以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る空気調和装置10の配管系統を示している。この空気調和装置10は、冷房運転と暖房運転とが可能なヒートポンプ式の空気調和装置10である。図1に示すように、空気調和装置10は、室外に設置される室外機11と、室内に設置される室内機12とを備えている。室外機11と室内機12とは、第1接続配管13及び第2接続配管14を介して接続されている。空気調和装置10には、これら接続配管13,14を含む配管が閉回路状に接続された冷媒回路18が設けられている。冷媒回路18には、主として、室内熱交換器20、圧縮機23、油分離器24、室外熱交換器25、膨張機構である膨張弁26、アキュムレータ27、四方切換弁28が設けられている。冷媒回路18では、冷媒が循環することにより、蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。
室内熱交換器20は、冷媒を室内空気と熱交換させるための熱交換器であり、室内機12に設けられている。室内熱交換器20として、例えばクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器等を採用することできる。室内熱交換器20の近傍には、室内空気を室内熱交換器20へ送風するための室内ファン(図示省略)が設けられている。
圧縮機23、油分離器24、室外熱交換器25、膨張弁26、アキュムレータ27、四方切換弁28は、室外機11に設けられている。これらは、何れもケーシング30(図2〜図5参照)内に収容されている。
圧縮機23は、吸入ポート、圧縮機構及び吐出ポートを有し、吸入ポートから吸入した冷媒を圧縮機構で圧縮して、吐出ポートから吐出する。圧縮機23としては、例えば、スクロール圧縮機等の種々の圧縮機を採用することができる。
油分離器24は、圧縮機23から吐出された潤滑油及び冷媒の混合流体から潤滑油を分離するためのものである。分離された冷媒は四方切換弁28へ送られ、潤滑油は圧縮機23に戻される。
室外熱交換器25は、冷媒を室外空気と熱交換させるためのものであり、例えばクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器等を採用できる。室外熱交換器25の近傍には、室外空気を室外熱交換器25へ送風(供給)するための室外ファン(送風手段)31が設けられている。
膨張弁26は、冷媒回路18において室外熱交換器25と室内熱交換器20との間に配設され、流入した冷媒を膨張させて、所定の圧力に減圧させる。膨張弁26として、例えば開度可変の電子膨張弁26を採用することができる。
アキュムレータ27は、流入した冷媒を気液分離するものであり、冷媒回路18において圧縮機23の吸入ポートと四方切換弁28との間に配設されている。アキュムレータ27で分離されたガス冷媒は、圧縮機23に吸入される。
四方切換弁28には、第1〜第4の4つのポートが設けられている。四方切換弁28は、第1ポートと第3ポートとを連通すると同時に第2ポートと第4ポートとを連通する第1状態(図1において実線で示す状態)と、第1ポートと第4ポートとを連通すると同時に第2ポートと第3ポートとを連通する第2状態(図1において破線で示す状態)とに切換可能となっている。第1ポートは、油分離器24を介して圧縮機23の吐出ポートに接続され、また第2ポートは、アキュムレータ27を介して圧縮機23の吸入ポートに接続され、また第3ポートは、室外熱交換器25に接続され、また第4ポートは、第1接続配管13を介して室内熱交換器20に接続されている。空気調和装置10が冷房運転を行うときには、四方切換弁28は第1状態に切り換えられ、暖房運転を行うときには、四方切換弁28は第2状態に切り換えられる。
冷媒回路18の液側配管には、電装品モジュール35の発熱部を冷却するための冷却部である冷媒ジャケット37が接合されている。図例では、冷媒ジャケット37が接合される液側配管は、冷媒回路18における室外熱交換器25と膨張弁26との間の液側配管となっているが、冷媒ジャケット37が接合される冷媒配管は、これに限られない。ただし、冷却能力を考慮すれば、冷媒ジャケット37は、液側配管に接合されるのが好ましい。
冷媒ジャケット37に接合された配管には、冷房運転時には、室外熱交換器25で凝縮した冷媒が流れ、暖房運転時には、室内熱交換器20で凝縮し、膨張弁26で減圧された冷媒が流れる。これらの冷媒の温度は、運転条件等によって異なるが、例えば冷房運転時で40〜45℃程度である。
冷媒ジャケット37は、扁平状に形成されていて、電装品モジュール35の所定位置に面接合可能に構成されている。電装品モジュール35は、冷媒回路18の動作制御を行うための電装品組立体であり、室外機11に設けられている。電装品モジュール35及び冷媒ジャケット37の詳細な構成については後述する。
図2〜図5に示すように、室外機11は、基台としての底板30aと、この底板30aの周縁部に立設された側板30bと、側板30bの上端部に設けられる天板30cとからなるケーシング30を備える。ケーシング30の側板30bは、互いに略平行な前面側板130及び背面側板131と、これら前面側板130と背面側板131との幅方向両端部(即ち、前面から見たときの左側端部同士及び右側端部同士)をそれぞれつなぐ一対の側面側板132とで構成されている。さらに、前面側板130は、左右に並ぶ2枚の前板(第1前板130a及び第2前板130b)により構成されている。このように構成されるケーシング30によって、室外機11は、全体として略直方体形状の外観を呈している。
