JP5119441B2 - 水溶性加工液のリサイクル方法、水溶性加工液のリサイクル装置、含油排水の処理方法および含油排水の処理装置 - Google Patents

水溶性加工液のリサイクル方法、水溶性加工液のリサイクル装置、含油排水の処理方法および含油排水の処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、油分解性微生物を用いた水溶性加工液のリサイクル方法に関する。
環境問題に対する関心は近年急速に高まりつつあり、企業の生産活動などにも環境負荷に対する考慮が求められるようになっている。特に機械加工の分野においては切削油剤や研削液といった加工液の使用による作業環境の悪化や、加工液の廃棄による環境負荷が問題となっている。このため、機械加工で使用される加工液は、不水溶性から水溶性へ、また水溶性加工液でもエマルジョンタイプからソリューブル、ソリューションタイプへ移行する傾向があるといわれている(冨田進、JIS改正後の切削油剤の現状と課題、機械技術、50−12(2002)、p.17−20)。
水溶性加工液が抱える問題の一つとして廃液処理があげられる。水中に油分が微粒子分散した水中油型の乳化油又は可溶化油は、機械加工等の各種産業で広く利用されている。これら含油溶液の使用後に適切な処理をせずに放水すると、海洋、河川の水質汚濁により人々の健康や鳥類、魚介類に致命的な影響を与えかねない。含油排水には油分のほかに界面活性剤が含まれているため、油分は分離せずに安定なエマルジョンを形成している場合が多い。
エマルジョン排水中の油分を分離する従来の技術として、ろ過、遠心分離などの機械的分離法、膜分離、超音波、加熱、冷却、凝集、光触媒などを使用した物理的または化学的方法、および微生物を利用した方法がある。特によく用いられる水溶性加工液の廃液処理法としては、焼却法や凝集沈殿法などがある(安井秀樹、切削油剤の基礎知識および実践的選定・管理技術、機械技術、50−12(2002)、p.21−28)。
しかしながら、上記文献記載の従来技術は、以下の点で改善の余地を有していた。
最も広く利用されている含油排水処理法である凝集沈殿法は、処理工程中にpH調整が複雑に組み込まれているため、管理の複雑さや装置が大型になるなど課題が多い。また、膜分離法は、膜の目詰まりによって分離効率が落ちやすく、それを防ぐための装置の維持管理が非常に複雑であるうえに、一部の油滴が膜を通過するなどの課題がある。ろ過や遠心分離による機械的分離方法及び超音波などの物理的分離方法は、油分の分散粒子径が小さくなると油分の分離が困難になる。さらに、光触媒法や微生物を使用する方法では油分の分解に非常に長時間を要するという課題がある。加えて、工作機械等から排出される含油排水は、有機物、無機物および油分が混在する複雑組成で、従来法による処理ではCODおよびn−ヘキサン値等を排水可能な基準値まで下げることは難しい。
そのため、凝集沈殿法により使用済み加工液を排水可能なレベルまで処理するには多くの手間と時間が必要となる。また、焼却法は焼却時に発生する窒素酸化物や硫黄酸化物、炭酸ガス等による環境汚染が指摘されている。このため、事業所等で発生した水溶性加工液の処理には1リットルあたり数十円程度の費用がかかり、加工コストを引き上げる要因となっている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、含油排水を処理して油分を効率よく分離する技術を提供することを目的としている。また、本発明の別の目的は、該技術に使用する油分解性を有する微生物を提供することである。
本発明によれば、鉱物油を含む使用済み水溶性加工液を、油分解性微生物により37℃以上60℃以下、嫌気性の条件で処理するステップと、微生物による処理を経た使用済み水溶性加工液を、鉱物油をゲル状に凝固させる油凝固剤により処理して使用済み水溶性加工液中の油剤を少なくとも一部凝固させて除去するステップと、油剤が少なくとも一部除去された使用済み水溶性加工液を、油分解性微生物および油分解性微生物を担持する活性炭からなる生物活性炭により処理するステップと、を含むことを特徴とする使用済み水溶性加工液のリサイクル方法が提供される。
この方法によれば、使用済み水溶性加工液を油分解性微生物により37℃以上60℃以下、嫌気性の条件で処理して使用済み水溶性加工液中のエマルジョンを不安定化させることができる。その結果、鉱物油をゲル状に凝固させる油凝固剤により処理することにより、油分解性微生物により不安定化されたエマルジョンの一部を凝固して除去することができる。そして、油分解性微生物を含む生物活性炭により残存するエマルジョンを吸着除去することにより、油分を効率よく分離して使用済み水溶性加工液をリサイクルすることができる。
本発明によれば、鉱物油を含む使用済み水溶性加工液を、油分解性微生物により37℃以上60℃以下、嫌気性の条件で処理する微生物処理槽と、微生物による処理を経た使用済み水溶性加工液を、鉱物油をゲル状に凝固させる油凝固剤により処理して使用済み水溶性加工液中の油剤を少なくとも一部凝固させて除去する油凝固除去槽と、油剤が少なくとも一部除去された使用済み水溶性加工液を、油分解性微生物および油分解性微生物を担持する活性炭からなる生物活性炭により処理する生物活性炭処理槽と、を含むことを特徴とする使用済み水溶性加工液のリサイクル装置が提供される。
この構成によれば、使用済み水溶性加工液を油分解性微生物により37℃以上60℃以下、嫌気性の条件で処理して使用済み水溶性加工液中のエマルジョンを不安定化させることができる。その結果、鉱物油をゲル状に凝固させる油凝固剤により処理することにより、油分解性微生物により不安定化されたエマルジョンの一部を凝固して除去することができる。そして、油分解性微生物を含む生物活性炭により残存するエマルジョンを吸着除去することにより、油分を効率よく分離して使用済み水溶性加工液をリサイクルすることができる。
本発明によれば、含油排水を油分解性微生物により処理するステップと、この微生物による処理を経たこの含油排水を生物活性炭により処理するステップと、を含むことを特徴とする含油排水の処理方法が提供される。
この方法によれば、油分解性を有する微生物および生物活性炭を組み合わせて使用するため、含油排水を処理して油分を効率よく分離することができる。
本発明によれば、含油排水を油分解性微生物により処理するステップと、この微生物による処理を経たこの含油排水を油凝固剤により処理してこの含油排水中の油剤を少なくとも一部凝固させて除去するステップと、この油剤が少なくとも一部除去されたこの含油排水を生物活性炭により処理するステップと、を含む含油排水の処理方法が提供される。
この方法によれば、油分解性を有する微生物、油凝固剤および生物活性炭を組み合わせて使用するため、含油排水を処理して油分を効率よく分離することができる。
本発明によれば、含油排水を油分解性微生物により処理する微生物処理槽と、この微生物による処理を経たこの含油排水を生物活性炭により処理する生物活性炭処理槽と、を含むことを特徴とする含油排水の処理装置が提供される。
この構成によれば、油分解性を有する微生物および生物活性炭を組み合わせて使用するため、含油排水を処理して油分を効率よく分離することができる。
本発明によれば、含油排水を油分解性微生物により処理する微生物処理槽と、この微生物による処理を経たこの含油排水を油凝固剤により処理してこの含油排水中の油剤を少なくとも一部凝固させて除去する油凝固除去槽と、この油剤が少なくとも一部除去されたこの含油排水を生物活性炭により処理する生物活性炭処理槽と、を備える含油排水の処理装置が提供される。
この構成によれば、油分解性を有する微生物、油凝固剤および生物活性炭を組み合わせて使用するため、含油排水を処理して油分を効率よく分離することができる。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を再生水の製造方法、水のリサイクル方法、含油排水の処理システム、微生物、添加剤などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、油分解性を有する微生物および生物活性炭を組み合わせて使用するため、含油排水を処理して油分を効率よく分離することができる。
