JP5125353B2 - 作業車両の変速制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、走行伝動系にHST変速機構を介設し、この無段変速部を制御部によって変速駆動制御して車速を調節する作業車両の変速制御装置に関するものである。
特許文献1に示されるように、「HST変速機構」と略称されるトラニオン制御による前後進無段変速機構を走行伝動系に介設した作業車両において、その車速調節のために、幅広い変速ポジションを有する主変速レバーの操作に応じてHST変速機構を制御する制御部を有する作業車両の変速制御装置が知られている。この変速制御装置は、制御部が主変速レバーの選択ポジションに応じてトラニオン軸を駆動制御することによりHST変速機構の回転比を調節する。
また、上記走行伝動系に副変速機構を直列して「作業速」や「路上速」等の車速帯域を切換えることにより、各車速帯域について、主変速レバーの操作に応じてオペレータの意図する車速に切換えることができ、各車速帯域でトラニオン角度全域に及ぶ速度選択の自由度が確保される。
特開2002−250437号公報
しかしながら、「路上速」の車速帯域については、道路走行に適合する範囲が主変速レバーについて高速ポジションに限られるとともに、道路交通に合わせて発進と停止の操作を要することから、殆ど使用することのない低速ポジションの存在によって変速操作の煩雑化を強いられるのみならず、変速対応の遅れを招く原因ともなり、操作性の改善が待たれていた。
解決しようとする問題点は、状況に応じて走行車速の変速範囲を変更してHST変速機構を制御する簡易な構成の作業車両の変速制御装置を提供することにある。
請求項1に係る発明は、トラニオン軸によって変速動作するHST変速機構と副変速切換レバーによって変速動作する副変速機構とを設け、前後進選択用の前後進レバーおよび車速選択用の主変速レバー又は増減速ボタンスイッチの両選択位置に応じて設定された目標車速に上記HST変速機構のトラニオン軸を駆動制御する制御部からなる作業車両の変速制御装置において、上記制御部は、副変速切換レバーの選択位置と対応して別途定めた車速の設定範囲内に限定して上記トラニオン軸を駆動制御する構成とし、アクセルペダルの踏み込み操作又はアクセルレバーの操作でエンジン回転数を上昇させると前記増減速ボタンスイッチで選択した位置で速度を規制すると共に、アクセルレバーの基部に設けたスロットルセンサの位置に応じてトラニオン軸回動用油圧シリンダの動作速度を変更する構成とし、前進時の走行速度に比較して後進時の走行速度を速く出来る枕地制御モードスイッチを設けると共に、枕地制御モードの選択はロータリ作業速でのみ有効とする構成としたことを特徴とする。
上記制御部は、前後進レバーと主変速レバーの選択位置に応じて設定された目標車速にトラニオン軸を駆動制御し、この時、トラニオン制御による車速は、副変速切換レバーの選択位置と対応して定めた設定範囲内に限定して決定される。アクセルペダルを最大限に踏み込んでも、最大速度は増減速ボタンスイッチの最大変速段の位置に規制される。また、エンジン回転数は定格回転数または定格回転数以上の最大回転数までの間に設定されるが、作業速度は増減速ボタンスイッチで選択した位置で規制される。
請求項2に係る発明は、請求項1の構成において、前記制御部は、作業機の昇降動作を検出するリフトアームセンサにより、作業機の上昇開始後は主変速レバーによる目標車速を所定割合で低減調節した調節目標車速により駆動制御し、作業機の下降開始後は所定時間の経過により調節前の目標車速によりHST変速機構を駆動制御し、作業機下降から本来の車速に戻すまでの時間については、主変速レバーの選択位置により、低〜高で可変時間後に、元の速度になるように、トラニオンアーム角度調節出力処理を構成すると共に、作業機上げ用リンクが所定高さ位置まで下がった時点を基準としてカウントを開始して所定時間の経過まで調節車速に維持するように制御処理を構成することを特徴とする。
上記調節目標車速によってHST変速機構を制御することにより、作業機上昇による機体の増速が抑えられ、また、作業機の下降時は所定時間の経過後に主変速位置と対応する本来の選択車速で走行する。
請求項1の発明により、副変速切換レバーの選択位置と対応して定めた範囲内に限定した車速に走行制御されることから、作業車両の変速制御装置は、副変速切換レバーの選択位置に応じて必要な車速範囲で制御することができるので、簡易な構成により、全範囲に及ぶ速度選択の自由度を損なうことなく、範囲限定によって主変速レバーによる操作性を向上することができる。また、アクセルペダルの踏み込み操作又はアクセルレバーの操作でエンジン回転数を上昇させると前記増減速ボタンスイッチで選択した位置で速度を規制すると共に、アクセルレバーの基部に設けたスロットルセンサの位置に応じてトラニオン軸回動用油圧シリンダの動作速度を変更する構成にしたので、エンジン回転数が低ければ、トラニオン軸回動用油圧シリンダ93の動作速度のレスポンスを良くし、エンジン回転数が高ければ、フィーリング良く目標速度まで変更出来る。
