、(NHCe(NO(和光純薬製)又はCe(NO・6HO(高純度化学製)を用い、その濃度は0.080、0.400、0.600kmol/mとした。
混合物を加熱し、190℃で所定の時間加熱・還流した。実験条件を表1に示す。加熱・還流実験中に、茶色のガスが発生し、その後、溶液は、白濁した。所定時間加熱・還流した後、白濁した混合溶液が得られた。次に、未反応物や、余分なPVPを除去するために、白濁した溶液の一部を3000から10000rpmの条件で遠心分離し、水及びエタノールで洗浄した。洗浄後、80℃で乾燥させ、粉体を得た。得られた粉体について、X線回折(XRD)により生成物を同定した。
また、表1に、XRDで同定した生成物を示す。サンプル1−1から1−3の生成物は、酸化セリウムであった。サンプル1−4には、酸化セリウムだけでなく、Ce(HCOO)も存在した。サンプル1−6,7は、酸化セリウムではなかった。このことから、酸化セリウムを得るための必要条件として、セリウムの塩としては、Ce(NO・6HOが好適であることが分かった。酸化セリウムのみが得られたのは、サンプル1−1,2,3,5であった。
原料濃度は、高い方が好ましい。これは、1回の実験で得られる酸化物微粒子が多い方が好ましいためである。硝酸セリウムの濃度が0.400kmol/m以上を前提に考えると、PVP濃度が120kg/mであること又は加熱・還流時間が10〜20分間と短いことは、酸化セリウムを得るための十分条件であることが分かった。加熱・還流時間については、短いと、未反応のセリウムイオンが存在するため、できるだけ長い方が好ましい。ただし、長過ぎると、酸化セリウムがエチレングリコールなどと反応し、Ce(HCOO)などが生成するため、好適な加熱・還流時間が存在する。実施例1における実験条件では、加熱・還流時間は、10分から120分間が好ましいという結論が得られた。
30cmのEG(和光純薬製)に、平均分子量がカタログ値で10000、GPCによる分析値で4350(ポリエチレングリコール換算)のPVP(シグマアルドリッチ製)及びCe(NO・6HO(高純度化学製)を加え、撹拌した。加えたPVPの濃度は16kg/mから160kg/mとした(表2を参照)。Ce(NO・6HOの濃度は、0.400kmol/mとした。混合物を加熱し、190℃で10〜20分間加熱・還流した。ただし、サンプル2−4は、加熱・還流時間を120分まで延ばしても、次に示す反応が生じなかった。
サンプル2−1は、実施例1で示したサンプル1−2と同じものである。サンプル2−1から3では、加熱・還流実験中に、茶色のガスが発生し、その後、溶液は、白濁した。所定時間加熱・還流した後、白濁した混合溶液(分散液)が得られた。次に、未反応物及び余分なPVPを除去するために、白濁した溶液の一部を3000rpmから10000rpmの条件で遠心分離し、水及びエタノールで洗浄した。これを、80℃で乾燥させ、粉体を得た。
分散液の粒度分布をDLS法により調べた。DLS法では、粒径を求めるために、溶媒の粘度及び屈折率が必要である。B型粘度計を用いて、分散液の粘度を調べ、それを溶媒の粘度として用いた。B型粘度計は、コーンアンドプレートタイプであった。また、屈折率として、エチレングリコールの値(1.429)を用いた。平均粒径は、キュムラント解析法により求めた。80℃で乾燥した粉体については、XRD、SEMによりキャラクタリゼーションした。また、分散液の長期安定性については、容器にサンプルを入れ、放置し、観察した。表2に、実験条件及び実験結果を示す。
前述の通り、サンプル2−4は、白濁せず、分散液が得られなかった。サンプル2−1から3では、生成物は、酸化セリウムであった。サンプル2−1では、分散質の平均粒径は1330nmと大きく、SEM観察の結果も、それを支持し、しかも、すぐに沈殿した。一方、サンプル2−2,3では、分散質の平均粒径は、約110nmであった。サンプル2−2,3のSEM写真を、それぞれ図1、2に示す。粒径が約110nmの球状の微粒子が観察され、DLSで求められた平均粒径と一致した。このことから、粒径110nmの球状のコアシェル型酸化セリウム微粒子が独立して分散液中に分散していることが明らかとなった。
