JP5120764B2 - 水栓装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電磁弁を用いた電気的な制御によって水路を開閉する水栓装置に係り、特に発電手段と一次電池を組み合わせた電源を備える水栓装置に関する。
トイレや洗面所に設置される自動水栓装置や自動便器洗浄装置では、水力発電機(発電手段)を備え、水栓装置自身が流す水によって発電をして蓄電し、それを電源として動作するものが実用化されている。
蓄電する手段としては、過去はニッカド電池のような二次電池を用いていたが、二次電池は、劣化によって数年で交換が必要になるという問題があり、現在はコンデンサに蓄電する方式が主流となっている。
また、発電量が少なく蓄電電圧が低下して水栓装置が動作不能となることを防止するため、一次電池により、発電不足の状態での動作を保証する方法がある。例えば、蓄電池(二次電池)と並列に乾電池(一次電池)を設けて、切り替えて使う考案がある(特許文献1参照)。
但し、特許文献1の考案では、蓄電池と乾電池を切り替える手段はダイオード(特許文献1、図2の番号53)であり、蓄電池は、「乾電池の電圧からダイオードの順方向電圧降下分を差し引いた電圧でバックアップされている」構成と見ることもできる。
また、特許文献1のように、一次電池(乾電池)を単純にバックアップ用の電池として使用すると、二次電池またはコンデンサ等の蓄電電圧が低下した場合に、一次電池の方が先に消費されてしまうという問題がある。一次電池は発電不足となった時に水栓装置の動作を保証する非常手段であるため、蓄電手段より一次電池が先に消費されてはならない。
そこで、一次電池とコンデンサの間に充電制御手段を設けて、一次電池が不必要に消費されるのを防止する考案がある(特許文献2参照)。
特許文献2の考案では、通常は充電制御手段をオンしておき、コンデンサ電圧が一次電池の電圧以下(正確には、充電制御手段による電圧降下がある)に下がらないようバックアップしている。
そして、電磁弁の通電など、コンデンサの負荷に大電流を要する場合、すなわちコンデンサの出力電流が大きく一時的にコンデンサ電圧が低下する時だけ、充電制御手段をオフして一次電池によるバックアップを切り離している。これにより、コンデンサの電荷よりも先に一次電池が消費されることを防止している。
なお、蓄電手段としてコンデンサを使う場合、コンデンサの電圧は、その蓄電量に比例するため、コンデンサの充放電に伴う電圧変動が大きい。そこで、特許文献2のように、電圧変換手段(電圧変換回路)を用いて、一定の電圧に安定させて水栓装置の回路や電磁弁に給電する。つまり、コンデンサを用いる場合は、電圧変換手段が必要である。
また、電気部品には印加可能な最大電圧(耐圧)があり、コンデンサに対しては、発電機による充電電圧を何らかの方法で制限しなければならない。つまり、コンデンサの部品破壊を避けるため、コンデンサの耐圧を越えないように充電電圧の制限回路が必要である。特許文献2では、コンデンサの充電状態に関わらず、発電機から継続的に負荷電流を取り出して発電機に発生するトルクを安定させることを目的する電力消費回路があり、これがコンデンサの充電電圧を制限する充電電圧制御手段の役割も兼ねている。
以上のように、特許文献1、2のいずれの方式でも、蓄電手段であるコンデンサ(特許文献1では蓄電池)の電圧は、一次電池の電圧を下回らないように維持されていた。つまり、蓄電手段は、一次電池の種別や本数によって決まる(ほぼ)固定の電圧でバックアップされていた(リチウム電池を1本使えば、約3Vとなる)。
例えば、土曜、日曜などで水栓装置が使用されず、発電がされないまま長時間経過すると、コンデンサの電圧が低下する。そして、一次電池によるバックアップ電圧まで下がると、一次電池の消費が始まる。
しかし、一次電池は予備の電源であるため、できるだけ消費しない方が良い。そのためには、バックアップ電圧をなるべく低くして、コンデンサに蓄電された電荷を限界まで使い切る方が良い。
ここで、特許文献2の充電制御手段を使えば、コンデンサのバックアップ電圧は、「一次電池の電圧で固定」である必要はない。つまり、一次電池の電圧よりも低い電圧であれば、コンデンサをバックアップする電圧の調整は可能である。
例えば、コンデンサのバックアップ電圧の下限は、コンデンサにつながる電圧変換回路が動作可能な電圧の下限値、つまり「最低動作可能電圧」となる。電圧変換回路を、汎用部品として市販されている一般的なC-MOSプロセスの昇圧ICで構成する場合、この種のICは約1.0Vまで動作可能であるため、コンデンサは1.0V程度まで放電させて使う事が可能である。
つまり、特許文献2の充電制御手段を使えば、一次電池の電圧が3.0Vであっても、例えばコンデンサのバックアップ電圧を1.0Vに設定し、コンデンサの電圧が1.0Vに下がるまで一次電池から充電しないようにして、一次電池の消費を回避できる。
実開平2−66872号公報 特開2001−207498号公報
しかしながら、コンデンサの電圧を可能な限り低い値まで動作させるという方式には、大きく2つの問題がある。
まず、第1の問題を説明する。
発電機の出力によってコンデンサを充電するには、発電機出力を整流するダイオードブリッジや、コンデンサのリーク電流を防止するダイオードなどが必要になる。ここで、コンデンサ電圧が低ければ、回路中のダイオードの順方向電圧降下の損失割合が相対的に増える。
また、発電機からコンデンサに充電される「電力」は、「コンデンサ電圧」×「充電電流」で決まる。充電される「電力」を一定とすれば、「コンデンサ電圧」が低い程、「充電電流」は大きくなる。発電機はマグネットとコイルで構成され、コイルは数Ωから数10Ωの抵抗を持つ。よって、充電電流が増えると、発電機内の抵抗の損失が増える。
以上の理由で、コンデンサの電圧が低い程、ダイオードや抵抗の損失が増え、発電機からコンデンサに充電される電力は低くなる傾向にある。
以上が、第1の問題である。
次に、第2の問題を説明する。
コンデンサの出力には、前述のように電圧変換回路がつながっており、コンデンサの電圧を水栓装置の回路や電磁弁駆動に適した電圧に変換している。ここで、一次電池の消耗を避けるためにコンデンサのバックアップ電圧をできるだけ低くするという考えならば、電圧変換回路は必然的に昇圧回路になる。
一般的な昇圧回路は、コイル、ダイオード、スイッチング素子(昇圧IC)で構成されるが、発電機からコンデンサへ充電する場合と同様に、コンデンサの電圧が低ければ、昇圧回路の入力電圧が低くなり、動作電流が大きくなる。すると、損失が増え、回路動作には不利な条件となって、昇圧効率が低下する。これが第2の問題である。
このように、一次電池の消費を避けるためにコンデンサのバックアップ電圧を低く設定した場合、発電機からコンデンサへの充電と、コンデンサ電圧の昇圧において、いずれも損失が増えるという弊害がある。
すると、発電した電力に対して電磁弁を駆動した後の余剰電力が少なくなり、最悪の場合は、発電をしてもコンデンサの電圧が上昇しない可能性がある。
つまり、一次電池の消費を避けるためにコンデンサのバックアップ電圧を下げすぎると、発電をしてもコンデンサが上昇せず、いつまでも一次電池から消費してしまう事態に陥る可能性がある。
特に、水栓装置の使用条件が、低水圧、低流量、1回の吐水時間が短いなど、発電に対する条件が良くない現場で、その可能性が高い。
しかし、逆に、高水圧、大流量、1回の吐水時間が長いなどの発電に好条件の現場では、十分な発電能力が期待できるので、コンデンサのバックアップ電圧を低くしても問題が起きる可能性は低い。その場合、コンデンサのバックアップ電圧を低くする方が、一次電池の消費回避には有利である。
このように、水栓装置のさまざまな使用条件を考えると、一概に最適なコンデンサのバックアップ電圧を決めることはできない。
本発明は上記問題を解決するためになされたもので、発電手段と一次電池を組み合わせた電源を備えた水栓装置において、さまざまな使用環境であっても、一次電池の消費を最大限に回避しながら、発電された電力を効率的に使用できる水栓装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明によれば、発電手段と、前記発電手段と電気的に並列に接続された一次電池と、前記発電手段の出力または前記一次電池によって充電されるコンデンサと、前記一次電池と前記コンデンサとの間に直列に設けられ前記一次電池から前記コンデンサへの充電をオン/オフ制御する充電制御手段と、前記コンデンサの電圧を所定の電圧に変換し給電を行う電圧変換手段と、該電圧変換手段からの給電により作動する水栓制御手段と、を有する水栓装置において、
前記コンデンサの電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段の出力が前記一次電池から前記コンデンサへの充電を開始するバックアップ電圧以下になると前記充電制御手段をオン制御するとともに、前記バックアップ電圧を可変して設定可能なバックアップ電圧設定手段を設けたので、
水栓装置が設置された環境の使用状況に応じてバックアップ電圧の設定・変更が可能となり、一次電池の消費を抑えながら発電出力を効率良く利用できる、最もバランスがとれた動作条件の選択ができる。
請求項2記載の発明によれば、請求項1に記載の水栓装置において、前記バックアップ電圧設定手段は、複数段階に切り替え可能な操作スイッチであるので、
例えば、駅、オフィス、家庭といった設置場所の違いや、水圧、流量、使用者人数などの条件に応じ、最適なバックアップ電圧を任意に設定でき、また、簡単に変更が可能となる。
請求項3記載の発明によれば、請求項1に記載の水栓装置において、前記発電手段の発電量を検出する発電量検出手段を備え、前記バックアップ電圧設定手段は、前記発電量検出手段の発電量出力に応じてバックアップ電圧を設定するものであり、前記発電量が所定の発電量より大きい場合、前記バックアップ電圧を所定のバックアップ電圧より低く設定するので、
発電量が多ければバックアップ電圧を低くして一次電池の消耗を抑えることができる。逆の見方をすれば、発電量が少なければバックアップ電圧を高くして、発電電力を効率良く利用できる。その選択を自動的に行うことで、バックアップ電圧の設定の手間を省き、かつ、間違いのない設定ができる。
請求項4記載の発明によれば、請求項3に記載の水栓装置において、1日若しくは7日を周期として時間を計時する計時手段と、前記発電手段の出力による前記コンデンサの充電電圧を所定の最高電圧以下になるように制限する充電電圧制限手段とを備え、前記バックアップ電圧設定手段は、前記所定の最高電圧から、前記発電量出力の1日分の積算電力量により前記コンデンサが充電され上昇する電圧分を差し引いた電圧を、前記バックアップ電圧とするので、
1日を周期として、充電電圧の平均値は最も高く、かつ、コンデンサの充放電量が最大となるように動作するため、回路的に損失の少ない状態でコンデンサの容量を最大限に生かすこととなり、一次電池が消費される可能性を低減できる。
請求項5記載の発明によれば、請求項4に記載の水栓装置において、前記1日の周期を複数の時間帯に分割して前記発電量出力を記憶する記憶手段を備え、前記発電量出力を1日分について前記記憶手段に記憶し、前記バックアップ電圧設定手段は前記1日分の積算電力量に基づいて、前記バックアップ電圧の設定を行うので、
最新の1日24時間分の発電量を把握し、特に平日・休日の差が少なく、日々の使用が平均している現場で、バックアップ電圧が精度良く設定され、最適な動作が可能となる。
請求項6記載の発明によれば、請求項5に記載の水栓装置において、前記1日分の積算電力量を複数日に亘り記憶し、前記バックアップ電圧設定手段は前記複数日に記憶された発電量から1日あたりの発電量の平均値を計算し、該平均値に基づいて前記バックアップ電圧の設定を行うので、
特に、日々の水栓の使用頻度にばらつきが大きい現場で、バックアップ電圧の設定を誤る可能性を減らすことができる。
請求項7記載の発明によれば、請求項4に記載の水栓装置において、7日を1周期として複数の時間帯に分割して前記発電量検出手段によって検出された発電量を記憶する記憶手段を備え、前記バックアップ電圧設定手段は、前記分割された時間帯ごとの発電量から、現時点から24時間以内の発電量を予測し、該24時間以内の発電量の予測値に基づいて前記バックアップ電圧の設定を行うので、特に、学校やオフィスなどのように、平日と休日の水栓の使用頻度がはっきりと分かれる現場で、最適なバックアップ電圧の設定が可能となる。
請求項8記載の発明によれば、請求項3乃至7の何れか1項に記載の水栓装置において、前記発電量検出手段は、前記発電手段が設けられた流路を開閉する電磁弁が開いている時間によって前記発電手段の発電量を検出するので、専用に回路部品の追加を必要とせず、簡単な演算のみで発電量を検出することができる。
請求項9記載の発明によれば、請求項3乃至7の何れか1項に記載の水栓装置において、前記発電量検出手段は、前記発電手段が設けられた流路を開閉する電磁弁が開いている時間の前記コンデンサの電圧の変化によって前記発電手段の発電量を検出するので、水栓が設置された現場の水圧や水量などの環境の違いも含めて、正確な発電量の検出が可能となる。
本発明によれば、水栓の使用状況に応じてバックアップ電圧を設定するため、一次電池の消費を避けるためにバックアップ電圧を単純に下げるのではなく、逆に、発電機からの充電や昇圧回路の効率を上げるためにバックアップ電圧を単純に上げるのでもなく、さまざまな条件から最適なバックアップ電圧を設定することができ、一次電池の消費を避けながら、回路が最も効率的な条件で動作できる。
以下に、本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施例である水栓装置の回路図である。
図1において、3は水栓制御手段であり、水栓装置を構成する各要素に対して「各部の電圧を監視する」「オン/オフ信号を出力する」などの信号の入出力を行い、水栓装置の動作を制御する。1は、水栓制御手段3の中枢となるマイコン、2は水栓装置の使用者を検出するセンサであり、1と2は水栓制御手段3を構成する。
センサ2は、水栓装置が自動水栓装置(手洗い器)であれば手を検出するセンサであり、マイコン1へ検出結果を出力する。
なお、水栓制御手段3にとってセンサ2は必須ではなく、水栓装置の水路の開閉の制御条件となるものであれば、手動の操作スイッチやタイマーなどでも良い。
4は水栓装置の流路を開閉する電磁弁(電気回路上はソレノイド)、5は電磁弁4を通電する電磁弁通電手段である。
なお、電磁弁4は、流路の開/閉の切替時以外に電流を消費しない、ラッチング式の電磁弁であり、電磁弁通電手段5は、電磁弁4を開/閉するために正/逆通電するHブリッジ回路である。そして、マイコン1のポート操作により、電磁弁4の開通電または閉通電が行われる。
6はコンデンサであり、電圧変換手段7と共に水栓制御手段3および電磁弁通電手段5の電源を構成する。図1の電圧変換手段7はコイルとダイオードを用いたスイッチング型の昇圧回路であるが、図1の構成に限定されることはなく、例えばコンデンサとダイオードによるチャージポンプ回路でもよい。
また、コンデンサ6の電圧をVCとすると、VCはマイコン1のA/D変換ポートに入力されており、マイコン1(水栓制御手段)はコンデンサ6の充電電圧VCを監視することができる。
8は発電手段であり、水栓装置の流路に設けられた水力発電機と、その出力を全波整流するダイオードブリッジで構成される。そして、発電手段8の出力によりコンデンサ6を充電する。
9は、発電手段8によってコンデンサ6を充電する際、コンデンサ6の電圧が、所定の最高電圧を越えて、コンデンサ6自身や、それにつながる電圧変換手段7、水栓制御手段3などを過電圧で破壊しないための充電電圧制限手段である。
但し、発電手段8の出力電圧を制限すれば良いので、9は三端子レギュレータICでも構成可能である。しかし、図1のものは、発電機の負荷電流が変化することで水栓装置の流量が変動する問題を解決するものである。これを以下に説明する。
通常、発電手段8はコンデンサ6の充電電流を出力する状態にあり、この状態で水栓装置の流量は適量に調整(通常は止水栓の開度による)される。つまり、発電手段8が所定の電力を出力し、水栓装置の流路の抵抗となっている状態で流量が設定される。
しかし、コンデンサ6の充電が進んで電圧が上昇し、充電不要、あるいは充電を禁止すべき状態になると、発電機8の出力電流の行き先がなくなる。
単純にコンデンサ6の充電を停止すると、発電手段8の出力電流がゼロとなり、水力発電機が水栓装置の流路の抵抗として機能しなくなり、水栓装置の流量が増加する。
このように、水力発電の場合、コンデンサの充電状態によって発電手段の出力電流を変化させると、使用者の意図とは無関係に水栓装置の流量が変化する。
充電電圧制限手段9は、コンデンサ6の電圧VCが所定の制限電圧(コンデンサ6以降の回路が許容できる最高電圧)以上になると抵抗負荷をオンさせ、コンデンサ6の充電を停止すると同時に発電手段8の出力電流を抵抗で消費し、発電機の負荷電流を安定させる。このようにして、コンデンサの充電状態によって水栓装置の流量が変動する問題を回避する。
