JP5119479B2 - インクジェット記録材料用支持体及びその製造方法 - Google Patents

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本発明はRC支持体(原紙の両面にポリオレフィン系樹脂層被覆、所謂レジンコート紙)の風合いを有す、印字後のコックリング(波打ち)や光沢感が良好で、画像の滲みを改善した紙ベースのインクジェット記録材料用支持体及びその製造方法を提供する。
従来より、写真用インクジェット記録材料の支持体は、風合い、平滑性や光沢感からRC支持体を用いるのが一般的である。RC支持体上に画像形成層を設けてなる記録材料は、印字後のコックリング(波打ち)や光沢感が良好であるが、原紙の両面にポリオレフィン系樹脂被覆層を有するため、インク中の高沸点溶媒は印字後支持体に移行する事も無く、蒸発することなく、記録層内に留まる。高沸点溶媒の存在によって、高湿条件では画像が滲みやすく、大きな品質問題となっている。
特許文献1、特許文献2、特許文献3などは、紙ベース支持体を用いて、キャスト法で写真用インクジェット記録体へのアプローチを行っている。キャスト法で得られた記録体は平滑性や光沢感に優れるが、透気性支持体を使用する必要性から、印字後にインク中の溶媒が短時間に原紙へ浸透し、見た目のコックリングが悪く、また手触り感や風合いも写真と称するまでには至っていない。
キャスト法でありながら、コックリング(波打ち)抑制や印字滲み改良の目的で細孔容積の小さい顔料とラテックス接着剤を含有する下塗り層を設ける試み(特許文献4)があるが、キャスト法で光沢性を付与するため、支持体の透気性が不可欠である。生産性から透気度を上げられる限界があり、RC支持体を使用した記録体並みのコックリングレベルには至らず、風合いも不十分であった。
バリア層、下塗り層、微細顔料インク受容層を順次に設け、コックリングと光沢を同時に解決する報告(特許文献5)があった。
ラテックス系接着剤のバリア層、吸水層、インク受容層を順次に設ける試み(特許文献6)も報告されている。
特許文献7では、インク受容層の下に、アクリル系ラテックスバインダーを含む下塗り層を設け、コッブ吸水度を調整することにより、記録画像の経時滲みとコックリングの発生を抑えるという報告があるが、
特許文献8では、コックリング抑制のために、原紙に顔料とラテックスを主成分とするコッブ吸水度を規定した塗工層を設け、その上にインク受容層を塗布することを開示している。その中で塗工層が2層設けられている例があった。
特開2004−167959号公報 特開2005−199550号公報 特開2005−225070号公報 特開2007−290339号公報 特開2002−321449号公報 特開2004−291520号公報 特開2005−238829号公報 特開2007−160758号公報
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記諸問題を解決し、紙ベースの支持体及びその製造方法を提供する。本発明の支持体を用いたインクジェット記録体は、RC支持体を用いたインクジェット記録体と同等レベルのコックリング、平滑性・光沢感、風合いを有し、画像の滲みを改善し、リサイクルも可能なものである。
バリア層、下塗り層、微細顔料インク受容層を順次に設けたもの(特許文献5)では、平滑性や光沢感においてRC支持体を用いた記録体に対して劣るものであった。この理由は、バリア層中の顔料成分が多く、また、塗布量も不十分の為、インク受容層塗布直後から乾燥完了までにインク受容層中の水分が原紙に浸透するため、同様にコックリングの抑制効果も十分に得られなかったものと推察された。
ラテックス系接着剤のバリア層、吸水層、インク受容層を順次に設けたもの(特許文献6)では、コックリングの抑制効果はRC支持体を用いた記録体と同等程度まで改善されていたが、画像滲みの問題が残っていた。この理由について検討したところ、顔料を殆ど含有しないラテックス層は十分なバリア性を有するが、透気性はフィルムに近いため、インク中の高沸点溶媒がインク受容層に留まるためであろうと推察された。また、このようなバリア層は原紙の地合いの影響を受けやすく、平滑性や光沢感はRC支持体を用いた記録体に比べて劣ることがわかった。
アクリル系ラテックスバインダーを含む下塗り層を設け、コッブ吸水度を調整することにより、記録画像の経時滲みとコックリングの発生を抑える提案(特許文献7)では、地合いの影響を受けやすく、平滑性や光沢感はRC支持体対比で劣るものであった。また、インクを想定した親水性溶媒水溶液に対するコブ吸水度が10g/m以上であり、コックリング改善効果は充分でない。
コックリング抑制のために、原紙に顔料とラテックスを主成分とするコッブ吸水度を規定した塗工層を設けたもの(特許文献8)では、コックリング改良効果は認められるものの、RC支持体を用いた記録体と同等程度には至らなかった。また、平滑性や光沢感も不十分であった。これらの理由は最下層塗工層のラテックス配合量が少ないため、十分のバリア性は得られず、インク受容層塗工時に水分が原紙まで浸透し、原紙が伸びたことが原因であると推察された。
本発明者等は以上のような知見の上に更に試行を重ねた結果、従来における前記の諸問題を解決し、紙ベースのインクジェット記録材料用支持体及びその製造方法を提供する。本発明の支持体を用いたインクジェット記録材料は、RC支持体を用いたインクジェット記録材料と同等レベルのコックリング、平滑・光沢感、風合いを有し、かつRC支持体を用いた記録材料特有の画像滲みを改良するものである。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
(1)原紙の画像形成層を設ける側の表面に、原紙に最も近い側から第一塗布層、第二塗布層を少なくとも有するインクジェット記録材料用支持体において、該第一及び第二塗布層は少なくとも顔料とラテックスバインダーを含有し、該第一塗布層のラテックスバインダーが耐水性ラテックスであり、且つ、前記画像形成層被塗布面の、JIS P8140で規定される吸水度試験(接触時間120秒)におけるコッブ吸水度が0.5g/m以上、2.0g/m以下であり、且つ、J.TAPPI No.5b法で規定する王研式平滑度が、2000秒以上であることを特徴とするインクジェット記録材料用支持体。
(2)第一塗布層のラテックスバインダーが、アクリルスチレン系共重合体及びスチレンブタジエン系共重合体より選択される少なくとも1種の耐水性ラテックスである請求項記載のインクジェット記録材料用支持体。
(3)原紙の画像形成層を設ける側の表面に、原紙に最も近い側から第一塗布層、第二塗布層を少なくとも有するインクジェット記録材料用支持体の製造方法において、第一塗布層を、顔料と、ラテックスバインダーとして耐水性ラテックスを含有する塗布液を塗布乾燥し、該塗布層表面のJIS P8140で規定される吸水度試験(接触時間120秒)におけるコッブ吸水度が0.5g/m以上、10g/m以下となるように形成し、第二塗布層を、該塗布層表面のJIS P8140で規定される吸水度試験(接触時間120秒)におけるコッブ吸水度が0.5g/m以上、2.0g/m以下となるように形成することを特徴とするインクジェット記録材料用支持体の製造方法。
(4) 原紙の画像形成層を設ける側の表面に、原紙に最も近い側から第一塗布層、第二塗布層を少なくとも有するインクジェット記録材料用支持体の製造方法において、第一塗布層を、顔料と、下記条件を満足するラテックスバインダーを含有する塗布液を塗布乾燥し、該塗布層表面のJIS P8140で規定される吸水度試験(接触時間120秒)におけるコッブ吸水度が0.5g/m 以上、10g/m 以下となるように形成し、第二塗布層を、該塗布層表面のJIS P8140で規定される吸水度試験(接触時間120秒)におけるコッブ吸水度が0.5g/m 以上、2.0g/m 以下となるように形成することを特徴とするインクジェット記録材料用支持体の製造方法。
〔ラテックスの条件〕
PETフィルムにラテックスバインダーのみを塗布量(乾燥固形分)10g/m となるようにバーにより塗布し、80℃の温風で10分間乾燥し、塗膜を形成する。室温に放置後、液温20℃の蒸留水をスポイドを用いて0.03ml垂らして、塗膜が白濁(白化)するかどうかを目視で確認する。そして、白濁(白化)が1分以上経っても生じないラテックスを使用する。
(5)(1)〜(2)のいずれか一項に記載の支持体上に、気相法シリカ、アルミナ水和物、擬ベーマイト、酸化アルミナから選ばれる少なくとも一種を含有する画像形成層を設けてなる、インクジェット記録材料。
本発明者等は、かかる課題を解決するために鋭意研究を行なった結果、顔料およびラテックスバインダーを含有し、特定の物性を満足する塗布層面を形成することにより、原紙の地合いが抑えられ、かつバリア性も良好となるためRCの風合いを有し、印字後のコックリングや光沢感が良好となり、リサイクル可能な紙ベースのインクジェット記録材料用支持体が得られた。更に研究を重ねた結果、塗布層を2層以上積層することにより、写像性が一段と向上することを見出した。
このような、物性の塗布層を形成するためには、耐水性を有するラテックスを主成分とすることが好ましいことを見出した。また、2層の塗布層を形成するにあたり、1層目の塗布層表面の物性を特定の範囲にすることが好ましいことを見出し、本発明に至った。
本発明によると、本発明の支持体に画像形成層を設けてなるインクジェット記録材料は、RC支持体に画像形成層を設けてなる記録材料に近いコックリング性、表面光沢感、平滑性、風合いを有し、画像の滲みを改善し、リサイクルも可能なものである。つまり、RC支持体と紙支持体の長所を備え、短所を克服した支持体である。
<原紙>
