JP2007288143A - 凹凸付金属基板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 金属薄板上に樹脂を被覆し、樹脂表面に特定の規則的な曲面形状の微小凹凸を形成することにより、発電層や発光層となる反応層の面積、光閉じ込め効果や光取り出し効率を向上させることができる凹凸付金属基板とその製造方法を提供する。
【解決手段】
表面に凹凸形状を有する樹脂が、金属薄板上に形成された凹凸付金属基板であって、前記樹脂の凹凸は、曲面形状であり、且つ、隣り合う凸部の4つの頂点を線で結んだ四角形の4辺の最短長さの辺に対する最長長さの辺の比が1.0〜1.3、隣り合う凸部の4つの頂点を直線で結んだ四角形の対向する2つの頂点同士を直線で結んだ時、2つの直線の長さの短い方の直線に対する長い方の直線の比が1.0〜1.3、隣り合う凸部の4つの頂点を直線で結んだ四角形の対向する2つの頂点同士の間隔(山間隔)が0.1〜15.0μm、凹凸高さが0.1〜6.0μmであるである凹凸付金属基板である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、基板表面に配置した樹脂表面に規則的な微小凹凸を有する凹凸付金属基板及びその製造方法に関するものである。
基板表面に規則的な微小凹凸を有する代表的な基板として、太陽電池用基板がある。例えば太陽電池では、結晶シリコンのインゴットを作製し、これをスライスして素子を形成する方法が主流である。しかし、この方法では結晶シリコンの薄型化に不利であり、更に切り代を必要とするため生産性が悪く高コストである。
そのため、太陽電池の低コスト化のために、プラズマ化学気相堆積法(プラズマCVD法)により発電層(以下、シリコン層)を薄膜化する研究が盛んに行われている。中でも光照射安定性に優れ、光吸収波長帯が広く、低温成膜が可能である微結晶シリコンに注目が集まっており、シリコン層内で光を散乱させて光路長を増大させる方法(光閉じ込め効果)により、太陽電池の高効率化の検討も盛んになされている。
この光閉じ込め効果を発現するには、基板表面に数百nm〜数μmの微小凹凸を形成する方法が多くとられている。
ところで、上述した微結晶シリコンの太陽電池は、プラズマCVDによりシリコン膜を形成するため、結晶粒は基板に対して垂直方向に成長する。この時、凹凸が急峻な形状である場合、凹部では結晶成長の衝突を生じて粒界欠陥が大きくなり、膜質の低下によりリーク電流が増大する。また凸部ではシリコン膜にクラックが入りやすくなって短絡し易くなる。そのため、微小凹凸は緩やかに形成することが重要である。
そのため、微小凹凸を形成する方法として特開2000−277763号(特許文献1)、特開2002−111017号公報(特許文献2)、特開2002−151715号公報(特許文献3)がある。
また、基板表面に規則的な微小凹凸を有する代表的な基板の一例には有機EL、無機EL、LED等の発光デバイスがある。発光デバイスに関しては、基板上に反射膜、発光層、透明電極などの薄膜を形成するが、例えば、有機EL用基板に凹凸を形成して、発光効率等の性能を向上させた公知例として、特開2002−251145号公報(特許文献4)、特開2003−36969号公報(特許文献5)がある。
特開2000−277763号公報 特開2002−111017号公報 特開2002−151715号公報 特開2002−251145号公報 特開2003−36969号公報
上述した従来技術のうち、特許文献1に開示される太陽電池は、曲面凹凸を有するため、シリコン層でのリーク電流が小さく、高い発電効率を奏するものである。しかしながら、特許文献1で示される太陽電池は、エッチングによって微小凹凸を形成するため、凹凸高さや凹凸間隔がランダムであり、光閉じ込め効果に寄与しない凹凸も形成されるため、太陽光の吸収ロスが生じるといった欠点がある。
