JP5123658B2 - アクチュエータ駆動回路 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば建設機械の両口あご式破砕機に用いられる油圧シリンダのほか、油圧モータ等のアクチュエータ駆動回路に関する。
可動あごを開閉動作させて対象構造物を破砕する破砕機に用いられる油圧シリンダのアクチュエータ駆動回路は、可動あごの閉動作を速くするため、例えば油圧シリンダのロッドの伸長を速くする増速回路(以下、順動作増速回路)が組み込まれることが多い。具体的には、特許文献1に見られるように、油圧シリンダのロッドが伸長することにより可動あごが閉動作する破砕機では、順動作増速回路が油圧シリンダのロッド側から出される油を前記油圧シリンダのボトム側に戻すことにより、油圧シリンダの伸長を速くし、また可動あごの閉動作を速くする。この順動作増速回路は、推力を抑えてロッドの伸長を速くするが、可動あごが対象構造物に接触すると油圧シリンダのロッドによる推力を最大にする(特許文献1の図1及び図2参照)。
特開平10-266587号公報
特許文献1が開示する順動作増速回路は、例示された片口あご式破砕機のほか、油圧ラインを分岐することにより両口あご式破砕機にも適用しうる。このように、片口あご式破砕機や両口あご式破砕機において可動あごの閉動作を速くすることが望まれた理由は、破砕作業では可動あごを速く閉じることが、作業時間の短縮に繋がると考えられたからである。そうであれば、可動あごを速く開くことも作業時間の短縮に繋がると考えられるが、今のところ油圧シリンダの縮長を速くする増速回路(以下、逆動作増速回路)は見られない。これは、破砕機を移動させる間に可動あごを開けばよいとの前提から、特に逆動作増速回路の要求がなかったことによる。
しかし、逆動作増速回路により可動あごを速く開けば、それだけ作業時間の短縮もできて好ましい。これから、例えば特許文献1が開示する順動作増速回路を逆動作増速回路に転用することが考えられる。ところが、油圧シリンダから出される油の量はロッド側及びボトム側それぞれの断面積に比例するため、断面積の小さなロッド側から断面積の大きなボトム側に油を戻すことはできても、逆に断面積の大きなボトム側から断面積の小さなロッド側に油を戻すことは難しく、ボトム側からロッド側へ油を戻す構成の前記順動作増速回路は、逆動作増速回路に転用できない。そこで、断面積の大きなボトム側から断面積の小さなロッド側に油を戻してロッドの縮長を速くする場面での利用も可能な逆動作増速回路を開発するべく、検討した。
検討の結果開発したものが、順方向ラインから作動媒体を供給してチューブからロッド伸長して順動作させ、逆方向ラインから作動媒体を供給してチューブからロッド縮長して逆動作させる第1油圧シリンダ及び第2油圧シリンダを駆動対象とするアクチュエータ駆動回路において、第1油圧シリンダ及び第2油圧シリンダの両ロッドの逆動作を同期させて速くする逆動作増速回路を設けてなり、前記逆動作増速回路は、第1油圧シリンダの逆方向ラインに対して、第2油圧シリンダの逆方向ラインから分岐した逆方向分岐ラインと、第1油圧シリンダの順方向ラインから分岐した順方向分岐ラインとの接続を切り換える切換弁を設け、前記切換弁の切換弁用パイロットラインを第2油圧シリンダの逆方向ラインに接続して構成されるアクチュエータ駆動回路である。
本発明は、チューブから伸長又は縮長するロッドをする油圧シリンダに代えて、モータ本体から突出して正回転又は逆回転する回転軸をする油圧モータにも応用できる。ここで、本発明に言うロッドの順動作とは、ロッドが動くことにより外部に対して何らかの仕事をする動作、すなわちロッドに負荷が加わる伸である。油圧モータであれば回転軸の正回転が順動作に相当する。同様に、本発明に言うロッドの逆動作とは、ロッドが動くものの外部に対して特に仕事をしない動作、すなわちロッドに負荷が加わらない縮である。油圧モータであれば回転軸の逆回転が逆動作に相当する。