10は一次電池である。11は一次電池10からコンデンサ6への充電を制御する充電制御手段であり、一次電池10とコンデンサ6の接続をオン/オフするトランジスタ、充電電流の最大値を制限する抵抗、コンデンサ6による一次電池10の逆充電を防止するダイオードからなる。
一次電池10によるコンデンサ6の充電の制御は、マイコン1のポート出力によって前記トランジスタがオン/オフすることで成される。
12は、水栓制御手段3の動作モード、動作条件などを外部から任意に設定するための設定スイッチであり、スイッチの状態がマイコン1に入力される。なお、これを本発明のバックアップ電圧の設定に使用する。
以上説明した水栓装置の全体の構成を図13に示す。
次に水栓装置の基本動作を説明する。図2は水栓制御手段3が有するマイコン1のメインルーチンのフローチャートである。周期的に繰り返してセンサ2を作動させ、水栓装置の使用者である人体(手)を感知すると電磁弁4を駆動して吐水を行うもので、トイレの手洗い器に取り付けられ、センサで自動吐水/止水する、自動水栓装置(手洗い器)で良く知られた動作である。
図2のメインルーチンのプログラムステップS001(以下S001)でセンサ2を駆動し、S002で人体を感知している場合はS003で吐水中かチェックし、吐水中でなければS005で電磁弁4を開通電して吐水を開始する。
S002で人体を感知していない場合はS004で止水中かチェックし、止水中でなければS006で電磁弁4を閉通電して止水状態とする。
こうして、センサ2の感知中は吐水、感知中でない場合は止水、という動作になる。
電磁弁4の通電処理の後、S007で、一次電池10からコンデンサ6への充電を行うか否かの判断の閾値となる電圧VTHを設定する。このVTHの設定方法の詳細は後に説明する。
S008では、コンデンサ6の電圧VCをチェックするため、VCのA/D変換を行い、S009でVCがVTH以下に低下していないかチェックする。
VCがVTH以下に低下していた場合、S010で充電制御手段11のトランジスタをオンして一次電池10からコンデンサ6への充電を行う。また、S009でVCがVTHに達している場合、S011で充電制御手段11のトランジスタをオフして一次電池10からコンデンサ6への充電を停止する。
但し、コンデンサ6への充電電流は、一次電池10の電流出力能力と充電制御手段11の電流制限抵抗によって調整されており、コンデンサ6は通常1ファラッド前後の大容量のものを使用するので、瞬間的にコンデンサ6の充電が完了することはない。
つまり、コンデンサ6の充電は、図2のメインルーチンをループしながら、ある時間をかけて行い、VCがVTHに達すると充電を停止する。
以上の動作により、コンデンサ6の電圧は、閾値電圧VTH以下に下がらないように一次電池10によって保持される。つまり、コンデンサの電圧はVTH1以上にバックアップされている。よって、閾値電圧VTHは、一次電池10によるコンデンサ6の「バックアップ電圧」と言うことができる。
次に、この「バックアップ電圧VTH」の設定方法として、第1の実施例を図3に示す。
図2のメインルーチンのS007においてVTHの設定を行うが、第1の実施例では図3の処理を実行する。図3のS101で、図1の設定スイッチ12の状態を読み込む。S102でスイッチの状態からVTHを決定する。
例えば設定スイッチ12が、複数段階の選択が可能なロータリー式のスイッチであれば、読み込んだスイッチ状態に応じて、予め決めていたVTHの数値をマイコンのROMテーブルから読み込んで設定する方法がある。
或いは、設定スイッチ12が可変抵抗であれば、読み込んだ抵抗値に比例するようにVTHを計算しても良い。
VTHを設定スイッチ12によって選択する方法は、以下のような水栓装置の使用条件で有効である。
例えば、非常に利用者の多い駅に水栓装置が取り付けられる場合を考える。
このような現場では、水栓装置の使用頻度が高く、発電手段8の発電能力も高い。仮に、夜間にコンデンサ6の電圧が低下して電圧変換手段7などの回路損失が増えたとしても、水栓の使用者が多いために昼間のうちにコンデンサ6の電圧は確実に回複する。
しかし、万一、発電手段8のトラブルがあって発電量が不足すると、使用者が多いために一次電池10の消費が増える。そのようなトラブルに備えるため、例え通常の発電量が多くても、なるべくコンデンサ6のバックアップ電圧VTHを低めに設定しておき、一次電池10の消費をできるだけ抑える方が良い。
また、水栓装置が一般の家庭に取り付けられる場合を考える。
一般家庭では、数人の家族が使うだけなので、駅などに比較すれば、極端に使用頻度が低く、発電量も少ない。
この場合、コンデンサ6の電圧が低くなって回路損失が増えると、発電によってコンデンサ6の電圧を回復できない恐れがある。その場合、一次電池が絶えず消費し、発電した電力も効率的に使われない状態となる。
よって、水栓装置の使用頻度が少ない場合、コンデンサ6のバックアップ電圧VTHを高めに設定して、コンデンサの充電や電圧変換手段の回路損失を抑える方が良い。
VTHを高めに設定すると、一次電池10がコンデンサ6を充電する機会が増え、一次電池の消費が増える傾向になるが、もともと水栓装置そのものの消費が少ないので、一次電池がすぐに消耗してしまうことはない。むしろ、発電されたエネルギーを効率的に使うことができる効果の方が大きい。
以上説明したように、発電量が多い現場ではバックアップ電圧VTHを低く、発電量が少ない現場では、バックアップ電圧VTHを高く設定する。これにより、その設置条件に適した制御が行われる。