また、PVP濃度が小さいと、安定な分散液が得られないこと及びPVP濃度が大きいと、反応が生じないことが分かり、安定なコアシェル型酸化セリウム微粒子分散液を得るための好適なPVP濃度が存在することが分かった。この実施例から、その十分条件として、PVP濃度は、80kg/mから105.6kg/mであることが示された。また、次に示す実施例から、PVP濃度は、120kg/mであることも安定な酸化セリウム微粒子分散液を得るための十分条件であることが示された。
Ceの塩としてCe(NO・6HO(高純度化学製)を用い、その濃度を0.600kmol/mとしたこと、及びPVPの濃度を120kg/mとした以外は、実施例1と同じ方法で分散液を作製し、次に、分散媒置換の実験を以下の手順で行った。遠心分離で分散媒と分散質を分離し、分離後の分散質にテルピネオールを加え、超音波ホモジナイザーを使い、分散させた。分散時間は、4分であり、冷却しながら、分散させた。
分散媒置換後の分散液について、DLSにより平均粒径を求めた。その結果を表3に示す。粒径は、分散媒置換前のDLSの結果とほぼ同じであった。分散媒置換しても、酸化セリウム微粒子は、凝集なしに分散していることが確認できた。また、非常に安定しており、10日以上放置しても分離しなかった。
Ceの塩として、Ce(NO・6HO(高純度化学製)を用い、その濃度を0.600kmol/mとしたこと、及びPVPの濃度を120kg/mとした以外は、実施例1と同じ方法で、あるいはエチレングリコールの体積は異なるが、それ以外は、上記と同じ条件で作製した粉体について、フーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)、熱重量(TG)、透過電子顕微鏡(TEM)、及び13C固体核磁気共鳴(13C固体NMR)によりキャラクタリゼーションを行った。TGの結果、220℃付近で15%近い重量減少が認められた。すなわち、分散媒の沸点(190℃)よりも高温で重量減少が生じた。
乾燥粉体を900℃まで加熱することにより、22wt%の重量減少があった。作製日が異なる別のサンプルでは、19wt%の重量減少であり、おおよそ19から22wt%の重量減少があることが分かった。また、FTIRの結果、酸化セリウムに起因するピーク以外のピークが観察された。上記乾燥粉体は、遠心分離と水やエタノールへの再分散を3回行っていることから、酸化セリウム微粒子と無関係な余分な高分子は除去されている。また、乾燥を行っていることから、分散媒も十分除去されている。
それによって、FTIRで観察された酸化セリウム以外の吸収ピークは、コアシェル型酸化セリウム微粒子表面に存在するものに起因するものであること、及び、それは高分子の吸収と似ていること、が示された。また、TEM観察の結果を図3に示す。粒子表面(シェル部分)に、5nm程度の高分子の層らしいものが観察された。これは、長時間のTEM観察により層が減少することも明らかになっており、電子線により分解していることも示唆された。以上のことから総合的に考えて、酸化セリウム微粒子の表面に高分子が存在していること、すなわち、コアシェル型であることが明らかとなった。
粉体のXRDパターンのピークの半値幅から、Hallの式を使って結晶子(一次粒子)の大きさを求めると、約3nm程度であることが分かった。TEM観察の結果からも、一次粒子の大きさは1から2nm程度であることが確認された。また、一次粒子間には隙間などなく、高密度に一次粒子が集合した二次粒子であることが分かった。酸化セリウム微粒子の表面にPVPが付着していることから、酸化セリウムが、直接人体と触れることがなく、化学的に不活性な紫外線遮蔽剤であることが期待される。