本発明のアクチュエータ駆動回路の働きについて、第1油圧シリンダ及び第2油圧シリンダが第1油圧シリンダ及び第2油圧シリンダである場合を例にして説明する。まず、第1油圧シリンダ及び第2油圧シリンダの各ロッドを伸長させる場合、ポンプにより順方向ラインを通じて各油圧シリンダのボトム側それぞれに油が送り込まれる。このとき、切換弁は、第1油圧シリンダの逆方向ラインと、第2油圧シリンダの逆方向ラインから分岐した逆方向分岐ラインとを結んでいる。これから、第1油圧シリンダのロッド側から出された油は、切換弁、第2油圧シリンダの逆方向分岐ライン、そして逆方向ラインを通じて例えばタンクへ戻される。
これに対して、第1油圧シリンダ及び第2油圧シリンダの各ロッドを縮長させる場合、ポンプにより逆方向ラインを通じて第2油圧シリンダのロッド側にのみ作動媒体が送り込まれ、切換弁が切換弁用パイロットラインに発生する圧力に押されて切り換わり、第1油圧シリンダの逆方向ラインと第1油圧シリンダの順方向ラインから分岐した順方向分岐ラインとが結ばれる。これにより、第1油圧シリンダのボトム側から出された油は、第1油圧シリンダの順方向分岐ラインに一部が分流し、切換弁、そして第1油圧シリンダの逆方向ラインを通じて前記第1油圧シリンダのロッド側へ前記一部が戻される。
このように、本発明のアクチュエータ駆動回路における逆動作増速回路は、各ロッドを順動作させる場合には第1油圧シリンダ及び第2油圧シリンダのいずれにも作動媒体を供給するが、各ロッドを逆動作させる場合には第2油圧シリンダにのみ作動媒体を供給することにより、第2油圧シリンダロッドの逆動作を速くし、前記第2油圧シリンダロッドに同期させて第1油圧シリンダロッドを追随させる。このとき、第1油圧シリンダは、順方向ラインへ出される作動媒体の一部を逆方向ラインに戻すことにより、ロッドが逆動作することの抵抗をなくすることで、第2油圧シリンダロッドに追随しやすくしている。
本発明のアクチュエータ駆動回路に設けた逆動作増速回路は、ロッドに負荷の加わらない逆動作のみを速くするが、ロッドに負荷の加わる順動作に際する作動媒体の流れには影響を及ぼさない。これから、本発明のアクチュエータ駆動回路は、新たに開発した逆動作増速回路に、負荷の加わる順動作を速くする順動作増速回路を加えて構成し、ロッドの順動作及び逆動作をいずれも速くできる。例えば本発明のアクチュエータ駆動回路を両口あご式破砕機に適用する場合、順動作増速回路は特許文献1が開示する構成のものを利用しうる。
本発明のアクチュエータ駆動回路に設けた逆動作増速回路は、第1油圧シリンダ及び第2油圧シリンダの両ロッドが同期して逆動作することが必要である。ここで、前記両ロッドの同期は、例えば第1油圧シリンダ及び第2油圧シリンダの両ロッド、両チューブ、そして前記両ロッド又は両チューブそれぞれに接続した作動体のいずれかを同期リンクで連結したり、第1油圧シリンダ及び第2油圧シリンダの両ロッド、両チューブ、そして前記両ロッド又は両チューブそれぞれに接続した作動体に設けた同期ギヤを噛み合わせることにより、実現される。
これから、例えば本発明のアクチュエータ駆動回路を両口あご式破砕機に適用した場合、第1油圧シリンダ及び第2油圧シリンダの各ロッド又は各チューブを一対の可動あごそれぞれに接続し、前記可動あごを同期リンクで連結したり、前記可動あごに設けた同期ギヤを噛み合わせたりする構成となる。ここで、記述したように、本発明による逆動作増速回路に順動作増速回路を加えて前記両口あご式破砕機におけるアクチュエータ駆動回路を構成すると、可動あごの閉動作はもちろん、開動作もそれぞれ速くできるようになる。