また、特許文献2に開示される太陽電池は、ガラス基板やステンレス基板にイオンエッチングにより、凹凸高さが1μm以下の微小凹凸を形成したものである。しかし、この方法で形成した微小凹凸は、光閉じ込め効果は期待できるが、凹部は曲面形状であるものの、凸部が鋭利な形状であるので、発電層に欠陥が生じ、リーク電流が増大し易いと言った問題がある。
更に、特許文献3に開示される太陽電池は、凹凸高さ:Hと山間隔:Pの関係がH/P=0.1〜1.5の微小凹凸を形成し、光閉じ込め効果を向上させるために凹凸形状のアスペクト比を適正化したものである。しかし、この方法は、基板の凹凸が尖っているので、シリコン層の結晶配向性を制御する必要があり、このようなシリコン層では発電効率が低いと言った問題がある。
また、特許文献4は、発光デバイスの基板に凹凸を形成することにより、デバイスのコントラストを高めたものである。この方法は太陽電池同様、光閉じ込め効果を利用しており、凹凸を形成することで太陽光などの外光を吸収し、コントラストを高めている。しかし、この方法も凹凸が尖った形状であり、基板に積層する発光層や電極にピンホールが発生し、発光輝度が低下すると言った問題がある。
また、特許文献5は、発光デバイスの基板に凹凸を形成することにより、デバイスの発光輝度を高めたものである。この方法は、基板に凹凸を形成することで、発光層で発光した光を散乱させて、外部への光取り出し効率を高めている。しかし、この方法も凹凸が尖った形状であり、基板に積層する発光層や電極にピンホールが発生し易いと言った問題があるため、この基板上にさらに平坦化層を形成している。
本発明の目的は、金属薄板上に樹脂を被覆し、樹脂表面に規則的な曲面形状の微小凹凸を形成することにより、太陽電池の場合は、発電層の面積増大や光閉じ込め効果、発光デバイスの場合は、発光層の面積増大や光取り出し効率を増大させることができ、更に、基板上にSi、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、GaN、ZnO等の半導体や発光材料薄膜を形成しても、クラックやピンホールを防止することができ、発電効率や発光輝度のムラが少ない凹凸付金属基板とその製造方法を提供することである。
本発明は上述した問題に鑑みてなされたものである。
即ち本発明は、表面に凹凸形状を有する樹脂が、金属薄板上に形成された凹凸付金属基板であって、前記樹脂の凹凸は、曲面形状であり、且つ、隣り合う凸部の4つの頂点を線で結んだ四角形の4辺の最短長さの辺に対する最長長さの辺の比が1.0〜1.3、隣り合う凸部の4つの頂点を直線で結んだ四角形の対向する2つの頂点同士を直線で結んだ時、2つの直線の長さの短い方の直線に対する長い方の直線の比が1.0〜1.3、隣り合う凸部の4つの頂点を直線で結んだ四角形の対向する2つの頂点同士の間隔(山間隔)が0.1〜15.0μm、凹凸高さが0.1〜6.0μmである凹凸付金属基板である。
凹凸形状を有する樹脂は、熱分解温度が200℃以上であり、且つ凹凸形状の隣り合う凸部の4つの頂点を線で結んだ四角形の対向する2つの頂点を直線で結んだ時、何れの凹凸構造の断面形状とも(1)式で近似される正弦波状の曲線が連続的につながっており、凹凸高さの半値を表すAが0.05μm≦A≦3.0μm、山間隔の変数を表すBが0.4μm−1≦B≦62.8μm−1、凹凸高さの半値Aと山間隔の変数Bの積ABが0.6≦AB≦4.7、近似式(1)と実形状の高さ方向のズレを表す平均誤差Mが式(2)で表される凹凸付金属基板である。
y=A×sin(Bx)…(1)
M≦A×0.5…(2)
また、本発明の好ましい樹脂の厚みは1μm〜15μmであり、金属薄板の金属薄板の厚みは20〜150μm、30℃〜300℃迄の熱膨張係数が1〜10×10−6/℃である凹凸付金属基板である。