微粒子粉体の13C固体NMRスペクトルを、PVP単体と比較すると、以下の3点の特徴が観察された。(a)PVP単体では、175ppmに検出されるカルボニル炭素のピークが、微粒子粉体では、低磁場側にも高磁場側にもブロード化し、複数の成分で構成さている。(b)80−60ppmで、新たなピークが検出される。(c)55−25ppmのピークについて、全体的にブロード化している(図4、図5)。
まず、カルボニル炭素のピークに注目すると、PVP単体で観察される175ppmよりも低磁場側のピーク(177ppm)は、ポリビニルポリピロリドン(PVPP)単体で観察されるカルボニル炭素のピーク位置と一致する。PVPPは、PVPのピロリドン基が開環して架橋構造を作っているため、本発明におけるコアシェル型酸化セリウム微粒子のシェル部においても、PVPが架橋構造を有していることが明らかとなった。以下の化学式(a)に示す様に、PVPのピロリドン基が開環しながら別のピロリドンとアミド結合を形成し、架橋構造を形成するものと考えられる。この反応は、酸性条件下において、プロトン付加で進行しやすい。コアシェル型酸化セリウム微粒子は、合成時に、硝酸塩の分解によるNOが発生すること、及び溶媒中には水が混入していることから、この様な反応が進行するものである。
また、酸性条件下において、アミド結合は、加水分解反応が生じる(反応式(b))。開環してカルボン酸が生成した場合、カルボニル炭素のNMRピークは、低磁場側にシフトする。また、カルボニル以外の炭素のシフト値も変化するので、上記(c)の特徴を満たす。尚、反応式内の数値は、経験則に基づいた理論上のケミカルシフト計算値を示す。従って、反応式(b)に示す成分も、シェル部分に存在している可能性が高い。
更に、反応式(c)に示すように、ピロリドン基は、溶媒のEGとのエステル反応で開環する。平衡反応であるが、EGが大量に存在するため、平衡は右に移動する。このとき、カルボニル炭素のピークは、反応式中の理論上のケミカルシフトの計算値(172ppm)からも分かるように、高磁場側にシフトする。EGは、両末端に水酸基を有するため、EGを介したPVPの架橋構造が形成される。EGのアルキル炭素は、70ppm付近にピークを有する。図5では、PVP単体には観察されないピークが、70ppm付近に出現しており、このことは、シェル部でEGを介したPVPの架橋構造が形成されていることを示している。また、カルボニル以外の炭素のケミカルシフト値も変化するので、上記(c)の特徴と矛盾しない。
以上のように、コアシェル型酸化セリウム微粒子のシェル部分では、架橋構造を有していることが確認できる。
実施例4で示した粉体(分散液から分離後の粉体)を、水、エタノール、テルピネオール、エチレングリコールに再分散した。再分散に用いた粉体は、乾燥後の粉体である。粉体と分散媒の割合は、0.1gの粉体に対して5cmの分散媒とした。粉体を分散媒に入れ、超音波ホモジナイザーを使って、分散させた。分散時間は、3から10分であり、冷却しながら、分散させた。このとき、分散剤は、用いなかった。
分散後の分散液中のコアシェル型酸化セリウム微粒子の粒径について、DLS法を用いて調べた。その結果を表4に示す。測定前には、手で二、三度振って撹拌した。分散後1及び8日経過後の粒径は、115〜135nmであり、粉体の粒径と同じか、わずかに大きいだけであった。このことから、乾燥後の粉体であっても、再分散が容易であり、再分散後の酸化セリウム微粒子の平均粒径は、SEM観察で求めた粒子径の1から1.3倍であることが分かった。
すなわち、球状の酸化セリウム微粒子が、ほぼ凝集することなしに、分散していることが分かった。7日間静置しても、テルピネオールに分散したサンプル5−3では、分離が認められなかった。水やエタノールに分散したサンプル5−1,2についても、わずか上部に透明層があるだけであった。手で二、三度軽く振るだけで、すぐに均一になった。このことから、乾燥粉体を再分散した分散液は、長期安定性があると判断された。