本発明により、第1油圧シリンダ及び第2油圧シリンダの各ロッドの同期した逆動作を速くする逆動作増速回路をアクチュエータ駆動回路に組み込むことができる。更に、ロッドの順動作を速くする順動作増速回路と組み合せれば、第1油圧シリンダ及び第2油圧シリンダの各ロッドの順動作及び逆動作いずれも速くするアクチュエータ駆動回路を提供できるようになる。これにより、例えば本発明を両口あご式破砕機に用いれば、可動あごの開動作及び閉動作のいずれも速くして、破砕作業の作業時間を短縮させることができる。
以下、本発明の実施形態について図を参照しながら説明する。図1は第1油圧シリンダ1及び第2油圧シリンダ2を駆動対象とする本発明のアクチュエータ駆動回路の一例を表すブロック図、図2はロッド11,21を伸長させる場合の油の流れを表す図1相当ブロック図、図3は第1可動あご61及び第2可動あご62の閉動作を表す両口あご式破砕機6の側面図、図4はロッド11,21を縮長させる場合の油の流れを表す図1相当ブロック図であり、図5は第1可動あご61及び第2可動あご62の開動作を表す両口あご式破砕機6の図3相当側面図である。各ブロック図で油の流れを説明する場合、流れる油又は伝達される油圧の部分は太線で表示する。
本発明のアクチュエータ駆動回路は、例えば図1に見られるように、同期リンク63によりロッド11,21の伸長又は縮長を同期させる第1油圧シリンダ1及び第2油圧シリンダ2を駆動対象として構成され、図3に見られる両口あご式破砕機6に適用される。同期リンク63は、後述するように、例えば両口あご式破砕機6(後掲図3及び図5参照)に見られるように、第1油圧シリンダ1及び第2油圧シリンダ2が動かす第1可動あご61及び第2可動あご62に設けてもよいし、ロッド11,21又はチューブ13,23を直接結んでもよい。要は、第1油圧シリンダ1及び第2油圧シリンダ2のロッド11,21が同期して伸長及び縮長できればよい。
本例では、油が作動媒体、第1油圧シリンダ1及び第2油圧シリンダ2のロッド11,21の伸長が順動作、前記ロッド11,21の縮長が逆動作である。第1油圧シリンダ1は、チューブ13を分画するピストン12の後室がボトム側14、前室がロッド側17となり、前記ボトム側14に接続される油圧ラインが順方向ライン15、ロッド側17に接続される油圧ラインが逆方向ライン18となる。同様に、第2油圧シリンダ2は、チューブ23を分画するピストン22の後室がボトム側24、前室がロッド側27となり、前記ボトム側24に接続される油圧ラインが順方向ライン25、ロッド側27に接続される油圧ラインが逆方向ライン28となる。第2油圧シリンダ2の順方向ライン25は、第1油圧シリンダ1の順方向ライン15から分岐される。
これから、本例の逆動作増速回路は、第1油圧シリンダ1の逆方向ライン18に対して、第2油圧シリンダ2の逆方向ライン28から分岐した逆方向分岐ライン29と、第1油圧シリンダ1の順方向ライン15から分岐した順方向分岐ライン16との接続を切り換える切換弁3を設け、前記切換弁3の切換弁用パイロットライン31を第2油圧シリンダ2の逆方向ライン28に接続して構成される(図1中破線枠内)。このように、逆動作増速回路は共用油圧ラインに対する分岐回路として、第1油圧シリンダ1のボトム側14、第2油圧シリンダ2のボトム側24、そして第2油圧シリンダ2のロッド側27はそれぞれ直接油を流し込み、また流れ出すようにしているが、第1油圧シリンダ1のロッド側17のみが逆動作増速回路を介して油を流し込み、また流し出す働きを有している。