実施の形態に係る水資源回収方法を説明するフローチャートである。 実施の形態に係る水資源回収方法に用いる油分解性微生物の顕微鏡写真である。 実施の形態に係る水資源回収システムの構成を模式的に説明する概念図である。 実施の形態に係る水資源回収システムにおいて、使用済みの熱間鍛造用水溶性離型剤を容器内で昇温状態に数日間保ち微生物を発生させる様子を示した図である。 実施の形態に係る水資源回収システムにおいて、微生物を含む水溶性加工液を昇温状態に保持したときの溶液の変化の様子を示した図である。 実施の形態に係る水資源回収システムにおいて、微生物処理した水溶性加工液から油相を除去し得られる溶液及び該溶液を鉱油ゲル化凝固剤により処理した溶液の様子を示す図である。 実施の形態に係る水資源回収システムにおいて、油分解性を有する微生物、鉱油ゲル化凝固剤および活性炭の組み合わせにより処理して得た水相の様子を示す図である。 実施の形態に係る水資源回収システムによる水溶性切削油の処理(前処理)の様子を示す図である。 実施の形態に係る水資源回収システムにおいて、微生物を添加すると油分解が加速されることを示すグラフである。 実施の形態に係る水資源回収システムによる水溶性切削油の処理(生物活性炭処理)の様子を示す図である。 実施の形態に係る水資源回収システムによる水溶性黒鉛の処理(前処理)の様子を示す図である。 実施の形態に係る水資源回収システムによる水溶性黒鉛の処理(生物活性炭処理)の様子を示す図である。 実施例1に係る水溶性加工液代謝システムの構成を模式的に示す概念図である。 実施例1に係る水溶性加工液代謝システムとMQL加工との油剤使用量の比較を示すグラフである。 実施例1に係る水溶性加工液代謝システムの水資源回収フローを説明するためのフローチャートである。 実施例1に係る水溶性加工液代謝システムによる水溶性黒鉛の処理例の様子を示す図である。 実施例1に係る水溶性加工液代謝システムによる水溶性切削油の処理例および再生水の利用可能性の評価の様子を示す図である。 実施例1に係る水溶性加工液代謝システムによる油分の分解に対する微生物の添加効果を説明するためのグラフである。 実施例2に係る水溶性加工液代謝システムによるエマルジョンタイプの水溶性切削液の処理例の様子を示す図である。 実施例2に係る水溶性加工液代謝システムにより再生された再生水の性能を評価するための水溶性黒鉛の付着性試験結果を示す図である。 実施例2に係る水溶性加工液代謝システムにより再生された再生水の性能を評価するためのリング圧縮試験によって得られた水溶性黒鉛離型剤の摩擦係数を示すグラフである。 使用済み水溶性加工液が発生する製造現場の様子を模式的に示した概念図である。 使用済み水溶性加工液を燃焼法により処理すると環境負荷が大きいことを説明するための概念図である。 使用済み水溶性加工液を凝集沈殿法により処理すると排水規制値のクリアが困難であることを説明するための図であり、安井秀樹著、「現場に役立つ油剤技術の話」、機械技術、2003年刊、p.82−83より引用したものである。 細菌群TE−1から微生物を単離する方法について説明する図である。 微生物による水溶性加工液の油分分離と温度との関係について調べた結果を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
<実施の形態1>
本実施の形態は、水溶性切削液等の水溶性油剤を使用した後のエマルジョン排水の浄化処理に対して有用な処理方法及び該処理に使用する微生物に関する。
実施の形態に係る水資源回収方法(含油排水の処理方法)は、現場から発生する使用済みの水溶性加工液(含油排水)を油分解性微生物により処理するステップと、微生物による処理を経た使用済みの水溶性加工液を生物活性炭により処理するステップと、を含む水資源回収方法である。
実施の形態に係る水資源回収方法は、微生物による処理を経た含油排水を油凝固剤により処理して含油排水中の油剤を少なくとも一部凝固させて除去するステップをさらに含んでもよい。このとき、生物活性炭により処理するステップは、少なくとも一部油剤が除去された含油排水を生物活性炭により処理することになる。油凝固剤は、鉱物油をゲル状に凝固させる性質を有していてもよい。このとき、実施の形態に係る水資源回収方法は、油凝固剤による処理により生成する凝固物を除去するステップをさらに含んでいてもよい。
上記の油分解性微生物は、菌群名TE−1(第三者機関への寄託菌群)からなる菌群を含んでもよい。この菌群は、少なくとも3種類の微生物種を含んでいる。3種類のうち1種類は、グラム陰性桿菌であるPseudomonas aeruginosaの油分解性を示す菌株(TE−115、特許生物寄託センター寄託済、寄託日平成18年2月20日、受託番号FERM BP−10529)である。別の1種類は、同様にグラム陰性桿菌であるAchromobacter xylosoxidansの油分解性を示す菌株(TE−63、特許生物寄託センター寄託済、寄託日平成18年2月20日、受託番号FERM BP−10528)である。さらに別の1種類は、同様にグラム陰性桿菌であるPasteurella multocidaの油分解性を示す菌株(TE−127、特許生物寄託センター寄託済、寄託日平成18年2月20日、受託番号FERM BP−10530)である。この菌群名TE−1(第三者機関への寄託菌群)からなる菌群は、工場現場の使用済みの水溶性加工液中から採取されてきた菌群である。
この菌群名TE−1(第三者機関への寄託菌群)からなる菌群は、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターにおける受託拒否(受託拒否証明書発行日平成17年2月23日)を受けたことから第三者機関への寄託菌群として、鳥取県衛生環境研究所の保健衛生室に保存されている。この菌群名TE−1(第三者機関への寄託菌群)からなる菌群の分譲を希望する者は、鳥取県衛生環境研究所の保健衛生室の石田室長に連絡することにより、分譲を受けることができる。鳥取県衛生環境研究所の連絡先は、住所:〒682−0704 鳥取県東伯郡湯梨浜町南谷526−1、TEL:0858−35−5411、FAX:0858−35−5413、Mail:eiseikenkyu@pref.tottori.jpである。
上記の含油排水は、鉱物油を含んでいてもよく、この場合、上記の油分解性微生物は、鉱物油を分解する微生物を用いる。なお、本発明者らにより、上記の菌群名TE−1(自己寄託菌群)からなる菌群は、後述するように、鉱物油を分解する性質を有することが確認されている。
上記の含油排水は、水と、水溶性油剤とを含有するエマルジョンを含んでもよい。また、上記の生物活性炭は、油分解性微生物と、油分解性微生物を担持する活性炭とを含んでもよい。もっとも、生物活性炭に担持される微生物は、油分解性微生物ではない、通常の微生物であってもよい。既に油分解性微生物により、油はある程度分解されており、通常の微生物を担持する生物活性炭による処理によっても、効率的な排水処理が可能である。
上記の微生物による処理は、37℃以上、嫌気性の条件で行われてもよい。この条件によれば、後述するように、上記の菌群名TE−1(自己寄託菌群)からなる菌群が良好に生育し、油分解性が向上することを、本発明者らは確認している。
上記の菌群については、水溶性加工液を処理するために用いる添加剤であって、上記の菌群を含む微生物と、この微生物の栄養培地と、を含む添加剤としての形態で用いることができる。つまり、このような添加剤として、水溶性加工液を油分解性微生物により処理するステップにおいて用いることができる。
図1は、実施の形態に係る水資源回収方法を説明するフローチャートである。
実施の形態に係る水資源回収方法では、まず、使用済みの水溶性加工液を回収する(S102)。次いで、使用済みの水溶性加工液から、切り屑、スラッジ、鉱物油以外の他の種類の油などを分離する(S104)。
次いで、前処理として、微生物により油分を分解させて使用済みの水溶性加工液内のエマルジョンを不安定化させる(S106)。そして、使用済みの水溶性加工液内に鉱物油をゲル状に凝固させる油凝固剤を投入して、油剤成分の粗分離を行う(S108)。このとき、凝固物はメッシュなどにより濾過して固体成分を分離除去する(S110)。
続いて、油剤成分の粗分離処理を経た使用済みの水溶性加工液を生物活性炭処理する(S112)。その後、生物活性炭処理して得られる水分を回収する(S114)。このとき、後述する実施例1によれば、水分の回収率は90%以上となる。また、水溶性加工液の残りの油分については、固体である活性炭に固定化される(S116)。
