JP5119082B2 - 洗濯機 - Google Patents

洗濯機 Download PDF

Info

Publication number
JP5119082B2
JP5119082B2 JP2008204981A JP2008204981A JP5119082B2 JP 5119082 B2 JP5119082 B2 JP 5119082B2 JP 2008204981 A JP2008204981 A JP 2008204981A JP 2008204981 A JP2008204981 A JP 2008204981A JP 5119082 B2 JP5119082 B2 JP 5119082B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotation speed
casing
resonance
vibration
washing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008204981A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010035953A (ja
Inventor
真理 黒澤
康博 松井
哲憲 金子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Appliances Inc
Original Assignee
Hitachi Appliances Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Appliances Inc filed Critical Hitachi Appliances Inc
Priority to JP2008204981A priority Critical patent/JP5119082B2/ja
Publication of JP2010035953A publication Critical patent/JP2010035953A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5119082B2 publication Critical patent/JP5119082B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、洗濯機の脱水運転制御に関する。
洗濯機において脱水運転は洗いとすすぎの各工程の後に行われる。脱水を開始し、徐々に回転速度が上昇すると、ある回転速度以上で洗濯物が洗濯兼脱水槽に張り付く。この時洗濯物が偏っているとアンバランスとなって振動が大きくなり、場合によっては正常な脱水が行えなくなる。ドラム式の場合、回転停止時には洗濯物が下方に偏っているため、アンバランスが発生しやすい。
これを解決する従来技術として特許文献1,特許文献2が存在する。
特許文献1には、筐体の下部にセンサを設置して床面の振動を測定し、振動の大きさによって防振系を変更することで振動を低減することが可能である。
特許文献2には、筐体に振動センサを設置し、直接筐体の振動を検出する方法が提案されている。特許文献2では筐体に設置した振動センサで直接筐体の振動を検出し、あらかじめ設定したしきい値以上となった場合にはしきい値と同等になるまで回転速度を低下する。このような制御を行うことで、一定以上の振動を防止することができる。
特開平5−84387号公報 特開2006−311886号公報
前記従来の方法では一定以上の振動が生じた場合、その時の回転速度以上に回転速度を上昇することはない。筐体が共振する回転速度(以下、筐体共振回転速度)付近でしきい値に達した場合、この回転速度を保持するため共振した状態で脱水を行うことになるおそれがある。
筐体共振回転速度を超えると徐々に振動は低下するため、回転速度を上昇することで振動を低減することが可能であり、筐体共振回転速度付近で回転するよりも望ましい。
また、筐体が振動する場合、その振動振幅および筐体共振回転速度は洗濯機の構成だけでなく床面の硬さにも依存する。従って、工場出荷時の状態で筐体共振回転速度を判定し、それを回避することは非常に困難である。
上記従来技術では、回転速度の上昇パターン(起動パターン)を出荷時に決定しているため、共振した状態で長時間の脱水運転を行うおそれがある。
本発明の目的は、洗濯機の設置状況下における筐体共振回転速度を考慮して脱水運転時の駆動機構を適切に制御でき、低振動で且つより効果的な脱水を行うことができる洗濯機を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、洗濯を行う洗濯兼脱水槽と、前記洗濯兼脱水槽を内包する外槽と、前記外槽を支持する筐体と、前記洗濯兼脱水槽を回転駆動する駆動手段と、前記駆動手段を制御する制御手段と、前記筐体の振動を検出する検出手段を備えた洗濯機において、前記検出手段の出力に基づいて前記筐体が共振する筐体共振回転速度を測定する手段と、前記筺体共振回転速度を記録する手段を備え、前記測定された筐体共振回転速度に基づいて前記駆動手段を制御することを特徴とする。

本発明によれば、床面の硬さに起因した筐体の筐体共振回転速度を測定し、測定した筐体共振回転速度を基に駆動制御する(起動パターンを設定する)ことにより、各家庭での床面の状態に合わせて、筐体共振回転速度を避けた脱水運転をすることが可能になる。
これにより、低振動・低騒音化を実現することが可能になる。
本発明の実施例について、図1〜図9を用いて説明する。本実施例はドラム式の洗濯機について示す。
図1は洗濯機外装を、図2は本実施例の洗濯機内部を示している。この洗濯機の外装は、鋼板製の筐体1、前記筐体の前面に備えた操作・表示パネル2及び扉3によって構成される。筐体1は底部4,胴部5,天板部6によって構成されている。また、操作・表示パネルにはスタートスイッチ7や回転速度記録変更スイッチ8などのスイッチ類および表示器9が設置してある。回転速度記録変更スイッチ8はスイッチを2秒間押し続けて筐体共振回転速度情報を消去する。また、1度短く押して筐体共振回転速度情報を表示し、再び押すことで表示を消す。また、筐体1の上部後方には給水口10を設ける。
洗濯機の内部において、円筒形状の水を貯める外槽11は、筐体下部の2箇所より2本のダンパ12によって支持される(図では1本のみ示す)。この外槽11内には、円筒形状の洗濯兼脱水槽13を回転自在に設ける。洗濯兼脱水槽13の側面には多数の脱水穴13aを設け、上縁部には流体バランサ13bを設ける。また、洗濯兼脱水槽13の側面には、複数のバッフル14を設ける。外槽11の底面外側には、支持板15を取り付け、この支持板15にモータ16を固定する。モータ16の駆動軸は外槽11を水密に貫通し、洗濯兼脱水槽13に締結されている。このモータ16により、洗い工程,すすぎ工程及び乾燥工程では洗濯兼脱水槽13を正転,反転させ、脱水工程では一方向に回転させる。
外槽11の底面には、洗濯用水の排水を行う排水弁17を設け、この排水弁17に接続した排水ホース18を介して洗濯用水を洗濯機外に排出する。
外装上面の後部には給水口10を設け、後部収納部内には給水弁19,トップカバー前部に洗剤ケース20を設け、これらを接続し、給水ユニットを構成する。この給水ユニットにより、外槽11に洗濯用水が供給される。
供給される水量は洗濯機上部に設けた水位センサ21により水位を検知し、調節される。水位センサ21は、外槽11の下部で外槽11とつながった空気室22内の圧力を、チューブ23を介して測っている。
このような洗濯機の外槽11の前方(あるいは後方)下部に、外槽11の少なくとも略上下方向の動きを検知する外槽振動センサ24を配置する。さらに、筐体上部、ここでは筐体上部にある操作・表示パネルの回路基板25に筐体振動センサ26を設置する。本実施例のこれらの振動センサはMEMS技術による加速度センサであるが、特にMEMS技術によって作られた加速度センサでなくても良い。また、加速度の検出方式や、加速度の検出可能方向の数も問わない。
外槽振動センサ24により外槽11の振動を検出し、筐体振動センサ26により筐体の振動を検出することで、洗い,すすぎ,乾燥工程において以下のようなモータ16の制御を行う。
また、図3に筐体の各位置での振動の様子を示す。横軸が振動振幅、縦軸が設置した床から測定点までの高さを示している。検出位置が高いほど振動振幅が大きいことがわかる。また、筐体底部と筐体胴部の締結部である高さ180mmの場所を境に振動が大きくなっている。そこで、振動検出手段を筐体底部と筐体胴部の締結部よりも高い位置に設置することで、高精度な測定を行うことができる。
また、この振動センサにより筐体と外槽の衝突の検出にも用いることができる。そこで、筐体と外槽が衝突する位置よりも高い位置に設置することで精度を向上することができる。
既存の回路基板に振動センサを設置することで、新たに配線を用いる必要がないため、配線を通すためのスペースを必要とせず、配線に生じるノイズの影響を低減することができる。本実施例では振動センサを回路基板に設置したが、必ずしも回路基板に設置する必要はない。
図4にこの洗濯機の各工程を制御する制御部を示す。図に示すように制御部はマイクロコンピュータ(以下、マイコンと記す)40を中心に構成される。これに予め記録されたプログラムにより、操作・表示パネル2,水位センサ21,振動センサ24,振動センサ26,回転速度検出装置27からの入力に基づき、給水弁19,排水弁17,モータ駆動回路50などを制御し、モータ駆動回路によりモータ16を駆動することにより、洗い,すすぎ,乾燥工程の動作を行う。