このケーシング30の内部には、当該ケーシング30内の空間を2つの空間に区切る仕切り板39が設けられている。仕切り板39は、ケーシング30内空間の下端部から上端部に亘る大きさを有していて、ケーシング30の底板30aに立設されるように設けられている。この仕切り板39により、ケーシング30内空間は、室外熱交換器25及び室外ファン31が収容される熱交換室40と、圧縮機23、油分離器24、電装品モジュール35等が収容される機械室41とに仕切られている。
熱交換室40は、前面から見たときの左側に位置し、機械室41は、前面から見たときの右側に位置している。ケーシング30の前面側板130を構成する2枚の前板130a,130bのうち、第1前板130aは、熱交換室40の前面に配置され、熱交換室40に取り入れられた室外空気をケーシング30の外部へ吹き出すための吹き出し口が開口しており、第2前板130bは、機械室41の前面に配置されている。
第2前板130bは、右側の端部が背面側に折り曲げられ、平面から見てL字形となっている(図5参照)。第2前板130bの右下端部には、切欠き部135が形成されている。具体的には、前面側幅方向の略中央部から折り曲げ部位の後端部にかけて切り欠かれている。この切欠き部135を塞ぐようにカバー部材150が配設されている。
カバー部材150は、平面からみてL字形に折り曲げられた板状の部材であり、底板30aに立設されるように設けられる。このカバー部材150の正面側と右側面側とには、その一部(蓋部151)を取り外すことにより、ケーシング30内部から配管を引き出すことができる配管引出穴(図6参照)が開口するように構成されている。この配管引出穴は、ケーシング30内部と外部とを連通し、第1接続配管13及び第2接続配管14のケーシング30内からの引き出しに用いられる。これら前面側の蓋部151と右側面側の蓋部151とは、室外機11の設置状況に応じた第1接続配管13及び第2接続配管14の室外機11(ケーシング30)からの引き出し方向に基づいて選択的に取り外される。
例えば、室外機11が設置され、この室外機11の側面から第1接続配管13及び第2接続配管14が引き出される場合には、図6に示されるように、カバー部材150の右側面側の蓋部151が取り外され、開口した配管引出穴を通じて第1接続配管13及び第2接続配管14が引き出される。尚、本実施形態では、前記配管引出穴を通じて引き出される第1接続配管13及び第2接続管は、テープ等により束ねられている。
このように、第1接続配管13及び第2接続管14が配設されたときに、カバー部材150の配管引出穴周縁部と第1接続配管13及び第2接続配管14との間に生じた間隙はパテや専用部材等によって埋められる。
また、カバー部材150には、開口部152が設けられている。この開口部152は、カバー部材150における各蓋部151の上方に設けられ、ケーシング30の内部と外部とを連通している。各開口部152は、水平方向に長く開口している。この開口部152からは、空気調和装置10の作動時に室外空気が機械室41内に流入する。
前面から見て右側の側面側板132(右側板132a)は、第2前板130bの前記折り曲げ部位と共にケーシング30の右側面を構成するため、左側の側面側板132(左側板132b)よりも幅が小さくなるように形成されている(図5参照)。この右側板132aの前端部には、その中間高さ位置に電装品モジュール35を固定するときに用いられるネジ穴133が設けられている(図15参照)。本実施形態では、2つのネジ穴133が上下に間隔をおいて設けられている。
仕切り板39は、底板30aから天板30cまでの高さを有し、その前端部が前面側板130(詳細には、第1前板130aの右端部)に結合され、後端部が室外熱交換器25の端部(図5における右側の端部)に結合されている。この仕切り板39は、前端部からケーシング30の背面側に向って拡がり、ケーシング30の奥行方向の略中央位置から室外熱交換器25の端部に向って右側に湾曲している(図5参照)。この仕切り板39の上部には、機械室41と熱交換室40とを連通する開口部39a(図7(b)参照)が設けられている。
この開口部39aは、上下方向に長く開口し、仕切り板39の後端側の湾曲している部位に設けられている。この部位は、前面から見て、仕切り板39の上部近傍に配置された油分離器24の裏側となる位置である(図7(a)及び図7(b)参照)。このように仕切り板39の開口部39aに対向する位置に油分離器24が配置されることにより、熱交換室40から開口部39aを通じて機械室41へ雨水等が浸入したとしても、油分離器24にぶつかって落下し、機械室41の前面側へ到達できない。後述するように、機械室41の前面側には電装品が配設されているため、この電装品が雨水等で濡れることを油分離器24により阻止している。尚、本実施形態においては、開口部39aと対向する位置に油分離器24が配設されているが、これに限定されず、他の冷媒回路構成要素でもよく、これら冷媒回路構成要素を支持する部材等でもよい。また、雨水等の機械室41前面側への浸入を阻止するための専用部材を別途設けてもよい。
仕切り板39の前端部には、右側板132aの前端部に設けられたネジ穴133と対応する所定の高さ位置に、電装品モジュール35を固定するための固定部位39bが設けられている。この固定部位39bは、仕切り板39から機械室41内へ向けて突出している部位であり、本実施形態では、上下に延びる略三角柱状の部位である。この固定部位39bの前面側の面には、ネジ穴134が設けられている。このネジ穴134は、上下に2つ並んでいる。
室外熱交換器25は、ケーシング30の底板30a上に設置されており、熱交換室40の下端部から上端部に亘る大きさを有する。そして、室外熱交換器25は、平面視でL字形に形成されており、背面側板131及び左側板132bに沿うように配設されている(図5参照)。
機械室41は、ケーシング30内空間の右側部において、図5に示すように、前後方向の全体を占めるように形成されている。そして、機械室41内における前面側に電装品モジュール35が配設されている。即ち、電装品モジュール35は、その前面がケーシング30の前面側板130(詳細には第2前板130b)におよそ平行になる姿勢で前面側板130の近傍に設置されている。したがって、室外機11から第2前板130bを取り外すと、電装品モジュール35の前面が最も手前側で露出する。電装品モジュール35の背面側(後ろ側)には、冷媒配管、アキュムレータ27等の冷媒回路構成要素が配設されている。
電装品モジュール35は、機械室41において高さ方向の中間部に配置されていて、図8に示されるように電装品モジュール35の上方及び下方は空間となっている。そして、電装品モジュール35は、幅方向の一端部(左端部)において仕切り板39に結合される一方、他端部(右端部)においてケーシング30の側板30b(右側板132a)に結合されている(図16参照)。
図9〜図12に示すように、電装品モジュール35は、保持部材44と、回路基板45と、端子台46と、保護部材である背面保護カバー47と、を有している。保持部材44は、ケーシング30の右側板132a及び仕切り板39に結合可能に構成された主部材51と、この主部材51に結合される樹脂製の介装部材52と、主部材51の上端に設けられる把持部材(板部材)53とを備えている。
主部材51は、板金からなる部材の適所に穴あけ加工を施すとともに、所定の形状になるように折り曲げ加工したものである。主部材51は、矩形状の主面部51aと、この主面部51aの側端部から折り曲げられた側面部51bと、主面部51aの上端部から折り曲げられた天面部51cとを有する。
主面部51aの左端部には、切り起こし片51d(図10参照)が設けられている。この切り起こし片51dは、電装品モジュール35の左端部を仕切り板39に結合するための部位である。具体的には、切り起こし片51dは、主面部51aの左端部から左側の側面部(左側面部)51bにかけてコの字状の切り込みが設けられ、この切り込みに囲まれた部位を前面側に引き起こすことにより形成される。この切り起こし片51dは、電装品モジュール35を固定するときに、仕切り板39の固定部位39bにおけるネジ穴134が設けられた面に沿うような形状に切り起こされている。この切り起こし片51dには、貫通孔51eが設けられている。本実施形態では、仕切り板39の固定部位39bに設けられた上下に並ぶ2つのネジ穴134に対応する位置に貫通孔51eがそれぞれ設けられている。この貫通孔51eにネジB1が挿通され、仕切り板39の固定部位39bのネジ穴134にこのネジB1が螺入されることにより、当該電装品モジュール35の左端部が仕切り板39に結合される(図16参照)。
左右の側面部51bのうち、前面からみて右側の側面部(右側面部)51bの背面側端部が外側に向けて主面部51aと平行になるように折り曲げられて被当接部153が形成されている。この被当接部153の上端部と下端部とには、電装品モジュール35が固定されるときに右側板132a前端部のネジ穴133に対応する位置に貫通孔153aが設けられている。この貫通孔153aは、電装品モジュール35の右端部を右側板132aに結合するのに用いられる。具体的には、電装品モジュール35をケーシング30内に配置する際に、貫通孔153aにネジB2が挿通され、右側板132aの前端部に設けられたネジ穴133にこのネジB2が螺入されることにより、当該電装品モジュール35の右端部がケーシング30の右側板132aに結合される(図16参照)。
介装部材52は、主部材51の主面部51aに結合されるものであり、回路基板45の熱が主部材51に伝わるのを抑制する。
把持部材53は、その先端側が主部材51の上端から水平面に沿って前面側に突出した板状の部材である。この把持部材53には、先端部に上下方向に貫通する貫通孔53aが設けられている。この貫通孔53aは、把持部材53を把持するときに作業者等が指を挿通させて当該把持部材53を把持するのに用いられる。この把持部材53は、前面から見て主部材51において中央よりも左寄りに設けられている。また、先端部と左右両側の端部とがそれぞれ上方に向って折り曲げられ、立ち上がり部53bが形成されている。この立ち上がり部53bによって把持部材53の強度が向上する。この把持部材53上には、貫通孔53aよりも後端側にリアクター56cが載置されている。
回路基板45は、主部材51の主面部51aにおける背面側に配設される背面側基板54(図9参照)と、主部材51の主面部51aにおける前面側に配設される前面側基板55(図10〜図12参照)とを備えている。これら各基板54,55は、互いに平行となるように電装品モジュール35に配設されている。
背面側基板54は、パワー素子56a(図13参照)及びパワー素子56a以外のコンデンサ等の素子56bを含む電装品56が複数実装される第1基板部54aと、パワー素子56a以外の素子56bからなる電装品56が複数実装される第2基板部54bとを備えている。第2基板部54bに実装される電装品56としては、例えばノイズフィルタ等が挙げられる。第2基板部54bは、電装品56が背面側になるように主部材51に固定されている。
第2基板部54bは、主部材51の主面部51aにおける上側部に結合されており、第1基板部54aは、第2基板部54bの下側に配設されている。第1基板部54aは、主部材51の主面部51aに結合された介装部材52に結合されている。すなわち、第1基板部54aは、主部材51に間接的に結合される一方、第2基板部54bは、主部材51に直接的に結合されている。
第1基板部54aに設けられるパワー素子56aとしては、例えば圧縮機制御用インバータ、ファンモータ制御用モジュール等が挙げられる。すなわち、第1基板部54aには、複数のパワー素子56aが実装されている。これらパワー素子56aは第1基板部54aの前面に実装されている。一方、第1基板部54aの背面には、パワー素子56a以外の電装品56が実装される。
前面側基板55の前面には、パワー素子56a以外の電装品56が多数実装されている。前面側基板55に実装される電装品には、試運転時やメンテナンス時等に作業者が操作するための電装品、制御動作状況を表示可能な電装品等が含まれている。前面側基板55は、主部材51の主面部51aにおいて、主として上側寄りに配設されている。すなわち、前面側基板55は、主面部51aにおいて、後述する伝熱板60が配設された場所よりも上方側に配設されている。
第1基板部54aに実装された複数のパワー素子56aの前面には、伝熱板60が面接合されている(図13参照)。即ち、伝熱板60は、これら複数のパワー素子56aの配設位置を包含する大きさの部材であり、例えばアルミニウム等の熱伝導性の高い材質で構成されている。
第1基板部54aは、主部材51の主面部51aにおける背面に結合された介装部材52の背面に結合されているが、主部材51の主面部51a及び介装部材52には、伝熱板60を挿通可能な大きさの開口部61(図9参照)が形成されている。そして、伝熱板60は、この開口部61を通して主部材51の前面側に露出している。なお、開口部61は、図9に破線で示すようにL字形となっている。
伝熱板60の前面には、冷媒ジャケット37が面接合されている。冷媒ジャケット37は、ねじ締結により伝熱板60に固定されている。
冷媒ジャケット37は、例えばアルミニウム等の熱伝導性の高い材質で構成された厚みのある板材からなり、冷媒回路18の冷媒配管18aが接合されている。すなわち、冷媒回路18の冷媒を流通させる冷媒配管18aに接合される冷媒ジャケット37が、伝熱板60を介してパワー素子56aに熱的に接続されている。したがって、伝熱板60は、パワー素子56aに接合されると共に、冷媒ジャケット37を熱的に接続可能な受け部として機能する。
図10及び図13に示すように、冷媒ジャケット37は、横長の長方形状に形成されると共に、長手方向に延びる溝(図13参照)が形成されている。この溝は上下に2つ設けられており、互いに平行となっている。この2つの溝にU字状に折り曲げられた冷媒配管18aが圧入されることにより、冷媒ジャケット37に冷媒配管18aが接合されている。冷媒ジャケット37に固定された冷媒配管18aは、冷媒回路18の冷媒を流通させる冷却用通路として機能する。尚、本実施形態では、冷媒ジャケット37の溝に冷媒配管18aを固定する構成としているが、これに限られるものではない。例えば、冷媒ジャケット37を貫通する貫通孔を2つ形成し、これらの一方に配管を接続すると共に、他方にU字管を接続する構成としてもよい。
冷媒ジャケット37に接合される冷媒配管18aは、冷媒回路18において室外熱交換器25と膨張弁26との間に設けられる配管(液側配管)の一部であるが、この冷媒配管18aは、上下方向に延びる一対の配管(延出部)18bの上端部につながっている。すなわち、このU字状に形成された冷媒配管18aの一端部は、上下方向に延びる一方の配管18bを介して室外熱交換器25の下端部に接続され、他端部は、上下方向に延びる他方の配管18bを介して膨張弁26に接続されている。尚、本実施形態において、上下方向に延びる一対の配管18bとは、それぞれ冷媒ジャケット37から見て下方に向かって延び、熱交換器25の下端部や膨張弁26に接続される前までの部位であり、且つ水平よりも下方側に向かって延びている部位である。
端子台46は、開位置P1(図11参照)と閉位置P2(図12参照)との間で位置を変更可能に主部材51に設けられている。そして、端子台46は、閉位置P2のときに主部材51の主面部51aとの間に冷媒ジャケット37を収納できるように主部材51との間に所定の収納空間を形成し、開位置P1のときに収納空間を解放するように構成されている。本実施形態では、端子台46が回動することにより、開位置P1と閉位置P2との間で端子台46の位置変更が行われる。そして、端子台46は、開位置P1のときに電装品モジュール35の前面側に突出し、当該電装品モジュール35を作業者等が保持するときの把持部も兼ねる。
この端子台46は、主部材51の主面部51aの前面において前面側基板55の下方に設けられている。そして、端子台46の前面側には、複数の端子接続部tが設けられている。
端子台46は、詳細には、板金からなる部材を所定の形状になるように折り曲げ加工したものであり、上端部を回転中心にして下端部を回動可能に主部材51の主面部51aに保持されている。端子台46は、矩形状の前面部46aと、この前面部46aの側端部から折り曲げられた側面部46bと、前面部46aの下端部から折り曲げられた底面部46cとを有する。これら前面部46aと両側面部46bと底面部46cとが、端子台46が閉位置P2のときに、主部材51の主面部51a及び伝熱板60と共に収納空間を画定する。前面から見て右側の側面部46bには、端子台46が閉位置P2のときの背面側先端部が外側に向かって折り曲げられた当接部146が形成されている。この当接部146は、端子台46が閉位置P2のときに、主部材51の右側の側面部51bの被当接部153に当接する部位である。当接部146には、端子台46が閉位置P2のときに被当接部153に設けられた下側の貫通孔153aと連通するような位置に貫通孔146aが設けられている。
前面部46aには、前記のように複数の端子接続部tが配置されている。本実施形態では前面部46aには端子接続部tが配置されているが、これに限定されず、他の電装品56が配置されてもよく、何も配置されない状態であってもよい。
