JP5120898B2 - ポリアミド酸微粒子、ポリイミド微粒子の連続製造法 - Google Patents

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本発明は、ポリアミド酸微粒子、ポリイミド微粒子の連続製造法に関するものであり、更に詳しくは、高濃度でナノオーダー(30〜1000nm)の微粒子が単分散化した分散液を連続的に製造することを可能とするポリアミド酸微粒子の製造方法、及び該ポリアミド酸微粒子を脱水還化試薬(イミド化剤)によりポリイミド微粒子へ転移させるポリイミド微粒子の製造方法に関するものである。本発明は、工業化に必須なポリアミド酸微粒子の連続製造を合成済みのポリマーを用いて行うことが可能なポリアミド酸微粒子並びにポリイミド微粒子の連続製造に関する新技術を提供するものである。
一般に、ポリイミドは、耐熱性、耐溶剤性、機械的特性、電気絶縁性等が優れていて、しかも、化学的及び機械的に安定な材料であることから、多くの技術分野で利用されている。これらの各種特性を有するポリイミドは、例えば、金属、セラミックス代替材料としても利用される他、特に、過酷な条件下で用いられる電気、電子産業分野、航空宇宙産業分野等において、例えば、フィルム、ワニス、接着剤、バルク状成型材料等として利用されている。
また、ポリイミドを微粒子化した材料は、前記ポリイミドの特性と、その形状及び構造とを組み合わせることにより、更に新しい利用の形態が広がる傾向となっている。すなわち、従来、例えば、微粒子化したポリイミドは、画像形成用の粉末トナーの添加剤として利用されている(特許文献1)。また、微粒子化したポリイミドは、ワニスに添加して、スクリーン印刷性を向上させる添加剤として利用されている(特許文献2)。更に、ポリイミドに機能性の基を導入すること及びその微粒子化を組み合わせることにより、新しいポリイミドの用途が拡大している(特許文献3)。
先行技術として、例えば、安定性に優れ、高重合度のポリイミドに変換しうるポリイミド前駆体よりなるポリイミド前駆体粉体、及びこのポリイミド前駆体粉体を多量の溶媒を用いることなく、安価に、しかも容易に得ることができる製造方法を提供するものとして、生成するポリイミド前駆体の貧溶媒中で、芳香族ジアミンと3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸を混合して、ポリイミド前駆体粒子が分散している懸濁液を得て、ポリイミド前駆体粒子を単離して、全芳香族ポリイミド前駆体粉体を得る方法が提案されている(特許文献1)。
また、他の先行技術として、簡易な工程でポリイミド粉体を製造することができ、しかも粒径の制御が容易に行えるポリイミド粉体の製造方法、及び当該製造方法により得られるポリイミド粉体を提供するものとして、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとを有機溶媒中で加熱重合させて、ポリイミドの溶液を得た後、その溶液の温度を降温することにより、ポリイミド粒子を析出させる工程を含むポリイミド粉体の製造方法が提案されている(特許文献4)。
しかしながら、上述の二つの先行技術文献に記載されているポリイミド粒子及びその製造方法は、いずれもマイクロメートルオーダーのポリイミド粒子の製造に関するものであり、得られるポリイミド粒子は、本発明で得られるナノメートルオーダーのものと比較して、かなり大きいものである。
また、他の先行技術として、単分散性がより高いポリイミド微粒子を工業的規模で生産できる方法として、溶媒の溶解度を超える量の無水テトラカルボン酸を含む第一溶液と、溶媒の溶解度を超える量のジアミン化合物を含む第二溶液とを、それぞれ調製する第一工程と、撹拌下において、第一溶液と第二溶液とを混合し、混合溶液からポリアミド酸微粒子を析出させる第二工程と、ポリアミド酸微粒子をイミド化することによってポリイミド微粒子を得る第三工程とを含むことからなるポリイミド微粒子の製造方法が提案されている(特許文献5)。
この方法では、本発明と同程度のナノメートルオーダーのナノ粒子が15wt%の高濃度で得られているが、出発物質が、ポリイミドの前駆体ポリマーであるポリアミック酸の前駆体であるテトラカルボン酸二無水物と、ジアミンであり、前者は、空気中の水分により加水分解を受け、開環してしまい、また、後者は、空気中の酸素により酸化され、アミノ基がニトロ基へと変化してしまい、保存が難しいという問題がある。