また、マイコンは起動パターンデータベース51やしきい値データベース52などのデータベースを保存しており、回転速度算出部53,回転速度変動算出部54,アンバランス量検知部55,布量センシング部56,筐体共振回転速度測定部57,筐体共振回転速度予測部58,基準回転速度算出部59などの計測部を有し、回転速度記録部60を持つ。
図5,図6を用いて本発明の課題を詳しく説明する。まず、図5に床面の硬さが異なる場合の回転速度と筐体の振動の関係を示す。横軸に回転速度、縦軸に筐体の振動加速度を示す。図より筐体共振回転速度は450〜650r/minとなっている。脱水は700r/min以上で行うことが多く、脱水を行う回転速度以下の回転速度で筐体の共振が発生している。共振していると振動が大きくなるため、その回転速度で長時間運転を行うことは使用者が不快に思う原因となる。一般的にこのように共振が発生する場合には筐体共振回転速度での運転時間を極力短くする。この方法は筐体共振回転速度が分かっている状態であれば非常に有効な手段である。
しかし図5より床面の硬さによって筐体共振回転速度が変化し、床面が硬いほど筐体共振回転速度が低下していることがわかる。これにより、工場出荷時に筐体共振回転速度を把握し、前記駆動機構を適切に制御することが困難である。
図6および図7にそれぞれ床面の硬さに応じて起動パターンを変更しない場合と床面の硬さに応じて起動パターンを変更した場合の時間と筐体上部の振動加速度の関係を示す。
図6および図7において、床面の硬さは床面(1),床面(2),床面(3)の順に硬くなっている。図6に470r/minと700r/minに一定時間を持つ起動パターンを一例として示す。ここで、回転速度を上昇する過程である回転速度(以下、保持回転速度)で一定時間を保持するのは、回転速度が上昇する前に十分に脱水を行うために必要だからである。また、図中に示すように筐体共振回転速度はピークのことを指し、それぞれの床面に設置した場合の筐体共振回転速度は、床面(1):480r/min,床面(2):570r/min,床面(3):640r/minとなっている。
図6(a)では筐体共振回転速度と保持回転速度である470r/minが近いために、長時間振動が大きい状態が続いている。一方700r/minで一定時間保持している際は筐体共振回転速度と離れているため、振動が小さい状態であるため問題はない。図6(b)では筐体共振回転速度が一定回転保持する回転速度から離れているため長時間大きな振動が続くことはない。図6(c)では筐体共振回転速度が470r/minからは離れているため振動は大きくならないが、700r/minとは近いために振動が大きい状態が一定時間継続する。以上のように、床面の硬さを考慮しない場合、設置状態によって振動が大きい状態が一定時間継続する場合があり、使用者の不快感につながる。
そこで、筐体共振回転速度に対して、50r/min低い回転速度から130r/min高い回転速度の間は共振の影響で振動が大きくなっているため、前記回転速度領域で回転する時間を極力短縮する。ここでは、保持回転速度が前記回転速度領域に含まれる場合、保持回転速度を前記回転速度領域以外の回転速度に変更する。床面の硬さに応じて変更した起動パターンを図7に示す。
まず、図7(a)において筐体共振回転速度480r/minに対して、保持回転速度が470r/minと近い回転速度となるため、610r/minに変更した。これにより、筐体の振動加速度が共振時に比べ40%低減する。図7(b)は元の起動パターンで保持回転速度が筐体共振回転速度領域から外れているため問題ない。共振時と比較して保持回転速度での振動加速度は35%低減した。図(c)では筐体共振回転速度640r/minに対して、保持回転速度が700r/minと近い回転速度となるため、保持回転速度を770r/minに変更した。これにより、保持回転速度での振動加速度を共振時に比べ35%低減した。このように前記回転速度領域に保持回転速度を設定しないことにより、使用者が不快に感じる時間を低減することができる。
また、筐体共振回転速度を把握することにより、振動の大きさがアンバランス量によるものなのか、共振によるものなのか判断することができ、アンバランス量によるものである場合、回転速度を停止し再起動を行う。一方、共振による振動であると判断した場合には、回転速度を上昇し、共振を避けた状態で脱水することにより低振動・低騒音化を実現し、さらに高回転速度で脱水することにより多くの水を抜くことができる。