このように構成される端子台46は、支持部Sを介して主部材51の主面部51aに回動可能に保持される。この支持部Sは、主面部51aから前面側に突出した部位である。具体的に、支持部Sは、上下方向に延び、前後方向に広がる板状の部位である。この支持部Sは、主面部51aにおいて端子台46の両側面部46bに対応する位置にそれぞれ設けられ、端子台46を主面部51aに回動可能に支持する。各支持部Sの上端部が端子台46の側面部46bの上端部と回動可能に連結されている。詳細には、端子台46と支持部Sとは、端子台46の両側端において、左右に重なっている側面部46bと支持部Sとの上端部同士を回動軸ボルトB3が貫通することにより回動可能に連結されている。各回動軸ボルトB3は、端子台46の両側部において水平方向の同一直線上に位置し、これにより当該回動軸ボルトB3を回転軸として端子台46を回動可能に支持部Sに連結する。このように支持部Sが端子台46を支持することにより、端子台46は、上端部を回転中心にして下端部が回動移動して開位置P1と閉位置P2との間で位置の変更が行われる。尚、端子台46の前面部46aが水平若しくは略水平となる位置まで端子台46が回動すると、前面部46aの上端が主面部51aに当接することにより、端子台46の回動が規制される。このように規制された位置が端子台46の開位置P1となる。
ここで、本実施形態の空気調和装置10の運転動作について説明する。
この空気調和装置10では、冷房運転を行うときは、四方切換弁28は第1状態に切り換えられる。圧縮機23で圧縮された冷媒は、油分離器24で油分が分離された後、四方切換弁28を経由して室外熱交換器25に流入する。
この冷媒は、室外熱交換器25において室外空気と熱交換されて凝縮し、液冷媒となる。具体的には、室外ファン31によりケーシング30の背面側板131に設けられた取り込み開口(図示省略)から室外空気が熱交換室40内に取り込まれ、前面側板130(詳細には第1前板130a)に設けられた吹き出し開口から、前記熱交換室40内に取り込まれた室外空気がケーシング30の外部へ吹き出す。このとき、前記取り込み開口と室外ファン31との間に室外熱交換器25が配設されているため(図5参照)、取り込まれた室外空気が室外熱交換器25を通過する。即ち、室外ファン31によって室外空気が室外熱交換器25に供給(送風)される。このようにして室外空気が室外熱交換器25を通過する際に、室外熱交換器25を介して冷媒と室外空気との熱交換が行われ、この熱交換により冷媒が凝縮して液冷媒となる。
このとき、熱交換室40内における仕切り板39に沿った空気(取り込まれた室外空気)の流れにより、仕切り板39の開口部39aから機械室41内の空気が熱交換室40側に吸引される。このように機械室41内の空気が熱交換室40側に吸引されると、機械室41内の圧力が低下するため、カバー部材150の開口部152から室外空気が機械室41内に取り込まれる。これにより、機械室41内においてカバー部材150の開口部152から仕切り板39の開口部39aへ向かう空気の流れが形成される(図14(a)及び図14(b)参照)。しかも、室外空気が流入する開口部152が機械室41を囲う側面の下部(カバー部材150)に設けられ、機械室41から空気が流出する開口部39aが機械室41を囲う側面の上部(仕切り板39の上部)に設けられているため、機械室41内の略全体に下方から上方に向かう空気の流れが形成される。この空気の流れによって電装品モジュール35だけでなく機械室41内に配置された他の部材も好適に冷却される。
前記のように室外熱交換器25において室外空気と熱交換され凝縮した液冷媒は、上下方向に延びる一方の配管18bを上方に向かって流れた後、冷媒ジャケット37に固定された冷媒配管18aを流れる。このとき、圧縮機23、ファンモータの駆動によってパワー素子56aが発熱していれば、パワー素子56aの発熱によって伝熱板60が加熱されているが、冷媒配管18aを流れる冷媒によって、この加熱された伝熱板60が冷却される。
冷媒配管18aを流れた冷媒は、上下方向に延びるもう一方の配管18bを下方に向かって流れた後、膨張弁26で減圧されて、室内熱交換器20に流入する。この冷媒は、室内熱交換器20において室内空気と熱交換されて気化する。
この熱交換によって室内空気は、冷却されて室内に吹き出される。室内空気によって加熱されて蒸発した冷媒は、四方切換弁28を経由してアキュムレータ27に流入する。アキュムレータ27では、冷媒が気液分離され、ここで気液分離されたガス冷媒は圧縮機23に吸入される。冷房運転時には、この冷媒循環が継続して行われる。
一方、暖房運転時には、四方切換弁28は第2状態に切り換えられる。圧縮機23から吐出された冷媒は、油分離器24及び四方切換弁28を経由して室内熱交換器20に導入される。室内熱交換器20において、冷媒は室内空気と熱交換されて凝縮する。この熱交換により、室内空気は加熱されて室内に吹き出される。室内空気によって冷却されて凝縮した冷媒は、膨張弁26で膨張され、その後、上下方向に延びる一方の配管18bを上方に向かって流れた後、冷媒ジャケット37に固定された冷媒配管18aを流れる。このとき、パワー素子56aの発熱によって加熱された伝熱板60を冷却する。
冷媒配管18aを流れた冷媒は、上下方向に延びるもう一方の配管18bを下方に向かって流れた後、室外熱交換器25に導入されて室外空気との熱交換が行われる。このとき、冷房運転時と同様に、熱交換室40を流れる室外空気に基づき、機械室41内の略全体に下方から上方へ向う空気の流れが形成される。
室外熱交換器25において熱交換が行われ、蒸発した冷媒は、四方切換弁28を経由してアキュムレータ27に流入する。ここで気液分離されたガス冷媒は圧縮機23に吸入される。暖房運転時には、この冷媒循環が継続して行われる。
次に、電装品モジュール35の室外機11への配設手順について図15及び図16も参照しつつ説明する。
端子台46が開位置P1に回動され、この開位置P1の端子台46と把持部材53とが把持されることにより、電装品モジュール35が保持される。このとき、当該電装品モジュール35を保持する作業者等は、把持部材53の先端側に設けられた貫通孔53aに指を挿通するようにして当該把持部材53を把持する。
機械室41の前面が開口している状態の室外機11内に前記保持された電装品モジュール35が運び込まれる。具体的に、電装品モジュール35は、機械室41における冷媒ジャケット37の背面側上方位置まで室外機11の前面側から水平方向に移動させられ(図15参照)、その位置から伝熱板60の位置が冷媒ジャケット37と同じ高さ位置になるまで電装品モジュール35が降下させられる。この高さ位置で、電装品モジュール35は、左端部において仕切り板39に結合される一方、右端部においてケーシング30の側板30bに結合され、室外機11内に固定される。
詳細には、電装品モジュール35が前記所定の高さ位置まで降下したときに、電装品モジュール35の左端部においては、主部材51における主面部51aの左端部に設けられた切り起こし片51dの貫通孔51eと、仕切り板39の固定部位39bのネジ穴134とが前後に連通する一方、電装品モジュール35の右端部においては、主部材51における右側面部51bの被当接部153に設けられた貫通孔153aとケーシング30の右側板132a前端部のネジ穴133とが前後に連通する。この状態で、切り起こし片51dの貫通孔51eを介して固定部位39bのネジ穴134にネジB1が螺入される。また、被当接部153の貫通孔153aを介して右側板132aのネジ穴133にネジB2が螺入される。このとき、電装品モジュール35の右端部においては、上側の貫通孔153aを介して対応するネジ穴133にネジB2が螺入される。即ち、下側の貫通孔153aには、この時点ではネジB2が螺入されない。これにより、電装品モジュール35がケーシング30内に固定される。
このように電装品モジュール35が所定の高さ位置で固定されると、作業者等は、把持していた端子台46と把持部材53とを放す。そして、端子台46が開位置P1に保たれた状態で、作業者等によって冷媒ジャケット37が伝熱板60にネジ締結される。
冷媒ジャケット37が伝熱板60に固定されると、端子台46が閉位置P2に回動され、冷媒ジャケット37が収納空間に収納される(図16参照)。言い換えると、端子台46の位置が閉位置P2となることにより、冷媒ジャケット37及び伝熱板60がその前面側を端子台46によって覆われる。
このように端子台46が閉位置P2に回動すると、電装品モジュール35の右端部の下部において、端子台46の当接部146の貫通孔146aと、主部材51の被当接部153の下側の貫通孔153aと、ケーシング30の右側板132a前端部の下側のネジ穴133とが一列に連通した状態となり、ここにネジB2が螺入される。これにより、電装品モジュール35がより確実に固定されると共に、端子台46の位置(姿勢)も閉位置P2に確実に固定される。
以上説明したように、本実施形態では、冷媒回路18の一対の配管(延出部)18bが冷媒ジャケット37を電装品モジュール35の伝熱板60に接合させるようにして当該電装品モジュール35の近傍に配設されても、当該電装品モジュール35に配設された電装品56が結露や霜等で濡れ難くなる。
具体的に、一対の配管18bを流れる冷媒の温度により冷媒ジャケット37の表面に結露や霜が生じたとしても、伝熱板60が第1基板部(パワー素子56aの実装された第1の回路基板)54aと冷媒ジャケット37との間に存在するため、この伝熱板60により冷媒ジャケット37で生じた結露等の第1基板部54aへの移動が妨げられ、これにより第1基板部54aに実装された電装品56が前記結露等で濡れ難くなる。また、第2基板部54b及び前面側基板55のようなパワー素子56aの実装されていない回路基板(第2の回路基板)は、冷媒ジャケット37よりも上方側に配置されているため、前記のように冷媒ジャケット37の表面に結露等が生じたとしても濡れ難い。そのため、第2の回路基板54b及び55に実装された電装品56が前記結露等で濡れ難くなる。また、一対の配管18bが下方側に向かって延びているため、当該一対の配管18bの表面に結露等が生じたとしても、この結露等が当該一対の配管18bを伝って下方側に流れ落ち、当該一対の配管18bで生じた結露等で電装品モジュール35が濡れ難くなる。
また、冷媒ジャケット37と伝熱板60とが熱的に接続されることで一対の配管18bにつながる冷媒配管18aとパワー素子56aとが熱的に接続され、冷媒とパワー素子56aとの熱交換が可能となり、電装品モジュール35において高熱を発するパワー素子56aが低温の冷媒により効果的に冷却される。
また、本実施形態では、空気調和装置10の作動時に、室外ファン31が室外熱交換器25に送風する室外空気の流れに基づき、電装品モジュール35の配置位置において下方から上方に向って室外空気が流れるようにケーシング30が構成されている。そのため、パワー素子56aの発する熱の冷媒による冷却に加え、前記下方から上方に向かって流れる室外空気によっても電装品モジュール35が冷却される。しかも、電装品モジュール35から熱を奪って温まった空気が上昇しようとする方向と、当該電装品モジュール35の配置位置における前記室外空気の流れ方向とが同じ方向であるため、電装品モジュール35の配置位置における空気の流れが乱されず、当該空気により電装品モジュール35が好適に冷却される。
また、本実施形態では、電装品モジュール35が機械室41の内部における中間高さ位置に配置されている。そのため、電装品モジュール35の配置位置において、下方から上方に向かって流れる空気の流れを形成し易くなる。即ち、電装品モジュール35が機械室41の内部における中間の高さ位置に配置されることにより、外部から取り込まれた室外空気を電装品モジュール35の下部まで案内するスペースや電装品モジュール35を通過した(冷却した)後の室外空気を機械室41から放出する開口部39aまで案内するスペースが確保し易くなり、当該電装品モジュール35の配置位置での下方から上方へ向かう空気の流れが形成し易くなる。