また、他の先行技術として、粒子サイズ及び粒度分布を制御してナノサイズのポリイミド微粒子を製造する方法として、ポリアミド酸を極性アミド系溶媒から選択される良溶媒に0.1〜2重量%の濃度で溶解させたポリマー溶液を、パラフィン系溶剤、芳香族系溶剤、CS2から選択され、温度を5℃より高温〜50℃に制御し、激しい撹拌条件で撹拌された貧溶媒に注入して、前記貧溶媒の温度を制御して、平均粒径が44〜400nmであり、平均粒径が44nmの場合粒子の約80%が±10nmの範囲に入り、また、平均粒径が400nm場合、粒子の約80%が±100nmの範囲に入る範囲の粒径分散性のポリアミド酸微粒子を形成し、該ポリアミド酸粒子を化学イミド化して、前記粒径分散性を保持したポリイミド微粒子を製造する方法が提案されている(特許文献6)。
この方法では、ポリアミック酸を出発物質としており、更に、得られている粒子サイズも、ナノメートルオーダーであるが、出発物質として使用しているポリアミック酸溶液は、0.1〜2重量%であり、前記溶液と貧溶媒との混合比が、0.1mL:10mLで、最終的に得られるナノ粒子分散液中のナノ粒子の量は、多くても0.02重量%程度の低濃度のものであり、非常に希薄な分散液である。
また、他の先行技術として、無水テトラカルボン酸類とジアミン類からポリアミド酸微粒子を製造する方法において、無水テトラカルボン酸類とジアミン類を溶媒存在下又は不存在下に予備付加させて両末端が酸無水物基であるアミド酸予備付加物(A)を得る工程(1)、及び該予備付加物(A)と残余のジアミン類を溶媒存在下に混合しながら重付加させてポリアミド酸(B)微粒子を得る工程(2)を経由させることからなるポリアミド酸微粒子の製造方法が提案されている(特許文献7)。しかしながら、無水テトラカルボン酸類は、空気中の水分により開環し、ジアミン類は、酸素により酸化してしまうため、保存が面倒であるという問題がある。
また、他の先行技術として、ポリマーをポリマー易溶性溶媒に溶解させたポリマー溶液Bと、ポリマー易溶性溶媒よりもポリマーの溶解度が小さいポリマー難溶性溶媒を含むポリマー難溶性溶液Aとを少なくとも含む、2種類以上の溶液を混合し、ポリマー溶液Bの溶解度を変化させることによりポリマー微粒子を析出させるポリマー微粒子の製造方法において、2種類以上の溶液の混合をマイクロ流路内で行うとともに、ポリマー易溶性溶媒として、ポリマー難溶性溶媒と相溶する有機溶媒を用いる方法が提案されている(特許文献8)。しかし、この方法では、分子量が3000以下に制限されており、また、実施例中でのポリマー溶液濃度は、0.5重量%であり、高濃度溶液では、塊状ポリマーの生成による閉塞が予想される。
また、他の先行技術として、マイクロリアクター(A)を流れる連続相(B)に対し、接続される開口部から重合性モノマーからなる分散相を吐出し、該分散相からなる前記連続相中に分散する液滴を作製し、重合させることで単分散微粒子(I)を得る製造方法において、該液滴に外部から均一なせん断力を加えることにより、単分散の微小液滴(C)にすることで、平均粒子径が50〜500nmである単分散微粒子(I)を得ることからなる高単分散微粒子の製造方法が提案されている(特許文献9)。しかし、この方法は、モノマーを分散相としたエマルションをマイクロミキサーで生成し、その後、沈澱重合する方法であり、モノマーを出発物質とすることが必須であり、既製のポリマーには適用できない。
また、他の先行技術として、小サイズで粒度分布ピークがシャープであり、分散安定性に優れる有機顔料分散液の製造方法として、有機顔料を溶解させたアルカリ性もしくは酸性の溶液と水性媒体との少なくとも一方に重合性化合物を含有させ、これら両者を混合する工程において、前記顔料を微粒子として析出させたのち、前記重合性化合物を重合させ、前記顔料微粒子に前記重合性化合物の重合体を固定化した有機顔料分散液の製造方法が提案されている(特許文献10)。しかし、この方法は、対象化合物が溶解した溶液と、対象化合物を不溶化するような化学反応を引き起こす成分が入った溶液をマイクロ混合することで微粒子化する手法であり、対象化合物を不溶化するような化学反応を起こす必要がある。
更に、他の先行技術としては、ポリイミド微粒子分散液から微粒子を分離・回収が容易なポリイミド微粒子凝集体の製造する技術として、ポリアミド酸から再沈法によりポリアミド酸微粒子分散液を作製し、熱又は化学イミド化した後、有機溶媒と貧溶媒を相分離させ、液−液界面にポリイミド微粒子を凝集、生成させること、また、前記方法により生成させたポリイミド微粒子凝集体を簡便な分離操作により、高い時間効率で分離・回収して、乾燥することにより、ポリイミド微粒子凝集体を大量に高効率で製造する方法が提案されている(特許文献11)。しかし、この方法では、ポリイミド微粒子は、凝集状態でしか得られず、微粒子分散液として得る場合は、濾過、乾燥、及び再分散の多段階の過程が必要である。
