JP5120007B2 - 凹凸付き基板の製造方法 - Google Patents
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Description
(1)樹脂材料への転写用金型の加熱押圧は、加熱機構を有する加圧ロールによって挟圧されることで行われる。
(2)前記長尺状薄板は金属材料であり、特に鉄−ニッケル系合金(例えば42アロイ)である。
(3)前記転写用金型を樹脂材料に当接して加熱押圧するときのパターン転写温度Tpは、前記第1の加熱工程における加熱温度T1と比べて概ね同じか低い温度である。また、前記第1の加熱工程における加熱温度T1は、該第1の加熱工程によって前記ポリイミド前駆体のイミド化率が1〜35%となるような温度である。さらに、前記第2の加熱工程における加熱温度T2は、前記第1の加熱工程における加熱温度T1よりも高い温度である。
(4)前記ポリイミド前駆体は、ポリアミック酸である。
(5)樹脂材料に転写用金型を当接して加熱押圧する加熱押圧機構は、加圧ロールによるものである。
(6)前記パターン転写装置は、前記搬送機構によって搬送される長尺状薄板の搬送経路に沿って前記塗布機構、前記第1の加熱機構、前記加熱押圧機構、前記剥離機構、前記第2の加熱機構がこの順で連続して配置されている。
(7)前記パターン転写装置において、前記第1の加熱機構および前記第2の加熱機構は、長尺状薄板の表面に形成された前記樹脂材料とは直接に接触しない位置に設けられている。
(8)前記凹凸付き基板は、前記凹凸形状の表面における隣接する法線同士の方向がなだらかに変化している形状である。
(9)前記凹凸付き基板は、前記凹凸形状における隣接する凸部の頂点同士を通る縦断面を見たとき、該凹凸の表面形状が略正弦波形状である。
(10)前記凹凸付き基板は、前記凹凸形状における隣接する凸部の頂点同士の平均距離に対する前記凹凸形状の平均高さの比率が1以下である。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る凹凸付き基板の製造方法の工程例を示した模式図である。図1に沿って製造工程の手順を説明する。まず、薄板基板101(例えば42アロイ、厚さ約100μm)を準備し(図1(a))、この薄板基板101上にポリイミド前駆体を含有するポリイミド樹脂材料(例えば宇部興産株式会社製U-ワニス-A)をディスペンサ、インクジェット装置、ドクターブレード(いずれも図示せず)等によって塗布して樹脂層102(厚さ約6μm)を形成する(図1(b))。次に、樹脂層102を構成するポリイミド樹脂材料のイミド化があまり進行しない(例えば、ポリイミド前駆体のイミド化率が1〜30%となるような)温度T1で、樹脂層102とは直接に触れない位置に設けた加熱源103により加熱を行う(図1(c))。ここで加熱源103には例えば抵抗ヒータや加熱ランプ等を用いることができる。なお、図1(c)において加熱源103は樹脂層102に近接する位置に配置されているが、薄板基板101に近接する位置に加熱源103を配置しても良い。また、薄板基板101に金属材料を採用した場合には、加熱源103として誘導加熱装置を用いて、薄板基板101自体を発熱させることによっても樹脂層102を加熱することが可能である。
本第2の実施形態に係る凹凸付き基板は、前記凹凸形状が加熱処理に起因するだれを有していることを特徴とする。また、本実施形態に係る凹凸付き基板は、その凹凸の表面形状が凹曲面と凸曲面とからなり、それらが交互に連続的に繰り返し形成されていることを特徴とする。
以下の実施形態では、凹凸形状転写用金型の加熱押圧にロール機構を適用したパターン転写装置による凹凸付き基板の作製手順について説明する。
第1の加熱工程の温度T1とパターン転写温度Tpとの関係を検証するために比較実験を行った。検討する試料は、図4のパターン転写装置を用いて次のように作製した。長尺状の薄板基板201(例えば、鉄−ニッケル系合金(42アロイ)、幅35mm、厚さ100μm)の表面に対し、ディスペンサ222からポリイミド前駆体を含むポリイミド樹脂材料(例えば、宇部興産株式会社製U-ワニス-A)を滴下し、ドクターブレード223によって樹脂層202を整形して積層体230を形成した。この積層体230に対し、第1の加熱源203(例えばカーボンヒータ)によって樹脂層202の温度が約120℃となるよう加熱した(第1の加熱工程)。
本発明に係る凹凸付き基板の製造方法における、第1の加熱工程の温度T1の影響について説明する。検討する試料は、図4のパターン転写装置を用いて次のように作製した。長尺状の薄板基板201(例えば、鉄−ニッケル系合金(42アロイ)、幅35mm、厚さ100μm)の表面に対し、ディスペンサ222からポリイミド前駆体を含むポリイミド樹脂材料(例えば、宇部興産株式会社製U-ワニス-A)を滴下し、ドクターブレード223によって樹脂層202を成形して積層体230を形成した。その後、積層体230に対し、第1の加熱源203(例えばカーボンヒータ)によって第1の加熱工程を行った。このとき、第1の加熱工程の温度T1を80〜250℃で変化させた複数の試料を作製した。
103…加熱源、104…転写用金型、105…加熱源、
203…第1の加熱源、204…ベルト状金型、205…第2の加熱源、210…加圧ロール、
211,212,213,214…駆動ロール、220…巻出リール、221…巻取リール、
222…ディスペンサ、223…ドクターブレード、230…積層体。
Claims (6)
- 凹凸形状を有するポリイミドで薄板表面を被覆した凹凸付き基板の製造方法であって、
長尺状薄板の表面にポリイミド前駆体を含有する熱硬化性の樹脂材料を塗布する塗布工程と、塗布された前記樹脂材料を加熱処理して前記ポリイミド前駆体を部分的にイミド化反応させる第1の加熱工程と、凹凸形状を転写する転写用ベルト状金型を該樹脂材料に当接して前記ポリイミド前駆体のイミド化反応を進行させずに加熱押圧する工程と、加熱押圧した前記転写用ベルト状金型を該樹脂材料から剥離する工程と、前記転写用ベルト状金型を剥離した後の該樹脂材料を加熱処理して前記ポリイミド前駆体を完全にイミド化反応させて硬化させる第2の加熱工程とを含んでおり、
前記第1の加熱工程における加熱温度T1は、該第1の加熱工程によって前記ポリイミド前駆体のイミド化率が1〜35%となる温度であり、
前記加熱押圧する工程におけるパターン転写温度Tpは、前記加熱温度T1と同じか低い温度であることを特徴とする凹凸付き基板の製造方法。 - 請求項1に記載の凹凸付き基板の製造方法において、樹脂材料への転写用ベルト状金型の前記加熱押圧が、加熱機構を有する加圧ロールによって挟圧されることで行われることを特徴とする凹凸付き基板の製造方法。
- 請求項1または請求項2に記載の凹凸付き基板の製造方法において、前記長尺状薄板が金属材料であることを特徴とする凹凸付き基板の製造方法。
- 請求項3に記載の凹凸付き基板の製造方法において、前記金属材料が鉄−ニッケル系合金であることを特徴とする凹凸付き基板の製造方法。
- 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の凹凸付き基板の製造方法において、前記第2の加熱工程における加熱温度T2が、前記第1の加熱工程における加熱温度T1よりも高い温度であることを特徴とする凹凸付き基板の製造方法。
- 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の凹凸付き基板の製造方法において、前記ポリイミド前駆体がポリアミック酸であることを特徴とする凹凸付き基板の製造方法。
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