図2は、実施の形態に係る水資源回収方法に用いる油分解性微生物の顕微鏡写真である。このように、菌群名TE−1(自己寄託菌群)からなる菌群に含まれるグラム陰性桿菌は、長さ数μm(2〜3μm程度が多い)程度の棒状の形状をしている。
図3は、実施の形態に係る水資源回収システムの構成を模式的に説明する概念図である。この水資源回収システム1000(含油排水の処理装置)では、オペレータ101が、NC旋盤などの切削加工機102を操作して、ピストンなどの金属部品104を加工している。金属部品104の加工の際には、加工の精度および操作性を向上させるために、o/w(オイルインウォーター)タイプのエマルジョンを含む水溶性加工液106が切削油として用いられている。
金属部品104を加工する際に飛散した水溶性加工液106は、現場の床面108に落下して液溜まりを形成する。水溶性加工液106の液溜まりは、床面108の低い箇所に設けられている排水管110を介して廃液槽112に流入する。なお、排水管110の上下の開口部にはメッシュが設けられており、切り屑、スラッジ、金属部品などの混入を抑制している。
廃液槽112内には、流入した水溶性加工液114が溜まっている。廃液槽112に溜まっている水溶性加工液114には、鉱物性油剤の集合体116(微小な液滴)が多数含まれており、全体としてエマルジョンを形成している。また、廃液槽112の底部には、切り屑、スラッジ、金属部品などの固形物118が沈殿している。
廃液槽112の水溶性加工液114は、連通管120を介して微生物処理槽122に流入する。なお、連通管120の前後の開口部にはメッシュが設けられており、切り屑、スラッジ、金属部品などの固形物118の混入を抑制している。微生物処理槽122内には、流入した水溶性加工液124が溜まっている。微生物処理槽122の内部は、温度37℃以上、嫌気性の条件に制御されている。微生物処理槽122内に溜まっている水溶性加工液124には、鉱物性油剤の集合体128(微小な液滴)が含まれており、全体としてエマルジョンを形成している。また、水溶性加工液124には、菌群名TE−1(自己寄託菌群)からなる菌群130が含まれている。この菌群130は、鉱物性油剤の集合体128(微小な液滴)を分解し、エマルジョンを不安定化する。その結果、水溶性加工液124の上層には、分離した油層126が形成されている。
微生物処理槽122の水溶性加工液124は、連通管132を介して油凝固除去槽134に流入する。なお、連通管132の上下の開口部にはメッシュが設けられており、切り屑、スラッジ、金属部品などの固形物の混入を抑制している。油凝固除去槽134内には、流入した水溶性加工液136が溜まっている。油凝固除去槽134には、油凝固剤格納槽140が付設されている。油凝固剤144は、油凝固剤格納槽140から連通管142を介して油凝固除去槽134内部に投入される。油凝固除去槽134内に溜まっている水溶性加工液136に含まれる油剤成分は、油凝固剤144と反応して凝固してゲル状の固形物138となり、油凝固除去槽134の液層表面に浮上分離する。一般には、油凝固剤144は水より軽いためである。
油凝固除去槽134の水溶性加工液136は、連通管146を介して生物活性炭処理槽148に流入する。なお、連通管146の前後の開口部にはメッシュが設けられており、溶性加工液136に含まれる油剤成分と油凝固剤144とが反応してなる凝固物などのゲル状の固形物138の混入を抑制している。生物活性炭処理槽148内部には、生物活性炭150が充填されている。生物活性炭150は、菌群名TE−1(自己寄託菌群)からなる菌群と、この菌群130を担持する活性炭とを含む。生物活性炭処理槽148に流入した水溶性加工液136は、生物活性炭150を通過することにより、菌群名TE−1(自己寄託菌群)からなる菌群により油分および有機物を分解され、活性炭の細孔表面において油分および有機物が疎水性吸着される。そのため、水溶性加工液136は、生物活性炭150を通過することにより、BODおよびCODが著しく低下し、排水基準値を下回る清澄な排水となる。
清澄な排水は、連通管152を介して清澄排水槽154に流入する。なお、連通管152の上下の開口部にはメッシュが設けられており、生物活性炭150の混入を抑制している。清澄排水槽154に溜まっている清澄な排水156は、条例などで定められる排水基準を下回る各検査項目をクリアしているか否かを検査される。検査の結果、排水が許可されると、清澄排水槽154内の清澄な排水156は、排水管158を介して、工場外部の河川160などに放出される。なお、排水管158の前後の開口部にはメッシュが設けられており、工場外部からの異物の混入を抑制している。
こうして河川に放出された清澄な排水156は、条例などで定められる排水基準を下回る各検査項目をクリアしているため、人間162および魚164などの自然界の生物に悪影響を与えることが少ない。そのため河川に放出された清澄な排水156は、環境を汚染することが少ない。
なお、上記のプロセスは、説明の都合上連続処理によるプロセスとして記載したが、特に連続プロセスに限定するものではない。例えば、個々の単位操作をバッチ処理により行っても同様の作用効果が得られる。
<実施の形態2>
本実施の形態は、水溶性切削液等の水溶性油剤を使用した後の使用済み水溶性加工液のリサイクル方法およびリサイクル装置に関する。なお、本実施の形態で特に説明しない点については、実施の形態1の場合と同様であるものとする。
本実施の形態に係る使用済み水溶性加工液のリサイクル方法は、鉱物油を含む使用済み水溶性加工液を、Pseudomonas属の油分解性微生物により37℃以上60℃以下、嫌気性の条件で処理するステップを含む。Pseudomonas属の油分解性微生物としては、例えばPseudomonas aeruginosaのうち油分解性を示す菌株(TE−115、特許生物寄託センター寄託済、寄託日平成18年2月20日、受託番号FERM BP−10529)などを
好適に用いうる。
このとき、水溶性加工液を油分解性微生物により処理するときの温度条件は、37℃以上であり、好ましくは40℃以上であり、特に好ましくは45℃以上である。また、この温度条件は、60℃以下であり、好ましくは55℃以下である。この温度条件が上述の下限以上であると、油分解性微生物による水溶性加工液中のエマルジョンの不安定化の速度(油分解速度)が向上する。一方、この温度条件が上述の上限以下であると、水溶性加工液中の油分解性微生物の菌数の減少速度を抑制することができる。
また、この使用済み水溶性加工液のリサイクル方法は、微生物による処理を経た使用済み水溶性加工液を、鉱物油をゲル状に凝固させる油凝固剤により処理して使用済み水溶性加工液中の油剤を少なくとも一部凝固させて除去するステップを含む。さらに、この使用済み水溶性加工液のリサイクル方法は、油剤が少なくとも一部除去された使用済み水溶性加工液を、Pseudomonas属の油分解性微生物および油分解性微生物を担持する活性炭からなる生物活性炭により処理するステップを含む。
また、この使用済み水溶性加工液のリサイクル方法は、バッチ処理により実行されてもよい。このようにバッチ処理すれば、使用する水量が少量ですみ、さらに水を加熱して37℃以上60℃以下に保温するプロセスの時間を短縮することができるため、エネルギー消費の面で有利である。なお、この使用済み水溶性加工液のリサイクル方法は、バッチ処理に比べればエネルギー的に不利ではあるが、連続処理により行ってもよい。
さらに、上述の油分解性微生物により処理するステップは、使用済み水溶性加工液にPseudomonas属の油分解性微生物を1×10の5乗細胞/ml以上の濃度となるように埴菌するステップを含んでもよい。このとき、油分解性微生物の濃度は、1×10の5乗細胞/ml以上であり、好ましくは1×10の6乗細胞/ml以上であり、特に好ましくは1×10の7乗細胞/ml以上である。この油分解性微生物の濃度がこれらの下限以上の場合には、油分解性微生物による水溶性加工液中のエマルジョンの不安定化の速度(油分解速度)が向上する。