さらに、電装品モジュール35を機械室41の内部の中間高さ位置に配置することにより、下方側に延びる一対の配管18bの短縮化を図りつつ、冷媒回路18に含まれる他の冷媒通路等の表面に生じる結露等で電装品モジュール35が濡れるのを抑制することができる。詳細には、機械室41内部の下端部には、通常、圧縮機23や他の冷媒通路等の冷媒回路構成要素(冷媒回路18の構成部材)が多く配置されるため、電装品モジュール35を機械室41内部の下端部に配置すると前記構成要素の表面に生じた結露等によって当該電装品モジュール35が濡れ易くなる。一方、電装品モジュール35を機械室41内部の上端部に配置すると、前記構成要素から離れるため当該構成要素に生じる結露等によって電装品モジュール35が濡れ難くなるが、下方側に向かって延びる一対の配管18bの長さを大きくしなければならない。そこで、前記のように電装品モジュール35を機械室41内部の中間の高さ位置に配置することにより、一対の配管18bの短縮化を図りつつ、前記構成要素に生じる結露等によって電装品モジュール35が濡れることも抑制することができる。
また、本実施形態では、ケーシング30が前面側板130の一部(第2前板130b)を取り外すことで機械室41の前面が開口するように構成され、電装品モジュール35は、各回路基板54a,54b,55が互いに平行となるように配置され、これら各回路基板54a,54b,55が前面側板130に対して平行となる姿勢でケーシング30における前記開口の直ぐ内側に配置されている。この電装品モジュール35では、各回路基板54a,54b,55が平行に配置されることにより電装品モジュール35が略板状となり、当該電装品モジュール35の各回路基板54a,54b,55に沿った方向の幅よりも、各回路基板54a,54b,55と直交する方向の厚さが小さくなっている。そのため、電装品モジュール35が前記のようにケーシング30の前面側板130に沿って各回路基板54a,54b,55が平行となる姿勢で当該前面側板130の直ぐ内側に配置されることにより、ケーシング30の前面側板130と直交する方向(室外機11の奥行き方向)における薄型化を図ることが可能となる。具体的に、電装品モジュール35が前記奥行き方向に沿って配置されると、ケーシング30の当該方向における厚さを電装品モジュール35の幅よりも大きくする必要があるが、略板状の電装品モジュール35が前面側板130に沿って平行に配置されることにより、ケーシング30の奥行き方向における厚さをより小さくすることが可能となる。
しかも、電装品モジュール35が前面側板130における第2前板130bの直ぐ内側に配置されることにより、この第2前板130bを取り外して機械室41を開口させることにより電装品モジュール35が最も手前側で露出するため、当該電装品モジュール35に対する作業が行い易くなる。
また、本実施形態では、機械室41を画定する側面に、電装品モジュール35の下方位置に室外空気を供給するために電装品モジュール35の下方に向けて空気を通過させる開口部152と、電装品モジュール35を通過した後の空気を通過させる開口部39aとが設けられ、電装品モジュール35は、上下方向において、カバー部材150の開口部152と仕切り板39の開口部39aとの間に配置されている。そのため、機械室41内にカバー部材150の開口部152から仕切り板39の開口部39aに向け、且つ電装品モジュール35の配置位置において下方から上方に向けた室外空気の流れが形成されるため、この室外空気の流れによって電装品モジュール35全体が好適に冷却される。
また、本実施形態では、開口部152がケーシング30下端部のカバー部材150に形成され、開口部39aが仕切り板39の上部に設けられている。そのため、機械室41内の略全体に下方から上方へ向う室外空気の流れが形成され易く、この室外空気の流れにより電装品モジュール35だけでなく機械室41内に配置された他の冷媒構成要素の冷却も可能となる。
また、本実施形態では、電装品モジュール35がケーシング30の内部に取り外し可能に固定され、その上端部とこの部位から下方側に所定の間隔を置いた部位とからそれぞれ突出可能な把持部(即ち、把持部材53及び端子台46)を有している。そのため、これら把持部53,46を把持することにより、各回路基板45に実装された電装品56に触れることなく電装品モジュール35を保持し、ケーシング30の内部に取り付け又は取り外しすることができる。しかも、電装品モジュール35を上端部とこの部位から下方側に所定の間隔をおいた部位との上下に離れた位置で把持することができるため、当該電装品モジュール35を安定して保持することができる。その結果、電装品モジュール35の室外機11への取り付けや取り外しの際に作業が行い易くなると共に作業者等が電装品56に触れることによる電装品56の損傷等を防止することができる。
また、本実施形態では、把持部53,46が前面側にそれぞれ突出可能であり、下側の把持部(端子台)46が開位置P1と閉位置P2との間で位置を切換可能に構成されている。このように上下一対の把持部53,46が同一方向に突出することで、電装品モジュール35の室外機11への着脱の際に当該電装品モジュール35が保持し易くなる。しかも、電装品モジュール35を室外機11に取り付けた後は、下側の把持部46を閉位置P2に切り換えることによって伝熱板60に接合された冷媒ジャケット37が下側の把持部46に覆われるため、この部位への作業者等の接触が防止される。