このように、従来技術として、ポリイミド前駆体並びにポリイミド微粒子、及びそれらの製造技術について、種々の提案がなされているが、従来法では、有機溶媒を大量に使用する必要があり、環境に対する負荷が大きく、また、上述のように、ポリイミドのサイズがマイクロメートルオーダーであったり、出発物質として、保存が難しいポリアミック酸前駆体であったり、ナノ粒子分散液が得られたとしても、最終的に得られるナノ粒子分散液中のナノ粒子の量が0.02重量%程度の非常に希薄な分散液である、等の問題があり、当技術分野においては、有機溶媒の使用量の低減を図ると共に、ナノサイズで、しかも高濃度のナノ粒子を含む高濃度のポリイミド微粒子分散液並びにポリイミド微粒子を連続製造することを可能とする新しいポリイミド微粒子分散液の連続生産技術を開発することが強く要請されていた。
特開平11−140185号公報 特開2000−178506号公報 特開2000−248063号公報 特開2002−293947号公報 特開2006−182845号公報 特開2003−252990号公報 特開2007−217487号公報 特開2008−239902号公報 特開2008−31419号公報 特開2007−39643号公報 特開2008−159769号公報
Z.Chai et al.,J.Polym.Sci.Part B:Polym.Phys.,41(2003)159 浅尾勝也ほか、高分子論文集,57(2000)271 M.Suzuki et al.,J.Nanosci.Nanotechnol.,7(2007)2748
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、工業化に必須なポリイミド微粒子の連続製造を可能とする新しい連続製造法を開発することを目標として鋭意研究を重ねた結果、ポリアミド酸溶液を貧溶媒のマイクロ混合によるエマルジョンの作製後、直ちに、マイクロ流路中で迅速昇温させ、ポリアミド酸を微粒子として沈澱させる工程を採用することにより所期の目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、再沈法を利用して、マイクロ混合と迅速昇温プロセスにより、ポリアミド酸微粒子、ポリイミド微粒子を連続製造することを可能とする当該ポリアミド酸微粒子、ポリイミド微粒子の連続製造法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)有機溶媒にポリアミド酸を溶解させたポリアミド酸溶液(A)と、ポリアミド酸溶液の良溶媒と貧溶媒が混合する臨界温度以上で前記有機溶媒と相溶し、該臨界温度以下では相溶しない前記ポリアミド酸の貧溶媒(B)とを、マイクロミキサーを用いて、臨界温度以下で混合してエマルション化し、直ちに、該エマルションをマイクロ流路中で前記臨界温度以上に加熱することで再沈澱させて、ポリアミド酸微粒子を製造することを特徴とするポリアミド酸微粒子の製造方法。
(2)前記有機溶媒が、ポリアミド酸を溶解する溶媒である、前記(1)に記載のポリアミド酸微粒子の製造方法。
(3)前記貧溶媒が、パラフィン炭化水素、芳香族炭化水素、又はこれらの2種の混合物である、前記(1)又は(2)に記載のポリアミド酸微粒子の製造方法。
(4)前記有機溶媒が、アミド系溶媒である、前記(1)から(3)のいずれかに記載のポリアミド酸微粒子の製造方法。
(5)ポリアミド酸溶液の濃度が、0.1重量%から10重量%である、前記(1)から(4)のいずれかに記載のポリアミド酸微粒子の製造方法。
(6)前記臨界温度が、前記貧溶媒の凝固点以上、沸点以下で、且つ、前記有機溶媒の凝固点以上、沸点以下である、前記(1)から(5)のいずれかに記載のポリアミド酸微粒子の製造方法。
(7)送液時のポリアミド酸溶液と貧溶媒との流量比が、1:100から2:1の間である、前記(1)から(6)のいずれかに記載のポリアミド酸微粒子の製造方法。
(8)マイクロミキサーとマイクロ流路の最狭幅が、1〜1000μmである、前記(1)から(7)のいずれかに記載のポリアミド酸微粒子の製造方法。
(9)前記ポリアミド酸微粒子の粒子サイズが、10nm〜1000nmである、前記(1)から(8)のいずれかに記載のポリアミド酸微粒子の製造方法。
(10)前記(1)から(9)のいずれかに記載のポリアミド酸微粒子の製造方法において、該ポリアミド酸微粒子の製造過程で、脱水環化試薬によりポリアミド酸微粒子をポリイミド微粒子へと転移させることを特徴とするポリイミド微粒子の製造方法。
次に、本発明について詳細に説明する。
本発明は、ポリアミド酸微粒子、ポリイミド微粒子の連続製造法であって、有機溶媒に、ポリアミド酸を溶解させたポリアミド酸溶液と、ポリアミド酸溶液の良溶媒と貧溶媒が混合する臨界温度以上で前記有機溶媒と相溶し、該臨界温度以下では相溶しない前記ポリアミド酸の貧溶媒とを、マイクロミキサーを用いて、臨界温度以下で混合してエマルション化し、直ちに、該エマルションをマイクロ流路中で前記臨界温度以上に加熱することで再沈澱させて、ポリアミド酸微粒子を製造し、任意に、その製造過程で、脱水環化試薬によりポリアミド酸をポリイミドへ転移させることを特徴とするものである。
ポリイミドは、高強度、高弾性、高耐熱性、耐溶剤性等に優れた高分子であり、現在、過酷な条件下で使用される材料として注目されている。これまでのポリイミドの使用形態は、成型体やフィルムであった。一方、ポリイミドは、微粒子という使用形態においても、様々な分野で利用できると考えられるが、微粒子の製造に関する研究(非特許文献1、2)は、少ないのが実情である。
本発明者らは、これまで、再沈法により、ポリイミドナノ粒子の作製を行ってきた(非特許文献3)。具体的には、ポリイミドの前駆体ポリマーであるポリアミック酸(PAA)の溶液をPAAの貧溶媒であるシクロヘキサンへ注入し、再沈澱させることで、PAAナノ粒子を作製し、脱水環化試薬による化学イミド化処理を施すことにより、ポリイミド微粒子の作製を行ってきた。再沈法は、基本的にはバッチ法であり、スケールアップによる大量作製は、検討されてきたが、実用化を見据えると、連続合成法は、必須であると考えられる。
ポリイミドは、一般的に、有機溶媒に溶解しないため、例えば、前駆体ポリマーであるPAAのN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)溶液(0.5wt%)が使用される。PAAの貧溶媒として、例えば、シクロヘキサン又はヘキサンが好適に用いられる。ポリイミドの製造では、例えば、ワイエムシィ社製のマイクロリアクターシステムKeyChem−L(内径100μm)を用いて、PAAの粒子作製を行い、その後、直ちに、化学イミド化処理を行う方法が採られる。
PAA溶液の流量0.2ml/minに対して、シクロヘキサンの流量20ml/minで、Y字ミキサー中で混合すると、若干白濁したPAAナノ粒子分散液が得られる。イミド化後の粒子サイズは、100〜200nm程度である。しかしながら、連続合成時間1分程度で、反応管の閉塞が起こる。1wt%のPAA溶液を用いた場合や、PAA溶液の流量を2ml/minにした場合においては、合成開始後、直ちに、閉塞する。これは、両液の接触と同時に、PAAの再沈澱が、混合部位で局所的に起こるためであると考えられる。
ヘキサンとDMAcのようなアミド系溶媒は、室温では完全に混合しないが、40℃以上では、任意の割合で完全に混合する。本発明では、この性質に着目し、貧溶媒として、ヘキサンを用いて粒子作製を行い、まず、室温に設定したミキサーユニット中で、PAA溶液/ヘキサンからなるエマルションを生成させ、その後、60℃に設定した滞留時間ユニット中で再沈澱させ、PAAナノ粒子を作製すると、PAA溶液の流量を20ml/minまで増大しても、閉塞は起こらず、非常に高濃度の粒子分散液が得られる。
一方、イミド化後の粒子サイズは、50〜100nmと、シクロヘキサン系と比べ、より微小のものが得られる。これは、PAA溶液の流速増加に伴うせん断力の増大、エマルションサイズの微小化と、エマルション生成から再沈澱までの所要時間が70msと短いことに起因する、オストワルド成長によるエマルションサイズ増大の抑制による効果であると考えられる。
本発明により、工業化に必須な微粒子の連続製造を、合成済みのポリマーを用いて行うことが可能である。特許文献6とマイクロミサーを用いた迅速混合の組み合わせによる連続製造では、後記する比較例1、2に示すように、原料を高濃度にした場合や、貧溶媒に対する原料溶液の混合比を増加させた場合には、閉塞が起こってしまう。これは、二液が接触すると同時に、大量の沈澱物が生成するためである。また、特許文献8に示されるように、分子量3000未満と限定していることや、実施例中に記載されているように、ポリマー溶液の濃度が0.5重量%と低濃度であることからもうかがえる。本発明では、この点を改善することが可能である。
本発明では、上記改善により、高濃度(特許文献6の100倍以上)でナノオーダー(30〜1000nm)の微粒子が分散した分散液を作製することが可能であり、マイクロ混合によるエマルションの作製後、直ちに、マイクロ流路中で迅速昇温されるため、オストワルド熟成によるエマルションのサイズ増大や熱運動によるエマルションの合一を抑制しつつ、再沈澱効果による微粒子生成を行うことができ、サイズの単分散化が容易である。また、本発明では、再沈澱効果を用いているため、汎用性が高く、特別な化学反応による不溶化等の必要がなく、ポリアミド酸溶液濃度を変えることで、粒子サイズを変化させることができる。
本発明では、ポリアミド酸溶液の良溶媒と貧溶媒が混じり合わない臨界温度以下で、ポリアミド酸溶液と貧溶媒をマイクロミキサーにより混合してエマルション状態を作り、直ちに、エマルションを臨界温度以上に加熱されたマイクロ流路中に送液し、ポリアミド酸を微粒子として沈澱させる。その製造過程で、任意に、脱水環化試薬(イミド化剤)の添加により、ポリアミド酸をポリイミドへ転化させる。
脱水環化試薬(イミド化剤)の添加方法は、特に制限はなく、貧溶媒中にあらかじめ加えておいても、ポリアミド酸溶液、もしくは貧溶媒をマイクロミキサーへ送液する前にミキサーを用いて添加しても、マイクロ混合後にミキサーを用いて添加しても、再沈澱後ミキサーにより添加(温度は保持したまま)しても良い。
本発明では、出発物質として、ポリイミドの前駆体ポリマーであるポリアミド酸(ポリイミック酸)が用いられる。出発物質のポリアミド酸は、冷蔵保存ができるので、例えば、空気中の水分により加水分解を受け開環してしまうテトラカルボン酸二無水物や、空気中の酸素により酸化され、アミノ基がニトロ基へと変化してしまい、保存が難しいジアミン等と比べると有利である。このポリアミド酸を、ポリイミドを溶解させず、該ポリアミド酸を溶解させる溶媒に溶解させる。
本発明では、溶媒として、ポリイミドを溶解させず、ポリアミド酸を溶解させる溶媒が使用されるが、ポリアミド酸、すなわち、ポリアミック酸の溶媒としては、有機極性溶媒が使用される。該有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、アルコール系(メタノール、エタノール、イソプロパノール等)、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン(NMP)、等が例示され、これらと同効のものであれば同様に使用することができる。
前記有機溶媒としては、これらのうち、少なくとも50%のアミド系溶媒を含む溶媒であることが好ましく、例えば、極性のアミド系溶媒であるN,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミドを含む溶媒が好ましい。ポリアミド酸溶液の濃度は、生成する粒子サイズに影響する重要なファクターであり、特に、ポリアミド酸の分子量が大きいほど、溶液の濃度の影響が大きい。ポリアミド酸溶液の濃度は、例えば、分子量が大きい場合には、2重量%前後ないし0.5重量%前後が好ましい。
本発明では、出発物質のポリイミドの前駆体ポリマーであるポリアミド酸としては、例えば、ピロメリット酸二無水物と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとの重合、3,3’、4−4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物と、p−フェニレンジアミンとの重合等により合成されたポリアミド酸を使用することができる。本発明で製造されるポリイミドの分子量は、基本的には、ポリイミド微粒子の用途との関連で適宜選択されるが、所望の粒径の微粒子を安定的に製造するためには、平均分子量(重量)が10000〜48000ないし48000〜123000の範囲にあることが好ましい。
本発明では、脱水環化試薬(イミド化剤)として、例えば、ピリジン、無水酢酸、あるいはこれらの混合溶液を使用し、撹拌下、化学イミド化して、ポリイミド微粒子分散液を作製する。このイミド化工程は、熱イミド化を行うことも可能であり、化学イミド化を施した後、熱イミド化を行うことも可能である。この場合、好適には、例えば、ピリジン/無水酢酸のモル比が約1/1の混合溶液約0.1ml程度を、撹拌下に加えて、数時間保持して、化学イミド化を行い、また、約250℃程で数時間保持して、熱イミド化を行うことができる。
次に、本発明では、ポリイミド微粒子を形成するために用いるテトラカルボン酸又はその二無水物として、例えば、3,3’−4−4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)、3,3’−4−4’−テトラカルボキシビフェニル、2,2−(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、及びこれらの二無水物が例示される。
また、前記テトラカルボン酸又はその二無水物と反応してポリイミド前駆体のポリアミド酸を形成し、その後のイミド化等でポリイミドを形成するために、ジアミンとして、例えば、4,4’−ジアミンジフェニルエーテル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ジアミンベンゼン、4,4’−メチレンビス(メチルシクロヘキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(エチルシクロヘキシルアミン)等が用いられる。