なお、上述の実施形態2では、Pseudomonas属の油分解性微生物を用いたが、特にPseudomonas属に限定する趣旨ではなく、Achromobacter属またはPasteurella属の油分解性微生物も同様に好適に用いうる。この場合、Achromobacter属の油分解性微生物としては、例えばAchromobacter xylosoxidansの油分解性を示す菌株(TE−63、特許生物寄託センター寄託済、寄託日平成18年2月20日、受託番号FERM BP−10528)などを好適に用いうる。また、Pasteurella属の油分解性微生物としては、例えばPasteurella multocidaの油分解性を示す菌株(TE−127、特許生物寄託センター寄託済、寄託日平成18年2月20日、受託番号FERM BP−10530)などを好適に用いうる。
以下、図面を用いて、上述の実施形態1および2に係る水資源回収方法により水溶性加工液から油分を効率よく分離することができる原理を、発明完成に至った研究の経緯に触れつつ説明する。なお、以下の現象は、いずれも本発明者らが初めて見いだした現象である。
図4は、実施の形態に係る水資源回収システムにおいて、使用済みの熱間鍛造用水溶性離型剤を容器内で昇温状態に数日間保ち微生物を発生させる様子を示した図である。図4の左側の瓶に示した使用済みの熱間鍛造用水溶性離型剤を容器内で昇温状態に数日間保つと、図4の右側の瓶に示すように離型剤中の黒鉛が沈殿するとともに、水相中には刺激臭を放つ微生物が発生する。
本発明者は、この微生物について調べたところ、上述の離型剤中に発生した微生物を水溶性加工液等の含油排水中に加え、容器内で昇温状態に数日間保つと、後述するように、排水中の油分は安定したエマルジョンを形成できなくなることを、見いだした。つまり、エマルジョン破壊が生じることを、本発明者は見いだした。さらに、本発明者は、微生物によりエマルジョン破壊を生じさせた含油排水中の油分は、高分子ポリマーを主成分とした鉱油ゲル化凝固剤の投入により、pHおよび温度調整なしに簡単に吸着除去できることを見いだした。
また、本発明者は、鉱油ゲル化凝固剤により油分を吸着除去した排水を、そのまま室温で活性炭処理することにより、一般の下水道へ排水可能な水相が得られることを見いだした。さらに、本発明者は、この微生物について調べたところ、上記の菌群名TE−1(自己寄託菌群)からなる菌群を含むことを見いだした。
図5は、実施の形態に係る水資源回収システムにおいて、微生物を含む水溶性加工液を昇温状態に保持したときの溶液の変化の様子を示した図である。この実験では、エマルジョンタイプの水溶性加工液の20倍希釈液に、使用済みの熱間鍛造用水溶性離型剤を容器内で昇温状態に保持し発生させた微生物を水相とともに数滴加えた。その後、微生物を含む水溶性加工液を40℃に調温したホットプレート上に乗せ、アクリル製容器でホットプレートを囲った状態で保持した。
微生物を含む水溶性加工液の変化の様子を図5に示す。昇温状態に保持することにより加工液の色は白色→淡黄色→白色に変化し、淡黄色を経た後に白色に変化した加工液の透明度は初期の加工液に比べて明らかに劣化した。エマルジョン水の透明度が劣化する一般的な原因は、エマルジョン径が大きくなりエマルジョンが不安定になることにあり、明らかに添加した微生物は含油排水中のエマルジョンを不安定にする能力を有していた。
また、14日間昇温状態に保持した水溶性加工液の水面付近には油分である茶色の相が分離しており、微生物は含油排水の油水分離を促進させる効果も有していた。
図6は、微生物によりエマルジョン破壊を起こした水溶性加工液から水面近くに分離する油相を除去して得られる溶液及び該溶液に鉱油ゲル化凝固剤を過剰量加えて室温で20分攪拌後ろ過して得た溶液の様子を示す。鉱油ゲル化凝固剤で処理することにより、溶液の白濁が薄れ透明感のある液に変化する。それとともに溶液の油臭が消え、鉱油ゲル化凝固剤により微生物処理を行った含油排水中の油分を分離除去できた。
図7は、微生物処理及び鉱油ゲル化凝固剤処理により得た溶液を活性炭カラムへ通過させた後の溶液の様子を示す。活性炭カラムを通過させることにより、溶液は無色透明、無味無臭の水相に変化し、含油排水の油水分離が達成された。
図8は、実施の形態に係る水資源回収システムによる水溶性切削油の処理(前処理)の様子を示す図である。このように、見かけの油層割合により評価したところ、菌群名TE−1(自己寄託菌群)からなる菌群を含む微生物を添加すると油分解は著しく加速されることがわかった。
図9は、実施の形態に係る水資源回収システムにおいて、微生物を添加すると油分解が加速されることを示すグラフである。図8における実験結果をグラフにまとめたところ、見かけの油層割合による評価では、菌群名TE−1(自己寄託菌群)からなる菌群を含む微生物を添加すると油分解は2〜3倍に加速されることがわかった。
図10は、実施の形態に係る水資源回収システムによる水溶性切削油の処理(生物活性炭処理)の様子を示す図である。図8における実験により得られたエマルジョンの破壊された水溶性加工液を吸油性ゲル化凝固剤により処理すると、図10(A)に示すように、油剤がゲル状に凝固して浮上分離する。その後、図10(B)に示すように、得られた上清を生物活性炭処理すると、清澄な排水が得られる。この清澄な排水に水溶性切削油を改めて添加すると、図10(C)に示すように、再エマルジョン化するため、リサイクル可能な水資源の代謝システムが成立することになる。
一方、微生物によりエマルジョンを破壊する代わりに、図10(D)に示すように、エマルジョンブレーカ(無機塩)によりエマルジョンを破壊し、その後活性炭処理をした場合にも、清澄な排水が得られる。しかし、エマルジョンブレーカーの添加により得られた清澄な排水は硬水化している。そのため、この清澄な排水に水溶性切削油を改めて添加しても、再エマルジョン化せず、代謝システムは成立しない。
実施の形態に係る水資源回収システムによる水溶性黒鉛の処理(前処理)の様子を示す図である。上記の水溶性切削油の代わりに、水溶性黒鉛を用いて、同様の前処理の実験を行った。このとき、図11(A)〜図11(E)に示すように、上記の水溶性切削油の場合と異なり、菌群名TE−1(自己寄託菌群)からなる菌群を含む微生物を添加しても外観上は特に大きな違いはみあたらない。
図12は、実施の形態に係る水資源回収システムによる水溶性黒鉛の処理(生物活性炭処理)の様子を示す図である。上記の水溶性切削油の代わりに、水溶性黒鉛を用いて、同様の生物活性炭処理の実験を行った。このとき、図12(A)〜図12(B)に示すように、上記の水溶性切削油の場合と同様に、菌群名TE−1(自己寄託菌群)からなる菌群を含む微生物を添加他場合には、生物活性炭処理後の排水の清澄度が著しく向上した。
以下、実施の形態1および2の水資源回収システムの作用効果について説明する。
実施の形態の水資源回収システムでは、油分解性を有する微生物、鉱油ゲル化凝固剤および活性炭の組み合わせにより処理して得た水相の水質分析結果は、図12(C)に示すように、得られた清澄な排水の水質は、充分に排水可能な水質であった。すなわち、実施の形態の水資源回収システムによれば、含油排水のpH調整や複雑な温度管理を必要としないでエマルジョンを破壊し、排水可能な基準値レベルまで油分を効率よく分離する方法を得ることができる。
同様に、実施の形態の水資源回収方法についても、得られた水相の水質分析結果は、図12(C)に示すように、いずれの分析項目も排水基準値をクリアしている。つまり、油分解性を有する微生物、鉱油ゲル化凝固剤および活性炭を組み合わせた含油排水処理法は、排水のpH調整や複雑な温度管理を必要としないでエマルジョンを破壊し、排水可能な基準値レベルまで油分を効率よく分離する能力を有している。よって、実施の形態の水資源回収方法は、油分解性を有する微生物および生物活性炭を組み合わせて使用することにより含油排水を処理して油分を効率よく分離することができる。
同様に、実施の形態の水資源回収システムに用いた菌群名TE−1(自己寄託菌群)からなる菌群についても、得られた水相の水質分析結果は、図12(C)に示すように、いずれの分析項目も排水基準値をクリアしている。つまり、菌群名TE−1(自己寄託菌群)からなる菌群を含む微生物、鉱油ゲル化凝固剤および活性炭を組み合わせた含油排水処理法は、排水のpH調整や複雑な温度管理を必要としないでエマルジョンを破壊し、排水可能な基準値レベルまで油分を効率よく分離する能力を有している。よって、菌群名TE−1(自己寄託菌群)からなる菌群は、油分解性を有する微生物および生物活性炭を組み合わせて使用することにより含油排水を処理して油分を効率よく分離する技術に好適に用いることができる。
