JP5123417B1 - 水素燃焼触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、水素製造プラントや水素雰囲気炉等で排ガス中の水素を燃焼処理するために好適な触媒の提供を目的とする。
【解決手段】本発明は、ウォッシュコート層がジルコニアと酸化タングステンとからなり、ジルコニアとして、単斜晶ジルコニアを必須成分としつつ、更に、立方晶ジルコニア又は正方晶ジルコニアの少なくともいずれかを含む水素燃焼触媒に関する。本発明の触媒は、低温でも充分な触媒活性を有するものであり、かつ、長期間の使用によっても、その活性を維持することが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気含有ガス中の水素を燃焼させるための触媒に関する。特に、比較的低温でも、長期間触媒活性を保持できる水素燃焼触媒を提供する。
水素製造プラントや水素雰囲気炉などの水素を用いる設備では、排ガス中に含まれる使用済みの水素を除去し、クリーンなガスとして環境中に廃棄可能にする技術が必要となる。このため、従来より、排ガスを触媒層に通過させ、触媒反応により水素を燃焼させて水とし、生成した水分を除去・回収する技術が知られている(特許文献1)。
特開2008−139005号公報
排ガス中の水素を燃焼させるに際しては、水素が爆発性を有することから、極力低温条件において触媒作用を発揮できることが望ましい。特に、高純度水素精製プラントのように多量の水素を取り扱う設備など、安全性の強化が要求される設備では、低温でも充分な活性を示す水素燃焼触媒の提供が必須となる。
このような水素燃焼触媒として、シリカ、アルミナ等の金属酸化物からなるペレット状の担体に、白金等の触媒金属が担持されたものが提案されている。しかしながら、これらの触媒は、低温で充分な触媒活性を有しないか、使用開始当初ある程度の活性を有していても、3日〜1週間程度使用を継続すると、次第に活性が低下するものであり、使用期間が数ヶ月を超えると良好な触媒活性を維持することが困難であった。
そこで、本発明は、低温でも充分な触媒活性を有し、かつ、活性を長期間維持できる水素燃焼触媒の提供を目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決する触媒の開発に際し、まず、触媒に形成するウォッシュコートの種類についてスクリーニング試験を行った。このスクリーニング試験では、シリカ、アルミナ、又はジルコニアを含むウォッシュコートを有する触媒について、使用開始前の初期活性を比較した。その結果、ジルコニア又はアルミナを含むウォッシュコートを有すると、低温でも、比較的初期活性の高い触媒になることが分かった。次に、初期活性の高かったジルコニア又はアルミナを用いた触媒を、1週間以上、触媒として使用継続し、活性変化を観察した。その結果、アルミナを用いた触媒は、3日程度の短期間で大幅に活性が低下した。これに対し、ジルコニアを用いた触媒は、多少の活性低下はみられたものの、アルミナと比較して、ある程度の活性を維持できる触媒であることが分かった。
本発明者等は、上記スクリーニング結果をもとに、長期間活性を維持できるジルコニア含有触媒について、鋭意検討を行った。そして、ウォッシュコートとして、ジルコニアと共に酸化タングステンを含み、かつ、ジルコニアとして複数の結晶構造のものが含まれる触媒であると、長期間良好な触媒性能を示すものになることを見出し、本発明に想到した。
すなわち本発明は、ウォッシュコート層を備える担体に、触媒金属が担持されてなる水素燃焼触媒において、ウォッシュコート層は、ジルコニアと酸化タングステンとからなり、前記ジルコニアは、単斜晶ジルコニアを必須成分とし、更に、立方晶ジルコニア又は正方晶ジルコニアの少なくともいずれかを含む水素燃焼触媒に関する。本発明の水素燃焼触媒は、触媒使用開始前の初期活性が高く、かつ、長期間使用を継続しても活性が低下しにくい。