原紙としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができる。一般に、木材パルプと必要に応じ含有する填料を主成分として構成される。木材パルプは、各種化学パルプ、機械パルプ、再生パルプ等を使用することができ、これらのパルプは、紙力、抄紙適性等を調整するために、叩解機により叩解度を調整できる。パルプの叩解度(フリーネス)は特に限定しないが、一般に250〜550ml(CSF:JIS P8121)程度である。300〜500ml程度に調整することが好ましい。
填料は、不透明性等を付与する目的で配合し、炭酸カルシウム、クレー、カオリン、白土、タルク、酸化チタン、珪藻土、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。特に炭酸カルシウムは、白色度が高い基材となり、インクジェット記録材料の光沢感が高まるので好ましい。紙基材中の填料の含有率(灰分)は1〜30%程度が好ましいが、多すぎると紙力が弱くなったりする傾向にあるので、好ましい填料の含有率は5〜20%である。なお、焼成カオリンやシリカも適宜含有するとよい。
その他、原紙には、助剤としてサイズ剤、紙力増強剤、定着剤のほか、カチオン化剤、歩留り向上剤、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤等を添加することができる。さらに、抄紙機のサイズプレス工程において、デンプン、ポリビニルアルコール類、カチオン樹脂等を塗布・含浸させ、表面強度、コッブ吸水度等を調整できる。
前記サイズ剤としては、例えば、脂肪酸塩、ロジン、マレイン化ロジン等のロジン誘導体、パラフィンワックス、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水琥珀酸(ASA)、エポキシ化脂肪酸アミド等の高級脂肪酸を含有する化合物等が挙げられる。
前記乾燥紙力増強剤としては、例えば、カチオン化澱粉、カチオン化ポリアクリルアミド、アニオン化ポリアクリルアミド、両性ポリアクリルアミド、カルボキシ変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。
前記湿潤紙力増強剤としては、例えば、ポリアミンポリアミドエピクロロヒドリン、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ化ポリアミド樹脂等が挙げられる。
前記定着剤としては、例えば、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等の多価金属塩、カチオン化澱粉等のカチオン性ポリマー等が挙げられる。
前記原紙の密度は、0.6〜1.2g/cmの範囲であり、RCの風合いを出すためには0.7〜1.0g/cmが好ましく、0.80〜0.95g/cmがより好ましい。
前記原紙の厚みは、特に制限はなく、通常50〜500μmである。紙腰、剛度から100〜300μmが好ましく、150〜250μmがより好ましい。
前記原紙の坪量は、特に制限はなく50〜300g/mが好ましく、剛度とのバランスや重量感から100〜250g/mがより好ましい。
<塗布層>
本発明の支持体は、RC支持体に近いコックリング性、表面光沢感、平滑性、風合いを得るために、上記原紙の画像形成層を設ける側の表面に少なくとも1層の塗布層を有する。塗布層は、顔料とラテックスバインダーを主成分として含有する塗液を塗布した層である。塗布層は、該塗布層上に画像形成層が形成されることになるが、本発明は、その塗布層表面、即ち、画像形成層被塗布面を、JIS P8140で規定される吸水度試験(接触時間120秒)におけるコッブ吸水度が0.5g/m以上、2.0g/m以下、且つ、J.TAPPI No.5b法で規定する王研式平滑度が、2000秒以上である必要がある。なお、塗布層が2層以上有する場合も、画像形成層被塗布面の物性が満足する必要がある。
−コッブ吸水度−
日本工業規格JIS P8140で規定される紙及び板紙−吸水度試験方法−コッブ法において、1m当たりに吸収された水の質量を測定した。試験面積は100cm、接触時間は120秒である(Cobb120ともいう)。
本発明は、画像形成層被塗布面のコッブ吸水度が0.5g/m以上、2.0g/m以下である必要がある。因みに、コッブ吸水度が0.5g/m未満だと、バリア性が高すぎて画像滲みが発生し易くなり、2.0g/mを超えると、コックリングが発生し易くなる。好ましい範囲は、0.5g/m以上、2.0g/m以下、より好ましくは0.6g/m以上、1.8g/m以下である。
コッブ吸水度を上記範囲に調整するには、使用する原紙、塗布層を形成する顔料及びラテックスバインダーの種類、配合比率や、塗布方法、塗布量、平滑化処理などの後処理などを調整するとよい。特に、顔料の選択、ラテックスバインダーの選択、顔料とラテックスバインダーの配合比率でコントロールすることが好ましい。
−王研式平滑度−
TAPPI No.5b法で規定する王研式平滑度の値である。
本発明は画像形成層被塗布面の王研式平滑度が2000秒以上である必要がある。3000秒以上がより好ましく、5000秒以上が最も好ましい。なお、上限は特に限定するものではないが、一般的なRC支持体の王研式平滑度は、8000〜10000秒程度である。なお、2000秒に満たない場合は、RC支持体並みの表面の光沢が得られなくなる。
王研式平滑度を調整するには、使用する原紙、塗布層を形成する顔料及びラテックスバインダーの種類、配合比率、塗布方法、塗布量、平滑化処理などの後処理などを調整するとよい。特に、顔料の粒子径、顔料とラテックスバインダーの配合比率、塗布方法、平滑化処理でコントロールすることが好ましい。
塗布層が1層の場合は、以下に記載の第一塗布層を形成するとよく、2層有する場合は第一塗布層を形成後、第二塗布層を形成するとよい。2層以上の場合は、第一塗布層を必須の層とした複数の層により形成される。例えば、原紙と第一塗布層の間、第一塗布層と第二塗布層の間に、顔料とバインダーを含有する任意の層、第一塗布層を複数層、第二塗布層を複数層等、これらの構成を適宜組み合わせても良い。なお、複数層形成とは、必ずしも同じ塗布液を塗布しなければならないものではない。
<第一塗布層>
通常、A4版サイズのインクジェット記録材料に写真画像をインクジェット記録する場合、記録材料の先端がインクを受容してから、記録材料の終端がインクを受容するまでおよそ10〜120秒程度かかる。この間に、インク或いはインクを構成する溶媒が原紙に浸透すると、出力中に原紙が伸縮し、コックリングが発生する。記録の際にコックリングが発生すると、記録材料表面が波うちを生じ、場合によってはプリンターのヘッドと記録材料が擦れてしまうなどのトラブルも発生する。
このようなトラブルを解決するために、第一塗布層(一層の場合は塗布層)は、インク中の溶剤浸透防止効果を発現するための層である。この層は、顔料/ラテックスバインダーの比率(以下P/B比と称す)が100/40〜100/400の範囲に制御すると、バリア性が優れるため好ましい。P/B比が100/40を超えると、顔料成分が多くなりすぎて、溶剤の浸透速度が速く、コックリングが悪化するおそれがあり、画像が沈み込む問題も生じやすい。一方、P/B比が100/400未満では、ラテックスバインダー成分が多くなりすぎて、原紙のボコツキを拾い、画像形成層塗布後の平滑性や光沢感が低下する。ラテックスの種類によっては粘度が低く、原紙への浸透性が高くなるため、バリア性が発現せず、また、逆にバリア性がフィルムレベルに相当し、記録後の溶媒成分が原紙へ浸透せず記録層に残るため、画像の高湿滲みが悪化する問題がある。
コックリング抑制、画像形成層塗布後の平滑や光沢感及び画像の高湿滲みのバランスから、P/B比は、100/50〜100/400が好ましく、100/60〜100/300がより好ましい。100/70〜100/200が最も好ましい範囲である。
−顔料−
第一塗布層を形成する顔料としては、印刷用塗工紙などで使用できる公知の顔料が例示できる。例えば、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、クレー、焼成クレー、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、プラスチックピグメントなどが例示できる。これらは、複数種を併用することもできる。顔料の粒子径は、特に限定しないが10μm以下が好ましい。さらに好ましくは5μm以下であり、1.5μm以下が最も好ましい。粒子径は小さい方がバリア性を発現しやすく、また画像形成層塗布後の平滑性や光沢感が良好であるが、一般市販品であれば平均粒子径は0.1μmよりは大きい。これらの顔料を単独或いは併用することが可能である。中でも、特に、炭酸カルシウム、カオリン、サチンホワイトは、コックリングを抑制する適性に優れ、白色度の高い塗布層が得られやすいので好ましい。中でも炭酸カルシウムが最も好ましい。なお、インクジェット記録材料の画像形成層用として好ましい材料である、無定形シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、ゼオライトなど吸水性に富んだ顔料や微細な顔料を、本発明の効果を損なわない範囲で併用してもよい。コックリング性から1〜20%程度の併用が可能である。
−バインダー−
塗布層を形成する結着剤の主成分として、ラテックスバインダーを使用する。
ラテックスバインダーとしては、例えばスチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル系共重合体、スチレン−アクリル系共重合体、スチレン系共重合体、酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−塩化ビニル系オレフィン共重合体、(ポリ)ウレタン系共重合体のような各種バインダーが、単独にあるいは2種以上混合して使用される。ラテックスバインダーがコックリング抑制効果に優れるため、結着剤の主成分として使用される。特に自己分散型スチレンブタジエン系ラテックス、アクリルスチレン系重合体ラテックス、(ポリ)ウレタン系重合体エマルションは、結着力や保存性の点で良好である。
