JP5119711B2 - 液滴吐出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェットヘッドプリンタなどの液滴吐出装置に関するものである。
液滴吐出装置、例えばインクジェットヘッドプリンタにおいて、解像度を高めるために、インクを吐出するインクジェットヘッドのノズルの数を増やしたいという要求があるが、それを実現するためには、ノズルに対応する圧力室にインク液滴を吐出させるための駆動手段としての圧電アクチュエータ(圧力室)の密度を大きくする必要がある。しかしながら、それを実現するためには、ヘッド(流路部分)が大きくなると同時に、大きなコストアップの原因となる。
ところで、1つのインク流路に対して2つの吐出口(ノズル)を形成し、それら吐出口の面積を異ならせることによって、それら吐出口におけるインクの流抵抗を異ならせ、吐出エネルギーを制御することでインクの吐出量を調整するようにしたものは知られている(例えば特許文献1参照)。
特開平10−166585号公報(段落0015および図2)
前記特許文献1記載のものでは、インクの吐出量を調整するにすぎず、解像度を高めることはできない。
そこで、発明者は、インクジェットヘッド内の圧力室の流路長さや流路抵抗が異なる流路においては、圧力波の伝播時間が異なることから、圧電アクチュエータを駆動する駆動パルス信号のパルス幅を制御すれば、前記異なる流路に接続される各ノズルで別々に吐出させることが可能になることに着想し、本発明をなすに至ったものである。
本発明は、1つの圧電アクチュエータの駆動によって、2つのノズルから液滴を選択的に吐出させることで、低密度の圧電アクチュエータの配置で、高密度のノズル配置を実現できる液滴吐出装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、複数のノズルが液体流路を通じて連通する複数の圧力室を有し、前記圧力室が平面状に開口形成されたキャビティユニットと、前記圧力室の開口した面を覆うように前記キャビティユニットに積層され、前記圧力室ごとに対応して配置される活性部を有する圧電アクチュエータとを備え、前記活性部を駆動パルス信号に基づいて選択的に駆動させることで前記圧力室を変形させて前記圧力室内の液体を、前記液体流路を通じて前記ノズルから液滴として液滴吐出装置であって、前記各圧力室は、第1および第2のノズルのそれぞれに連通する第1および第2の流路の両者と連通して構成されていて、前記駆動パルス信号のパルス幅を、駆動制御手段によって前記液滴を吐出させるノズルに応じて選択する構成とされ、前記圧力室は、平面視で液体の流れる方向の上流側の一端部近傍上に前記活性部が配置されていて、下流側の他端部近傍では、前記活性部の配置位置よりも前記液体の流れる方向に長く延び、かつ、前記第1の流路の上流端に接続されていて、前記活性部の配置位置と前記第1の流路が接続される部分との間の前記圧力室に、前記第2の流路の上流端が接続されていることを特徴とする。
このようにすれば、圧力室に連通する液体流路が、1つの圧力室に対して第1および第2のノズルのそれぞれに連通する第1および第2の流路で構成され、駆動パルス信号のパルス幅を、駆動制御手段によって液滴を吐出させるノズルに応じて選択するようにしているので、圧力室に対応する1つの圧電アクチュエータの駆動によって、2つのノズルから液滴を選択的に吐出させることができる。よって低密度の圧電アクチュエータの配置で、高密度のノズル配置が実現される。
また、平面視で液体の流れる方向の上流側の一端部近傍上に前記活性部が配置されている圧力室の下流側の他端部近傍では、前記活性部の配置位置よりも前記液体の流れる方向に長く延び、かつ、第1の流路の上流端に接続されていて、前記活性部の配置位置と第1の流路が接続される部分との間の前記圧力室に第2の流路の上流端が接続されているので、1つの圧力室から2つのノズルまでの流路長さが異なる構成と簡単にすることができる。よって、第1および第2の流路は、流路長さや流路抵抗に差があり、圧力波の伝播時間が異なるので、駆動パルス信号のパルス幅を制御することによって、各ノズルから別々に液滴を吐出させることが可能になる。
請求項に記載のように、請求項の液滴吐出装置において、前記第1の流路の上流端開口は、平面視で前記圧力室の前記液体の流れる方向の中心線上に配置され、前記第2の流路の上流端開口は、平面視で前記圧力室の前記中心線上より側方にずれた位置に配置され、前記第2の流路の上流端開口が配置される部分は、平面視で前記圧力室が側方に膨出した部分である構成とすることができる。
このようにすれば、第1の流路の上流端開口は平面視で圧力室の液体の流れる方向の中心線上に、第2の流路の上流端開口は平面視で前記圧力室の前記中心線上より側方にずれた位置にそれぞれ配置されることで、簡単な構成で、1つの圧力室から2つのノズルまでの流路長さが異なる構成とすることができる。
請求項に記載のように、請求項の液滴吐出装置において、前記第1および第2の流路の上流端開口は、平面視で前記圧力室の前記液体の流れる方向の中心線を挟んで両側に配置され、前記圧力室の前記液体の流れる方向と直交する方向の幅寸法が、前記一端部側から前記第2の流路の上流端開口が配置される部分までは略同一な幅寸法であり、平面視で前記第2の流路の上流端開口が配置される部分から前記第1の流路の上流端開口が配置される部分が、前記第1の流路が上流端が配置された一側において、前記液体の流れる方向に延び、前記略同一な幅よりも幅狭に形成されている構成とすることができる。
このようにすれば、請求項2の液滴吐出装置と同様に、簡単な構成で、1つの圧力室から2つのノズルまでの流路長さが異なる構成とすることができる。
請求項に記載のように、請求項の液滴吐出装置において、前記第1および第2の流路の上流端開口は、平面視で前記圧力室の前記液体の流れる方向の中心線を挟んで両側に配置され、前記圧力室の他端部側は、前記活性部の配置位置から前記第1の流路の上流端開口が配置されるまでの、前記液体の流れる方向に平行な第1の圧力室部と、前記活性部の配置位置から前記第2の流路の上流端開口が配置されるまでの、前記液体の流れる方向に平行な第2の圧力室部とに分岐していて、前記第1の圧力室部は、前記液体の流れる方向に平行な方向における長さ寸法が、前記第2の圧力室部の同寸法よりも長く形成されている構成とすることができる。
このようにすれば、請求項2,3の液滴吐出装置と同様に、簡単な構成で、1つの圧力室から2つのノズルまでの流路長さが異なる構成とすることができる。さらに、圧力室の他端部が分岐されているため、第1および第2の流路に対して、圧力波の干渉を抑制することができる。
請求項に記載のように、請求項の液滴吐出装置において、前記第1および第2の流路の上流端開口は、平面視で前記圧力室の前記液体の流れる方向の中心線上に並んで配置されている構成とすることができる。
このようにすれば、簡単な構成で、1つの圧力室から2つのノズルまでの流路長さが異なる構成とすることができる。
請求項に記載のように、請求項1〜5のいずれか1つの液滴吐出装置において、前記圧力室は、前記活性部の配置位置から前記第1の流路の上流端開口までと、前記活性部の配置位置から前記第2の流路の上流端開口までとの一部または全部で、深さが異なる構成とすることも可能である。
このようにすれば、請求項1〜5の効果に加えて、圧力室の深さに差を持たせて、圧力波の伝播時間が異なるようにしているので、駆動パルス信号のパルス幅を制御することによって、各ノズルから別々に液滴を吐出させることが可能になる。
請求項に記載のように、請求項1〜6のいずれか1つの液滴吐出装置において、前記第1の流路に通じる第1のノズルと前記第2の流路に通じる第2のノズルとは、ノズル径が異なる構成としてもよい。
このようにすれば、請求項1〜6の効果に加えて、ノズルの径に差を持たせて、伝播時間が異なるようにしているので、駆動パルス信号のパルス幅を制御することによって、各ノズルから別々に液滴を吐出させることが可能になる。
請求項に記載のように、請求項1〜7のいずれか1つの液滴吐出装置において、前記第1の流路と前記第2の流路とは、その流路長さが異なる構成とすることができる。
このようにすれば、請求項1〜7の効果に加えて、流路長さに差を持たせて、伝播時間が異なるようにしているので、駆動パルス信号のパルス幅を制御することによって、各ノズルから別々に液滴を吐出させることが可能になる。
請求項に記載のように、請求項1〜8のいずれか1つの液滴吐出装置において、前記活性部は、前記圧力室の前記液体の流れる方向に直交する方向において第1の活性部と第2の活性部とに分割され、前記駆動制御手段は、前記液滴を吐出させるノズルに応じて、前記駆動パルス信号のパルス幅に加えて、前記第1および第2の活性部のうち駆動する一方または両方を選択する構成とすることができる。
このようにすれば、前記活性部が、前記圧力室の前記液体の流れる方向に直交する方向において第1の活性部と第2の活性部とに分割され、それらの一方または両方を選択的に駆動することができるので、細かい階調制御が実現される。
請求項10に記載のように、請求項1〜4,6〜9のいずれか1つの液滴吐出装置において、前記ノズルは、複数個が複数列に千鳥状に配置されてなり、対応して前記圧力室は、複数個が複数列に千鳥状に配置されていて、隣り合う列の圧力室に対し開口する各第1および第2の流路の上流端は、前記列方向においてずれている構成とすることも可能である。
このようにすれば、従来と同様の圧電アクチュエータの配置で、高密度のノズル配置が実現される。
請求項11に記載のように、請求項1〜10のいずれか1つの液滴吐出装置において、前記キャビティユニットは、前記ノズル、流路および圧力室となるそれぞれの貫通孔が形成された複数のプレートが積層されてなる積層体である構成とすることができる。
このようにすれば、流路長さや圧力室が異なるものを容易に形成することができ、1つの圧電アクチュエータの駆動によって、2つのノズルから液滴を選択的に吐出させる構造を簡単に実現できる。
本発明は、以上のように、複数のノズルが複数の圧力室に連通する各液体流路を、第1および第2のノズルのそれぞれに連通する第1および第2の流路で構成し、駆動パルス信号のパルス幅を、駆動制御手段によって前記液滴を吐出させるノズルに応じて選択するようにしているので、1つの圧電アクチュエータの駆動によって、2つのノズルから液滴を選択的に吐出させることができる。よって、低密度の圧電アクチュエータの配置で、高密度のノズル配置を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に沿って説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の一実施の形態である液滴吐出装置を示し、図1(a)は1つの圧力室を示す平面図、図1(b)は図1(a)のA−A線における断面図、図1(c)は図1(a)のB−B線における断面図、図2は圧力室の配置を示す平面図、図3はパルス幅と吐出速度との関係を示す図、図4は駆動パルス信号の説明図である。