ジルコニアは、高温条件下において正方晶や立方晶の結晶構造をとり、室温では、安定的な単斜晶の結晶構造をとる。本発明のジルコニアは、室温で安定な単斜晶ジルコニアを含むことに加え、通常は、高温下でのみ存在する正方晶や立方晶の結晶構造を含む点に特徴を有する。本発明の触媒のように、2種以上の結晶構造のジルコニアを含むとともに、酸化タングステンを含む触媒であると、長期間活性の低下しにくい水素燃焼触媒となる。
また、本発明の水素燃焼触媒は、X線回折において2θ=23.2°、23.6°、24.4°、28.3°、30.3°、及び31.5°にピークを有することが好ましい。かかるX線回折ピークを有する場合、ウォッシュコート中に酸化タングステンを含むとともに、ジルコニアとして複数の結晶構造のものを含む触媒となりやすい。
X線回折において、2θ=23.2°、23.6°、24.4°の出現ピークはウォッシュコート中の酸化タングステンに由来する。2θ=28.3°、30.3°、31.5°の範囲の出現ピークはジルコニアに由来し、このうち2θ=28.3°、31.5°のピークは、単斜晶のジルコニアに由来し、2θ=30.3°のピークは、正方晶又は立方晶のジルコニアに由来する。このように本発明の触媒に含まれるジルコニアには、単斜晶のみならず正方晶又は立方晶が含まれる。
以上のように、本発明の触媒は、ジルコニアとして正方晶又は立方晶を含むものであるが、さらに、これら正方晶又は立方晶ジルコニアを、酸化タングステン又は単斜晶ジルコニアに対して特定範囲内で含有することが好ましい。具体的には、X線回折において、酸化タングステンに由来するピーク2θ=23.2°、23.6°、24.4°のうち最も高いピークの強度(A)、正方晶又は立方晶のジルコニアに由来する2θ=30.3°のピーク強度(B)、及び単斜晶のジルコニアに由来するピークのうち2θ=28.3°のピーク強度(C)のピーク強度比が、以下に示す特定範囲内であると好ましい。
すなわち、X線回折における2θ=23.2°、23.6°、24.4°のうち最も高いピークの強度(A)と、2θ=30.3°のピーク強度(B)との比(B/A)が、0.05〜1.0の範囲内であると好ましい。B/Aは、0.1〜1.0であると、より好ましい。上述のように、2θ=23.2°、23.6°、24.4°のピークは酸化タングステンに由来し、2θ=30.3°のピークは正方晶又は立方晶のジルコニアに由来するため、ピーク強度比B/Aは、酸化タングステンに対する正方晶又は立方晶ジルコニアの存在比率を示す。ピーク強度比B/Aが0.05未満であると、触媒上における強酸点の数が少なくなり、反応ガスである水素の活性化速度が遅くなる傾向となり、触媒活性の高い触媒となりにくい。また、1.0を超えると、酸化タングステン上での酸素の解離、拡散が遅くなり、酸素が活性化しにくくなることにより、触媒による水素の燃焼活性が低下する傾向となる。
また、2θ=28.3°のピーク強度(C)と、2θ=30.3°のピーク強度(B)との比(B/C)が0.05〜2.00の範囲内であると好ましい。B/Cは、0.10〜1.0がより好ましく、0.10〜0.80がさらに好ましい。2θ=28.3°のピークは単斜晶ジルコニアに由来するため、ピーク強度比B/Cは、単斜晶ジルコニアに対する正方晶又は立方晶ジルコニアの存在比率を示すものと考えられる。ピーク強度比B/Cが0.05未満であると、触媒上における強酸点の数が少なくなり、反応ガスである水素の活性化速度が遅くなる傾向となり、触媒活性の高い触媒となりにくい。また、2.0を超えると触媒金属粒子である白金等が、調製段階から粒成長を起こす傾向となり、触媒の反応面積が小さくなることにより、水素の燃焼速度が遅くなり、触媒活性の高い触媒となりにくい。