また、上述の本発明の凹凸付金属基板の製造方法は、金属薄板上に熱分解温度が200℃以上である樹脂を被覆した基板素材の樹脂表面を、樹脂のガラス転移温度以上に加熱した後、樹脂表面に形成する凹凸形状を転写する型を前記樹脂に圧着し、剥離することにより樹脂に凹凸を形成する凹凸付金属基板の製造方法である。
本発明の凹凸付金属基板は、樹脂表面に凹部及び凸部が曲面形状である規則的な微小凹凸を形成することにより、発電層や発光層となる反応層の面積増大、光閉じ込め効果の増大や発光効率及び発電効率のムラの低減が期待できるため、これを用いて成る太陽電池や発光デバイスは高い発電効率・発光効率を奏することが可能となる。更に、基板上に半導体や発光材料薄膜を形成しても、クラックやピンホールの発生を防止して、発電効率や発光効率の低下を防止することができる。
上述したように、本発明の重要な特徴は、曲面形状の微小凹凸を形成した樹脂が金属薄板上に被覆されていることにある。以下に本発明を詳しく説明する。
本発明で金属薄板を用いた理由は、金属は構成元素と組成によって熱膨張率を調節できることから、所望の熱膨張特性に合わせた材質の選定の自由度が高く、塑性加工によって薄くし易く、重量も軽量であること、薄くするとフレキシブル性を有し、衝撃に強いことなど、薄型・軽量・耐衝撃性、低熱膨張性を確保するのに最適であり、基板表面に規則的な微小凹凸を有する代表的な基板である、太陽電池用基板や発光デバイス用基板の基体として適した素材だからである。
本発明では、樹脂表面が凹凸形状を有する。例えば、太陽電池では、凹凸により発電層内で光を散乱させて光閉じ込め効果を発現すると共に、反応面積も増大する。しかし、凹凸が不規則に形成されていれば、発電層から散乱光が漏れ、光閉じ込め効果が小さくなり、反応面積も一定しないので、発電効率が低下したり、ムラが生じたりする。
また、発光デバイスの場合は、凹凸により、発光層からの光を散乱させ、発光層上に形成する透明電極の厚みと屈折率を調整することで、光取り出し効率が向上し、発光輝度が増大する。この場合、凹凸が不規則であれば、発光面積は増大するが、発光輝度にムラが生じる。
これを防止するには、樹脂表面の凹凸の配列は規則的となるように配列し、且つ、できる限り表面積を広く確保できるようにすると良い。そのため、隣り合う凸部の4つ頂点を四角形となるように直線で結んだ時には正方形に近づけるように配列を行う必要がある。また、直線で結んだ隣り合う頂点同士の間隔もある程度の距離を確保し、且つ凸部の高さ、凹部の深さを有る程度確保すれば、太陽電池の場合は光閉じ込め効果を確保でき、発光デバイスの場合は、効率良く光を外部へ取り出すことができる。
そのため本発明では、樹脂表面の凹凸形状は、凹凸の隣り合う凸部の4つの頂点を直線で結んだ四角形の4辺の最短長さの辺に対する最長長さの辺の比が1.0〜1.3(好ましくは1.0〜1.2、更に好ましくは1.0〜1.1)、隣り合う凸部の4つの頂点を線で結んだ四角形の対向する2つの頂点同士を直線で結んだ時、2つの直線の長さの短い方の直線に対する長い方の直線の比が1.0〜1.3(好ましくは1.0〜1.2、更に好ましくは1.0〜1.1)とし、更に、凹凸高さが0.1〜6.0μm、山間隔が0.1〜15.0μmとした。好ましい山間隔の下限は0.2μmである。
このような、樹脂表面の凹凸を規則的な形態とすることにより、反応面積や光閉じ込め効果及び光取出し効率を増大できるため、発電効率や発光輝度を増大できる。
上述の直線の長さの測定を図1にて説明する。
図1(a)は本発明の凹凸付金属基板を太陽電池用基板とした時の表面電子顕微鏡写真であり、凹凸を分かり易くするために30°の傾斜をかけている。白く光る個所が凸部(6)でその最も高い個所が頂点である。
まず、この隣り合う凸部(6)の4つの頂点を直線で結び四角形ABCDを作製する。次に、この四角形の4辺の長さ(AB、BC、CD、DA)を測定し、最短長さ及び最長長さを決定する。同様に、対向する2つの頂点同士を結んだ直線(AC、BD)の長さを測定し、短い方の直線及び長い方の直線を決定し、それぞれの比を求める。測定は、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定できる。
なお、図1に示すような形態であることを確認するためには、ランダムに少なくとも5〜10視野を選び、測定を行って、表面形状を確認することが望ましい。
また、本発明では、金属薄板上に、熱分解温度が200℃以上である樹脂を被覆する。
例えば、金属薄板/樹脂という太陽電池用基板を用いる場合においては、太陽電池の構成としては、受光側から順に、透明電極/シリコン層/反射電極/太陽電池用基板の構造であるサブストレート型が典型的である。そして、このサブストレート型太陽電池の製造プロセスは、太陽電池用の基板上に反射電極、シリコン層、透明電極を順次積層していく。
上記のシリコン層を成膜する工程では、太陽電池用の基板を200〜250℃に加熱して、プラズマCVDにより、シリコン層を成膜することになる。この時の加熱により太陽電池用基板を構成する樹脂が分解すると、分解ガスがシリコン層内に不純物として取り込まれ、発電効率が低下する。このため本発明で用いる樹脂の熱分解温度は200℃以上とする必要がある。
また、樹脂のガラス転移温度は、200℃以上であることが好ましい。樹脂のガラス点温度が200℃以下であれば、プラズマCVDによりSi層を成膜する際の加熱により、樹脂表面に形成した凹凸の高さが変化するためである。そのため、樹脂のガラス転移温度の好ましい範囲は200℃以上であり、更に好ましくは250℃以上、更に好ましくは、350℃以上である。
この、本発明で規定する熱分解温度を満たす樹脂には、例えばポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミドエーテルイミド、ポリエーテルサルフォン、カルド樹脂などがある。これらの樹脂は、上述したガラス転移温度も満足するものであり、特に好ましい樹脂である。
なお、本発明で言う熱分解温度とは5%質量減少温度のことを指し、差動型示差熱天秤を用いて測定できる。
次に凹凸形状を規定した理由を説明する。
反応層の面積増大、光閉じ込め効果や光取出し効率を増大させて、発電効率や発光輝度を向上させるには、基板表面に凹凸の高さ及び山間隔が微小な凹凸を形成する。
例えば、太陽電池用基板である場合、反応層をシリコンとすることが多い。この場合、結晶粒は基板に対して垂直方向に成長する性質があるので、凹凸が急峻な形状である場合、凹部では結晶成長の衝突を生じ、粒界欠陥が大きくなり、膜質が低下するのでリーク電流が増大する。また、シリコン層は2μm程度と薄いため、凸部ではシリコン層にクラックが入りやすくなって短絡し易くなる。そのため、微小凹凸は緩やかに形成することが重要であり、凹凸を曲面形状、つまり断面形状が正弦波に近似するような、正弦波状の曲線が連続的につながった凹凸を太陽電池用の基板表面に形成して凹凸付金属基板とすることが好ましい。
上述した凹凸付金属基板の断面形状は、次の(1)式で近似される正弦波状の曲線が連続的につながっていることが好ましい。
y=A×sin(Bx)…(1)
更に凹凸の高さ及び山間隔は、凹凸高さの半値を表すAが0.05μm≦A≦3.0μm、山間隔の変数を表すBが0.4μm−1≦B≦62.8μm−1、凹凸高さの半値Aと山間隔の変数Bの積ABが0.6≦AB≦4.7、そして更に、近似式(1)と実形状の高さ方向のズレを表す平均誤差Mが式(2)表される形状に規定した。
M≦A×0.5…(2)
なお、(1)式中のBxはラジアン単位である。
これは、凹凸高さの半値を表すA、山間隔の変数を表すB、凹凸高さの半値Aと山間隔の変数Bの積AB、近似式(1)と実形状の高さ方向のズレを表す平均誤差Mの何れもが本発明で規定する範囲外となると、所望の反応層の面積増大、光閉じ込め効果や光取り出し効率の増大効果が十分得られない場合があるためである。
上記の好ましい凹凸高さの半値を表すAは、0.05μm≦A≦3.0μm、山間隔の変数を表すBは0.4μm−1≦B≦62.8μm−1、凹凸高さの半値Aと山間隔の変数Bの積ABは0.6≦AB≦4.7である。
なお、高さ方向のズレを表す平均誤差は、樹脂表面に形成された凹凸構造の断面形状は、実形状は正確な正弦波になっていない場合があるために規定したものであり。平均誤差Mの好ましい範囲は、M≦A×0.5であり、更に好ましくは、M≦A×0.3である。平均誤差とは、ある位置xにおいて、近似値と実測値の誤差の絶対値の平均値(JIS Z 8103)であり、次式により計算される。
但し、測定点の間隔は0.02μm以下とし、15μm以上の区間を測定するものとする。測定点の数nは45以上とするのが良い。
また、凹凸形状が、(1)式を満たす場合でも、ABが、0.6以下では、反応層面積増大効果が十分得られず、ABが、4.7以上では、反応層にクラック、ピンホールやリーク電流が発生しやすくなるため、0.6≦AB≦4.7とする。この範囲であれば、山間隔に対する凹凸高さの比が0.2〜1.5となり、所望の反応層の面積、光閉じ込め効果と光取り出し増大効果が得られる。
上述の正弦波状の曲線の測定を図1にて説明する。
図1(a)は白く光る個所が凸部(6)でその最も高い個所を頂点とする。この隣り合う凸部(6)の4つの頂点を直線で結んだ四角形の対向する2つ頂点を直線(図1(b)で示す)で結んだ時の断面形状にて正弦波状の曲線の測定を行う。
なお、図2は隣り合う凸部(6)の4つの頂点を線で結んだ四角形(ABCD)の対向する2つ頂点を直線(図1(b)で示すACまたはBD)で結んだ時の断面形状の模式図であり、本発明で言う凹凸高さとは図2に示すように、正弦波の山(最高部)と谷(低底部)の高さ方向の距離のことを言い、山間隔とは、隣り合う山同士の平面方向の距離のことを言う。断面形状も、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定することができる。
次に、本発明の好ましい形態他について説明する。
例えば、凹凸付金属基板を太陽電池用基板として用いる場合、太陽電池用基板には2000Vの電圧を印加したとき、樹脂のリーク電流が0.1mA/m以下であることが要求される。これに対しては、樹脂の厚みを調整すればよく、具体的な樹脂の厚みとしては1μm以上であれば良い。
また、凹凸形成のプロセスの詳細は後述するが、凹凸形成のプロセス上、樹脂の厚みが厚いほど凹凸を形成し易いが、厚すぎる場合コストアップに繋がるため、樹脂の厚みの上限は15μmであれば十分である。好ましい樹脂の厚みは3μm〜8μmである。
また、凹凸付金属基板に用いる金属薄板の厚みとしては、軽量化、薄型化のためには薄いほど好ましい。しかし、薄すぎる場合、曲げ強度が低いため搬送・保持でき難くなること、及び圧延の精度の問題や工数の増大によるコスト上昇が発生することから、厚みは20〜150μmであることが好ましい。
また、上述のように、凹凸付金属基板を例えば太陽電池用基板として用いる場合、太陽電池のシリコン層形成時に、樹脂を形成した基板を200〜250℃に加熱して、プラズマCVDにより、シリコン層を成膜することになるため、熱膨張係数の大きな金属薄板を用いた場合、シリコンとの熱膨張差によって太陽電池に反りを生じる危険性がある。反った太陽電池を強制的に平坦にすることもできるが、シリコン層内にクラックを生じて、発電効率が低下する惧れがある。
そのため、金属薄板の熱膨張係数がシリコンに近い金属材料を用いることが好ましく、金属薄板の30℃〜300℃迄の熱膨張係数は1〜10×10−6/℃とした。このような範囲の熱膨張係数を持つ金属材料には、鉄−ニッケル系合金、鉄−ニッケル−コバルト系合金、鉄−ニッケル−クロム系合金があり、薄板化し易いことや、入手のし易さ等を考えると、安価な鉄−ニッケル系合金を用いるのが良い。
次に微小凹凸の形成方法について説明する。