そして、本方法に必要となる微生物は、上記の実験データにより示したように、使用済みの熱間鍛造用水溶性離型剤を容器内で昇温状態に数日間保つことにより得ることができる。すなわち、実施の形態の水資源回収システムに用いる油分解性微生物は、菌群名TE−1(自己寄託菌群)からなる菌群を含む微生物に限定されず、上記の方法で得られる他の種類の油分解性微生物であってもよい。油分解性微生物であれば、菌群名TE−1(自己寄託菌群)からなる菌群を含む微生物と同様に、油剤を分解してエマルジョンを不安定化することができるためである。
また、本実施形態によれば、従来の処理法では達成することが困難であった処理水中のCODおよびn−ヘキサン値濃度を排水基準値のレベル以下に下げることが可能であり、含油排水、特に鉱油を含む排水の浄化方法として広く利用されることが期待される。
さらに、本実施形態によれば、従来エマルジョン水の処理に広く用いられてきた塩化アルミニウムや塩化マグネシウム等のエマルジョンブレーカーを使用しないことから処理水が硬水化せず、本発明の方法により得た処理水は水溶性加工液の希釈液としても十分使用可能となり、水資源保護の観点からも期待できる。
また、本実施形態によれば、使用済み水溶性加工液を油分解性微生物により37℃以上60℃以下、嫌気性の条件で処理して使用済み水溶性加工液中のエマルジョンを不安定化させることができる。その結果、鉱物油をゲル状に凝固させる油凝固剤により処理することにより、油分解性微生物により不安定化されたエマルジョンの一部を凝固して除去することができる。そして、油分解性微生物を含む生物活性炭により残存するエマルジョンを吸着除去することにより、油分を効率よく分離して使用済み水溶性加工液をリサイクルすることができる。
さらに、本実施形態によれば、使用済み水溶性加工液を、油分解性微生物により、通常の水処理よりも高温条件である37℃以上60℃以下で、嫌気性の条件で処理するため、使用済み水溶性加工液中のエマルジョンを不安定化する速度(油分解速度)を向上できる。
なお、従来公知のシャフト法などの高温の水処理法においては、微生物を用いた処理は行わないため、本実施形態のような作用効果は得られない。すなわち、本実施形態は、37℃以上60℃以下の通常の水処理よりも高温条件で油分解活性を発揮する油分解性微生物を用いるため、従来公知のシャフト法などの高温の水処理法ではリサイクル処理が困難であった、安定なエマルジョンを形成しやすい使用済み水溶性加工液のリサイクル処理において特に有効である。
一方、図22は、使用済み水溶性加工液が発生する製造現場の様子を模式的に示した概念図である。この図で模式的に示すように、工場の金属製品の切削現場では、環境・安全問題は世界的に最優先課題であることから、生産加工分野では「油剤」が一つのポイントとなっており、作業中の油の飛び散りを抑制する要請、発火の危険性を低減する要請、油剤を含んだスラッジの排出を抑制する要請、廃油処理(極圧添加剤(P,S),塩素などを含む)の効率化の要請、廃油発生量(産廃の約1%(国内で年間約400万トン))の低減の要請が強い。このため、世界の趨勢として、水溶性加工液の使用量はますます増加するものと想定される。
図23は、使用済み水溶性加工液を燃焼法により処理すると環境負荷が大きいことを説明するための概念図である。使用済み水溶性加工液を燃焼法により処理すると、水分が多いため不完全燃焼しやすい。このため、窒素酸化物、硫黄酸化物、ダイオキシンなどが発生しやすく、廃液処理時の環境負荷が大きい。
図24は、使用済み水溶性加工液を凝集沈殿法により処理すると排水規制値のクリアが困難であることを説明するための図であり、安井秀樹著、「現場に役立つ油剤技術の話」、機械技術、2003年刊、p.82−83より引用したものである。使用済み水溶性加工液を凝集沈殿法により処理すると、工程が複雑で排水規制値のクリアが困難である。
これに対して、実施の形態の水資源回収システムは、簡易な方法で加工液から水資源を回収し、老廃物である油分だけを系外へ排出するシステムであると言え、燃焼法および凝集沈殿法で解決が困難な課題を容易に解決することができる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
例えば、上記実施の形態では含油排水の処理装置を工場の床面の下部に設ける構成としたが、移動可能な運搬車両上に据え付けられた構成としてもよい。このようにすれば、1年に数回各地の工場を訪問して、蓄積された含油排水をまとめて処理することができるので、設備投資費用を著しく低減でき、含油排水の処理装置の稼働率を向上することができるという利点が得られる。
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
1.はじめに
加工の3大目標である、「高品質・高能率・低コスト」を達成するため、ユーザは加工液を大量に使用してきた。ところが、加工液には様々な化学物質が混合されており、作業者の健康を阻害するだけでなく、環境汚染の原因の一つとなっている。また、近年では、PRTR法の施行および廃液処理の問題から、多量の加工液の使用は制限されつつあり、加工液に起因する環境問題をクリアすることなしに、次世代の革新的加工技術・工作機械を実現することは困難であるといえる。
これらの対策として、環境に配慮した様々な加工方法が提案され、ドライ加工、微量の加工液を供給して加工する極微少量潤滑法、鉱油成分を全く含有しないシンセティッククーラント等が実用化されつつある。しかし、これらの方法には長所や短所があり、すべての加工をこれらで代替すると、逆に生産効率の低下や加工品質の劣化を招くことになる。
本実施例では、現在および短・中期的将来においても加工液の中心的位置を占めると予想される水溶性加工液に焦点をあて、工作機械に投入した水溶性加工液中の油剤成分だけを定期的に分離除去・更新し、体積の大半を占める水分は工程内で循環利用する「水溶性加工液代謝システム」の概要を示すとともに、生物活性炭を利用した水溶性加工液からの水資源回収システムについて報告する。
2.水溶性加工液代謝システム
本発明者らが研究対象としている「水溶性加工液代謝システム」の概略構成を図13に示す。水溶性加工液は、その使用に伴い油剤成分が酸化劣化するとともに他油・スラッジ等が混入し性能が劣化するため定期的に交換する必要がある。現在、交換時に発生した使用済み加工液は全量を廃棄処分することが一般的となっているが、この方法では加工液の90%以上の体積を占める水分までを産業廃棄物として処理する必要がある。
一方、図13に示すように、使用済み水溶性加工液のうち、老廃物に相当する劣化油剤および他油・スラッジ等だけを分離除去し、水分は更新する加工液の希釈剤として再利用する代謝システムが構築できれば、廃棄物発生量が大幅に縮小することになる。また、本代謝システムにおける物質のInputおよびOutputの収支を考えた場合、加工時に混入する他油・スラッジや蒸発水分等を無視すると、油剤成分のみの出入りとなり、結果として、少量の油剤を一定期間循環利用する加工システムとなる。
図14は、極微少量潤滑油(MQL)加工と水溶性加工液代謝システムを導入した加工システムにおける油剤使用量を比較したものである。試算は、MQL加工における油剤使用量を10ml/hr、水溶性加工液による加工においては、200L規模の循環タンクを有する工作機械で15倍希釈の加工液を使用するものとして行った。
MQL加工では、油剤はワンススルー利用のため加工時間に比例して油剤使用量が増加し、代謝システムを導入した加工システムにおいて約1300時間加工液を循環利用すると、見かけ上両者の油剤のInput・Output量が一致する。すなわち、代謝システムを導入すると、従来の加工方法を変更することなく、MQL加工に匹敵する微小油剤消費量の加工システムが実現することになる。
3.生物活性炭を利用した水資源回収システム
3.1 水資源回収システムのフロー
本発明者らが開発を進めている水資源回収システムの概略フローを図15に示す。使用済み水溶性加工液にエマルジョン化した油分を分解する能力がある微生物を添加し、1〜2週間程度放置する。このとき、加工液のpH調整は必要なく、精密な温度調整も不要である。すると、微生物の作用によりエマルジョンが不安定化し、多くの油分は一般的な油剤回収法により簡単に分離できる。
その後、同じ微生物を用いた生物活性炭法により加工液を処理すると、残留した油剤成分は活性炭に吸着され、ほぼ油剤フリーの水分が90%以上の回収率で回収できる。ここで生物活性炭法とは、活性炭表面に微生物を付着させ、活性炭表面で活性炭による吸着と微生物による分解を同時に起こさせ、活性炭寿命を長くする方法で、水処理の分野では広く利用されている。
3.2 水資源の回収例
(1) 熱間鍛造用水溶性黒鉛の処理例
水溶性黒鉛は、熱間鍛造における離型剤として用いられ、いわゆるエマルジョン水中に黒鉛粒子が分散したものである。鳥取県内の鍛造工場から提供された使用済み水溶性黒鉛に微生物を投入し前処理を行ったときの加工液の様子を図16に示す。前処理により液中に分散していた黒鉛の多くが浮上または沈降分離するとともに、油分の分解も進み液相に透明感がでてくる。この液から黒鉛成分を分離すると緑がかった水相が得られ、これに生物活性炭処理を施すと、無色・無臭の水資源が回収できた。
回収された水相の水質分析を行ったところ、BOD:3.4mg/L、COD:9.1mg/L、n−ヘキサン:<0.5mg/Lといった結果が得られ、回収水は排水可能な水質であった。なお、本回収水を希釈剤とした離型剤は、後述する実施例2で述べるようにバージン離型剤と同等性能であった。
(2) 水溶性切削油の処理例
米子高等専門学校の実習工場において約1年間使用した塩素含有のエマルジョンタイプの水溶性切削油に対して、水溶性黒鉛と同様の試験を行った。比較実験として、微生物を添加しない使用済み加工液についても調べた。微生物を添加後2日および14日間放置後の加工液の様子を図17(A)に示す。
微生物を添加した試料では、添加1日後辺りから液表面に油相と考えられる相が分離し始め、分離相の厚さは放置日数とともに増大した。この分離相は微生物を添加しない試料にも見られた。
これは、本試験においては微生物の処理効果を加速することを目的に、加工液を室温よりわずかに高い状態に保持したため、1年間の使用中に加工液中で自然に発生した微生物が油分の分解を促したためと考えられる。
しかし、図18に示すように油相の分離速度は、微生物を添加した試料の方が著しく速く、本研究で使用した微生物が、エマルジョン化した油分の分解に対して高い能力を有していることがわかる。
図17(B)は、微生物による前処理後に生物活性炭処理を行って得た水相の様子を示したものである。図17(B)には、エマルジョンブレーカーを使用して得た水相の様子も示した。回収した水相の見かけの透明度は、両者の処理の間で差は見られないが、これら再生水に再び水溶性切削液を添加すると、エマルジョンブレーカーによる処理水では、硬水化のためエマルジョン水が形成されないのに対し、微生物処理ではエマルジョン水が形成され、代謝システムが達成されている。
4.まとめ
生物活性炭法を利用すると、pHや精密な温度調整なしに加工液から90%以上の回収率で水分が回収できる。本代謝システムにより、従来の加工法の変更なしに、MQL加工に匹敵する微小油剤消費量の加工システムを実現できる可能性がある。
<実施例2>
1.はじめに
環境問題に対する関心は近年急速に高まりつつあり、企業の生産活動などにも環境負荷に対する考慮が求められるようになっている。特に機械加工の分野においては切削油剤や研削液といった加工液の使用による作業環境の悪化や、加工液の廃棄による環境負荷が問題となっている。このため、機械加工で使用される加工液は、不水溶性から水溶性へ、また水溶性加工液でもエマルジョンタイプからソリューブル、ソリューションタイプへ移行する傾向があるといわれている(非特許文献1)。
水溶性加工液が抱える問題の一つとして廃液処理があげられる。水溶性加工液の廃液処理法としては、焼却法や凝集沈殿法などがある(非特許文献2)。
前者は焼却時に発生する窒素酸化物や硫黄酸化物、炭酸ガス等による環境汚染が指摘されている。また、後者についても使用済み加工液を排水可能なレベルまで処理するには多くの手間と時間が必要となる。このため、事業所等で発生した水溶性加工液の処理には1リットルあたり数十円程度の費用がかかり、加工コストを引き上げる要因となっている。
水溶性加工液の使用量を抑制することで環境負荷および加工コストの低減を図るために、ドライ加工、セミドライ加工に関する研究もさかんに行われている。しかし、これらの加工法を実際の生産加工現場に導入するには問題も残されており、現在のところは水溶性加工液の代替となるには至っていない。
そこで本発明者らは、水溶性加工液の廃棄処理における環境負荷と処理コストを低減するために、水溶性加工液中の油剤成分のみを分離除去し、体積の大部分を占める水分は工程内で循環利用する「水溶性加工液代謝システム」を考えた。
水溶性加工液代謝システムを実現するためには、低コストで大量の廃液処理が可能なこと、廃液から分離回収した水分が問題なく再利用できることなどが必要となる。本実施例では、上述した実施例1で述べた水分分離手法を用いた大量廃液処理、および得られた再生水を希釈剤とした加工液の基本性能などについて検討した。
2.水溶性加工液代謝システムの成立可能性
2.1 生物活性炭法による使用済み加工液の大量処理
上述の実施例1で述べた生物活性炭処理法が大量の水溶性加工液処理に適用可能かどうかを検討した。処理対象はマシニングセンタで約1年間使用した、塩素成分を含有するエマルジョンタイプの水溶性切削液で、処理量は1バッチあたり約20リットルである。図19は処理過程を示す。水溶性切削液に微生物を添加して約2週間放置した後、一般的な油剤成分の分離法を用いて油分を粗分離した。その後生物活性炭処理を行ったところ、油剤成分を含まない水分を分離することができた。
微生物処理が終わった後の切削液に対して、油剤成分の粗分離から生物活性炭処理を経て再生水を得るまでの時間は濾過方法にもよるが約数時間程度である。また、水分の回収率は90%以上であった。処理費用は1リットルあたり30円程度であった。なお、処理時間および処理費用は処理法の改良および大量処理効果によって低減を図ることが可能である。
これまでに本発明者らは、図19に示したエマルジョンタイプの水溶性切削液以外にも、熱間鍛造用水溶性黒鉛離型剤、ソリューブルタイプおよびソリューションタイプの水溶性切削液に対して生物活性炭処理による水分回収を行っており、いずれの加工液においてもその有効性を確認している。
2.2 再生水を希釈剤とした加工液の基本性能評価
水溶性加工液代謝システムでは、生物活性炭処理法によって得られた再生水を水溶性加工液の希釈剤として用いることを考えている。水溶性加工液代謝システムを開発するためには、再生水を希釈剤として得られた水溶性加工液の加工性能などを検討しておく必要がある。
そこで本発明者らは、再生水を希釈剤とした熱間鍛造用水溶性黒鉛離型剤とエマルジョンタイプの水溶性切削液の基本性能を調べるために性能評価試験を行った。
2.2.1 再生水を希釈剤とした熱間鍛造用水溶性黒鉛離型剤の基本性能
(1) 再生水を希釈剤とした熱間鍛造用水溶性黒鉛離型剤
使用済み水溶性黒鉛離型剤を処理して得られた再生水を希釈剤として新たに水溶性黒鉛離型剤を調整したところ、問題なくエマルジョンの状態を得ることができた。水道水を希釈剤とした場合と、再生水を希釈剤とした場合では外観の差異は認められなかった。また、再生水を希釈剤とした離型剤を、室温下で2ヶ月以上放置しても変質は認められなかった。なお、使用した水溶性黒鉛は日本黒鉛製のプロハイトS35であり、希釈倍率は15倍であった。
(2) 付着性試験
水溶性黒鉛を水道水で希釈したものと、使用済み加工液を生物活性炭処理して得られた再生水で希釈したものについて、試験片への付着性を調べた。試験片は、40×50mm角に切断した厚さ2mmのS45C板材を用いた。水溶性黒鉛を付着させる面は、実際の鍛造金型と同程度の面祖度を得るため#320エメリー紙で湿式研磨した後、アセトン洗浄した。
試験片を100℃、125℃、150℃に加熱したホットプレート上に載せた状態で20分間放置した後に、ハンドスプレーにより水溶性黒鉛を噴霧した。噴霧後の水溶性黒鉛の付着状態を目視により観察した。
図20は、室温およびそれぞれの加熱温度における水溶性黒鉛の付着状況を示す。いずれの加熱温度でも、希釈剤として水道水を用いた場合と再生水を用いた場合で付着状況に差異は認められなかった。
(3) リング圧縮試験による摩擦係数の測定
水道水および再生水を希釈剤とした水溶性黒鉛離型剤の摩擦係数を調べるために、リング圧縮試験を行った。圧縮試験から得られた実験結果を境界条件として用いて、市販の3次元剛塑性有限要素法鍛造シミュレータであるDEFORM−3Dによって、水溶性黒鉛離型剤が付着した圧縮機工具とリング表面間の摩擦係数を求めた(山田浩二ほか5名、汎用シミュレーションソフトを活用した金型設計支援システムに関する研究、日本機械学会講演論文集No.045−1(2004)、17−18)。
図21は、リング圧縮試験によって得られた、水道水および再生水を希釈剤とした水溶性黒鉛離型剤の摩擦係数を示す。なお、摩擦係数の測定値はリング試験片上の測定点によって多少のばらつきがあったため、図21では、摩擦係数の最大値と最小値を示した。希釈剤として水道水を用いた場合と再生水を用いた場合では、両者の摩擦係数に大きな違いは見られなかった。
2.2.2 再生水を希釈剤とした水溶性切削液の基本性能
(1) 再生水を希釈剤とした水溶性切削液
使用済みのエマルジョンタイプの水溶性切削液を生物活性炭処理して得られた再生水を希釈剤として、新たに水溶性切削液を調整した。得られた水溶性切削液の外観は、水道水を希釈剤にした場合と同じであった。また、室温下で1ヶ月以上放置しても外観上の変化は見受けられなかった。
(2) 加工試験
再生水を希釈剤とした水溶性切削液の加工性能を検討するための加工試験はドリル加工によって行うことにした。直径8mmのハイスドリルによって100個の穴加工を行って工具摩耗および切削力を測定した。なお、被削材はS45Cの板材で穴深さは25mm、切削速度は50m/minであった。また、切削液は給油ポンプによる外部給油とした。この結果、再生水および水道水を希釈剤とした加工液の間で、100個の穴加工を行った範囲では、工具摩耗量および切削力に明らかな差は認められなかった。
3.おわりに
水溶性加工液の廃棄処理における環境負荷と処理コスト低減を目的とした「水溶性加工液代謝システム」開発の基礎として、使用済み水溶性加工液の大量処理と、分離した水分の再利用可能性を検討した。
本発明者らが開発した生物活性炭処理法は大量の油剤処理にも適用可能であり、処理費用も現在の廃棄コストと同等以下とすることができる。また、熱間鍛造の離型剤として使用される水溶性黒鉛について調べたところ、付着性試験およびリング圧縮試験による摩擦係数測定のいずれにおいても、水溶性黒鉛離型剤の希釈剤として生物活性炭処理によって得られた再生水を用いても、離型剤としての基本性能が変化することはなかった。このことは、水溶性切削液についても言え、使用済み水溶性加工液から分離した水分を加工工程で再利用することができることを示唆する。
<実施例3>
1.目的
本発明者らは、3次元培養後単離した菌と細菌群(TE−1)の水溶性加工液油分分離能を調べるために、下記の試験方法で実験を行った。
2.試験材料
1)水溶性加工液
(1)水溶性加工液A:エマルジョンタイプ、塩素含有(ヤナセ製油)を20倍希釈して用いた。
(2)水溶性加工液B:ハイチップ、エマルジョンタイプ、塩素非含有(タイユ(株))を20倍希釈
(3)水溶性加工液C:ケミクロール、シンセティックタイプ、塩素・アミン非含有(タイユ(株))を20倍希釈して用いた。
2)細菌群(TE−1)
使用済み水溶性黒鉛((株)明治製作所提供)から黒鉛および油剤成分を分離除去した水相(色は緑色を呈し、刺激臭を有する。顕微鏡観察の結果、複数の菌の存在を確認)を用いた。
3)無機塩基本培地(1Lあたりの成分組成)
CaCl2・H2O 34.4mg
MgSO4・7H2O 100mg
NH4NO3 10g
微量元素保存液A 10ml
微量元素保存液B 10μl
0.33Mリン酸緩衝液 10ml
微量元素保存液A(500mlあたりの成分組成)
FeCl2・6H2O 1g
MnSO4・5H2O 100mg
微量元素保存液B(100mlあたりの成分組成)
CuSO4・5H2O 1g
ZnSO4・7H2O 1.14g
H3BO3 100mg
NiSO4・6H2O 100ml
0.33Mリン酸緩衝液(500mlあたりの成分組成)
KH2・PO4 57.2g
K2HPO4 148.2g
4)普通寒天培地(1Lあたりの成分組成)
ポリペプトン 10g
肉エキス 5g
NH4NO3 5g
NaCl 5g
Agar 15g
3.試験方法
(1)図25は、細菌群TE−1から微生物を単離する方法について説明する図である。この単離法では、まず、水溶性加工液A〜Cを0.5%含有する無機塩培地10mlにTE−1 100μlを添加し、37℃のインキュベータで14日間1次培養を行った。次いで、1次培養液100μlを水溶性加工液A〜Cを0.5%含有する無機塩培地10mlに添加し、37℃のインキュベータで14日間2次培養を行った。そして、同様の方法で3次培養を行い、3次培養を普通寒天で培養後、単離を行った。
(2)単離した菌を滅菌蒸留水に浮遊させた。この際、菌液濃度は1.0マクファーランドに調整した。
(3)水溶性加工液B 5mlに(2)の菌液およびTE−1 0.5mlをそれぞれ添加し、水溶性加工液のBrix(%)を調べた。
<実施例4>
1.目的
本発明者らは、単離した菌の油分分離能を調べるために、下記の試験方法で実験を行った。
2.試験方法
単離した細菌(MF1.0)0.4mlを水溶性加工液Bに入れ40℃で嫌気培養した。そして、油分分離後にさらに0.4mlを新しい水溶性加工液Bに入れて同様の培養をし、3代継続した。なお、それぞれの培養後に、水溶性加工液BのBrix値を測定した。
3.試験結果
水溶性加工液のBrix値の測定結果を表1に示す。なお、本実施例も含め、以下のBrix値の測定は、いずれもデジタル糖度(濃度)計(PR−101α)によりBrix(%)として測定した。
表1に示したように、継体が進むにつれて油分分離能が下がっているが、2代目まではいずれの菌株も良好な油分分離能を示した。すなわち、Pseudomonas aeruginosaの油分解性を示す菌株(TE−115、特許生物寄託センター寄託済、寄託日平成18年2月20日、受託番号FERM BP−10529)、Achromobacter xylosoxidansの油分解性を示す菌株(TE−63、特許生物寄託センター寄託済、寄託日平成18年2月20日、受託番号FERM BP−10528)、Pasteurella multocidaの油分解性を示す菌株(TE−127、特許生物寄託センター寄託済、寄託日平成18年2月20日、受託番号FERM BP−10530)のいずれの菌株も良好な油分分離能を示した。
<実施例5>
1.目的
本発明者らは、単離した菌がどこで増菌するのかを調べるために、下記の試験方法で実験を行った。
2.試験方法
上述の実施例4で油分分離した水溶性加工液Bの油層および水層のそれぞれを新しい水溶性加工液Bに入れ、40℃で嫌気培養を行った。なお、それぞれの培養後に、水溶性加工液BのBrix値を測定した。
3.試験結果
水溶性加工液のBrix値の測定結果を表2に示す。
表2に示したように、水層中には菌が存在しないで油層に菌が移行していることを示した。すなわち、Pseudomonas aeruginosaの油分解性を示す菌株(TE−115、特許生物寄託センター寄託済、寄託日平成18年2月20日、受託番号FERM BP−10529)、Achromobacter xylosoxidansの油分解性を示す菌株(TE−63、特許生物寄託センター寄託済、寄託日平成18年2月20日、受託番号FERM BP−10528)、Pasteurella multocidaの油分解性を示す菌株(TE−127、特許生物寄託センター寄託済、寄託日平成18年2月20日、受託番号FERM BP−10530)のいずれの菌株も油層に移行していた。
<実施例6>
1.目的
本発明者らは、温度の違いによる微生物の水溶性加工液油分分離能を調べるために、記の試験方法で実験を行った。
2.試験方法
単離細菌(3種類)を、BHIブロスで37℃、24時間増菌させた。用いた3種類の菌株は、Pseudomonas aeruginosaの油分解性を示す菌株(TE−115、特許生物寄託センター寄託済、寄託日平成18年2月20日、受託番号FERM BP−10529)、Achromobacter xylosoxidansの油分解性を示す菌株(TE−63、特許生物寄託センター寄託済、寄託日平成18年2月20日、受託番号FERM BP−10528)、Pasteurella multocidaの油分解性を示す菌株(TE−127、特許生物寄託センター寄託済、寄託日平成18年2月20日、受託番号FERM BP−10530)であった。
次いで、それぞれの菌を蒸留水を用いて102CFU/ml〜108CFU/mlの濃度の段階的希釈液を作った。そして、希釈菌液 0.3mlを水溶性加工液B 2.7mlに加え、40℃およに50℃で嫌気培養した。その後、1日後、3日後、7日後に観察してBrix値(%)を測定した。
なお、この際の使用菌量は、
TE−63 8.0×102CFU/ml〜8.0×106CFU/ml
TE−115 4.5×103CFU/ml〜4.5×107CFU/ml
TE−127 4.6×103CFU/ml〜4.6×107CFU/ml
として、実験を行った。
3.試験結果
水溶性加工液のBrix値の測定結果を表3〜表5および図26に示す。
表3〜5および図26に示すように、Brix測定結果によれば、3種類の菌株のいいずれの場合にも、50℃での培養の方が、40℃での培養の場合よりもBrix値が低い値を示した。よって、Pseudomonas aeruginosaの油分解性を示す菌株(TE−115、特許生物寄託センター寄託済、寄託日平成18年2月20日、受託番号FERM BP−10529)、Achromobacter xylosoxidansの油分解性を示す菌株(TE−63、特許生物寄託センター寄託済、寄託日平成18年2月20日、受託番号FERM BP−10528)、Pasteurella multocidaの油分解性を示す菌株(TE−127、特許生物寄託センター寄託済、寄託日平成18年2月20日、受託番号FERM BP−10530)のいずれの場合も、微生物による水溶性加工液Bの油分分離は40℃よりも50℃で活発である。
以上、本発明を実施例に基づいて説明した。この実施例はあくまで例示であり、種々の変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
たとえば、上記実施例では、今後は、再生水を希釈剤とした水溶性黒鉛を熱間鍛造工程で再使用しているが、例えば、より水質への要求が低い別の工程に用いることにより、再生水を利用してもよい。
また、エマルジョンタイプをはじめとする各種水溶性切削液についても、同様の代謝システムを構築することができる。すなわち、使用済み切削液から分離した再生水を希釈剤として用いて、より加工精度の要求の低い製品の水溶性切削液として利用してもよい。
以上のように、本発明にかかる含油排水の処理方法は、油分解性を有する微生物および生物活性炭を組み合わせて使用するため、含油排水を処理して油分を効率よく分離することができるという効果を有し、含油排水の処理方法および含油排水の処理装置等として有用である。
また、本発明にかかる菌群は、油分解性を有する菌群であるため、油分解性を有する微生物および生物活性炭を組み合わせて使用することにより含油排水を処理して油分を効率よく分離する技術に用いることができるという効果を有し、菌群、微生物および添加剤等として有用である。

Claims (15)

  1. 含油排水を、油分解性微生物により37℃以上、嫌気性の条件で処理するステップと、
    前記油分解性微生物による処理を経た前記含油排水を、油凝固剤により処理して前記含油排水中の油剤を少なくとも一部凝固させて除去するステップと、
    前記油剤が少なくとも一部除去された前記含油排水を、前記油分解性微生物および前記油分解性微生物を担持する活性炭からなる生物活性炭により処理するステップと、
    を含み、
    前記油分解性微生物は、Pseudomonas属、Achromobacter属、及びPasteurella属からなる群から選ばれる1以上の属に含まれる微生物であ
    前記含油排水は、水と、鉱物油とを含有するエマルジョンを含む、
    含油排水のリサイクル方法。
  2. 請求項1記載の含油排水のリサイクル方法において、
    前記リサイクル方法は、バッチ処理により実行される
    ことを特徴とする含油排水のリサイクル方法。
  3. 請求項1又は2記載の含油排水のリサイクル方法において、
    前記油分解性微生物により処理するステップは、前記含油排水に前記油分解性微生物を1×10の5乗細胞/ml以上の濃度となるように埴菌するステップを含むことを特徴とする含油排水のリサイクル方法。
  4. 含油排水を、油分解性微生物により37℃以上、嫌気性の条件で処理する微生物処理槽と、
    前記油分解性微生物による処理を経た前記含油排水を、油凝固剤により処理して前記含油排水中の油剤を少なくとも一部凝固させて除去する油凝固除去槽と、
    前記油剤が少なくとも一部除去された前記含油排水を、前記油分解性微生物および前記油分解性微生物を担持する活性炭からなる生物活性炭により処理する生物活性炭処理槽と、
    を備え、
    前記油分解性微生物は、Pseudomonas属、Achromobacter属、及びPasteurella属からなる群から選ばれる1以上の属に含まれる微生物であ
    前記含油排水は、鉱物油を含む、
    含油排水のリサイクル装置。
  5. 含油排水を油分解性微生物により37℃以上、嫌気性の条件で処理するステップと、
    前記油分解性微生物による処理を経た前記含油排水を油凝固剤により処理して前記含油排水中の油剤を少なくとも一部凝固させて除去するステップと、
    前記油剤が少なくとも一部除去された前記含油排水を生物活性炭により処理するステップと、
    を含み、
    前記油分解性微生物は、Pseudomonas属、Achromobacter属、及びPasteurella属からなる群から選ばれる1以上の属に含まれる微生物であ
    前記含油排水は、鉱物油を含む、
    含油排水の処理方法。
  6. 請求項記載の含油排水の処理方法において、
    前記油凝固剤は、鉱物油をゲル状に凝固させることを特徴とする含油排水の処理方法。
  7. 請求項5又は6に記載の含油排水の処理方法において、
    前記油分解性微生物は、Pseudomonas属、Achromobacter属、及びPasteurella属の微生物を含む菌群を含むことを特徴とする含油排水の処理方法。
  8. 請求項5〜7いずれかに記載の含油排水の処理方法において、
    前記油分解性微生物は、鉱物油を分解することを特徴とする含油排水の処理方法。
  9. 請求項5〜8いずれかに記載の含油排水の処理方法において、
    前記含油排水は、水と、水溶性油剤とを含有するエマルジョンを含むことを特徴とする含油排水の処理方法。
  10. 請求項5〜9いずれかに記載の含油排水の処理方法において、
    前記生物活性炭は、前記油分解性微生物と、前記油分解性微生物を担持する活性炭とを含むことを特徴とする含油排水の処理方法。
  11. 含油排水を油分解性微生物により処理する微生物処理槽と、
    前記微生物による処理を経た前記含油排水を油凝固剤により処理して前記含油排水中の油剤を少なくとも一部凝固させて除去する油凝固除去槽と、
    前記油剤が少なくとも一部除去された前記含油排水を生物活性炭により処理する生物活性炭処理槽と、
    を備え、
    前記油分解性微生物は、Pseudomonas属、Achromobacter属、及びPasteurella属からなる群から選ばれる1以上の属に含まれる微生物であり、
    前記微生物処理槽は、37℃以上、嫌気性の条件に調整可能に構成され、
    前記含油排水は、鉱物油を含む、
    含油排水の処理装置。
  12. 請求項11記載の含油排水の処理装置において、
    前記油凝固剤は、鉱物油をゲル状に凝固させることを特徴とする含油排水の処理装置。
  13. 請求項11又は12記載の含油排水の処理装置において、
    前記油分解性微生物は、Pseudomonas属、Achromobacter属、及びPasteurella属の微生物を含む菌群を含むことを特徴とする含油排水の処理装置。
  14. 請求項11〜13いずれかに記載の含油排水の処理装置において、
    前記油分解性微生物は、鉱物油を分解することを特徴とする含油排水の処理装置。
  15. 請求項11〜14いずれかに記載の含油排水の処理装置において、
    前記生物活性炭は、前記油分解性微生物と、前記油分解性微生物を担持する活性炭とを含むことを特徴とする含油排水の処理装置。
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