JP5124281B2 - アムロジピンの光学分離方法 - Google Patents

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Description

本発明はイソプロパノール溶媒と光学活性O,O'−ジベンゾイル酒石酸をキラル試薬として使用してアムロジピンを光学分離する方法に関し、更に詳しくは、(a)イソプロパノール溶媒内で(R,S)−アムロジピンと光学活性O,O'−ジベンゾイル酒石酸を反応させ、(R)−または(S)−アムロジピンジベンゾイル酒石酸塩またはその溶媒和物を生成する段階および(b)(R)−または(S)−アムロジピン塩を塩基で処理することで光学活性アムロジピンを得る段階とからなるアムロジピンの光学分離方法に関する。
アムロジピンは下記化学式1で表される化合物の一般名であり、長期間作用するカルシウムチャンネル遮断剤として、狭心症、高血圧およびうっ血性心臓麻痺のような心臓血管疾患の治療に有用であることで知られている。
化学式1
Figure 0005124281
アムロジピンは不斉中心が存在するキラル化合物である。一般的に、鏡像異性的に純粋な異性体はラセミ混合物に対して優れた薬剤活性を示し、その立体構造およびその塩の形態に従って相異した薬理活性を有し得る。(S)−(−)−異性体は最も強力なカルシウムチャンネル遮断剤として活性を示し、(R)−(+)−異性体もまた、アテローム性動脈硬化の治療または予防に対し効力を示す。従って、アムロジピンのようなラセミ化合物から鏡像異性的に純粋な異性体を得る技術開発が必要である。
アムロジピンの分離方法として、ジアステレオマーアジドエステル(diastereomer azide ester)(a)を分離する方法[J. E. Arrowsimth et al., J. Med. Chem (1986) 29 1696]、カルボン酸シンコニジン塩を使用して中間体(b)を分離する方法[欧州特許公開第331,315号]、およびジアステレオマーアミドエステル(c)をクロマトグラフィーにて分離する方法[S. Goldman et al., J. Med. Chem. (1992) 35 3341]が知られている。しかし、前記分離方法は産業的に適用するには限界があると指摘されてきた。
Figure 0005124281
最近は、前記分離方法を改善して産業的な利用可能性を有する一連の技術が報告されているが、大部分の技術はD−またはL−酒石酸を利用してアムロジピンのジアステレオマー塩を形成した後、適切な溶媒で分離する方法を使用している。これらの方法は物理的方法のみで分離が可能であり、塩基処理により塩を容易に取り除くことができるため有効な分離方法となり得る。その例として、米国特許第6,046,338号にはジメチルスルホキシド(DMSO)の存在下で酒石酸による塩形成を経て分離する方法が公開されており、米国特許第6,646,131号には重水素置換されたジメチルスルホキシド(DMSO−d6)を使用して酒石酸による塩形成を経て分離する方法が公開されており、米国特許公開第2003/0130321号にはジメチルアセトアミドの存在下で酒石酸による塩形成を経て分離する方法が公開されている。前記発明では、(S)−アムロジピンを得るためにキラル試薬としてD−酒石酸を使用し、(R)−アムロジピンを得るためにL−酒石酸を使用している。一方、米国特許公開第2003/0176706号および韓国特許公開第10−2004−23474号ではL−酒石酸を利用して濾液を処理する過程を経て(S)−アムロジピンを製造する方法が開示されている。
最近公開された分離方法は比較的高い光学純度を有するアムロジピンの異性体を分離する方法を提示しているが、ジメチルスルホキシド、重水素置換されたジメチルスルホキシドおよびジメチルアセトアミドのような高価で沸点が高く、分離後に残留の可能性が多い溶媒を使用しているため、産業的に利用可能が容易ではない。
本発明の発明者は、ラセミ(R,S)−アムロジピン混合物から各々の光学異性体を分離することができる産業的に有用な分離方法を開発するために研究、努力を行った。その結果、(R,S)−アムロジピンと光学活性O,O'−ジベンゾイル酒石酸から生成された光学活性アムロジピン塩はイソプロパノールのような一般的な溶媒での溶解度の差が大きいことを確認することで本発明を完成するに至った。
従って、本発明は(R,S)−アムロジピンから光学活性異性体を分離する方法を提供することにその目的がある。
本発明はイソプロパノール溶媒と光学活性O,O'−ジベンゾイル酒石酸を使用して(R,S)−アムロジピンから光学活性アムロジピンを光学分離する方法に関する。
このような本発明を更に詳しく説明すると下記の通りである。
本発明による方法は、(a)(R,S)−アムロジピンをイソプロパノール溶媒の中でジベンゾイル−L−酒石酸またはジベンゾイル−D−酒石酸のキラル試薬を反応させ、光学活性(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩(またはその溶媒和物)または(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩(またはその溶媒和物)を生成させる段階、
(b)光学活性(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩(またはその溶媒和物)または(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩(またはその溶媒和物)を各々塩基で処理を行うことで光学活性(R)−(+)−アムロジピンまたは(S)−(−)−アムロジピンを生成する段階とからなる。