微小凹凸の形成法には、熱転写、光転写、エッチング、サンドブラスト等がある。これらの方法の内、エッチングを用いる方法は、対象物の結晶配向や結晶粒の大きさによって凹凸の形状、山間隔が支配されるため形状制御が難しく、光閉じ込め効果に寄与しない凹凸も多数形成されるため、効果が小さい。またサンドブラストでも凹凸形状を制御することが困難である。
一方、熱転写、光転写は比較的自由な形状を樹脂などの表面に形成でき、優れた方法である。しかし、光転写は樹脂材料に高価な感光性樹脂を用いる必要があり、コストアップになるため、熱転写法で凹凸を形成することが好ましい。本発明の太陽電池用基板の製造方法を図3を用いて以下に説明する。
本発明の場合、金属薄板(3)上に熱分解温度が200℃以上である樹脂(2)を被覆した基板素材(4)を用意する。この場合、ガラス転移温度が200℃以上の樹脂を用いるのが好ましい。
本発明で適用する熱転写法ではまず、基板素材を樹脂のガラス転移温度以上に加熱して樹脂を軟化させた後、型を樹脂に圧着する。型の凹凸形状は、山間隔が0.1〜15.0μm、凹凸高さが0.1〜6.0μmであることが好ましく、更に好ましくは、上記(1)式で近似される凹凸を有する型である(図3(a),(b))。また、転写後の樹脂の熱収縮を考慮して、型の凹凸高さを高く、山間隔を広く設計しても良い。この圧着時に置いては、20MPa以上で樹脂に圧着を行うと、型の凹凸を確実に樹脂側に転写することが可能である。
本発明において、基板素材を樹脂のガラス転移温度以上に加熱するとしたのは、基板素材を構成する樹脂が熱可塑性樹脂である場合、樹脂をガラス転移温度以上に加熱すると軟化し、ガラス転移温度以下になると再び硬化する性質を持つ。ここで、樹脂を加熱して軟化した状態で型を圧着し、型を圧着したまま樹脂のガラス転移温度以下に冷却すると、型の圧着面の形状が正確に樹脂側に転写されるからであり、樹脂が軟化していない状態で型を圧着しても、型の形状を正確に樹脂側に転写することが難しいからである。なお、樹脂のガラス転移温度は、動的粘弾性測定装置を用いて測定できる。
更に、微小凹凸の形成時には、予め型も基板と同時に樹脂のガラス転移温度以上に加熱しておくと良い。型を加熱しておけば、樹脂と型の温度差による転写不良を防ぐことができる。
その後、型を剥離することにより、樹脂表面に型の凹凸形状を転写させて凹凸付金属基板(5)とする(図3(c))。
この方法であれば、型の位置をずらして(a)〜(c)を繰り返すことで、例えば1m四方以上の大面積の凹凸付金属基板を製造できる。
(実施例1)
以下の実施例で本発明を更に詳しく説明する。
4.3×10−6/℃の熱膨張係数を持った厚さ100μmの鉄−42質量%ニッケル系合金薄板を準備し、アルカリ性脱脂液及び希塩酸を用いて洗浄した。その後、スピンコーターを用いて鉄−ニッケル系合金薄板にポリイミド樹脂を被覆し、硬化・乾燥させて凹凸付金属基板素材を作製した。
被覆した樹脂の厚みは8μmであり、熱分解温度及びガラス転移温度を測定したところ、それぞれ500℃、290℃であった。
次に、樹脂表面に形成する、凹凸高さが0.7μm、山間隔が1.4μmである凹凸形状を有する型を準備し、型と基板素材を310℃に加熱した。
その後、30MPaで金型を樹脂表面に押し当てた後、樹脂のガラス転移温度以下に冷却し、型を剥離して太陽電池用基板に用いる凹凸付金属基板とした。
樹脂表面に形成した微細凹凸の形状は、原子間力顕微鏡(AFM;パシフィック ナノテクノロジー社製、Nano−Rシステム)を用いて5視野の測定を行い、四角形ABCDの4辺の長さ、対向する2つの頂点を結んだ直線の長さを測定し、最短長さの辺に対する最長長さの辺の比を求めると表1のようになった。
次に凹凸高さ及び凹凸間隔を測定したところ、それぞれ0.7μm、1.4μmであった。この断面形状を正弦波で近似すると、y=0.35×sin(4.5x)であり、A=0.35μm、B=4.5μm−1、AB=1.6、高さ方向のズレを表す平均誤差Mが0.07μmであった。
(実施例2)
実施例1と同様にして、樹脂表面に形成する、凹凸高さが0.3μm、山間隔が1.4μmである凹凸形状を有する型を準備し、凹凸付基板を作製した。
次に四角形ABCDの4辺の長さ、対向する2つの頂点を結んだ直線の長さを測定し、最短長さの辺に対する最長長さの辺の比を求めると表2のようになった。
また、凹凸高さ及び凹凸間隔を測定したところ、それぞれ0.3μm、1.4μmであった。この断面形状を正弦波で近似すると、y=0.15×sin(4.5x)であり、A=0.15μm、B=4.5μm−1、AB=0.7、高さ方向のズレを表す平均誤差Mが0.02μmであった。
本実施例で示した凹凸付金属基板は、樹脂表面に規則的な曲面形状の微小凹凸を形成することにより、太陽電池の場合は、発電層の面積増大や光閉じ込め効果、発光デバイスの場合は、発光層の面積増大や光取り出し効率を増大させることができるため、これを用いてなる太陽電池は高い信頼性と発電効率、発光デバイスの場合は、高い発光輝度を奏することが期待できる。
また、凹凸が正弦波上の曲面形状であるため、基板上にSi薄膜や発光材料薄膜のクラックやピンホールを防止することも可能となる。
本発明を用いることにより、低熱膨張で均一な微小凹凸を持った凹凸付金属基板が得られるので、高い発電効率・発光輝度を発揮する太陽電池や発光デバイスを作製できるため、今後需要の増大が予想される本分野にとって、欠くことのできない技術となる。
本発明の凹凸付金属基板でなる太陽電池用基板の表面電子顕微鏡写真とその模式図である。 本発明の凹凸付金属基板でなる太陽電池用基板の断面形状示す模式図である。 本発明の凹凸付金属基板の作製方法を示す模式図である。
符号の説明
1.型
2.樹脂
3.金属薄板
4.基板素材
5.凹凸付金属基板
6.凸部

Claims (4)

  1. 表面に凹凸形状を有する樹脂が、金属薄板上に形成された凹凸付金属基板であって、前記樹脂の凹凸は曲面形状であり、且つ、隣り合う凸部の4つの頂点を線で結んだ四角形の4辺の最短長さの辺に対する最長長さの辺の比が1.0〜1.3、隣り合う凸部の4つの頂点を直線で結んだ四角形の対向する2つの頂点同士を直線で結んだ時、2つの直線の長さの短い方の直線に対する長い方の直線の比が1.0〜1.3、隣り合う凸部の4つの頂点を直線で結んだ四角形の対向する2つの頂点同士の間隔が0.1〜15.0μm、凹凸高さが0.1〜6.0μmであることを特徴とする凹凸付金属基板。
  2. 凹凸形状を有する樹脂は、熱分解温度が200℃以上であり、且つ凹凸形状の隣り合う凸部の4つの頂点を線で結んだ四角形の対向する2つの頂点を直線で結んだ時、何れの凹凸構造の断面形状とも(1)式で近似される正弦波状の曲線が連続的につながっており、凹凸高さの半値を表すAが0.05μm≦A≦3.0μm、山間隔の変数を表すBが0.4μm−1≦B≦62.8μm−1、凹凸高さの半値Aと山間隔の変数Bの積ABが0.6≦AB≦4.7、近似式(1)と実形状の高さ方向のズレを表す平均誤差Mが式(2)で表されることを特徴とする請求項1に記載の凹凸付金属基板。
    y=A×sin(Bx)…(1)
    M≦A×0.5…(2)
  3. 樹脂の厚みは1μm〜15μmであり、金属薄板の厚みは20〜150μm、30℃〜300℃迄の熱膨張係数が1〜10×10−6/℃であることを特徴とする請求項1乃至2の何れかに記載の凹凸付金属基板。
  4. 請求項1乃至3何れかに記載の凹凸付金属基板の製造方法であって、金属薄板上に熱分解温度が200℃以上である樹脂を被覆した基板素材の樹脂表面を樹脂のガラス転移温度以上に加熱した後、樹脂表面に形成する凹凸形状を転写する型を前記樹脂に圧着し、剥離することにより樹脂に凹凸を形成することを特徴とする凹凸付金属基板の製造方法。
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