本発明により、上述の反応方法により、ポリイミド微粒子分散液の濃度が、0.1wt%から5wt%の高濃度であり、30nmから1000nmのサイズのポリイミド微粒子が高濃度に分散した分散液を製造することができる。そして、より好適には、例えば、上記分散液より、30nmから40nmのサイズのポリイミド微粒子が0.1wt%から5wt%の高濃度で分散したポリイミド微粒子分散液並びに粒子径が30nmから40nmのサイズのポリイミド微粒子を調製し、提供することができ、しかも、これらのポリイミド微粒子は、適宜の分散媒に単分散の形態で再分散可能であるという格別の特徴を有するものである。
本発明において、臨界温度以下では、ポリアミド酸溶液の良溶媒と貧溶媒は混合しないが、臨界温度以上では、ポリアミド酸溶液の良溶媒と貧溶媒が混合し、ポリアミド酸が微粒子として沈澱する。本発明において、「臨界温度以上」、とは、ポリアミド酸溶液の良溶媒と貧溶媒が混合し、ポリアミド酸が微粒子として沈澱する温度のことであり、「臨界温度以下」とは、ポリアミド酸溶液の良溶媒と貧溶媒が混合しない温度のことである。
本発明により、次のような効果が奏される。
(1)工業化に必須な微粒子の連続製造を、合成済みのポリマーを用いて行うことが可能である。
(2)マイクロミサーを用いた迅速混合の組み合わせによる連続製造により、原料を高濃度にした場合や、貧溶媒に対する原料溶液の混合比を増加させた場合にもは、閉塞が抑制され、それにより、高濃度(特許文献6の100倍以上)でナノオーダー(30〜1000nm)の微粒子が分散した分散液を作製することが可能である。
(3)マイクロ混合によるエマルションの作製後、直ちに、マイクロ流路中で迅速昇温されるため、オストワルド熟成によるエマルションのサイズ増大や熱運動によるエマルションの合一を抑制しつつ、再沈澱効果による微粒子生成を行うことができ、サイズの単分散化が容易である。
(4)前記方法で作製した、単分散の形態で分散媒に再分散可能なポリイミド微粒子を提供することができる。
(5)本発明により、各種の分散媒に再分散可能なポリイミド微粒子を連続製造及び大量供給することが可能となる。
(6)本発明のポリイミド微粒子は、多様な種類の分散媒に単分散の形態で再分散可能であり、使用目的に応じたポリイミド微粒子製品を提供することができる。
(7)本発明により、例えば、粒径30〜1000nmのサイズのポリイミド微粒子を大量供給することを可能とするポリイミド微粒子分散液並びにポリイミド微粒子の量産技術を確立することが可能である。
本発明の概念図を示す。 実施例3で得られたポリイミド微粒子の電子顕微鏡写真を示す。 実施例4で得られたポリイミド微粒子の電子顕微鏡写真を示す。ポリアミド酸溶液とヘキサンの流量比に関して、Aは、毎分8mL:20mL、Bは、毎分4mL:10mL、Cは、毎分2mL:5mL、Dは、毎分1mL:2.5mL、の場合である。 実施例5で得られたポリイミド微粒子の電子顕微鏡写真を示す。 実施例6で得られたポリイミド微粒子の電子顕微鏡写真を示す。
次に、比較例及び実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の比較例及び実施例によって何ら限定されるものではない。
(比較例1)
ピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとの重合により得られたポリアミド酸を、N,N−ジメチルアセトアミドに1.0質量%の濃度で溶解させた溶液を調製した。前記溶液と、N,N−ジメチルアセトアミドと任意の割合で混じり合うシクロヘキサン[ポリアクリル酸エステル系の中性高分子界面活性剤(アクリディック:大日本インキ製)0.1重量%含有]を、ポンプを用いて、1対10の流量比(毎分0.2mL:20mL)で、マイクロミキサーへ送液し、混合を開始した。その結果、送液・混合を開始後、直ちにポンプが閉塞した。
(比較例2)
ピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとの重合により得られたポリアミド酸を、N,N−ジメチルアセトアミドに0.5質量%の濃度で溶解させた溶液を調製した。前記溶液と、N,N−ジメチルアセトアミドと任意の割合で混じり合うシクロヘキサン[ポリアクリル酸エステル系の中性高分子界面活性剤(アクリディック:大日本インキ製)0.1重量%含有]を、ポンプを用いて、1対100の流量比(毎分2mL:20mL)で、マイクロミキサーへ送液し、混合を開始した。その結果、送液・混合を開始後、約1分でポンプが閉塞した。
ピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとの重合により得られたポリアミド酸を、N,N−ジメチルアセトアミドに0.5質量%の濃度で溶解させた溶液を調製した。前記溶液と、N,N−ジメチルアセトアミドと室温では完全に混じり合わないヘキサン[ポリアクリル酸エステル系の中性高分子界面活性剤(アクリディック:大日本インキ製)0.1重量%含有]を、ポンプを用いて、1対10の流量比(毎分2mL:20mL)で、マイクロミキサーへ送液し、混合を開始したところ、閉塞は全く起こらなかった。
ピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとの重合により得られたポリアミド酸を、N,N−ジメチルアセトアミドに0.5質量%の濃度で溶解させた溶液を調製した。マイクロミキサーの出口と60℃に加熱したマイクロ流路を連結させた流路へ、前記溶液と、ヘキサン[ポリアクリル酸エステル系の中性高分子界面活性剤(アクリディック:大日本インキ製)0.1重量%含有]を、ポンプを用いて、1対10の流量比(毎分2mL:20mL)で送液したところ、白濁したポリアミド酸微粒子分散液が得られた。
ピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとの重合により得られたポリアミド酸を、N,N−ジメチルアセトアミドに0.5質量%の濃度で溶解させた溶液を調製した。マイクロミキサーの出口と60℃に加熱したマイクロ流路を連結させた流路へ、前記溶液と、ヘキサン(ポリアクリル酸エステル系の中性高分子界面活性剤(アクリディック:大日本インキ製)0.1重量%、化学イミド化剤(ピリジン・無水酢酸混合溶剤(1:1)2重量%)含有)を、ポンプを用いて、1対10の流量比(毎分2mL:20mL)で送液したところ、半透明な黄色のポリイミド微粒子分散液が得られた。得られた微粒子の電子顕微鏡写真を図2に示す。100〜1000nmの粒子が確認された。
ピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとの重合により得られたポリアミド酸を、N,N−ジメチルアセトアミドに0.5質量%の濃度で溶解させた溶液を調製した。マイクロミキサーの出口と60℃に加熱したマイクロ流路を連結させた流路へ、前記溶液と、ヘキサン(ポリアクリル酸エステル系の中性高分子界面活性剤(アクリディック:大日本インキ製)0.1重量%、化学イミド化剤(ピリジン・無水酢酸混合溶剤(1:1)2重量%)含有)を、ポンプを用いて、2対5の流量比(A 毎分8mL:20mL、B 毎分4mL:10mL、C 毎分2mL:5mL、D 毎分1mL:2.5mL)で送液したところ、半透明な黄色のポリイミド微粒子分散液が得られた。得られた微粒子の電子顕微鏡写真を図3に示す。50nm程度の粒子が確認された。
ピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとの重合により得られたポリアミド酸を、N,N−ジメチルアセトアミドに0.5質量%の濃度で溶解させた溶液を調製した。マイクロミキサーの出口と60℃に加熱したマイクロ流路を連結させた流路へ、前記溶液と、ヘキサン(ポリアクリル酸エステル系の中性高分子界面活性剤(アクリディック:大日本インキ製)0.1重量%、化学イミド化剤(ピリジン・無水酢酸混合溶剤(1:1)2重量%)含有)を、ポンプを用いて、1対1の流量比(毎分20mL:20mL)で送液したところ、半透明な黄色のポリイミド微粒子分散液が得られた。得られた微粒子の電子顕微鏡写真を図4に示す。
ピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとの重合により得られたポリアミド酸を、N,N−ジメチルアセトアミドに1質量%の濃度で溶解させた溶液を調製した。マイクロミキサーの出口と60℃に加熱したマイクロ流路を連結させた流路へ、前記溶液と、ヘキサン(ポリアクリル酸エステル系の中性高分子界面活性剤(アクリディック:大日本インキ製)0.1重量%、化学イミド化剤(ピリジン・無水酢酸混合溶剤(1:1)2重量%)含有)を、ポンプを用いて、2対5の流量比(毎分2mL:5mL)で送液したところ、半透明な黄色のポリイミド微粒子分散液が得られた。得られた微粒子の電子顕微鏡写真を図5に示す。100nm程度の粒子が確認された。
ピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとの重合により得られたポリアミド酸を、N,N−ジメチルアセトアミドに3質量%、5質量%の濃度で溶解させた溶液を調製した。マイクロミキサーの出口と50℃に加熱したマイクロ流路を連結させた流路へ、前記溶液と、ヘキサン(ポリアクリル酸エステル系の中性高分子界面活性剤(アクリディック:大日本インキ製)0.1重量%、化学イミド化剤(ピリジン・無水酢酸混合溶剤(1:1)2重量%)含有)を、ポンプを用いて、1対10の流量比(毎分1mL:10mL)で送液したところ、濁った黄色のポリイミド微粒子分散液が得られた。