以上、本発明におけるX線回折のピーク強度比としては、算定基準とするピーク強度として、バックグラウンドを差し引いたピーク強度を適用する。具体的には、対象となるピーク頂点の位置する2θの値より2θが25〜35°の範囲内で一番強度の小さい値を、ピーク頂点の強度から差し引く方法により、バックグラウンドを差し引いたピーク強度を求めることができる。
また、本発明の触媒は、アンモニア昇温脱離法(NH−TPD)による酸性測定において、温度150〜250℃の低温側と、温度550〜700℃の高温側の両方に、合計2つのピークが出現することが好ましい。この酸点測定は、触媒の反応に寄与する極表面の特性を示すものであり、酸点測定において触媒の極表面にも2種類のジルコニアが存在するものであると、長期間触媒活性の低下しにくいものとなるためである。酸点測定における2つのピークは、低温側が単斜晶、高温側が正方晶又は立方晶ジルコニアの存在を示すものである。一方、単斜晶ジルコニアのみを含む触媒であると、酸性測定した場合、温度150〜250℃の低温側のみに、単一のアンモニア脱離ピークが出現する。
そして、本発明の水素燃焼触媒は、以上説明したウォッシュコート層を5〜200g/L含有することが好ましく、60〜100g/Lであると特に好ましい。ウォッシュコート層が5g/L未満であると、長期間触媒活性を維持する効果が得られにくく、200g/Lを超えると、触媒金属へのガス拡散が律速となり、触媒性能の高いものとなりにくい。
本発明の水素燃焼触媒における担体としては、発泡金属、ペレット、ハニカム、網等の形状を備える支持体上に、上記したウォッシュコート層を有するものを採用できる。支持体は、セラミック、メタル、不織布等、適宜の材質のものを使用でき、メタルハニカムが特に好適である。
担体上に担持する触媒金属としては、貴金属が好ましく、特に、白金、パラジウム又はこれらの合金が水素燃焼に適している。触媒金属の状態は、金属塩溶液を担体に吸着させて焼成又は還元して形成される金属粒子や、予め調整された金属コロイド溶液を担体に吸着させて形成されるコロイド状(クラスター状)金属の、いずれの状態でも良い。これらの状態により、触媒金属の粒径は10〜200nmとなる。更に、触媒金属の担持量(担持率)について、特に限定はないが、担体重量に対して1〜6g/Lが好ましい。また、本発明に係る触媒の物性としては、比表面積15〜100m/g、平均細孔径1〜10nmのものが好適である。
以上説明した本発明の水素燃焼触媒は、酸化タングステンとジルコニアとを含むウォッシュコート溶液に担体を含浸した後、乾燥し、焼成するウォッシュコート層の形成工程と、ウォッシュコート層を形成した担体を急冷する工程と、急冷した担体を触媒金属溶液に含浸又は吸着して触媒金属を担持する工程と、触媒金属の担持後、焼成し又は還元する工程とを含み、ウォッシュコート溶液には、ジルコニアとして粉状ジルコニアとジルコニウム塩の水溶液とを用いる製造方法により製造できる。
本発明の製造方法は、ウォッシュコート溶液に添加するジルコニアとして、粉状ジルコニアと、硝酸ジルコニウム等のジルコニウム塩の水溶液とを混合して用いるものである。粉状ジルコニアとジルコニウム塩の水溶液という、原料の異なるジルコニアを混合して用いることで、複数の結晶構造のジルコニアを含む触媒となりやすい。また、担体をウォッシュコート溶液に含浸し、乾燥及び焼成した後、担体を急冷する。この急冷により、ジルコニアとして正方晶又は立方晶を含む触媒となりやすい。焼成により単斜晶から正方晶、立方晶へと相変化したジルコニアが、安定的な単斜晶に戻ることなく、正方晶や立方晶のまま残存しやすくなるためと考えられる。以下、本発明の製造方法について詳細に説明する。