即ち、本発明は(R,S)−アムロジピンの光学分離において、反応溶媒としてイソプロパノールを使用すると同時に、光学分割剤として光学活性O,O'−ジベンゾイル酒石酸を選択使用することに技術的特徴がある。
イソプロパノールは、ジメチルスルホキシド、重水素置換されたジメチルスルホキシドおよびジメチルアセタミドのような従来の溶媒と比較して価格が安価であるだけでなく、沸点が低いため反応後に残留の心配がなく、回収または精製が容易であるため後処理工程を簡素化するのに非常に有用である。
また、光学活性O,O'−ジベンゾイル酒石酸はキラル化合物であり、そのジアステレオマー塩はイソプロパノールに対し非常に高い溶解度を有しているため、ジメチルスルホキシドのような従来の溶媒を使用しなくとも、溶解度の差異を利用して2つの光学異性体に容易に分離することができる。
本発明による光学異性体の分離方法をより具体的に説明すると下記の通りである。
本発明による光学異性体の分離方法では、下記反応式1に表されるように、(R,S)−アムロジピンをイソプロパノール溶媒の中でジベンゾイル−L−酒石酸と反応させ、(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩またはその溶媒和物を生成させ、これを塩基で処理して(R)−(+)−アムロジピンを得ることができる。
反応式1
Figure 0005124281
(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩またはその溶媒和物を得た後、濾液に(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩またはその溶媒和物が存在するため、本発明による分離方法では光学活性アムロジピンを得た後、濾液からまた別の形態の光学活性アムロジピンを得ることもできる。特に、残液を再結晶して(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩またはその溶媒和物を得た後、塩を塩基処理して(S)−(−)−アムロジピンを生成することができる。
本発明による光学異性体のまた別の分離方法では、下記反応式2に表されるように、(R,S)−アムロジピンをイソプロパノール溶媒の中でジベンゾイル−D−酒石酸と反応させ、(S)−(−)−アムロジビン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩またはその溶媒和物を生成させ、これを塩基で処理して(S)−(−)−アムロジピンを得ることができる。






反応式2
Figure 0005124281
(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩またはその溶媒和物を得た後、濾液に(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩またはその溶媒和物が存在するため、本発明による分離方法では光学活アムロジピンを得た後、濾液からまた別の形態の光学活性アムロジピンを得ることもできる。特に、残液を再結晶して(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩またはその溶媒和物を得た後、塩を塩基処理して(S)−(−)−アムロジピンを生成することができる。
前記反応式1または反応式2においては、ジベンゾイル−L−酒石酸またはジベンゾイル−D−酒石酸を(R,S)−アムロジピン1モルを基準に0.2〜0.6モルの範囲内で使用することができる。(R)−または(S)−アムロジピンのうちいずれか1種の異性体を取得することが目的であれば、キラル試薬は0.2〜0.4モルの範囲で、更に好ましくは0.2〜0.3モルの範囲で使用することがより効果的である。しかし、(R)−および(S)−アムロジピンの両方を取得することが目的である場合、キラル試薬は0.4〜0.6モルの範囲、更に好ましくは0.5〜0.6モルの範囲で使用することがより効果的である。
一方、本発明は下記反応式3および反応式4による方法により、(R,S)−アムロジピンから(R)−および(S)−アムロジピンを同時に得ることもできる。
下記反応式3に表されるように、イソプロパノール溶媒内で、(R,S)−アムロジピンとジベンゾイル−D−酒石酸を反応させて(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩またはその溶媒和物を製造して濾過した後、残液をジベンゾイル−L−酒石酸と反応させて(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩またはその溶媒和物を製造して濾過し、そして各々の光学活性アムロジピンの塩または溶媒和物を塩基で処理させて(R)−および(S)−アムロジピンを同時に得ることができる。
反応式3
Figure 0005124281
また、下記反応式4に表されるように、イソプロパノール溶媒内で(R,S)−アムロジピンとジベンゾイル−L−酒石酸を反応させて(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩またはその溶媒和物を製造して濾過した後、残液をジベンゾイル−D−酒石酸と反応させて(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩またはその溶媒和物を製造して濾過し、そして各々の光学活性アムロジピンの塩または溶媒和物を塩基で遊離させて(R)−および(S)−アムロジピンを同時に得ることができる。
