JP5119734B2 - 亜鉛系めっき鋼板 - Google Patents
亜鉛系めっき鋼板 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5119734B2 JP5119734B2 JP2007130056A JP2007130056A JP5119734B2 JP 5119734 B2 JP5119734 B2 JP 5119734B2 JP 2007130056 A JP2007130056 A JP 2007130056A JP 2007130056 A JP2007130056 A JP 2007130056A JP 5119734 B2 JP5119734 B2 JP 5119734B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- steel sheet
- zinc
- press
- galvanized steel
- oxide layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Coating With Molten Metal (AREA)
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
- Chemical Treatment Of Metals (AREA)
Description
特許文献6の方法により製造される合金化溶融亜鉛めっき鋼板表面には、Znを主体とする酸化物層が形成されており、このZnを主体とする酸化物層がプレス時に金型との凝着を抑制し摺動抵抗を低減している。このZnを主体とする酸化物(以下、Zn系酸化物と称することもある)が、金型とめっき層表面の直接接触を抑制することでプレス成形性の向上効果が得られる。しかし、めっきの下地鋼板として高強度鋼を使用する場合は、軟質鋼よりも成形荷重が高く型かじりや割れを生じやすく、このような場合には、特許文献6に記載されるZn系酸化物層では効果が不十分であることがわかった。
本発明は、以上の知見に基づきなされたものであり、その要旨は以下の通りである。
[1]亜鉛系めっき層を少なくとも鋼板の片面に有し、かつ、該亜鉛系めっき層の表面には、1mg/m2以上100mg/m2以下のS、0.1mg/m2以上500mg/m2以下のZrを含有し、Znを必須成分とする酸化物が、平均厚さ10 nm以上200nm以下で形成されていることを特徴とする亜鉛系めっき鋼板。
さらに、酸化処理などに使用する処理液中に含まれる成分、あるいは不純物によりN、Pb、Cl、Na、Mn、Ca、Mg、Ba、Sr、Si、Pなどが酸化物層中に取り込まれても、本発明の効果が損なわれるものではない。
板厚0.8mmの冷延鋼板上に、常法の合金化溶融亜鉛めっき皮膜を形成し、更に調質圧延を行った。引き続き、酸化物形成処理として、酢酸ナトリウム35 g/lの酸性水溶液に表1に示す濃度にてZrを添加した硫酸溶液(pH 1.5、35℃)に3秒浸漬し、直ちにロール絞りを行い、2〜60秒間大気中、室温にて放置し、十分水洗を行った後、乾燥を実施した。なお、Zrイオン源としてZr(SO4)2・4H2Oを用いた。比較材として、Zrを添加しないで上記と同様の処理を行った材料を作製した。S源としては、硫酸を用いた。また、SもZrも含まない比較例として、調質圧延を行っためっき表面にスパッタ法によりZn酸化物膜を形成させたものも用意した。さらに、調質圧延を行った後に上記の処理を行っていない鋼板も比較として用いた。
めっきの表層を1M NH4Cl−1M NH4OH 溶液を用いて溶解し、得られた溶液についてICP発光分析法(高感度高分解能型)に導入して定量分析を行い、試料表面のSとZrの付着量を求めた。
膜厚が既知(ここでは約100 nm)の熱酸化SiO2膜が形成されたSiウエハを参照物質として用い、蛍光X線分析装置でO-Kα X線を測定することで、SiO2換算の酸化層の平均厚さを求めた。分析面積は30 mmφである。
プレス成形性を評価するために、各供試材の摩擦係数を以下のようにして測定した。
図1は、摩擦係数測定装置を示す概略正面図である。同図に示すように、供試材から採取した摩擦係数測定用試料1が試料台2に固定され、試料台2は、水平移動可能なスライドテーブル3の上面に固定されている。スライドテーブル3の下面には、これに接したローラ4を有する上下動可能なスライドテーブル支持台5が設けられ、これを押し上げることにより、ビード6による摩擦係数測定用試料1への押し付け荷重Nを測定するための第1ロードセル7が、スライドテーブル支持台5に取り付けられている。上記押し付け力を作用させた状態でスライドテーブル3を水平方向へ移動させるための摺動抵抗力Fを測定するために第2ロードセル8が、スライドテーブル3の一方の端部に取り付けられている。なお、潤滑油としてスギムラ化学社製のプレス用洗浄油プレトンR352Lを摩擦係数測定用試料1の表面に塗布して試験を行った。
図2は使用したビードの形状・寸法を示す概略斜視図である。ビード6の下面が摩擦係数測定用試料1の表面に押し付けられた状態で摺動する。図2に示すビード6の形状は幅10mm、試料の摺動方向長さ12mm、摺動方向両端の下部は曲率4.5mmRの曲面で構成され、試料が押し付けられるビード下面は幅10mm、摺動方向長さ3mmの平面を有する。
摩擦係数の測定に対しては、成形荷重が高く型かじりが生じやすい高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板での過酷なプレス環境を想定して、室温(25℃)において、押し付け荷重Nを400kgfおよび1500kgfに変化させて行った。なお試料の引抜き速度(スライドテーブル3の水平移動速度)は100cm/min。これらの条件で、押し付け荷重Nと引抜き荷重Fを測定し、供試材とビードとの間の摩擦係数μは、式:μ=F/Nで算出した。
No.3、4(比較例3、4)は、硫酸溶液での処理を行っているもののZrを含有していない比較例である。処理を行わない比較例(No.14、比較例5)やSとZrを含有していない比較例(No.1、2(比較例1、2))の摩擦係数に比べると、低くなっているが、本発明例に比べると高い。摩擦係数は酸化物層厚に関連しており、層が厚いほど摩擦係数は小さくなる傾向がある。そして、酸化物層厚が同程度でSとZrを含む本発明例と、SとZrを含まない比較例、Zrを含まない比較例で比べると、本発明例の方が明らかに、摩擦係数が低い。特に、面圧の高い条件2において摩擦係数が低位で安定している。このことから、SとZrとも摩擦係数を低く安定させることに寄与していると考えられる。
以上の結果より、本発明例(No.5〜13、本発明例1〜9)では、SとZrを含有することにより、厳しい摺動条件においても低い摩擦係数が得られている。このことから、本発明によると、高いプレス成形性を有する亜鉛めっき鋼板が得られている。
2 試料台
3 スライドテーブル
4 ローラ
5 スライドテーブル支持台
6 ビード
7 第一ロードセル
8 第二ロードセル
N 押付荷重
F 摺動抵抗力
Claims (1)
- 亜鉛系めっき層を少なくとも鋼板の片面に有し、かつ、該亜鉛系めっき層の表面には、Zrを含む硫酸系酸性溶液に接触することにより形成され、1mg/m2以上100mg/m2以下のS、0.1mg/m2以上500mg/m2以下のZrを含有し、Znを必須成分とする酸化物が、平均厚さ10 nm以上200nm以下で形成されていることを特徴とする亜鉛系めっき鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007130056A JP5119734B2 (ja) | 2007-05-16 | 2007-05-16 | 亜鉛系めっき鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007130056A JP5119734B2 (ja) | 2007-05-16 | 2007-05-16 | 亜鉛系めっき鋼板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008285707A JP2008285707A (ja) | 2008-11-27 |
JP5119734B2 true JP5119734B2 (ja) | 2013-01-16 |
Family
ID=40145728
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007130056A Expired - Fee Related JP5119734B2 (ja) | 2007-05-16 | 2007-05-16 | 亜鉛系めっき鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5119734B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0637707B2 (ja) * | 1988-12-26 | 1994-05-18 | 住友金属工業株式会社 | 耐フレーキング性に優れた多層めっき鋼板 |
JP5045231B2 (ja) * | 2007-05-16 | 2012-10-10 | Jfeスチール株式会社 | 合金化溶融亜鉛めっき鋼板 |
-
2007
- 2007-05-16 JP JP2007130056A patent/JP5119734B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2008285707A (ja) | 2008-11-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5044976B2 (ja) | 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法および合金化溶融亜鉛めっき鋼板 | |
JP3807341B2 (ja) | 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 | |
JP5522185B2 (ja) | 亜鉛系めっき鋼板 | |
JP5354165B2 (ja) | 亜鉛系めっき鋼板の製造方法 | |
JP2010077456A (ja) | 溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 | |
TW201433655A (zh) | 鍍鋅類鋼板的製造方法 | |
JP4529592B2 (ja) | 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法および合金化溶融亜鉛めっき鋼板。 | |
JP4517887B2 (ja) | 溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法および溶融亜鉛めっき鋼板 | |
JP5044924B2 (ja) | 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法および合金化溶融亜鉛めっき鋼板 | |
JP2007016266A (ja) | 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法および合金化溶融亜鉛めっき鋼板 | |
JP2007231375A (ja) | 合金化溶融亜鉛めっき鋼板 | |
JP5540459B2 (ja) | 合金化溶融亜鉛めっき鋼板 | |
JP4525252B2 (ja) | 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 | |
JP5593601B2 (ja) | 合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 | |
JP4826486B2 (ja) | 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 | |
JP5386842B2 (ja) | 亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法 | |
WO2010070943A1 (ja) | 亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法 | |
JP4930182B2 (ja) | 合金化溶融亜鉛めっき鋼板 | |
JP5434036B2 (ja) | Zn−Al系めっき鋼板およびその製造方法 | |
JP4998658B2 (ja) | 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 | |
JP5119734B2 (ja) | 亜鉛系めっき鋼板 | |
JP5354166B2 (ja) | 亜鉛系めっき鋼板の製造方法 | |
JP4604712B2 (ja) | 溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法および溶融亜鉛めっき鋼板 | |
JP5045231B2 (ja) | 合金化溶融亜鉛めっき鋼板 | |
JP5045120B2 (ja) | 合金化溶融亜鉛めっき鋼板 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100422 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20101027 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20120321 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20120327 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120703 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120829 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120925 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20121008 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151102 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 5119734 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |