JP5120335B2 - シリコンウェーハの加工方法 - Google Patents

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本発明は、シリコンウェーハの加工方法に係り、特にシリコンウェーハの表面をプラズマエッチングする工程を含むシリコンウェーハの加工方法に関する。
シリコンウェーハ等の半導体ウェーハを平坦化する技術として、グライディング(研削)やポリッシング等の機械的又は機械的化学的な方法が知られている。しかしながら近年、LSI等の配線の高密度化や多層化にともなって、ウェーハに対する平坦度の要求もより一層高まっている。
そこで例えば特許文献1に記載されているように、ウェーハ表面に対向させて設けられたエッチングガスの噴霧ノズルを走査しながらウェーハの表面に局部的にエッチングガスを噴射してウェーハを平坦化するいわゆるプラズマエッチング技術が知られている。プラズマエッチングは、あらかじめウェーハの厚み分布(平坦度)を計測しておき、この計測結果に基づいてウェーハの表面各部のエッチング量を算出し、各部のエッチング量に応じてウェーハの表面に対する噴霧ノズルの走査速度を変えるものである。
ところで、プラズマエッチング加工の際、ウェーハの表面に自然酸化膜が生成されていると、自然酸化膜とシリコンのエッチング速度が異なることが原因で、プラズマエッチング後のウェーハの厚みにムラが生じる場合がある。これに対して、特許文献1に記載されているように、ウェーハの厚みのムラを抑制するために、プラズマエッチング加工の前に希フッ酸洗浄を行って自然酸化膜を除去することが知られている。
特開2001−176844号公報
しかしながら、希フッ酸洗浄により自然酸化膜を除去してウェーハ表面を完全撥水面にすると、ウェーハ表面にパーティクルが付着しやすくなる。ウェーハ表面にパーティクルが付着すると、この付着パーティクルがプラズマエッチング加工の際にエッチングガスのマスクとして作用するため、パーティクルが付着した部分だけエッチングされずウェーハ表面に突起形状が発生する場合がある。このような問題は、2枚のシリコンウェーハを貼り合わせて作成されたSOIウェーハの活性側のシリコンウェーハの表面をプラズマエッチングする前に、希フッ酸洗浄を行って自然酸化膜を除去する場合も、同様に発生し得る。
そこで本発明は、シリコンウェーハの表面をプラズマエッチングする工程を含むシリコンウェーハの加工方法において、ウェーハの厚みのムラを抑制するとともにウェーハ表面に突起形状が発生するのを抑制することを課題とする。
また、2枚のシリコンウェーハを貼り合わせて作成されたSOIウェーハの活性側のシリコンウェーハの表面をプラズマエッチングする工程を含むシリコンウェーハの加工方法において、活性側のシリコン層の膜厚を均一にするとともに活性側のシリコンウェーハ表面に突起形状が発生するのを抑制することを他の課題とする。
本発明のシリコンウェーハの加工方法は、フッ酸を含む洗浄液によりシリコンウェーハの表面の自然酸化膜を除去する洗浄工程と、この洗浄工程の直後にシリコンウェーハの表面をプラズマエッチングするプラズマエッチング工程とを含んで構成される。
特に、洗浄工程は、洗浄液による洗浄時間、洗浄液の温度、及び洗浄液の濃度の少なくとも1つを調整して、シリコンウェーハの表面の自然酸化膜の厚みを0.3nmよりも厚く、0.7nmよりも薄く形成することを特徴としている。
例えば、上述の洗浄工程及びプラズマエッチング工程は、単結晶シリコンインゴットをスライスして得られたシリコンウェーハの表面や、2枚のシリコンウェーハを貼り合わせて作成されたSOIウェーハの活性側のシリコンウェーハの表面に対して行なうことができる。
すなわち、自然酸化膜を除去するための希フッ酸洗浄を全く行なわないか、或いは希フッ酸洗浄を行なったとしても自然酸化膜の厚みが0.7nm以上残っている場合、自然酸化膜とシリコンのエッチング速度が異なることに起因して、プラズマエッチング後のウェーハの厚みにムラが生じ得る。一方、希フッ酸洗浄を行なった結果、自然酸化膜の厚みが0.3nm以下になれば、ウェーハ表面にパーティクルが付着しやすくなるため、付着したパーティクルに起因してウェーハ表面に突起形状が発生し得る。そこで本発明の洗浄工程は、洗浄液による洗浄時間、洗浄液の温度、及び洗浄液の濃度の少なくとも1つを調整することにより、自然酸化膜の厚みを僅かに(0.3nmよりも厚く、0.7nmよりも薄く)残すものである。これによれば、例えば洗浄工程の後プラズマエッチング工程に移る間にウェーハ表面にパーティクルが付着したとしても、表面が完全な撥水面にはなっていないので、パーティクルが表面から離脱する可能性が高くなり、ウェーハ表面に突起形状が発生するのを抑制できる。これに加えて自然酸化膜の厚みが比較的薄くなっているので、自然酸化膜とシリコンのエッチング速度が異なることに起因するウェーハの厚み、或いはSOIウェーハの活性層の膜厚のムラを抑制することができる。
本発明によれば、シリコンウェーハの表面をプラズマエッチングする工程を含むシリコンウェーハの加工方法において、ウェーハの厚みのムラを抑制するとともにウェーハ表面に突起形状が発生するのを抑制することができる。
また、2枚のシリコンウェーハを貼り合わせて作成されたSOIウェーハの活性側のシリコンウェーハの表面をプラズマエッチングする工程を含むシリコンウェーハの加工方法において、活性側のシリコン層の膜厚を均一にするとともに活性側のシリコンウェーハ表面に突起形状が発生するのを抑制することができる。
本実施形態のシリコンウェーハの加工処理の流れを示す図である。 プラズマエッチングにおけるウェーハ表面に対する噴霧ノズルの走査概念を示す図である。 洗浄工程(S6)を十分に行ってウェーハ表面を完全撥水面にした状態でプラズマエッチングを行なった場合の概念図である。 ウェーハの表面に発生した突起形状の状態を示す図である。 洗浄工程を全く行なわない比較例1(A)と、洗浄工程を十分な時間をかけて行ってウェーハ表面を完全撥水面にする比較例2(B)と、本実施形態の洗浄工程を行なった場合(C)のそれぞれにおける自然酸化膜厚を示すグラフである。 洗浄工程を全く行なわない比較例1(A)のSOIウェーハの活性膜の膜厚分布を示す図である。 洗浄工程を十分な時間をかけて行ってウェーハ表面を完全撥水面にする比較例2(B)のSOIウェーハの活性膜の膜厚分布を示す図である。 洗浄工程を十分な時間をかけて行ってウェーハ表面を完全撥水面にする比較例2(B)における希フッ酸洗浄処理の処理前後のLPDマップである。 本実施形態の洗浄工程を行なった場合(A)のSOIウェーハの活性膜の膜厚分布を示す図である。 本実施形態の洗浄工程を行なった場合(A)における希フッ酸洗浄処理の処理前後のLPDマップである。 他の実施形態のシリコンウェーハの加工処理の流れを示す図である。
以下、本発明を適用してなるシリコンウェーハの加工方法の実施形態を説明する。図1は本実施形態のシリコンウェーハの加工処理の流れを示す図である。図1に示すように、まずCZ法等により生成された単結晶シリコンインゴットをスライスして複数枚のシリコンウェーハを形成する(S1)。続いて、シリコンウェーハに対して粗研磨工程でウェーハ表面のポリッシングを行い鏡面化する(S2)。さらにエッチング工程でシリコンウェーハの表面をエッチングし(S3)、研磨工程でシリコンウェーハの表面を研磨する(S4)。
ここで、近年のLSI等の配線の高密度化や多層化にともなって、ウェーハの特に平坦度の要求もより一層高まっていることから、この要求に対応するために、本実施形態は粗研磨、エッチング、研磨等が行なわれたシリコンウェーハに対してプラズマエッチングを行なう。
プラズマエッチングは、エッチングガスをマイクロ波によりプラズマ化し、プラズマによって励起されたラジカル種がダウンストリームプラズマ中において、シリコンをエッチングすることを利用し、ウェーハの表面に対向させて設けられたエッチングガスの噴霧ノズルをウェーハ表面に対して走査しながらウェーハの表面に局部的にエッチングガスを噴射することによりウェーハの厚みのムラを抑制する技術である。エッチングガスはSF6ガスを採用することができる。SF6のほか、プラズマの安定化等のために、N2ガス及びO2、CF4、Arの混合ガスを用いることもできる。ガスの流量として、SF6は10〜500cc/min、N2は1000〜3000cc/min、O2とCF4とArの混合ガスは10〜300cc/minを流しながら、エッチング加工をする。図2はプラズマエッチングにおけるウェーハ表面に対する噴霧ノズルの走査概念を示す図である。例えば図2に示す矢印のような順序で、シリコンウェーハ10に対向して設けられるエッチングガスの噴射ノズルの位置を変えることによりウェーハの表面全体が走査される。ここで、ウェーハの厚みはあらかじめ計測されており、この計測結果に基づいてウェーハの表面各部のエッチング量を算出し、各部のエッチング量に応じてウェーハの表面に対する噴霧ノズルの走査速度が変えられる。プラズマエッチング装置は限定されない。具体的には、スピードファム社製のプラズマエッチング装置、商品名「DCP−200X」を採用することができる。
したがって、プラズマエッチングを行なうために、まず研磨工程が終了した後のウェーハの厚み分布(平坦度)の計測を行なう(S5)。厚み分布(平坦度)の計測は、例えば、一対のプローブの先端を互いに一定間隔で対向させるとともに、これらプローブ間にシリコンウェーハを配し、プローブ間に生じる静電容量を計測することによってシリコンウェーハの厚み分布を測定する静電容量センサを用いて計測することができるが、これに限られるものではない。
また、上述の各処理工程を経ている間、シリコンウェーハの表面には自然酸化膜が生成される。自然酸化膜が生成された状態で後述のプラズマエッチング工程を行なうと、自然酸化膜とシリコンのエッチング速度が異なることに起因して、プラズマエッチング後のウェーハの厚みに噴射ノズルの走査線上に沿った微小なムラが生じる場合がある。そこで、本実施形態では、シリコンウェーハの厚み分布(平坦度)が計測された後、例えば希フッ酸等のフッ酸を含む洗浄液によりシリコンウェーハの表面の自然酸化膜を除去する洗浄工程(S6)が、複数のシリコンウェーハを同時に処理するバッチ処理により行なわれる。バッチ処理とすることで自然酸化膜の厚みのウェーハ間バラツキを低減することができる。
そして、バッチ処理による洗浄工程が行われた後にシリコンウェーハの表面をプラズマエッチングするプラズマエッチング工程(S7)が行なわれ、プラズマエッチング工程の後、仕上げ研磨と洗浄が実施され(S8)、例えば目視等によるシリコンウェーハの検査が行なわれる(S9)。
ところで、図3は洗浄工程(S6)を十分に行ってウェーハ表面を完全撥水面にした状態でプラズマエッチングを行なった場合の概念図であるが、洗浄工程(S6)において、希フッ酸等により自然酸化膜を除去してウェーハ表面を完全撥水面にすると、図3(a)に示すように、シリコンウェーハ10の表面にパーティクル12が付着しやすくなる。シリコンウェーハ10の表面にパーティクル12が付着すると、図3(b)に示すように、この付着したパーティクル12がプラズマエッチング加工の際にエッチングガスのマスクとして作用するため、パーティクル12が付着した部分だけエッチングされずシリコンウェーハ10の表面に突起形状14が発生する場合がある。
図4はウェーハの表面に発生した突起形状の状態を示す図である。図4(a)はシリコンウェーハの全体図であり、図4(b)は図4(a)の領域16を拡大した図である。図4(b)に示すように、シリコンウェーハ10の表面には多数の突起形状14が現れており、この突起形状14は例えば検査工程(S8)において目視等によって発見される。図4(c)は図4(b)の断面線18で示す部位の断面を示している。図4(c)におけるウェーハ表面の高さ分布線20で示すように、ウェーハの表面には突起形状が現れている。このような突起形状はウェーハの品質を低下させる要因となるので好ましくない。
そこで本実施形態のシリコンウェーハの加工方法は、ウェーハの厚みのムラを抑制するとともにウェーハ表面に突起形状が発生するのを抑制するために、洗浄工程(S6)において、洗浄液による洗浄時間、洗浄液の温度、及び洗浄液の濃度の少なくとも1つを調整して、シリコンウェーハの表面の自然酸化膜の厚みを0.3nmよりも厚く、0.7nmよりも薄く形成する点に特徴を有している。
例えば洗浄時間を長くするか、洗浄液の温度を高くするか、洗浄液の濃度を高くすれば、自然酸化膜の厚みは薄くなる。逆に洗浄時間を短くするか、洗浄液の温度を低くするか、洗浄液の濃度を低くすれば、自然酸化膜の厚みは厚くなる。この点を考慮に入れて、自然酸化膜の厚みが0.3nmよりも厚く、0.7nmよりも薄くなるように、洗浄液による洗浄時間、洗浄液の温度、及び洗浄液の濃度のいずれか1つ或いは複数を調整すればよい。
すなわち、図5は洗浄工程を全く行なわない比較例1(A)と、洗浄工程を十分な時間をかけて行ってウェーハ表面を完全撥水面にする比較例2(B)と、本実施形態の洗浄工程を行なった場合(C)のそれぞれにおける自然酸化膜厚を示すグラフである。図5において縦軸は自然酸化膜の膜厚を示しており、横軸は洗浄工程が終了してからの経過時間を示している。ちなみに、本実施形態では洗浄工程(S6)とプラズマエッチング工程(S7)が一連の工程として行なわれるので、洗浄工程が終了してからプラズマエッチング工程に移るまでの経過時間はごく僅かである。以下、洗浄工程(S6)の後、約1時間程度が経過した状態でプラズマエッチング工程(S7)を行なった場合(図5の点a,b,c)のそれぞれの結果を説明する。なお、希フッ酸洗浄工程が終了してからプラズマエッチング工程に移るまでの経過時間は、図5にて、完全撥水面処理ウェーハが0.3nmの自然酸化膜を越えない範囲、すなわち6hr以内にすることが好ましい。
なお以下の説明は、2枚のシリコンウェーハを貼り合わせて作成されたSOIウェーハの活性側のウェーハに対する自然酸化膜厚、活性側のウェーハの膜厚分布、活性側のウェーハのLPDマップ等を示すものであるが、本実施形態のように単結晶シリコンインゴットをスライスして得られたシリコンウェーハにおいても同様の傾向となる。図5に示すように、洗浄工程を全く行なわない比較例1(A)では自然酸化膜厚が0.7nm以上残っており、洗浄工程を十分な時間をかけて行ってウェーハ表面を完全撥水面にする比較例2(B)では自然酸化膜厚が0.3nm以下となっている。これに対して、本実施形態の洗浄工程を行なった場合(C)は、自然酸化膜厚が約0.5nmとなっている。詳細は以下で述べるが、比較例1(A)の場合、ウェーハ表面に突起形状は発生しないが、活性層の膜厚分布にムラが生じた。また、比較例2(B)の場合、活性層の膜厚分布にムラは生じないが、ウェーハ表面に突起形状が生じた。これに対して本実施形態(C)の場合、活性層の膜厚分布のムラを抑制するとともにウェーハ表面に突起形状が発生するのを抑制することができた。
(比較例1)
図6は洗浄工程を全く行なわない比較例1(A)におけるSOIウェーハの活性層の膜厚分布を示す図である。図6は3枚のサンプルウェーハ(a)(b)(c)の膜厚分布を示しており、図右側のウェーハ平面図の膜厚分布線22における膜厚分布を図左側に示している。図左側の膜厚分布は横軸が膜厚分布線22における径方向(Xdirection)、縦軸が膜厚(Thickness)を示している。
図6に示すように、洗浄工程を全く行なわない比較例1(A)では、シリコンとエッチング速度が異なる自然酸化膜厚が0.7nm以上残っているため、サンプルウェーハ(a)(b)(c)いずれもSOIウェーハの活性層の膜厚が波うってウェーハの厚みにムラが生じている。これはウェーハ表面にエッチング速度が異なるシリコンと自然酸化膜とが存在しており、かつエッチングビームの径方向のエッチングエネルギー分布に応じてエッチングビームの周縁部にエッチング走査が重複して行われることに起因するものであると考えられる。このようなウェーハの厚みのムラは、自然酸化膜厚が0.7nm以上残っている場合に顕著に発生した。
(比較例2)
図7は洗浄工程を十分な時間をかけて行ってウェーハ表面を完全撥水面にする比較例2(B)におけるSOIウェーハの活性層の膜厚分布を示す図である。図6は3枚のサンプルウェーハ(a)(b)(c)の膜厚分布を示しており、図右側のウェーハ平面図の膜厚分布線22における膜厚分布を図左側に示している。図左側の膜厚分布は横軸が膜厚分布線22における径方向(Xdirection)、縦軸が膜厚(Thickness)を示している。
図7に示すように、洗浄工程を十分な時間をかけて行ってウェーハ表面を完全撥水面にする比較例2では、自然酸化膜が0.3nm以下なのでサンプルウェーハ(a)(b)(c)いずれもSOIウェーハの活性層の膜厚は比較的平坦になっている。
しかしながら、比較例2では図7には現れていないが、ウェーハ表面に突起形状14が多数発生した。すなわち、図8は洗浄工程を十分な時間をかけて行ってウェーハ表面を完全撥水面にする比較例2における希フッ酸洗浄処理の処理前後のLPDマップである。図8(a)に示す希フッ酸洗浄処理前はシリコンウェーハ10の表面にパーティクルはほとんど付着していない。これに対して図8(b)に示す希フッ酸洗浄処理後はシリコンウェーハ10の表面に多数のパーティクル12が付着している。これはウェーハ表面を完全撥水面にすることで電気的にも結合的にもパーティクルを引き付けやすくなるからと考えられる。
シリコンウェーハ10の表面にパーティクル12が付着すると、この付着したパーティクル12がプラズマエッチング加工の際にエッチングガスのマスクとして作用するため、パーティクル12が付着した部分だけエッチングされない。このため、比較例2の洗浄工程を行なった後プラズマエッチング工程(S7)を行なうと、ほぼ全数のサンプルウェーハで図4に示すようにシリコンウェーハ10の表面に突起形状14が発生して不良となった。このような突起形状14による不良は、自然酸化膜が0.3nm以下の場合に顕著に発生した。
(本実施形態)
図9は本実施形態の洗浄工程を行なった場合(C)のSOIウェーハの活性層の膜厚分布を示す図である。図9は3枚のサンプルウェーハ(a)(b)(c)の膜厚分布を示しており、図右側のウェーハ平面図の膜厚分布線22における膜厚分布を図左側に示している。図左側の膜厚分布は横軸が膜厚分布線22における径方向(Xdirection)、縦軸が膜厚(Thickness)を示している。
図9に示すように、本実施形態の洗浄工程を行なった場合、シリコンとエッチング速度が異なる自然酸化膜が約0.5nmと比較的薄いことから、サンプルウェーハ(a)(b)(c)いずれもSOIウェーハの活性層の膜厚分布は比較的平坦になっている。
また、図10は本実施形態の洗浄工程を行なった場合における希フッ酸洗浄処理の処理前後のLPDマップである。図10(a)の希フッ酸洗浄処理前及び図10(b)の希フッ酸洗浄処理後のいずれにおいてもシリコンウェーハ10の表面に付着しているパーティクルはほとんどない。これは、自然酸化膜を僅かに(例えば0.3nmよりも厚く0.7nmよりも薄く、より好ましくは0.4nmよりも厚く0.6nmよりも薄く)残した表面と自然酸化膜を完全に除去した完全撥水面とでは、自然酸化膜を僅かに残した表面のほうが、表面に付着したパーティクルが表面から離脱する可能性が高くなるためである。このため、本実施形態の洗浄工程を行なった後プラズマエッチング工程を行なった場合、シリコンウェーハ10の表面に突起形状は確認されず、突起形状による不良をほぼ0%にすることができた。したがって、本実施形態によれば、ウェーハの活性層の厚みのムラを抑制するとともにウェーハ表面に突起形状が発生するのを抑制することができた。
なお、希フッ酸洗浄工程が終了してからプラズマエッチング工程に移るまでの経過時間が6時間を超えた場合も、上述と同様に、比較例1(A)の場合、ウェーハ表面に突起形状は発生しないが、活性層の膜厚分布にムラが生じた。また、比較例2(B)の場合、活性層の膜厚分布にムラは生じないが、ウェーハ表面に突起形状が生じた。これに対して本実施形態(C)の場合、活性層の膜厚分布のムラを抑制するとともにウェーハ表面に突起形状が発生するのを抑制することができた。ところで、図5において、比較例2(B)の自然酸化膜は、希フッ酸洗浄工程が終了してからプラズマエッチング工程に移るまでの経過時間が長くなるにしたがって厚くなり、0.3nmを超えている。しかしながら、いったん希フッ酸洗浄により自然酸化膜厚が0.3nm以下になると、ウェーハ表面にパーティクルが付着しやすくなるから、その後自然酸化膜が0.3nmを超えて厚くなっても、いったん付着したパーティクルは除去できず、ウェーハ表面の突起形状は発生する。
なお、上記実施形態は、単結晶シリコンインゴットをスライスして、粗研磨工程、エッチング工程、及び研磨工程が施された後のシリコンウェーハに対して希フッ酸洗浄工程及びプラズマエッチング工程を行なう場合を例に挙げたが本発明はこれには限られない。希フッ酸洗浄工程及びプラズマエッチング工程は、2枚のシリコンウェーハを貼り合わせて作成されたSOIウェーハの活性側のシリコンウェーハの表面に対して行なうこともできる。
すなわち、図11は他の実施形態のシリコンウェーハの加工処理の流れを示す図である。図11に示すように、いわゆる貼り合わせによるSOI(Silicon on Insulator)ウェーハは、2枚のポリッシュト・ウェーハ(PW)のうち少なくとも一方に酸化処理を行い(S11)、支持側ウェーハと活性側ウェーハの貼り合わせを行ない(S12)、活性側ウェーハの表面の研削・研磨工程(S13,S14)により作成される。このようなSOIウェーハの活性側ウェーハに対して膜厚分布計側工程(S15)を行なう。なお、膜厚分布は、ウェーハ表面に照射した光の反射の干渉を分析して計測する光学的な計測器を用いて計測することができるが、これに限られるものではない。膜厚分布計側工程(S15)を行なった後、希フッ酸洗浄工程(S16),プラズマエッチング工程(S17)を行なうことにより、活性側ウェーハの厚みのムラを抑制するとともにウェーハ表面に突起形状が発生するのを抑制することができる。プラズマエッチング工程の後は、上述の実施形態と同様に、仕上げ研磨と洗浄が実施され(S18)、例えば目視等によるシリコンウェーハの検査が行なわれる(S19)。
また、本発明は、図1及び図11に記載した全ての工程を必須とするものではなく、要は希フッ酸洗浄工程(S6,S16)と、この直後のプラズマエッチング工程(S7,S17)とを含んでいるシリコンウェーハの加工方法に適用することができる。
10 シリコンウェーハ
12 パーティクル
14 突起形状

Claims (2)

  1. フッ酸を含む洗浄液によりシリコンウェーハの表面の自然酸化膜を除去する洗浄工程と、該洗浄工程の直後に前記シリコンウェーハの表面をプラズマエッチングするプラズマエッチング工程とを含み、
    前記洗浄工程は、前記洗浄液による洗浄時間、前記洗浄液の温度、及び前記洗浄液の濃度の少なくとも1つを調整して、前記シリコンウェーハの表面の自然酸化膜の厚みを0.3nmよりも厚く、0.7nmよりも薄く形成することを特徴とするシリコンウェーハの加工方法。
  2. 前記洗浄工程及び前記プラズマエッチング工程は、2枚のシリコンウェーハを貼り合わせて作成されたSOIウェーハの活性側のシリコンウェーハの表面に対して行なわれる請求項1のシリコンウェーハの加工方法。
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