JP5120086B2 - 田植機 - Google Patents

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この発明は、田植機において予備苗を収納した苗容器を載置する予備苗載せ棚の取付構造に関する。
田植機においては、走行機体の左右側部に立設する棚支柱へ上下方向に複数の予備苗載せ棚を設けて、田植作業中に予備苗載せ棚に戴置した苗容器の苗を順次苗植付装置へ供給しながら田植作業を続行できるようにしている。例えば、特開2007−6790号公報や、特開2006−333831号公報に、走行機体の後部左右に上下方向へ複数の予備苗載せ棚を設けた棚支柱を設けた田植機の構成が記載されている。
特開2007− 6790号公報 特開2006−333831号公報
前記の特許文献に記載の予備苗載せ棚は棚支柱から外側方へ略水平に張り出した姿勢で予備苗トレイを載置するようにしているために、田植作業中には機体全体が横方向へ嵩張った状態になる。このために、田植機作業が終われば予備苗載せ棚を棚支柱に添わせて収納するようにしているが、予備苗載せ棚を各別に収納する操作は多数の予備苗載せ棚があるために複雑であり、操作性が悪いという問題がある
そこで、本発明では、田植機の棚支柱に予備苗載せ棚を上下方向複数設けた構成で、予備苗載せ棚を横に張り出し使用位置と棚支柱に添わせた収納位置への切換えを簡単な操作で行えるようにすることが課題である。
上記本発明の課題は、次の技術手段により解決される。
請求項1に記載の発明は、走行機体(1)の後方に苗植付装置(10)を設け、該走行機体(1)に設ける運転席(6)の後方に補助手摺(23)を設け、空の苗容器を保持する苗容器ケース(31)を該補助手摺(23)に吊り下げて設け、前記走行機体(1)の前側に棚支柱(14)を設け、該棚支柱(14)にピン(26)を介してフレーム(28a,28b)を設け、該フレーム(28a,28b)を連結する横杆(27)を設け、該フレーム(28a,28b)上に予備の苗を積載する棚板(29)を設けて予備苗載せ棚(12)を構成し、該予備苗載せ棚(12)を上下方向に所定間隔ごとに複数段設け、該予備苗載せ棚(12)の各フレーム(28a,28b)の基部側に機体内側に向かって突出する複数の作用片(24)を各々設け、該複数の作用片(24)を連結する連動杆(25)を設け、該連動杆(25)の下部に連動杆(25)を上下操作するペダル(30)を設け、該ペダル(30)を操作して連動杆(25)を上下動させると前記横杆(27)が棚支柱(14)に接触して複数の予備苗載せ棚(12)が側方に張り出す苗容器載置位置と、複数の予備苗載せ台(12)が棚支柱(14)に沿った収納位置に切り替わる構成とすると共に、前記苗植付装置(10)は、支持アーム(37)にフロート用のピン(38)を介して中央整地フロート(40)を連結し、植付調節モータ(53)の駆動により回動アーム(39)及び植付深さ調節軸(36)を介して前記支持アーム(37)を回動させて中央整地フロート(40)を昇降させる構成とし、該中央整地フロート(40)の前部を上下動可能に支持する平行リンク機構(42)を設け、該平行リンク機構(42)の前部リンク(45)に回動体(48)を上下回動自在に設け、該回動体(48)の後端部に中央整地フロート(40)を取り付けたリンク(47)を設け、前記前部リンク(45)の上方延長部(51)にポテンショメータ(50)を設け、該ポテンショメータ(50)と回動体(48)を連結ロッド(49)で連結して中央整地フロート(40)の前部の上下揺動角度を検出する構成とし、前記回動アーム(39)と平行リンク機構(42)を油圧シリンダ(52)で連結し、油圧シリンダ(52)を伸縮させると平行リンク機構(42)が上下回動して中央整地フロート(40)の前部が上下動する構成としたことを特徴とする田植機とした。
また、請求項2に記載の発明は、前記ポテンショメータ(50)が中央整地フロート(40)の前部の上昇を検知すると、前記植付調節モータ(53)が作動して中央整地フロート(40)の後部を上昇させる構成とし、前記中央整地フロート(40)の後部が上昇してもポテンショメータ(50)が前部側の上昇を検知しているときは、前記走行機体(1)の走行速度を減速させる構成としたことを特徴とする請求項1に記載の田植機とした。
請求項1に記載の発明では、ペダル(30)を操作して連動杆(25)を上下動させることにより、複数の予備苗載せ棚(12)を同時に苗容器載置位置と収納位置とに切り替えることができるので、作業能率が向上する。
また、補助手摺(23)に吊り下げた苗容器ケース(31)に、空の苗容器を保持させることができる。
そして、苗植付装置(10)による植付終了時に油圧シリンダ(52)により平行リンク機構(42)を上方へ回動して中央整地フロート(40)の前部を上昇させることができる。