また、枕地制御モードスイッチを設けたので、枕地での操縦性がよくなる。このスイッチで枕地制御モードを選択することで枕地での走行時には前進時の走行速度より後進時の走行速度を速くでき、後進時の、例えば圃場の耕うん作業効率を良くすることができる。ただし、路上走行等でバックした時に速く動いてしまうと思わぬ不具合があるので上記枕地制御モードの選択はロータリ作業速でのみ有効とする。
請求項2の発明により、請求項1の効果に加え、作業機上昇による機体の増速が抑えられるとともに、作業機の下降時は所定時間遅れて主変速位置と対応する本来の選択車速に増速走行することから、作業機による負荷変動による増速を抑えて省エネに資するとともに、作業機稼動と同期した作業走行により、作業機稼動開始までの空走距離を小さく抑えつつ作業効率を確保することができる。
また、作業機下降から本来の車速に戻すまでの時間については、主変速レバーの選択位置により、低〜高で可変時間後に、元の速度になるように、トラニオンアーム角度調節出力処理を構成するので、車速が速い程、空走距離が長くなる弊害を効果的に解消することができる。作業機上げ用リンクが所定高さ位置まで下がった時点を基準としてカウントを開始して所定時間の経過まで調節車速に維持するように制御処理を構成するので、精度向上およびオペレータのフィーリングを向上させることができる。
上記技術思想に基づいて具体的に構成された実施の形態について以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本明細書において作業車両の前進方向に向かって左右方向をそれぞれ左、右といい、前進方向を前、後進方向を後ろという。
作業車両の一例としてトラクタを例に以下に説明する。
図1に全体側面図、図2に図1のトラクタの平面図、図3は図1のトラクタの変速装置の動力線図、図4は該変速装置の制御ブロック図を示す。
図1〜図3に示すトラクタは機体の前後部に前輪2、2と後輪3、3を備え、機体の前部に搭載したエンジン5の回転動力を変速装置4によって適宜減速して、これらの前輪2、2と後輪3、3に伝えるように構成している。
機体の中央のハンドルポスト6にはステアリングハンドル7が支持され、その後方には操縦座席9が設けられている。ステアリングハンドル7の下方には機体の進行方向を前後方向に切換える前後進レバ10が設けられている。この前後進レバ10を前側に移動させると機体は前進し、後方へ移動させると後進する。またハンドルポスト6を挟んで前後進レバ10の反対側にはアクセルレバー11が設けられ、またステップフロア13の右コーナ部にはアクセルペダル15と左右のブレーキペタル16,17が配置され、ステップフロア13の左コーナ部にはクラッチペダル19が配置されている。
また、1速から8速まで変速段を選択可能な後述の増減速ボタンスイッチB1,B2を備えるとともに低速、中速、高速及び中立のいずれかの位置を選択できる副変速切換レバー21はその後方にあり、さらにその後方に1〜3速と中立位置を選択できるPTO変速レバー23が設けられている。さらに操縦座席9の右側には作業機(図示せず)の高さを設定するポジションレバー24と圃場の耕耘深さを自動的に設定する自動耕深レバー25、これらのレバー24,25の後ろに作業機の右上げスイッチ27と右下げスイッチ28が配置され、更にその後ろに自動水平スイッチ29(オンでトラクタの絶対水平位置(圃場面に対する水平でなく、地球の水平面に対して水平を保つ)とバックアップスイッチ30(オンで前後進レバ10が後進位置にあるとき作業機上げ用リンク31が作業機を上昇させる)が配置されている。また、機体の後方には作業機(図示せず)を連結する前記リンク31が設けられている。
図3は、本実施例の静油圧式無段変速機構(HST変速機構)34を有するトラクタの走行伝動系を表した線図である。エンジン5の回転動力はペダル操作式のクラッチペダル19の踏み込みで作動するメインクラッチ32に伝えられた後、静油圧式無段変速機構入力軸33から静油圧式無段変速機構34に伝達される。静油圧式無段変速機構34は容量可変式の油圧ポンプ34aと定容量式の油圧モータ34bを備えた油圧閉回路34cを備えており、静油圧式無段変速機構入力軸33から導入された動力により油圧ポンプ34aを作動させて、油圧ポンプ34aに設けられた斜板34dの傾斜角度に応じた圧油を油圧閉回路34cから油圧モータ34bに供給し、該油圧モータ34bにより走行出力軸36を駆動させて噛合式の副変速機構38へ動力を伝達させる。
噛合式の副変速機構38の副変速クラチ39は図3の左右にスライド可能であり、図示する位置にあるときは走行出力軸36からの動力がギア41を介して高速段ギア42から副変速クラッチ39へ、該副変速クラッチ39から変速軸43のギア45に伝達され、変速軸43の回動がデブ装置46を介して後輪3が副変速高速段の走行速度で駆動される。
また、副変速クラッチ39を図3に示す位置から右側に移動して、副変速クラッチ39が変速軸43のギア45と中速段ギア47に係止すると、走行出力軸36からの動力がギア41を介してギア49からギア50、ギア51及びギア47を順次経由して副変速クラッチ39へ伝達され、さらに該副変速クラッチ39から変速軸43のギア45に伝達され、変速軸43の回動がデブ装置46を介して後輪3が副変速中速段の走行速度で駆動する。