図1〜図3に示すように、液滴吐出装置であるインクジェットヘッド1は、キャビティユニット2と、圧電アクチュエータ3と、駆動回路(図示せず)を備えたフレキシブル配線材(図示せず)と接続されている。
キャビティユニット2は、インクを吐出する複数のノズル(第1および第2のノズル4a,4b)と、ノズル4a、4bと連通してインクを吐出させる圧力波が発生する複数の圧力室6と、外部のインク供給源からインクジェットヘッド1にインクを導入するマニホールド室13aと、これらを連通させる各インク流路12a、5A,5B(第1および第2の流路5A,5B)となる各貫通孔が形成された複数のプレートが積層されてなる積層体である。また、圧電アクチュエータ3は、圧力室6全体を覆うとともにノズル4a、4bからインクを吐出させるための圧力波を圧力室6に与えるために変形する活性部3a(圧電層)を有している。活性部3aは、圧力室6にそれぞれ対応した位置に配置されている。
インク供給源からマニホールド室13aに供給されたインクは、流路12aを介して圧力室6に供給され、流路12aと接続する圧力室6の一端部から、インク流路5A,5Bが接続される他端部に向かって圧力室6内をインクが流れ、各インク流路5A,5Bに接続されるノズル4a、4bから吐出される構成となっている。なお、以降の説明では、図1において、ノズルがインクを吐出する側を下方向、下側とし、その反対側を上方向、上側とし、圧力室6内にインクが流れる方向を左方向(A方向)、左側とし、その反対側を右方向、右側とする。
キャビティユニット2は、圧力室6が貫通孔として形成されたアッパープレート11、圧力室6とマニホールド室13aを連通する流路12aおよび圧力室6をノズル4a,4bに連通するための流路12b,12cが貫通孔として形成されたベースプレート12、マニホールド室13aと圧力室6をノズルに連通するための流路13b,13cが貫通孔として形成されたマニホールドプレート13、圧力室6をノズル4a,4bに連通するための流路14a,14bが貫通孔として形成されたアンダープレート14、ノズル4a,4bが貫通孔として形成されたノズルプレート15が順に積層されている。
ノズルプレート15は、ポリイミド等の合成樹脂材からなり、そのほかのプレート11〜14は42%ニッケル合金鋼板等の金属材からなる。インク流路5A、5Bは、それぞれ、流路12a、12bと、流路13b、13cと、流路14a、14bとが連通したもので、ノズル4a、4bに連通される。流路12aは、その流路を狭幅にすることで流路抵抗を大きくした、いわゆる絞り部を有している。なお、キャビティユニット2は、複数枚のプレート11〜15で構成されているが、各プレート11〜15間には、その他に、ダンパー室を形成したダンパープレートやもう1枚マニホールドプレートなどを積層させたりすることは適宜可能である。
圧力室6は、圧力室6内をインクが流れる方向(A方向)に長い平面視略細長形状で、アッパープレート11に貫通孔として形成されている。圧電アクチュエータ3は、圧力室6の上側に開口した面を覆うようにキャビティユニット2上に積層されている。圧電アクチュエータ3の活性部3aは、圧力室6ごとに対応して配置され、平面視で液体の流れる方向(A方向)の上流側の一端部(図1の圧力室6の右端)寄りに配置されている。また、その一端部では、圧力室6は、マニホールド室13aと連通するベースプレート12の流路12aと連通している。そして、圧力室6の下流側の他端部(図1の圧力室6の左端)は、活性部3aの配置位置よりもインクの流れる方向(A方向)に長く延び、かつ、第1のノズル4aと連通する第1の流路5Aの上流端と接続されている。そして、活性部3aの配置位置と第1の流路5Aが接続される部分との間の圧力室6に、第2のノズル4bと連通する第2の流路5Bの上流端が接続されている。
第1の流路5Aの上流端開口は、平面視で圧力室6のインクの流れる方向の中心線L1上に配置され、第2の流路5Bの上流端開口は、平面視で圧力室6の中心線L1上よりどちらかの側方にずれた位置に配置されている。第2の流路5Bの上流端開口が配置される部分は、平面視で圧力室6がその側方に膨出した部分6aである。つまり、第1および第2の流路5A、5Bは、その圧力室の一端側(右側)から、それぞれの上流端開口までの長さが異なるため、圧力波の伝播時間が異なる構成になっている。なお、本発明において、圧力波の伝播時間とは、圧力波がキャビティユニット内の流路内を往復する時間をいう。
本実施形態の場合、圧力室6は、その深さが約40μmで、幅(流路方向A方向と直角方向の長さ)が約230μmで、圧力室6の一端部から第2の流路5Bの上流端開口までの長さを約1.3mm程度とし、第1の流路5Aの上流端開口までの長さを約2.8mm程度とした。また、ノズル4a,4bは、図2に示すように、複数個が複数列に千鳥状に配置されてなり、それらに対応して圧力室6も、複数個が複数列に千鳥状に配置されている。そして、隣り合う列の各圧力室6に対し開口する各第1および第2の流路5A,5Bの上流端は、前記列方向においてずれている。よって、一つの圧力室6に対して2つのノズル4a、4bを有する構成としているため、低密度の圧電アクチュエータ3(圧力室6)の配置で、高密度のノズル4a,4bの配置を実現することができる。
圧電アクチュエータ3は、圧力室6を覆うとともにノズル4a、4bからインクを吐出させるための圧力波を圧力室6に与えるために圧電層が変形する活性部3aを有している。図1では、圧電アクチュエータ3は、圧力室6を覆う圧電層16aと、活性部3aが圧力室6に対応した位置に配置されている状態を簡易に示し、他の構成は省略している。圧電アクチュエータ3は、特開2005-322850号公報や特開2006-15539号公報に記載される公知の構成と同様のように、圧力室6を覆う最下層の圧電層16aを含む複数の圧電層16が積層された積層体で、具体的には図示していないが、複数の圧電層16上に、圧力室6に共通で広幅面を有する共通電極と、圧力室6に対応して配置する複数の個別電極が、積層方向に交互に配置されている。
活性部3aは、平面視略細長形状であって、圧力室6の幅よりもやや狭く、複数の圧力室6に対してそれぞれ設けられるため、複数個が複数列に千鳥状に配置されている。活性部3aは、圧電層16のうち個別電極と共通電極との間に挟まれた部分である。つまり個別電極が平面視略細長形状で、圧力室6の幅よりもやや狭く、複数個が複数列に千鳥状に配置されている。そして図示しない駆動回路からの駆動信号が出力されたときに、選択的に個別電極と共通電極との間に駆動電圧が印加されることで、活性部3aが変形する。この活性部3aの変形により圧力室6を機械的に変形させ、圧力室6に、インクを吐出させる圧力波を発生させることができる。
活性部3aの、インクの流れる方向A方向の長さを活性長とし、A方向と直角な方向の長さを活性幅とすると、圧力室6に対して活性部3aを配置する位置は、圧力波のエネルギー効率を考え、圧力室6の全長の中心に対して活性長の中心が一致して配置されることが望ましい。しかしながら、本実施形態の場合、第1の流路5Aと第2の流路5Bとでは圧力室長さが異なるため、両者の圧力波のエネルギー損失が公平になるように、それぞれの圧力室長さの中心位置よりも互いにずれた位置に配置するのがよく、第1の流路5Aまでの圧力室長さの中心位置よりも上流側に、第2の流路5Bまでの圧力室長さの中心位置よりも下流側にずれた位置がよい。つまり互いの中心位置の中間点と一致して活性長の中心位置を配置する。本実施形態の場合、活性部3aの活性長は約1.2mm程度とし、幅を約120μm程度とした。
インクジェットヘッド1は、図示しない駆動回路からの駆動パルス信号に基づいて活性部3aを選択的に駆動させることで活性部3aが変形して、圧力室6が選択的に変形して、圧力室6内のインクがインク流路5A、5Bを通じてノズル4a,4bからインク液滴として吐出させるようになっている。このとき、インク流路5A,5Bは、その圧力室の一端側(右側)から、それぞれの上流端開口までの長さが異なるため、圧力波の伝播時間が異なることでインク液滴を選択的に、つまり別々に吐出させることができる。
そして、このようなインクジェットヘッド1においては、図3および図4に示すように、圧電アクチュエータ3に印加される駆動回路からの駆動パルス信号のパルス幅を、図示しない駆動制御手段によって、インク液滴を吐出させるノズル4a,4bに応じて選択する構成とされる。図3は、第1の流路5Aに連通する第1ノズル4a、第2の流路5Bに連通する第2のノズル4bを有する2つのインクジェットヘッドのそれぞれのノズルから吐出されるインクの吐出速度とパルス幅の関係を示す図である。図4は、図1に示した実施形態のインクジェットヘッド1において、パルス幅を選択してノズルからインク液滴を選択的に吐出させる際に用いる駆動パルス信号の一例を示している。
図3は、図1において第1のノズル4aのみを有するインクジェットヘッド(圧力室長C1=2.8mm)と、第2のノズル4bのみを有するインクジェットヘッド(圧力室長C2=1.3mm)とを用いて、つまり、圧力室長のみが異なる2つのインクジェットヘッドを用いて、駆動周波数を2kHzとした条件で、駆動電圧を設定し駆動パルス信号のパルス幅を様々に変更してインクを吐出させた場合のインク吐出速度を測定した結果を示す。なお、同一の駆動電圧を、圧力室長のみが異なる2つのインクジェットヘッドに印加させると、長い圧力室長C1を有するインクジェットヘッドの方が、インクの吐出速度が低下してしまう。そのため、圧力室長のみが異なる2つのインクジェットヘッドのそれぞれのインクの吐出速度が、図3におけるインク吐出速度変化のピークの値が、9m/sとなる駆動電圧を設定電圧として実験を行なった。この結果から、圧力室長C2よりも圧力室長が長い圧力室長C1の方が、圧力波の伝播時間が長くなることが分かり、また、インク吐出速度が最も速くなるピーク位置(伝播時間)がずれていることが分かる。そして、第1のノズル4aを有するインクジェットヘッド(圧力室長C1)は、パルス幅約5.5μsecで、第2のノズル4bを有するインクジェットヘッド(圧力室長C2)は、パルス幅約4μsecで最高吐出速度を得ることが出来る。
この図3に示す結果をもとに、本実施形態のインクジェットヘッドを、同一の駆動周期(例えば、20kHz)において、駆動パルス信号のパルス幅を選択して駆動制御することで、ノズル4a,4bを選択してインク液滴を吐出させることができる。図4を用いて一例を説明する。例えば、駆動パルス信号における駆動パルスのパルス波形100aのパルス幅として6μsecを採用すれば(図4(a)参照)、図3に示すように、第1の流路5Aに通じるノズル4aの吐出速度は8.7m/s程度となる一方、第2の流路5Bに通じるノズル4bの吐出速度は2.4m/s程度となり、結果として第1の流路5Aのみからの中玉の液滴の吐出を選択する。一方、第2の流路5Bのみから中玉の液滴のみを吐出するには、図3から、パルス波形100aのパルス幅を3μsec程度とすればよいことがわかる(図4(b)参照)。なお、どちらの場合も、パルス波形100aの後に打つパルス波形100bはキャンセルパルスであり、キャンセルパルス波形100bを打つタイミングを早めにすることで、小玉を打たせることもできる。さらに、両ノズル4a,4bから液滴を吐出させる場合には、パルス波形100aのパルス幅を4.8μsec程度とし、パルス波形100aを3つ構成することで両ノズル4a,4bから大玉の液滴の吐出させることができる。このように駆動パルスのパルス波形のパルス幅と、インクが吐出されるノズル4a,4bとの関係は、予め実験あるいは解析により決定され、予めマップなどとして制御装置(図示せず)において記憶されており、記録データに基づいてパルス幅が選択されて、駆動パルス信号が生成される。
上記のように構成すれば、ノズル4a,4bが圧力室6に連通するインク流路を、第1および第2のノズル4a,4bのそれぞれに連通する第1および第2の流路5A,5Bで構成し、活性部3aから各ノズル4a,4bまでの流路長さを異ならせることで、圧力波の伝播時間が異なるようにしているので、圧電アクチュエータ3の活性部3aを駆動する駆動パルス信号のパルス幅を制御すれば、第1および第2の流路5A,5Bに接続される各ノズル4a,4bから、インク液滴を別々に吐出させることが可能になる。つまり、駆動制御手段によって駆動パルス信号のパルス幅を選択することで、インク液滴を吐出させるノズル4a,4bを選択することができる。また、ノズル4a,4bから吐出されるインク液滴の容積を変化させることで、媒体上に形成されるドットの大きさを変化させて階調を容易に表現することができる。
続いて、第2〜第4の実施の形態について説明するが、それらの実施の形態も含めて以下の説明において、図1および図2に示す第1の実施の形態と同じ構成要素については同一の符号を用い、その詳細な説明を省略する。
(第2の実施の形態)
この実施の形態は、第1の実施の形態の変形例で、圧力室6の幅W1が、第1の実施形態のインク流路5Bに対して圧力室の膨出部分6aまで拡張された例である。
第2の実施の形態は、図5および図6に示すように、第1および第2の流路5A,5Bの上流端開口が、平面視で圧力室6Aのインクの流れる方向(A方向)の中心線L1を挟んで略同一間隔で両側に配置されている。圧力室6の長さと深さは第1の実施の形態と同一で、圧力室6Aのインクの流れる方向(A方向)と直交する方向の幅寸法は、圧力室6の一端部側(右側)から第2の流路5Bの上流端開口5Baが配置される部分までが略同一な幅寸法W1である。そして、平面視で第2の流路5Bの上流端開口5Baが配置される部分から第1の流路5Aの上流端開口5Aaが配置される部分までが、第1の流路5Aの上流端開口5Aaが配置された一側において、インクの流れる方向に延び、前記略同一な幅W1よりも幅狭の幅W2に形成されている。本実施の形態では、W1が約270μmで、W2が約180μmである。なお、圧電アクチュエータ3の活性部3bの配置位置も第1の実施の形態と同様であるが、その活性幅は、圧力室の幅寸法W1に合わせて幅広(160μm)となっている。そのため、第1の実施形態に対して、活性幅が広くなることで駆動電力は高くする必要があるが、インク吐出速度が同一の条件においては、その設定電圧を下げて駆動することができる。また、第1の実施形態では、膨出部6aがあるため、アッパープレートに圧力室を配置するときに無駄なスペースが多かったが、第2の実施の形態では、そのスペースを利用して圧力室の幅および活性幅を広くできるため、1つの圧力室に2つのノズルを配置でき高密度になり、小型かつ、印字速度が速いインクジェットヘッドを提供することができる。
この実施の形態も、第1の実施の形態と同様に、ノズル4a,4bが圧力室6Aに連通するインク流路を、第1および第2のノズル4a,4bのそれぞれに連通する第1および第2の流路5A,5Bで構成し、圧力波の伝播時間が異なるようにすることができる。また、階調を容易に表現することができる。また、図3のような駆動パルス信号のパルス幅と、インクが吐出されるノズル4a,4bとの関係を、予め実験あるいは解析により決定され、予めマップなどとして制御装置(図示せず)において記憶させ、記録データに基づいてパルス幅を選択して、駆動パルス信号が生成される。なお、第2の実施の形態の場合、図3よりも駆動電圧を低くできる。
(第3の実施の形態)
この実施の形態は、第2実施形態の変形例であり、圧力室の幅、深さ、長さおよび活性長の幅や長さはほぼ等しく、図7および図8に示すように、第1および第2の流路5A,5Bの上流端開口5Aa,5Baは、平面視で圧力室6Bのインクの流れる方向の中心線L1から略同一間隔で、中心線L1を挟んで両側に配置されている。圧力室6Bの他端部側は、活性部3bの配置位置から第1の流路5Aの上流端開口5Aaが配置されるまでの、インクの流れる方向に平行な第1の圧力室部6Baと、活性部6bの配置位置から第2の流路5Bの上流端開口5Baが配置されるまでの、インクの流れる方向に平行な第2の圧力室部6Bbとに分岐している。そして、第1の圧力室部6Baは、インクの流れる方向に平行な方向における長さ寸法が、第2の圧力室部6Bbの同寸法よりも長く形成されている。このような構成であるため、圧力室6内のインク流路5Aおよび5Bに対する互いの圧力波の干渉を抑制することができる。特に、インク流路5Aまで伝達した圧力波が圧力室6の他端部にぶつかって、インクの流れる方向とは反対側に反射して伝達する際にインク流路5Bに対する圧力波の干渉を、第2の実施の形態よりも抑制することができる。
このように、第1の圧力室部6Baは、第2の圧力室部6Bbのインクの流れる方向に平行な長さ寸法よりも長くしているので、活性部3bから各ノズル4a,4bまでの流路長さが異なり、圧力波の伝播時間が異なることになる。よって、圧電アクチュエータを駆動する駆動パルス信号のパルス幅を制御すれば、前記異なる流路に接続される各ノズル4a,4bで別々に吐出させることが可能になる。
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態は、第3の実施の形態を一例として変形させたもので、同一の構成についての説明は省略する。図9に示すように、活性部3bは、圧力室6Bのインクの流れる方向に直交する方向において第1の活性部3baと第2の活性部3bbとに分割されている。前記駆動制御手段は、インク液滴を吐出させるノズル4a,4bに応じて、前記駆動パルス信号のパルス幅に加えて、第1および第2の活性部3ba,3bbのうちの一方または両方を選択して駆動させる構成とされている。また、第1の活性部3baの活性長は、第2の活性部3bbの活性長よりも長くなっている。
図10および図11に示すように、第1および第2の活性部3ba,3bbのうちの一方又は両方に印加する駆動パルス信号のパルス幅を、駆動制御手段によってインク液滴を吐出させるノズル4a,4bおよび各ノズル4a,4bから吐出されるインク液滴の大きさに応じて選択する構成とされる。
図10は、活性部3ba、3bb、もしくは3ba+3bbとパルス幅を変動した際に、そのパルス幅とノズル4a、4bからのインク液滴の吐出速度の関係を示す図である。すなわち、図10は、第1のノズル4aのみを有するインクジェットヘッド(圧力室長C1=2.8mm)と、第2のノズル4bのみを有するインクジェットヘッド(圧力室長C2=1.3mm)、つまり圧力室長のみが異なる2つのインクジェットヘッドであって、それぞれ活性部を第1の活性部3baと第2の活性部3bbとに分割したインクジェットヘッドを用いて、駆動周波数を2kHzとした条件で、駆動電圧を設定し、駆動パルス信号のパルス幅を様々に変更してインク液滴を吐出させた場合のインク吐出速度を測定した結果を示す。なお、駆動電圧は、活性部3ba+3bbを用いた吐出駆動において、図3と同様にして、インクの吐出速度が9m/sとなる駆動電圧を設定電圧として実験を行なった。図10によると、第1および第2のノズル4a,4bのどちらを有するインクジェットヘッドであっても、第1の活性部3baと第2の活性部3bbとの両方を使用して駆動させるときよりも第1の活性部3baのみで駆動させるときに、吐出速度が低下する方へシフトしていることがわかる。
図10に示す結果をもとに、本実施形態のインクジェットヘッドを、同一の駆動周期において、第1および第2の活性部3ba,3bbのいずれかの一方のみを駆動する場合、それらの両方を駆動する場合(つまり活性部3b全体を駆動する場合)のそれぞれにおいて、駆動パルス信号のパルス幅を選択することで、インク液滴を吐出するノズル4a,4bだけでなく、各ノズル4a,4bから吐出されるインク液滴の大きさも選択できることがわかる。図11を用いて一例を示す。なお、第2の活性部3bbの配置位置がインク流路5A,5Bの各圧力室の一端部(右側)に偏った位置になるため、圧力室6の長さの中心位置に近い第1の活性部3baをメインの駆動活性部として駆動するようにしている。
図11(a)では、パルス波形100aのパルス幅として6μsecを採用すれば、第1および第2の活性部3ba,3bbがともに駆動され、図10に示すように、第1の流路5Aに通じるノズル4aの吐出速度は9m/s程度となり、ノズル4aのみから中玉の液滴が吐出される。パルス幅6μsecを採用する場合であっても、第1の活性部3baのみ駆動されると、図10に示すように、第1の流路5Aに通じるノズル4aの吐出速度は6.5m/s程度となり、ノズル4aのみから小玉の液滴が吐出される。同様にして、各駆動パルスのパルス波形100aのパルス幅3μsec、2.5μsec、4.8μsecと、駆動する活性部3ba,3bbとの組み合わせで、ノズル4bのみ中玉の液滴吐出(図11(c)参照)、ノズル4bのみ小玉の液滴吐出(図11(d)参照)、ノズル4bのみ極小玉の液滴吐出(図11(e)参照)、ノズル4a,4bとも大玉の液滴吐出(図11(f)参照)と、ノズル4aのみ大玉の液滴吐出(図示せず。パルス幅4.8μsec、活性部3ba、3bb両方使用)と使い分けることができる。尚、キャンセルパルス波形100bによってインクの液滴量を制御することもできる。
よって、活性部3bを、第1および第2の活性部3ba,3bbに分割して、それらの一方または両方を駆動するという具合にそれらを使い分けることで、吐出される液滴の容積を大きく変化させることができ、媒体上に形成されるドットの大きさを変化させて、細かい階調を表現できる。
なお、第4の実施形態は、第3の実施形態を一例として、活性部を2分割した変形例であり、特に第3の実施形態に限るものではなく、第1もしくは第2実施形態およびその他のものについても利用可能であることはいうまでもない。
また、本発明は、上述した第1〜第4の実施の形態のほか、以下のように変更して、実施することも可能である。
(i)第1および第2の流路5A,5Bの上流端開口は、平面視で圧力室6Cの中心線L1上より側方にずれた位置に配置される必要はなく、例えば図12に示すように、第1および第2の流路5A,5Bの上流端開口5Aa,5Baが、活性部3aから各ノズル4a,4bまでの流路長さが異なるように、平面視で圧力室6Cのインクの流れる方向の中心線L1上に並んで配置される構成とすることも可能である。このような構成では、アッパープレートに並べる圧力室6を高密度に配列することができる。
(ii)図13に示すように、活性部3bの配置位置(端部付近)から第2の流路5Bの上流端開口5Baまでの圧力室6B’の深さD1と、活性部3bの配置位置(端部付近)から第1の流路5Aの上流端開口5Aaまでの圧力室6B’の深さD2とが異なる構成とし、深さを異なるようにして、圧力波の伝播時間が異なるようにすることもできる。この場合、圧力室の一部で深さが異なるようにしてもよいし、全部で深さが異なるようにしてもよい。このように構成することで、圧力室長さが短いインク流路5Bに対して圧力室6内の剛性が、インク流路5Aに対してよりも高くなるため、圧力波の伝播時間が短くなり、第1のノズル4aと第2のノズル4bとから別々にインク吐出させやすくなる。
(iii)図14に示すように、第1の流路5Aに通じる第1のノズル4aと第2の流路4Bに通じる第2のノズル4b’とは、ノズル径が異なる構成とし、圧力波の伝播時間が異なるようにすることもできる。このように構成することで、圧力室長さが短いインク流路5Bはノズル4b’のノズル径が大きいため、圧力波の伝播時間が小さくなる一方、圧力室長さが長いインク流路5Aはノズル4aのノズル径が小さいため、圧力波の伝播時間が大きくなるので、第1のノズル4aと第2のノズル4b’とを別々にインク吐出させやすくなる。
(iv)図15に示すように、第1の流路5A’と第2の流路5B’との流路長さ自体が異なる構成とし、圧力波の伝播時間が異なるようにすることもできる。図15に示す場合は、第3の実施形態よりも第1の流路5A’の方が第2の流路5B’よりも流路長さが長くなっている。そのため、第3の実施形態よりもさらに第1の流路5Aの方が圧力波の伝播時間が長くなり、第1のノズル4aと第2のノズル4bとを別々にインク吐出させやすくなる。
(v)前記上述してきた実施の形態は変更もしくは組み合わせることも可能であり、それぞれの場合につき、図3、図10のような駆動パルス信号のパルス幅と、インクが吐出される第1および第2のノズルや、第1および第2の活性部との関係を、予め実験あるいは解析により決定して、予めマップなどとして制御装置(図示せず)において記憶させておく。そして、記録データに基づいてパルス幅が前記マップなどに基づいて選択することで、駆動パルス信号が生成される。
(vi)また、圧電アクチュエータ3は、前述したところの構成に限らない。例えば、可撓性のステンレス等の導電性の金属材料からなる振動板を、圧力室6を覆う最下層の圧電層16aに代えて用い、その振動板上に活性部となる圧電材料層3aを積層して、その上面に個別電極を、振動板に共通電極を、または、振動板自身を電極として使用するような構成にしてもよい。
(vii)さらに上述の実施の形態は、液滴吐出装置がインクジェットプリンタである場合について説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、着色液を微小液滴として塗布、あるいは導電液を吐出して配線パターンを形成するなどする他の液滴吐出装置などにも適用することができる。
本発明の第1の実施の形態である液滴吐出装置を示し、(a)は1つの圧力室を示す平面図、(b)は図1(a)のA−A線における断面図、(c)は図1(a)のB−B線における断面図である。 第1の実施の形態における圧力室の配置を示す平面図である。 パルス幅と吐出速度との関係を示す図である。 (a)〜(c)はそれぞれ駆動パルス信号の説明図である。 本発明の第2の実施の形態である液滴吐出装置を示し、(a)は1つの圧力室を示す平面図、(b)は図5(a)のC−C線における断面図、(c)は図5(a)のD−D線における断面図である。 第2の実施の形態における圧力室の配置を示す平面図である。 第3の実施の形態である液滴吐出装置を示し、(a)は1つの圧力室を示す平面図、(b)は図7(a)のE−E線における断面図、(c)は図7(a)のF−F線における断面図である。 第3の実施の形態における圧力室の配置を示す平面図である。 第4の実施の形態である液滴吐出装置を示し、(a)は1つの圧力室を示す平面図、(b)は図9(a)のG−G線における断面図、(c)は図1(a)のH−H線における断面図である。 パルス幅と吐出速度との関係を示す図である。 (a)〜(f)は駆動パルス信号の説明図である。 変形例を示し、(a)は1つの圧力室を示す平面図、(b)は図12(a)のK−K線における断面図である。 別の変形例を示し、(a)は1つの圧力室を示す平面図、(b)は図13(a)のM−M線における断面図、(c)は図13(a)のN−N線における断面図である。 さらに別の変形例を示し、(a)は1つの圧力室を示す平面図、(b)は図14(a)のP−P線における断面図、(c)は図14(a)のQ−Q線における断面図である。 他の変形例を示し、(a)は1つの圧力室を示す平面図、(b)は図15(a)のR−R線における断面図、(c)は図15(a)のT−T線における断面図である。
符号の説明
1 インクジェットヘッド
2 キャビティユニット
3 圧電アクチュエータ
4a,4b ノズル
5A 第1の通路
5B 第2の通路
5Aa,5Ba 上流端開口
6,6A,6B 圧力室
6Ba 第1の圧力室部
6Bb 第2の圧力室部

Claims (11)

  1. 複数のノズルが液体流路を通じて連通する複数の圧力室を有し、前記圧力室が平面状に開口形成されたキャビティユニットと、
    前記圧力室の開口した面を覆うように前記キャビティユニットに積層され、前記圧力室ごとに対応して配置される活性部を有する圧電アクチュエータとを備え、
    前記活性部を駆動パルス信号に基づいて選択的に駆動させることで前記圧力室を変形させて前記圧力室内の液体を、前記液体流路を通じて前記ノズルから液滴として吐出させる液滴吐出装置であって、
    前記各圧力室は、第1および第2のノズルのそれぞれに連通する第1および第2の流路の両者と連通して構成されていて、
    前記駆動パルス信号のパルス幅を、駆動制御手段によって前記液滴を吐出させるノズルに応じて選択する構成とされ、
    前記圧力室は、平面視で液体の流れる方向の上流側の一端部近傍上に前記活性部が配置されていて、下流側の他端部近傍では、前記活性部の配置位置よりも前記液体の流れる方向に長く延び、かつ、前記第1の流路の上流端に接続されていて、前記活性部の配置位置と前記第1の流路が接続される部分との間の前記圧力室に、前記第2の流路の上流端が接続されていることを特徴とする液滴吐出装置。
  2. 前記第1の流路の上流端開口は、平面視で前記圧力室の前記液体の流れる方向の中心線上に配置され、前記第2の流路の上流端開口は、平面視で前記圧力室の前記中心線上より側方にずれた位置に配置され、
    前記第2の流路の上流端開口が配置される部分は、平面視で前記圧力室が側方に膨出した部分であることを特徴とする請求項記載の液滴吐出装置。
  3. 前記第1および第2の流路の上流端開口は、平面視で前記圧力室の前記液体の流れる方向の中心線を挟んで両側に配置され、
    前記圧力室の前記液体の流れる方向と直交する方向の幅寸法が、前記一端部側から前記第2の流路の上流端開口が配置される部分までは略同一な幅寸法であり、
    平面視で前記第2の流路の上流端開口が配置される部分から前記第1の流路の上流端開口が配置される部分が、前記第1の流路が上流端が配置された一側において、前記液体の流れる方向に延び、前記略同一な幅よりも幅狭に形成されていることを特徴とする請求項記載の液滴吐出装置。
  4. 前記第1および第2の流路の上流端開口は、平面視で前記圧力室の前記液体の流れる方向の中心線を挟んで両側に配置され、
    前記圧力室の他端部側は、前記活性部の配置位置から前記第1の流路の上流端開口が配置されるまでの、前記液体の流れる方向に平行な第1の圧力室部と、前記活性部の配置位置から前記第2の流路の上流端開口が配置されるまでの、前記液体の流れる方向に平行な第2の圧力室部とに分岐していて、
    前記第1の圧力室部は、前記液体の流れる方向に平行な方向における長さ寸法が、前記第2の圧力室部の同寸法よりも長く形成されていることを特徴とする請求項記載の液滴吐出装置。
  5. 前記第1および第2の流路の上流端開口は、平面視で前記圧力室の前記液体の流れる方向の中心線上に並んで配置されていることを特徴とする請求項記載の液滴吐出装置。
  6. 前記圧力室は、前記活性部の配置位置から前記第1の流路の上流端開口までと、前記活性部の配置位置から前記第2の流路の上流端開口までとの一部または全部で、深さが異なることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の液滴吐出装置。
  7. 前記第1の流路に通じる第1のノズルと前記第2の流路に通じる第2のノズルとは、ノズル径が異なることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の液滴吐出装置。
  8. 前記第1の流路と前記第2の流路とは、その流路長さが異なることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の液滴吐出装置。
  9. 前記活性部は、前記圧力室の前記液体の流れる方向に直交する方向において第1の活性部と第2の活性部とに分割され、
    前記駆動制御手段は、前記液滴を吐出させるノズルに応じて、前記駆動パルス信号のパルス幅に加えて、前記第1および第2の活性部のうち駆動する一方または両方を選択することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の液滴吐出装置。
  10. 前記ノズルは、複数個が複数列に千鳥状に配置されてなり、対応して前記圧力室は、複数個が複数列に千鳥状に配置されていて、
    隣り合う列の圧力室に対し開口する各第1および第2の流路の上流端は、前記列方向においてずれていることを特徴とする請求項1〜4,6〜9のいずれか1つに記載の液滴吐出装置。
  11. 前記キャビティユニットは、前記ノズル、流路および圧力室となるそれぞれの貫通孔が形成された複数のプレートが積層されてなる積層体であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の液滴吐出装置。
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