反応式4
Figure 0005124281
前記反応式3または反応式4においては、ジベンゾイル−L−酒石酸またはジベンゾイル−D−酒石酸は(R,S)−アムロジピン1モルを基準に0.2〜0.4モルの範囲内で使用し、より好ましくは0.2〜0.3モルの範囲で使用する。キラル試薬の使用量が前記使用範囲を外れると、光学活性塩の収率と光学純度を極大化させることが難しい。
以上説明したような本発明の方法では、反応溶媒としてイソプロパノールを使用することにその特徴がある。イソプロパノール溶媒は、イソプロパノールの単独溶媒またはイソプロパノールおよび共溶媒の混合溶媒を使用することができ、ここで、共溶媒は水、ケトン、アルコール、エーテル、アミド、エステル、炭化水素、クロロ炭化水素およびニトリルを使用し得る。
前記ケトンはアセトンおよびメチルエチルケトン(MEK)が好ましく、前記アルコールとしてはイソプロパノールのようなC1−C7飽和アルコールが好ましく、前記エーテルとしてはジエチルエーテルおよびテトラヒドロフラン(THF)が好ましく、前記アミドはN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)およびN,N'−ジメチルプロピレンウレア(DMPU)が好ましく、前記エステルとしては酢酸エチル(EtOAc)が好ましく、前記炭化水素はヘキサンおよびトルエンのようなC5−C10炭化水素が好ましく、前記クロロ炭化水素としてはクロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンおよび1,1,1−トリクロロエタンが好ましく、前記ニトリルとしてはアセトニトリルおよびプロピオノニトリルのようなC2−C7ニトリルが好ましいが、これに限定されない。
本発明で使用される共溶媒をより具体的に例示すると、水、アセトン、アセトニトリル、プロピオノニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、ヘキサン、トルエン、メタノール、エタノール、t−ブタノールおよびN,N'−ジメチルプロピレンウレアが含まれるが、これに限定されない。
また、共溶媒の使用量はその種類により異なり、当業者により容易に決定することができ、好ましくはイソプロパノールの容積に対して50%v/v未満の範囲内で使用される。共溶媒がイソプロパノールに対して50%v/vを超過すると、溶解度の差異が大きくないため光学純度が著しく低くなるという問題がある。
分離過程中には、アムロジピンのジベンゾイル酒石酸塩またはその溶媒和物が生成され、光学活性アムロジピン塩、具体的には、(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩、(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩、(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩、(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩は本発明の権利範囲に含まれる。
従来の方法(濾過、遠心分離またはデカンテーション)により反応溶液からアムロジピンの塩を生成することができる。その中で、濾過または遠心分離方法を使用することが好ましく、特に好ましくは濾過法である。当業界でよく知られているように、一つの光学異性体を分離する方法は別の光学異性体の分離にも同様に適用させることができる。
また、光学活性アムロジピンの塩またはその溶媒和物を塩基で処理することにより鏡像異性的に純粋なアムロジピン異性体を取得することもできるが、光学純度が更に高いアムロジピン異性体を得るためには、塩基で処理する前に光学活性アムロジピンの塩またはその溶媒和物を再結晶する過程を行うこともできる。
前記再結晶溶媒として、反応溶媒、即ちイソプロパノール単独またはイソプロパノールおよび共溶媒の混合溶媒を使用することもできる。前記塩基としては、アルカリまたはアルカリ土類金属の水酸化物、酸化物、炭酸塩、重炭酸塩またはアミドが使用され、好ましくはアルカリ金属水酸化物または酸化物を使用し、更に好ましくは水酸化ナトリウムを使用する。
また、本発明は濾過、遠心分離またはデカンテーションにより光学活性アムロジピンの塩またはその溶媒化物を分離して残液から光学活性アムロジピンの塩またはその溶媒和物を分離、濾過する過程を含む。特に、特定光学異性体を分離または部分分離した後の溶液にはその光学対掌体が含まれるため、前記で使用された光学活性O,O'−ジベンゾイル酒石酸の光学対掌体を残液に添加すると、また別の光学活性アムロジピンジベンゾイル酒石酸塩またはその溶媒和物が製造される。従って、本発明の方法では二つの光学異性体を同時に得ることができる。
このような本発明は下記実施例に依拠して更に詳しく説明するが、本発明がこれに限定されるわけではない。
下記実施例において、光学純度をキラルHPLCで測定し、分離に使用されるHPLCの条件は下記の通りである。
−カラム:ウルトロンES−OVM(Ovomucoid社)、15cm
−流速:1ml/分
−検出波長:360nm
−溶出剤:リン酸1水素2ナトリウム緩衝剤(20nM、pH7)/アセトニトリル(80/20、v/v)