請求項2に記載の発明によると、請求項1に記載の発明の効果に加えて、植付調節モータ(53)が作動して中央整地フロート(40)の後部を上昇させても、ポテンショメータ(50)が中央整地フロート(40)の前部の上昇を検出し続けているときは、走行機体(1)の走行速度を減速させる構成としたことにより、中央整地フロート(40)の前下部に藁屑等の障害物が挟まっていることに作業者が気付きやすくなる。
この発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1は、予備苗載せ棚12(T1〜T6)を装備した乗用型田植機を示すものであり、この走行機体1の略中央に駆動源であるエンジンEを搭載し、このエンジンEの回転動力をミッションケース2内の変速装置に伝え、この変速装置で減速された回転動力を前輪4及び後輪5とに伝えるようにしている。エンジンEの上方に運転席6が設置され、運転席6の前方には、左右の前輪4,4を操舵するステアリングハンドル7が装備され、運転席6の後方には補助手摺23が立設されている。補助手摺23には、空の苗容器を収納する苗容器ケース31をフック32で吊下げるようにしている。この苗容器ケース31は、中空の四角ケースで、開口部側にフック32を設けている。補助手摺23に吊り下げた苗容器ケース31に空の苗容器を上から差し込んで保持するようにしている。そして、補助手摺23の側部から後部にかけてのコーナー部に載せて複数のフック32で固定しておくと、苗載タンク10aに供給する苗容器を一時的に置く作業台としても利用出来る。
更に、走行機体1の後部には昇降リンク機構9を介して苗植付装置10が装着され、この苗植付装置10と走行機体1との間には苗植付装置10を上下に昇降する油圧昇降シリンダ(図示省略)が装備されている。
苗植付装置10は、植付条数分に仕切られた苗載せ面に土付きのマット状苗が載置される苗載タンク10aと、苗載タンク10a上の苗を圃場に植え付ける植付条数分の植付装置10bと、圃場面上を滑走して整地するフロート10c等からなる。
図4は、苗植付装置10の接地センサとして機能する中央整地フロート40の取付状態を示している。植付伝動ケース35の植付深さ調節軸36から後下方へ伸ばした支持アーム37に中央整地フロート40の後部がピン38で枢支されて中央整地フロート40の前部が昇降可能に支持されている。植付深さ調節軸36は植付調節モータ53で回動される回動アーム39が固着され、植付調節モータ53の駆動で回動アーム39を介して植付深さ調節軸36が回動すると支持アーム37で支持した中央整地フロート40が昇降する。
中央整地フロート40の前部は、植付伝動ケース35の下部に枢支軸41で枢支された後部リンク46に枢着した上下リンク43,44とこの上下リンク43,44の前部に枢着した前部リンク45よりなる平行リンク機構42の先端部に回動自在に支持された回動体48の後端部にリンク47を介して連結されている。そして、前部リンク45の上方延長部51に取り付けたポテンショメータ50が連結ロッド49で回動体48に連結されており、中央整地フロート40の植付作業時の走行に伴うピン38周りでの上下揺動角度をポテンショメータ50が検出する構成となっている。従って、中央整地フロート40は植付作業時における圃場耕盤や圃場泥面の起伏に起因した苗植付装置10に対する圃場泥面高さの変化を検出するセンサとして機能する。
回動体48の前端が引張ばね54とワイヤ55で吊られて中央整地フロート40の昇降感知を調整出来るようにしている。
前記回動アーム39と後部リンク46の下部が油圧シリンダ52で連結され、苗の植付終了時にこの油圧シリンダ52を伸長すると、平行リンク機構42が枢支軸41を中心にして上方へ回動して中央整地フロート40の前部を上昇させる。
なお、ポテンショメータ50が中央整地フロート40前部の上昇を検出すると、植付調節モータ53に中央整地フロート40の後部上昇を指令して中央整地フロート40の前後方向が水平になるように修正制御するが、修正制御を行ってもポテンショセンサ50が中央整地フロート40前部の上昇を検出したままであると、中央整地フロート40の前下部に藁屑等の障害物が挟まっている可能性が有るので、走行機体1の走行速度を減速してオペレータに注意を促すように制御する。
また、植付走行方向を反転するために走行機体1を旋回する場合に、従来は苗植付装置10の全体を持上げて旋回するようにしていたが、中央整地フロート40の前側を少し上昇させた姿勢のままで旋回するようにして前後車輪4,5による圃場の乱れをフロート10cで均すように制御しても良い。
苗植付装置10は走行機体1に対して左右にローリングするよう装着されて、植付作業時に苗植付装置10が左右水平になるように制御されているが、植付速度が速くなると左右揺動が激しくなる場合があるので、苗植付装置10の左右傾き検出機構に植付速度が速くなるとローリング駆動を弱くして左右揺動を緩やかにする制御を行う。
走行機体1の前側左右両側部には上下所定間隔置きに配置された数段の予備苗載せ棚12(実施例ではT1〜T6の6段構成)が装備されている。この予備苗載せ棚12は、車体の左右両側部から立設する棚支柱14の外側に設けられ、棚支柱14に対して片持ち状で基部が棚支柱14にピン26で枢支されている。棚支柱14は、左右の支柱14,14が前後2本のパイプ支柱14a,14bによって構成され、その下端が走行機体1から上方に突設する支柱支持台15に一体的に固着支持され、上端が連結部材16によって強固に連結保持され、そして、左右の棚支柱14,14の上端はアーチ型フレーム17にて左右の支柱14,14が連結保持された構成になっている。また、支柱支持台15は、補強杆20を介してサイドステップ21に連結構成することにより、棚支柱14及びサイドステップ21の強度アップを図るようにしている。
各苗載せ棚12は側方へ張り出す左右のフレーム28a,28bに棚板29を固着した構成で、左右のフレーム28a,28bをそれぞれ左右のパイプ支柱14a,14bにピン26で枢支していて、左右のフレーム28a,28bを連結する横杆27がパイプ支柱14a,14bに当たって棚板29が略水平な苗容器載置位置に保持する。片側のフレーム28aには作用片24(実施例ではS1〜S6)が内側に突出し、上下の作用片24を連動杆25で連結している。連動杆25の下端がペダル30に連結され、ペダル30を踏込むと連動杆25が引き下げられて各苗載せ棚12が立ち上がって収納位置になる。
田植機の全体左側面図 田植機の全体正面図 田植機の一部正面図 一部の拡大側面図
1 走行機体
10 苗植付装置
12 予備苗載せ棚
14 棚支柱
23 補助手摺
24 作用片
25 連動杆
26 ピン
27 横杆
28a フレーム
28b フレーム
29 棚板
30 ペダル
31 苗容器ケース
36 植付深さ調節軸
37 支持アーム
39 回動アーム
40 中央整地フロート
42 平行リンク機構
45 前部リンク
47 リンク
48 回動体
49 連結ロッド
50 ポテンショメータ
51 上方延長部
52 油圧シリンダ
53 植付調節モータ

Claims (2)

  1. 走行機体(1)の後方に苗植付装置(10)を設け、該走行機体(1)に設ける運転席(6)の後方に補助手摺(23)を設け、空の苗容器を保持する苗容器ケース(31)を該補助手摺(23)に吊り下げて設け、
    前記走行機体(1)の前側に棚支柱(14)を設け、該棚支柱(14)にピン(26)を介してフレーム(28a,28b)を設け、該フレーム(28a,28b)を連結する横杆(27)を設け、該フレーム(28a,28b)上に予備の苗を積載する棚板(29)を設けて予備苗載せ棚(12)を構成し、該予備苗載せ棚(12)を上下方向に所定間隔ごとに複数段設け、該予備苗載せ棚(12)の各フレーム(28a,28b)の基部側に機体内側に向かって突出する複数の作用片(24)を各々設け、該複数の作用片(24)を連結する連動杆(25)を設け、該連動杆(25)の下部に連動杆(25)を上下操作するペダル(30)を設け、該ペダル(30)を操作して連動杆(25)を上下動させると前記横杆(27)が棚支柱(14)に接触して複数の予備苗載せ棚(12)が側方に張り出す苗容器載置位置と、複数の予備苗載せ台(12)が棚支柱(14)に沿った収納位置に切り替わる構成とすると共に、
    前記苗植付装置(10)は、支持アーム(37)にフロート用のピン(38)を介して中央整地フロート(40)を連結し、植付調節モータ(53)の駆動により回動アーム(39)及び植付深さ調節軸(36)を介して前記支持アーム(37)を回動させて中央整地フロート(40)を昇降させる構成とし、該中央整地フロート(40)の前部を上下動可能に支持する平行リンク機構(42)を設け、該平行リンク機構(42)の前部リンク(45)に回動体(48)を上下回動自在に設け、該回動体(48)の後端部に中央整地フロート(40)を取り付けたリンク(47)を設け、前記前部リンク(45)の上方延長部(51)にポテンショメータ(50)を設け、該ポテンショメータ(50)と回動体(48)を連結ロッド(49)で連結して中央整地フロート(40)の前部の上下揺動角度を検出する構成とし、前記回動アーム(39)と平行リンク機構(42)を油圧シリンダ(52)で連結し、油圧シリンダ(52)を伸縮させると平行リンク機構(42)が上下回動して中央整地フロート(40)の前部が上下動する構成としたことを特徴とする田植機。
  2. 前記ポテンショメータ(50)が中央整地フロート(40)の前部の上昇を検知すると、前記植付調節モータ(53)が作動して中央整地フロート(40)の後部を上昇させる構成とし、前記中央整地フロート(40)の後部が上昇してもポテンショメータ(50)が前部側の上昇を検知しているときは、前記走行機体(1)の走行速度を減速させる構成としたことを特徴とする請求項1に記載の田植機。
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