本例のアクチュエータ駆動回路が適用される両口あご式破砕機6は、例えば図3に見られるように、本体フレーム64にロッド11,21を軸支させた第1油圧シリンダ1のチューブ13を、前記本体フレーム64に軸着した第1可動あご61に軸着し、同じく第2油圧シリンダ2のチューブ23を、前記本体フレーム64に軸着した第2可動あご62に軸着して、第1可動あご61と第2可動あご62とを同期リンク63で連結し、同期して閉動作又は開動作するように構成される。アクチュエータ駆動回路は、本体フレーム64に内蔵される。こうした両口あご式破砕機は、第1油圧シリンダ1及び第2油圧シリンダ2のロッド11,21を伸長させて第1可動あご61及び第2可動あご62が閉動作させ、逆に前記ロッド11,21が縮対させて第1可動あご61及び第2可動あご62が開動作させる。
上述のような逆動作増速回路を加えた本例のアクチュエータ駆動回路は、次のように油を流し、両口あご式破砕機6の第1可動あご61及び第2可動あご62を閉動作又は開動作させる。まず、図2に見られるように、第1油圧シリンダ1及び第2油圧シリンダ2のロッド11,21を伸長させる場合、ポンプ(図示略)により順方向ライン15,25を通じて第1油圧シリンダ1及び第2油圧シリンダ2のボトム側14,24それぞれに油が送り込まれる。これにより、図3に見られるように、両口あご式破砕機6は、第1可動あご61及び第2可動あご62を閉動作させる。このとき、切換弁3は、第1油圧シリンダ1の逆方向ライン18と、第2油圧シリンダ2の逆方向ライン28から分岐した逆方向分岐ライン29とを結んでいる。これから、第1油圧シリンダ1のロッド側17から出された油は、切換弁3、第2油圧シリンダ2の逆方向分岐ライン29、そして逆方向ライン28を通じて例えばタンク(図示略)へ戻される。
これに対して、図4に見られるように、第1油圧シリンダ1及び第2油圧シリンダ2のロッド11,21を縮長させる場合、ポンプ(図示略)により逆方向ライン28を通じて第2油圧シリンダ2のロッド側27にのみ油が送り込まれ、切換弁3が切換弁用パイロットライン31に発生する油圧に押されて切り換わり、第1油圧シリンダ1の逆方向ライン18と第1油圧シリンダ1の順方向ライン15から分岐した順方向分岐ライン16とが結ばれる。これにより、第1油圧シリンダ1のボトム側14から出された油は、第1油圧シリンダ1の順方向分岐ライン16に一部が分流し、切換弁3、そして第1油圧シリンダ1の逆方向ライン18を通じて前記第1油圧シリンダ1のロッド側17へ前記一部が戻される。こうして、図5に見られるように、両口あご式破砕機6は、第1可動あご61及び第2可動あご62を開動作させる。
このように、本例のアクチュエータ駆動回路における逆動作増速回路は、ロッド11,21を伸長させる場合には、第1油圧シリンダ1及び第2油圧シリンダ2のいずれにも油を供給するが、ロッド11,21を縮長させる場合には、第2油圧シリンダ2にのみ油を供給することにより、第2油圧シリンダ2のロッド21の縮長を速くし、前記第2油圧シリンダ2のロッド21と同期リンク63で結ばれた第1油圧シリンダ1のロッド11を追随させる。このとき、第1油圧シリンダ1は、ボトム側14から順方向ライン15へ出される油の一部を逆方向ライン18に戻すことにより、ロッド11が縮長することの抵抗をなくすることで、第2油圧シリンダ2のロッド21の縮長に追随しやすくしている。
図6は第1油圧モータ4及び第2油圧モータ5を駆動対象とする本発明のアクチュエータ駆動回路の応用例を表すブロック図、図7は回転軸41,51を正回転させる場合の油の流れを表す図6相当ブロック図であり、図8は回転軸41,51を逆回転させる場合の油の流れを表す図6相当ブロック図である。各ブロック図で油の流れを説明する場合、上述同様、流れる油又は伝達される油圧の部分は太線で表示する。