−サンプル:アセトニトリル/水(50/50、v/v、0.1mg/mL) に溶解
(実施例1)
(R,S)−アムロジピンから(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩の製造
(R,S)−アムロジピン163.6gをアセトニトリル/イソプロパノール(1/9)の混合溶液3Lに溶解した後、55℃で攪拌した。アセトニトリル/イソプロパノール(1/9、v/v)の混合溶液1Lに溶かしたジベンゾイル−D−酒石酸35.8g(0.25モル当量)を加えて10分間更に攪拌した。0.2gの(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩(>99.5% d.e.)を加え、室温で夜通し攪拌した。固形物を濾過して収集し、アセトニトリル/イソプロパノール(1/9、v/v)の混合溶液500mLで洗浄した後、50℃の真空中で夜通し乾燥させ、(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩97.6g(理論的収率83%)を得た。
融点:116−118℃;C202525Cl・0.5[C18148]に対する元素分析実測値:C59.12%、H5.50%、N4.62%、理論値:C59.23%、H5.49%、N4.76%;キラルHPLC:99.2% d.e.
(実施例2)
(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩から(S)−(−)−アムロジピンの製造
前記実施例1で得た(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩9gをCH2Cl290mLおよび2N NaOH水溶液90mLの混合溶液に溶解し、30分間攪拌させた。有機溶液を分離して水で1回洗浄した。CH2Cl2を真空で蒸留し、ヘキサンを加えてスラリーにさせた。固形物を濾過して収集し、50℃の真空中で夜通し乾燥させて(S)−(−)−アムロジピン5.76g(92%)を得た。
融点:107−109℃;C202525Clに対する元素分析実測値:C58.64%、H6.25%、N6.79%、理論値:C58.75%、G6.16%、N6.85%;キラルHPLC:99.2% e.e.
(実施例3)
(R,S)−アムロジピンから(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩の製造
(R,S)−アムロジピン163.6gをアセトニトリル/イソプロパノール(1/9)の混合溶液3Lに溶かした後、55℃で攪拌した。アセトニトリル/イソプロパノール(1/9、v/v)の混合溶液1Lに溶かしたジベンゾイル−D−酒石酸71.6g(0.5モル当量)を加えて10分間更に攪拌した。0.2gの(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩(>99.5% d.e.)を加え、室温で18時間その状態を維持させた。固形物を濾過して収集し、アセトニトリル/イソプロパノール(1/9、v/v)の混合溶液500mLで洗浄した後、50℃の真空中で夜通し乾燥させ、(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩96.4g(理論的収率78%)を得た。キラルHPLC:90.0% d.e.
(実施例4)
(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩の再結晶
前記実施例3で得た(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩96.4gをイソプロパノール4Lに加熱しながら溶解した。0.2gの(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩(>99.5% d.e.)を加え、室温で4時間その状態を維持させた。固形物を濾過して収集し、イソプロパノール500mLで洗浄した後、固形体を50℃の真空中で夜通し乾燥させ、(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩81.8g(理論的収率89%)を得た。キラルHPLC:99.2% d.e.
(実施例5)
残液から(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩の回収
前記実施例3で(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩を回収して残った濾液は下記のように処理した。
残液に0.2gの(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩(>99.5% d.e.)を加えて室温で2時間攪拌した。溶媒和液を蒸留することで全体容積が約1/5となるように溶液を濃縮し、イソプロパノール2Lを加えた後、5℃で4時間その状態を維持させた。固形物を濾過して収集し、50℃の真空中で夜通し乾燥させ、(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩78.9g(理論的収率67%)を得た。
融点:116−118℃;C202525Cl・0.5[C18148]に対する元素分析実測値:C59.15%、H5.54%、N4.58%、理論値:C59.23%、H5.49%、N4.76%;キラルHPLC:97.4% d.e.
(実施例6)
(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩から(R)−(+)−アムロジピンの製造
前記実施例5で得た(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩9gをCH2Cl290mLおよび2N NaOH水溶液90mLの混合溶液に加えて30分間攪拌させた。有機溶液を分離して水で1回洗浄した後、CH2Cl2を真空で蒸留し、ヘキサンを加えてスラリーにさせた。固形物を濾過させて収集し、50℃の真空中で夜通し乾燥させて(R)−(+)−アムロジピン5.69g(収率91%)を得た。キラルHPLC:97.4% e.e.
(実施例7)
(R,S)−アムロジピンから(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩の製造
(R,S)−アムロジピン163.6gをアセトニトリル/イソプロパノール(1/9、v/v)の混合溶液3Lに溶解した後、55℃で攪拌した。アセトニトリル/イソプロパノール(1/9、v/v)の混合溶液1Lに溶かしたジベンゾイル−L−酒石酸塩35.8g(0.25モル当量)を加えて10分間更に攪拌した。0.2gの(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩(>99.5% d.e.)を加え、室温で夜通し攪拌させた。固形物を濾過させて収集し、アセトニトリル/イソプロパノール(1/9、v/v)の混合溶液500mlで洗浄した後、50℃の真空中で夜通し乾燥させて(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩90.0g(理論的収率77%)を得た。
融点:115−117℃;C202525Cl・0.5[C18148]に対する元素分析実測値:C59.17%、H5.65%、N4.64%、理論値:C59.23%、H5.49%、N4.76%;キラルHPLC:98.5% d.e.
(実施例8)
(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩から(R)−(+)−アムロジピンの製造
前記実施例7で得た(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩9gをCH2Cl290mlおよび2N NaOH水溶液90mLの混合溶液に溶解させ、30分間攪拌させた。次に、有機溶液を分離して水で1回洗浄した。CH2Cl2を蒸留し、ヘキサンを加えてスラリーにさせた。固形物を濾過させて収集し、50℃の真空中で夜通し乾燥させて(R)−(+)−アムロジピン5.81g(93%)を得た。
融点:108−110℃;C202525Clに対する元素分析実測値:C58.57%、H6.37%、N6.76%、理論値:C58.75%、H6.16%、N6.85%;キラルHPLC:98.7% e.e.
(実施例9)
(R,S)−アムロジピンから(R)−(+)−アムロジピン−へミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩の製造
(R,S)−アムロジピン4.09gをアセトニトリル/イソプロパノール(1/9、v/v)の混合溶液100mLに溶解した後、50℃で攪拌した。アセトニトリル/イソプロパノール(1/9、v/v)の混合溶液50mLに溶かしたジベンゾイル−L−酒石酸1.79g(0.5モル当量)を加えて室温で10分間更に攪拌した。0.002gの(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩(>99.5% d.e.)を加えて室温で18時間攪拌した。固形物を濾過させて収集し、50℃の真空中で夜通し乾燥させて(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩2.88g(理論的収率98%)を得た。キラルHPLC97.6% d.e.
(実施例10)
(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩から(R)−(+)−アムロジピンの製造
前記実施例9で得た(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩2gをCH2Cl220mLおよび2H NaOH水溶液20mLの混合溶液に溶解させ、30分間攪拌させた。次に、有機溶液を分離して水で1回洗浄した。CH2Cl2を真空で蒸留し、ヘキサンを加えてスラリーにさせた。固形物を濾過させて収集し、50℃の真空中で夜通し乾燥させて(R)−(+)−アムロジピン1.28g(92%)を得た。
融点108−110℃;キラルHPLC:97.8% e.e.
(実施例11)
残液から(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩の回収
前記実施例9で(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩を回収して残った溶液は下記のように処理した。
0.002gの(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩(>99.5% d.e.)を加えて室温で2時間攪拌した。溶媒和液を蒸留することで全体容積が約1/5となるように溶液を濃縮し、イソプロパノール50mLを更に加えた後、5℃で4時間その状態を維持させた。固形物を濾過させて収集し、50℃の真空中で夜通し乾燥させ、(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩1.76g(理論的収率60%)を得た。
融点:114−116℃;C202525Cl・0.5[C18148]に対する元素分析実測値:C59.10%、H5.52%、N4.59%、理論値:C59.23%、H5.49%、N4.76%;キラルHPLC:97.5% d.e.