本発明の目的は、筐体の上方に設置した振動センサにより筐体共振回転速度を測定し、最適な起動パターンを選択することである。
具体的な制御の流れを図8,図9を用いて説明する。まず、図8に低回転領域における制御の流れを示す。脱水運転を開始すると、Step101で布量検知を行う。Step102で回転速度をω0(100r/min)まで上昇させ、Step103でアンバランス量判定を行う。アンバランス量が過大だった場合は、リトライ工程に移行し、再起動を行う。アンバランス量が小さい場合は、回転速度記録部60に記録してある基準筐体共振回転速度ωb(詳しくは後述する)、布量,アンバランス量から筐体共振回転速度ωrsを推定する(Step104)。Step105で推定した筐体共振回転速度ωrsを基に回転速度の起動パターンおよび筐体の振動のしきい値を決定する。このしきい値は筐体共振回転速度ωrs付近では他の回転速度領域よりも高い値を設定する。
次にStep106で回転速度を上昇させ、Step107で外槽振動量判定1を行う。外槽の振動があらかじめ設定されたしきい値よりも大きい場合にはリトライ工程に移行し、再起動を行う。一方、外槽の振動がしきい値よりも小さい場合には次のStepに移行する。ドラム回転速度ωがω1(外槽の筐体共振回転速度よりも高い回転速度)になるまで外槽振動判定を行い(Step108)、その後脱水高回転領域へと移行する。
次に、図9に高回転領域における制御の流れを示す。Step201では外槽振動量判定2を行う。外槽の振動があらかじめ設定しているしきい値よりも大きい場合にはリトライ工程に移行し、再起動を行う。一方、外槽の振動がしきい値よりも小さい場合には次のStepに移行する。
Step202では筐体の振動振幅を測定し、筐体振動判定1を行う。あらかじめ設定したしきい値と比較して振動が過大な場合にはリトライ工程に移行し、再起動を行う。振動振幅が小さい場合には次のStepに移る。
Step203で筐体の振動振幅が極大値であるか判定する、すなわち筐体共振回転速度を測定する。極大値でなければStep206に移行し、極大値であればその回転速度を筐体共振回転速度ωrとして記録する(Step204)。
この極大値判定,筐体共振回転速度の判定はその回転速度での筐体の振動振幅が、その回転速度よりわずかに低い回転速度での筐体振動振幅よりも大きく、かつその回転速度よりもわずかに大きい回転速度での筐体振動振幅よりも大きいことで判断することができる。この時、ノイズなどの影響により筐体の共振以外の場合でも極大値と判断してしまうおそれがある。それを防止するために、移動平均やローパスフィルタなどを用いてデータを処理することが望ましい。
Step205ではStep204で測定した筐体共振回転速度ωrから基準筐体共振回転速度ωbを算出し、記録する。このωbは以降の脱水運転で筐体共振回転速度ωrsを算出するために用いる。また、基準筐体共振回転速度ωbは衣類の量とアンバランス量の影響を考慮し算出する。
ドラム回転速度が設定した最終脱水回転速度に到達しているか判定し、到達していなければ、Step207で回転速度を上昇し、到達するまでStep201〜Step207を繰り返す。最終脱水回転速度に到達して後、脱水時間が設定時間になるまで回転を維持し(Step208)、その後回転を停止し(Step209)、脱水を完了する。
次に図10でリトライ工程について説明する。リトライ工程はアンバランス量判定や外槽振動判定,筐体振動判定でアンバランス量や振動が過大と判断された場合に移行する。
まず、ドラムの回転を停止し(Step301)、リトライ回数が0より大きいか判定する(Step302)。リトライ回数はあらかじめ初期値Nを与える。リトライ回数が0より大きい場合は、リトライ回数nを1つ減らし、低回転領域のStep102に移行し、脱水運転を継続する。リトライ回数が0以下だった場合、衣類の偏りが解消されないとして、すすぎ工程での脱水運転では次の工程に移行し、脱水工程での脱水運転では運転を中断し、操作・表示パネル2を使って使用者に知らせる。
前記実施例では、回転速度記録部に基準筐体共振回転速度ωbを記録したが、必ずしも基準筐体共振回転速度ωbを記録する必要はなく、筐体共振回転速度ωr,アンバランス量,布量などを記録してもよい。もしくは、それらの一部のみを記録してもよい。
また、筐体共振回転速度ωrsを算出するために用いる基準筐体共振回転速度ωbは、必ずしも前回運転時の値のみを用いる必要はなく、以前の複数回の脱水運転で算出した値を記録しておき、その平均を求めることでより高精度な筐体共振回転速度推定が可能になる。
さらに、設置位置を変更した場合には、回転速度記録部60に以前の設置状態での回転速度情報が記録されているため、その情報を参照し筐体共振回転速度を推定した場合には誤差が生じてしまう。そこで、操作・表示パネル2を用いた回転速度記録部60の情報の変更を可能にする。こうすることで設置状態の変更にも対応することができる。
また、回転速度記録部60に記録されている基準筐体共振回転速度ωboと新たに算出した基準筐体共振回転速度ωbの値が大きく異なる場合には、以前の運転時と設置状態や運転状態がことなることを操作・表示パネル2を使って使用者に知らせる。これにより、設置した台から洗濯機の足が外れるなどして適切でない設置状態で運転をした際に、本体の転倒などにより使用者の安全を確保し、洗濯機の設置場所に隣接する壁の破損を防止することができる。ここで、脱水運転時の使用状況によって衣類の量やアンバランス量が異なるため、筐体共振回転速度ωrでの比較ではなく、基準筐体共振回転速度ωbによる比較を行う方が望ましい。
図11にアンバランス量を変化させた時の筐体共振回転速度ωrの変化を示す。横軸に回転速度、縦軸に振動の加速度を示している。アンバランス量が増加するほど筐体共振回転速度ωrが低下していることがわかる。このように、アンバランス量を把握していないと推定する筐体共振回転速度ωrsに誤差が生じてしまう。衣類の量の違いでも同様に筐体共振回転速度ωrが変化する。そこで、筐体共振回転速度,アンバランス量,衣類の量を測定し、アンバランス量および衣類の量の影響を考慮した筐体共振回転速度を基準筐体共振回転速度ωbとして算出する。
例えば、床面の硬さと衣類の量を固定し、アンバランス量によって筐体共振回転速度がどの程度変化するか測定する。ここではアンバランス量500gを基準とする。図11から500gのアンバランスが生じた場合(ωr=650r/min)に比べ、800gのアンバランスが生じた場合の筐体共振回転速度は20r/min低下し、1000gでは50r/min低下している。そこで、実際の運転でアンバランス量が800g、測定した共進回転速度ωrが640r/minであった場合、基準筐体共振回転速度ωbは640+20=650r/minとなる。さらに、次の運転を行った際に、アンバランス量検出を行い1000gであった場合、推定される筐体共振回転速度ωrsは650−50=600r/minとなる。以上のように、アンバランス量を考慮することでより高い精度で筐体共振回転速度を推定することが可能になる。
以上のように、以前の運転における筐体共振回転速度,アンバランス量,衣類の量から算出した基準筐体共振回転速度ωbを基に、その運転でのアンバランス量,衣類の量から筐体共振回転速度ωrsを推定する。こうすることで、あらかじめ筐体共振回転速度ωrを把握することができるため、適切な駆動機構の制御を行うことができ、低振動・低騒音化を実現することができる。
本実施例では基準筐体共振回転速度ωbを算出,記録して、以降の運転において筐体共振回転速度ωrsを予測したが、基準筐体共振回転速度ωbを算出せずに、筐体共振回転速度ωrを記録し、以降の運転において前記回転速度ωrを用いて筐体共振回転速度ωrsを予測しても構わない。
また、筐体共振回転速度付近の回転速度において、その回転速度で回転する時間を短縮する領域は筐体共振回転速度よりも50r/min低い回転速度から130r/min高い回転速度までが望ましい。図5に示す通り、前記回転速度領域以外では筐体共振回転速度の振動加速度に比べ30%低減可能である。
また、本実施例ではアンバランス量に係らず、常に起動パターンを選択,変更する手段を行う方法を説明しているが、アンバランス量が大きい場合のみで筐体共振回転速度領域で回転する時間を短縮してもよい。
また、本実施例では筐体の振動量を筐体共振回転速度の測定や振動が過大である場合にドラムの回転を停止する手段として説明した。前記手段以外にも、筐体回転速度および測定した筐体振動量から最終的に上昇させる回転速度を決定することで低振動・低騒音化を行うことが可能である。