ウォッシュコート溶液に用いるジルコニウム塩としては、ジルコニムの硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩、塩化物等を適用できる。具体的には、酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウムなどが好ましく、硝酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウムが好適である。尚、硝酸ジルコニウムは、焼成工程によりジルコニアとなる。粉状ジルコニアとしては、純度98wt%以上のものが好ましく、二酸化ジルコニウムが好適である。ウォッシュコート溶液中の添加量は、ジルコニウム塩の水溶液中におけるジルコニアが10〜70wt%、粉状ジルコニアが10〜50wt%となるように調製することが好ましい。
酸化タングステンは、粉状のものが好ましく、純度95wt%以上が好適である。好適な酸化タングステンの種類は、酸化タングステン(VI) WOである。酸化タングステンの結晶構造は正方晶系、斜方晶系、単斜晶系又は三斜晶系であっても良い。ウォッシュコート中の酸化タングステン含有量は、5〜90wt%が好ましく、15〜80wt%が特に好ましい。酸化タングステンの含有量は、5wt%未満であると、活性の高い触媒となりにくく、90wt%を超えると、触媒金属の担持が困難な傾向となる。
ウォッシュコート層は、以上のジルコニア及び酸化タングステンを混合してなるウォッシュコート溶液に担体を含浸した後、乾燥し、焼成することで形成できる。ウォッシュコート層の乾燥条件は80〜120℃が好ましく、焼成条件は500〜700℃、1〜2時間が好ましい。その後、ウォッシュコート層を形成した担体を急冷する。急冷は、冷却速度200℃/分〜50℃/分で行うことが好ましい。正方晶又は立方晶のジルコニアを適度な含有量で含む触媒となりやすいからである。
触媒金属の担持は、ウォッシュコート層を形成した担体を、触媒金属溶液に含浸又は吸着させ、250〜700℃で焼成して行う。触媒金属層の焼成条件は500〜700℃、1〜2時間が好ましい。必要に応じ、焼成と同様の条件で還元しても良い。上記したように、本製造方法では、ウォッシュコート層形成後に急冷を行うものであるが、急冷は、触媒金属の担持・焼成(又は還元)後にも行うことが好ましい。より正方晶や立方晶のジルコニアを含む触媒となりやすいためである。
本発明の水素燃焼触媒は、低温でも充分な触媒活性を有するものであり、長期間の使用によっても、その活性を維持することが可能である。
実施形態における水素燃焼触媒のX線回折図(実施例) 実施形態における水素燃焼触媒のX線回折図(比較例) 実施形態における水素燃焼触媒の酸点測定結果図 実施形態における水素燃焼触媒の活性経時変化
実施例1
粉状の酸化タングステンと、粉状ジルコニア及びジルコニウム塩の水溶液とを含む水素燃焼触媒を製造し、得られた触媒の物性評価及び水素燃焼試験を行った。
99.5wt%の粉状酸化タングステンを7gと、99.5wt%の粉状ジルコニア9.33gと、47wt%硝酸ジルコニウム水溶液(ジルコニア固形分25%)121.3gとを乳鉢でよく混合し、適度な粘性を持たせる為に水を100g加え、ウォッシュコート水溶液を調製した(粉末酸化タングステン:粉末ジルコニア:ジルコニウム塩由来のジルコニア=15:20:65(wt%))。このウォッシュコート水溶液に、直径25mm、長さ50mm、容量24.5mLのステンレス製ハニカムを浸漬させた。その後、120℃で1時間乾燥し、700℃の電気炉で2時間焼成した。以上の工程により、ハニカムにウォッシュコート層を80g/L付着させた。焼成後のハニカムは、直ちに炉から取り出し150℃/分の冷却速度で急冷し、水素燃焼触媒を得た。焼成後の急冷は、マルテンサイト変態を引き起こし、単斜晶ジルコニアのみならず、正方晶又は立方晶ジルコニアを含む触媒になりやすいと考えられる
8%ジニトロジアミン白金水溶液1.23gを、水100gで希釈して触媒金属溶液を調整した。この触媒金属溶液に、ウォッシュコート層を付着させたハニカムを含浸させ、120℃で1時間乾燥させた。乾燥後、700℃の電気炉で2時間焼成して触媒金属を担持させた。焼成後のハニカムは、直ちに炉から取り出し150℃/分の冷却速度で急冷し、水素燃焼触媒を得た。得られた触媒について、物性を測定したところ、表面積65m/g、平均細孔径2nm、白金粒子の平均粒径72nmであった。