副変速クラッチ39がさらに右側に移動して変速軸43のギア45と低速ギア55に係止すると、走行出力軸36からの動力がギア41を介してギア49からギア56へ、さらにギア56からギア57へ伝達され、ギア57と同軸のギア55から副変速クラッチ39へ、さらに該副変速クラッチ39から変速軸43のギア45に伝達され、変速軸43の回動がデブ装置46を介して後輪3が副変速低速段の走行速度で駆動される。
また、副変速クラッチ39のスライド位置が左右いずれの側にあっても、変速軸43からの出力がギア53、59、60等を順次経由して前輪出力軸61に伝達される。このとき油圧クラッチ63が接続していると、デフ装置65を介して前輪2が後輪3と共に駆動する四輪駆動となり、また油圧クラッチ64が接続していると、前輪増速の四輪駆動となる。油圧クラッチ63と油圧クラッチ64が同時に接続することはなく、また油圧クラッチ63と油圧クラッチ64が共に接続していないと後輪3のみが駆動する二輪駆動となる。
一方、静油圧式無段変速機構入力軸33から容量可変式の油圧ポンプ34aに入力された動力はポンプ出力軸66からPTO用の駆動系に伝達される。PTO用の駆動系にはPTO正逆クラッチ67とPTO副変速クラッチ68があり、トラクタが路上走行時は前記クラッチ67,68のいずれか一方または両方が非接続状態であり、作業機を駆動させるPTO駆動系は駆動されない。
圃場内での作業機を用いる作業時は、アクセルレバー11を操縦者側(手前)に引いてエンジン回転数を定格回転数、または定格回転数以上から最大回転数の一定回転にしているので静油圧式無段変速機構入力軸33とポンプ出力軸66が同じ回転数で一定回転する。図3に示す状態は中立状態であり、ポンプ出力軸66と直結しているPTO軸69が共に回転する。
PTO正逆クラッチ67を図示左方向にスライドさせるとPTO正逆クラッチ67がPTO軸69のギア70とギア71に噛合するので、PTO軸69の動力はギア70,PTO正逆クラッチ67,ギア71,ギア71a,ギア72,ギア74,ギア78,ギア77,ギア76を順次介してPTO伝達軸75を駆動させる(PTO逆転)。また、PTO正逆クラッチ67を図示右方向にスライドさせると、PTO軸69の動力はギア70,PTO正逆クラッチ67,ギア73,ギア77,ギア76を順次介してPTO伝達軸75を駆動させる(PTO正転)。
ギア72と一体のギア74の駆動に連動するギア78からの動力もPTO伝達軸75に伝達され、PTO副変速クラッチ68が図示位置より最も左方向に移動した位置にあると、ギア79とギア80を介してギアドック81がPTO副変速クラッチ68に設けられたギアドック83と噛合してPTO駆動軸84によりPTO1速が得られる。またPTO副変速クラッチ68が図示位置から左または右方向に移動すると、それぞれの場合に噛合するPTO副変速低速段ギア85またはPTO副変速高速段ギア86に動力が伝達され、ギア85,ギア68a,PTO駆動軸84へ順次動力が伝達されるとPTO2速が得られ、また、ギア86,ギア68b,PTO駆動軸84へ順次動力が伝達されるとPTO3速が得られる。
上記構成のトラクタは路上走行時にはクラッチペダル19を踏み込み、副変速切換レバー21を路上走行に適した位置(基本は高速位置であり、中速位置または低速位置にする場合もある)に設定する。次いで増減速ボタンスイッチB1,B2で所要速度の変速段を選択する。
次いで前後進レバ10を前進側または後進側に移動し、クラッチペダル19をゆっくり離しながら(メインクラッチ32を接続して)アクセルペダル15を踏んでエンジン回転数を上げていく。このときアクセルペダル15を最大限に踏み込んでも、最大速度は増減速ボタンスイッチB1,B2の最大変速段(8速)の位置に規制される。
また、圃場内での作業時はクラッチペダル19を踏み込んだ後、副変速切換レバー21を適宜の位置(基本は低速または中速位置)に設定する。次いで作業の種類に応じて増減速ボタンスイッチB1,B2で所要速度の変速段を選択し、前後進レバ10を前進位置に移動させる。アクセルレバー11を操縦者側(手前)に移動してエンジン回転数を定格回転数または定格回転数以上の最大回転数までの間に設定する。次いでクラッチペダル19を離しながら(メインクラッチ32を接続して)前進させる。このときエンジン回転数は定格回転数または定格回転数以上の最大回転数までの間に設定されるが、作業速度は増減速ボタンスイッチB1,B2で選択した位置で規制される。
なお、圃場内で作業機を使用する作業時にはアクセルペダル15は使用しないで、アクセルレバー11を用いる。また路上走行時にはアクセルペダル15を使用し、アクセルレバー11は使用しない。路上走行時はアクセルペダル15を操作することで自動車操縦時と同じ感覚で操縦でき、また圃場内での作業時はエンジン回転を一定に保持しなくてはならないため、アクセルペダル15では操縦が難しい。そこで前記作業時にはアクセルレバー11を操作し、かつ前記作業時にはアクセルレバー11から手を離しても元に戻らないので、操縦したアクセル位置に保持して一定エンジン回転数を保つことができる。
図5にはハンドルポスト6と操縦座席付近の機体の左側面図を示す。また図6、図7には変速装置ケース91の平面図(図6(a)、図7(a))と該変速装置ケース91内に収納されている静油圧式無段変速機構34の平面図(図6(b)、図7(b))を示す。また図8には図7(a)の矢印A方向から見た変速装置ケース91の側面図を示す。図5〜図8に示すように静油圧式無段変速機構34のトラニオン軸92を回動させる油圧シリンダ93と変速装置ケース91の外部に突出した部分のトラニオン軸92を連結するリンク機構95を変速装置ケース91の外壁部分に取り付けている。
シリンダ93のピストンロッド93aの先端部に回動自在に一端を接続したアーム95aの他端を変速装置ケース91の外壁に回動自在に支持させ、さらに該アーム95aのもう一方の端部には該アーム95aの長手方向に直交する方向に設けたロッド95bの一端が回動自在に設けられ、さらにこのロッド95bの他端には回動自在な短いアーム95cを介してアーム95aと略平行な方向に長さ調節可能なロッド95dの端部を回動自在に連結する。該長さ調節可能なロッド95dの他端は回動自在に短いアーム95eの一端に連結し、該短いアーム95eの他端にはボス95fが固定している。
ボス95fは、ボルト95pで軸95qに固定されている。軸95qは変速装置ケース91に対して回転自在に支持されており、軸95qの一端にはプレート95gが固着している。プレート95gの他端はリンクアーム95hにピン95rを介して回動自在に連結し、リンクアーム95hはトラニオン軸92と一体のカム95jに回動自在に連結している。ここで、カム95jはボス95sに固着し、ボス95sはボルト95tによりトラニオン軸92に固定されている。
また、プレート95gとリンクアーム95hはピン95rにより連結されているが、該ピン95rによる連結部は軸95qを回動支点として変速装置ケース91に固定された扇状部材95kの円弧状の長穴95k1内を摺動自在になっており、またピン95rが長穴95k1内だけを摺動可能なためにカム95jの回動範囲もピン95rの摺動に連動する範囲内に規制される。
上記リンク機構95により油圧シリンダ93の作動が前記アーム95aやロッド95dなどに連動してカム95jがトラニオン軸92と共に回動することになる。また、カム95jの側面が変速装置ケース91に支持されたローラ95mの側面に当接しながらシリンダ93によりカム95jが回動する。
図6に示す状態はトラニオン軸92が静油圧式無段変速機構34の油圧ポンプ34aの斜板34dを車両前進側に向けた状態を示しており、図7の変速装置ケース91の平面図(図7(a))と該変速装置ケース91内に収納されている静油圧式無段変速機構34の平面図(図7(b))に示す状態は静油圧式無段変速機構34の油圧ポンプ34aの斜板34dを中立位置に向けた状態を示しており、カム95jの凹部95j1に対してローラ95mが嵌り込む位置がトラニオン軸92の中立位置である。なお、ローラ95mは図7(b)のx方向からバネで押されている。また図9の変速装置ケース91の平面図(図9(a))と該変速装置ケース91内に収納されている静油圧式無段変速機構34の平面図(図9(b))を示す状態は静油圧式無段変速機構34の油圧ポンプ34aの斜板34dを後進側に向けて配置した状態を示している。
図10は前後進レバ10の基部に設けたシフトスイッチ10a,10bの配置とその作動態様を示す図である。図10(a)と図10(c)には前後進レバ10が前進位置と後進位置にある場合の前後進レバ10の基部に設けた前進シフトスイッチ10aと後進シフトスイッチ10bが作動する配置図をそれぞれ示し、図10(b)には前後進レバ10が中立位置にある場合に前進シフトスイッチ10aと後進シフトスイッチ10bのいずれにも当接しない場合の配置図を示す。
上記前後進レバ10の前進シフトスイッチ10aが作動するように前後進レバ10を中立位置から前進側に倒すと前進方向に動かす準備ができ、前後進レバ10の後進シフトスイッチ10bが作動するように前後進レバ10を中立位置から後進側に倒すと後進方向に動かす準備ができる。なお、車両の前進方向と後進方向への加速はあくまで増減速ボタンスイッチB1,B2で行う。
また、増減速ボタンスイッチB1,B2による目標速度などを記憶するためのEEPROM90aをコントローラ90に配置しているので、まず、いずれかの増減速ボタンスイッチB1,B2の操作により変速されようとする値の出力値(T)と、増減速ボタンスイッチB1,B2による最低車速指示位置の値(A)および最高車速指示位置の値(B)をEEPROM90aに記憶させる。
次いで、コントローラ90では次式(1)により、第一の値をトラニオン軸92の回動角度に対応したトラニオン軸回動用油圧シリンダ93の全ストローク量に対する該油圧シリンダ93への出力割合として演算する。
油圧シリンダへの出力割合=(T−A)/(A−B) (1)
こうして、上記式(1)で得られた第一の値に応じて油圧シリンダ93を作動させるが、そのとき得られるトラニオン軸ポジションセンサ92aの検出値の大きさは、トラニオン軸ポジションセンサ92aの全検出範囲、例えば0〜5ボルトの間のいずれかの電圧値に対応している。そこで、トラニオン軸ポジションセンサ92aの検出値はコントローラ90へ送信され、コントローラ90はトラニオン軸ポジションセンサ92aの前記検出値の大きさをトラニオン軸ポジションセンサ92aの全検出範囲の大きさに対する比率として求めて、これを第二の値とする。そして得られた第二の値が前記第一の値と等しくなるようにコントローラ90が制御し、第一の値と第二の値が等しくなるとトラニオン軸回動用油圧シリンダ93の電磁バルブ(図示せず)への出力を停止する(シリンダ93内のオイルは漏れ出ることなく、出力停止した位置にシリンダピストンが保持される。)。
トラニオン軸回動用油圧シリンダ93の作動によるトラニオン軸92の回動位置を検出するトラニオン軸ポジションセンサ92a(図6)は回動軸93dの回動度合いを検出する構成である。トラニオン軸ポジションセンサ92aはロッド95dの先端部のアーム95eの接続部とは反対側に回動自在に一端が設けられたアーム93cの他端に連結されている。これにより、トラニオン軸ポジションセンサ92aはトラニオン軸92の動き(位置)を検出することになる。トラニオン軸92のポジションセンサ92aはトラニオン軸回動用油圧シリンダ93のピストンロッド93aの前進側の最大伸張設定位置に設けたストッパ93eと後進側の最少短縮設定位置に設けたストッパ93f(図8)の各設定位置をそれぞれトラニオン軸92の回動可能な範囲とする基準値とする。またカム95jの凹部95jlにローラ95mが嵌り込む位置をトラニオン軸92の中立位置とし、これも基準値とする。これらトラニオン軸ポジションセンサ92aで検出する各設定位置を基準位置としてコントローラ90のメモリ(EEPROM)90aに記憶させておく。
また、トラニオン軸回動用油圧シリンダ93のピストンロッド93aの前進側の最大伸張設定位置に設けたストッパ93eと後進側の最少短縮設定位置に設けたストッパ93fに接当するトラニオン軸ポジションセンサ92aの検出位置を基準位置としてトラニオン軸回動用油圧シリンダ93の回動範囲を制御することができるので、静油圧式無段変速機構34のトラニオン軸92の回動角度を関連付けるリンク機構95の組み付け時の寸法誤差等を吸収することができる。
上記トラニオン軸92の回動位置のポジションセンサ92aの基準値を調整するモードに入るためのスイッチを操縦座席9の操作パネルに設けているが、このスイッチはカバーで覆われてスイッチ群の中に配置し、それぞれのポジションセンサの基準値を調整するスイッチが容易に識別できるように互いに似せた名称としておく。その理由は、調整するセンサが多い時に、どのスイッチで調整モードに入るか分からなくなることがないように、類似した名称のスイッチを調整モードのスイッチ群に付けることで誤操作を防ぐ。
また、変速段の操作位置は1速〜8速まであるが、この各変速段の操作位置を目標位置としてコントローラ90の制御により油圧シリンダ93を作動させてトラニオン軸92を回動制御する。
コントローラ90の制御により油圧シリンダ93を作動させてトラニオン軸92を回動制御するときの油圧シリンダ93への制御出力はパルス出力とし、目標位置と現在位置の偏差に応じてパルス周期を変更する構成とすることができる。すなわち、前記偏差が大きいと前記パルス出力周期を短くしてトラニオン軸回動用油圧シリンダ93の動作を比較的速くし、前記偏差が小さいと前記パルス出力周期を長くして、トラニオン軸回動用油圧シリンダ93の動作を比較的遅くする。
トラニオン軸回動用油圧シリンダ93の目標位置への制御出力をパルス出力でなく連続出力とすると、トラニオン軸92を動作した場合に油圧シリンダ93の動作速度が速すぎて車両走行速度が急加速又は急減速になってしまうことがあるが、前記制御出力をパルス出力にすることで車両のスムーズな加速、減速が可能となる。
このとき、トラニオン軸回動用油圧シリンダ93のピストンロッド93aの伸び側と縮み側でパルスオンタイムを変更するか、又はパルス周期を変更することで、動作速度の差を少なくすることが出来る。これは油圧シリンダ93内を横断するロッド93aの端部にあるシリンダ内部の油室を二分するピストン(図示せず)がピストンロッド93aのある側(伸び側)とピストンロッド93aのない側(縮み側)で油室断面積が違うため、これを調整するためである。
また、エンジン始動は、クラッチペダル19を踏んでクラッチスイッチ97(図4)をオン(クラッチ切り)とし、前後進レバ10を中立として行うが、エンジン始動直後に油圧シリンダ93が中立にない時がある。これは前進走行中にエンジン5を切ると、トラニオン軸回動用油圧シリンダ93が中立位置以外の位置にある状態で作動停止することがあるためである。
そのため、前述したトラニオン軸回動用油圧シリンダ93が中立位置にない場合には、油圧シリンダ93を中立に戻すような出力をし、油圧シリンダ93が中立位置に戻るまで、警告ブザーを連続して鳴らす構成として、走行安全性を高める。
さらに、エンジン始動時には、トラニオン軸回動用油圧シリンダ93が中立位置以外にある場合は、中立位置に素早く戻すために油圧シリンダ93の動作速度を速くするためにパルス出力ではなく連続出力とする。
エンジン始動時には前後進レバ10は必ず中立位置にあるが、クラッチペダル19を戻してメインクラッチ32を入りにした場合には車両が発進するおそれがある。そのために前述のように油圧シリンダ93の作動をパルス出力ではなく連続出力で行うことでエンジン始動時には素早く、トラニオン軸回動用油圧シリンダ93を中立位置に戻すようにする。また、このとき警報ブザーを鳴らしてオペレータの注意を喚起する。
また、前進中または後進中の走行状態で、前後進レバ10を中立にした時、クラッチペダル19を踏まない場合(メインクラッチ32入、クラッチスイッチ97切)には油圧シリンダ93はパルス出力(ゆっくり)で中立まで戻し、クラッチペダル19を踏んだ場合(メインクラッチ32切、クラッチスイッチ97入)には油圧シリンダ93は連続出力(速く)で中立まで戻す。また、クラッチペダル19を踏んで(メインクラッチ32切、クラッチスイッチ97入)、前後進レバ10が前進または後進状態で増減速ボタンスイッチB1,B2により変速目標を変更すると、連続出力(速く)で目標位置にする。
前述のようにトラニオン軸回動用油圧シリンダ93の目標位置への制御出力をパルス出力とし、目標位置と現在位置の偏差に応じてパルス周期を変更する構成とした時、トラニオン軸92のポジションセンサ92aの値が大きく変化しない場合には、パルス出力のオンオフからなる所定の一周期(パルス周期)内でのオン時間の比率を大きくして、以前に比べてオン時間を長くする(パルス出力を増加する)補正を行う構成としても良い。
これは、例えば、潤滑油温が低い時、オン時間の短いパルス周期ではトラニオン軸回動用油圧シリンダ93が作動しない場合に、所定のパルス周期内でのオン時間をより長くしてトラニオン軸回動用油圧シリンダ93が作動出力を増加する補正する必要があるためである。
ただし、副変速切換レバー21のポジションに応じてトラニオン軸回動用油圧シリンダ93の目標位置まで移動する速度(パルスオンタイムに依存する)を変更することもできる。
これは副変速装置が低速段を選択していれば、ある程度速く油圧シリンダ93を目標位置に持っていっても急加速、急減速にはならないためであり、また、副変速装置が高速段を選択していれば、トラニオン軸回動用油圧シリンダ93の目標位置まで移動を素早くすると、車両の急加速又は急減速になるので、この場合は油圧シリンダ93の目標位置まで移動する速度を比較遅くする。こうして低速走行時でも油圧シリンダ93のレスポンスが良くなる。
また、増減速ボタンスイッチB1,B2による変速目標と前後進レバシフトスイッチ10a,10bの状態に応じて、油圧シリンダ93を伸縮制御して車両を前後進させるが、アクセルレバー11の基部にスロットルセンサ11a(図4)を設け、スロットルセンサ11aの位置に応じてトラニオン軸回動用油圧シリンダ93の動作速度(パルスオンタイムの変更による)を変更する構成としても良い。
上記構成で、エンジン回転数が低ければ、トラニオン軸回動用油圧シリンダ93の動作速度のレスポンスを良くし、エンジン回転数が高ければ、フィーリング良く目標速度まで変更出来るようになる。
また、前進時の走行速度に比較して後進時の走行速度を速く出来る枕地制御モードスイッチを設けることで枕地での操縦性がよくなる。枕地(圃場のコーナー部)では車両の方向転換のために前進と後進を繰り返すことがあるがよくあるが、その場合に前進時の走行速度より後進時の走行速度が遅いと、操縦者は旋回操作牲が良くないと感じることがある。そのため枕地での走行時には前記した前進時の走行速度より後進時の走行速度を速くした前記枕地制御モードを設定しておき、このモードが選択できるスイッチにより、後進時の、例えば圃場の耕うん作業効率を良くすることができる。
例えば、前進時での変速目標が3速の時、その信号はコントローラ90に入力され、コントローラ90はトラニオン軸92が3速を出す位置になるように油圧シリンダ93を制御するが、この状態から後進にすると、変速目標が3速であってもコントローラ90は、例えばトラニオン軸92が4速や5速を出す位置になるように油圧シリンダ93を制御する。
ただし、路上走行等でバックした時に速く動いてしまうと思わぬ不具合があるので上記枕地制御モードの選択はロータリ作業速(例えば副変速低速のみ)でのみ有効とする構成とすることが望ましい。
(変速制御装置)
次に、主変速レバー式の変速制御装置について説明する。
この変速制御装置は、制御構成ブロック図を図11に示すように、主変速レバー12に設けた主変速レバーシフトスイッチ12p、HST変速機構34のトラニオン軸92に設けたトラニオン軸ポジションセンサ92a、前後進レバー10に設けた前後進シフトスイッチ10a、10b、クラッチペダル19に設けたクラッチスイッチ97、副変速切換レバー21に設けた副変速切換レバーシフトスイッチ21p等をコントローラ(制御部)90に接続して各信号を入力し、また、トラニオン軸回動用油圧シリンダ93を接続して制御出力する構成により、以下のようにトラニオン軸92を駆動制御する。
上記変速制御装置による制御処理は、図12のフローチャートに示すように、センサ、スイッチ類の読込(S1)による副変速切換レバー21の選択位置(S2)に従い、「高速」であれば算出式Aにより、非該当であれば算出式Bにより、トラニオンセンサ目標を算出することにより、副変速位置に応じて使用するトラニオン角度範囲を変更してHST変速機構34を駆動制御するようにコントローラ90による制御処理を構成する。