30cmのEG(和光純薬製)に、PVP(表3のPVP B)及びCe(NO・6HO(高純度化学製)を加え、撹拌した。加えたPVPの濃度は、120kg/mとした。Ce(NO・6HOの濃度は、0.600kmol/mとした。混合物を加熱し、190℃で120分間加熱・還流した。これらは、実施例1のサンプル1−5と同じ作製条件である。加熱・還流実験中に、茶色のガスが発生し、その後、溶液は、白濁した。所定時間加熱・還流した後、白濁した混合溶液(分散液)が得られた。次に、未反応物及び余分なPVPを除去するために、白濁した溶液の一部を18000rpmの条件で遠心分離し、水及びエタノールで洗浄した。これを、80℃で乾燥させ、粉体を得た。
実施例2に示した方法と同様の方法で、表5の各結果を求めた。生成物は、実施例1でも示したように、酸化セリウムであった。DLS法で求められた平均粒径は、110nmであった。一方、SEM観察から求めた平均粒径は、約130nmであり、DLS法で求めた粒径とほぼ同じであった。このことから、コアシェル型酸化セリウム微粒子の球状の微粒子は、凝集せずに存在することが分かった。
加熱・還流時間が30分以下であっても、120分であっても、わずかに粒径が大きくなる程度で、得られる微粒子の特性として、ほとんど違いがなかった。ただし、得られる微粒子の重量は、前者のほうが少なかった。すなわち、歩留まりが良くなかった。加熱・還流時間を延ばすことにより、未反応のセリウムイオンを少なくし、かつ、得られる微粒子の重量が増えた。
図6に、実験条件とその結果得られる微粒子及び分散液の関係を示した。硝酸セリウム濃度が0.400kmol/m以上の条件において、得られる微粒子が酸化セリウムであって、かつ、分散性に優れているための必要条件は、PVP濃度が80kg/m以上である。得られる微粒子が酸化セリウムであって、かつ、分散性に優れていて、かつ、歩留まりが良いための必要条件は、PVP濃度が80kg/m以上、かつ加熱・還流時間が30分より大きい、という条件である。
実施例6で得られた粉体を水に再分散させた再分散液(サンプル7−1)と、実施例6で得られた粉体を一度300℃4時間空気中で熱処理をした粉体を水に再分散させた再分散液(サンプル7−2)の分散液中での平均粒径を、DLS法により求めた。この結果を表6に示す。分散液は、粉体0.1gを水5cmに加え、超音波ホモジナイザーを用いて10分の条件で分散させ得た。
サンプル7−1及び7−2の分散液中での平均粒径は、いずれも、SEM観察で求めた粒子径の1.2倍以下であり、分散液中でコアシェル型酸化セリウム微粒子の凝集は、ほとんどないことが分かった。このことから、熱処理しても、粉体の良好な分散性は保持されることが分かった。300℃又は500℃4時間空気中での熱処理を加えた粉体のFTIR結果から、300℃又は500℃4時間空気中の熱処理をした粉体の表面にも、熱処理を加えていない粉体とほぼ同じ構造を有する高分子又は有機化合物の極薄い層が付着していることが示唆された。この付着した高分子又は有機化合物の存在が、分散性の保持に起因していると推察された。
30cmのEG(和光純薬製)に、平均分子量がカタログ値で10000のPVP(シグマアルドリッチ製)及びCe(NO・6HO(高純度化学製)を加え、撹拌した。加えたPVPの濃度は、120kg/mとした。Ce(NO・6HOの濃度は、0.600kmol/mとした。
混合物を加熱し、種々の温度で加熱・還流した。実験条件を表7に示す。サンプル8−1から8−5までは、加熱・還流後の液は白濁していたため、実施例2とほぼ同様の方法で、分散液から微粒子を分離し、SEMやXRDによるキャラクタリゼーションを行った。サンプル8−6、8−7は、加熱・還流した後も白濁しなかったため、サンプル8−6について、150℃で乾燥機を使って、乾燥又は80℃でエバポレータによる乾燥を行い、SEMやXRDによるキャラクタリゼーションを行った。150℃では、すぐに溶媒が揮発し、乾燥体が得られた。
表7で明らかなように、加熱・還流温度が110℃以上と100℃以下では、明らかに異なる結果が得られた。表7の通り、加熱・還流温度が190℃より低くなるにつれ、白濁が開始するのに時間がかかった。また、濁りが強くなるのも、温度が低い方が時間がかかった。110℃以上の加熱・還流温度では、全て球状の粒子が観察され、コアシェル型の微粒子が得られることが示された。
一方、100℃以下では、22時間加熱・還流しても白濁しなかった。加熱・還流した後の溶液(分散液)は、透明感が有り、白濁とは云えなかった。サンプル8−6を150℃で乾燥させた粉体のXRDパターンは、酸化セリウム(CeO)の回折ピークが見られ、また、エバポレータを使って80℃で乾燥させた粉体のXRDパターンにも、酸化セリウム(CeO)の回折ピークが、わずかであるが見られた。
これによって、粉体には、酸化セリウムが含有することが確認できた。サンプル8−6を150℃で乾燥させた粉体のSEM観察の結果、コアシェル型の粒子は、観察されなかった。これによって、得られた粉体は、酸化物と高分子の複合組成物と考えられる。以上のことから、加熱・還流温度が110℃より低い場合は、コアシェル型の微粒子は得られないことが分かった。換言すると、コアシェル型の酸化セリウム微粒子を得るには、110℃以上の温度が必要であることが分かった。
以上詳述したように、本発明は、酸化セリウムの一次粒子が球状に集合した二次粒子がコア部分であり、その二次粒子表面にシェル部分となる高分子の層が存在するコアシェル型酸化セリウム微粒子であって、前記シェル部分が架橋構造を有する高分子で構成されていることで特徴付けられるコアシェル型酸化セリウム微粒子、又はそれを含有する分散液、及びそれらの製造方法に係るものであり、本発明により、粒径が50nmから200nm程度で、粒径分布(粒径の標準偏差)が小さく、球状で、液中での分散性が良好であるコアシェル型酸化セリウム微粒子及びその分散液を提供することができる。また、本発明により、上記コアシェル型酸化セリウム微粒子、及び当該コアシェル型酸化セリウム微粒子の分散液の簡便な製造方法を提供することができる。本発明は、例えば、触媒、フォトニック結晶、ガスセンサ、化学的機械的研磨剤、紫外線遮蔽剤、ドラッグデリバリーなどに適用可能な、酸化セリウム微粒子、それを含む分散液、及びその製造方法を提供するものとして有用である。
サンプル2−2のSEM像を示す。 サンプル2−3のSEM像を示す。 実施例4の粉体のTEM像を示す。下の図は、高倍率像である。 実施例4の粉体(太線)とPVP単体(細線)の13C固体NMRスペクトルを示す。 実施例4の粉体(太線)とPVP単体(細線)の13C固体NMRスペクトルを示す。 実験条件とその結果得られる微粒子及び分散液の関係を示す。

Claims (18)

  1. 金属酸化物の一次粒子が球状に集合した二次粒子がコア部分であり、その二次粒子表面にシェル部分となる高分子の層が存在するコアシェル型金属酸化物微粒子であって、前記シェル部分が架橋構造を有する高分子で構成されていることを特徴とするコアシェル型金属酸化物微粒子。
  2. 架橋構造を有する高分子が、ポリビニルピロリドンが架橋した高分子である、請求項1に記載のコアシェル型金属酸化物微粒子。
  3. ピロリドン環が開環し、他の開環したピロリドン環とアミド結合を形成することで架橋構造が形成された、請求項2に記載のコアシェル型金属酸化物微粒子。
  4. 2つのピロリドン環が開環し、同じグリコール分子とエステル結合を形成することで架橋構造が形成された、請求項2に記載のコアシェル型金属酸化物微粒子。