応用例のアクチュエータ駆動回路は、例えば図6に見られるように、モータ本体43,53それぞれから突出させた回転軸41,51で破砕ローラ71を支持する第1油圧モータ4及び第2油圧モータ5を駆動対象として構成される。すなわち、応用例のアクチュエータ駆動回路では、上述した同期リンク63に代えて、例えば両口あご式破砕機6(後掲図3及び図5参照)の第1可動あご61及び第2可動あご62に相当するロータリ型破砕機の破砕ローラ71を、作動体兼同期手段として利用している。図示では、説明の便宜上、回転軸41,51で直接破砕ローラ71を支持しているが、中間に減速ギヤ等を介在させてもよい。
応用例では、油が作動媒体、第1油圧モータ4及び第2油圧モータ5の回転軸41,51の正回転(図7中図面上方に向けての回転、白抜矢印参照)が順動作、前記回転軸41,51の逆回転(図8中図面下方に向けての回転、白抜矢印参照)が逆動作である。第1油圧モータ4は、モータ本体43から回転自在に回転軸41を突出させて構成され、前記回転軸41を正回転させるモータ本体43の油供給側を正回転側44、逆回転させるモータ本体43の油供給側を逆回転側47とし、前記正回転側44に接続される油圧ラインが順方向ライン45、逆回転側47に接続される油圧ラインが逆方向ライン48となる。同様に、第2油圧モータ5は、モータ本体53から回転自在に回転軸51を突出させて構成され、前記回転軸51を正回転させるモータ本体53の油供給側を正回転側54、逆回転させるモータ本体53の油供給側を逆回転側57とし、前記正回転側54に接続される油圧ラインが順方向ライン55、逆回転側57に接続される油圧ラインが逆方向ライン58となる。
これから、応用例の逆動作増速回路は、第1油圧モータ4の逆方向ライン48に対して、第2油圧モータ5の逆方向ライン58から分岐した逆方向分岐ライン59と、第1油圧モータ4の順方向ライン45から分岐した順方向分岐ライン46との接続を切り換える切換弁3を設け、前記切換弁3の切換弁用パイロットライン31を第2油圧モータ5の逆方向ライン58に接続して構成される(図6中破線枠内)。このように、逆動作増速回路は共用油圧ラインに対する分岐回路として、第1油圧モータ4の正回転側44、第2油圧モータ5の正回転側54、そして第2油圧モータ5の逆回転側57はそれぞれ直接油を流し込み、また流れ出すようにしているが、第1油圧モータ4の逆回転側47のみが逆動作増速回路を介して油を流し込み、また流し出す働きを有している。
上述のような逆動作増速回路を加えた応用例のアクチュエータ駆動回路は、次のように油を流す。まず、図7に見られるように、第1油圧モータ4及び第2油圧モータ5の回転軸41,51を正回転させる場合、ポンプ(図示略)により順方向ライン45,55を通じて第1油圧モータ4及び第2油圧モータ5の正回転側44,54それぞれに油が送り込まれる。このとき、切換弁3は、第1油圧モータ4の逆方向ライン48と、第2油圧モータ5の逆方向ライン58から分岐した逆方向分岐ライン59とを結んでいる。これから、第1油圧モータ4の逆回転側47から出された油は、切換弁3、第2油圧モータ5の逆方向分岐ライン59、そして逆方向ライン58を通じて例えばタンク(図示略)へ戻される。
これに対して、図8に見られるように、第1油圧モータ4及び第2油圧モータ5の回転軸41,51を逆回転させる場合、ポンプ(図示略)により逆方向ライン58を通じて第2油圧モータ5の逆回転側57にのみ油が送り込まれ、切換弁3が切換弁用パイロットライン31に発生する油圧に押されて切り換わり、第1油圧モータ4の逆方向ライン48と第1油圧モータ4の順方向ライン45から分岐した順方向分岐ライン46とが結ばれる。これにより、第1油圧モータ4のボトム側44から出された油は、第1油圧モータ4の順方向分岐ライン46に分流し、切換弁3、そして第1油圧モータ4の逆方向ライン48を通じて前記第1油圧モータ4の逆回転側47へ油が戻される。