例えば、算出式Aは、路上走行に適合するトラニオンの高速範囲について、また算出式Bは、多様な作業走行に適合するトラニオン92の全範囲について、前後進レバー10および主変速レバー12の両選択位置に応じた角度位置となる算出式を設定することにより、不必要な車速帯は使用しないでオペレータの意図に応じた車速帯に即座に変速操作することができる。
このように、上記構成の変速制御装置は、HST変速機構34、および副変速機構38を直列した走行伝動系の変速制御において、トラニオン目標位置は、前後進レバー10および主変速レバー12の両選択位置に応じて設定され、その設定範囲は、副変速切換レバー21の選択位置と対応して別途定めたトラニオンの設定範囲内に限定することにより、簡易な構成により、全範囲に及ぶ速度選択の自由度を損なうことなく、範囲限定によって主変速レバー12による操作性を向上することができる。
次に、クラッチ操作時の制御処理は、その一例を図13のフローチャートに示すように、クラッチペダル19の踏み込み操作がクラッチスイッチ97によって検出された時点において、前後進レバー10の前進または後進の指示に対してトラニオン軸92の位置が反対側にあることが判定(S11〜S14)された場合は、トラニオン軸92の中立位置までトラニオン軸回動用油圧シリンダ93を連続出力処理(S15)するように制御処理を構成する。
上記制御処理により、例えば、前進走行中にメインクラッチ32を切って前後進レバー10を繋いだ場合や、その逆の場合について、この操作を素早くするとオペレータの意図とは反対の方向に車両が動くという危険な事態を回避することができる。
(作業機対応制御)
次に、作業機対応の変速制御について説明する。
変速制御装置は、図14の制御構成ブロック図に示すように、HST変速機構93のトラニオン制御による車両走行制御とともに、作業機昇降レバー30f、バックアップスイッチ30、オートリフトスイッチ30a、コントロールレバー30c等の設定、操作の信号をコントローラ90に受けることにより、作業機上げ用リンク31を介して作業機の昇降制御を行い、さらに、リフトアームセンサ31aを設けて作業機上げ用リンク31による作業機の昇降動作を走行制御に反映するように制御処理を構成する。
具体的には、図15のフローチャートに示すように、主変速レバー12の位置等のセンサ、スイッチ類の読込処理(S21)により、コントロールレバー30c、作業機昇降レバー30fの上げ操作、バックアップ、オートリフト等の機能による作業機上げ動作と対応して主変速レバー12に対応するトラニオンアーム角度を低速側に変更してトラニオンアーム角度調節出力(S22a、S22b)を行う。例えば、主変速レバー12の一段階低いポイントに、または、目標車速から一定速度(例えば2割)遅くなるようにした調節車速に変更する。この制御処理により、作業機を上げた際の負荷減少による増速が小さく抑えられて省エネとなる。
この場合において、コントロールレバー30c、作業機昇降レバー30fの下げ操作等の作業機下げ動作により、一定時間の経過(例えば、0.4秒)まで上記調節車速に維持した後に主変速レバー12に対応する本来のトラニオンアーム角度調節出力(S23a〜S23c)を行う。この制御処理により、作業機を下げた後も所定時間の経過までは比較的低速の調節車速に維持されることから、作業機が稼働するまでの空走距離を小さく抑えるとともに、本来の作業能率を確保することができる。
また、図16のフローチャート別例(1)に示すように、作業機下降から本来の車速に戻すまでの調節車速の維持時間については、主変速レバー12の選択位置により、低〜高で可変時間(例えば、0〜0.5秒)後に、元の速度になるように、トラニオンアーム角度調節出力処理(S24a〜S24c)を構成する。このような制御処理により、車速が速い程、空走距離が長くなる弊害を効果的に解消することができる。
さらに、図17のフローチャート別例(2)に示すように、上記調節車速の維持時間について、作業機上げ用リンク(リフトアーム31が所定高さ位置まで下がった時点を基準としてカウントを開始して所定時間(例えば、0.2秒)の経過まで調節車速に維持するように制御処理(S25a〜S25d)を構成する。このような制御処理により、精度向上およびオペレータのフィーリングを向上させることができる。
次に、クラッチ操作対応制御について、図18の制御構成ブロック図に示すように、トラニオン軸ポジションセンサ92a、主変速レバーシフトスイッチ12p、クラッチスイッチ97、リニアシフトスイッチ10a、10b等をコントローラ90に接続して各信号を入力し、また、トラニオン軸回動用油圧シリンダ93を接続して変速制御装置を構成することにより、以下のように、クラッチ操作について制御出力してトラニオン軸92の駆動制御をする。
すなわち、図19のフローチャートに示すように、副変速切換レバー21が「高」でクラッチペダル19が踏み込まれた時(S31a、S31b)に主変速レバー12が「2速」以上の場合は、一旦「2速」の位置にトラニオン制御し、所定時間(例えば1秒)の経過(S32a〜S32c)の後に中立Nの位置に制御(S33)する。
このように、極めて短時間内にクラッチペダル19を踏んで離した場合は、機体の制動慣性が大であり、著しいショックが避けられないという問題があったが、上記制御処理により、高速時のオペレータへの体感ショックを軽減し、トラニオン調節の性能を向上することができる。