3,3’、4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンとの重合により得られたポリアミド酸を、N−メチル−2−ピロリドンに0.5質量%の濃度で溶解させた溶液を調製した。マイクロミキサーの出口と60℃に加熱したマイクロ流路を連結させた流路へ、前記溶液と、ヘキサン(ポリアクリル酸エステル系の中性高分子界面活性剤(アクリディック:大日本インキ製)0.1重量%、化学イミド化剤(ピリジン・無水酢酸混合溶剤(1:1)2重量%)含有)を、ポンプを用いて、2対5の流量比(毎分8mL:20mL)で送液したところ、半透明な黄色のポリイミド微粒子分散液が得られた。
ピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとの重合により得られたポリアミド酸を、N,N−ジメチルアセトアミドに1質量%の濃度で溶解させた溶液(ピリジン1重量%含有)を調製した。マイクロミキサーの出口と60℃に加熱したマイクロ流路を連結させた流路へ、前記溶液と、ヘキサン(無水酢酸1重量%含有)を、ポンプを用いて、2対5の流量比(毎分2mL:5mL)で送液したところ、半透明な黄色のポリイミド微粒子分散液が得られた。
以上詳述したように、本発明は、ポリアミド酸微粒子、ポリイミド微粒子の連続製造法に係るものであり、本発明により、工業化に必須な微粒子の連続製造を、合成済みのポリマーを用いて行うことが可能である。本発明では、マイクロミサーを用いた連続製造プロセスで、原料を高濃度にした場合や、貧溶媒に対する原料溶液の混合比を増加させた場合にもは、閉塞が抑制され、それにより、高濃度でナノオーダー(30〜1000nm)の微粒子が分散した分散液を作製することが可能である。本発明では、マイクロ混合によるエマルションの作製後、直ちに、マイクロ流路中で迅速昇温されるため、オストワルド熟成によるエマルションのサイズ増大や熱運動によるエマルションの合一を抑制しつつ、再沈澱効果による微粒子生成を行うことができ、サイズの単分散化が容易である。本発明により、各種の分散媒に再分散可能なポリイミド微粒子を連続製造及び大量供給することが可能となる。本発明は、粒径30〜1000nmのサイズのポリイミド微粒子を大量供給することを可能とするポリイミド微粒子分散液並びにポリイミド微粒子の連続生産技術を提供するものとして有用である。

Claims (10)

  1. 有機溶媒にポリアミド酸を溶解させたポリアミド酸溶液(A)と、ポリアミド酸溶液の良溶媒と貧溶媒が混合する臨界温度以上で前記有機溶媒と相溶し、該臨界温度以下では相溶しない前記ポリアミド酸の貧溶媒(B)とを、マイクロミキサーを用いて、臨界温度以下で混合してエマルション化し、直ちに、該エマルションをマイクロ流路中で前記臨界温度以上に加熱することで再沈澱させて、ポリアミド酸微粒子を製造することを特徴とするポリアミド酸微粒子の製造方法。
  2. 前記有機溶媒が、ポリアミド酸を溶解する溶媒である、請求項1に記載のポリアミド酸微粒子の製造方法。
  3. 前記貧溶媒が、パラフィン炭化水素、芳香族炭化水素、又はこれらの2種の混合物である、請求項1又は2に記載のポリアミド酸微粒子の製造方法。
  4. 前記有機溶媒が、アミド系溶媒である、請求項1から3のいずれかに記載のポリアミド酸微粒子の製造方法。
  5. ポリアミド酸溶液の濃度が、0.1重量%から10重量%である、請求項1から4のいずれかに記載のポリアミド酸微粒子の製造方法。
  6. 前記臨界温度が、前記貧溶媒の凝固点以上、沸点以下で、且つ、前記有機溶媒の凝固点以上、沸点以下である、請求項1から5のいずれかに記載のポリアミド酸微粒子の製造方法。
  7. 送液時のポリアミド酸溶液と貧溶媒との流量比が、1:100から2:1の間である、請求項1から6のいずれかに記載のポリアミド酸微粒子の製造方法。
  8. マイクロミキサーとマイクロ流路の最狭幅が、1〜1000μmである、請求項1から7のいずれかに記載のポリアミド酸微粒子の製造方法。
  9. 前記ポリアミド酸微粒子の粒子サイズが、10nm〜1000nmである、請求項1から8のいずれかに記載のポリアミド酸微粒子の製造方法。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載のポリアミド酸微粒子の製造方法において、該ポリアミド酸微粒子の製造過程で、脱水環化試薬によりポリアミド酸微粒子をポリイミド微粒子へと転移させることを特徴とするポリイミド微粒子の製造方法。
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