このように、応用例のアクチュエータ駆動回路における逆動作増速回路は、回転軸41,51を正回転させる場合には、第1油圧モータ4及び第2油圧モータ5のいずれにも油を供給するが、回転軸41,51を逆回転させる場合には、第2油圧モータ5にのみ油を供給することにより、第2油圧モータ5の回転軸51の逆回転を速くし、前記第2油圧モータ5の回転軸51と破砕ローラ71で結ばれた第1油圧モータ4の回転軸41を追随させる。このとき、第1油圧モータ4は、正回転側44から順方向ライン45へ出される油を逆方向ライン48に戻すことにより、回転軸41が逆回転することの抵抗をなくし、追随しやすくしている。
第1油圧シリンダ及び第2油圧シリンダを駆動対象とする本発明のアクチュエータ駆動回路の一例を表すブロック図である。 ロッドを伸長させる場合の油の流れを表す図1相当ブロック図である。 第1可動あご及び第2可動あごの閉動作を表す両口あご式破砕機の側面図である。 ロッドを縮長させる場合の油の流れを表す図1相当ブロック図である。 第1可動あご及び第2可動あごの開動作を表す両口あご式破砕機の図3相当側面図である。 第1油圧モータ及び第2油圧モータを駆動対象とする本発明のアクチュエータ駆動回路の応用例を表すブロック図である。 回転軸を正回転させる場合の油の流れを表す図6相当ブロック図である。 回転軸を逆回転させる場合の油の流れを表す図6相当ブロック図である。
1 第1油圧シリンダ
11 ロッド
13 チューブ
14 ボトム側
15 順方向ライン
16 順方向分岐ライン
17 ロッド側
18 逆方向ライン
2 第2油圧シリンダ
21 ロッド
23 チューブ
24 ボトム側
25 順方向ライン
27 ロッド側
28 逆方向ライン
29 逆方向分岐ライン
3 切換弁
31 切換弁用パイロットライン
4 第1油圧モータ
41 回転軸
43 モータ本体
44 正回転側
45 順方向ライン
46 順方向分岐ライン
47 逆回転側
48 逆方向ライン
5 第2油圧モータ
51 回転軸
53 モータ本体
54 正回転側
55 順方向ライン
57 逆回転側
58 逆方向ライン
59 逆方向分岐ライン

Claims (3)

  1. 順方向ラインから作動媒体を供給してチューブからロッド伸長して順動作させ、逆方向ラインから作動媒体を供給してチューブからロッド縮長して逆動作させる第1油圧シリンダ及び第2油圧シリンダを駆動対象とするアクチュエータ駆動回路において、
    第1油圧シリンダ及び第2油圧シリンダの両ロッドの逆動作を同期させて速くする逆動作増速回路を設けてなり、
    前記逆動作増速回路は、第1油圧シリンダの逆方向ラインに対して、第2油圧シリンダの逆方向ラインから分岐した逆方向分岐ラインと、第1油圧シリンダの順方向ラインから分岐した順方向分岐ラインとの接続を切り換える切換弁を設け、前記切換弁の切換弁用パイロットラインを第2油圧シリンダの逆方向ラインに接続して構成されることを特徴とするアクチュエータ駆動回路。
  2. 第1油圧シリンダ及び第2油圧シリンダは、両ロッド、両チューブ、そして前記両ロッド又は両チューブそれぞれに接続した作動体のいずれかを同期リンクで連結し、前記両ロッドの逆動作を同期させる請求項記載のアクチュエータ駆動回路。
  3. 第1油圧シリンダ及び第2油圧シリンダは、両ロッド、両チューブ、そして前記両ロッド又は両チューブそれぞれに接続した作動体に設けた同期ギヤを噛み合わせ、前記両ロッドの逆動作を同期させる請求項記載のアクチュエータ駆動回路。
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