(実施例12)
(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩から(S)−(−)−アムロジピンの製造
前記実施例11で得た(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩1gをCH2Cl210mLおよび2H NaOH水溶液10mLの混合溶液に加えて30分間攪拌させた。次に、生成された有機溶液を分離して水で1回洗浄した。CH2Cl2を真空で蒸留し、ヘキサンを加えてスラリーにさせた。固形物を濾過させて収集し、50℃の真空中で夜通し乾燥させて(S)−(−)−アムロジピン0.64g(92%)を得た。
融点:107−109℃;キラルHPLC:97.5% e.e.
(実施例13)
(R,S)−アムロジピンから(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩および(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩の製造
(R,S)−アムロジピン163.6gをアセトニトリル/イソプロパノール(1/9、v/v)の混合溶液2Lに溶かした後、55℃で攪拌した。アセトニトリル/イソプロパノール(1/9、v/v)の混合溶液1Lに溶かしたジベンゾイル−D−酒石酸35.8g(0.25モル当量)を加えて10分間更に攪拌した。0.05gの(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩(>99.5% d.e.)を加え、室温で16時間攪拌させた後、反応溶液の温度を0−5℃まで下げて6時間更に攪拌した。固形物を濾過させて収集し、アセトニトリル/イソプロパノール(1/9、v/v)の混合溶液500mLで洗浄した後、50℃の真空中で夜通し乾燥させて(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩114.7g(理論的収率97.5%)を得た。
融点:116−118℃;C202525Cl・0.5[C18148]に対する元素分析実測値:C59.17%、H5.51%、N4.70%、理論値:C59.23%、H5.49%、N4.76%;キラルHPLC:>98% d.e.
残液を下記のように処理した。ジベンゾイル−L−酒石酸35.8g(0.25モル当量)を加えて60℃で10分間攪拌した。0.05gの(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩(>99.5% d.e.)を加え、60℃から30℃まで徐々に冷却させながら5時間攪拌させた。固形物を濾過させて収集し、アセトニトリル/イソプロパノール(1/9、v/v)の混合溶液500mLで洗浄した後、50℃の真空中で夜通し乾燥させて(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩98.9g(理論的収率84.1g)を得た。
融点:115−117℃;C202525Cl・0.5[C18148]に対する元素分析実測値:C59.14%、H5.56%、N4.63%、理論値:C59.23%、H5.49%、N4.76%;キラルHPLC:>99% d.e.
(実施例14)
(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩から(S)−(−)−アムロジピンの製造
前記実施例13で得た(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩9gをCH2Cl290mLおよび2H NaOH水溶液90mLの混合溶液中で30分間攪拌させた。次に、有機溶液を分離して水で1回洗浄した。CH2Cl2を真空で蒸留し、ヘキサンを加えてスラリーにさせた。固形物を濾過させて収集し、50℃の真空中で夜通し乾燥させて(S)−(−)−アムロジピン5.69g(91%)を得た。
融点:107−109℃;キラルHPLC:>98% e.e.
(実施例15)
(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩から(R)−(+)−アムロジピンの製造
前記実施例13で得た(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩9gをCH2Cl290mLおよび2H NaOH水溶液90mLの混合溶液中で30分間攪拌させた。次に、有機溶液を分離して水で1回洗浄した。CH2Cl2を真空で蒸留し、ヘキサンを加えてスラリーにさせた。固形物を濾過させて収集し、50℃の真空中で夜通し乾燥させて(R)−(+)−アムロジピン5.63g(90%)を得た。
融点:108−110℃;キラルHPLC:>99% e.e.