本実施例によれば、筐体の振動を検出する手段を、筐体底部と筐体胴部の締結面よりも上方に振動センサを設置し筐体共振回転速度を測定することで、他の場所にセンサを設置する場合に比べ精度を向上する。
さらに、従来の洗濯機の中で上方に位置する回路基板に設置することで、新たに回路基板や配線を設置する必要がない。これにより配線部分に発生するノイズの影響を低減することができ、正確に振動を把握することができ、ドラムを駆動する回転制御手段の適切な制御が可能になる。さらに、既存の回路基板に設置することで、新たに専用の回路基板を設置するスペースを必要とせず、専用回路基板を設置した場合に比べ低コスト,省スペース化を実現する。
また、筐体の振動を測定する手段を有する洗濯機において、筐体共振回転速度を測定する。さらに、前記筐体回転速度を推定し、前記筐体共振回転速度に応じた起動パターンを選択することにより、低振動・低騒音化を実現する。
また、布量検出手段により衣類の量を判断し、振動検出手段によりアンバランス量を判定し、それらの結果を基に測定した筐体共振回転速度から衣類の量やアンバランス量の影響を排除した基準値(以下、基準筐体共振回転速度)を算出する。以降の脱水運転では算出した基準筐体共振回転速度および衣類の量,アンバランス量を基に実際の筐体共振回転速度を推定することで、高精度な推定が可能となる(衣類の量やアンバランス量は筐体の筐体共振回転速度以下の回転速度で行う)。
また、以前の運転で測定した筐体共振回転速度を記録しておくことで、その情報から筐体共振回転速度を推定することが可能となり、前記回転速度に応じた起動パターンを選択することが可能となる。また、筐体共振回転速度や基準筐体共振回転速度を複数回分記録し、その情報を基に筐体共振回転速度や基準筐体共振回転速度を算出することで、測定誤差の影響を低減することができ、以降の運転で筐体共振回転速度や基準筐体共振回転速度を高精度に推定することができる。
また、筐体共振回転速度付近の回転速度ではドラムの回転速度の加速率を高く設定することで共振によって大きく振動している時間を短縮することができる。
また、筐体共振回転速度付近の回転速度ではドラムの回転速度を一定に保持する時間を短縮もしくは省略する。以上のように、筐体共振回転速度でドラムを回転させる時間を極力短くすることにより、使用者が不快に思う騒音や筐体及び床面の振動を低減することができる。
さらに、推定した筐体共振回転速度と記録してある筐体共振回転速度が大きく異なる場合には洗濯機の設置状態が変化したことが考えられるため、設置状態が変化したことを使用者に知らせることで、設置不備での運転を防止することができる。
さらに、筐体の振動を検出する手段において、回転速度ごとに設定したしきい値よりも大きな振動が生じた場合にドラムの回転を停止し再起動を行う制御を行い、前記制御において筐体共振回転速度付近のしきい値を他の回転速度領域のしきい値よりも大きな値とする。
また、測定もしくは推定した筐体共振回転速度、もしくはそれに依存した情報を表示器を用いて使用者に知らせる。
また、記録してある以前の運転で測定した筐体共振回転速度を消去する手段を持つことにより、使用者が設置状態を変えたときに従来の設置状態での筐体共振回転速度に影響を受け、筐体共振回転速度の推定精度が低下することを防ぐことができる。
本発明の実施例の洗濯機外装を示す図である。 本発明の実施例の洗濯機内部構造を示す図である。 筐体の上部および下部の回転速度と筐体振動加速度の関係を示す図である。 本発明の制御部を示すブロック図である。 床面の硬度が異なる場合の回転速度と筐体振動加速度の関係を示す図である。 運転時間と振動加速度の関係を示す図である。 運転時間と振動加速度の関係を示す図である。 脱水運転における制御手順を示すフローチャートである。 脱水運転における制御手順を示すフローチャートである。 脱水運転における制御手順を示すフローチャートである。 アンバランス量が異なる場合の回転速度と筐体振動加速度の関係を示す図である。
符号の説明
1 筐体
2 操作・表示パネル
3 扉
4 底部
5 胴部
6 天板部
7 スタートスイッチ
8 回転速度記録変更スイッチ
10 給水口
11 外槽
12 ダンパ
13 洗濯兼脱水槽
14 バッフル
15 支持板
16 モータ
17 排水弁
18 排水ホース
19 給水弁
20 洗剤ケース
21 水位センサ
22 空気室
23 チューブ
24 外槽振動センサ
25 操作・表示パネルの回路基板
26 筐体振動センサ