この中でも、耐水性ラテックスを用いることが好ましい。耐水性ラテックスとはラテックス自体の吸水性が低いラテックスのことである。このようなラテックスを用いることで成膜性が良好で、バリア性を有する塗布層が形成でき、コッブ吸水度が低い値の塗布面が得られる。一方、ラテックス内部に水溶性物質が含まれていると、耐水性が悪化する。耐水性を有するか否かの判断方法としては、下記の方法で確認することができる。
「ラテックス耐水性試験」
PETフィルムにラテックスバインダーのみを塗布量(乾燥固形分)10g/mとなるようにバーにより塗布し、80℃の温風で10分間乾燥し、塗膜を形成する。室温に放置後、液温20℃の蒸留水をスポイドを用いて0.03ml垂らして、塗膜が白濁(白化)するかどうかを目視で確認する。白濁(白化)が1分以上経っても生じない場合、耐水性を有するラテックスである判断する。2分以上経っても白濁(白化)しない場合、特に耐水性が優れたラテックスである。
白濁(白化)するラテックスは吸水性が悪く、コッブ吸水度も高くなり画像形成層を設けた際に、平滑度と写像性がRC支持体を用いた記録材料と比較して劣る。また耐水性の良好なラテックスでも、粘度が低く、原紙への浸透性が高く、ラテックスのみではバリア性を発現出来ないものもある。その場合は顔料等を併用して塗料粘度を上げ、適宜、原紙への浸透を抑える必要がある。耐水性ラテックスは、乳化重合において、通常使用されるノニオン性、アニオン性、カチオン性または両性界面活性剤などの各種の界面活性剤を使用しないことが特に好ましく、いわゆる自己分散型エマルジョンであることが耐水性の観点から好ましい。乳化剤(界面活性剤)を使用しない乳化重合法によって得られたコア/シェル型ラテックス粒子が特に好ましい。但し、本発明の効果を損なわない範囲であれば、併用してもよい。
ラテックスバインダーのガラス転移温度は特に限定はないが、ガラス転移温度の低い結着剤は平滑性が得られやすく、バリア性も発現しやすいため好ましい。ガラス転移温度が−40〜+40℃程度のものが好ましく、−30〜+30℃がさらに好ましい。最も好ましい範囲は−25〜+30℃である。
−その他の成分−
第一塗布層には、その他、一般塗工紙の製造において使用される分散剤、増粘剤、消泡剤、帯電防止剤、防腐剤、蛍光染料、着色剤、紫外線吸収剤等の各種助剤が適宜添加される。
−形成方法−
第一塗布層を形成する方法としては、上記成分を含む塗工液を公知の塗工方法により塗布するとよい。例えば、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、カーテンコーター、スライドビード、スライドホッパー、およびスロットダイなどのダイコーター等、各種公知の塗工装置により塗工するとよい。平滑性と生産性を高めるためには、ブレードコーターが最適である。塗工乾燥後、スーパーカレンダーやカレンダーにより塗布層表面を平滑化処理してもよく、或いは粗面化ロールを用いて塗布層表面を粗面化処理してもよく、エンボスロールを用いて表面を型付け処理してもよい。
−塗布量−
第一塗布層の乾燥固形分塗布量には、制限はないが、一般に3〜30g/m程度である。5〜25g/mが好ましく、より好ましくは7〜20g/mである。9〜15g/mが最も好ましい範囲である。塗工量が過少であると、塗布層が紙表面を覆いきれず、インクジェット記録の際に、インク或いはインクを構成する溶媒が覆いきれていない繊維に沿って、原紙に到達し、コックリングを発生するおそれがあり、塗工量が多すぎるとコックリングの抑制効果が飽和するばかりか、生産性が低下する。
<第二塗布層>
本発明の支持体はRC支持体に近いコックリング性、表面光沢感、平滑性、風合いを得るために、第一塗布層上に第二塗布層を形成ることが好ましい。第二塗布層はインク中の溶剤浸透防止効果よりも、原紙のボコツキを拾いやすい第一塗布層の表面凹凸をなくし、より平滑性の高い支持体を提供する。さらに画像形成層塗布時の塗布層膨潤や変形によるインクジェット記録材料の表面性低下を抑えることも大きな役目である。
このような効果を発現するには、第二塗布層は第一塗布層のバインダー比率を超えない、かつ塗布乾燥後に、表面平滑化処理を行うことが好ましいことが分かった。第二塗布層のP/B比は第一塗布層のバインダー比率を超えなければ特に限定しないが、100/5〜100/150の範囲が好ましく、100/15〜100/100がより好ましい。100/30〜100/75の範囲が最も好ましい。顔料成分が多すぎると、第二塗布層の塗膜強度が弱くなり、紙粉が出やすく、また塗膜剥がれも発生するおそれがある。一方、バインダー成分が多いと第一塗布層の表面凹凸がそのまま第二塗布層の表面に残りやすく、画像形成層塗布後の写像性が低下する問題がある。
−顔料−
第二塗布層の顔料は前述した顔料を適宜選択使用される。中でも、特に、炭酸カルシウム、カオリン(含クレー)は平滑性が得られやすく、好適である。より平滑を得るためには、炭酸カルシウムの平均粒径は0.02〜2μmが好ましく、0.03〜1μmはより好ましい。カオリン(含クレー)については90%以上の粒子が2μm以下の粒径であることが好ましく、95%以上の粒子が2μm以下であれば更に好ましい。一般的にカオリンは白色度が低く、第二塗布層に含有するカオリンの白色度は88%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。見た目がRCに近づけるためには第二塗布層に酸化チタンを含有することが好ましい。含有量は全顔料の1〜20%程度、好ましくは2〜10%である。第二塗布層の平滑性を損なわないためには、酸化チタンの平均粒径は0.01〜2μmの範囲が好ましく、0.02〜1μmの範囲がより好ましい。
−バインダー−
第二塗布層のバインダー主成分は前述のラテックスバインダーから適宜選択使用される。特にスチレンブタジエン系ラテックス、アクリルスチレン系重合体ラテックス、(ポリ)ウレタン系重合体エマルションは、結着力や保存性の点で良好である。平滑性と結着力のバランスからラテックスバインダーの平均粒子径は10〜300nmの範囲が好ましく、30〜200nmの範囲がより好ましい。平滑処理による高平滑を得るためには、ラテックスバインダーのガラス転移温度は−30〜+30℃が好ましく、−25〜+25℃がより好ましい。また、第一塗布層で例示した耐水性ラテックスを用いることがバリア性を高めるので好ましい。
−その他の成分−
その他、一般塗工紙の製造において使用される分散剤、増粘剤、消泡剤、帯電防止剤、防腐剤、蛍光染料、着色剤、紫外線吸収剤等の各種助剤が適宜添加される。特に見かけの白色度を上げるために、着色剤(蛍光増白剤、白色顔料、有色顔料、染料等)を配合することが好ましい。
−形成方法−
第二塗布層を形成する方法としては、前述した塗工方法を適宜選択使用される。平滑性を得るためには、ブレードコーターが最適である。本発明は第一と第二塗布層はオンラインで塗布されることが好ましい。第一塗布層のP/B比は一般塗工紙などより小さく、塗工後にそのまま巻き取るとブロッキングが生じるおそれがあり、第二塗布層はP/B比が相対的に大きいため、第二塗布層とオンライン塗布することによって、第二塗布層が最表層になり、平滑処理後もブロッキングなしで巻き取ることが可能である。また、理由は定かではないが、オンラインで塗布して得られた支持体上に、画像形成層を塗布した結果、逐次オフラインで塗工した支持体よりも、高い写像性が得られた。
−塗布量−
塗布層の全塗布量は10〜35g/mの範囲が好ましく、15〜30g/mがより好ましい。10g/m以下では、原紙のボコツキが完全に覆うことが出来ないため、画像形成層塗布後の写像性が低下する問題があるが、一方、35g/m以上では効果が飽和する。第二塗布層の塗布量は3〜30g/m程度である。5〜20g/mがより好ましい。3g/m以下では、平滑性を得るには不十分であり、30g/m以上では効果が飽和し、生産性が低下する。
<平滑化処理>
本発明は、画像形成層被塗布層面のJ.TAPPI No.5b法で規定する王研式平滑度が、2000秒以上である必要がある。この平滑度を得るためには、塗布層を平滑化処理することが好ましい。塗布層が複数層有する場合、すくなくとも1層を平滑化処理するとよい。
王研式平滑度は2000秒以上である必要があるが、3000秒以上がより好ましい。5000秒以上が最も好ましい。平滑処理の方法は特に限定しないが、例えば、カレンダー処理、キャットコート処理などが挙げられる。中でも、カレンダー処理がより好ましい。塗布層面がカレンダーロール金属面と接するようにカレンダー処理することが最も好ましい形態の一つである。カレンダー圧(線圧)は50〜400Kg/cmが好ましく、100〜300Kg/cmはさらに好ましく、150〜250Kg/cmは最も好ましい範囲である。カレンダー圧が低すぎると平滑性が得られにくく、高すぎると塗布層がカレンダーロールに貼り付くおそれがある。
より平滑性を得るためには、カレンダー直前の塗布層の紙面温度は20〜90℃の範囲である。25〜70℃がより好ましい。30〜50℃が最も好ましい。紙面温度が低すぎると水分散性樹脂が軟化しにくく、平滑化の効果が得にくい。一方、紙面温度が高すぎると、カレンダーロールに貼り付く問題が生じるおそれがある。前記カレンダー金属ロールの表面温度は、5℃〜60℃が好ましく、10℃〜45℃がより好ましい。その他、カレンダー処理速度は100〜1200m/minの範囲が好ましく、200〜700m/minがより好ましい。カレンダー速度が遅いとカレンダーロールに貼りつきやすく、塗布層が剥がれるおそれがあるが、速すぎると平滑化の効果が低下する。