なお、バックアップ電圧が低め、高めの2つの例を説明したが、現場によっては、中間という設定としても良い。また、使用状況に応じて定期的に再調整することもできる。
また、この設定スイッチ12の調整は、公共の現場ならば水栓装置の施工者もしくは管理者が行い、家庭であれば施工者もしくは使用者が行えばよい。
次に、このバックアップ電圧VTHの設定方法の第2の実施例を、図4を用いて説明する。図4も、図3と同様に、図2のS007の動作内容の詳細を示すものである。
図4において、S201ではタイマーのカウントを行う。このタイマーは1日を周期として時間を計時する計時手段であり、通常の時計と同じく、時間の経過を継続的にカウントするもので、24時間周期でカウントし、1時間毎にカウントアップする変数をhとする。hは0から23まで、1時間毎に増え、23の次は0に戻る。
つまり、時計の「時」「分」のうち、「時」にあたる変数であるが、時計のように時刻を合わせる必要はない。
S202でhの切り替わりのタイミングであった場合、S203で変数hに対応する吐水時間(h)にゼロを挿入する。つまり1時間毎のタイミングで、時間の変数hに対応する吐水時間(h)という値をリセットする。
S204では吐水中か否かをチェックし、吐水中であった場合、S205で吐水時間(h)を加算する。これにより、吐水時間(h)には、時刻がhである1時間の吐水時間(水栓装置の流路を開いている時間)の合計値が入る。
S206で吐水時間(h)の値を、h=0〜23の範囲で合計する。つまり、過去24時間の吐水時間の合計値が計算される。
水栓装置の発電手段8は流路に設けられた水力発電機であり、発電量は発電機が回っている時間、すなわち流路が開いている時間である吐水時間に比例する(水圧などの変動要素は除く)。つまり、吐水時間(h)は、1日を周期として24の時間帯に分割し、その時間帯毎の発電量を記憶する変数と言うことができる。
よって、S206で過去24時間の吐水時間の合計を計算することにより、過去24時間の発電量を間接的に計算することができる。
S207では、過去24時間の吐水時間の合計、つまり24時間の発電量から、コンデンサ6のバックアップ電圧VTHを計算する。
この時、吐水時間の合計が多い場合、すなわち発電量が多い場合は、仮にコンデンサ6の電圧が大きく低下しても、十分な発電量によってコンデンサ6の充電電圧は回復する。その際に、コンデンサ6の電圧が低いために回路効率が低下していても、それを上回る発電が予想される。
よって、バックアップ電圧VTHは低めに設定する方が良い。
逆に、吐水時間の合計が少ない場合、すなわち発電量が少ない場合は、仮にコンデンサ6の電圧が大きく低下すると、コンデンサ6の電圧が低い状態では回路効率が低下し、少ない発電量ではコンデンサ6の充電電圧の回復が見込めない可能性が高い。
その場合、電圧変換手段7の効率が低いために、一次電池10の消費が更に増える傾向となる。よって、バックアップ電圧VTHは高めに設定して、回路効率の良い状態で動かす方が良い。
以上は、発電量が多ければバックアップ電圧を低めに、発電量が少なければバックアップ電圧を低めに設定するという単純な論理であるため、「所定の発電量より大きい場合、バックアップ電圧を所定の低い値に設定する」というような、発電量とバックアップ電圧を対応させたテーブルを用いて(一般に言う、テーブル参照)設定可能である。
或いは、以下のような計算式でVTHを演算しても良い。

VTH=(充電制限電圧)−(24時間の合計吐水時間)×(比例定数)

充電制限電圧とは、充電電圧制限手段9によって決まるコンデンサ6の充電電圧の上限で、発電手段によるコンデンサの充電の最高電圧である。比例定数は、発電手段8の発電量と吐水時間の関係、コンデンサ6の容量、水栓制御手段3及び電磁弁4の消費、動作マージンなどから決定する。
なお、前記の式は、発電量(吐水時間)とVTHの関係が一次式となっているが、実際にコンデンサに蓄えられるエネルギーは、コンデンサの電圧の2乗に比例するため、これを考慮しても良い。つまり、

VTHの2乗=(充電制限電圧)の2乗−(24時間の合計吐水時間)×(比例定数)

という式からVTHを決定する方が、演算はやや複雑になるが、より適切な値となる。
ここで、24時間の吐水時間の合計、すなわち、24時間の発電量の合計を計算する理由を説明する。
コンデンサ6は、回路の消費量よりも発電量の方が多い期間に充電され、その逆に発電量が少ない期間に放電する。発電量が少ない時にコンデンサをバックアップするのが一次電池であるが、一次電池によるバックアップが必要となるまでコンデンサが放電してしまう状況は、可能な限り避ける制御方式が好ましい。
コンデンサが低い電圧まで放電するのは、長期間、水栓装置が使用されず発電が成されない状況である。例えば、長期間、水栓装置が使用されない状況として、学校の夏休み、オフィスの年末年始休暇などが考えられるが、その場合は発電で得た電力は放電してしまい、一次電池によって動作する以外にない。よって、コンデンサの充電と放電のバランスを制御できる状態ではない。
まず、さまざまな使用条件でも常に起こりうる、最短の充電と放電の周期は昼と夜を周期とする1日24時間である。駅、学校、商業施設など、通常は24時間で水栓が使用される時間帯と使用されない時間帯を繰り返す。この24時間については、水栓装置がトイレや洗面など、人の生活に関わるものであるため、如何なる場所、国においても同じである。
つまり、コンデンサの充放電の周期として、第一に考慮すべき周期が24時間である。24時間の発電量が分かれば、夜間に放電したコンデンサの電圧が、昼間にどれだけ上昇できるかが計算でき、24時間周期のコンデンサの充放電を制御できる。
これが24時間を計算する理由である。
水栓装置の使用条件として24時間の次に考えられる周期が、7日、1週間である。学校やオフィスでは1週間周期で休みが明確にあり、駅などでもある程度の規則性を持つ。1週間については、他の実施例で説明する。
なお、1週間を越えると次の周期は1ヶ月となるが、1ヶ月の周期で水栓装置の使用状態が規則的に変化する用途は通常、考えられない。
次に、このバックアップ電圧VTHの設定方法の第3の実施例を、図5を用いて説明する。図5も、図4と同様に、図2のS007の動作内容の詳細を示すものであり、図4と一部の動作が異なる。
図5と図4の違いは、時間の変数hが0〜71と、72時間、つまり3日の周期となっている点である。時間の変数hに対応する吐水時間(h)という値も72時間分となり、図4よりもマイコン1の記憶領域や演算量を多く必要とする。しかし、3日間を72の時間帯に分割して発電量を記憶することができる。
S306では、h=0〜71の過去72時間、つまり過去3日間の合計吐水量を計算するので、過去3日間の合計発電量が間接的に計算される。
S307では、過去3日間の合計吐水時間から24時間の吐水時間の平均値(3で割れば良い)を計算し、S308でVTHを計算する。
こうすることで、マイコン1の処理は増えるが、水栓装置の使用頻度に日毎のばらつきがあっても、それを平均化することで、より適切なバックアップ電圧VTHが設定される。
次に、このバックアップ電圧VTHの設定方法の第4の実施例を、図6を用いて説明する。図6も、図5と同様に、図2のS007の動作内容の詳細を示すものであり、図5と一部の動作が異なる。
図6では、時間の変数がdとhとなり、h=0〜23で24時間をカウントし、d=1〜7で7日間、つまり曜日をカウントする。よって、吐水時間(d、h)という値は、ある曜日のある時刻の1時間の合計吐水時間という意味を持つ。
そして、S401からS405を繰り返すことで、1時間毎の吐水時間の合計値が1週間分のデータとして記憶される。つまり、水栓装置の1週間の使用パターンが、1時間毎に記憶されることになる。また、7日を168の時間帯に分割し、その時間帯毎に発電量を記憶していると言うこともできる。
S406では、記憶された吐水時間(d、h)に対し、現在のd、hから24時間後まで、つまり、1週間前の現在と同じ時刻から、その24時間後までの吐水時間(d、h)の合計値を計算する。
これは、現在から24時間の吐水時間の合計を、1週間前の同じ時間帯のデータから推測することを目的としている。
その理由は前述の通りで、学校やオフィスなどを代表に、1週間周期で水栓装置の使用、不使用のパターンが繰り返すと考えられるためである。よって、1週間で使用パターンを記憶すれば、実効性のある水栓装置の使用パターンとしては最も確度の高いものとなり、これから予測される発電量も確度の高いものとなる。
次に、このバックアップ電圧VTHの設定方法の第5の実施例を、図7を用いて説明する。図7も、図2のS007の動作内容の詳細を示すものである。
図7では、図4と同様に、h=0〜23という24時間周期でVTH設定の動作を行う。S502でhの切り替わりのタイミングであった場合、S503で変数hに対応するVC上昇(h)という値にゼロを挿入する。つまり1時間毎のタイミングで、時間の変数hに対応するVC上昇(h)という値をリセットする。
S504では吐水中か否かをチェックし、吐水中であった場合、S505でVCをA/D変換により測定し、S506で前回の測定からのVCの上昇量を、VC上昇(h)に加算する。
これにより、VC上昇(h)には、時刻がhである1時間の、VCの電圧上昇分の合計値が入る。
S507でVC上昇(h)の値を、h=0〜23の範囲で合計する。つまり、過去24時間のVCの上昇電圧の合計値が計算される。
S508では、過去24時間のVCの上昇電圧の合計値からVTHを設定する。この時、VCの上昇電圧の合計値が大きいという事は、発電量が多いという事を意味する。その場合、仮にコンデンサ6の電圧が大きく低下しても、十分な発電量によって電圧は回復する。その際に、コンデンサ6の電圧が低いために回路効率が低下していても、それを上回る発電が予想される。
よって、バックアップ電圧VTHは低めに設定する方が良い。
VCの上昇電圧の合計値が少ない場合は、上記の逆で、VTHは高めに設定する方が良い。
次に、発電量に応じてバックアップ電圧を設定することの効果をタイミングチャートを用いて説明する。
まず図8は、バックアップ電圧VTHが高過ぎる例である。図8の横軸は時間、縦軸はコンデンサ6の電圧であり、時間経過に沿ってコンデンサの電圧が変化する様子を示している。時間は昼間と夜間をそれぞれ12時間とし、約2日分の変化を示している。
なお、昼間とは、水栓装置が使用され、発電が行われてコンデンサの電圧が上昇する時間帯である。夜間とは、逆に水栓が使用されず、コンデンサに蓄えられた電荷で水栓装置が動作する時間帯である。図1の水栓制御手段3のマイコン1やセンサ2が夜間の消費の主なものである。
よって、例えばオフィスであれば、昼間とは午前8時から午後8時、夜間とは、午後8時から翌朝の午前8時というように考える。当然、昼と夜が12時間ずつとは限らないが、パターンを簡略化するために12時間ずつとする。
図8では、昼の間に水栓装置が使用され、発電が行われてコンデンサ電圧は徐々に上昇する。そして、図1の充電電圧制限手段9によって決まる最高電圧(充電制限電圧)に達すると、それ以上の充電は行われないため、図8のように、充電制限電圧で頭打ちとなったコンデンサ電圧の平坦な部分が生じる。この時、発電された電力は、充電電圧制限手段によって消費されており、発電という目的からすれば、無駄に電力が消費されている。
図8で夜間になると、マイコン1やセンサ2からなる水栓制御手段3の消費により、コンデンサ電圧は低下する。しかし、バックアップ電圧VTHが図8のような電圧である場合、夜間の12時間が終了する前に、一次電池10からコンデンサ6への充電、すなわちバックアップが始まり、コンデンサ電圧が維持される。この時、一次電池10からコンデンサ6を経由して、マイコン1やセンサ2に電力供給される。
以上説明したように、図8の場合、昼間に発電した電力が充電電圧制限手段9で消費され、夜間には水栓制御手段3のために一次電池10が消費しており、共に発電電力を利用する装置としては無駄な消費となっている。
その要因は、水栓装置の発電能力に対して、バックアップ電圧VTHが高過ぎる点である。
図9は、水栓装置の発電能力に対して、適切なバックアップ電圧VTHを設定したものである。
まず、図8に対してVTHを下げることで、夜間の一次電池10の消費が無くなっている。そのために昼間の発電がスタートする時点のコンデンサ電圧は下がっているが、図9の発電能力があれば、昼間の12時間の間に充電制限電圧まで上昇できている。
これが、発電した電力も一次電池も共に使われない、理想的な状態である。
なお、図9はコンデンサ電圧の上限、下限に図8のような平坦部分が全く無いが、これは最適条件として例を示しただけであり、電圧の平坦な部分がなるべく減るようにすることで、無駄な消費を減らす効果が生じる。よって、電圧の平坦な部分が少しでもあると本発明の効果が無いという事ではない。
次に、図10は、バックアップ電圧VTHが低過ぎる例である。また図10は、図8及び図9に比較して、水栓装置の発電能力が低い場合を想定している。例えば、水栓装置の使用者が少ない、1回の吐水で短時間しか吐水しない、吐水流量が少ない、などの理由で発電量が少ない場合である。
なるべく一次電池10の消費を減らしたいという狙いからすれば、VTHを低くした方が良いと考えるのが普通である。図10のように水栓装置の発電量が少ないにも関わらずVTHを下げると、昼間の発電によってもコンデンサ電圧の上昇が少なく、充電制限電圧に達しないまま夜間に入ってしまう。
この場合、常時、コンデンサ電圧が低い状態にあり、先に説明したように、コンデンサの充電回路の損失が多く、電圧変換手段7の効率が低い状態で動作することになり、一次電池10の消費を更に増やしてしまう。
図11は、水栓装置の発電能力に対して、適切なバックアップ電圧VTHを設定したものである。
まず、VTHを上げることで、昼間が終わる時にコンデンサ電圧は充電制限電圧近くに達している。VTHが高めに設定されているため、夜間に入ると間もなく一次電池10によるバックアップが始まるが、電圧が高い状態で動作するため、回路損失が少なく、電圧変換手段7の効率が高い状態で動作することになり、最も無駄が少ない条件で一次電池10を消費できる。
以上のように、1日の発電量に応じてVTHを適切に設定することで、水栓装置として効率的な動作が可能となる。そのVTHの設定が図3乃至図7のプログラムによって行われる。
基本的に、発電量が多い程、VTHを低く、発電量が少ない程、VTHを高く設定するように演算するが、その演算の方法は以下の考えに従う。
適切なVTHの設定の目安は、図9のように、昼間は充電電圧制限手段による発電の消費が起きないこと、夜間は一次電池によるバックアップが行われないことである。また、図11のように一次電池によるバックアップが避けられない場合でも、昼間の終了時にコンデンサ電圧が充電制限電圧近くまで充電している方が良い。
つまり、コンデンサ6の充電制限電圧(所定の最高電圧)に対して、昼間の発電量によるコンデンサの電圧上昇分を差し引いた電圧でバックアップしておけば良い。昼間の発電量とは、言い換えれば24時間分の発電量である。実際には、発電量を正確に測定することは困難であり、コンデンサ6の容量や水栓制御手段3の消費のばらつきなどもあるため、全く理想的なVTHの設定は無理であるが、なるべく理想に近いVTHの制御ができれば、相応の効果が得られる。
図12は、水栓装置の使用者がいない日曜から、水栓装置の使用が始まる月曜にかけての動作例である。ここでは、図6のフローチャートによる方法でVTHを設定する。すなわち、1週間周期で複数の時間帯に分割して水栓装置の発電パターンを記憶・学習し、現在動作している時刻に対して、24時間以内に発電される電力を予測してVTHを設定する。
なお、図12の例は、日曜日だけ全く水栓装置の使用がなく、それ以外の日は、十分に多くの水栓装置の使用がある場合とする。よって、日曜以外の日であれば、夜間の水栓制御手段3の消費電力に比較して、昼間の発電電力が十分に上回る場合である。
まず、図6の吐水時間(d、h)の学習により、日曜日には終日発電がされない事が分かっているので、日曜の昼間に入る前、つまり土曜の夜間から、VTHが高く設定されている。
このように、日曜日は終日発電されることなくコンデンサ電圧が低下することが予測されるので、VTHを高く設定しておき、コンデンサ電圧が低下して回路損失が多く、電圧変換手段7の効率が低い状態で動作することを避けている。
日曜日の昼間に入ると、予測される24時間以内の発電量から、VTHを下げても24時間以内にコンデンサ電圧を回復できると判断して、VTHを徐々に下げて行く。これも図6による動作である。
そして図12では、コンデンサ電圧はVTHの低下よりも遅い速度で低下している。なお、予測される発電量が図12より少なければ、VTHの低下速度は遅くなり、コンデンサ電圧はVTHでバックアップされながら低下するという事もある。つまり、図12のコンデンサ電圧とVTHの関係は一例に過ぎない。
月曜の昼間(朝)になると、水栓装置の使用が始まり発電が行われコンデンサ電圧が上昇する。そして月曜の夜間に入る時には充電制限電圧に達している。
図12のように、日曜日に発電が全く行われないことを予測して土曜の夜間にVTHを高く設定しておかないと、日曜日の昼間にコンデンサ電圧が大幅に低下する。すると、電圧変換手段7の効率が低い状態で、一次電池10によるバックアップを行わなければならなくなる。
しかし、図12では、コンデンサ電圧が高い状態でバックアップを行うため、一次電池10の消費も有効に使われる。つまり、発電量を予測することで、効率的な一次電池の消費を実現できている。
本発明の実施形である水栓装置の回路図である。 本発明の実施形である水栓装置のマイコンの基本動作を示すメインルーチンのフローチャートである。 本発明のバックアップ電圧の設定方法の第1の実施例の動作を示すサブルーチンのフローチャートである。 本発明のバックアップ電圧の設定方法の第2の実施例の動作を示すサブルーチンのフローチャートである。 本発明のバックアップ電圧の設定方法の第3の実施例の動作を示すサブルーチンのフローチャートである。 本発明のバックアップ電圧の設定方法の第4の実施例の動作を示すサブルーチンのフローチャートである。 本発明のバックアップ電圧の設定方法の第5の実施例の動作を示すサブルーチンのフローチャートである。 バックアップ電圧の設定が高過ぎる場合の、コンデンサ電圧の変化を示すタイミングチャートである。 図8の高過ぎるバックアップ電圧の設定を適切に修正した場合の、コンデンサ電圧の変化を示すタイミングチャートである。 バックアップ電圧の設定が低過ぎる場合の、コンデンサ電圧の変化を示すタイミングチャートである。 図10の低過ぎるバックアップ電圧の設定を適切に修正した場合の、コンデンサ電圧の変化を示すタイミングチャートである。 本発明の実施により、バックアップ電圧を変化させる場合の、コンデンサ電圧の変化を示すタイミングチャートである。 本発明が実施される水栓装置の構成を示す一例である。
符号の説明
1…マイコン
2…センサ
3…水栓制御手段
4…電磁弁
5…電磁弁通電手段
6…コンデンサ
7…電圧変換手段
8…発電手段
9…充電電圧制限手段
10…一次電池
11…充電制御手段
12…設定スイッチ

Claims (9)

  1. 発電手段と、前記発電手段と電気的に並列に接続された一次電池と、前記発電手段の出力または前記一次電池によって充電されるコンデンサと、前記一次電池と前記コンデンサとの間に直列に設けられ前記一次電池から前記コンデンサへの充電をオン/オフ制御する充電制御手段と、前記コンデンサの電圧を所定の電圧に変換し給電を行う電圧変換手段と、該電圧変換手段からの給電により作動する水栓制御手段と、を有する水栓装置において、前記コンデンサの電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段の出力が前記一次電池から前記コンデンサへの充電を開始するバックアップ電圧以下になると前記充電制御手段をオン制御するとともに、前記バックアップ電圧を可変して設定可能なバックアップ電圧設定手段を設けたことを特徴とする水栓装置。
  2. 請求項1に記載の水栓装置において、前記バックアップ電圧設定手段は、複数段階に切り替え可能な操作スイッチであることを特徴とする水栓装置。
  3. 請求項1に記載の水栓装置において、前記発電手段の発電量を検出する発電量検出手段を備え、前記バックアップ電圧設定手段は、前記発電量検出手段の発電量出力に応じてバックアップ電圧を設定するものであり、前記発電量が所定の発電量より大きい場合、前記バックアップ電圧を所定のバックアップ電圧より低く設定することを特徴とする水栓装置。
  4. 請求項3に記載の水栓装置において、1日若しくは7日を周期として時間を計時する計時手段と、前記発電手段の出力による前記コンデンサの充電電圧を所定の最高電圧以下になるように制限する充電電圧制限手段とを備え、前記バックアップ電圧設定手段は、前記所定の最高電圧から、前記発電量出力の1日分の積算電力量により前記コンデンサが充電され上昇する電圧分を差し引いた電圧を、前記バックアップ電圧とすることを特徴とする水栓装置。
  5. 請求項4に記載の水栓装置において、前記1日の周期を複数の時間帯に分割して前記発電量出力を記憶する記憶手段を備え、前記発電量出力を1日分について前記記憶手段に記憶し、前記バックアップ電圧設定手段は前記1日分の積算電力量に基づいて、前記バックアップ電圧の設定を行うことを特徴とする水栓装置。
  6. 請求項5に記載の水栓装置において、前記1日分の積算電力量を複数日に亘り記憶し、前記バックアップ電圧設定手段は前記複数日に記憶された発電量から1日あたりの発電量の平均値を計算し、該平均値に基づいて前記バックアップ電圧の設定を行うことを特徴とする水栓装置。
  7. 請求項4に記載の水栓装置において、7日を1周期として複数の時間帯に分割して前記発電量検出手段によって検出された発電量を記憶する記憶手段を備え、前記バックアップ電圧設定手段は、前記分割された時間帯ごとの発電量から、現時点から24時間以内の発電量を予測し、該24時間以内の発電量の予測値に基づいて前記バックアップ電圧の設定を行うことを特徴とする水栓装置。
  8. 請求項3乃至7の何れか1項に記載の水栓装置において、前記発電量検出手段は、前記発電手段が設けられた流路を開閉する電磁弁が開いている時間によって前記発電手段の発電量を検出することを特徴とする水栓装置。
  9. 請求項3乃至7の何れか1項に記載の水栓装置において、前記発電量検出手段は、前記発電手段が設けられた流路を開閉する電磁弁が開いている時間の前記コンデンサの電圧の変化によって前記発電手段の発電量を検出することを特徴とする水栓装置。
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