(実施例16)
(R,S)−アムロジピンから(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩および(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩の製造
(R,S)−アムロジピン163.6gをアセトニトリル/イソプロパノール(1/9、v/v)の混合溶液2Lに溶かした後、55℃で攪拌した。アセトニトリル/イソプロパノール(1/9、v/v)の混合溶液1Lに溶かしたジベンゾイル−L−酒石酸35.8g(0.25モル当量)を加えて10分間更に攪拌した。0.05gの(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩(>99.5% d.e.)を加え、室温で16時間攪拌させた後、反応溶液の温度を0−5℃まで下げ、6時間更に攪拌した。固形物を濾過させて収集し、アセトニトリル/イソプロパノール(1/9、v/v)の混合溶液500mLで洗浄した後、50℃、真空中で夜通し乾燥させて(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩113.2g(理論的収率96.2%)を得た。
残液を下記のように処理した。ジベンゾイル−D−酒石酸塩35.8g(0.25モル当量)を加えて60℃で10分間攪拌した。0.05gの(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩(>99.5% d.e.)を加えて60℃から30℃まで徐々に冷却させながら5時間攪拌させた。固形物を濾過させて収集し、アセトニトリル/イソプロパノール(1/9、v/v)の混合溶液500mLで洗浄した後、50℃の真空中で夜通し乾燥させて(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩96.5g(理論的収率82.0g)を得た。
(実施例17)
(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩から(R)−(+)−アムロジピンの製造
前記実施例16で得た(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩9gをCH2Cl290mLおよび2H NaOH水溶液90mLの混合溶液中で30分間攪拌させた。次に、有機溶液を分離して水で1回洗浄した。CH2Cl2を真空で蒸留し、ヘキサンを加えてスラリーにさせた。固形物を濾過させて収集し、50℃の真空中で夜通し乾燥させて(R)−(+)−アムロジピン5.70g(91.1%)を得た。
(実施例18)
(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩から(S)−(−)−アムロジピンの製造
前記実施例16で得た(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩9gをCH2Cl290mLおよび2H NaOH水溶液90mLの混合溶液中で30分間攪拌させた。次に、有機溶液を分離して水で1回洗浄した。CH2Cl2を真空で蒸留し、ヘキサンを加えてスラリーにさせた。固形物を濾過させて収集し、50℃の真空中で夜通し乾燥させて(S)−(−)−アムロジピン5.65g(90.3%)を得た。
実験例 溶媒およびキラル試薬の選択による生成された塩の光学純度
前記実施例1による製造方法を繰り返し行い、下記表1に表すように様々な溶媒を使用してアムロジピンの塩を製造した。溶媒の混合比(%)はvol%を意味する。
Figure 0005124281
前記表1の結果によると、本発明の方法に従って、反応溶媒としてイソプロパノール単独またはイソプロパノールおよび共溶媒の混合溶媒を使用し、キラル試薬としてジベンゾイル−D−酒石酸またはジベンゾイル−L−酒石酸を使用する場合、光学純度が比較的高く維持されることが分かる。
また、反応溶媒としてイソプロパノールの代りにエタノールを使用すると、光学純度が著しく下がり、イソプロパノールにおいての溶解度の差異が目立って高いことが分かる。
従って、本発明において、反応溶媒とキラル試薬の選択が非常に重要であることが分かる。
産業上の利用可能性
以上説明した通り、本発明では(R,S)−アムロジピンの分離において、反応溶媒として沸点が低いイソプロパノールとキラル試薬としてO,O'−ジベンゾイル酒石酸を使用することで、溶解度の差異を利用して光学異性体を効率的に分離することができる。更に、残液に前記で使用された光学活性O,O'−ジベンゾイル酒石酸の鏡像異性体を添加して反応させ、また別の光学活性アムロジピンの塩またはその溶媒和物を同時に分離させることもできる。
特に、反応中間体として生成される光学活性アムロジピンジベンゾイル酒石酸塩またはその溶媒和物を再結晶した後、塩基で処理させると、より高い光学純度を得ることができる。
従って、本発明による(R,S)−アムロジピンの分離方法は産業的に非常に有用である。

Claims (23)

  1. イソプロパノール溶媒および光学活性O,O'−ジベンゾイル酒石酸を使用して(R,S)−アムロジピンを光学分離して光学活性アムロジピンを製造する方法。
  2. (a)イソプロパノール溶媒内で(R,S)−アムロジピンおよびジベンゾイル−L−酒石酸を反応させて(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩またはその溶媒和物を製造する段階、および
    (b)前記で得られた光学活性(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩またはその溶媒和物を塩基で処理して光学活性(R)−(+)−アムロジピンを製造する段階
    とからなることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 前記ジベンゾイル−L−酒石酸を(R,S)−アムロジピン1モルを基準として0.2〜0.6モル比の範囲で使用することを特徴とする、請求項2記載の方法。
  4. 前記(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩またはその溶媒和物を再結晶化した後、塩基処理を行うことを特徴とする、請求項2記載の方法。
  5. (c)濾液を再結晶化して(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩またはその溶媒和物を得る段階、および
    (d)前記で得られた光学活性(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩またはその溶媒和物を塩基で処理して光学活性(S)−(−)−アムロジピンを製造する段階
    を更に含むことを特徴とする、請求項2記載の方法。
  6. (a)イソプロパノール溶媒内で(R,S)−アムロジピンおよびジベンゾイル−D−酒石酸を反応させて(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩またはその溶媒和物を製造する段階、および
    (b)前記で得られた光学活性(S)−(−)−アムロジピンの塩またはその溶媒和物を塩基で処理して光学活性(S)−(−)−アムロジピンを製造する段階
    とからなることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  7. 前記ジベンゾイル−D−酒石酸を(R,S)−アムロジピン1モルを基準として0.2〜0.6モル比の範囲で使用することを特徴とする、請求項6記載の方法。
  8. 前記(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩またはその溶媒和物を再結晶化した後、塩基処理を行うことを特徴とする、請求項6記載の方法。
  9. (c)濾液を再結晶化して(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩またはその溶媒和物を得る段階、および
    (d)前記で得られた光学活性(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩またはその溶媒和物を塩基で処理して光学活性(R)−(+)−アムロジピンを製造する段階
    とからなることを特徴とする、請求項6記載の方法。
  10. (a)イソプロパノール溶媒内で(R,S)−アムロジピンとジベンゾイル−L−酒石酸を反応させて濾過することで(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸またはその溶媒和物を製造する段階、
    (b)濾液をジベンゾイル−D−酒石酸と反応させて濾過することで(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩またはその溶媒和物を製造する段階、
    (c)前記(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−−酒石酸塩またはその溶媒和物を塩基で処理し、(R)−アムロジピンを得る段階、および
    (d)前記(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩またはその溶媒和物を塩基で処理し、(S)−アムロジピンを得る段階
    とからなることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  11. 前記ジベンゾイル−L−酒石酸およびジベンゾイル−D−酒石酸を(R,S)−アムロジピン1モルを基準として0.2〜0.3モル比の範囲で各々使用することを特徴とする、請求項10記載の方法。
  12. (R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩またはその溶媒和物、および(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩またはその溶媒を各々再結晶化した後、塩基処理を行うことを特徴とする、請求項10記載の方法。
  13. (a)イソプロパノール溶媒内で(R,S)−アムロジピンとジベンゾイル−D−酒石酸を反応させて濾過することで(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸またはその溶媒和物を製造する段階、
    (b)濾液をジベンゾイル−L−酒石酸と反応させて濾過することで(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩またはその溶媒和物を製造する段階、
    (c)前記(S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩またはその溶媒和物を塩基で処理し、(S)−アムロジピンを得る段階、および
    (d)前記(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−−酒石酸塩またはその溶媒和物を塩基で処理し、(R)−アムロジピンを得る段階
    とからなることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  14. 前記ジベンゾイル−D−酒石酸およびジベンゾイル−L−酒石酸を(R,S)−アムロジピン1モルを基準として0.2〜0.3モル比の範囲で各々使用することを特徴とする、請求項13記載の方法。
  15. (S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩またはその溶媒和物、および(R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩またはその溶媒和物を各々再結晶化した後、塩基処理を行うことを特徴とする、請求項13記載の方法。
  16. 前記反応溶媒は、イソプロパノール単独、または水、ケトン類、アルコール類、エーテル類、アミド類、エステル類、炭化水素類、クロロ炭化水素類およびニトリル類からなる群から選択された共溶媒とイソプロパノールの混合溶媒であることを特徴とする、請求項1、2、6、10および13のうちいずれか1項記載の方法。
  17. 前記共溶媒は水、アセトン、アセトニトリル、プロピオノニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、ヘキサン、トルエン、メタノール、エタノール、t−ブタノールおよびN,N'−ジメチルプロピレンウレアからなる群から選択されることを特徴とする、請求項16記載の方法。
  18. 前記再結晶化は、イソプロパノール単独溶媒、または水、ケトン類、アルコール類、エーテル類、アミド類、エステル類、炭化水素類、クロロ炭化水素類およびニトリル類からなる群から選択された共溶媒とイソプロパノールの混合溶媒である結晶化溶媒で行われることを特徴とする、請求項4、5、8、9、12および15のうちいずれか1項記載の方法。
  19. 前記塩基はアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、酸化物、炭酸塩、重炭酸塩およびアミドからなる群から選択されることを特徴とする、請求項2、4〜6、8〜10および12〜14のうちいずれか1項記載の方法。
  20. (R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩またはその溶媒和物。
  21. (S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩またはその溶媒和物。
  22. (S)−(−)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−L−酒石酸塩またはその溶媒和物。
  23. (R)−(+)−アムロジピン−ヘミ−ジベンゾイル−D−酒石酸塩またはその溶媒和物。
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