  5. 架橋構造を形成するグリコールが、エチレングリコールである、請求項4に記載のコアシェル型金属酸化物微粒子。
  6. 架橋構造を有する高分子が、水あるいはアルコールに難溶性である、請求項1から5のいずれか1項に記載のコアシェル型金属酸化物微粒子。
  7. 金属酸化物が、酸化セリウムである、請求項1から6のいずれか1項に記載のコアシェル型金属酸化物微粒子。
  8. 微粒子の粒径の平均が30nmから200nmであり、該微粒子の粒径の変動係数が0.25より小であり、コア部分の二次粒子径が揃っており、シェル部分は洗浄してもコア部分の二次粒子から分離することがなく、シェル部分は5wt%から25wt%の割合で存在している、請求項1から7のいずれか1項に記載のコアシェル型金属酸化物微粒子。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載のコアシェル型金属酸化物微粒子を含有する乾燥粉体であって、1)分散剤を添加していない分散媒に良好に分散する性質を有する、2)分散媒中で1日以上静置させても沈降が認められない、3)熱処理を加えても分散性が良好である、ことを特徴とするコアシェル型金属酸化物微粒子粉体。
  10. 請求項9に記載のコアシェル型金属酸化物微粒子粉体に、300℃から500℃の温度で熱処理を加えてなる金属酸化物微粒子粉体であって、1)分散剤を添加していない分散媒に良好に分散する性質を有すること、2)分散媒中で1日以上静置させても沈降が認められないこと、を特徴とする金属酸化物微粒子粉体。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載のコアシェル型金属酸化物微粒子又はコアシェル型金属酸化物微粒子粉体を、分散媒中に分散したことを特徴とするコアシェル型金属酸化物微粒子分散液。
  12. 請求項10に記載の金属酸化物微粒子粉体を、分散媒に再分散した、請求項11に記載の金属酸化物微粒子分散液。
  13. 前記分散媒が、水、アルコール系有機溶媒のいずれか一つ、あるいは、複数混合している混合溶液である、請求項9又は10に記載のコアシェル型金属酸化物微粒子粉体又は金属酸化物微粒子分散液。
  14. 請求項1から13のいずれかに記載のコアシェル型金属酸化物微粒子、金属酸化物微粒子粉体又は金属酸化物微粒子分散液を製造する方法であって、金属塩とポリビニルピロリドンをアルコール系高沸点有機溶媒に混合して混合物を得る工程と、その混合物を110℃以上の温度で加熱・還流して金属酸化物微粒子を析出する工程と、シェル部の高分子のピロリドン環が開環して、他の開環したピロリドン環とのアミド結合、もしくは、グリコール分子とのエスエル結合の形成を促進させることで架橋構造とする工程を有することを特徴とする、コアシェル型金属酸化物微粒子、金属酸化物微粒子粉体又は金属酸化物微粒子分散液の製造方法。
  15. 前記高分子の濃度(単位有機溶媒体積当たりに添加した高分子重量)が、80kg/mから120kg/mであり、シェル部の高分子を架橋構造とする、請求項14に記載のコアシェル型金属酸化物微粒子、金属酸化物微粒子粉体又は金属酸化物微粒子分散液の製造方法。
  16. 請求項1から13の何れかに記載のコアシェル型金属酸化物微粒子、金属酸化物微粒子粉体又は金属酸化物微粒子分散液を構成要素として含むことを特徴とする化粧品用剤。
  17. 請求項1から13の何れかに記載のコアシェル型金属酸化物微粒子、金属酸化物微粒子粉体又は金属酸化物微粒子分散液を構成要素として含むことを特徴とするドラッグデリバリー用剤。
  18. 請求項1から13の何れかに記載のコアシェル型金属酸化物微粒子、金属酸化物微粒子粉体又は金属酸化物微粒子分散液を構成要素として含むことを特徴とする反射防止膜用剤。
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