次に、多用途共用構成による変速制御については、図20の制御構成ブロック図に示すように、トラニオン軸ポジションセンサ92a、主変速レバーシフトスイッチ12p、リニアシフトスイッチ10a、10b等をコントローラ90に接続して各信号を入力し、また、トラニオン軸回動用油圧シリンダ93を接続し、トラニオン制御出力とアクセル制御出力を型式判定により切換える共用低コスト構成の変速制御装置を構成する。
上記変速制御装置は、図21のフローチャートに示すように、型式判定によってアクセル制御型式として制御動作中において、トラニオン軸ポジションセンサ92a、主変速レバーシフトスイッチ12pが断線でない場合(S41a、S41b)は、型式入力の断線(入力系、ハーネス異常)であるため、アクセル制御の変速出力を停止(S42)する。
このように、型式判定を誤検出した場合は、アクセル制御アップ出力するとHST変速機構34によって前進出力されることとなるので、上記制御処理によりそのような事態を回避して危険防止を図ることができる。
本発明の一実施例のトラクタの左側面図 図1のトラクタの平面図 図1のトラクタの変速装置の動力線図 図1のトラクタの変速装置の制御ブロック図 図1のトラクタのハンドルポストと操縦座席付近の機体の左側面図 図1の前進時のトラクタの変速装置ケースの平面図(a)と該変速装置ケース内に収納されている静油圧式無段変速機構の平面図(b) 図1の中立時のトラクタの変速装置ケースの平面図(a)と該変速装置ケース内に収納されている静油圧式無段変速機構の平面図(b) 図7(a)の矢印A方向から見た変速装置ケースの側面図 図1の後進時のトラクタの変速装置ケースの平面図(a)と該変速装置ケース内に収納されている静油圧式無段変速機構の平面図(b) 図1のトラクタの前後進レバーが前進位置(a)、中立位置(b)及び後進位置(c)のいずれの位置にあるのか前後進レバーの基部に設けたシフトスイッチの配置とその作動態様を示す図 主変速レバー式の変速制御装置の制御ブロック図 図11の変速制御装置による変速処理のフローチャート クラッチ操作時の制御処理のフローチャート 作業機対応制御用の変速制御装置の制御構成ブロック図 図14の変速制御装置のフローチャート 図15のフローチャートの別例(1) 図15のフローチャートの別例(2) 制御構成ブロック図 図18の制御構成のフローチャート 制御構成ブロック図 図20の制御構成のフローチャート
4 変速装置
10 前後進レバー
10a,10b シフトスイッチ
12 主変速レバー
12p 主変速レバーシフトスイッチ
15 アクセルペダル
21 副変速切換レバー
21p 副変速切換レバーシフトスイッチ
31 作業機上げ用リンク
31a リフトアームセンサ
34 静油圧式無段変速機構(HST変速機構)
38 副変速機構
90 コントローラ
92 トラニオン軸
92a トラニオン軸ポジションセンサ
93 トラニオン軸回動用油圧シリンダ
N 中立

Claims (2)

  1. トラニオン軸(92)によって変速動作するHST変速機構(34)と副変速切換レバー(21)によって変速動作する副変速機構(38)とを設け、前後進選択用の前後進レバー(10)および車速選択用の主変速レバー(12)又は増減速ボタンスイッチ(B1,B2)の両選択位置に応じて設定された目標車速に上記HST変速機構(34)のトラニオン軸(92)を駆動制御する制御部(90)からなる作業車両の変速制御装置において、
    上記制御部(90)は、副変速切換レバー(21)の選択位置と対応して別途定めた車速の設定範囲内に限定して上記トラニオン軸(92)を駆動制御する構成とし、
    アクセルペダル(15)の踏み込み操作又はアクセルレバー(11)の操作でエンジン回転数を上昇させると前記増減速ボタンスイッチ(B1,B2)で選択した位置で速度を規制すると共に、アクセルレバー(11)の基部に設けたスロットルセンサ(11a)の位置に応じてトラニオン軸回動用油圧シリンダ(93)の動作速度を変更する構成とし、
    前進時の走行速度に比較して後進時の走行速度を速く出来る枕地制御モードスイッチを設けると共に、枕地制御モードの選択はロータリ作業速でのみ有効とする構成としたことを特徴とする作業車両の変速制御装置。
  2. 前記制御部(90)は、作業機の昇降動作を検出するリフトアームセンサ(31a)により、作業機の上昇開始後は主変速レバー(12)による目標車速を所定割合で低減調節した調節目標車速により駆動制御し、作業機の下降開始後は所定時間の経過により調節前の目標車速によりHST変速機構(34)を駆動制御し、
    作業機下降から本来の車速に戻すまでの時間については、主変速レバー(12)の選択位置により、低〜高で可変時間後に、元の速度になるように、トラニオンアーム角度調節出力処理(S24a〜S24c)を構成すると共に、作業機上げ用リンク(31)が所定高さ位置まで下がった時点を基準としてカウントを開始して所定時間の経過まで調節車速に維持するように制御処理(S25a〜S25d)を構成することを特徴とする請求項1記載の作業車両の変速制御装置。
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