具体的に、下側の把持部(端子台)46を開位置P1に切り換え、同一方向に突出している上側の把持部材53と共に把持することにより、安定して電装品モジュール35を保持することができ、室外機11への当該電装品モジュール35の着脱作業が行い易くなる。一方、下側の把持部46を閉位置P2に切り換えると、伝熱板60に接合された冷媒ジャケット37が下側の把持部46によって覆われるため、この部位への作業者等の接触が阻止され、当該部位が保護される。
また、本実施形態では、上側の把持部(把持部材)53の上面にリアクター56cが設置されているため、上側の把持部53を把持することにより、電装品モジュール35に配設される電装品56のうちで重量の大きなリアクター56cが取り付けられている部位の近傍を把持することができ、これにより上端部にリアクター56cが取り付けられて重心が高くなった電装品モジュール35を安定して保持することが可能となる。しかも、上側の把持部53に貫通孔53aが設けられることで、この貫通孔53aに指を挿通させて把持することにより当該把持部53を確実に把持することができる。そのため、電装品モジュール35の室外機11への着脱の際に、作業がより行い易くなる。
尚、本発明の空気調和装置10は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
前記実施形態では、ケーシング内空間が仕切り板39によって熱交換室40と機械室41とに仕切られ、電装品モジュール35が機械室41内に配置されているが、このような構成に限定されない。例えば、図17に示されるように、ケーシング内空間が仕切り板により仕切られていないケーシング170内に電装品モジュール35が配置されてもよい。この場合、電装品モジュール35は、ケーシング170の内部の中間高さ位置に配置されるのが好ましい。このように中間高さ位置に配置されることで、電装品モジュール35の配置位置において下方から上方に向かって流れる空気の流れを形成し易くなる。さらに、電装品モジュール35をケーシング170内の中間高さ位置に配置することにより、下方側に延びる一対の配管18bの短縮化を図りつつ、冷媒回路18に含まれる他の冷媒通路等の表面に生じる結露等で電装品モジュール35が濡れるのを抑制することができる。
また、前記実施形態では、熱交換室40と機械室41とが左右に並ぶようにケーシング30内空間が仕切られているが、これに限定されない。例えば、熱交換室40と機械室41とが上下に並ぶようにケーシング内空間が仕切られてもよい。この場合、ケーシング30内において、上側に熱交換室40が形成されると共に下側に機械室41が形成されてもよく、その逆でもよい。このように熱交換室40と機械室41とが上下に並ぶ場合でも、電装品モジュール35が機械室41内の中間高さ位置に配置されることで、電装品モジュール35の配置位置において、下方から上方に向かって流れる空気の流れを形成し易くなる。また、下方側に延びる一対の配管18bの短縮化を図りつつ、冷媒回路18に含まれる他の冷媒通路等の表面に生じる結露等で電装品モジュール35が濡れるのを抑制することができる。
また、前記実施形態では、機械室41に室外空気が流入する開口部152がケーシング30下端部の前面側及び側面側に1個ずつ設けられているが、これに限定されず、何れか一方でもよく、複数個ずつ設けられてもよい。また、ケーシング30の背面側に設けられてもよい。
また、前記実施形態では、機械室から室外空気が流出する開口部39aが1個設けられているが、複数個設けられてもよい。また、開口部152,39aの開口形状は、限定されない。
また、前記実施形態では、電装品モジュール35がケーシング30内に固定されるときに、ネジB1及びB2により固定されているが、これに限定されず、他の固定手段が用いられてもよい。また、電装品モジュール35は、左端部(一端部)が仕切り板39に結合され、右端部(他端部)が右側板132aに結合されることによって、ケーシング30内の所定の高さ位置に固定される必要もなく、例えば、底板30aに立設された支持部材等に固定されてもよく、また、天板30cから吊下げられることで固定されてもよい。
また、本実施形態では、電装品モジュール35に設けられた把持部53,46のうち、下側の把持部46が回動して冷媒ジャケット37の保護カバーを兼ねているが、これに限定されない。即ち、下側の把持部46も姿勢が固定された把持専用の部材により構成されてもよい。
また、前記実施形態では、電装品モジュール35の保持部材44の手前側に冷媒ジャケット37が位置するように配置されているが、冷媒ジャケット37が奥側に位置するように配置されてもよい。
また、前記実施形態では、室外ファン31が上下に2つ配設された構成であるが、これに限定されず、例えば室外ファン31を1つ備える構成であってもよい。
また、前記実施形態では、保持部材44の前面側と背面側とに第2の回路基板55又は54bが1枚ずつ配置されているが、これに限定されない。例えば、保持部材44の前面側と背面側とにそれぞれ複数枚ずつ配置されてもよく、前面側と背面側との何れかのみに配置されてもよい。この場合でも、全ての第2の回路基板55,54bが冷媒ジャケット37よりも上方側に配置されていればよい。また、前記実施形態では、背面側基板54が上側に配設された第2基板部54bと下側に配設された第1基板部54aとに分かれた構成を示したが、一体であってもよい。この場合でも、伝熱板60を挟んで冷媒ジャケット37とパワー素子56aが実装された第1の回路基板(第1基板部54a及び第2基板部54b)とが配置され、伝熱板60及びこの伝熱板60を支持する部材(保持部材44)により冷媒ジャケット37等の結露が第1の回路基板54a及び54b側に流れるのが阻止されていればよい。
また、前記実施形態では、冷房運転と暖房運転との双方が可能な空気調和装置10としたが、これに限られるものではなく、例えば、冷房運転のみを行う空気調和装置であってもよく、あるいは暖房運転のみを行う空気調和装置であってもよい。