Claims (8)

  1. 洗濯を行う洗濯兼脱水槽と、前記洗濯兼脱水槽を内包する外槽と、前記外槽を支持する筐体と、前記洗濯兼脱水槽を回転駆動する駆動手段と、前記駆動手段を制御する制御手段と、前記筐体の振動を検出する検出手段を備えた洗濯機において、
    前記検出手段の出力に基づいて前記筐体が共振する筐体共振回転速度を測定する手段と、前記筺体共振回転速度を記録する手段を備え、前記測定された筐体共振回転速度に基づいて前記駆動手段を制御することを特徴とする洗濯機。
  2. 請求項1において、
    以前の運転で測定した筐体共振回転速度を基に、今回の筐体共振回転速度を推定し、前記推定した回転速度に応じて前記駆動機構を制御することを特徴とする洗濯機。
  3. 請求項1又は2において、
    前記駆動手段は前記筐体共振回転速度付近の回転速度で回転する時間を短縮するように制御することを特徴とする洗濯機。
  4. 請求項1において、
    記録した筐体共振回転速度と測定した筐体共振回転速度を比較する手段と、この手段の出力に応じて使用者に報知する手段を設けたことを特徴とする洗濯機。
  5. 請求項1において、
    記録した筐体共振回転速度と測定した筐体共振回転速度を比較し大きく異なる場合は、前回と運転状況や設置状況が異なることを使用者に知らせることを特徴とする洗濯機。
  6. 請求項1の洗濯機において,筐体が共振する回転速度もしくは前記回転速度に依存した情報を使用者に知らせる表示器を有することを特徴とする洗濯機。
  7. 請求項1において、
    前記筐体の振動が回転速度ごとに設定したしきい値よりも大きい場合に回転を停止し再起動を行う制御手段を備え、前記筐体が共振するドラム回転速度付近の回転速度では他の回転速度領域よりもしきい値を大きくすることを特徴とする洗濯機。
  8. 洗濯を行う洗濯兼脱水槽と、前記洗濯兼脱水槽を内包する外槽と、前記外槽を支持し、底部と胴部を有する筐体と、前記洗濯兼脱水槽を回転駆動する駆動手段と、前記駆動手段を制御する制御手段と、前記筐体の振動を検出する検出手段を備えた洗濯機において、
    前記検出手段は前記筐体の胴部と底部の締結部よりも上方にある既存の回路基板上に設置することを特徴とする洗濯機。
JP2008204981A 2008-08-08 2008-08-08 洗濯機 Expired - Fee Related JP5119082B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008204981A JP5119082B2 (ja) 2008-08-08 2008-08-08 洗濯機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008204981A JP5119082B2 (ja) 2008-08-08 2008-08-08 洗濯機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010035953A JP2010035953A (ja) 2010-02-18
JP5119082B2 true JP5119082B2 (ja) 2013-01-16