第一塗布層を、該塗布層表面のJIS P8140で規定される吸水度試験(接触時間120秒)におけるコッブ吸水度が0.5g/m以上、10g/m以下となるように形成し、第二塗布層の塗布層表面のJIS P8140で規定される吸水度試験(接触時間120秒)におけるコッブ吸水度が0.5g/m以上、2.0g/m以下となるように形成する製造方法は、とり効率的にインクジェット記録材料用支持体が得られるので好ましい。
本発明は、原紙と第一塗布層の間、第一塗布層と第二塗布層の間にバリア性や平滑性を向上する目的でさらに別の塗布層を設けてもよい。別の塗布層に使用する顔料やバインダーは前述のものから適宜選択される。
<裏面層>
本発明の支持体は裏面層を有することが好ましい。裏面層は一般塗布層(顔料/バインダー塗布層、樹脂塗布層など)や樹脂のラミネート層が挙げられる。本発明は製品カール、搬送性、手触り、風合い調整などから顔料/ラテックスバインダーを主成分とする塗布層が特に好ましい。裏面層を構成する顔料やバインダーは上述したものから適宜選ばれる。手触り、風合いをよりRCに近づけるために、発明者らが鋭意に検討した結果、顔料はカオリン(含クレー)、炭酸カルシウム、バインダーはラテックスを主成分にした方がより効果的である。カール、ブロッキング、搬送性、手触り、風合いを考慮すると、P/B比は100/5〜100/100程度である。100/10〜100/60がより好ましい。塗布量は2〜40g/m程度、5〜30g/mがより好ましく、10〜25g/mが最も好ましい範囲である。例えば、裏面層は本発明の表層と同じ塗布層、つまり第一塗布層、第二塗布層を有することが最も好ましい形態の一つである。また、裏面には、更に、搬送性向上処理、帯電防止処理、ブロッキング防止処理のために、帯電防止剤やブロッキング防止剤などで処理してもよい。該処理は、画像形成層を形成する前でも後でも可能である。
<画像形成層>
本発明の支持体上に、画像形成層を形成することによって所望のインクジェット記録材料を得ることが可能である。画像形成層は特に限定しないが、例えば超微細のシリカ、アルミナ水和物、酸化アルミ等の顔料、バインダー、架橋剤、媒染剤等を含有する画像形成層を設けることによって、RC支持体に画像形成層を設けてなる写真調記録材料に近いコックリング性、表面光沢感、平滑性、風合いを有し、リサイクルも可能なインクジェット記録材料が得られる。
−顔料−
画像形成層の顔料としては、一般インクジェット記録材料用顔料であれば選択使用可能である。光沢・平滑性やインク吸収性を得るためには、平均粒子径1μm以下の凝集体顔料が好ましく選択される。好ましい凝集体顔料は気相法シリカ、メソポーラスシリカ、湿式法シリカ、アルミナ酸化物、アルミナ水和物、アルミナシリケート、炭酸カルシウム、カオリン(含焼成カオリン)を挙げられるが、中でも高画質の記録画像を得るためには、気相法シリカ、アルミナ水和物、擬ベーマイト、酸化アルミナが最も好ましい。
−バインダー−
画像形成層のバインダーとして、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カゼイン、大豆蛋白、合成タンパク質類、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体や高分子ラテックス、合成樹脂エマルションなどの水分散性接着剤が挙げられる。単独で又は2種以上混合して使用する。接着強度とインク吸収性から、ポリビニルアルコールと高分子ラテックスが好ましく選択される。
前記バインダーの含有量としては、画像形成層の顔料100部に対して、5〜40部が好ましく、インク吸収性と塗膜強度のバランスから10〜25部がより好ましい。
−架橋剤−
前記の画像形成層は、前記水溶性樹脂バインダーを含む塗布層が更に前記水溶性樹脂を架橋し得る架橋剤を含むことが好ましく、特に前記無機顔料と前記水溶性樹脂とを併用し、更に該架橋剤と水溶性樹脂との架橋反応によって硬化された多孔質層である態様が好ましい。
前記の水溶性樹脂、特にポリビニルアルコールの架橋には、ホウ素化合物が好ましい。該ホウ素化合物としては、ホウ酸、ホウ砂や他のホウ酸塩が好ましく選択される。
−媒染剤−
本発明においては、形成画像の耐水性及び耐経時滲みの向上を図るために、画像形成層に媒染剤が含有されるのが好ましい。媒染剤としては、有機媒染剤としてカチオン性のポリマー(カチオン性媒染剤)、アミノオルガノシロキサン又は無機媒染剤が好ましい。媒染剤を色材受容層中に存在させることにより、アニオン性染料を色材として有する液状インクとの間で相互作用し色材を安定化し、耐水性及び耐経時滲みを向上させることができる。有機媒染剤及び無機媒染剤はそれぞれ単独種で使用しても良いし、有機媒染剤及び無機媒染剤を併用してもよい。
前記媒染剤は、ポリマー微粒子と水溶性樹脂を含む前記塗布液に添加する方法、又はポリマー微粒子との間で凝集を生ずる懸念がある場合は、前記塗布液に含有させ塗布する方法を利用できる。
前記カチオン性媒染剤としては、カチオン性基として、第一級〜第3級アミノ基、又は第4級アンモニウム塩基を有するポリマー媒染剤が好適に用いられるが、カチオン性の非ポリマー媒染剤も使用することができる。これら媒染剤は、色材受容層のインク吸収性良化の観点から、質量平均分子量が500〜100000の化合物が好ましい。
前記ポリマー媒染剤としては、第一級〜第3級アミノ基及びその塩、又は第4級アンモニウム塩基を有する単量体(媒染モノマー)の単独重合体や、該媒染モノマーと他のモノマー(以下、「非媒染モノマー」という。)との共重合体又は縮重合体として得られるものが好ましい。また、これらのポリマー媒染剤は、水溶性ポリマー又はラテックスバインダー粒子のいずれの形態でも使用できる。
前記単量体(媒染モノマー)としては、例えば、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチル−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチル−m−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−n−プロピル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−n−オクチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−(4−メチル)ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−フェニル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド;トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムブロマイド、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムブロマイド、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムスルホネート、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムスルホネート、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムアセテート、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムアセテート、N,N,N−トリエチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、N,N,N−トリエチル−N−2−(3−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウムアセテート;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドのメチルクロライド、エチルクロライド、メチルブロマイド、エチルブロマイド、メチルアイオダイド若しくはエチルアイオダイドによる4級化物、又はそれらのアニオンを置換したスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、酢酸塩若しくはアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。
具体的には、モノメチルジアリルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(アクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(アクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(メタクリロイルオキシ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(メタクリロイルオキシ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(メタクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(アクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(アクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(メタクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(メタクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド;N,N−ジメチル−N−エチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−エチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムブロマイド、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムブロマイド、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムスルホネート、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムアセテート等を挙げることができる。
その他、共重合可能なモノマーとしては、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール等も挙げられる。
また、アリルアミン、ジアリルアミン又はその誘導体、塩なども利用できる。このような化合物の例としてはアリルアミン、アリルアミン塩酸塩、アリルアミン酢酸塩、アリルアミン硫酸塩、ジアリルアミン、ジアリルアミン塩酸塩、ジアリルアミン酢酸塩、ジアリルアミン硫酸塩、ジアリルメチルアミン及びこの塩(該塩としては、例えば、塩酸塩、酢酸塩、硫酸塩など)、ジアリルエチルアミン及びこの塩(該塩としては、例えば、塩酸塩、酢酸塩、硫酸塩など)、ジアリルジメチルアンモニウム塩(該塩の対アニオンとしてはクロライド、酢酸イオン硫酸イオンなど)が挙げられる。尚、これらのアリルアミン及びジアリルアミン誘導体はアミンの形態では重合性が劣るので塩の形で重合し、必要に応じて脱塩することが一般的である。
また、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミドなどの単位を用い、重合後に加水分解によってビニルアミン単位とすること、及びこれを塩にしたものも利用できる。
前記非媒染モノマーとしては、第一級〜第3級アミノ基及びその塩、又は第4級アンモニウム塩基等の塩基性或いはカチオン性部分を含まず、インクジェットインク中の染料と相互作用を示さない、或いは相互作用が実質的に小さいモノマーを意味する。
前記非媒染モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル;(メタ)アクリル酸ベンジル等のアラルキルエステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類;酢酸アリル等のアリルエステル類;塩化ビニリデン、塩化ビニル等のハロゲン含有単量体;(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル;エチレン、プロピレン等のオレフィン類、等が挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル部位の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらの中でも、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレートが好ましい。
前記非媒染モノマーは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて使用できる。
前記ポリマー媒染剤としては、例えば、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリメタクリロイルオキシエチル−β−ヒドロキシエチルジメチルアンモニウムクロライド、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン及びその誘導体、ポリアミド−ポリアミン樹脂、カチオン化でんぷん、ジシアンジアミドホルマリン縮合物、ジメチル−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム塩重合物、ポリアミジン、ポリビニルアミン、ジシアンジアミド−ホルマリン重縮合物に代表されるジシアン系カオチン樹脂、ジシアンアミド−ジエチレントリアミン重縮合物に代表されるポリアミン系カオチン樹脂、エピクロルヒドリン−ジメチルアミン付加重合物、ジメチルジアリンアンモニウムクロリド−SO共重合物、ジアリルアミン塩−SO共重合物、第4級アンモニウム塩基置換アルキル基をエステル部分に有する(メタ)アクリレート含有ポリマー、第4級アンモニウム塩基置換アルキル基を有するスチリル型ポリマー等も好ましいものとして挙げることができる。
前記ポリマー媒染剤としては、例えば、特開昭48−28325号、同54−74430号、同54−124726号、同55−22766号、同55−142339号、同60−23850号、同60−23851号、同60−23852号、同60−23853号、同60−57836号、同60−60643号、同60−118834号、同60−122940号、同60−122941号、同60−122942号、同60−235134号、特開平1−161236号の各公報、米国特許2484430、同2548564号、同3148061号、同3309690号、同4115124号、同4124386号、同4193800号、同4273853号、同4282305号、同4450224号、特開平1−161236号、同10−81064号、同10−119423号、同10−157277号、同10−217601号、同11−348409号、特開2001−138621号、同2000−43401号、同2000−211235号、同2000−309157号、同2001−96897号、同2001−138627号、特開平11−91242号、同8−2087号、同8−2090号、同8−2091号、同8−2093号、同8−174992号、同11−192777号、特開2001−301314号、特公平5‐35162号、同5−35163号、同5‐35164号、同5−88846号、特開平7−118333号、特開2000−344990号、特許第二648847号、同2661677号等の各公報に記載のもの等が挙げられる。これらの中でもポリアリルアミン及びその誘導体が特に好ましい。
前記有機媒染剤としては、特に、経時滲みの防止の観点から、質量平均分子量が100000以下のポリアリルアミン及びその誘導体が好ましい。
前記ポリアリルアミン又はその誘導体としては、公知の各種アリルアミン重合体及びその誘導体が使用できる。このような誘導体としては、ポリアリルアミンと酸との塩(酸としては塩酸、硫酸、リン酸、硝酸などの無機酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、桂皮酸、(メタ)アクリル酸などの有機酸、或いはこれらの組合せや、アリルアミンの一部分のみを塩にしたもの)、ポリアリルアミンの高分子反応による誘導体、ポリアリルアミンと他の共重合可能なモノマーとの共重合体(該モノマーの具体例としては(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン類、(メタ)アクリルアミド類、アクリロニトリル、ビニルエステル類等)が挙げられる。
前記ポリアリルアミン及びその誘導体の具体例としては、特公昭62−31722号、特公平2−14364号、特公昭63−43402号、同63−43403号、同63−45721号、同63−29881号、特公平1−26362号、同2−56365号、同2−57084号、同4−41686号、同6−2780号、同6−45649号、同6−15592号、同4−68622号、特許第3199227号、同3008369号、特開平10−330427号、同11−21321号、特開2000−281728号、同2001−106736号、特開昭62−256801号、特開平7−173286号、同7−213897号、同9−235318号、同9−302026号、同11−21321号、WO99/21901号、WO99/19372号、特開平5−140213号、特表平11−506488号等の各公報に記載の化合物が挙げられる。
アミノオルガノシロキサンとしては、少なくとも1つのアミノ基を有するため、媒染剤としての作用効果を有するものであり、中でも、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノ−プロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノ−プロピルメチルジメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル―ブチリデン)プロピルアミン、およびN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランは、インクを定着させる機能に優れるため好ましい。これらのアミノオルガノシロキサンは、単独で使用しても、併用しても構わない。
アミノオルガノシランを含む液とシリカを接触させることにより、シリカ表面のシラノール基とオルガノシロキサンがシランカップリング反応し、シリカ表面を改質することができる。アミノオルガノシランの量は、シリカに対して0.1〜20質量%、より好ましくは5〜10質量%である。アミノオルガノシランの量が少ないと効果が得られず、20質量%を超えると効果が飽和するばかりか、シリカ分散液の濃度が低下することになる。表面改質したシリカの分散液は、表面改質していないシリカ分散液よりも、分散状態が安定なので、濃度を高く調製することが可能である。
前記媒染剤としては、無機媒染剤を用いることも可能で、多価の水溶性金属塩や疎水性金属塩化合物が挙げられる。
無機媒染剤の具体例としては、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、マンガン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、インジウム、バリウム、ランタン、セリウム、プラセオジミウム、ネオジミウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスロプロシウム、エルビウム、イッテルビウム、ハフニウム、タングステン、ビスマスから選択される金属の塩又は錯体が挙げられる。
具体的には、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガンニ水和物、硫酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)二水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、硫酸アルミニウム、アルミニウムミョウバン、塩基性ポリ水酸化アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、フェノールスルホン酸亜鉛、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、四塩化チタン、テトライソプロピルチタネート、チタンアセチルアセトネート、乳酸チタン、ジルコニウムアセチルアセトネート、酢酸ジルコニル、硫酸ジルコニル、炭酸ジルコニウムアンモニウム、ステアリン酸ジルコニル、オクチル酸ジルコニル、硝酸ジルコニル、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、酢酸クロム、硫酸クロム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水和物、りんタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タングストりん酸n水和物、12タングストけい酸26水和物、塩化モリブデン、12モリブドりん酸n水和物、硝酸ガリウム、硝酸ゲルマニウム、硝酸ストロンチウム、酢酸イットリウム、塩化イットリウム、硝酸イットリウム、硝酸インジウム、硝酸ランタン、塩化ランタン、酢酸ランタン、安息香酸ランタン、塩化セリウム、硫酸セリウム、オクチル酸セリウム、硝酸プラセオジミウム、硝酸ネオジミウム、硝酸サマリウム、硝酸ユーロピウム、硝酸ガドリニウム、硝酸ジスプロシウム、硝酸エルビウム、硝酸イッテルビウム、塩化ハフニウム、硝酸ビスマス等が挙げられる。
前記無機媒染剤としては、ポリ塩化アルミニウム、ポリ酢酸アルミニウム、ポリ乳酸アルミニウムなどのアルミニウム含有化合物、四塩化チタン、テトライソプロピルチタネート、チタンアセチルアセトネート、乳酸チタンなどのチタン含有化合物、ジルコニウムアセチルアセトネート、酢酸ジルコニル、硫酸ジルコニル、炭酸ジルコニウムアンモニウム、ステアリン酸ジルコニル、オクチル酸ジルコニル、硝酸ジルコニル、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウムなどのジルコニウム含有化合物、元素周期律表第IIIB族シリーズの金属化合物(塩又は錯体)が好ましい。画像形成層に含まれる前記媒染剤量は、0.01g/m〜5g/mが好ましく、0.1g/m〜3g/mがより好ましい。
−光沢発現層−
高光沢を得るためには、画像形成層上にさらに微細な単分散コロイド顔料や2次凝集体コロイド顔料から選択され、単独で又は2種以上混合した顔料を主成分とする光沢発現層を設けることが可能である。単分散コロイド顔料の平均粒子径は0.01〜0.2μm、吸収性と透明性のバランスから、0.02〜0.1μmが好ましい範囲である。2次凝集体コロイド顔料は平均粒径1μm以下のアルミナ酸化物、アルミナ水和物が好ましい。高光沢を得るためには、平均粒径が0.02〜0.5μmの範囲がより好ましい。光沢発現層の形成方法は、特に限定するものではないが、例えば特再WO03−039881(光沢発現層を画像形成層上に設けた後、湿潤状態で鏡面を有するニップロールに通過させる方法)と特開2004−306610(光沢発現層と画像形成層は同時多層塗布)に例示される方法が有効である。
−その他の成分−
前記画像形成層、光沢発現層には、必要に応じて、更に各種の公知の添加剤、例えば、酸、紫外線吸収剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、モノマー、重合開始剤、重合禁止剤、滲み防止剤、防腐剤、粘度安定剤、消泡剤、界面活性剤、帯電防止剤、マット剤、カール防止剤、耐水化剤等を含有することが可能である。
−塗布装置−
画像形成層の塗工には、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、カーテンコーター、ダイコーター、スライドコーター等の各種塗工装置を用いることができる。特に、画像形成層被塗布面が特定の物性を満足した支持体であるので、塗料の前計量方式であるリップコーター、カーテンコーター、ダイコーター、スライドコーター等を用いると、均一な画像形成層が得られるので好ましい。また、多層の画像形成層や画像形成層と光沢発現層など多層構成の場合は多層式カーテンコーター、多層式ダイコーター、多層式スライドコーターを用いると効果的である。
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。また、例中の部及び%は特に断らない限り、水を除いた固形分であり、それぞれ質量部及び質量%を示す。
−原紙A−
LBKP90部(フリーネス440ml/csf)、NBKP10部(フリーネス510ml/csf)からなるパルプスラリー中に、パルプ固形分に対して填料として軽質炭酸カルシウムを紙灰分で10%となるように添加し、さらに内添サイズ剤としてAKDサイズ剤(商品名:サイズパインK−902、荒川化学工業社製)0.05%および硫酸アルミニウム0.5%をそれぞれ添加して紙料を調成した。このように調成された紙料を用いて、ハイブリッドタイプのツインワイヤ抄紙機で抄紙、乾燥を行って成紙(基紙)を得た。次いで、このようにして得られた基紙の両面に2本ロールサイズプレス装置を介して、6%濃度の酸化澱粉糊液(商品名:エースA、王子コーンスターチ社製)を両面固形分換算で1.4g/mとなるように塗布、乾燥して米坪が150g/mの紙基材を得た。
−原紙B−
LBKP100部(フリーネス400ml/csf)、焼成カオリン(商品名:アンシレックス)5質量部、前記AKDサイズ剤0.05質量部、硫酸バンド1.5質量部、湿潤紙力剤0.5質量部、澱粉0.75質量部よりなる製紙材料を使用し、ハイブリッドタイプのツインワイヤ抄紙機で抄紙、乾燥を行って150g/mの基紙を得た。
−RC支持体A−
上記原紙Bの両面にコロナ放電処理を施した後、原紙のフェルト面側に塗工量が22g/mとなるようにバンバリーミキサーで混合分散した下記のポリオレフィン樹脂組成物1を、また、原紙のワイヤー面側に塗工量が30g/mとなるようにポリオレフィン樹脂組成物2を、それぞれT型ダイを有する溶融押し出し機(溶融温度320℃)で塗布した。次いで、紙基材のフェルト面側を鏡面のクーリングロールで、また、紙基材のワイヤー面側を粗面のクーリングロールで、それぞれ冷却固化した。平滑度(王研式、J.TAPPI No.5)が6000秒、不透明度(JIS P 8138)が93%のRC支持体を製造した。
「ポリオレフィン樹脂組成物1」
長鎖型低密度ポリエチレン樹脂(密度0.926g/cm、メルトインデックス20g/10分)35質量部、低密度ポリエチレン樹脂(密度0.919g/cm、メルトインデックス2g/10分)50質量部、アナターゼ型二酸化チタン(石原産業社製、商品名:A−220)15質量部、ステアリン酸亜鉛0.1質量部、酸化防止剤(チバガイギー社製、商品名:Irganox1010)0.03質量部、群青(第一化成社製、商品名:青口群青No.2000)0.09質量部、蛍光増白剤(チバガイギー社製、商品名:UVITEX OB)0.3質量部。
「ポリオレフィン樹脂組成物2」
高密度ポリエチレン樹脂(密度0.954g/cm、メルトインデックス20g/10分)65質量部、低密度ポリエチレン樹脂(密度0.924g/cm、メルトインデックス4g/10分)35質量部。
−シリカ微粒子A−
2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業社製、商品名KBE−603)の水溶液(812g、2%)に乳酸8gおよび市販気相法シリカ(日本アエロジル社製、商品名:アエロジルA200)180gを攪拌しながら添加し、サンドグラインダーにより分散した後、圧力式ホモジナイザーで更に分散し、平均粒子径が0.08μmになるまで分散操作を繰り返し、水分散液を調製した。
−画像形成層塗液A−
シリカ微粒子A100部に、ホウ酸4部を添加して溶解した後、ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−235、重合度:3500、ケン化度:88.5%)15部を混合し、13%水分散液を調整した。
−光沢発現層塗液A−
45nmのカチオン性コロイダルシリカ(日産化学社製、商品名:ST−AKL)100部に、前記ポリビニルアルコール2部、カチオン性離型剤(近代化学社製、商品名:ペルトールN856)1部を混合し、3%水分散液を調製した。
−ラテックスバインダー−
各実施例、比較例で使用するラテックスバインダーとその平均粒子径、ガラス転移点(Tg)と下記の耐水性試験の結果を表1に示す。
「ラテックス耐水性試験」
PETフィルムにラテックスバインダーのみを塗布量(乾燥固形分)10g/mとなるようにバーで塗布し、80℃の温風10分間の条件で乾燥し、塗膜を形成する。室温に放置後、液温20℃の蒸留水をスポイドを用いて0.03ml垂らして、塗膜が白濁(白化)するかどうかを目視で判断した。
A:60分以上経っても白濁(白化)しない
B:30分以上、60分未満で白濁(白化)する
C:15分以上、30分未満で白濁(白化)する
D:2分以上、15分未満で白濁(白化)する
E:1分以上、2分未満で白濁(白化)する
F:30秒以上、1分未満で白濁(白化)する
G:30秒未満で白濁(白化)する
Figure 0005119479
実施例1(参考例)
−塗布層用塗液の調製−
市販分散剤(東亞合成社製、商品名:アロンT−50)0.2部含有水溶液に、顔料として白色度90%、平均粒子径2μm以下のエンジニアードカオリン(イメリスミネラルズジャパン社製、商品名:Contour Xtreme)100部を添加して分散し、カオリンのスラリーを調製した。ラテックスバインダーとしてラテックスAを100部(いずれも固形分換算)および消泡剤、染料などの助剤を添加し、最終的に固形分濃度が60%の塗布層用塗液を調製した。
−支持体形成−
原紙Aの巻取の両面に、上記塗布層用塗液を片面当りの乾燥重量が20g/mとなるようにブレードコーターを使用して片面ずつの塗工、乾燥を行って水分が5.0%の塗布層を設けた支持体を得た。表面温度40℃の条件でオンスーパーカレンダー(8ニップ、線圧200kg/cm、500m/min)に通紙して紙支持体を得た。
−インクジェット記録材料の形成−
上記支持体上に、35℃に加温した画像形成層塗液Aを、乾燥重量で20g/mになるように塗布し、一旦20℃に冷やしてから、50℃の乾燥機で乾燥を行い、インクジェット記録材料を得た。
実施例2(参考例)
塗布層用塗液の調製において、ラテックスバインダーとして、ラテックスBを80部用いた以外は、実施例1と同様に支持体及びインクジェット記録材料を作成した。
実施例3(参考例)
塗布層用塗液の調製において、ラテックスバインダーとして、ラテックスCを300部用いた以外は、実施例1と同様に支持体及びインクジェット記録材料を作成した。
実施例4(参考例)
市販分散剤(東亞合成社製、商品名:アロンT−50)0.2部含有水溶液に、顔料として、白色度95%、平均粒子径0.7μmの重質炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、商品名:ソフトン3200)100部を添加して分散し、炭酸カルシウムのスラリーを調製した。ラテックスバインダーとして、ラテックスDを100部(いずれも固形分換算)および消泡剤、染料などの助剤を添加し、最終的に固形分濃度が64%の塗布層用塗液を調製した以外は、実施例1と同様に支持体及びインクジェット記録材料を作成した。
比較例1
塗布層用塗液の調製において、ラテックスバインダーとして、ラテックスBを25部用いた以外は、実施例1と同様に支持体及びインクジェット記録材料を作成した。
比較例2
塗布層用塗液の調製において、ラテックスバインダーとして、ラテックスBを500部用いた以外は、実施例1と同様に支持体及びインクジェット記録材料を作成した。
比較例3
塗布層用塗液の調製において、ラテックスバインダーとして、ラテックスEを500部用いた以外は、実施例1と同様に支持体及びインクジェット記録材料を作成した。
比較例4
実施例4において、ラテックスバインダーの部数を500部に変更した以外は、実施例4と同様に支持体及びインクジェット記録材料を作製した。
比較例5
塗布層用塗液の調製において、ラテックスバインダーとして、ラテックスCを100部用いた以外は、実施例1と同様に支持体及びインクジェット記録材料を作成した。
比較例6
塗布層用塗液の調製において、ラテックスバインダーとして、ラテックスFを100部用いた以外は、実施例1と同様に支持体及びインクジェット記録材料を作成した。
比較例7
塗布層用塗液の調製において、市販分散剤(東亞合成社製、商品名:アロンT−50)0.02部含有水溶液に、顔料として白色度90%、平均粒子径2μm以下のエンジニアードカオリン(イメリスミネラルズジャパン社製、商品名:Contour Xtreme)10部を添加して分散し、カオリンのスラリーを調製した。ラテックスバインダーとして、ラテックスAを100部(いずれも固形分換算)および消泡剤、染料などの助剤を添加し、最終的に固形分濃度が40%の塗布層用塗液を調製した以外は、実施例1と同様に支持体及びインクジェット記録材料を作製した。
比較例8
比較例7において、ラテックスバインダーをラテックスGに変更した以外は、比較例7と同様に支持体及びインクジェット記録材料を作製した。
実施例5
−第一塗布層用塗液の調製−
市販分散剤(東亞合成社製、商品名:アロンT−50)0.2部含有水溶液に、顔料として白色度90%、平均粒子径2μm以下のエンジニアードカオリン(イメリスミネラルズジャパン社製、商品名:Contour Xtreme)100部を添加して分散し、カオリンのスラリーを調製した。ラテックスバインダーとしてラテックスAを100部(いずれも固形分換算)および消泡剤、染料などの助剤を添加し、最終的に固形分濃度が60%の塗布層用塗液を調製した。
−第二塗布層用塗液の調製−
第一塗布層用塗液と同様にして塗液を調製した。
−支持体形成−
原紙Aの巻取の両面に、第一塗布層用塗液を、片面当りの乾燥重量が12g/mとなるようにブレードコーターを使用して片面ずつの塗工、乾燥を行って第一塗布層を設けた。オンライン方式で、第二塗布層用塗液を片面当りの乾燥重量が10g/mとなるようにブレードコーターで片面ずつの塗工、乾燥を行って第二塗布層を形成し、水分が5.0%の片面2回塗工の支持体を得た。表面温度40℃の条件でオンスーパーカレンダー(8ニップ、線圧200kg/cm、500m/min)に通紙して紙支持体を得た
−インクジェット記録材料の形成−
得られた紙支持体を用いた以外は、実施例1と同様にインクジェット記録材料を作成した。
実施例6
−第二塗布層用塗液の調製−
市販分散剤(東亞合成社製、商品名:アロンT−50)0.2部含有水溶液に、顔料として、白色度90%、平均粒子径2μm以下のエンジニアードカオリン(イメリスミネラルズジャパン社製、商品名:Contour Xtreme)100部を添加して分散し、カオリンのスラリーを調製した。ラテックスバインダーとしてラテックスBを100部(いずれも固形分換算)および消泡剤、染料などの助剤を添加し、最終的に固形分濃度が60%の第一塗布層用塗液を調製した。
上記第二塗布液を用いた以外は、実施例5と同様にして支持体及びインクジェット記録材料を作成した。
実施例7
第二塗布層用塗液の調製において、顔料として、白色度95%、平均粒子径0.7μmの重質炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、商品名:ソフトン3200)100部を添加して分散し、炭酸カルシウムのスラリーを調製した。ラテックスバインダーとして、ラテックスHを100部(いずれも固形分換算)および消泡剤、染料などの助剤を添加し、最終的に固形分濃度が64%の第二塗布層用塗液を調製した以外は、実施例6と同様に支持体及びインクジェット記録材料を作成した。
実施例8
実施例5の第一塗布層用塗液および第二塗布層用塗液の調製において、ラテックスバインダーとしてラテックスBを用いた以外は、実施例5と同様に支持体及びインクジェット記録材料を作成した。
実施例9
実施例8の第二塗布層用塗液の調製において、ラテックスの部数を40部に変更した以外は、実施例8と同様に支持体及びインクジェット記録材料を作成した。
実施例10
実施例9の第二塗布層用塗液の調製において、顔料として白色度95%、平均粒子径0.7μmの重質炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、商品名:ソフトン3200)を用いた以外は、実施例9と同様に支持体及びインクジェット記録材料を作成した。
実施例11
実施例10の第一塗布層用塗液の調製において、ラテックスバインダーをラテックスEに、また第二塗布層塗液の調製において、ラテックスバインダーとしてラテックスC60部に変更した以外は、実施例10と同様に支持体及びインクジェット記録材料を作成した。
実施例12
第一塗布層用塗液の調製において、ラテックスバインダーをラテックスIに、第二塗布層用塗液の調製において、ラテックスバインダーをラテックスJに変更した以外は、実施例10と同様に支持体及びインクジェット記録材料を作成した。
実施例13
第一塗布層用塗液の調製において、ラテックスバインダーをラテックスK100部に、第二塗布層用塗液の調製において、ラテックスバインダーをラテックスL100部に変更した以外は、実施例12と同様に支持体及びインクジェット記録材料を作成した。
実施例14
第一塗布層用塗液の調製において、ラテックスバインダーをラテックスMに、第二塗布層用塗液の調製において、ラテックスバインダーをラテックスE60部に変更した以外は、実施例13と同様に支持体及びインクジェット記録材料を作成した。
実施例15
第一塗布層用塗液の調製において、顔料を白色度95%、平均粒子径0.7μmの重質炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、商品名:ソフトン3200)100部に、ラテックスバインダーをラテックスG100部に変更し、消泡剤、染料などの助剤を添加し、最終的に固形分濃度が60%の第一塗布層用塗液を調製した以外は、実施例10と同様に支持体及びインクジェット記録材料を作成した。
実施例16
第一塗布層用塗液の調製において、ラテックスバインダーをラテックスC200部に、第二塗布層用塗液の調製において、ラテックスバインダーをラテックスA40部に変更した以外は、実施例14と同様に支持体及びインクジェット記録材料を作成した。
実施例17
第一塗布層用塗液の調製において、ラテックスバインダーをラテックスC100部に、第二塗布層用塗液の調製において、ラテックスバインダーをラテックスB100部に変更した以外は、実施例9と同様に支持体及びインクジェット記録材料を作成した。
実施例18
第一塗布層用塗液の調製において、ラテックスバインダーをラテックスA60部に、第二塗布層用塗液の調製において、ラテックスバインダーをラテックスA40部に変更した以外は、実施例17と同様に支持体及びインクジェット記録材料を作成した。
実施例19
第一塗布層用塗液の調製において、ラテックスバインダーをラテックスA60部に、第二塗布層用塗液の調製において、ラテックスバインダーをラテックスB25部に変更した以外は、実施例18と同様に支持体及びインクジェット記録材料を作成した。
比較例9
第一塗布層用塗液の調製において、顔料の部数を10部に、ラテックスバインダーをラテックスGに変更し、第二塗布層用塗液調整において、顔料の部数を10部に変更した以外は、実施例5と同様に支持体及びインクジェット記録材料を作成した。
比較例10
第二塗布層用塗液の調製において、ラテックス部数を500部に変更した以外は、実施例8と同様に支持体及びインクジェット記録材料を作成した。
比較例11
第一塗布層用塗液の調製において、ラテックスバインダーをラテックスC100部に、第二塗布層用塗液の調製において、ラテックスバインダーをラテックスB25部に変更した以外は、実施例7と同様に支持体及びインクジェット記録材料を作成した。
比較例12
第一塗布層用塗液の調製において、ラテックスバインダーをラテックスF100部に、第二塗布層用塗液の調製において、ラテックスバインダーをラテックスB40部に変更した以外は、比較例11と同様に支持体及びインクジェット記録材料を作成した。
比較例13
第二塗布層用塗液の調製において、ラテックスバインダーをラテックスF40部に変更した以外は、比較例12と同様に支持体及びインクジェット記録材料を作成した。
比較例14
第一塗布層用塗液の調製において、顔料として白色度95%、平均粒子径0.7μmの重質炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、商品名:ソフトン3200)100部に、第二塗布層用塗液の調製において、ラテックス部数を200部に変更した以外は、実施例6と同様に支持体及びインクジェット記録材料を作成した。
比較例15
第一塗布層用塗液の調製において、ラテックスバインダーをラテックスB100部に、第二塗布層用塗液の調製において、ラテックスバインダーをラテックスC40部に変更した以外は、実施例14と同様に支持体及びインクジェット記録材料を作成した。
比較例16
第二塗布層用塗液の調製において、ラテックスバインダーをラテックスF40部に変更した以外は、比較例15と同様に支持体及びインクジェット記録材料を作成した。
比較例17平滑化処理を行わない以外は実施例10と同様に支持体及びインクジェット記録材料を作製した。
比較例18
支持体をRC支持体に変更した以外は実施例1同様にインクジェット記録材料を作製した。
比較例19
支持体を原紙Aに変更した以外は実施例1同様にインクジェット記録材料を作製した。
<評価方法>
実施例1〜19および比較例1〜19で得られた支持体について、コッブ吸水度、平滑性を測定した。塗布層を2層有する場合は、第一塗布層を形成した後についても評価した。更に、該支持体を使用したインクジェット記録材料について、印字後伸び率(コックリング)、写像性(平滑性)、光沢感、風合い、滲み、リサイクル性を以下に示す方法で評価し、表2に示した。印字は、市販のインクジェットプリンター(キャノン社製、商標:ip4200、印字モード:光沢紙標準)で行った。
−コッブ吸水度−
日本工業規格JIS P8140で規定される紙及び板紙−吸水度試験方法−コッブ法において、1m当たりに吸収された水の質量を測定した。試験面積は100cm、接触時間は120秒。
−平滑度−
J.TAPPI No.5b法で規定する王研式透気度平滑度計にて、平滑度を測定した。
−印字伸び率(コックリング)−
A4のインクジェット記録材料に横18cm×縦5cmのグリーンベタ印字を行い、印字2分後の横の長さ(Lcm)を測定し、伸び率を算出した{伸び率=(L−18)×100/L}。伸び率が大きいほどコックリングが悪い傾向であった。0.10%を超えるとコックリングがかなり目立ち、0.05%より小さいとコックリングは良好で、見た目ではRCとの違いが分からないレベルであった。
−写像性−
写像性は表面平滑性の指標である。本発明の写像性は写像性解析装置DIAS(Quality Engineering Associates,Inc.社製)を用いて測定した。
DIAS測定技術の基本概念は表面に鋭利なエッジを投影し、CCDなどの面または線ソリッドステート・センサーを用いてその反射像を捉えることである。このデジタル画像からエッジ拡散係数を求め、エッジ拡散係数から微分関数によってライン拡散関数(LSF)が求められ、写像性の指標となる。LSFの中高点の幅およびその逆数は優れた写像性指標である。中高点bの幅はぼやけ度として表され、その逆数はシャープ度としてmm−1で表される。シャープ度が高いほど表面写像性(平滑性)が高い。
−光沢感−
ISO−400の画像(「高精細カラーディジタル標準画像データISO/JIS−SCID」、p13、画像名称:果物かご)を印字し、印字部に対して横の角度から目視し、以下の3段階で評価した。
○:銀塩写真に近い光沢感。
△:印刷用紙並か以上の光沢感。
×:光沢感が低い。
−風合い−
発明のインクジェット記録材料を大人男女10人(男性5人、女性5人)が実際に手で取って触った感触を、銀塩写真と比較して、下記のように点数化した。
写真に近いレベル:3点、多少違和感はあるが、気にしないレベル:2点、違和感がある:1点、全く違うものである:0点
10人の評価点を足した数字を表に示した。
○:風合いは銀塩写真に近いレベルか、多少違いがあっても気にしないレベル
20〜30点
△:風合いは銀塩写真と違って、違和感があるレベル。10〜19点
×:全く違うものである。0〜9点
−画像滲み−
インクジェット記録材料を35℃、85%の高温高湿条件で24時間調湿後、そのまま条件下でISO−400の画像(「高精細カラーディジタル標準画像データISO/JIS−SCID」、p13、画像名称:果物かご)を印字した。印字直後に同じ記録材料の裏面と印字された面を重ね、300gの重しを乗せ、そのままの高温高湿条件にて3日間放置後、画像を観察した。
○:画像の滲みがなく良好。
△:画像の滲みが少なく、実用上問題ないレベル。
×:画像の滲みが悪い。
−リサイクル性−
一般塗工紙と同様に、本発明の支持体をアルカリ水溶液中で叩解し、再離解可能かどうかを調べた。再生紙にする可能性を下記の基準で評価した。
○:塗工紙と同レベルで再生紙にすることが可能。
△:再離解が難しく、普通のパルプに少量添加なら再生紙にすることが可能。
×:再離解不可。
Figure 0005119479
表2から明らかなように、本発明で規定する画像形成層塗布面のコッブ吸水度と王研式平滑度を満足する支持体は、RC支持体を用いたインクジェット記録材料と同等レベルのコックリング、平滑性・光沢感、風合いを有し、且つRC支持体を用いた場合の滲みも解決したインクジェット記録材料を提供することができる。

Claims (5)

  1. 原紙の画像形成層を設ける側の表面に、原紙に最も近い側から第一塗布層、第二塗布層を少なくとも有するインクジェット記録材料用支持体において、該第一及び第二塗布層は少なくとも顔料とラテックスバインダーを含有し、該第一塗布層のラテックスバインダーが耐水性ラテックスであり、且つ、前記画像形成層被塗布面の、JIS P8140で規定される吸水度試験(接触時間120秒)におけるコッブ吸水度が0.5g/m以上、2.0g/m以下であり、且つ、J.TAPPI No.5b法で規定する王研式平滑度が、2000秒以上であることを特徴とするインクジェット記録材料用支持体。
  2. 第一塗布層のラテックスバインダーが、アクリルスチレン系共重合体及びスチレンブタジエン系共重合体より選択される少なくとも1種の耐水性ラテックスである請求項記載のインクジェット記録材料用支持体。
  3. 原紙の画像形成層を設ける側の表面に、原紙に最も近い側から第一塗布層、第二塗布層を少なくとも有するインクジェット記録材料用支持体の製造方法において、第一塗布層を、顔料と、ラテックスバインダーとして耐水性ラテックスを含有する塗布液を塗布乾燥し、該塗布層表面のJIS P8140で規定される吸水度試験(接触時間120秒)におけるコッブ吸水度が0.5g/m以上、10g/m以下となるように形成し、第二塗布層を、該塗布層表面のJIS P8140で規定される吸水度試験(接触時間120秒)におけるコッブ吸水度が0.5g/m以上、2.0g/m以下となるように形成することを特徴とするインクジェット記録材料用支持体の製造方法。
  4. 原紙の画像形成層を設ける側の表面に、原紙に最も近い側から第一塗布層、第二塗布層を少なくとも有するインクジェット記録材料用支持体の製造方法において、第一塗布層を、顔料と、下記条件を満足するラテックスバインダーを含有する塗布液を塗布乾燥し、該塗布層表面のJIS P8140で規定される吸水度試験(接触時間120秒)におけるコッブ吸水度が0.5g/m 以上、10g/m 以下となるように形成し、第二塗布層を、該塗布層表面のJIS P8140で規定される吸水度試験(接触時間120秒)におけるコッブ吸水度が0.5g/m 以上、2.0g/m 以下となるように形成することを特徴とするインクジェット記録材料用支持体の製造方法。
    〔ラテックスの条件〕
    PETフィルムにラテックスバインダーのみを塗布量(乾燥固形分)10g/m となるようにバーにより塗布し、80℃の温風で10分間乾燥し、塗膜を形成する。室温に放置後、液温20℃の蒸留水をスポイドを用いて0.03ml垂らして、塗膜が白濁(白化)するかどうかを目視で確認する。そして、白濁(白化)が1分以上経っても生じないラテックスを使用する。
  5. 請求項1〜2のいずれか一項に記載の支持体上に、気相法シリカ、アルミナ水和物、擬ベーマイト、酸化アルミナから選ばれる少なくとも一種を含有する画像形成層を設けてなる、インクジェット記録材料。
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