実施例2
実施例1における、ウォッシュコート中の粉末酸化タングステン、粉末ジルコニア及びジルコニウム塩由来のジルコニアの割合を変化させた触媒を製造した。ウォッシュコート水溶液の調整において、粉末酸化タングステンを9.33gと、粉末ジルコニアを23.3gと、47wt%硝酸ジルコニウム水溶液(ジルコニア固形分25%)を56g混合した(粉末酸化タングステン:粉末ジルコニア:ジルコニウム塩由来のジルコニア=20:50:30(wt%))こと以外は、実施例1の触媒と同様の製造条件とした。得られた触媒について、物性を測定したところ、表面積87m/g、平均細孔径2nm、白金粒子の平均粒径45nmであった。
実施例3
実施例1における、ウォッシュコート中の粉末酸化タングステン、粉末ジルコニア及びジルコニウム塩由来のジルコニアの割合を変化させた触媒を製造した。ウォッシュコート溶液の調整において、粉末酸化タングステンを37.3gと、粉末ジルコニアを4.7gと、36.6wt%酢酸ジルコニウム水溶液(ジルコニア固形分20%)を23.4g混合した(粉末酸化タングステン:粉末ジルコニア:ジルコニウム塩由来のジルコニア=80:10:10(wt%))こと以外は、実施例1の触媒と同様の製造条件とした。得られた触媒について、物性を測定したところ、表面積46m/g、平均細孔径4nm、白金粒子の平均粒径109nmであった。
比較例1、2
ウォッシュコート溶液の調製において、ジルコニアの代わりにアルミナを用いた以外は、実施例1と同様の方法で水素燃焼触媒を製造した。比較例1では、硝酸ジルコニウム水溶液のみを硝酸アルミニウム水溶液に変更し、比較例2では、硝酸ジルコニウム水溶液及び粉末ジルコニアの両方を、硝酸アルミニウム水溶液及び粉末アルミナに変更した。アルミナとしては、37.5wt%硝酸アルミニウム水溶液(アルミナ固形分5.1%)を595g、99.5wt%の粉末アルミナを9.33g用いた。
比較例3
粉末酸化タングステンを添加せず、純度99.5%の粉末ジルコニア16.3gと、47wt%硝酸ジルコニウム水溶液(ジルコニア固形分25%)121.3gのみを混合して、ウォッシュコート溶液を調製した。その他の条件は、実施例1と同様とした。
比較例4
粉末ジルコニアを添加せず、粉末酸化タングステン16.3gと、47wt%硝酸ジルコニウム水溶液(ジルコニア固形分25%)121.3gのみを混合して、ウォッシュコート溶液を調製した。その他の条件は、実施例1と同様とした。
[物性評価]
上記で製造した水素燃焼触媒についてX線回折分析を行った(図1、図2)。また、アンモニア吸着昇温脱離法(TPD)により酸点測定を行った(図3)。
Figure 0005123417
X線回折の結果(表1、図1)より、粉状酸化タングステン、粉状ジルコニア及びジルコニウム塩の水溶液を含む実施例1〜3の触媒は、2θ=23.2°、23.6°、24.4°の酸化タングステンに由来するピークと、2θ=28.3、30.3、31.5°付近の単斜晶及び正方晶又は立方晶ジルコニアに由来する3つのピークとを有していた。
これに対し、ジルコニウム塩の水溶液を含まない比較例1の触媒(表1、図2)は、2θ=30.3°の正方晶又は立方晶ジルコニアに由来するピークを有しておらず、粉状ジルコニア及びジルコニウム塩の水溶液を含まない比較例2の触媒は2θ=28.3、30.3、31.5°の単斜晶及び正方晶又は立方晶ジルコニアに由来するピークを全く有していなかった。また、粉状酸化タングステンを含まない比較例3の触媒は、2θ=23.2°、23.6°、24.4°の酸化タングステンに由来するピークを有しておらず、粉状ジルコニアを含まない比較例4の触媒は、2θ=28.3及び2θ=31.5°の単斜晶ジルコニアに由来するピークを有していなかった。
以上の結果より、ウォッシュコート溶液として、ジルコニアとして粉状ジルコニアを用いることで、単斜晶ジルコニアを含む触媒とすることができ、ジルコニウム塩の水溶液を用いることで、正方晶又は立方晶ジルコニアを含む触媒となることが分かった。
また酸点測定の結果(表1、図3)、実施例1、3及び比較例3の触媒は、温度180℃付近の単斜晶ジルコニアに由来するピークと、600℃付近の正方晶又は立方晶ジルコニアに由来するピークとを有していた。一方、比較例1、2の触媒は、150℃付近の単斜晶ジルコニアに由来するピークのみ有するものであり、比較例4は、700℃付近の正方晶又は立方晶ジルコニアに由来するピークを有するのみであった。
[水素燃焼試験]
以下の要領で水素燃焼試験を行った。上記により得られた触媒を充填した触媒層(触媒体積24.5mL)に水素、空気混合ガスを導入し、触媒層通過前後の混合ガス中における水素の減少割合を分解効率として計算した。次式より分解効率を算出し、各実施例の触媒性能を評価した。
<(1−(出口濃度/入口濃度))×100>(%)
触媒層入口及び触媒層出口の混合ガス中における水素濃度は、ガスクロマトグラフを用いて測定した。本実施形態では、分解効率の有効測定上限値が99.9%であるガスクロマトグラフを使用した。水素濃度測定試験は、以下の条件下で行った。
・触媒層通過前の混合ガス中の水素濃度 10000ppm
・触媒層入口温度 25℃
・触媒層内触媒量 24.5mL
・混合ガス流量 2000mL/min
また、上記水素燃焼触媒を、室温・大気圧において空気中で1〜10日間保管し、触媒活性の長期間の経時変化を測定した。同様に、4ヶ月経過後の触媒活性も評価した。
Figure 0005123417
以上の結果(表2、図4)、実施例1〜3の触媒では、4ヶ月経過後も高い触媒活性を維持することができた。これに対し、比較例1〜4の触媒は、保管期間の経過とともに触媒活性が低下した。
本発明の水素燃焼触媒は、水素製造プラントや水素雰囲気炉等で排ガス中の水素を燃焼処理するために好適である。

Claims (5)

  1. ウォッシュコート層を備える担体に、触媒金属が担持されてなる水素燃焼触媒において、
    ウォッシュコート層は、ジルコニアと酸化タングステンとからなり、
    前記ジルコニアは、単斜晶ジルコニアを必須成分とし、更に、立方晶ジルコニア又は正方晶ジルコニアの少なくともいずれかを含むことを特徴とする水素燃焼触媒。
  2. X線回折において2θ=23.2°、23.6°、24.4°、28.3°、30.3°、及び31.5°にピークを有し、
    2θ=23.2°、23.6°、24.4°のうち最も高いピークの強度(A)と、2θ=30.3°のピーク強度(B)との比(B/A)が0.05〜1.0である請求項1に記載の水素燃焼触媒。
  3. 2θ=28.3°のピーク強度(C)と、2θ=30.3°のピーク強度(B)との比(B/C)が0.05〜2.00である請求項2に記載の水素燃焼触媒。
  4. アンモニア昇温脱離法による酸性測定において、温度150〜250℃及び550〜700℃にピークを有する請求項1〜3のいずれかに記載の水素燃焼触媒。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の水素燃焼触媒の製造方法であって、
    酸化タングステンとジルコニアとを含むウォッシュコート溶液に担体を含浸した後、乾燥し、焼成するウォッシュコート層の形成工程と、
    ウォッシュコート層を形成した担体を急冷する工程と、
    急冷した担体を触媒金属溶液に含浸又は吸着して触媒金属を担持する工程と、
    触媒金属の担持後、焼成し又は還元する工程とを含み、
    ウォッシュコート溶液には、ジルコニアとして粉状ジルコニアとジルコニウム塩の水溶液とを用いる水素燃焼触媒の製造方法。
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