Family

ID=42009075

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008204981A Expired - Fee Related JP5119082B2 (ja) 2008-08-08 2008-08-08 洗濯機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5119082B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5289229B2 (ja) * 2009-07-31 2013-09-11 シャープ株式会社 洗濯機
JP6151094B2 (ja) * 2013-06-06 2017-06-21 日立アプライアンス株式会社 洗濯機
JP2016137091A (ja) * 2015-01-28 2016-08-04 日立アプライアンス株式会社 洗濯機
JP2019154481A (ja) * 2018-03-07 2019-09-19 パナソニックIpマネジメント株式会社 洗濯機を制御する制御方法、制御装置及びプログラム
JP2023053434A (ja) * 2021-10-01 2023-04-13 パナソニックIpマネジメント株式会社 洗濯機
KR20240028854A (ko) * 2022-08-25 2024-03-05 삼성전자주식회사 세탁기 및 그 제어 방법

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4867631B2 (ja) * 2006-12-08 2012-02-01 パナソニック株式会社 洗濯機
JP5010431B2 (ja) * 2007-10-24 2012-08-29 株式会社東芝 洗濯機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010035953A (ja) 2010-02-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5119082B2 (ja) 洗濯機
KR20100064655A (ko) 세탁기의 제어방법
KR20120055992A (ko) 세탁기 및 그 거품감지방법
JP5010431B2 (ja) 洗濯機
JP5753974B2 (ja) ドラム式洗濯機
JP2012223439A (ja) 洗濯機
CN108796981B (zh) 洗衣机及其控制方法
KR101463809B1 (ko) 세탁기의 거품감지방법
JP4748973B2 (ja) 洗濯機
JP6151094B2 (ja) 洗濯機
JP2010046298A (ja) 洗濯機
KR101054431B1 (ko) 세탁기 및 그 탈수 제어 방법
WO2008148844A2 (en) A washer/dryer and the control method thereof
JP2009273544A (ja) 洗濯機
JP5823070B2 (ja) 洗濯機
JP5753980B2 (ja) ドラム式洗濯機
KR20190076230A (ko) 세탁장치 및 세탁장치의 제어방법
KR20200093210A (ko) 세탁기 및 그 제어방법
KR101326300B1 (ko) 세탁기와 그 제어방법
JPH05269290A (ja) 洗濯機の脱水制御装置
JP2020103517A (ja) 洗濯機
KR101526985B1 (ko) 진동감지기능을 갖는 세탁기 및 이를 이용한 세탁기 제어방법
JP5852835B2 (ja) ドラム式洗濯機
JP2002119787A (ja) 洗濯機の制御方法および洗濯機
JP5331644B2 (ja) 洗濯機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110223

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110223

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120424

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120626

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120827

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120925

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121022

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5119082

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151026

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees